JP5874060B2 - 植物育成照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、植物の育成を調節する植物育成照明装置に関する。
従来より人工光源からの光を植物に照射して、その植物の育成を調節する方法が知られている。例えば、赤色光と遠赤色光との混合光を植物の光周期における明期の開始期近傍及び終了期近傍のいずれか一方又は両方において植物に照射することで、その植物に短日処理を施す方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、ナス科植物(特に、トマト)に対して赤色光及び遠赤色光の少なくとも一方の光を日没後1〜3時間照射することで、その植物の果実糖度を高める方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−136155号公報 特開2007−282544号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される方法は、主に植物の開花時期を早めるものであって必ずしも植物の成長を促進するものではない。また、上記特許文献2に示される方法は、果実糖度を高めるものであって必ずしも植物の成長を促進するものではなく、しかもナス科植物に限定された方法であるので他の植物に応用できない可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するものであって、人工光源からの光を植物に照射することで植物の成長を促進することができる植物育成照明装置を提供することを目的とする。
本発明の植物育成照明装置は、植物に対して光を照射する光源を備え、波長域610〜680nmの赤色光成分を含む光を照射する第1の光源と、波長域685〜780nmの遠赤色光成分を含む光を照射する第2の光源と、前記第1の光源及び第2の光源の照射動作を制御する制御部と、前記制御部に対して前記第1の光源及び第2の光源を照射動作させる時間帯を設定する時間設定部と、を備え、前記時間設定部は、前記第1の光源が日没を挟んだ時間帯に0.005W/m以上の放射照度かつ0.015kJ/m以上の1日積算放射照度で照射動作し、その後、前記第2の光源が日出までの時間帯に3時間以上0.02W/m以上の放射照度かつ0.21kJ/m以上の1日積算放射照度で照射動作するように設定されていることを特徴とする。
前記第1の光源が日没前の時間帯に照射する光の積算放射照度は、該第1の光源が日没後の時間帯に照射する光の積算放射照度よりも少なくなるように制御されていることが好ましい。
前記第1の光源が照射する光の積算放射照度は、前記第2の光源が照射する光の積算放射照度よりも少なくなるように制御されていることが好ましい。
前記第1の光源が照射する光の積算放射照度と前記第2の光源が照射する光の積算放射照度との比は、0.05:9.95〜4.5:5.5となるように制御されていることが好ましい。
本発明によれば、植物に対して日没を挟んだ時間帯に赤色光成分を含む光が照射され、その後、遠赤色光成分を含む光が照射されるので、植物の成長を促進することができる。
本発明の実施形態に係る植物育成照明装置の構成を示す図。 上記照明装置の光照射パターンを示す図。 上記照明装置を構成する第1の光源及び第2の光源が一つの筐体内に収容された状態を示す斜視図。 上記第1の光源を構成する赤色光フィルタ及び第2の光源を構成する遠赤色光フィルタの分光透過率を示す図。 上記第1の光源及び第2の光源から照射される光の分光特性を示す図。 上記第1の光源及び第2の光源の植物に対する配置を示す側面図。 上記第1の光源及び第2の光源の植物に対する配置を示す平面図。 実施例1における上記照明装置の光照射パターンを示す図。 比較例1における光照射パターンを示す図。 比較例2における上記照明装置の光照射パターンを示す図。 比較例3における上記照明装置の光照射パターンを示す図。 比較例4における上記照明装置の光照射パターンを示す図。 比較例5における上記照明装置の光照射パターンを示す図。 上記第1の光源が日没前に照射する光の積算放射照度と同光源が日没後に照射する光の積算放射照度との比と、キクの生育速度と、の関係を示す図。 上記第1の光源からの光の積算放射照度と第2の光源からの光の積算放射照度との比と、キクの生育速度と、の関係を示す図。 実施例2における上記照明装置の光照射パターンを示す図。 上記実施例2に対する比較例6における光照射パターンを示す図。 上記実施例2及び比較例6によるイチゴの収量を示す図。
本発明の実施形態に係る植物育成照明装置(以下、照明装置という)について、図1乃至図8を参照して説明する。本照明装置は、完全閉鎖型の植物苗生産システム、農業用のビニルハウス若しくはガラスハウス等の施設栽培、又は露地栽培等において植物(特に、花き類及び果菜類)の成長を促進するものである。
図1に示すように、照明装置1は、畝Fに植えられた植物Pに対して光を照射する光源として第1の光源2及び第2の光源3を備える。第1の光源2は波長域610〜680nmの赤色光成分を含む光を照射し、第2の光源3は波長域685〜780nmの遠赤色光成分を含む光を照射する。これら光源2、3は、植物Pの上方に配置される。光源2、3の照射動作は、制御部4により制御される。制御部4が動作する時間帯は、時間設定部5により設定される。光源2、3及び時間設定部5は、それぞれ配電線6により制御部4と電気的に接続される。
第1の光源2は、発光体21と、発光体21から発せられる光のうち主に赤色光成分を透過させる赤色光フィルタ22と、を有する。発光体21は、例えば、赤色光を発する赤色LEDや赤色蛍光灯や赤色EL素子、又は赤色光を含む光を発する白熱灯やHIDランプ(高圧ナトリウムランプ、キセノンランプ等)により構成される。赤色光フィルタ22は、例えば、カラー樹脂、カラーガラス又は光学多層膜処理を施した光学フィルタにより構成される。第1の光源2は、0.005W/m以上の放射照度で、かつ0.015kJ/m以上の1日積算放射照度で植物Pに対して光を照射する。放射照度は、Leica製ライトメータLi-250及びセンサLi-190SAを用いて測定される。なお、発光体21が主に波長域685〜780nmの光を直接に照射するように構成されている場合には、第1の光源2は、遠赤色光フィルタ22を有さなくてもよい。
第2の光源3は、発光体31と、発光体31から発せられる光のうち主に遠赤色光成分を透過させる遠赤色光フィルタ32と、を有する。発光体31は、例えば、遠赤色光を発する遠赤色LEDや遠赤色蛍光灯や遠赤色EL素子、又は遠赤色光を含む光を発する白熱灯やHIDランプ(高圧ナトリウムランプ、キセノンランプ等)により構成される。遠赤色光フィルタ32は、例えば、カラー樹脂、カラーガラス又は光学多層膜処理を施した光学フィルタにより構成される。第2の光源3は、0.02W/m以上の放射照度で、かつ0.21kJ/m以上の1日積算放射照度で植物Pに対して光を照射する。なお、発光体31が主に波長域685〜780nmの光を直接に照射するように構成されている場合には、第2の光源3は、遠赤色光フィルタ32を有さなくてもよい。
制御部4は、マイコン、リレー及びスイッチ等により構成され、光源2、3から照射される光の放射照度を調節する調光装置を有する。調光装置は、例えば、ライトコントローラにより構成され、電気的に放射照度を調節する。
時間設定部5は、タイマやマイコン等により構成され、ユーザによって予め設定された時間に光源2、3を照射動作させる。図2に示すように、時間設定部5は、第1の光源2からの赤色光を含む光が日没を挟んだ時間帯に照射され、その後、第2の光源3からの遠赤色光を含む光が日出までの時間帯に3時間以上照射されるように設定される。第1の光源2からの赤色光照射と第2の光源3からの遠赤色光照射とは、通常、連続的に行われるが、短い時間(例えば、数分)であれば互いに重畳していたりブランクがあってもよい。
光源2、3がLEDのような単体光量の少ない発光体により構成されている場合、十分量の光量を確保するため、図3に示すように、各々複数の光源2、3が一つの筐体7内にまとめて収容される。筐体7は、熱伝導率が高くて放熱性に優れると共に高い光反射性を有する材料、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属により構成される。
図4に示すように、赤色光フィルタ22の分光透過率は、例えば、波長が略590〜710nmの光に対して高く、波長が略660nmの光に対して最も高くなっている。また、遠赤色光フィルタ32の分光透過率は、例えば、波長が略690nm以上の光に対して高くなっている。
図5に示すように、蛍光灯(発光体21)と赤色光フィルタ22とにより構成された第1の光源2から照射される光(実線で示す)は、例えば、略660nmにピーク波長を有する。また、赤色LED(発光体21)により構成された第1の光源2から照射される光(一点鎖線で示す)は、例えば、略630nmにピーク波長を有する。
蛍光灯(発光体31)と遠赤色光フィルタ32とにより構成された第2の光源3から照射される光(破線で示す)は、例えば、略740nmにピーク波長を有する。また、遠赤色LED(発光体31)により構成された第2の光源3から照射される光(二点鎖線で示す)は、例えば、略735nmにピーク波長を有する。
光源2、3は、通常、植物Pの上方に配置される。しかしながら、植物Pの背が高い場合や枝葉が多い場合には、上方に配置された光源2、3だけでは植物Pの下方や内部にまで十分量の光を照射することができない虞がある。そこで、図6に示すように、植物Pの上方に配置された上部第1の光源2a及び上部第2の光源3a(以下、上部光源2a、3aという)に加え、植物Pの側方や下方にも光源2、3を配置してもよい。植物Pの側方には側部第1の光源2b及び側部第2の光源3b(以下、側部光源2b、3bという)が配置され、植物Pの下方には下部第1の光源2c及び下部第2の光源3c(以下、下部光源2c、3cという)が配置される。これにより、光源2、3からの光を植物P全体に十分量照射することができる。ここで、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは、任意の角度で植物Pに対して光を照射することができるように、それらの取り付け角度が調節可能となっている。
図7は、上方から見たときの植物Pに対する上部光源2a、3a、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cの配置を示す。なお、ここでは図を簡単にするために光源2、3を一つの部材として示している。上部光源2a、3aは、畝Fが伸びる方向(植物Pが連なる方向)と略平行に、互いに一定間隔を置いて複数配置される。側部光源2b、3bは、シリンダ等で覆われることで防水加工が施され、畝Fが伸びる方向と略平行に、畝Fの間の領域に互いに一定間隔を置いて複数配置される。下部光源2c、3cは、シリンダ等で覆われることで防水加工が施され、畝Fが伸びる方向と略平行に、畝Fの間の地面上に互いに一定間隔を置いて複数配置される。これにより、各光源2、3の光照射範囲に対して植物Pが広い範囲に亘って連なっている場合であっても、植物Pに対して十分量の光を照射することができる。なお、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは、ホローライトガイド方式の照明器具、光ファイバ、又は細長い形状に成形されたEL器具等の連続光源により構成されてもよい。
上部光源2a、3a、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cの配光及び光量は、植物Pの生育に応じて調節される。例えば、植物Pが初期の生育ステージにあってまだ小さい場合、植物Pから離れた上部光源2a、3aは消灯され、植物Pに近い側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは点灯される。このとき、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは、それらの取り付け角度等を調整することで配光が狭く設定され、植物Pに対して集中的に光を照射できるように調節される。また、初期の生育ステージにある植物Pは枝葉がまだ十分に発達していないので、植物Pに対して照射される光は光量が低くても植物P全体に行き渡る。そのため、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは、それぞれ照射する光の光量を下げることが好ましい。
一方、植物Pが大きく成長した場合には、上部光源2a、3a、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cのすべてが点灯される。このとき、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは、それらの取り付け角度等を調整することで配光が広く設定され、植物Pの広い範囲に対して光を照射できるように調節される。また、大きく成長した植物Pは多くの枝葉を持ち得るため、植物Pに対して照射される光は高い光量でないと植物Pの内部にまで行き渡らない。そのため、上部光源2a、3a、側部光源2b、3b及び下部光源2c、3cは、それぞれ照射する光の光量を増加させることが好ましい。
上記のように構成された照明装置1が植物Pに与える成長促進効果を、実際に照明装置1を用いて花き類に属するキク(品種:セイプリンス)を栽培し、約8割のキクが茎丈80cm以上となるのに要した平均日数を算出することで確認した。
(実施例1)
キクは、11月初めに定植され、翌年の3月まで略3.5ヶ月間栽培された後に収穫された。定植後すぐに、キクの栄養生長を維持するために白熱灯点灯による深夜4時間の暗期中断を開始した。この暗期中断は、キクの草丈が20cm以上となった定植開始略45日後の12月末まで継続された。その後、キクを生殖生長に移行させると同時に、照明装置1によるキクへの光照射を開始した。照明装置1による光照射は、キクが開花するまで継続された。
第1の光源2としては、上述の赤色LEDを用いた(図5参照)。第1の光源2は、5個/mの密度でキクの上方に配置され、キクに対して0.005W/mの放射照度で赤色光を照射した。第2の光源3としては、上述の遠赤色LEDを用いた(図5参照)。第2の光源3は、20個/mの密度でキクの上方に配置され、キクに対して0.02W/mの放射照度で遠赤色光を照射した。
図8に示すように、第1の光源2からの赤色光は、日没の15分前から日没の45分後までの計1時間キクに対して照射された。第2の光源3からの遠赤色光は、日没の45分後から3時間キクに対して照射された。すなわち、第1の光源2からの赤色光と第2の光源3からの遠赤色光とは、連続的にキクに対して照射された。その結果、本実施例によるキクは、表1に示すように、茎丈が80cm以上となるのに平均90日を要した。
これに対し、図9に示すように、比較例1では、光源2、3からの光は照射されず、太陽光のみがキクに対して照射された。その結果、比較例1によるキクは、表1に示すように、茎丈が80cm以上となるのに平均111日を要した。この結果は、照明装置1がキクの成長を効率良く促進することを示している。
図10に示すように、比較例2では、太陽光に加えて、第1の光源2からの赤色光のみが照射され、第2の光源3からの遠赤色光は照射されなかった。その結果、比較例2によるキクは、表1に示すように、茎丈が80cm以上となるのに平均110日を要した。この結果は、キクの成長を顕著に促進するには、第2の光源3からの遠赤色光が必要であることを示している。
図11に示すように、比較例3では、太陽光に加えて、第2の光源3からの遠赤色光のみが照射され、第1の光源2からの赤色光は照射されなかった。第2の光源3からの遠赤色光は、日没直後から3時間照射された。その結果、比較例3によるキクは、表1に示すように、茎丈が80cm以上となるのに平均102日を要した。この結果は、キクの成長を顕著に促進するには、第1の光源2からの赤色光が必要であることを示している。
図12に示すように、比較例4では、太陽光に加えて、第1の光源2からの赤色光が日没の1時間前から日没までの1時間照射され、第2の光源3からの遠赤色光が日没直後から3時間照射された。その結果、比較例4によるキクは、表1に示すように、茎丈が80cm以上となるのに平均97日を要した。この結果は、キクの成長を顕著に促進するには、第1の光源2からの赤色光が日没を挟んで照射されることが重要であることを示している。
図13に示すように、比較例5では、太陽光に加えて、第1の光源2からの赤色光が日没直後から1時間照射され、その後すぐに、第2の光源3からの遠赤色光が3時間照射された。その結果、比較例5によるキクは、表1に示すように、茎丈が80cm以上となるのに平均96日を要した。この結果も、上記比較例4と同様に、キクの成長を顕著に促進するには、第1の光源2からの赤色光が日没を挟んで照射されることが重要であることを示している。
本実施例においては、第1の光源2が日没前に照射する赤色光の積算放射照度R1と、第1の光源2が日没後に照射する赤色光の積算放射照度R2と、の比(R1/R2)は、0.33となっている(15(分)/45(分)より算出)。図14は、このR1/R2を種々に変化させた場合における、茎丈が80cm以上となるのに要したキクの生育期間の変化を示す。R1がゼロの場合、すなわち、日没前に第1の光源2からの赤色光をキクに対して照射しなかった場合、キクは茎丈80cm以上となるのに平均96日を要した。この状態から、R1を増やしていくとキクの成長が促進されて、茎丈80cm以上となるのに要する期間が短縮された。この成長促進効果は、R1/R2が0.09〜0.71の範囲で顕著で、R1/R2が1よりも大きくなると見られなかった。この結果は、キクの成長を効率良く促進するには、R1をR2よりも少なくすることが好ましいことを示している。
また、本実施例においては、第1の光源2からの光の積算放射照度R(=R1+R2)と、第2の光源3からの光の積算放射照度FRと、の比(R/FR)は、0.083となっている((0.005W/mx1時間)/(0.02W/mx3時間)より算出)。図15は、このR/FRを種々に変化させた場合における、茎丈が80cm以上となるのに要したキクの生育期間の変化を示す。Rがゼロの場合、すなわち、第1の光源2からの赤色光をキクに対して照射しなかった場合、キクは茎丈80cm以上となるのに平均102日を要した。この状態から、Rを増やしていくとキクの成長が促進されて、茎丈80cm以上となるのに要する期間が短縮された。この成長促進効果は、R/FRが0.005〜0.82の範囲で特に顕著であった。この結果は、キクの成長を効率良く促進するには、RをFRよりも少なくすることが好ましく、特に、R/FRを0.005(R:FR=0.05:9.95に相当)〜0.82(R:FR=4.5:5.5に相当)に設定することが好ましいことを示している。
次に、照明装置1が植物Pに与える成長促進効果を、実際に照明装置1を用いて果菜類に属するイチゴ(品種:とちおとめ)を栽培し、イチゴの収量(10株当たり)を算出することで確認した。
(実施例2)
イチゴは、9月末に定植され、翌年の3月まで略6ヶ月間栽培された後に収穫された。照明装置1によるイチゴへの光照射は、11月中旬に開始され、イチゴを収穫するまで継続された。
光源2、3としては、実施例1と同一のものを用いた。また、光源2、3の設置場所及び設置個数も、実施例1と同一とした。第1の光源2は0.01W/mの放射照度で赤色光をイチゴに対して照射し、第2の光源3は0.02W/mの放射照度で遠赤色光をイチゴに対して照射した。
図16に示すように、実施例2では、第1の光源2からの赤色光が日没の20分前から日没の100分後までの計2時間イチゴに対して照射され、第2の光源3からの遠赤色光が日没の100分後から3時間イチゴに対して照射された。これに対し、図17に示すように、比較例6では、光源2、3からの光は照射されず、太陽光に加えて日没直後より5時間白熱灯からの光がイチゴに対して照射された。
その結果、表2に示すように、実施例2によるイチゴの総収量は14222グラムとなり、比較例6によるイチゴの総収量は実施例2のものよりも略2割少ない11653グラムとなった。また、実施例2及び比較例6におけるイチゴの12月〜3月までの月毎の収量及び総収量は、図18に示す通りとなった。比較例6によるイチゴの収量は、いずれの月においても実施例2のものよりも少なかった。この結果は、照明装置1がイチゴの成長を促進することを示している。
上記のように、本実施形態の照明装置1によれば、植物Pに対して日没を挟んだ時間帯に赤色光成分を含む光が照射され、その後、遠赤色光成分を含む光が照射される。これにより、赤色光成分と遠赤色光成分とが混在した太陽光が照射される場合に比べて、植物PにおいてPr型フィトクロムからPfr型フィトクロムへの変換にメリハリをつけることができるので、植物Pの成長が促進される。従って、植物Pの栽培サイクルを短くしたり、植物Pの収量を増加することができる。
また、R1をR2よりも少なくすると共に、RをFRよりも少なくする(好ましくは、R/FR=0.005〜0.82とする)ことで、より一層Pr型フィトクロムからPfr型フィトクロムへの変換にメリハリをつけることができる。これにより、更に、植物Pの成長を促進することができる。
照明装置1は、太陽光が届かない完全閉鎖系の植物生産工場等に設置されてもよい。この場合、第1の光源2及び第2の光源3は、例えば、植物Pの育成に用いられる人工光源の明期/暗期スケジュールを基準にしてオン/オフ制御される。また、照明装置1は、通年に亘って利用可能であるが、特に、太陽光が減少する秋から春先にかけての短日期に有効である。
なお、本発明に係る植物育成照明装置は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、第1の光源及び第2の光源は、1種類の光源から照射される光の波長を制御することで実現されてもよい。これは、例えば、光源としてあらゆる波長の可視光を発する白熱灯を用い、この白熱灯と赤色光フィルタ又は遠赤色光フィルタとを適宜組み合わせることで実現することができる。
1 植物育成照明装置
2 第1の光源
3 第2の光源
4 制御部
5 時間設定部
P 植物
R1 第1の光源が日没前の時間帯に照射する光の積算放射照度
R2 第1の光源が日没後の時間帯に照射する光の積算放射照度
R 第1の光源が照射する光の積算放射照度
FR 第2の光源が照射する光の積算放射照度

Claims (4)

  1. 植物に対して光を照射する光源を備えた植物育成照明装置であって、
    波長域610〜680nmの赤色光成分を含む光を照射する第1の光源と、
    波長域685〜780nmの遠赤色光成分を含む光を照射する第2の光源と、
    前記第1の光源及び第2の光源の照射動作を制御する制御部と、
    前記制御部に対して前記第1の光源及び第2の光源を照射動作させる時間帯を設定する時間設定部と、を備え、
    前記時間設定部は、前記第1の光源が日没を挟んだ時間帯に0.005W/m以上の放射照度かつ0.015kJ/m以上の1日積算放射照度で照射動作し、その後、前記第2の光源が日出までの時間帯に3時間以上0.02W/m以上の放射照度かつ0.21kJ/m以上の1日積算放射照度で照射動作するように設定されていることを特徴とする植物育成照明装置。
  2. 前記第1の光源が日没前の時間帯に照射する光の積算放射照度は、該第1の光源が日没後の時間帯に照射する光の積算放射照度よりも少なくなるように制御されていることを特徴とする請求項1に記載の植物育成照明装置。
  3. 前記第1の光源が照射する光の積算放射照度は、前記第2の光源が照射する光の積算放射照度よりも少なくなるように制御されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植物育成照明装置。
  4. 前記第1の光源が照射する光の積算放射照度と前記第2の光源が照射する光の積算放射照度との比は、0.05:9.95〜4.5:5.5となるように制御されていることを特徴とする請求項3に記載の植物育成照明装置。
JP2011276350A 2011-12-16 2011-12-16 植物育成照明装置 Active JP5874060B2 (ja)

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