JP5219245B2 - 植物病害虫防除用照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線を含む光を放出する光源を備えた植物病害虫防除用照明装置に関する。
従来から、紫外線をその波長成分を制御して放出する植物病害虫防除用照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置において、紫外線は、UV−Bの領域(波長が280〜340nmの領域)の波長成分を含み、UV−Cの領域(波長が100〜280nmの領域)の波長成分が略ゼロになるように制御されている。この制御により、灰色カビ病、うどんこ病、ベト病、炭そ病等の糸状菌の胞子形成や菌糸の成長を抑制し、これらの植物病害に対して防除する効果を奏することができる。
しかしながら、この装置では、UV−C(波長分布100〜280nm)が略ゼロとなるように制御されるので、上記病害の糸状菌の胞子形成や菌糸の成長を確実に抑制すること、及び植物の病害抵抗性誘導において確実な誘導を行うことが難しく、このため、植物病害発生等の抑制が困難なことがあった。また、夜蛾等の夜行性害虫の防除についての開示はない。
また、紫外線と可視光(青色、黄色、赤色)を含む光を照射し、植物育成を行う植物育成用照明装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この装置では、紫外線(波長分布250〜375nm)と可視光(青色、黄色、赤色)を含む光の照射は、植物育成を行えるが、紫外線の波長分布の中に糸状菌の胞子の形成を促進し、かつ、誘虫効果を有するUV−A(波長が略340〜380nmの領域)を含むので植物病害及び害虫被害に対する抑制を低下させることがあった。また、この装置では、青色光が害虫を寄せ付けることにより、病害虫防除の効率が悪く、さらに、夜蛾等の夜行性害虫の防除についての開示はなく、夜行性害虫を防除に対するための有効な照射は行われていない。また、可視光の黄色成分や赤色成分に含まれるフィトクロムの吸収スペクトルの相当する光の植物体への照射加減によっては、植物体の花芽形成等への影響もある。
特開2005−328734号公報 特開2001−28947号公報
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、灰色カビ病、うどんこ病等の糸状菌の胞子形成や菌糸の成長を確実に抑制することができ、植物に病害抵抗性を確実に誘導して植物の病害発生等を抑制することができると共に、植物体の花芽形成等への光影響を抑えて、かつ、夜行性害虫による加害を減少させることができる植物病害虫防除用照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、紫外線を含む光を放出する光源を備えた植物病害虫防除用照明装置であって、前記光源から放出される光の波長制御を行うフィルタを備え、前記光源は、280〜340nmの波長成分を有するUV−Bと、100〜280nmの波長成分を有するUV−Cと、波長分布460〜550nmの波長成分の中にピークを有する可視光とを少なくとも重畳して照射し、前記フィルタは、前記UV−Cのうち、255nm以下の波長成分をカットすることを特徴とする。
記UV−CとUV−Bの植物にあたる位置の各放射照度の合算放射照度を50μW/cm以下とし、前記可視光の植物にあたる位置の放射照度を0.2μW/cm以上とすることが好ましい。
記UV−CとUV−Bとの照射比率を0.04〜0.1:1にすることが好ましい。
本発明によれば、255nm以下の波長成分がカットされたUV−Cと、280〜340nmの波長成分を有するUV−Bの紫外線に加えて、葉緑素の光吸収が良く、夜行性害虫の視感度特性の波長分布と重複する波長分布を持つ可視光が重畳して照射される。これにより、灰色カビ病、うどんこ病等の糸状菌の胞子形成や菌糸の成長をさらに確実に抑制し、植物の病害抵抗性をさらに確実に誘導することができ、病害発生及び育成障害等を抑制できると共に、植物の代謝を促進し、かつ、夜蛾等の夜行性害虫による加害を減少することが可能になる。また、フィトクロムの吸収スペクトルの相当する光の照射が少ないので、植物体の花芽形成等への影響が小さい。
以下、本発明の第1の実施形態に係る植物病害虫防除用照明装置について図1乃至図6を参照して説明する。この植物病害虫防除用照明装置(以下、照明装置という)は、完全閉鎖型の植物苗生産システム、農業用のビニールハウス若しくはガラスハウス等での施設栽培、又は露地栽培等において、野菜や花卉の苗を育成する際に発生する、灰色カビ病、菌核病、トマト輪紋病、白星病、うどんこ病、ベト病、炭そ病等の糸状菌(カビ)による植物病害等の防除と夜行性害虫(夜蛾等)の防除を同時にするための装置である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1の構成を示す。この照明装置1は、紫外線を含む光を放出する光源2と、この光源2からの放出される光の波長制御を行うフィルタ3とを備える。このフィルタ3を透過した光が植物Pに照射される。光源2は、略280〜340nmの波長成分を有するUV−Bと、略100〜280nmの波長成分のうちの略255nm以下の波長成分がカットされたUV−Cと、略波長分布460〜550nmの波長成分の中にピークを有する可視光とを少なくとも重畳して植物Pに照射する。光源から放出される光は、植物Pにあたる位置のUV−CとUV−Bの各放射照度の合算放射照度を略50μW/cm以下になるように、また、UV−Cの放射照度がUV−Bの放射照度より少なくなるように制御されている。また、可視光の放射照度は略0.2μW/cm以上となるように制御されている。
光源2は、255nm以下の波長成分がカットされたUV−CとUV−Bの波長成分および可視光(波長分布460〜550nm)を含む光を放出する光源であれば、特に限定されるものではない。例えば、255nm以下の波長成分がカットされたUV−CとUV−Bの波長成分を発する光源(以下、UV光源という)からの紫外光と、波長分布460〜550nmを発する光源(以下、可視光源という)からの可視光とを組み合わせてもよい。
UV光源は、例えば、図2に示される分光分布を有する日焼け用ランプ(三共電気株式会社製、品番GL20E)等の蛍光灯により構成される。この日焼け用ランプは、略255nm以下の波長成分がカットされた少量のUV−CとUV−Bと、を放出する。
また、UV光源は、波長が略255〜380nmの紫外線成分を多く含む水銀灯やメタルハライドランプ(松下電器産業株式会社製、スカイビーム)、紫外線領域で連続した発光スペクトルを有するキセノンランプ等のHIDランプ(High Intensity Discharged lamp)により構成されていてもよい。UV光源は、略255nm以下の波長成分がカットされたUV−C及びUV−Bを放出する光源であれば、特に限定されない。
可視光源は、上記メタルハライドランプ、または水銀灯やカラーHIDランプ等を用いることができ、これらの各種ランプの光をフィルタ3により、可視光(波長分布460〜550nm)を透過させることにより得られる。また、他の可視光源と組み合わせてもよい。例えば、略波長分布460〜550nmの波長成分の中にピークを有する緑色LEDや緑色蛍光灯(図5参照)などとの組合せなどは効果的である。
ここで、UV−CとUV−Bの植物にあたる位置の各放射照度の合算放射照度を略50μW/cm以下とし、可視光の植物にあたる位置の放射照度を略0.2μW/cm以上として制御する制御手段は、例えば、調光制御が可能なライトコントローラ(図示せず)等により構成される。このライトコントローラにより光源2が電気的に制御され、上記のUV−CとUV−Bの合計が50μW/cm以下となり、可視光の放射照度を略0.2μW/cm以上となる。この制御手段の構成は、これに限定されない。例えば、フィルタ3、光源2のランプに形成した塗膜や蒸着膜、又はこれらの組み合わせにより、UV−CとUV−Bの各放射照度、及び可視光量の放射照度を制御してもよい。
フィルタ3は、ガラスや樹脂等を材料とし、光源2から放出される光のうちのUV−Aすなわち略340〜380nmの波長の光を殆ど透過しないように構成されている。このため、植物Pに照射される光は、その略340〜380nmの波長成分がフィルタ3によりカットされて略ゼロになる。光束量が比較的多く、略300〜400nmの紫外線領域の波長成分を比較的多く含む上記メタルハライドランプ、キセノンランプ等を光源2として用いる場合、フィルタ3は効果的である。
光源2及びフィルタ3の位置は、植物Pの上方から光を照射するため、基本的に植物Pの上方位置であるが、これに限定されない。ただし、植物Pが比較的密に植えられて栽培される場合、光源2が植物Pの上方に在るだけでは、植物Pの影により、近接する植物Pの側部及び下部に十分に光が照射されず、植物Pの側部及び下部が他の部分よりも病気にかかり易くなる虞がある。従って、そのような場合には、図3に示されるように、植物Pの上方に加えて、植物Pの側方及び下方のそれぞれに光源2及びフィルタ3を設置することが望ましい。以下、植物Pの上方、側方及び下方にあり、その上部、側部及び下部を照らす光源2を上部光源2a、側部光源2b、下部光源2cという。同図においては、側部光源2bが2個、下部光源2cが1個だけ図示されているが、これらの個数はこれに限定されない。
図4に示されるように、植物Pが畝Fに合わせて複数植えられている場合には、上部光源2a、側部光源2b及び下部光源2cがそれぞれ複数設けられることが望ましい。上部光源2aは畝Fに沿って所定の間隔で設置され、側部光源2b及び下部光源2cは畝Fと略平行に、すなわち植物Pの列と略平行に略連続して設置される。側部光源2b及び下部光源2cは、例えば、シリンダ等で覆われて防水加工が施された蛍光灯により構成され、畝Fと略平行に並設される。側部光源2b及び下部光源2cは、ホローライトガイド方式の照明器具、光ファイバ又は細長い形状のEL器具等の光源により構成されていてもよい。このように、上部光源2a、側部光源2b及び下部光源2cは並べて設置されるので、それらの個々の光照射範囲よりも広い範囲に亘って植物Pが植えられている場合においても、植物Pの側部及び下部に確実に光を照射することができる。
光源2から植物Pへの光照射時間は、例えば、タイマ等により制御される。タイマにより計時された時間に応じて、光源2への電力が供給又は遮断され、光源2が点灯制御される。また、光源2の配光及び光量を植物Pの生育に合わせて調整してもよい。例えば、初期の生育ステージにおいて、植物Pがあまり生育しておらず、植物Pがまだ小さい場合には、上部光源2aが消灯させると共に側部光源2b及び下部光源2cを点灯させ、さらに側部光源2b及び下部光源2cの取付角度等を調整することにより、配光の広がりが抑えられ、植物Pに照射される光の光量を少なくする。植物Pが大きくなるにつれて、上部光源2aも点灯させると共に、側部光源2b及び下部光源2cの取付角度等を調整することにより、配光を広くし、植物Pに照射される光の光量を多くする。なお、側部光源2b及び下部光源2cの配光及び光量の調整方法は、上述した例に限定されず、上部光源2aの光量が少ない場合や、植物Pが比較的多くの光を必要とする場合には、初期の生育ステージにおいても上部光源2aを点灯させても構わない。
照明装置1は、植物病害防除効果をより確実なものにするため、例えば、太陽光線からUV−Aをカットすることができる農業用のビニールハウスやガラスハウス(以下、ハウスという)内に設置することが望ましい。上記のハウス内で照明装置1が用いられる場合、照明装置1から植物Pに照射される光だけでなく、太陽から植物Pに注がれる光においても、UV−Aがカットされるので、糸状菌防除をより効果的に行うことができる。
略255nm以下の波長成分がカットされたUV−C及びUV−Bは、その強度が強い場合、人体、例えば目や皮膚等に害を与える虞がある。このため、遮光板や人感センサスイッチをハウス内に設置し、それらを照明装置1と電気的に接続させて、光源2の光が作業者に照射されないように配光を制御することや、作業者が居ないときにのみ光源2を点灯させることが望ましい。このような制御により、ハウス内の作業者の安全確保を図ることが可能となる。
ここで、図5に、光源2の可視光源に緑色蛍光灯を用いたときの緑色蛍光灯の分光放射特性である放射スペクトル(実線で表す)と、フィトクロムの光吸収特性である吸収スペクトル(破線で表す)と、夜蛾の分光感度である視感度特性(一点鎖線で表す)の各例をそれぞれのグラフで示す。各グラフの縦軸は、放射スペクトルと吸収スペクトルは各最大パワーレベルを1とし、視感度特性は最大感度を1としてそれぞれ正規化されて表示されている。また、点線で囲まれた領域10、20は、それぞれ略255nm以下の波長成分がカットされたUV−C及びUV−Bを示す。
上記緑色蛍光灯スペクトルの分光放射特性例は、略波長分布460〜550nmの波長成分の中にピークを有する可視光となっている。フィトクロムの吸収スペクトルは、Butlerら(Butler,W.L.:Photochem.Photobiol.3,pp.521-528,1964)が明らかにしたものであり、660nm付近にピークを有し、黄色から赤色の560〜700nmの範囲でレベルが高い。このフィトクロムの吸収スペクトルに相当する光が植物に照射されると、この照射により植物体の花芽形成等へ悪影響があることが知られている。また、夜蛾の視感度特性は、内田ら(日本照明学会全国大会,2003年8月)が示したように、夜蛾の活動抑制効果を得るには、460〜580nmの波長域に分光放射エネルギーのピークをもつ光源を使用することが望ましいことが知られている。
上記緑色蛍光灯のスペクトルは、夜蛾の視感度特性の下限からフィトクロムの吸収スペクトルの下限における460〜560nmの間にピークを有し、その波長分布が夜蛾の視感度特性の分光分布と重複する波長分布を成し、フィトクロムと吸収スペクトルとは重複が少ない波長分布を成す可視光となっている。これにより、緑色蛍光灯スペクトルを照射すると、葉緑素の光吸収が強いので植物の代謝を促進し、植物の紫外光に対する抵抗性を促進して葉焼けなどの被害を軽減すると共に、植物体の花芽形成等への悪影響が少なく、かつ、効率的に夜行性害虫を防除することが可能になる。
下記表1は、紫外線出力と可視光出力を照射したときのイチゴにおける照射試験結果例を示す。ここでは、UV−CとUV−Bのイチゴ(植物)にあたる位置の各放射照度の合算放射照度(紫外線出力という)と、可視光のイチゴ(植物)にあたる位置の放射照度(可視光出力という)をパラメータとして得られた植物病害発生率(%)、植物の育成障害(葉焼け率(%))、及び夜蛾被害率(%)を示す。
Figure 0005219245
表1に示すように、可視光出力が0.2μW/cmの場合、紫外線出力が55μW/cmのときは、葉焼け率が33.2%と高く、0μW/cmでは、病害発生率が75%と極めて高い。これに対して、紫外線出力が50μW/cmのときは、病害発生率3.6%、葉焼け率0%、及び夜蛾被害率2.76%といずれも極めて低い値となっている。また、可視光出力が0.2μW/cmより低い場合、即ち、0μW/cm、0.1μW/cm、及び0.15μW/cmのときは、病害発生率、葉焼け率及び夜蛾被害率はいずれも劣化し、効果が低いことが分かる。即ち、可視光出力が0.2μW/cm以上とし、紫外線出力が50μW/cm以下とすることにより、病害発生率、育成障害(葉焼け率)、及び夜蛾被害率をいずれも可視光出力及び紫外線出力の他のパラメータの場合に比較して良好に抑制することができる。なお、表1では、UV−CとUV−Bの照射比率を略0.1:1として測定した。
上記の実験結果に示されるように、本実施形態においては、略255〜280nmのUV−CとUV−Bの波長領域の紫外線が植物に照射されるので、灰色カビ病、うどんこ病、ベト病、炭そ病等の糸状菌の胞子形成や菌糸の成長をさらに確実に抑制し、植物の病害抵抗性をさらに確実に誘導することが可能になり、病害発生を抑制でき、育成障害を抑制できる。また、葉緑素の光吸収の強い、かつ、夜行性害虫の視感度の高い460〜550nmの可視光を重畳して照射することにより、植物の代謝を促進し、かつ、植物体の花芽形成等への光影響を抑え、効率的に夜行性害虫を防除することが可能になる。
特に、植物にあたる位置のUV−CとUV−Bの合算照度の紫外線出力を50μW/cm以下とすることにより、UV−CとUV−Bとを植物に適量に照射することができ、例えば、葉焼けなどの植物の育成障害を強く抑制でき、かつ、病害発生を強く抑制できる。また、植物にあたる位置の可視光出力を略0.2μW/cm以上としたことにより、植物の代謝を促進し易くし、効率的に夜蛾等の夜行性害虫の防除の効果をより高めることができる。
さらに、本実施形態においては、植物に照射される紫外線が、糸状菌の胞子の形成を促進させるUV−Aの領域の波長成分が略ゼロであるため、より効果的に糸状菌の胞子形成や菌糸の成長を抑制して植物病害の広がりを抑えることができ、最終的には作物の収量を増やすことができる。また、UV−Aを含む光は誘虫効果を有するので、UV−Aをカットすることより誘虫効果を抑制し、害虫による被害を低減することが可能となる。
なお、光源2が蛍光灯により構成される場合、フィルタ3を設けずに、図6に示されるように蛍光灯の蛍光管の内側に塗布された蛍光体21が、UV−Cの領域のうちの略255nm以下の波長成分とUV−Aの領域(波長が略340〜380nmの領域)の波長成分とが略ゼロの光を発する特性を有していてもよい。この蛍光灯では、放電により電子が放出され、水銀原子がその電子のエネルギーを受け取ることによって紫外線を放出し、その紫外線が蛍光体21に吸収され、蛍光体21が上記の光を放出する。
また、光源2を特に限定せず、フィルタ3として略255nm以下の波長の光を殆ど透過しないフィルタを用いることにより、略255nm以下の波長の光をカットするようにしてもよい。光束量が比較的多く、略255nm以下の紫外線領域の波長成分を比較的多く含む上記メタルハライドランプ、キセノンランプ等を光源2として用いる場合、このフィルタ3は効果的である。
次に、本発明の第2の実施形態に係る照明装置1について説明する。本実施形態に係る照明装置1の図示は省略する。本実施形態に係る照明装置1は、第1の実施形態の構成と比べ、光源から放出される光は、植物Pに当たる位置のUV−CとUV−Bの照射比率を略0.04〜0.1:1とした点で異なる。
UV−CとUV−Bの照射比率を略0.04〜0.1:1に制御する制御手段は、例えば、調光制御が可能なライトコントローラ等により構成される。このライトコントローラにより光源が電気的に制御され、照射比率が略0.04〜0.1:1となる。
下記表2は、UV−CとUV−Bの照射比率を変えた場合のイチゴにおける照射試験結果を示す。ここでは、UV−CとUV−Bのイチゴ(植物)にあたる位置の各放射照度の照射比率を、UV−Bを1とし、UV−Cをパラメータとして0〜0.12まで変えた場合の病害発生率(%)と生育障害(葉焼け率(%))の照射試験結果を示す。なお、可視光出力は、0.2μW/cmに、UV−CとUV−Bとの合算放射照度の紫外線出力は50μW/cmに一定としている。
Figure 0005219245
表2に示されるように、UV−CとUV−Bの比率が0.04〜1:1においては、病害発生率は1.9〜2.5%、生育障害の葉焼け率は0%となり、極めて良好な照射試験結果が得られた。特に、病害発生率の1.9〜2.5%は、前記実施形態の表1における最小の病害発生率(3.6%)よりさらに良好な病害発生率となると共に、比率が0.04〜1:1の全範囲において、生育障害の葉焼け率が0%となった。
上記の実験結果に示されるように、第2の実施形態の植物病害虫防除用照明装置によれば、UV−CとUV−Bの照射比率を略0.04〜0.1:1とすることにより、植物に対する葉焼け等の育成障害を確実に抑制することができると共に、病害発生率をさらに低減することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、植物近傍の照度を検出する照度センサを設けて、この照度センサで可視光や紫外線光を検出し、この検出信号に応じて光源を点灯制御するようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る植物病害虫防除用照明装置の構成図。 上記照明装置の光源として使用される日焼け用ランプの分光分布図。 上記照明装置の光源の他の配置例を示す図。 上記照明装置の光源のさらに他の配置例を示す図。 上記照明装置の緑色蛍光灯スペクトルと夜蛾の視感度特性とフィトクロム吸収スペクトルとの関係を示す図。 上記光源として使用される蛍光灯の部分断面図。
符号の説明
1 植物病害虫防除用照明装置
2 光源
3 フィルタ

Claims (3)

  1. 紫外線を含む光を放出する光源を備えた植物病害虫防除用照明装置であって、
    前記光源から放出される光の波長制御を行うフィルタを備え、
    前記光源は、280〜340nmの波長成分を有するUV−Bと、100〜280nmの波長成分を有するUV−Cと、波長分布460〜550nmの波長成分の中にピークを有する可視光とを少なくとも重畳して照射し、
    前記フィルタは、前記UV−Cのうち、255nm以下の波長成分をカットすることを特徴とする植物病害防除用照明装置。
  2. 前記UV−CとUV−Bの植物にあたる位置の各放射照度の合算放射照度を50μW/cm以下とし、前記可視光の植物にあたる位置の放射照度を0.2μW/cm以上としたことを特徴とする請求項1に記載の植物病害虫防除用照明装置。
  3. 前記UV−CとUV−Bとの照射比率を0.04〜0.1:1にしたことを特徴とする請求項1に記載の植物病害虫防除用照明装置。
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