JP6077355B2 - 包装体の製造方法 - Google Patents
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Description
上記目的は、上記発明において熱処理後のPVAフィルムの水分率(W質量%)が4〜12質量%になるように調整することにより、より好適に達成される。
また、上記目的は、上記発明において熱処理前のPVAフィルムの水分率(W0質量%)および熱処理後のPVAフィルムの水分率(W質量%)が|W−W0|<1.5質量%を満足するように調整することにより、より好適に達成される。
さらに、上記目的は、上記発明において熱処理後のフィルムロールの最表層のPVAフィルムの幅方向中央部における膨潤度および芯管と接する層のPVAフィルムの幅方向中央部における膨潤度が、いずれも120〜250質量%になるように調整することにより、より好適に達成される。
さらにまた、上記発明において防湿性の包装材料の透湿度が2g/m2・日以下であることによって、より好適に達成される。
加えて上記目的は、防湿性の包装材料が防湿性フィルムであることによって、より好適に達成される。
ここで、PVAのけん化度は、けん化によりビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。PVAのけん化度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。また、重合度(P)は、JIS K6726−1994に準じて測定される平均重合度を意味し、PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
CH2=CH−N(R1)−C(=O)−R2 (I)
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
上記式(I)において、R1で表される炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などを挙げることができ、また、R2で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基などを挙げることができる。上記式(I)で示される単量体としては、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドなどを例示することができる。また、N−ビニル−2−ピロリドン類としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−プロピル−2−ピロリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピロリドンなどを例示することができる。
ここで防湿性の包装材料としては、前述のように金属製や耐湿性樹脂製のコンテナや、防湿性フィルムが例示され、防湿性フィルムがより好ましい。
防湿性フィルムとしては、金属フィルム、耐湿性樹脂フィルム、あるいは金属を蒸着した樹脂フィルム、シリカやアルミナを蒸着した樹脂フィルムが例示されるが、とりわけ金属フィルムが好適である。金属フィルムとしてはアルミニウム箔と耐湿性樹脂などの樹脂フィルムを積層したアルミラミネートフィルムが、防湿性が非常に高く、耐屈曲性も良好であることから、特に好適である。単層あるいは積層として使用される耐湿性樹脂としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アクリル樹脂(ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなど)、ハロゲン樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)などが挙げられ、ポリエステル、ポリオレフィンが好適である。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられるが、これらのうちポリエチレンテレフタレートが好適である。また、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、アイオノマーなど)、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレンなどが挙げられるが、これらのうちポリプロピレン、高密度ポリエチレンは防湿性が高く、特に好適である。
まず、水分率を求めるPVAフィルムの質量を計量した(質量A)。次に、このPVAフィルムを50℃で4時間真空乾燥した後、再度計量した(質量B)。得られた質量AおよびBを用いて、以下の式により、PVAフィルムの水分率H(質量%)を求めた。
H=[(A−B)/A]×100
水分率が低いほど、そのフィルムは剛直である。
PVAフィルムを23℃、50%RHの条件下に24時間放置して調湿した後、幅25mm×長さ10cmの試験片を切り出し、株式会社島津製作所製試験装置「オートグラフAS−100」にチャック間隔20mmで取り付け、引張速度500mm/分で引張試験を行い、フィルムの破断時の強度・伸度を測定し、それらをフィルムの強度の指標とした。破断時の強度・伸度が高いほど、フィルムの強度は高い。
幅5mm×長さ30mmにカットしたPVAフィルムの長手方向先端から、そこより長手方向に5mmの部分にかけて、クリップにより重りを取り付けた。重りの質量はクリップの質量も含めて、PVAフィルムの膜厚1μmあたり0.05gとなるようにした。続いて、クリップにより重りを取り付けた部分も含め、PVAフィルムのクリップを取り付けた側の端から長手方向に10mmまでを40℃の蒸留水中に浸漬させた。次いで蒸留水の温度を3℃/分の昇温速度で上昇させて、フィルムが切断する温度を測定し、それをフィルムの耐水性の指標とした。このフィルムが熱水中で破断する温度が高いほど、フィルムの耐水性も高い。
約2gのPVAフィルムを採取し、幅2〜4mm、長さ3〜5cmの短冊状に切断した。30℃の蒸留水に10分間浸漬後に、遠心脱水機に3000rpmで5分間脱液を行い、wet重量を測定した。さらに105℃で24時間乾燥を行い、dry重量を測定した。そして、[wet重量]÷[dry重量]×100の計算式により膨潤度を求めた。
グリセリンを14質量%含有する、重合度1700、けん化度99.5モル%のPVAフィルムを製膜し、内径76mm、厚み10mm、長さ1060mmの紙管(芯管)の上に、1200mの長さに巻き取った。PVAフィルムの厚みは30μm、幅は1020mm、水分率は6.2質量%、膨潤度は341質量%であった。また、巻きあがったフィルムロールの巻き径は66mmであった。
このフィルムロールに、透湿度0.1g/m2・日、厚み100μm、幅1550mm、長さ1500mmのアルミラミネートフィルム(ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリプロピレン積層フィルム)を巻き付けた。巻き付けたアルミラミネートフィルムの端は、25mm幅のアルミテープにてアルミラミネートフィルムの幅いっぱいにテープ止めした。続いて、図1に示すような、フィルムロール(PVAフィルム層4)の両サイドに余ったアルミラミネートフィルム1を、紙管3の両端部の開口部に押し込み、図2に示すようなポリプロピレン製のスリーブ形状(円筒の片側に小さなフランジが付いた形状)の固定具2を挿入した。従って、芯管の両端部は外気に対して開口されている。
この梱包したフィルムロールを100℃の熱風乾燥機に入れ、24時間、熱風にて熱処理した。熱処理後のPVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、アルミラミネートフィルムで梱包したフィルムロールを熱処理しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、フィルムロールをアルミラミネートフィルムで梱包しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱処理を行い、熱処理後のPVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、製膜に用いるPVAを重合後2400、けん化度98.5モル%のPVAに変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2において、アルミラミネートフィルムで梱包したフィルムロールを熱処理しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、熱風乾燥機の温度を90℃に、熱処理の時間を48時間に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、フィルムロールを梱包するフィルムをアルミラミネートフィルムから透湿度1.5g/m2・日、厚み80μmの高密度ポリエチレンのフィルムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムの水分率・強度・耐水性の評価を行った。結果を表1に示す。
2.スリーブ形状の固定具
3.芯管
4.PVAフィルム層
Claims (5)
- ポリビニルアルコール重合体フィルムを芯管に巻きつけたフィルムロールを防湿性の包装材料にて包装し、前記防湿性の包装材料の透湿度が2g/m 2 ・日以下であり、70〜200℃で、0.5〜120時間熱処理する工程を有する包装体の製造方法。
- 熱処理後のポリビニルアルコール重合体フィルムの水分率(W質量%)が4〜12質量%である、請求項1に記載の製造方法。
- 熱処理前のポリビニルアルコール重合体フィルムの水分率(W0質量%)および熱処理後のポリビニルアルコール重合体フィルムの水分率(W質量%)が|W−W0|<1.5質量%を満足する、請求項1または2に記載の製造方法。
- 熱処理後のフィルムロールの最表層のポリビニルアルコール重合体フィルムの幅方向中央部における膨潤度および芯管と接する層のポリビニルアルコール重合体フィルムの幅方向中央部における膨潤度が、いずれも120〜250質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 防湿性の包装材料が防湿性フィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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