JP6076003B2 - 経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤 - Google Patents

経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤 Download PDF

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Description

本発明は経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤に関し、さらに詳しくは植物抽出物を有効成分として含む経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤に関する。
我が国では食生活が豊かになり、現在では飽食の時代とも呼ばれてカロリー摂取過剰の人が増え、運動不足も原因となり、肥満が急激に増加している。現在、30歳代の男性は3人に1人が過体重か肥満であり、40〜50歳代では4割近くが肥満である。肥満は合併症として高脂血症や動脈硬化症、糖尿病をもたらすことが知られている。このため、皮下脂肪、内臓脂肪を低減して生活習慣病に繋がる肥満を予防、改善することが求められている。
体脂肪の過剰な蓄積は、筋肉における脂肪の異常沈着および脂肪代謝の低下を招き、メタボリックシンドロームの合併、またインスリン抵抗性や高血糖を招き、2型糖尿病発症へと繋がる。したがって、これら病態の発症予防のためには、筋肉における脂肪代謝を亢進させることと、内臓脂肪蓄積を抑制することの両者が重要である。そして、皮下脂肪や内臓脂肪の蓄積抑制に関しては、脂肪細胞の分化を抑制することや、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪の分解を促進させることにより脂肪滴の形成を抑制することが有効である。酢酸や酢酸塩が有効な物質として知られている(特許文献1)。
また、脂肪細胞から特異的に産生および分泌されるタンパク質であるアディポネクチンは、メタボリックシンドロームの発症・進展において中心的な役割を担っており、肥満、循環器系疾患、糖尿病などの生活習慣病と密接に関連することが知られている。血中アディポネクチン濃度が低下した病態である低アディポネクチン血症は、上記疾病の根本的な原因の1つであると考えられ、これらの疾患や生活習慣病の予防・治療のためアディポネクチンの産生を促進させるアディポネクチン産生促進剤も開発されている(特許文献2)。
一方、シカクマメ抽出物は従来、ラミニン5産生促進作用を有し、シワの生成を抑制することが知られている(特許文献3)。また、細胞増殖促進作用やTGF−β産生促進作用、コラーゲンゲル産生促進作用等を有するものとしても知られている(特許文献4)。
特開2010−111585号公報 特開2008−255040号公報 特開2003−313135号公報 特開2010−24211号公報
本発明はこのような従来の事情に鑑み、蓄積脂肪量を低減化して生活習慣病に繋がる肥満を予防・改善する経口用脂肪量低減剤を提供することを目的とする。
また本発明は、優れたアディポネクチン産生促進作用を有し、メタボリックシンドローム、糖尿病やその合併症、動脈硬化、消化器疾患等の種々の病態を治療・予防するアディポネクチン産生促進剤を提供することを目的とする。
また本発明は、優れた脂肪滴蓄積抑制効果を有し、脂肪滴の蓄積に伴う好ましくない症変を予防、抑制し、治療することが可能な脂肪滴蓄積抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者は、脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用および脂肪滴蓄積抑制作用を有する物質を鋭意研究した結果、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物が優れた脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用および脂肪滴蓄積抑制作用を有していることを見出した。
すなわち本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物を含む経口用脂肪量低減剤である。
また本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物を含む経口用アディポネクチン産生促進剤である。
さらに本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物を含む脂肪滴蓄積抑制剤である。
本発明の脂肪量低減剤は、経口摂取することで生体内の内臓脂肪、皮下脂肪などの脂肪量を低減させることができ、体脂肪の過剰な蓄積による肥満を防止、改善することができる。
また本発明の経口用アディポネクチン産生促進剤は、経口摂取することによるアディポネクチンの産生促進効果に優れる。そのため、アディポネクチンが関与するインスリン抵抗性の改善、血中アディポネクチン濃度の改善等により、メタボリックシンドローム、糖尿病やその合併症、動脈硬化、消化器疾患等の種々の病態の治療・予防に役立つものである。
また本発明の脂肪滴蓄積抑制剤は、脂肪滴の蓄積を抑制する効果に優れるものである。よって本発明の脂肪滴蓄積抑制剤によれば、脂肪滴の蓄積に伴う好ましくない症状、例えば2型糖尿病を予防、抑制し、治療することが可能である。
シカクマメ種子抽出物およびシカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物を摂取した時の内臓脂肪および皮下脂肪の量を示す図である。 シカクマメ種子抽出物およびシカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物を摂取した時の総コレステロールおよび中性脂肪の量を示す図である。 シカクマメ種子抽出物およびシカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物を摂取した時の血中アディポネクチン濃度を示す図である。
以下、本発明について詳述する。
(シカクマメ属植物)
本発明で用いられる(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物は、マメ科の熱帯産つる性の草本である。本発明ではシカクマメ属に属する植物であれば特に限定されるものではなく、任意に用いることができる。本発明では中でも、シカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)が好ましく用いられる。改良品種として「ウリズン」等が知られる。市販品としては、その種子をサカタのタネなどで購入できる。
シカクマメ属植物抽出物は、単独で優れた脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用、脂肪滴蓄積抑制作用を有している。
なおシカクマメ属植物抽出物が優れた脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用、脂肪滴蓄積抑制作用を有することについては今までに知られておらず、本発明者が初めて見出したものである。
なお、脂肪量低減作用については、シカクマメ属植物抽出物を(b)ユズ種子抽出物と共に用いることで、より高められる。
また、脂肪滴蓄積抑制作用については、シカクマメ属植物抽出物を(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上と共に用いることで、より高められる。
本発明に用いられるシカクマメ(Psophocarpus)属植物の抽出物は、シカクマメ(Psophocarpus)属植物の葉、茎、枝、花、樹皮、種子、さや、根茎または植物全草等を抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得られる。使用部位としては、植物体の任意の部位を用いることができるが、種子を用いるのが特に好ましい。
シカクマメ(Psophocarpus)属植物の抽出物は、常法により得ることができ、例えばシカクマメ(Psophocarpus)属植物を抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
こうして得られる抽出液は、そのまま、あるいはエタノール等でさらに希釈し、または固化後、乾燥物をそのまま、もしくは乾燥物を例えばエタノールに再溶解して、経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤または脂肪滴蓄積抑制剤として用いることができる。
(ユズ種子抽出物)
本発明で用いられるユズはみかん科みかん属で、学名はCitrus junosであり、ユズ種子抽出物はその種子の抽出物である。ユズの原産は中国揚子江上流の四川・雲南と言われ、わが国には平安時代頃に伝わったとされている。本草綱目には、「ユズの種を黒焼きにしたものを粉にして飲むと体の痛みが和らぐ」と書かれていることから、民間療法としてリウマチや肩こり、関節痛等に用いられたり、ユズ湯として風邪の予防や疲労回復等に用いられたりしている。
またユズ種子抽出物については、ヒアルロン酸産生促進作用、メラニン生成抑制作用、脂質代謝改善作用、コラーゲン産生促進作用等があることが知られているが(特開2001−158728号公報、特開2006−83150号公報、特開2007−297343号公報、特開2006−206571号公報)、マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物と共に用いて脂肪量低減作用および脂肪滴蓄積抑制作用があるという報告はこれまでにない。
上記植物の抽出物は、常法により得ることができ、例えば上記植物の種子を抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出した得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
例えば本発明で用いられるユズ種子抽出物は、ユズの種子を粉砕し、溶媒として含水エタノールまたは水を用い、室温で浸漬または加熱し、抽出することによって得られる。溶媒としては、70〜99%含水エタノールが最も好ましい。
(ボタンボウフウ)
本発明で用いられるボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)は、セリ科(Umbelliferae)カワラボウフウ属の多年草で、沖縄の八重山地方などでは長命草とも呼ばれている。
本発明で用いられるボタンボウフウについては、脂肪代謝促進作用があること(特開2008−100952号公報)、二糖類分解酵素を阻害する作用があり糖尿病の予防・治療や肥満の解消などに有効であること(特開2003−26694号公報)、細胞賦活作用、抗酸化作用、メラニン産生抑制作用があること(特開2004−26697号公報)、ヘパラナーゼ活性抑制作用があり、シワの防止、改善に有効であること(国際公開WO09/123215号公報)、セラミド合成促進作用があること(特開2005−194239号公報)などが知られているが、マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物と共に用いて脂肪滴蓄積抑制作用があるという報告はこれまでにない。
本発明で用いられるボタンボウフウは生のままでも乾燥したものでも使用することができるが、使用性、製剤化等の観点から乾燥粉末あるいは抽出物として用いることが好ましい。
乾燥粉末を得る方法としては、植物の全草あるいは各種部位(葉、茎、花、根等)を細断又は粉砕し、その後に乾燥する方法や植物を乾燥した後に細断又は粉砕して乾燥粉末を得る方法がある。また、植物を細断又は粉砕し、発酵や酵素処理を施した後、乾燥し、更に必要に応じて所定の粒径にすべく粉砕する方法等を適宜採ることができる。
上記植物の抽出方法は溶媒抽出により行うことができる。溶媒抽出の場合には、植物の全草あるいは各種部位(葉、茎、花、根等)を必要に応じて乾燥させ、更に必要に応じて細断又は粉砕した後、水性抽出剤、例えば冷水、温水、又は沸点若しくはそれより低温の熱水、あるいは有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、1,3−ブタンジオール、エーテル等を常温で又は加熱して用いることにより抽出される。しかしながら、抽出方法は溶媒抽出に限定されず、当業界で知られている常用の手法によってもよい。上記抽出物の形態は、抽出液自体だけでなく、常用の手法により適宜希釈又は濃縮したものであってもよく、更に、抽出液を乾燥することによって得られる粉状あるいは塊状の固体であってもよい。
得られた抽出液は、そのまま、あるいは適宜濾過・濃縮・脱色などの処理を施して用いることが出来る。また、一旦溶媒を除去した後に、抽出に用いた溶媒とは異なる溶媒に再溶解して用いることも可能である。得られた抽出物を活性炭やカラムクロマトグラフィーなどによりさらに精製して用いることも可能である。抽出部位としては全草を用いる以外に、特定の部位(葉、茎、花、根等)を集めて抽出しても良い。
本発明の経口用脂肪量低減剤は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物、またはこれと(b)ユズ種子抽出物とからなることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において他の種々の成分を含有することが出来る。(b)成分を含むことで、脂肪量低減効果は一層高められる。
また本発明の経口用アディポネクチン産生促進剤は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物からなることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において他の種々の成分を含有することが出来る。
本発明の経口用脂肪量低減剤において、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物抽出物と(b)ユズ種子抽出物とを含む場合、その配合比率は、1:10〜10:1の割合(乾燥質量での質量比)で組合せて配合することが好ましく、より好ましくは、1:2〜3:1である。この範囲内であると脂肪量低減効果が特に優れる。
本発明の脂肪滴蓄積抑制剤は(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物、またはこれと(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上とからなることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において他の種々の成分を含有することが出来る。(c)成分を含むことで、脂肪滴蓄積抑制効果は一層高められる。
本発明の脂肪滴蓄積抑制剤において、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物抽出物と、(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上からなる植物抽出物類を含む場合、その配合比率は、1:10〜10:1の割合(乾燥質量での質量比)で組合せて配合することが好ましく、より好ましくは、1:2〜3:1である。この範囲内であると脂肪滴蓄積抑制効果が特に優れる。
本発明の経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤は、優れた脂肪量低減作用、アディポネクチン産生促進作用および脂肪滴蓄積抑制作用を有しており、経口によって摂取され、より好ましくは簡単に摂取できるサプリメントや飲料などの食品に配合して用いられる。
本発明の経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤を食品に配合して用いる場合、その配合量(乾燥質量)は、食品の種類、目的、形態、利用方法などに応じて、適宜決めることができ、例えば、食品全量中に0.1〜90質量%程度とすることができる。特に、保健用飲食品等として利用する場合には、本発明の有効成分を所定の効果が充分発揮されるような量で含有させることが好ましい。
また、本発明の経口用脂肪量低減剤、経口用アディポネクチン産生促進剤および脂肪滴蓄積抑制剤は、大人では(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物を1日当たり50mg以上、好ましくは50mg〜5g摂取するのが望ましい。
また、経口用脂肪量低減剤における(b)ユズ種子抽出物、および脂肪滴蓄積抑制剤における(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上からなる植物抽出物類は、1日当たり50mg以上、特に50〜1000mgを摂取することが好ましい。1日当たりの投与量が少なすぎると効果が十分に発揮されない。1日当たりの投与量の上限は本発明の効果を損なわない範囲において特に限定されないが、過剰に配合しても増量に見合った顕著な効果が得られない。
食品の形態としては、例えば、顆粒状、粒状、ペースト状、ゲル状、固形状、または液体状等の任意に成形することができる。これらには、飲食品等に含有することが認められている公知の各種物質、例えば、結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤やpH調整剤などの賦形剤を適宜含有させることができる。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
以下に、本発明による脂肪量低減効果、アディポネクチン産生促進効果および脂肪滴蓄積抑制効果に関し、説明する。
なお脂肪滴蓄積抑制効果については、脂肪細胞の分化抑制能評価方法とその結果、および脂肪細胞の分解促進能評価方法とその結果について説明する。
A.試料の調製
(1)シカクマメ種子抽出物
シカクマメの種子50gを、室温で1週間90%エタノールに浸漬し、抽出液を濃縮し、食品用90%エタノール抽出物(乾燥物)2.9gを得た。
得られたシカクマメ抽出物を用いて、以下の実験を行った。
(2)ユズ種子抽出物
ユズの種子100gを粉砕し、90%の含水エタノール溶液1000mlを用いて、加熱還流抽出により抽出した。得られた抽出液を濃縮し、食品用90%エタノール抽出物(乾燥物)9.8gを得た。
(3)ボタンボウフウ粉砕物
ボタンボウフウの葉と茎の粉砕物50gを乾燥させ、食品用乾燥物4.9g(収率;9.8%)を得た。
B.シカクマメ種子抽出物の脂肪量低減効果試験およびアディポネクチン産生促進効果試験
ヒトの単純性肥満のモデルであるC57BL/6Jマウス(オス、6週齢、日本エスエルシー株式会社製)18匹を用いて、1週間の予備飼育後、群間の平均体重がほぼ同等になるようにコントロール群(6匹)とシカクマメ種子抽出物摂取群(6匹)、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群(6匹)に群分けを行った。
コントロール群には、脂肪分約30質量%含む高脂肪食(オリエンタル酵母株式会社製)を自由摂取させた(Maeda N et al, Nat Med.2002:731-737)。シカクマメ種子抽出物摂取群には、上記高脂肪食にシカクマメ種子抽出物を0.5質量%(w/w)(実分)の配合割合となるよう添加したシカクマメ種子抽出物添加高脂肪食(粉末飼料)を自由摂取させた。
また、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群には、同様に2つの抽出物をそれぞれ0.5質量%(w/w)(実分)の配合割合となるよう添加したシカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物添加高脂肪食(粉末飼料)を自由摂取させた。
表1は、摂取させた高脂肪食の処方で、Aは高脂肪食群(コントロール)、Bはシカクマメ種子抽出物0.5質量%含有高脂肪食群、Cはシカクマメ種子抽出物・ユズ種子抽出物各0.5質量%含有高脂肪食群をそれぞれ示す。
上記各飼料を各群8週間自由摂取させて飼育した時の、1週間ごとの体重変化および累積摂餌量に目立った差異はなかった。
※1:賦型剤を含む(ユズ種子抽出物実分にして0.5質量%)
8週間自由摂取後、全群を麻酔下においてX線CT装置LCT−100(アロカ株式会社製)により、第1腰椎から第6腰椎の範囲を撮影し、内臓脂肪および皮下脂肪の量を算出した。その結果を表2および図1に示す。
また同じく麻酔下で採血を行い、定法に従って血清を調製した。血清中の総コレステロール量、中性脂肪量は富士ドライケム(富士フィルムメディカル社製)を用いて測定した。また血清中のアディポネクチン濃度は、アディポネクチン測定用ELISAキット(大塚製薬社製)を用いて測定した。
血清中の総コレステロール量、中性脂肪量についての結果を表3および図2に,血清中のアディポネクチン濃度(コントロールを100とした時の相対値)についての結果を表4および図3にそれぞれ示す。
表2および図1から、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群はコントロール群に比べ、皮下脂肪量が減少し、内臓脂肪も、シカクマメ種子抽出物摂取群、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群共に減少傾向にあった。
すなわちシカクマメ種子抽出物は、皮下脂肪や内臓脂肪等の脂肪量を低減して生活習慣病に繋がる肥満を予防、改善することが裏付けられた。
また表3および図2から、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群はコントロール群に比べ、総コレステロールが減少傾向であり、中性脂肪はシカクマメ種子抽出物摂取群、シカクマメ種子抽出物+ユズ種子抽出物摂取群共に有意に減少した。
さらに表4および図3から、抽出物摂取群はいずれも血中アディポネクチン濃度が増加し、うちシカクマメ種子抽出物摂取群は、コントロール群に比べ、有意に増加した。この結果より、シカクマメ種子抽出物またはユズ種子抽出物との併用により、アディポネクチンの産生が促進されることがわかった。
すなわちシカクマメ種子抽出物、またはシカクマメ種子抽出物とユズ種子抽出物との併用が、アディポネクチンの血中濃度の低下、インスリン抵抗性の亢進等に起因する種々の疾患、例えばメタボリックシンドローム、糖尿病やその合併症、動脈硬化、消化器疾患等の種々の病態に対し、優れた予防・治療効果を有することが裏付けられた。
C.シカクマメ抽出物とユズ種子抽出物およびボタンボウフウ粉砕物から選ばれる一種又は二種からなる植物抽出物の脂肪滴蓄積抑制試験
脂肪滴蓄積抑制試験は、脂肪細胞の分化抑制に基づくと考えられる脂肪滴蓄積抑制評価(C−1)と、脂肪細胞の分解促進に基づくと考えられる脂肪滴蓄積抑制評価(C−2)の2種類を行った。
(C−1)分化抑制に基づく脂肪滴蓄積抑制評価
ヒト皮下脂肪細胞を96穴プレートに播種し、翌日薬剤を添加した。添加から8日後に脂肪細胞の形成する脂肪滴の状態を観察し、AdipoRed添加後プレートリーダーを用いて蛍光量を測定した。薬剤の添加のない時の蛍光量を100とした時の相対的蛍光量を表5に示す。この相対的蛍光量は、薬剤の添加のない時の脂肪滴量を100とした時の薬剤添加時の脂肪滴量に相当する。
また、同様にヒト内臓脂肪細胞を用いて薬剤の評価を行った。
(C−2)分解促進に基づく脂肪滴蓄積抑制評価
ヒト皮下脂肪細胞を96穴プレートに播種し、翌日分化用培地に置換した。その7日後に脂肪滴が十分形成されたことを確認して薬剤を添加し、添加から9日後に脂肪細胞の形成する脂肪滴の状態を観察し、AdipoRed添加後プレートリーダーを用いて蛍光量を測定した。薬剤の添加のない時の蛍光量を100とした時の相対的蛍光量を表6に示す。この相対的蛍光量は、薬剤の添加のない時の脂肪滴量を100とした時の薬剤添加時の脂肪滴量に相当する。
また、同様にヒト内臓脂肪細胞を用いて薬剤の評価を行った。
表5,6から分かるように、シカクマメ種子抽出物は単独でも脂肪滴を減少する効果が認められた。また、シカクマメ抽出物とユズ種子抽出物およびボタンボウフウ粉砕物から選ばれる一種又は二種からなる植物抽出物をそれぞれ組合せることにより、脂肪滴減少効果は増大した。
また、ヒト内臓脂肪細胞を用いた場合も、上記と同様の結果が確認された。
さらに表5および表6の試験例4と7、5と7について有意差検定を行ったところ、どちらも有意傾向を示した。
以上の結果から本発明の脂肪滴蓄積抑制剤は優れた脂肪滴蓄積抑制効果を示すものである。したがって、該脂肪滴蓄積抑制剤を含む食品を摂取することにより、脂肪滴蓄積抑制作用に基づく種々の疾患の改善や、内臓脂肪の蓄積を抑制することによる肥満の改善や防止に用いることができる。

Claims (6)

  1. (a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物と、(b)ユズ種子抽出物を含む経口用脂肪量低減剤。
  2. 前記(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物がシカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)である請求項1に記載の経口用脂肪量低減剤。
  3. (a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる一種又は二種以上の植物の抽出物と、(c)ユズ種子抽出物、ボタンボウフウ植物体およびその抽出物から選ばれる一種又は二種以上からなる植物またはその抽出物を含む脂肪滴蓄積抑制剤。
  4. 前記(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物がシカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)である請求項3に記載の脂肪滴蓄積抑制剤。
  5. 請求項1又は2に記載の経口用脂肪量低減剤を含む食品。
  6. 請求項3又は4に記載の脂肪滴蓄積抑制剤を含む食品。
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