JP5746107B2 - 工程紙 - Google Patents

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本発明は塩化ビニル系樹脂シート製造用に用いる剥離性を有する工程紙に関するものである。
合成樹脂やセラミックなどのシート状成型物を製造する工程において使用される工程紙とは、支持体として流動性のある原料を保持し、各種処理を施した後、製造物から剥離除去されるものである。工程紙は一度限りの使い捨てではなく、巻き取るなどして再度使用するものが一般的であり、そのため、剥離耐久性、寸法安定性、表面の平滑性などが要求される。特に、熱処理工程に伴い、剥離強度の変化や収縮による寸法変化やカールがあると品質や操業性に不具合が生じる。剥離強度の変化はシート状成型物の表面欠陥を始めとした品質面での問題だけでなく、工程紙の材破等による操業性の低下や複数回使用を困難にする。また、収縮による寸法変化はシワ状の表面欠陥を始めとした品質面での問題となる。カールは製品の変形などの品質問題に加え、剥離作業性の低下といった操業性の低下を招く。
従来、このような工程紙としてはポリエチレンラミネート紙をベースにしたもの、グラシン紙をベースにしたものなどが使用されてきた。しかしながら、ポリエチレンラミネート紙の場合、耐熱性が低いことから、寸法性に問題が生じることが多く、グラシン紙の場合は吸湿による寸法変化、カール、表面の平滑低下が問題であった。
また、耐溶剤性を考慮したプリプレグ用途の工程紙で、基紙の片面或いは両面に塗工層を設けた工程紙が開発されてきた。例えば、特許文献1には、下塗り層にポリビニルアルコール系共重合体を含む塗工層、剥離層にシリコン塗工層を設けて灰分量を規定したもの、特許文献2には下塗り層にポリビニルアルコールとポリビニルアルコール系共重合体の2種類のバインダーに無機顔料を含む塗工層、剥離層にシリコン塗工層を設けたものがそれぞれ提案されているが、これらを高温使用した場合、塗工量が多く200℃以上における高温時の寸法安定性が十分ではなく、カールも大きくなるという問題があった。
そこで、例えば、塩化ビニル系樹脂シート製造といった200〜230℃の熱処理工程を伴う製造工程において使用される工程紙として、工程紙の製造過程で予め十分に加熱収縮させておき、耐熱性と寸法安定性を両立させた特許文献3が提案されているが、剥離層を含む塗工層が単層のため、剥離が不均一となり、剥離耐久性や剥離均一性は十分ではなく更なる改善が求められている。
特開2005−314859号公報 特開2010−47879号公報 特許第4808665号公報
本発明の課題は、塩化ビニル系樹脂シート製造用に用いる剥離性を有する工程紙において、特に、200〜230℃の熱処理工程で使用されても、複数回の繰り返し耐久性を有し、収縮やカールが原因となる品質や操業性への悪影響がない工程紙を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、下記工程紙を見出した。
即ち、塩化ビニル系樹脂シート製造用の工程紙であって、工程紙基紙の片面にポリビニルアルコールを含有してなる下塗り層とシリコーンを含有してなる剥離層からなる塗工層を設けてなり、下塗り層が0.3〜2.0g/mであり、剥離層が0.02〜0.20g/mであることを特徴とする工程紙である。
さらには、工程紙の王研式透気度が1000〜50000秒以下である工程紙である。
さらには、23℃、相対湿度50%下に置いた工程紙を200℃乾燥機で2分間保持した直後のカールが±20mm以下である工程紙である。
本発明によれば、200〜230℃の熱処理を伴う塩化ビニル系樹脂シートの製造において、剥離強度が安定し、収縮やカールのない、複数回繰り返し使用可能な工程紙の提供が可能になる。
本発明者らは、塩化ビニル系樹脂シート製造用の工程紙において、特に、200〜230℃の熱処理工程を伴った場合においても、複数回繰り返し使用が可能な工程紙の剥離強度や熱収縮率、カールについて検討した。結果、工程紙基紙の片面に下塗り層と剥離層からなる塗工層を設け、下塗り層がポリビニルアルコールを含有し、0.3〜2.0g/mであり、剥離層がシリコーンを含有し、0.02〜0.20g/mであることで、安定して複数回使用できる剥離強度を保持できることを見出した。下塗り層と剥離層がこの範囲であるとき、適度な下塗り層のバリヤー性でシリコーンを含有する剥離層が表面保持されているため、工程紙と塩化ビニル系樹脂シートとの密着性が良く、安定した剥離強度を保持できる。下塗り層が0.3g/m未満では、バリヤー性が十分ではなく、剥離層が不均一で重剥離となり、工程紙は材破し易く、複数回の使用ができなくなる。一方、下塗り層が2.0g/mを超えると、下塗り層のバリヤー性が過度に増すので、剥離層の塗布量が少なくても、軽剥離となり、工程紙と塩化ビニル系樹脂シートとの密着性が悪くなり、塩化ビニル系樹脂シートが凹凸になり、品質不具合が生じたり、剥離が不均一なため複数回使用できなくなる。また、下塗り層が2.0g/m以下であることで、加熱収縮やカール、ブロッキングを抑制できることも見出した。なお、本発明において、下塗り層は0.4〜1.5g/mであることがより好ましく、0.5〜1.0g/mであることがさらに好ましい。
一方、剥離層が0.02g/m未満の場合には、下塗り層のバリヤー性が適度でも、剥離層が表面被覆されないため、剥離が部分的に不均一になり易く、複数回繰り返し使用ができない。また、剥離層が0.20g/mを超えると、軽剥離となり、工程紙と塩化ビニル系樹脂シートとの密着性が悪く、塩化ビニル系樹脂シートが凹凸になり、品質不具合が生じたり、剥離が不均一なため複数回使用できなくなる。なお、本発明において、剥離層は0.03〜0.12g/mであることがより好ましく、0.04〜0.08g/mであることがさらに好ましい。
さらに、工程紙の王研式透気度は、1000〜50000秒以下が好ましい。王研式透気度が1000秒未満では、下塗り層のバリヤー性が十分ではなく、剥離層が不均一で重剥離となり、工程紙は材破し易く、複数回の使用ができなくなる場合がある。一方、王研式透気度が50000秒を超えると、軽剥離となり、下塗り層のバリヤー性が過度に増すので、工程紙と塩化ビニル系樹脂シートとの密着性が悪く、塩化ビニル系樹脂シートが凹凸になり、品質不具合が生じたり、剥離が不均一なため複数回使用できなくなる場合がある。
また、本発明では、下塗り層が0.3〜2.0g/mであり、剥離層が0.02〜0.20g/mである。このように塗工層を軽塗工にすることで、塗工層の熱収縮を抑制できるため、加熱収縮後の寸法安定性やカールに対して有効な他、ブロッキングも抑制でき、かつ、コスト面でも優位である。特に、加熱収縮後の寸法変化やカールは、作業性を低下させるだけでなく、複数回使用に支障をきたす。
本発明における塗工層の下塗り層は、ポリビニルアルコール(PVA)を含有するが、その他、変性PVA、ポリビニルピロリドン、デンプン、酸化デンプンなどの変性デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体または共重合体などのアクリル系重合体エマルジョン、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体エマルジョンなどを、適宜併用することができる。
本発明における塗工層の剥離層は、シリコーンを含有してなる。シリコーンの塗工としては、一般的な溶剤系、無溶剤系、水性エマルジョン系が挙げられ、いずれも好ましく使用できる。一般的には、溶剤系、無溶剤系の方が剥離性能の制御範囲が広いと言われており、適用例も多いが、本発明の用途は水性エマルジョン系を用いて目標品質が得られることから、塗工装置の制約も少なく、環境面やコスト面でも優れている水系塗工による加工が使用できる。
塗工層は、カーテンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、スプレーコーター、ロッドバーコーター、ブレードコーターなどの方法によって塗工することができる。また、乾燥方法としては、熱風加熱、ガスヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱等の方法が挙げられる。
塗工後には、表面の平滑性を向上させる目的で、マシンカレンダー、温度勾配(TG)カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも可能である。
カールを抑制する方法としては、一般的に用いられるカール矯正方法、すなわち水または水溶性樹脂の塗工、スチームによる矯正などが好ましく用いられる。カールの表現は、水平な台上に置いてシート端が持ち上がる面をプラスカール面、逆面をマイナスカール面と呼ぶ。塗工によるカール矯正は、マイナスカール面に水または水溶性樹脂を塗布、乾燥収縮させて行う。
本発明の工程紙は、塩化ビニル系樹脂シート製造用の工程紙であり、200〜230℃の熱処理工程を伴う製造工程において、繰り返し使用することから、熱による強度低下は好ましくない。熱変色については、適度な変色は特に問題とならず、むしろ熱劣化の目安にもなるくらいである。ただし、あまり著しい変色は欠陥の原因となったり、欠陥検出の妨げとなったりするため好ましくない。これらの理由から使用する基紙の紙面pHは5以上8未満が好ましい。このpH範囲よりも高い場合も、低い場合も、熱による強度低下を招くため、好ましくない。
使用上必要な強度、寸法安定性を得るために、基紙のパルプ配合としてはNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)を10〜50質量%配合するのが好ましい。この範囲より少ないと、引張強度、引裂強度、寸法安定性などが劣る傾向にある。また、この範囲より多いと、基紙の地合いが悪化する傾向にあり、剥離特性、剥離面質に悪影響を与えることがある。また、濾水度は300〜500mlCSFとすることで、寸法安定性、地合いをバランスよく得られる。この範囲を超える粗い叩解だと、基紙の地合いが悪化する傾向のため、剥離特性、剥離面質に悪影響を与えるため好ましくない。この範囲未満の細かい叩解とすると、基紙の伸縮率が大きくなる傾向のため、寸法安定性が悪く、好ましくない。
本発明の工程紙に使用する基紙には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類、酸化チタンなどの無機填料や尿素樹脂等の有機顔料を含んでも構わない。しかし、高温下での繰り返し使用での強度の点からは、填料含有量が少ない方が好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(基紙)
針葉樹(N)材30質量%、広葉樹(L)材70質量%のパルプ配合となるよう混合したパルプを濾水度400mlCSFになるよう叩解後、アルキルケテンダイマーエマルジョンを対パルプ0.2質量%、カチオン化デンプンを対パルプ0.9質量%添加し、紙料スラリーを調製し、坪量160g/mとなるよう長網抄紙機にて抄造を行った。なお、サイズプレスにおいて、ポリアクリルアミド(PAM)系表面紙力剤1質量部、酸化デンプン1質量部の2質量%水溶液を絶乾付着量1.5g/mとなるよう付着させて基紙を得た。
(実施例1)
ロッドバーコーターにて基紙にポリビニルアルコール水溶液(固形分7質量%、型番:PVA117、株式会社クラレ製)を塗布し、絶乾固形量が1.0g/mの下塗り層を得た。この下塗り層にロッドバーコーターにてシリコーン水溶液(固形分0.7質量%、型番:KM−3951、信越化学工業製)を塗布し、絶乾固形量が0.08g/mの剥離層を得た。さらに、逆面に水を塗工してカール矯正を施し、実施例1の工程紙を得た。
(実施例2)
実施例1において、下塗り層のポリビニルアルコールの絶乾固形量を0.3g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、実施例2の工程紙を得た。
(実施例3)
実施例1において、下塗り層のポリビニルアルコールの絶乾固形量を2.0g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、実施例3の工程紙を得た。
(実施例4)
実施例1において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.02g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、実施例4の工程紙を得た。
(実施例5)
実施例1において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.20g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、実施例5の工程紙を得た。
(実施例6)
実施例2において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.02g/mに変更した以外は実施例2と同様に実施し、実施例6の工程紙を得た。
(実施例7)
実施例2において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.20g/mに変更した以外は実施例2と同様に実施し、実施例7の工程紙を得た。
(実施例8)
実施例3において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.02g/mに変更した以外は実施例3と同様に実施し、実施例8の工程紙を得た。
(実施例9)
実施例3において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.20g/mに変更した以外は実施例3と同様に実施し、実施例9の工程紙を得た。
(実施例10)
実施例1において、下塗り層のポリビニルアルコールの絶乾固形量を0.6g/m、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.04g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、実施例10の工程紙を得た。
(比較例1)
実施例1において、下塗り層のポリビニルアルコールの絶乾固形量を0.2g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、比較例1の工程紙を得た。
(比較例2)
実施例1において、下塗り層のポリビニルアルコールの絶乾固形量を2.3g/mに変更した以外は実施例1と同様に実施し、比較例2の工程紙を得た。
(比較例3)
比較例1において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.30g/mに変更した以外は比較例1と同様に実施し、比較例3の工程紙を得た。
(比較例4)
比較例2において、剥離層のシリコーンの絶乾固形量を0.02g/mに変更した以外は比較例2と同様に実施し、比較例4の工程紙を得た。
(比較例5)
ロッドバーコーターにて基紙にポリビニルアルコール水溶液(固形分10質量%、型番:PVA117、株式会社クラレ製)100質量部、シリコーン水溶液(固形分40質量%、型番:KM−3951、信越化学工業製)5質量部、水45質量部を混合攪拌した8質量%水溶液を塗布し、絶乾固形量が1.0g/mの塗工層を得た。さらに、逆面に水を塗工してカール矯正を施し、比較例5の工程紙を得た。
実施例1〜10及び比較例1〜5の工程紙の評価結果を表1に示す。なお、表1中の評価項目は以下の方法で評価した。
<カールの評価>
23℃、相対湿度50%環境下においた工程紙を、200℃乾燥器で2分間保持した直後、カール(A4サイズにカットして平らな台上に置き、紙端が台上から反った高さ(単位:mm)で表記する。剥離加工面側に反る場合をプラス、逆をマイナスで表す。:表中「カール」と記載)を以下に示す。カールは、製品の変形などの品質問題に加え、剥離作業性の低下といった操業性の低下を招くことから、±20mm以下が好ましい。
<透気度の評価>
Japan Tappi 紙パルプ試験方法 No.5(王研式)に準じて測定した。
<剥離適性の評価>
各工程紙上に塩化ビニル(塩ビ)ペーストを塗布、200℃×2分の熱処理により硬化させた。得られた塩ビシートをテンシロン剥離試験機で剥離(300mm/min)し、工程紙の剥離面と塩ビゾルの剥離面の表面状態(面質)を目視にて次の通り評価した。
◎:工程紙の剥離面が塩ビシート面に剥ぎ取られず、塩ビシート面質が良好である。
○:工程紙の剥離面に毛羽立ちや凹凸が僅かに見られるが、塩ビシート面質が良好である。
△:重剥離で工程紙の剥離面が剥ぎ取られる。又は、軽剥離で、塩ビシート面質にムラが見られるが、実使用可能なレベル。
×:重剥離で工程紙が材破するか、剥離できない。又は、軽剥離で、塩ビシート面質にムラが見られ、使用不可なレベル。
<剥離性の繰り返し(耐久性)評価>
一度、剥離した工程紙に再度、塩ビペーストを塗布し200℃×2分の熱処理により硬化させて、塩ビシートをテンシロン剥離試験機で剥離し、繰り返し耐久性を最大5回まで確認した。繰り返し耐久性は、経済性から4回以上が好ましい。
Figure 0005746107
実施例1:良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例2:2回目以降の剥離が強めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。5回目の繰り返し使用で、工程紙の剥離面に毛羽立ちや凹凸が僅かに見られたが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例3:初回の剥離が軽めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。カールが見られたが、剥離作業性は実用上問題なかった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例4:剥離が強めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。5回繰り返し使用で、工程紙の剥離表面に毛羽立ちが僅かに見られたが、実使用上問題はなかった。
実施例5:初回使用の剥離が軽めになり、塩ビシートの表面に面質ムラが多少見られたが、実用上問題は見られなかった。剥離作業性も良好であった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例6:剥離が強めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。4回繰り返し使用で重剥離のため、工程紙の剥離面が剥ぎ取られたが、実使用可能なレベルであった。
実施例7:初回使用の剥離が軽めになり、塩ビシートの表面に面質ムラが多少見られたが、実用上問題は見られなかった。剥離作業性も良好であった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例8:良好な面質の塩ビシートが得られた。カールが見られたが、剥離作業性は実用上問題なかった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例9:2回目使用までの剥離が軽めになり、塩ビシートの表面に面質ムラが多少見られたが、実用上問題は見られなかった。カールが見られたが、剥離作業性は実用上問題なかった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
実施例10:良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。5回繰り返し使用したが、工程紙としての性能の劣化は認められなかった。
比較例1:初回は剥離が強めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。2回目の使用で剥離が強過ぎて、工程紙の材破が見られた。
比較例2:剥離が軽めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性はカールが大きく、作業性に支障がでるレベルで、複数回使用ができなかった。
比較例3:剥離が部分的に軽めとなり、塩ビシートの表面に面質ムラが見られ問題となるレベルであった。複数回使用ができなかった。
比較例4:剥離が軽めになったが、良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性はカールが大きく、作業性に支障がでるレベルで、複数回使用ができなかった。
比較例5:初回は良好な面質の塩ビシートが得られた。剥離作業性も良好であった。2回目の使用で剥離が強過ぎて、工程紙の材破が見られた。
表1より、実施例1〜10の工程紙は、剥離強度が安定し、収縮やカールのない複数回繰り返し使用可能な特性を示すことがわかる。一方、比較例1〜5の工程紙は、剥離強度やカールに問題があり、4回以上繰り返し使用ができない。
以上説明したように、本発明の工程紙は、200〜230℃の熱処理工程を伴う塩化ビニル系樹脂シートの製造において、剥離強度が安定し、収縮やカールのない複数回繰り返し使用可能な特性を有しており、従来品に比べ商品価値を一層高めることになる。
本発明の工程紙は、塩化ビニル系樹脂シート以外にも、200℃以上の熱処理工程を伴うシート状形成物の製造に利用することができる。

Claims (3)

  1. 塩化ビニル系樹脂シート製造用の工程紙であって、工程紙基紙の片面にポリビニルアルコールを含有してなる下塗り層とシリコーンを含有してなる剥離層からなる塗工層を設けてなり、下塗り層が0.3〜2.0g/mであり、剥離層が0.02〜0.20g/mであることを特徴とする工程紙。
  2. 前記工程紙の王研式透気度が1000〜50000秒以下である請求項1記載の工程紙。
  3. 23℃、相対湿度50%環境下に置いた工程紙を200℃乾燥機で2分間保持した直後のカールが±20mm以下である請求項1又は2記載の工程紙。
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