JP6076003B2 - 経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤 - Google Patents
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Description
また本発明は、優れたアディポネクチン産生促進作用を有し、メタボリックシンドローム、糖尿病やその合併症、動脈硬化、消化器疾患等の種々の病態を治療・予防するアディポネクチン産生促進剤を提供することを目的とする。
また本発明は、優れた脂肪滴蓄積抑制効果を有し、脂肪滴の蓄積に伴う好ましくない症変を予防、抑制し、治療することが可能な脂肪滴蓄積抑制剤を提供することを目的とする。
また本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物を含む経口用アディポネクチン産生促進剤である。
さらに本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物を含む脂肪滴蓄積抑制剤である。
また本発明の経口用アディポネクチン産生促進剤は、経口摂取することによるアディポネクチンの産生促進効果に優れる。そのため、アディポネクチンが関与するインスリン抵抗性の改善、血中アディポネクチン濃度の改善等により、メタボリックシンドローム、糖尿病やその合併症、動脈硬化、消化器疾患等の種々の病態の治療・予防に役立つものである。
また本発明の脂肪滴蓄積抑制剤は、脂肪滴の蓄積を抑制する効果に優れるものである。よって本発明の脂肪滴蓄積抑制剤によれば、脂肪滴の蓄積に伴う好ましくない症状、例えば2型糖尿病を予防、抑制し、治療することが可能である。
(シカクマメ属植物)
本発明で用いられる(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物は、マメ科の熱帯産つる性の草本である。本発明ではシカクマメ属に属する植物であれば特に限定されるものではなく、任意に用いることができる。本発明では中でも、シカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)が好ましく用いられる。改良品種として「ウリズン」等が知られる。市販品としては、その種子をサカタのタネなどで購入できる。
シカクマメ属植物抽出物は、単独で優れた脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用、脂肪滴蓄積抑制作用を有している。
なおシカクマメ属植物抽出物が優れた脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用、脂肪滴蓄積抑制作用を有することについては今までに知られておらず、本発明者が初めて見出したものである。
また、脂肪滴蓄積抑制作用については、シカクマメ属植物抽出物を(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上と共に用いることで、より高められる。
本発明で用いられるユズはみかん科みかん属で、学名はCitrus junosであり、ユズ種子抽出物はその種子の抽出物である。ユズの原産は中国揚子江上流の四川・雲南と言われ、わが国には平安時代頃に伝わったとされている。本草綱目には、「ユズの種を黒焼きにしたものを粉にして飲むと体の痛みが和らぐ」と書かれていることから、民間療法としてリウマチや肩こり、関節痛等に用いられたり、ユズ湯として風邪の予防や疲労回復等に用いられたりしている。
またユズ種子抽出物については、ヒアルロン酸産生促進作用、メラニン生成抑制作用、脂質代謝改善作用、コラーゲン産生促進作用等があることが知られているが(特開2001−158728号公報、特開2006−83150号公報、特開2007−297343号公報、特開2006−206571号公報)、マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物と共に用いて脂肪量低減作用および脂肪滴蓄積抑制作用があるという報告はこれまでにない。
本発明で用いられるボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)は、セリ科(Umbelliferae)カワラボウフウ属の多年草で、沖縄の八重山地方などでは長命草とも呼ばれている。
以下に、本発明による脂肪量低減効果、アディポネクチン産生促進効果および脂肪滴蓄積抑制効果に関し、説明する。
なお脂肪滴蓄積抑制効果については、脂肪細胞の分化抑制能評価方法とその結果、および脂肪細胞の分解促進能評価方法とその結果について説明する。
(1)シカクマメ種子抽出物
シカクマメの種子50gを、室温で1週間90%エタノールに浸漬し、抽出液を濃縮し、食品用90%エタノール抽出物(乾燥物)2.9gを得た。
得られたシカクマメ抽出物を用いて、以下の実験を行った。
ユズの種子100gを粉砕し、90%の含水エタノール溶液1000mlを用いて、加熱還流抽出により抽出した。得られた抽出液を濃縮し、食品用90%エタノール抽出物(乾燥物)9.8gを得た。
ボタンボウフウの葉と茎の粉砕物50gを乾燥させ、食品用乾燥物4.9g(収率;9.8%)を得た。
ヒトの単純性肥満のモデルであるC57BL/6Jマウス(オス、6週齢、日本エスエルシー株式会社製)18匹を用いて、1週間の予備飼育後、群間の平均体重がほぼ同等になるようにコントロール群(6匹)とシカクマメ種子抽出物摂取群(6匹)、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群(6匹)に群分けを行った。
また、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群には、同様に2つの抽出物をそれぞれ0.5質量%(w/w)(実分)の配合割合となるよう添加したシカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物添加高脂肪食(粉末飼料)を自由摂取させた。
上記各飼料を各群8週間自由摂取させて飼育した時の、1週間ごとの体重変化および累積摂餌量に目立った差異はなかった。
8週間自由摂取後、全群を麻酔下においてX線CT装置LCT−100(アロカ株式会社製)により、第1腰椎から第6腰椎の範囲を撮影し、内臓脂肪および皮下脂肪の量を算出した。その結果を表2および図1に示す。
血清中の総コレステロール量、中性脂肪量についての結果を表3および図2に,血清中のアディポネクチン濃度(コントロールを100とした時の相対値)についての結果を表4および図3にそれぞれ示す。
脂肪滴蓄積抑制試験は、脂肪細胞の分化抑制に基づくと考えられる脂肪滴蓄積抑制評価(C−1)と、脂肪細胞の分解促進に基づくと考えられる脂肪滴蓄積抑制評価(C−2)の2種類を行った。
ヒト皮下脂肪細胞を96穴プレートに播種し、翌日薬剤を添加した。添加から8日後に脂肪細胞の形成する脂肪滴の状態を観察し、AdipoRed添加後プレートリーダーを用いて蛍光量を測定した。薬剤の添加のない時の蛍光量を100とした時の相対的蛍光量を表5に示す。この相対的蛍光量は、薬剤の添加のない時の脂肪滴量を100とした時の薬剤添加時の脂肪滴量に相当する。
また、同様にヒト内臓脂肪細胞を用いて薬剤の評価を行った。
ヒト皮下脂肪細胞を96穴プレートに播種し、翌日分化用培地に置換した。その7日後に脂肪滴が十分形成されたことを確認して薬剤を添加し、添加から9日後に脂肪細胞の形成する脂肪滴の状態を観察し、AdipoRed添加後プレートリーダーを用いて蛍光量を測定した。薬剤の添加のない時の蛍光量を100とした時の相対的蛍光量を表6に示す。この相対的蛍光量は、薬剤の添加のない時の脂肪滴量を100とした時の薬剤添加時の脂肪滴量に相当する。
また、同様にヒト内臓脂肪細胞を用いて薬剤の評価を行った。
また、ヒト内臓脂肪細胞を用いた場合も、上記と同様の結果が確認された。
さらに表5および表6の試験例4と7、5と7について有意差検定を行ったところ、どちらも有意傾向を示した。
Claims (6)
- (a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物と、(b)ユズ種子抽出物を含む経口用脂肪量低減剤。
- 前記(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物がシカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)である請求項1に記載の経口用脂肪量低減剤。
- (a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物と、(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上からなる植物またはその抽出物を含む脂肪滴蓄積抑制剤。
- 前記(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物がシカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)である請求項3に記載の脂肪滴蓄積抑制剤。
- 請求項1又は2に記載の経口用脂肪量低減剤を含む食品。
- 請求項3又は4に記載の脂肪滴蓄積抑制剤を含む食品。
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