JP6078108B2 - ボツリヌス神経毒素により早漏を処置する方法 - Google Patents

ボツリヌス神経毒素により早漏を処置する方法 Download PDF

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Description

(相互参照)
本出願は、2009年8月26日出願の米国特許出願第12/548,073号の利益を主張し、その開示全体は、この具体的参照により、本明細書に組み込まれる。
早漏を治療するための方法を提示する。より具体的には、また一態様において、ボツリヌス神経毒素等の神経毒を患者に投与することにより、早漏を治療するための方法を提供する。
早漏(PE)は、特に約18歳〜約40歳の範囲の年齢における、一般的な男性の性機能障害である。早漏は、一方または双方の性的パートナーによって所望されるよりも前にまたは早くに射精が発生することとして一般に定義することができる[例えば、Merck Research Laboratoriesによって1992年に出版された「The Merck Manual」16th Edition、p1576を参照]。一例として、早漏は、性的パートナーの陰茎挿入前、挿入時、または挿入直後の射精として経験され得る。早漏の回数が極めて少ない場合は、そのような発生は懸念するに及ばないかもしれない。しかしながら、性交を試みる度にほぼ毎回早漏が発生する場合、またはたとえ性交を試みる回数の約10%または約20%さえも超えて早漏が発生する場合であっても、その状態が治療に値する可能性が高い。
精神障害の診断と統計マニュアル第4版(DSM−IV)によれば、早漏は原発性または続発性に分類することができ、性機能障害は、(1)原発性、(2)一般身体疾患に関連、(3)物質誘発性、および(4)他に特定されない、の4つの特定のカテゴリーに分類される。原発性は、性的に機能することが可能となって以来(すなわち思春期以降)この状態を有してきた個体に適用される。続発性とは、この状態が個体において自発的に顕在化し、以前は許容レベルの射精制御を有していたが、その後早漏を経験し始めたことを意味する。続発性の早漏の場合、その問題は、一般身体疾患とは関連しておらず、また通常は物質誘発性とも関連していないが、特定の場合において興奮性亢進が向精神薬の使用と関連している可能性があり、休薬によって解決される。
米国人男性における早漏の有病率は、30〜70%の範囲であると推定される。全米保健社会生活調査(NHSLS)は30%の有病率を示しており、これは全ての成人年齢カテゴリーを通じてほぼ一定である。早漏は、成人男性の人生において実質的にいずれの年齢でも起こり得る。報告されている状態としては、早漏は、若年男性(年齢18〜30歳)において最も一般的であるが、年齢45〜65歳の男性における続発性性交不能症と合わせても起こり得る。
早漏を治療するために用いることができる組成物は既知である。例えば、早漏を治療するための選択的なセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の使用が既知であり、例えば、米国特許第7,105,516号(早漏の治療に有効な新規SSRIを対象とする)および米国特許第6,777,437号で特許請求されている。早漏を治療するためのさらなる方法は、米国特許第6,974,839号(有効量のトラマドール(モノアミン取り込み阻害剤)物質を性交前に男性に投与することを教示する)、ならびに米国特許第6,495,154号(クロミプラミンおよびその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する速放性医薬製剤を個体に全身投与することによって、男性における射精の発生を遅延させることを特許請求する)に見出すことができる。米国特許第7,018,648号は、早漏を治療するために、テストステロンおよび/または少なくとも1つのその誘導体を投与するための経皮デバイスを対象とし、米国特許第6,593,335号は、カリウムチャネル開口薬の投与により早漏を治療する方法を対象とし、米国特許第6,727,283号は、本質的に非水性であるセルトラリン塩酸塩の原液の経口摂取を開示している。いくつかの例において、フルオキセチンまたはパロキセチン(それぞれ20mgおよび40mgを毎日服用)もまた、早漏を治療するために処方される。他の既知の手法は、リドカイン5%クリーム等の局所麻酔を、例えば性交前に陰茎に塗布することを含む。そのような麻酔の使用に伴う欠点は、望ましくない感受性の低下および/または短期間の勃起不能を含む。
嫌気性グラム陽性菌であるクロストリジウム・ボツリナムは、ボツリヌス中毒として知られるヒトおよび動物における神経麻痺疾患の原因となる強力なポリペプチド神経毒であるボツリヌス神経毒素を産生するが、この神経毒は、今では何十年もヒトにおける種々の状態を治療するために利用されてきている。ボツリヌス毒素の1単位(U)は、それぞれが約18〜20グラムの体重である雌のSwiss−Websterマウスに腹腔内注射したときのLD50として定義される。換言すると、ボツリヌス毒素の1単位は、雌のSwiss−Websterマウスの群の50%を死滅させるボツリヌス毒素の量である。一般に免疫学的に異なる7つのボツリヌス神経毒素が特徴付けられており、これらは、型特異的抗体による中和によってそれぞれが識別されるボツリヌス神経毒素血清型A、B、C、D、E、F、およびGである。ボツリヌス毒素の異なる血清型は、それらが影響を及ぼす動物種、ならびにそれらが惹起する麻痺の重症度および期間が異なる。例えば、ラットにおいて引き起こされる麻痺の比率によって測定されるように、A型ボツリヌス毒素は、B型ボツリヌス毒素よりも500倍強力であることが分かっている。さらに、B型ボツリヌス毒素は、A型ボツリヌス毒素に対する霊長類のLD50の約12倍である480U/kgの用量では、霊長類において非毒性であることが分かっている。ボツリヌス毒素は、コリン作動性運動ニューロンに高い親和性で結合し、ニューロン内に移動してアセチルコリンのシナプス前放出を阻止すると考えられる。
ボツリヌス毒素は、骨格筋の活動亢進によって特徴付けられる神経筋障害を治療するために臨床的設定において使用されてきた。A型ボツリヌス毒素は、12歳を超える患者における本態性眼瞼痙攣、斜視、および片側顔面痙攣の治療のために、1989年に米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。FDAは2000年に、頸部ジストニアを治療するためのA型およびB型ボツリヌス毒素血清型の市販の調製物を承認し、2002年にFDAは、多動による特定の(眉間の)顔面のしわを美容的に治療するためのA型ボツリヌス毒素を承認した。末梢筋肉内のA型ボツリヌス毒素の臨床効果は、通常、注射後1週間以内、時には数時間以内に見られる。A型ボツリヌス毒素の単回筋肉内注射による弛緩性筋麻痺の典型的な期間は約3ヶ月であり得るが、いくつかの症例において、ボツリヌス毒素によってもたらされる唾液腺等の腺の除神経が数年間持続したことが報告されている。
全てのボツリヌス毒素の血清型が神経筋接合部における神経伝達物質アセチルコリンの放出を阻害すると考えられているが、それは、異なる神経分泌タンパク質に影響を及ぼすこと、および/またはこれらのタンパク質を異なる部位で切断することによって行われる。A型ボツリヌス毒素は、細胞内小胞関連タンパク質SNAP−25のペプチド結合を特異的に加水分解することができる亜鉛エンドペプチダーゼである。E型ボツリヌス毒素もまた、25キロダルトン(kD)のシナプトソーム関連タンパク質(SNAP−25)を切断するが、A型ボツリヌス毒素と比較した場合、このタンパク質中の異なるアミノ酸配列を標的とする。B型、D型、F型、およびG型ボツリヌス毒素は小胞関連タンパク質(VAMP、シナプトブレビンとも称される)に作用し、それぞれの血清型が異なる部位でタンパク質を切断する。最後に、C型ボツリヌス毒素は、シンタキシンおよびSNAP−25の両方を切断することが分かっている。
血清型にかかわらず、毒素中毒の分子機構は類似しており、少なくとも3つのステップまたは段階を含むと考えられる。このプロセスの第1のステップにおいて、毒素は、重鎖(H鎖)と細胞表面受容体との特異的相互作用によって標的ニューロンのシナプス前膜に結合し、この受容体は、ボツリヌス毒素の各血清型および破傷風毒素ごとに異なると考えられている。H鎖のカルボキシル末端セグメント(HC)は、毒素を細胞表面に標的化させるために重要であると考えられる。第2のステップにおいて、毒素は、冒した細胞の形質膜を横切る。毒素は、最初に、受容体媒介エンドサイトーシスにより細胞によって包み込まれ、毒素を含有するエンドソームが形成される。次いで、毒素は、エンドソームからその細胞の細胞質中に逃れる。この最終ステップは、約5.5またはそれ以下のpHに反応して毒素の高次構造変化を誘発するH鎖のアミノ末端セグメント(HN)によって媒介されると考えられる。エンドソームは、エンドソーム内のpHを低下させるプロトンポンプを有することが分かっている。高次構造の変化が毒素中の疎水性残基を露出させ、これによって、毒素がエンドソーム膜内に自らを埋め込むことが可能となる。次いで、毒素は、エンドソーム膜を通って細胞質ゾル内に移動する。ボツリヌス毒素活性機構の最終段階は、H鎖とL鎖を結合させるジスルフィド結合の減少を伴うと考えられる。ボツリヌス毒素および破傷風毒素の全毒素活性は、ホロトキシンのL鎖に含まれ、このL鎖は亜鉛(Zn++)エンドペプチダーゼであり、神経伝達物質を含有する小胞の認識および形質膜の細胞質表面とのドッキング、ならびに小胞と形質膜との融合に必須であるタンパク質を選択的に切断する。破傷風神経毒、B型、D型、F型、およびG型ボツリヌス毒素は、シナプトソーム膜タンパク質であるシナプトブレビン(小胞関連膜タンパク質(VAMP)とも称される)の分解を引き起こす。シナプス小胞の細胞質表面に存在するVAMPの大半は、これらの切断事象のうちのいずれか1つの結果として除去される。各毒素は、異なる結合を特異的に切断する。
ボツリヌス毒素タンパク質分子の分子量は、既知のボツリヌス毒素血清型の7つの全てについて約150kDaである。興味深いことに、ボツリヌス毒素は、関連する非毒素タンパク質とともに、150kDのボツリヌス毒素タンパク質分子を含む複合体として、クロストリジウム属菌によって放出される。したがって、A型ボツリヌス毒素複合体は、900kDa、500kDa、および300kDaの形態として、クロストリジウム属菌によって産生され得る。B型およびC型ボツリヌス毒素は、500kDaの複合体としてのみ産生されると考えられる。D型ボツリヌス毒素は、300kDaおよび500kDaの両方の複合体として産生される。最後に、E型およびF型ボツリヌス毒素は、約300kDaの複合体としてのみ産生される。複合体(すなわち、約150kDaを超える分子量)は、非毒素ヘマグルチニンタンパク質と、非毒素および非毒性の非ヘマグルチニンタンパク質とを含有すると考えられる。これらの2つの非毒素タンパク質(ボツリヌス毒素分子とともに、関連する神経毒素複合体を含み得る)は、ボツリヌス毒素分子への変性に対する安定性、そして毒素が摂取される際の消化酸からの保護を提供するように作用することができる。また、より大きい(約150kDaを超える分子量)のボツリヌス毒素複合体は、ボツリヌス毒素複合体の筋肉内注射部位からボツリヌス毒素が拡散する速度をより遅くし得る。毒素複合体は、pH7.3で、赤血球で処理することにより、毒素タンパク質とヘマグルチニンタンパク質とに解離し得る。ヘマグルチニンタンパク質を除去した後の毒素タンパク質は、著しく不安定である。
全てのボツリヌス毒素血清型は、神経活性にするためにプロテアーゼで切断するか、またはニックを入れる必要がある不活性な単鎖タンパク質として、クロストリジウム・ボツリナム菌によって作製される。A型およびG型ボツリヌス毒素血清型を産生する細菌株は内因性プロテアーゼを有するため、血清型AおよびGは、主にそれらの活性型で細菌培養物から回収することができる。対照的に、ボツリヌス毒素血清型C、D、およびEは、非タンパク質分解性菌株によって合成されるため、培養物から回収されたときには典型的に不活性である。血清型BおよびFは、タンパク質分解性菌株および非タンパク質分解性菌株の両方によって産生されるため、活性型または不活性型のいずかで回収することができる。しかしながら、例えば、たとえボツリヌス毒素のB型血清型を産生するタンパク質分解性菌株であっても、産生される毒素の一部を切断するのみである。ニックの入った分子とニックの入っていない分子との正確な割合は、インキュベーションの長さおよび培養温度に依存する。したがって、例えばB型ボツリヌス毒素の任意の調製物の特定の割合が不活性である可能性があり、場合によってはA型ボツリヌス毒素と比較してB型ボツリヌス毒素の効力が低い原因となる。臨床調製物中の不活性なボツリヌス毒素分子の存在は、該調製物の総タンパク質負荷量に寄与するが、その臨床的有効性には寄与せず、抗原性の増加と関連づけられている。
インビトロ試験により、ボツリヌス毒素が、脳幹組織の初代細胞培養物からのアセチルコリンおよびノルエピネフリンの両方のカリウムカチオン誘導性放出を阻害することが示されている。さらに、ボツリヌス毒素は、脊髄ニューロンの初代培養物中のグリシンおよびグルタメートの両方の誘発放出を阻害すること、また脳のシナプトソーム調製物において、ボツリヌス毒素が神経伝達物質アセチルコリン、ドーパミン、ノルエピネフリン、CGRP、およびグルタメートの各々の放出を阻害することが報告されている。
クロストリジウム・ボツリナムのHall A株から、≧3×10U/mg、0.60未満のA260/A278、およびゲル電気泳動上の明確なバンドパターンという特性を有する、高品質結晶A型ボツリヌス毒素を生成することができる。Shantz,E.J.,et alのProperties and use of Botulinum toxin and Other Microbial Neurotoxins in Medicine,Microbiol Rev.56:80−99(1992)に記載されるように、既知のShanz法を用いて結晶A型ボツリヌス毒素を得ることができる。一般に、好適な培地中でA型ボツリヌス菌を培養することにより、嫌気性培養物からA型ボツリヌス毒素複合体を単離および精製することができる。硫酸で沈殿させることにより粗毒素を採取し、超限外濾過により濃縮することができる。その酸沈殿物を塩化カルシウムに溶解することにより精製を行うことができる。次いで、冷エタノールで毒素を沈殿させることができる。その沈殿物をリン酸ナトリウム緩衝液に溶解し、遠心分離することができる。次いで乾燥させると、3×10LD50U/mg以上の特異的な効力を有する約900kDaの結晶A型ボツリヌス毒素を得ることができる。この既知のプロセスはまた、例えば、以下のような純粋なボツリヌス毒素を得るために、非毒素タンパク質を分離除去する際に用いることもできる:1〜2×10LD50U/mg以上の特異的な効力を有する分子量約150kDaの精製A型ボツリヌス毒素、1〜2×10LD50U/mg以上の特異的な効力を有する分子量約156kDaの精製B型ボツリヌス毒素、および1〜2×10LD50U/mg以上の特異的な効力を有する分子量約155kDaの精製F型ボツリヌス毒素。
医薬製剤を調製するために好適な、既に調製および精製されたボツリヌス毒素および毒素複合体は、List Biological Laboratories,Inc.(Campbell,Calif.)、Centre for Applied Microbiology and Research(Porton Down,U.K.)、Wako(Osaka,Japan)、およびSt Louis,Mo.のSigma Chemicalsから入手することができる。
ボツリヌス毒素は、以下のように臨床的設定において使用されてきたと報告されている:
(1)頸部ジストニアを治療するための筋肉内注射(複数の筋肉)当たり約75〜125単位のBOTOX(登録商標)
(2)眉間のしわ(額のしわ)を治療するための筋肉内注射当たり5〜10単位のBOTOX(登録商標)(5単位は鼻根筋に筋肉内注射され、10単位は各皺眉筋に筋肉内注射される)
(3)恥骨直腸筋の括約筋内注射によって便秘を治療するための約30〜80単位のBOTOX(登録商標)
(4)上瞼の外側瞼板前部眼輪筋および下瞼の外側瞼板前部眼輪筋に注射することにより眼瞼痙攣を治療するための、筋肉当たり約1〜5単位の筋肉内注射用BOTOX(登録商標)
(5)斜視を治療するために、外眼筋に約1〜5単位のBOTOX(登録商標)が筋肉内注射されてきた:注射される量は、注射される筋肉の大きさおよび所望の筋肉麻痺の程度(すなわち所望のジオプター矯正量)の両方に基づいて変化する。
(6)以下のような5つの異なる上肢屈筋にBOTOX(登録商標)を筋肉内注射することにより、脳卒中後の上肢痙性を治療する:
(a)深指屈筋:7.5U〜30U
(b)浅指屈筋:7.5U〜30U
(c)尺側手根屈筋:10U〜40U
(d)橈側手根屈筋:15U〜60U
(e)上腕二頭筋:50U〜200U。
各治療セッションで、筋肉内注射により90U〜360Uの上肢屈筋BOTOX(登録商標)が患者に投与されるように、記載した5つの筋肉の各々は同じ治療セッションで注射されてきた。
(7)偏頭痛を治療するために頭蓋周囲に注射される(眉間、前頭および側頭筋に対称的に注射される)25UのBOTOX(登録商標)注射は、25Uの注射後3ヶ月にわたる偏頭痛の頻度、最大重症度、付随する嘔吐および急性薬剤使用の減少によって評価されるように、ビヒクルと比較して偏頭痛の予防的治療として有意な利点を示してきた。
さらに、筋肉内ボツリヌス毒素は、パーキンソン病に罹患する患者の振戦の治療に使用されてきたが、その成果は目覚ましくないことが報告されている。Marjama−Jyons,J.et al.,Tremor−Predominant Parkinson’s Disease,Drugs&Aging 16(4);273−278:2000。
ボツリヌス毒素を用いた特定の胃腸疾患および平滑筋疾患の治療は既知である。例えば、米国特許第5,427,291号および第5,674,205号(Pasricha)を参照されたい。さらに、排尿障害を治療するために、ボツリヌス毒素を膀胱括約筋に経尿道注射することも既知であり(例えば、Dykstra,D.D.,et al,Treatment of detrusor−sphincter dyssynergia with botulinum A toxin:A double−blind study,Arch Phys Med Rehabil 1990 January;71:24−6を参照)、また、前立腺肥大を治療するためにボツリヌス毒素を前立腺に注射することも既知である。例えば、米国特許第6,365,164号(Schmidt)を参照されたい。
米国特許第5,766,605号(Sanders)は、ボツリヌス毒素を用いた過流涎および鼻炎等の種々の自律神経障害の治療を提案している。
さらに、ボツリヌス毒素によって治療可能な多汗症および頭痛等の種々の疾患が、国際公開第95/17904号(PCT/US94/14717)(Aoki)において論じられている。欧州特許第0605501B1号(Graham)は、ボツリヌス毒素を用いた脳性麻痺の治療について論じており、米国特許第6,063,768号(First)は、ボツリヌス毒素を用いた神経性炎症の治療について論じている。ボツリヌス中毒の症状として、勃起不全が報告されている。Jenzer G.,et al.,Autonomic dysfunction in botulism B:a clinical report,Neurology 1975;25:150−153、Naumann M. et al.,Pure autonomic dysfunction in botulism type B,Naunyn Schmiedeberg’s Archives of Pharmacology June 2002(supp2);365(abstract89 at R31)。これは、ボツリヌス中毒に罹患する患者の体内に存在する循環するボツリヌス毒素が、陰茎の海綿体において、コリン作動性の副交感神経末端からのアセチルコリンの放出を阻止するように作用する結果であり得る。これは陰茎の平滑筋弛緩の抑制を引き起こし、そのため陰茎構造への血流が減少し、したがって陰茎弛緩を起こし得る。その反面で、陰茎の勃起を生じさせるためにボツリヌス毒素を使用することができると推測されている。Jones D.High performance.Nature 1989;3:348。
A型ボツリヌス毒素は、最長12ヶ月間の有効性を有することができ(European J Neurology 6 (Supp4):S111−S1150:1999)、また特定の状況においては、27ヶ月もの長い間有効性を有することができることが分かっている。The Laryngoscope 109:1344−1346:1999。しかしながら、Botox(登録商標)の筋肉内注射の通常の持続期間は、典型的には約3〜4ヶ月である。A型ボツリヌス毒素を用いた様々な臨床症状の治療の成功により、他のボツリヌス毒素血清型への関心を集めることとなった。また、純粋なボツリヌス毒素がヒトの治療に使用されてきている。例えば、Kohl A., et al.,Comparison of the effect of botulinum toxin A(Botox(R))with the highly−purified neurotoxin(NT201)in the extensor digitorum brevis muscle test,Mov Disord 2000;15(Suppl3):165を参照されたい。したがって、純粋なボツリヌス毒素を使用して医薬組成物を調製することができる。
ボツリヌス毒素分子(約150kDa)、およびA型毒素複合体等のボツリヌス毒素複合体(約300〜900kDa)はまた、表面変性、熱、およびアルカリ性条件による変性を非常に受けやすい。不活性化毒素は、免疫原性であり得るトキソイドタンパク質を形成する。その結果生じた抗体は、患者を毒素注射に対して非応答性にすることができる。市販のボツリヌス毒素含有医薬組成物は、BOTOX(登録商標)(Irvine,Calif.のAllergan,Inc.から入手可能)の商標名で販売されている。BOTOX(登録商標)は、滅菌真空乾燥形態で梱包された精製A型ボツリヌス毒素複合体、アルブミン、および塩化ナトリウムからなる。A型ボツリヌス毒素は、N−Zアミンおよび酵母エキスを含有する培地中で増殖させたクロストリジウム・ボツリナムのHall株の培養物から作製される。活性な高分子量の毒素タンパク質および結合ヘマグルチニンタンパク質からなる結晶複合体になるまで、一連の酸沈殿により培養液からA型ボツリヌス毒素複合体を精製する。食塩水およびアルブミンを含有する溶液に結晶複合体を再溶解し、滅菌濾過(0.2ミクロン)してから真空乾燥する。BOTOX(登録商標)は、筋肉内注射の前に、滅菌した、防腐剤を含まない食塩水で再構成することができる。BOTOX(登録商標)の各バイアルは、約100単位(U)のA型ボツリヌス毒素複合体、0.5ミリグラムのヒト血清アルブミン、および0.9ミリグラムの塩化ナトリウムを、保存剤を含まない滅菌真空乾燥形態で含有する。
真空乾燥BOTOX(登録商標)を再構成するために、保存剤を含まない滅菌生理食塩水である0.9%塩化ナトリウム注射液を、適当な大きさの注射器内で適量の該希釈剤を吸い上げることにより使用する。BOTOX(登録商標)は、泡立てること、または同様の激しい撹拌によって変性するため、バイアルに希釈剤を穏やかに注入する。BOTOX(登録商標)は、再構成後4時間以内に投与されるべきである。この時間の間、再構成したBOTOX(登録商標)は冷蔵庫(2〜8℃)で保管する。再構成したBOTOX(登録商標)は、無色透明であり、微粒子物質を含まない。真空乾燥生成物は、−5℃以下の冷凍庫で保管する。BOTOX(登録商標)は、バイアルを冷凍庫から取り出して再構成した後、4時間以内に投与する。その4時間の間、再構成したBOTOX(登録商標)は冷蔵庫(20〜8℃)で保管することができる。
他の市販のボツリヌス毒素含有医薬組成物は、Dysport(登録商標)(アルブミンおよび乳糖を製剤中に含むA型ボツリヌス菌毒素ヘマグルチニン複合体、使用前に0.9%塩化ナトリウムで再構成される粉末として、Ipsen Limited、Berkshire,U.Kより入手可能)、ならびにMyoBloc(商標)(約pH5.6でB型ボツリヌス毒素、ヒト血清アルブミン、コハク酸ナトリウム、および塩化ナトリウムを含む注射液、Solstice Neurosciences,Incより入手可能)を含む。
このように、早漏を治療するためおよび/またはクライマックス時間の延長のための簡略な方法が必要とされる。具体的には、性行為に従事する前に医薬化合物の経口摂取または反復摂取を必要としない、早漏を治療するためおよび/またはクライマックス時間の延長のための持続性、非全身性の方法が望ましい。
本発明は、この必要性を満たし、治療を必要とする患者における早漏の治療および/またはクライマックス時間の延長のための効果的かつ持続性の方法を提供する。一例において、治療を必要とする患者における早漏を治療するための方法であって、クロストリジウム神経毒を患者に局所投与し、それによって患者の早漏を治療するステップを含む、方法が提供される。一例として、本明細書に開示される方法による治療量のクロストリジウム神経毒の局所投与は、経皮、筋肉内、皮下、真皮下、皮内、またはインプラント投与によって達成される。一実施形態において、治療量のクロストリジウム神経毒の局所投与は、患者への、例えば陰茎内への、注射によるものである。本明細書に開示される方法における使用のための好ましいクロストリジウム神経毒は、A型、B型、C型、D型、E型、F型およびG型ボツリヌス神経毒素からなる群から選択され得るボツリヌス神経毒素であり、好ましくはA型ボツリヌス神経毒素である。本開示の教示に従って種々の範囲/量のボツリヌス神経毒素を治療的に投与することができ、例えば、ボツリヌス毒素は、当然のことながら、用いられるボツリヌス毒素型の効力およびその投与方法に依存して、約1単位〜20,000単位の量で投与することができる(例えば、徐放性インプラントまたはパルス型インプラントに含有されるボツリヌス毒素の量は、インプラントから徐々に放出される代わりに1回で直接投与されるボツリヌス毒素の量の何倍も多い可能性がある)。A型またはB型ボツリヌス神経毒素の例示的な有用な量は、それぞれ、約1単位〜2500単位、または約100〜約15,000単位、またはその間の量もしくは範囲であり得る。
特定の実施形態において、治療量のクロストリジウム神経毒の患者への局所投与は、患者の陰茎の1つ以上の位置にクロストリジウム神経毒を注射することにより達成される。
定義
本明細書で使用される場合、以下に記載する単語または用語は以下の定義を有する。
「約」とは、およそ、またはほぼ、の意味であり、本明細書に記載される数値または範囲の文脈において、列挙されるかまたは主張される数値または範囲の±10%を意味する。
「治療的に有効な量」とは、本明細書で使用される場合、特定の疾患または状態の1つ以上の症状を寛解させるかまたは排除する、あるいは特定の疾患または状態の1つ以上の症状の発生を予防するかまたは遅延させる、クロストリジウム神経毒、例えば、A型、B型、C型、D型、E型、F型、およびG型ボツリヌス毒素の量を意味する。
「局所投与」とは、疾患もしくは障害の部位またはその近くへの非全身性経路による直接投与を意味する。したがって、ボツリヌス神経毒素等のクロストリジウム神経毒を含む医薬品の局所投与は、静脈内投与または経口投与を除外するが、例えば、筋肉内、経皮、もしくは皮下注射、または神経毒の投与のためのインプラントの設置を含む。
「治療する」とは、一次的にまたは永久的に、少なくとも1つの症状を緩和する(または排除する)ことを意味する。本明細書において、これには、患者が性的に覚醒した後、クライマックスに達するまでにかかる時間を増加すること(すなわち、クライマックス時間の延長)が含まれる。特定の例において、クライマックス時間は、性交の開始とクライマックスに達する時間との間の時間である。クロストリジウム毒素は、好ましくは、複合体または純毒素(すなわち、複合体形成タンパク質を含まない、約150kDa分子のボツリヌス毒素の神経毒成分)のいずれかとしての、A型、B型、C型、D型、E型、F型、またはG型ボツリヌス毒素等のボツリヌス毒素である。クロストリジウム毒素の投与は、経皮経路(例えば、クリーム、パッチ、もしくはローションビヒクル中のクロストリジウム毒素の塗布による)、真皮下経路(すなわち、皮下注射もしくは筋肉内注射)によるか、または皮内投与経路によるものであってもよい。
「神経毒」は、天然のクロストリジウム菌によって作製されるか、または非クロストリジウム種において組換え手段によって作製される、純毒素としてのクロストリジウム神経毒と、1つ以上の非毒素毒素関連タンパク質と複合体を形成するクロストリジウム神経毒との両方を含む。「ボツリヌス神経毒素」とは、非複合化ボツリヌス神経毒素(すなわち、約150kDaの分子量を有する純粋なボツリヌス神経毒素分子)を意味するか、または複合体(すなわち、神経毒分子と、1つ以上の関連する非毒性分子とを含む、約300〜約900kDa重量の分子量を有する複合体)として意味し、細胞傷害性ボツリヌス毒素CおよびC等の神経毒ではないボツリヌス毒素を除外するが、組換えで作製される、ハイブリッド、修飾、およびキメラのボツリヌス毒素を含むことができる。
「患者」とは、医療を受けるヒト対象を意味する。
「クライマックスベースライン」とは、治療前の患者のクライマックス時間、すなわち、患者が性的に覚醒した後、クライマックスまでにかかる時間または平均時間である。
「クライマックス時間の延長」とは、患者が性的に覚醒した時間から性的クライマックス(すなわちオルガズム)までの時間の増加(クライマックスベースラインの増加)を意味する。一態様において、「早漏を治療する」とは、患者の性的覚醒の開始と患者による射精との間の時間を増加することを意味し、特定の場合において、それは性交を開始する時間から射精の時間までの増加を意味し得る。
本発明は、ヒト患者等の哺乳動物へのクロストリジウム毒素の局所投与により早漏を治療するための方法を包含する。好ましくは、ボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素である。ボツリヌス毒素は、約1単位〜約10,000単位の量で投与することができ、約2週間〜6ヶ月間、早漏および/またはクライマックス時間の延長を緩和することができる。特定の例において、約2ヶ月〜約6ヶ月間、または例えば約4ヶ月〜約6ヶ月間。早漏および/またはクライマックス時間の延長を緩和することができる。一態様において、局所投与ステップは、患者の陰茎の少なくとも1つの位置に、ボツリヌス神経毒素等のクロストリジウム毒素を直接投与することによって実行される。
別の実施形態において、治療を必要とする患者における早漏を治療するための方法であって、注射により患者の陰茎にボツリヌス神経毒素を局所投与し、それによって患者における早漏を治療するステップを含む、方法が提供される。特定の実施形態において、ボツリヌス神経毒素は、陰茎の少なくとも2つの位置に注射され、いくつかの例において、陰茎の少なくとも3つの位置に注射される。特定の例において、ボツリヌス神経毒素の局所投与は、陰茎の小帯に対するものであり、例示的な量は、1〜約2,500単位のA型ボツリヌス毒素である。例えばB型ボツリヌス毒素を用いる場合、投与される量は、約1単位〜約25,000単位、または約100単位〜約20,000単位、または約500単位〜約15,000単位、またはその間の任意の量であり得る。
別の例として、治療を必要とする患者における早漏を治療するための方法であって、A型ボツリヌス神経毒素が患者の陰茎の少なくとも1つの位置に局所投与され、該位置は陰茎の小帯および/または亀頭であり、それによって患者における早漏を治療し、例示的な有用な量は、約1単位〜約2,500単位のボツリヌス神経毒素を少なくとも1つの位置に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。特定の実施形態において、患者の陰茎へのボツリヌス神経毒素の追加投与は、陰茎へのボツリヌス神経毒素の初回投与から少なくとも約2ヶ月〜約3ヶ月後に行われてもよい。特定の実施形態において、A型ボツリヌス神経毒素の局所投与は、患者の来院につき、注射部位当たり1単位〜約500単位である。例示的なボツリヌス神経毒素の投与は、陰茎上の単一位置(例えば小帯)に対してであってもよいか、または陰茎の解剖学的に異なる2つ以上の部分(例えば、陰茎小帯、陰茎包皮/包皮、陰茎亀頭、尿道口)に分布されてもよい。
さらに、治療を必要とする患者におけるクライマックス時間の延長のための方法であって、患者にボツリヌス神経毒素を局所投与し、それによって患者におけるクライマックス時間を延長するステップを含む、方法が提供される。ボツリヌス神経毒素の投与は、経皮、筋肉内、皮下、真皮下、皮内、またはインプラント投与によるものであってもよく、例えば小帯または包皮に対してであってもよい。特定の実施形態において、ボツリヌス神経毒素は注射によって投与され、該ボツリヌス神経毒素は、A型またはB型ボツリヌス神経毒素である。
本明細書に開示される方法を実施することができる患者の年齢の範囲は、約18歳〜約60歳、より具体的には約18歳〜約40歳、さらにより具体的には約18歳〜約30歳であり得る。特定の場合において、患者は、該患者の早漏を満足の行くように治療しないことが明らかになった種々の前治療を試してきた。
本明細書に開示される方法によって治療することができる患者は、彼らの早漏を治療するための、または彼らのクライマックス時間の延長のための投与計画に参加したことがあってもよい。例示的な投与計画は、例えばフルオキセチンまたはパロキセチン等の選択的なセロトニン再取り込み阻害剤を含むことができる。試したことのあり得る他の手法は、リドカイン5%クリーム等の局所麻酔を性交前に陰茎に塗布することを含む。そのような手法は、所望される場合、早漏を治療するため、またはクライマックス時間の延長のために、本明細書に開示される方法と組み合わせることができる。
特定の実施形態において、ボツリヌス神経毒素は必要に応じて投与される。投薬量は、本明細書に提供される非限定的な例示的な量を用いて、患者/早漏の特定の症状のために決定され、またそれらに特有である。ボツリヌス投与後の効果持続期間は、例えば、投与後最長約4ヶ月であり得る。特定の場合において、ボツリヌス投与後の効果持続期間は、ボツリヌス投与後約2日〜約3ヶ月であり得る。より短い効果持続期間は、例えばA型ボツリヌス毒素等の別のボツリヌス毒素と比較して、短い作用プロファイル/効果持続期間を有するボツリヌス毒素、例えばE型ボツリヌス毒素と関連し得る。
クロストリジウム毒素、好ましくは、A型、B型、C型、D型、E型、F型、およびG型ボツリヌス毒素からなる群から選択されるボツリヌス毒素、より好ましくはA型またはB型ボツリヌス毒素、最も好ましくはA型ボツリヌス毒素を、治療を必要とする患者に局所投与することによって早漏を治療するための方法が、本明細書に提供される。本明細書に開示される方法は、望ましい効果の持続期間を最長約6ヶ月まで有し得る、安全な持続性の治療方法により、クライマックス時間を延長するおよび/または早漏を治療する能力を患者に提供する。
クロストリジウム毒素を局所投与することのできる有用な様式がいくつか存在する。例えば、種々のボツリヌス製剤を用いる、ボツリヌス毒素を投与するための経皮的方法が、当該技術分野において既知である。現在入手可能な市販のボツリヌス毒素の形態は、食塩水で希釈されるかまたは食塩水中で供給されるため、そのような製剤は水性であり得る。しかしながら、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、またはエマルジョン等の、他の水性または非水性の送達担体もまた企図される(ボツリヌス毒素の経皮投与については、例えば、以下の包括的なリストを参照されたい:2002年7月11日に出願された米国特許出願番号第20040009180号、標題「Transdermal botulinum toxin compositions」、2006年3月3日に出願された米国特許出願番号第20090087457号、標題「Compositions and Methods for Topical Application and Transdermal Delivery of Botulinum Toxins」、2006年11月16日に出願された米国特許出願番号第20070116724号、標題「Compositions and Methods of Topical Application and Transdermal Delivery of Botulinum Toxins without Reduced Non−Toxin Proteins」、2002年12月18日に出願された米国特許出願番号第20030113349号、標題「Topically Applied Clostridium Botulinum Toxin Compositions and Treatment Methods」、2008年5月23日に出願された米国特許出願第20080220021号、標題「Topical Botulinum Toxin Compositions for the Treatment of Hyperhidrosis」、2007年11月30日に出願されたWIPO出願番号第WO/2008/070538号、標題「“Micellar Nanoparticles Comprising Botulinum Toxin」、および米国特許第7445783号、標題「“Topical and Transdermal Treatments Using Urea Formulations」、そのような全ての特許および特許出願は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明は、(a)細菌培養、毒素抽出、濃縮、保存、凍結乾燥、および/もしくは再構成によって得られるかまたは処理される、ボツリヌス神経毒素複合体および純粋なボツリヌス神経毒素と、(b)既知の化学的/生化学的アミノ酸修飾手順によって、または既知の宿主細胞/組換えベクター組換え技術の使用によって、1つ以上のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を意図的に欠失、修飾、もしくは置換させたボツリヌス神経毒素である修飾または組換えボツリヌス神経毒素と、そのように作製されたボツリヌス神経毒素の誘導体または断片とをその範囲内に含み、細胞上に存在する細胞表面受容体のための1つ以上の結合した非天然標的部分を有するボツリヌス神経毒素を含む。
多くの適応症の治療に成功しているというその臨床歴から、本発明の範囲内の方法は、A型ボツリヌス毒素またはB型ボツリヌス毒素の局所投与を含むことが好ましいが、B型ボツリヌス毒素は、A型毒素と比較してより高いタンパク質負荷で使用される。本発明の範囲内の方法において使用されるA型ボツリヌス毒素は、全体で最大約900kDaの総分子量で構成される毒素と非毒素タンパク質との複合体であり得る。いずれの医薬品とも同様に、投与量の範囲および量は、患者の体格、年齢、および健康、ならびに使用される特定の市販のボツリヌス毒素調製物に依存する。当該技術分野において既知であるように、ボツリヌス毒素の治療的使用は、例えば早漏を治療するための治療に相応しい特定の患者に合わせられる。本発明の範囲内の方法において使用されるB型ボツリヌス毒素は、純毒素であるか、または毒素と非毒素タンパク質との複合体であり得、約50〜約20,000単位の用量で使用される。他のボツリヌス毒素血清型が、それぞれの生物学的活性レベルにしたがって、本明細書に例示される投与量および濃度に比例して使用されてもよい。例えば、本開示に列挙されるほとんどの単位はBOTOX(登録商標)のものであるが、異なる血清型または株のボツリヌス毒素が使用されてもよく、異なる量が投与されてもよい。例えば、BOTOX(登録商標)の量の約3〜4倍のDYSPORT(登録商標)(Ipsen Inc.から入手可能なA型ボツリヌス毒素複合体)が用いられてもよく、BOTOX(登録商標)の量の約40〜50倍のNEUROBLOC(登録商標)/MYOBLOC(登録商標)(Solstice Neurosciencesから入手可能なB型ボツリヌス毒素)が用いられてもよく、BOTOX(登録商標)の単位と比較してほぼ等しい量(単位)のXEOMIN(登録商標)(Merz Pharmaの純粋なA型ボツリヌス毒素)が、それぞれ、所望の治療効果を達成するためにいられてもよい。本発明はまた、早漏に罹患する患者を効果的に治療するために、上記神経毒のうちの2つ以上の混合物を同時にまたは連続的に投与するための方法も包含する。
ボツリヌス毒素を投与するための経皮的方法に加えて、早漏を治療するためおよび/またはクライマックス時間の延長のためにボツリヌス毒素の注射を用いることができる。注射を用いる場合、限定されないが、30ゲージ以下、好ましくは約23ゲージ〜約25ゲージの針等の、ボツリヌス毒素の注射に適した針を利用することができ、注射前にアルコール等で領域を洗浄する。局所麻酔クリーム、全身麻酔、鎮静剤、またはいずれかの既知の有用な麻酔を利用してもよく、特定の患者に依存して(ある患者は他の患者よりも感受性が高い)、本発明の方法に従って治療を行うことが必要であるかもしれない。特定の例において、針を介してボツリヌス毒素を投与する前に、例えば、ベンゾカイン、ブタムベン、ジブカイン、リドカイン、オキシブプロカイン、プラモキシン、プロパラカイン、プロキシメタカイン、およびテトラカイン等の麻酔クリームの局所的使用を適用することができる。さらに、ボツリヌス毒素送達のための注射針を使用しない投与方法は、当該技術分野において周知であり(例えば、米国特許第7,479,281号および第7,479,134号を参照、どちらも参照により本明細書に組み込まれる)、そのような投与/装置が、本明細書に開示される治療方法に従って、ボツリヌス毒素の投与のための送達手段として用いられてもよい。
特定の例において、リドカイン局所麻酔クリームが用いられ、注射される領域に塗布される。例えば、陰茎の基部(陰茎の基部の前側(腹側)および後側(背側))に投与される2%リドカイン注射液(2%リドカイン調製物全体の約5cc〜約10cc)を用いた陰茎の陰部神経分岐部の遮断等の他の麻酔方法を用いることもでき、かつ/または、時には氷または冷気の適用等による注射領域の冷却が用いられてもよい(冷気は、例えば、「Zimmer Cryo 5」装置、Zimmer Medizin Systems」(Irvine,California)を利用して適用することができる)。
投与されるボツリヌス毒素等の神経毒の量は、治療を受ける特定の患者/症例、その重症度、ならびに体格、体重、年齢、および治療に対する患者の応答性を含む他の種々の患者の変数によって広く変化し得る。一般に、投与されるボツリヌス神経毒素の用量は、治療を受ける患者の年齢、体格、および提示する状態とともに変化する。ボツリヌス毒素を治療的に用いる場合、投与される神経毒の効力もまた考慮すべき事項である(特定の投与量のボツリヌス毒素を特定の患者/症例に合わせることは、ボツリヌス神経毒素の技術分野において周知である)。
いくつかの場合において、投与されるボツリヌス神経毒素の投与量は、所望の効果を達成するまで(例えば、結果として生じる射精の遅延に患者が満足するまで)増加することができる。特定の実施形態において、最初の投与量は、約10単位〜約75単位のボツリヌス毒素、または約25単位〜約50単位のボツリヌス毒素、例えばBOTOX(登録商標)であり得る。満足の行かない結果が観察された場合は、当面の特定の症例についての医師の評価によって決定される通りに治療投与量を増加することができ、投与量は、例えば、最大約100単位のボツリヌス毒素まで増加される。そのような場合、増加する投与量のボツリヌス毒素の投与間の時間は、約3週間、好ましくは約1ヶ月、最も好ましくは約2ヶ月であってもよい。
早漏を治療するためおよび/またはクライマックス時間の延長のための本発明の方法は、例えば、約18歳〜約60歳、より具体的には約18歳〜約40歳、さらにより具体的には約18歳〜約30歳の患者に対して実施することができる。いずれのそのような患者においても、早漏の問題は、所望される十分な時間の間患者が射精を回避することができない場合として、それ自体を顕在化し得る。例えば、患者は、約1分〜約10分の「クライマックスベースライン」すなわち、患者が性的に覚醒した後、クライマックスまでにかかる時間または平均時間を経験し得る。特定の場合において、性交の開始前(例えば、パートナーの陰茎挿入前)であるにもかかわらず患者が早期に射精する場合、または陰茎挿入時に瞬時に射精するか、もしくは挿入を試みているもかかわらず射精する結果となる場合、これにより患者は性交を開始/達成さえできない可能性がある。明らかに、そのような苦境にある患者には、本明細書に開示される治療方法が役に立つであろう。
いくつかの場合において、早漏は、たとえ性交の開始後であっても経験される可能性がある、すなわち、患者が彼らのパートナーに挿入することができたとしても(すなわち、挿入前に射精しない)、続いて早期の射精が起こる。そのような場合、挿入と射精との間の時間が短すぎると見なされ、したがって、クライマックス時間の延長、この場合は性交開始から射精時までの時間を増加することが所望される。特定の非限定的な例において、挿入後約10秒〜約15分、挿入後約15秒〜約10分、または挿入後約30秒〜約5分で射精に達する場合に、患者は早漏に罹患すると見なされてもよい。特定の場合において、挿入後約10秒〜約3分、挿入後約25秒〜約2分、または挿入後約30秒〜約1分で射精に達する場合に、患者は早漏に罹患すると見なされてもよい。
早漏に罹患する患者は、SSRIの摂取(例えば、それぞれ20mgおよび40mgのフルオキセチンまたはパロキセチンを毎日服用)等の以前の治療方法が、彼らの早漏を十分に治療しなかったと感じている可能性があり、そのため、それらの選択的なセロトニン再取り込み阻害剤の投与計画の代わりに、またはそのような投与計画と合わせて、本発明の治療方法が有用であると感じるであろう。満足な結果を提供しなかった可能性のある以前に行われた手法は、例えば、性交の前(例えば約10前)に5%リドカインクリームを陰茎に塗布する等の局所麻酔療法の使用も含み得る。局所麻酔療法を用いる患者は、彼らの局所麻酔療法の投与計画の代わりに、または局所麻酔療法の投与計画と合わせて、本発明の治療方法が有用であると感じるかもしれない。
A型またはB型ボツリヌス毒素等のボツリヌス毒素が投与され得る例示的な位置は、陰茎を含む。具体的には、例えば、亀頭、亀頭包皮、小帯等の領域が、単独でまたは任意の組み合わせで、早漏を治療するためにボツリヌス神経毒素を投与する標的となり得る。
例示的な実施形態において、ボツリヌス神経毒素を投与する領域を、例えば、アルコールワイプを利用することによって、アルコールを用いて洗浄する。所望される場合、次いで、洗浄した領域に局所麻酔(本明細書に開示されるように)を適用し、その後ボツリヌス神経毒素を投与する。処置後、向こう48時間は性的行為に従事しないよう、そして浮腫および/または炎症が観察された場合は、冷湿布または氷嚢を適用してもよいこと患者に指示する。典型的には、患者は、約48〜約72時間以内に効果(例えば、以前の早漏の遅延)を観察し、完全な結果(最大遅延)は、通常、約3週間後に観察される。以下は、早漏に罹患する患者が治療を受ける非限定的な実施例である。
実施例1
早漏の治療
彼のパートナーの挿入後約2分以内にクライマックスに達すると訴える24歳の男性が受診する(この患者の場合、彼のクライマックスベースライン時間は2分である)。これは、この患者および彼のパートナーにとって大きな驚愕の対象である。医師は、イソプロピルアルコールで注射領域を洗浄し、30ゲージ針を使用して、患者の陰茎に約50単位のA型ボツリヌス毒素(BOTOX(登録商標))を投与することにより患者を治療する。注射は陰茎亀頭および尿道口から約1cmになされ、48時間は性交を行わないよう患者に指示する。経過観察のための来院で、患者は、注射部位に若干の疼痛を経験したものの、それは注射から24時間以内に消失し、それを除けば、勃起不全または感受性の損失はないことを報告する。患者は、彼のクライマックスベースライン時間が2倍に(約2分から約4分に)なり、しばしば4分よりも長く(彼のクライマックスベースライン時間の2倍より長い)性交を楽しむことさえできることを報告する。これらの結果、すなわち、この患者が性交の開始後に射精する時期の延期は、ボツリヌス神経毒素の初回投与後約4ヶ月間観察され、その後、この患者は、同じ位置に同量のボツリヌス毒素を再度注射するために再来院する。
この場合、医師がそのように選択すれば、例えば、約200単位のDYSPORT、または約50単位のXEOMIN(A型ボツリヌス毒素調製物)、または約2500単位のMYOBLOC(B型ボツリヌス毒素調製物)等の、別のボツリヌスの調製物/血清型を選択することもできたことに留意されたい。
実施例2
早漏の治療
毎回性交に従事する度に、彼のパートナーの挿入後約10秒以内に患者がクライマックスに達するため(彼のクライマックスベースライン時間は約10秒である)、患者および彼のパートナーの両者がこの状況を非常に煩わしく感じていると訴える32歳の男性が受診する。それに応じて、また患者の詳細な性交歴を聴取した後、医師は、この患者が早漏に罹患していると判定し、該患者にボツリヌス神経毒素を投与することを決定する。したがって、医師は、患者の陰茎小帯から亀頭の前領域にかけてイソプロピルアルコールで洗浄し、次いで、リドカイン麻酔クリームを局所的に塗布してその領域を麻酔し、その後、25ゲージ針を使用して25単位のボツリヌス神経毒素(BOTOX(登録商標))を注射する。処置後、向こう48時間は性交を行わないよう患者に指示する。浮腫および/または炎症が見られた場合の、その領域への適切な氷嚢の適用を推奨する(1回に約15分以上適用しないこと)。
2週間後の経過観察のためのセッションで、患者は、なおも約10秒を超えて射精を保留することができないと報告する。このため、医師は、注射のために前回と同様に患者の準備を行い、今回は50単位のボツリヌス神経毒素(BOTOX(登録商標))を投与し、同じ処置後の指示を与えて患者を帰す。3週間後の経過観察のためのセッションで、患者は、彼のクライマックスベースライン時間が2倍になり、約10〜15分間持続する場合もあるため、彼および彼のパートナーは、得られた治療の成果に非常に満足していることを報告する。
実施例3
原発性早漏の治療
何十年間も苦しんだ末、42歳の男性が受診し、一旦性的に覚醒すると、性交を開始さえしないうちに早期に射精するため、早漏に罹患していることが彼の性交を行う能力を妨げていると報告する。彼は性的成熟に達して以来この調子であることを医師に伝える。医師は、フルオキセチン20mg(毎日服用)を処方して、これが患者の原発性早漏を緩和するのに役立つかどうか調べることを決定する。フルオキセチン服用から2ヶ月後、患者は性交開始前の早漏に変化がないことを報告する。毎日のフルオキセチンに加えて局所療法を処方し、具体的には、性交の約10分前に5%リドカインクリームを局所的に塗布するよう患者に指示する。3週間後、患者はなおも状態に変化がないことを報告する。
医師は、患者の陰茎にボツリヌス神経毒素を投与することを決定する。したがって、亀頭包皮表面の亀頭後部の領域および小帯をアルコールで洗浄し、陰茎基部の背側および腹側への2%リドカイン注射を用いて陰部神経の遮断を適用する(遮断麻酔の投与は、例えば、包皮切除のために用いられる/包皮切除のための投与に類似する)。亀頭包皮領域の亀頭後部に約50単位のA型ボツリヌス毒素(BOTOX)を注射し、さらに25単位を小帯に投与する。処置後、向こう48時間は性交を行わないよう患者に指示する。浮腫および/または炎症が見られた場合の、その領域への適切な氷嚢の適用を推奨し(1回約15分以内)、フルオキセチンの服用を続けるよう患者に指示する。2週間後に患者が再来院し、今度は早期に射精することなく彼のパートナーに挿入し、最長約15分間性交を行うことができると報告し、これらの良好な結果は約3ヶ月観察される。
実施例4
続発性早漏の治療
早漏に罹患すると訴える52歳男性が受診する。患者は、以前はこの状態を患っていなかったが、最も新しいパートナーと性的関係を持って以来、早漏エピソードを回避することができないことを医師に伝える。医師は、患者の小帯に2500単位のB型ボツリヌス毒素(MYOBLOC(登録商標))を投与することによりこの患者を治療することを決定する。注射後、向こう48時間は性交を行わないよう患者に指示する。2.5週間後に患者が再来院し、今度は早期に射精することなく彼のパートナーに挿入し、最長約15分間性交を行うことができると報告し、これらの良好な結果は約4ヶ月観察され、その後、患者はさらなるボツリヌス毒素の投与のために再来院する。今度は、医師は、B型ボツリヌス毒素の経皮用製剤を用いて患者の小帯にボツリヌス毒素を投与する。患者は、射精が発生するまで最低でも約9分耐えることができるという良好な結果が報告される。
本明細書に開示される方法による治療には、以下を含む多くの利点がある。
1.早漏の効果的な軽減:典型的には、ボツリヌス神経毒素の投与後約48〜約72時間で典型的には最初に認められる、比較的迅速な効果の発現を用いることによって、患者のクライマックスベースライン時間を少なくとも2倍にすることを含む。
2.長期的な早漏の軽減を達成することができ、ボツリヌス神経毒素の投与後約3ヶ月〜約6ヶ月の効果持続期間が観察される。
3.開示される発明の実施による副作用は全くないか、またはごくわずかであり、本方法は局所型であり、これまで早漏の治療において用いられてきた医薬品の摂取および全身性循環を必要としない。
4.以前に用いられていた早漏を治療するための方法とは異なり、本明細書に開示される方法による神経毒の使用は、勃起不全または感受性の損失をもたらさない。
特定の好ましい方法に関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明の範囲内で他の実施形態、形式、および変更が可能である。例えば、ボツリヌス毒素以外に、同じ所望の結果(毒素の局所投与による早漏持続勃起症の治療)を達成することができる他の神経毒も、本発明の範囲内である。したがって、破傷風毒素、ならびに、組換え、キメラ、および修飾ボツリヌス毒素を含む、組換え、キメラ、および修飾クロストリジウム毒素も、有効性を示し得る。さらに、本発明は、2つ以上のボツリヌス毒素等の2つ以上の神経毒が同時にまたは逐次的に投与される局所投与を用いた早漏の治療を含む。例えば、臨床応答が消失するか、または中和抗体が発生するまでA型ボツリヌス毒素を投与し、その後、B型またはE型ボツリヌス毒素を投与することができる。代わりに、望ましい治療結果の発現および持続期間を制御するために、ボツリヌス毒素の血清型A〜Gのうちのいずれか2つ以上の組み合わせを局所投与することもできる。さらに、ボツリヌス毒素等の神経毒がその治療効果を発揮し始める前に、除神経を強化するまたはより迅速に生じさせる等の補助的効果をもたらすように、神経毒の投与前に、または投与と同時に、または投与後に、非神経毒化合物を投与することができる。最後に、短時間作用する毒素の使用が適応となる場合、例えば、E型ボツリヌス毒素等の比較的短時間作用するボツリヌス毒素の使用もまた、早漏を治療するために本明細書に開示されるように用いられてもよい。
用語「a」、「an」、「the」、および本発明を説明する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲の内容において)使用される同様の冠詞は、本明細書において別途記載のない限り、または文脈による明らかな矛盾のない限り、単数形および複数形の両方を包含すると見なされるものとする。本明細書における値の範囲の記述は、その範囲内に属する各別個の値を個別に言及する簡略な方法としての役割を果たすことのみが企図される。本明細書において別途記載のない限り、各個別の値は、あたかもそれが個別に本明細書に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別途記載のない限り、または文脈による明らかな矛盾のない限り、いずれの好適な順序で行われてもよい。本明細書に提供されるあらゆる例または例示的な言語(例えば「等」)の使用は、本発明をよりよく説明することを意図するに過ぎず、別途特許請求される発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいずれの言語も、本発明の実施に必須であるいずれかの特許請求されていない要素を意味すると見なされるべきではない。
本明細書に開示される本発明の代替の要素または実施形態の分類は、限定として解釈されるべきではない。各群の構成メンバーは、個別に、または本明細書に見出される群の他の構成メンバーまたは他の要素と任意に組み合わせて、言及および特許請求されてもよい。利便性および/または特許性の理由から、群のうちの1つ以上の構成メンバーが、群に含まれてもよいか、または削除されてもよいことが予測される。いずれかのそのような包含または削除が行われる場合、本明細書は変更されたものとして該群を含み、したがって、付属の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の記載に適合すると見なされる。
例示的な実施例の変形例は、前述の記載を読めば当業者には明白であろう。発明者は、当業者がそのような変形例を適切に用いることを期待し、また発明者は、本発明が本明細書に具体的に記載される以外に実施されることを意図する。例えば、本開示の教示によれば有用である特定の用量ならびに注射に関する具体的な詳細(投与部位の数および患者に投与する位置等)は、本発明の範囲内であると見なされる。したがって、本発明は、準拠法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載の内容の変更および均等物を全て含む。さらに、本明細書において別途記載のない限り、または文脈による明らかな矛盾のない限り、その全ての可能な変形例における上記要素の任意の組み合わせが本明細書に包含される。
さらに、本明細書の全体にわたって、特許および刊行物に多数の言及がなされてきた。上に列挙した参考文献および刊行物の各々は、参照により、それらの全体が本明細書に個別に組み込まれる。
終りに、本明細書に開示される本発明の実施形態は、本発明の原則を例示するものであることを理解されたい。採用されてもよい他の変更は、本発明の範囲内である。よって、制限ではなく、例として、本発明の代替の構成/方法が、本明細書の教示に従って用いられてもよい。そのため、本発明は、正確に示され、記載されるようには限定されない。

Claims (12)

  1. 早漏を治療するための医薬組成物であって、A型ボツリヌス神経毒素を有効成分として含有し、前記治療を必要とする患者の陰茎にA型ボツリヌス神経毒素1〜2500単位の量で局所投与され、ただし、前記局所投与は注射による局所投与ではない、組成物。
  2. 局所投与は、経皮またはインプラント投与によって達成される、請求項1に記載の組成物。
  3. A型ボツリヌス神経毒素1〜500単位の量で投与される、請求項1または2に記載の組成物。
  4. A型ボツリヌス神経毒素25〜100単位の量で投与される、請求項3に記載の組成物。
  5. A型ボツリヌス神経毒素10〜75単位の量で投与される、請求項3に記載の組成物。
  6. 患者の受診につき投与される、請求項3に記載の組成物。
  7. 複数の投与量に分割して投与される、請求項3または6に記載の組成物。
  8. 最初の投与量は、A型ボツリヌス神経毒素10〜75単位である、請求項7に記載の組成物。
  9. 最初の投与量は、A型ボツリヌス神経毒素25〜50単位である、請求項7に記載の組成物。
  10. 最初の投与後の第2の投与量は、A型ボツリヌス神経毒素100単位である、請求項8または9に記載の組成物。
  11. 最初の投与と第2の投与との間隔が、3週間ないし2ヶ月である、請求項10に記載の組成物。
  12. 早漏を治療するための医薬組成物であって、A型およびB型ボツリヌス神経毒素からなる群から選択されるボツリヌス神経毒素を有効成分として含有し、前記治療を必要とする患者の陰茎に局所投与され、ただし、前記局所投与は注射による局所投与ではない、組成物。
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