JP6075892B2 - 二本鎖rnaエンドリボヌクレアーゼ - Google Patents

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Description

本発明の対象は、二本鎖RNA配列に特異的な切断活性を示す二本鎖RNA(dsRNA)エンドリボヌクレアーゼ、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを得る方法、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ誘導体(endoribonuclease derivative)および/または二本鎖RNA切断における変更された配列選択性、遺伝子コンストラクト、宿主細胞、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼをその創造物にコードする遺伝子の使用、キット、および、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ活性を示す酵素である。
分子生物学の基本的なツールの1つは、明確に定義された活性を有するタンパク質であり、様々な生成物の製造および処理において、例えば、遺伝子工学、診断法、医学、および産業で使用される。
DNA制限エンドヌクレアーゼは、二本鎖DNAの特定の配列を認識して切断する、配列依存性の酵素である。所定の配列中のRNAを切断する酵素も知られているが、しかしながら、そのような酵素はRNA中の単鎖の部位に作用する。これらの酵素の例としては、配列GGAGの中央で一本鎖RNAを切断するファージ・タンパク質RegBと、AまたはAUに富む配列中の一本鎖RNAを切断するリボヌクレアーゼYを含む。これらの酵素は、RNA二次構造などの効率的な切断のための追加の決定因子を必要とし、および、RegBの場合には、リボソームタンパク質S1との相互作用を必要とする(非特許文献1、非特許文献2、および、非特許文献3)。同様に、リボヌクレアーゼT1およびリボヌクレアーゼMC1の特異性を変えようとする試みもあった(非特許文献4、非特許文献5)。これらの2つのケースでは、酵素変異体が作られ、その特異性は1から2つのヌクレオチドに増えた(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。しかしながら、これらのリボヌクレアーゼはすべて、非常に限られた配列特異性を依然として有しているため、DNA制限酵素の用途に類似する用途では分子生物学的ツールとしてはふさわしくない。
リボヌクレアーゼIIIは、二本鎖RNA(二本鎖RNA)を切断するヌクレアーゼの原型であり、進化的に保存された触媒ドメインを共有するタンパク質のリボヌクレアーゼIIIスーパーファミリーの当初のメンバーである。それらは追加のドメインの発生に基づいて4つの種類に分けられる。クラス1、すなわち、正統なリボヌクレアーゼIII酵素は、二本鎖RNA結合ドメイン(dsRBD)と、一つのリボヌクレアーゼIIIドメインを有している。クラス2と3の酵素はそれぞれ、DroshaおよびDicerと表わされ、両方とも1つのdsRBDに加えて、2つのリボヌクレアーゼIIIドメインを含んでいる。加えて、クラス2に属する酵素は、ポリプロリンドメインなどの追加のドメインを持ち、クラス3に属する酵素は、DExDヘリカーゼ、DUF283、および、PAZのドメインを持つ。Mini IIIと呼ばれるクラス4は、リボヌクレアーゼIIIドメインのみからなる酵素を含んでいる。
バチルス・サブティリスからのMini IIIタンパク質のための天然基質は、23S プレリボソームRNAであり、このなかで、分子の3’と5’の末端は、成熟23S rRNAを生成するために取り除かれる。この酵素の切断部位は知られており、23SプレリボソームRNAの1つのフラグメントは二本鎖のプレリボソームRNAの切断部位に近くにあるが、基質認識に必要だと考えられていた不規則な螺旋を形成する(非特許文献8)。加えて、Mini IIIのインビトロのエンドリボヌクレアーゼ活性は、23SリボソームRNAの3’末端に結合したリボソームタンパク質L3によって刺激されることが示された。RNAの立体構造を変えることによって、タンパク質L3が基質の分裂を促進するという間接的な証拠がある(非特許文献9)。
DNA制限酵素またはDNAニッカーゼに類似する特性を備えた、特異的かつ定義された二本鎖RNA断片化のための既知の酵素はない(特許文献1)二本鎖RNAは、リボヌクレアーゼIIIファミリーからのエンドリボヌクレアーゼによって切断され得るが、リボヌクレアーゼIIIと二本鎖RNAの相互作用の詳細は分かっていない(非特許文献10)。部位特異的な結合および選択的な処理の基準は、不明瞭なままである(非特許文献11)。しかしながら、非特異的な二本鎖RNAエンドヌクレアーゼは、短い二本鎖RNAフラグメントの生成のために使用される(特許文献2)。二本鎖RNAの切断において配列特異性を示す酵素を得ることで、全領域でのRNA操作技術を開発することが可能となり、新しい研究方法、そのような酵素の新しい適用、およびそのような技術に由来する新技術を開発することも可能となる。
JP 54059392−A(12.05.1979) 米国2006057590−A1(16.03.2006、NOVARTIS)
Lebars, I., et. al., J Biol Chem (2001) 276, 13264−13272 Saida, F. et. al., (2003) Nucleic Acids Res, 31, 2751−2758 Shahbabian, K. et. al., The EMBO Journal (2009) 28, 3523 − 3533 Hoschler,K.et al.J Mol Biol,(1999)294,1231−1238 Numata, T. et. al., Biochemistry,(2003)42,5270−5278 Czaja, R. et. al., Biochemistry,(2004)43, 2854−2862 Struhalla, M. et. al. Chembiochem,(2004)5, 200−205 Redko, Y. et.al., Molecular Microbiology,(2008) 68 (5),1096−1106 Redko, Y. et. al., Molecular Microbiology, (2009) 71 (5), 1145−1154 Herskovitz,M.A.et.al.,Molecular Microbiology,(2000)38(5),1027−1033 Dasgupta S.et.al.,Molecular Microbiology,(1998)28(3),629−640
上記の最先端技術の観点から、提示される本発明の目的は、記載された不利な点を克服し、高配列特異性の認識および切断を含む二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを実現させることである。本発明の目的はさらに、そのような配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼとその改良された変異体を、決定し、単離、選択、獲得、および、調製する方法を実現させることである。
コンピュータによるモデリングによると二本鎖RNA螺旋の主溝にあってこの主溝に相互作用するループを含むリボヌクレアーゼIIIスーパーファミリーからの酵素が、特定の二本鎖RNAヌクレオチド配列を切断する傾向があることに、発明者たちは予期せず気付いた。発明者たちは、そのような傾向が二本鎖RNA配列のみに依存し、不規則な二本鎖RNA螺旋構造の存在および/または他のタンパク質との相互作用とは無関係であることを知った。発明者たちは、コンピュータによるモデリングにおいて二本鎖RNA主溝にありその主溝に相互作用するループを形成するポリペプチド鎖のフラグメントを含むリボヌクレアーゼIIIスーパーファミリーに属する酵素が、DNAの制限エンドヌクレアーゼに似た特性を備えた二本鎖RNAの特定かつ規定された断片化を行うことができるということを発見した。
1つの態様において、本発明は、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの主溝にあって主溝と相互作用しているループを有する、二本鎖RNA中で配列特異的な特徴を示す二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、および/または、その誘導体、および/または、二本鎖RNAの切断で配列特異性を示す変異体を提供する。
好ましい二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体では、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループは、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼのアミノ酸配列を有しており、該ループは、二本鎖RNAと複合したエンドリボヌクレアーゼMini IIIの構造のモデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互に作用するループに一致する。好ましい二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体では、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループは、SEQ ID NO3で示されるフソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)からのエンドリボヌクレアーゼ FNUのフラグメントによって、および/または、SEQ ID NO4で示されるようなバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)からのエンドリボヌクレアーゼ BSUのフラグメントによって、および/または、SEQ ID NO5で示されるようなバチルス・セレウス(Bacillus cereus)からのエンドリボヌクレアーゼ BCEのフラグメントによって形成された二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループに一致する。
二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体、または、変異体は、好ましくは、二本鎖RNA切断における配列特異性を示すとともに好ましくはアミノ酸置換D94Rを含む、SEQ ID NO1のバチルス・サブティリスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BSUのアミノ酸配列、または、そのフラグメントを含む。
二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体、または、変異体は、好ましくは、二本鎖RNAの切断で配列特異性を示す、フソバクテリウム・ヌクレアタムからのエンドリボヌクレアーゼ FNU、または、フソバクテリウム・ヌクレアタムからのエンドリボヌクレアーゼ FNUのフラグメントを含む。二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体、または、変異体は、好ましくは、二本鎖RNAの切断における配列特異性を示す、バチルス・セレウスからのエンドリボヌクレアーゼ BCE、または、バチルス・セレウスからのエンドリボヌクレアーゼ BCEのフラグメントを含む。
次の態様では、本発明は、二本鎖RNAの切断において配列特異性を示す二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを得る方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
a)二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループを形成するアミノ酸配列を含む、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その機能的な変異体、および/または、誘導体を選択する工程であって、ループは、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼのアミノ酸配列によって形成され、二本鎖RNAを含むMini III エンドリボヌクレアーゼの複合体の3次元モデルによって決定された二本鎖RNAの主溝にあるとともに主溝に相互作用するループのモデルに一致する、工程、
b)二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループを形成する配列を含む、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その機能的な変異体、および/または、誘導体をコードする遺伝子またはそのフラグメントをクローン化する工程を含む。
二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを得る方法はさらに、工程b)の後に、工程b)で得られた遺伝子またはそのフラグメントによってコードされたタンパク質を発現させる次の工程c)を含むことが好ましく、工程c)の後、単離した二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの配列特異性を測定する工程d)も続くことが好ましい。
二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを得る好ましい方法では、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループは、SEQ ID NO3で示されるフソバクテリウム・ヌクレアタムからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ FNUのフラグメントによって、および/または、SEQ ID NO4で示されるようなバチルス・サブティリスからのエンドリボヌクレアーゼ BSUのフラグメントによって、および/または、SEQ ID NO5で示されるようなバチルス・セレウスからのエンドリボヌクレアーゼ BCEのフラグメントによって、形成された二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループを形成するアミノ酸配列に一致する。
さらに、次の態様では、本発明は、二本鎖RNAの配列特異的な切断のために変化させた配列特異性を含む二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、誘導体、および/または変異体を得る方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
a) 二本鎖RNAの切断において配列特異性を示す本発明の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを得る方法で得られた二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの二本鎖RNAの主溝にあるループに一致するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に変化を導入する工程;
b)工程a)で得られたヌクレオチド配列から、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの誘導体および/または変異体を発現させる工程、および、
c)二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの誘導体および/または変異体の変化させた配列特異性を特定する工程、を含む。
そのような好ましい方法では、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの誘導体および/または変異体の選択性の変化は、二本鎖RNAの切断におけるヌクレオチド配列への選択性が増加した誘導体および/または変異体をもたらす。
本発明はさらに、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを生成するための方法に関し、該方法は、二本鎖RNAの切断において配列特異性を示す本発明の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体、および/または、変異体を発現する工程を含む。
本発明は、二本鎖RNAの切断において配列特異性を示す本発明の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体、および/または、変異体をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子コンストラクトにも関する。
本発明の遺伝子コンストラクトを含む宿主細胞も本発明に従うものとする。
次の態様では、本発明は、配列特異的な二本鎖RNA切断を示す二本鎖エンドリボヌクレアーゼを生成するために、フソバクテリウム・ヌクレアタムからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ FNUまたはそのフラグメント、および/または、その機能的な変異体および/または誘導体をコードする遺伝子の使用に関する。有益な適用では、フソバクテリウム・ヌクレアタムからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ FNU、その誘導体、および/または、変異体は、SEQ ID NO3で示されるアミノ酸配列を含む。
本発明は、配列特異的な二本鎖RNA切断を示す二本鎖エンドリボヌクレアーゼを生成するために、バチルス・セレウスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BCEまたはそのフラグメント、および/または、その機能的な変異体および/または誘導体をコードする遺伝子の使用にも関する。好ましくは、バチルス・セレウスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BCE、その誘導体、および/または、変異体は、SEQ ID NO5のアミノ酸配列を含む。
次の態様では、配列特異的な二本鎖RNA切断を示す二本鎖エンドリボヌクレアーゼを生成するために、バチルス・サブティリスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BSUまたはそのフラグメント、および/または、その機能的な変異体および/または誘導体をコードする遺伝子の使用にも関する。好ましくは、バチルス・サブティリスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BSU、その誘導体、および/または、変異体をコードする遺伝子は、SEQ ID NO1で示されるアミノ酸配列を含み、さらにより好ましくは、バチルス・サブティリスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BSUをコードする遺伝子はD94R置換を含む。
本発明は、二本鎖RNAの切断で配列特異性を示す本発明の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体、および/または変異体を含むキットにも関する。キットは、フソバクテリウム・ヌクレアタムからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ FNU、および/または、バチルス・セレウスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BCE、および/または、バチルス・サブティリスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BSUあるいはD94Rを含むこの変異体、および/または、二本鎖RNAの切断で配列特異性を示すそれらの誘導体ならびに変異体を含む。
本発明は、配列特異性を示し、以下の共通配列(H=AまたはCまたはD=AまたはGまたはU)内の二本鎖RNAを切断する、SEQ ID NO1で示されるバチルス・サブティリスからのアミノ酸配列、または、そのフラグメント、および、配列特異性を保持するその誘導体ならびに/あるいは変異体を含む、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ活性を持つ酵素にも関する。
好ましい酵素、および、その誘導体および/または変異体は、二本鎖RNA切断における配列特異性を保持し、以下の共通配列(Y=CまたはR=AまたはN=GまたはまたはまたはC)内の二本鎖RNAを切断する。
配列特異性を保持する好ましい酵素、および、その誘導体および/または変異体では、アミノ酸配列は、配列特異性を保持するSEQ ID NO1で表されたアミノ酸残基94の置換D94R、その誘導体、および/または変異体を含む。
二本鎖RNA切断の配列特異性とは、1つまたは両方の鎖の二本鎖RNAにおける不規則ならせん構造の存在や、他の補助タンパク質の相互作用ではなく、その配列のみに依存して、二本鎖RNAを認識して切断する二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの能力のことを意味する。
本明細書に記載されているような二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ誘導体、および/または、変異体との用語は、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの特徴的な活性および配列優先性を保持する二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループを有する、配列に特異的な二本鎖RNAの切断を示す、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ誘導体のアミノ酸配列に同一のまたは非常によく似たアミノ酸配列を含んでいる、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、あるいは、組換え型のタンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを意味する。該構造のモデルの誘導体および変異体のそのような例は、二本鎖RNAを含むエンドリボヌクレアーゼMini IIIの複合体の構造モデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループに一致するループを有している。二本鎖RNAの切断において配列特異性を示す二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ誘導体および/または変異体では、コード配列は、最初の配列に関して、置換、交換、欠失または挿入、あるいは、他の手段によって補正されてもよい。そのような用語は、そのような特徴を備えた二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子、および/または、その誘導体および/または変異体に関して、類似性によって同様に理解されなければならない。
配列特異性を示す二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、本発明のその誘導体および/または変異体、ならびに、それらの使用は、新しい研究方法、そのような酵素の新しい用途、それに由来する新しい技術を開発するのと同様に、核酸を操作する技術のまったく新しい分野の進歩を可能にする。二本鎖RNAの配列特異的なエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、例えば、RNA分子の構造および/またはその修飾を理解するためのRNAの構造研究や、RNAi分子の発生(とりわけ、siRNA)、動植物のウイルス性疾患の診断および処置、および、いわゆる「RNA tectonics」に基づいたナノテクノロジー用途で使用される。
本発明の二本鎖RNAの新しい配列特異的なエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、新しい生物工学的な用途に使用される。配列に依存したやり方で一本鎖RNAを切断する酵素が知られているが、その活性は基質の配列だけでなくその二次構造にも依存しているため、実際にはそれらはあまり有用ではない。本発明の二本鎖RNAの新しい配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、これらの欠点を有しておらず、分子生物学で使用される制限エンドヌクレアーゼなどの共通の実験用試薬として使用することができる。加えて、配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、医学、診断学およびナノテクノロジーで使用することができる。例えば、現在のところ、逆転写反応または質量分析法におけるRNAの直接配列決定は、RNAの構造学的な研究において修飾を特定するために最も頻繁に使用されているが、双方の場合で、大きな分子(例えば、リボソームRNAまたはmRNA)の解析は困難である。これらの方法では、RNAは非特異的なリボヌクレアーゼによって短いRNA生成物またはリボヌクレオチドに断片化され、多くの生成物は結果の解釈を困難で不可能なものにさえする。新しい配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体の適用により、繰り返し発生する小さなフラグメントへのRNA分子の制御された切断が可能となる。分子量と特性を独立して決定することができるため、以前は不可能であるか非常に困難であったリボヌクレオチドの化学的修飾の解析とRNAの構造学的研究が可能となる。RNA分子の修飾と構造に関するそのような研究は、潜在的な治療ターゲット、例えば、抗生物質に対する細菌耐性の機構についての情報を提供する。新しい配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体の適用により、短い干渉二本鎖RNA分子であるRNAiに基づく技術の進歩が可能になる。配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、例えば、癌、代謝疾患、および神経変性疾患を治療する医学における遺伝子発現抑制のためのsiRNA方法および用途で使用されるであろう。現在のところ、短い二本鎖RNAを得ることにつながる戦略の1つは、大腸菌からリボヌクレアーゼIIIを含むDNAの特定のセグメントから生成される長い二本鎖RNAを処理することである。この酵素は二本鎖RNAを非特異的に切断して、18−25の塩基対フラグメントを生成する。短いフラグメントは遺伝子発現抑制に使用される。特定のsiRNAが生成されるまったく新しく未知なる可能性は、本発明の配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体によって使用され、的外れな効果なく特定の遺伝子の発現を効率よく抑制する、規定のプールの二本鎖RNAフラグメントの生成を可能にする。
配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、二本鎖RNAウイルスによって引き起こされた疾患の診断および処置に適用することができる。そのようなウイルスは、3つのグループがヒトにとって病原性であるレオウイルス科ファミリーに属する。現在のところ、これらのグループを検知特定するためには、逆転写反応が用いられ、その後PCRが使用される。本発明の配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体を利用できるため、診断を著しく速める二本鎖RNAの操作が可能となる。現在のところ、ロタウイルスのための処置はほとんど役に立たない。配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、特定のウィルスゲノムを切断することによってロタウイルス疾患の処置のための薬物に使用され、それによってそのさらなる複製を防ぐ。
配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ、その誘導体および/または変異体は、ナノテクノロジー、とりわけ、「RNA tectonics」と、所定のRNA配列および構造に基づいたナノストラクチャーの生成にも用いられるだろう。
本明細書で引用される公開公報とその参照物は、参考として本明細書に完全に組み込まれる。
本発明をよりよく理解するために、本発明は実施例と添付の図を用いて例証されている。
フソバクテリウム・ヌクレアタムからのエンドリボヌクレアーゼMini IIIと二本鎖RNAの複合体の構造モデル。ループ(L)は矢印によってマークされた二本鎖RNAの主溝にある。 最適な反応条件を決定するために行なわれた、バチルス・サブティリスからのエンドリボヌクレアーゼ BSUによるインビトロでの切断を示す。A−234bpの二本鎖RNAの切断に対するpHの効果。1−pH6.8、2−pH7.0、3−pH7.5、4−pH7.8、5−pH8.0、6−pH8.2、7−pH8.5、8−pH8.8、9−二本鎖RNAマーカー(New England Biolabs No: N0363S)B−234bpの二本鎖RNAの切断に対する温度の効果。1−15°C、2−25°C、3−30°C、4−35°C、5−40°C、6−45°C、7−50°C、8−55°C。C−234bpの二本鎖RNAの切断に対するNaCl濃度の効果。1−5mM、2−20mM、3−40mM、4−60mM、5−80mM、6−100mM、7−非切断基質、8−マーカー二本鎖RNA(New England Biolabs No: N0363S);D−234bpの二本鎖RNAの切断に対するmMでのMg2+イオン濃度の効果。1−0.03、2−0.05、3−0.08、4−0.1、5−0.25、6−0.5、7−1、8−2.5、9−5、10−7.5、11−10、12−12.5、13−15、14−17.5mMMg2+ 切断部位の近くのグアノシンでのリボースのメチル化に対するエンドリボヌクレアーゼ BSUの感受性を示す。(A)2つの基質の配列:矢印でマークした切断部位、星印でマークしたリボースのメチル化、(B)リボースのメチル化を含む基質と含まない気質の切断。1−メチル化を含まない30bpの非切断基質、2−切断部位に隣接するグアノシンのリボースのメチル化を含む30bpの非切断基質、3−切断部位に隣接する第2のヌクレオチド中のグアノシンのリボースのメチル化を含む30bpの非切断基質、4−マーカー標識二本鎖RNA(New England Biolabs No:N0363S)5−エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理されたメチル化を含まない30bpの基質、6−エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理された切断部位に隣接するグアノシン残基のリボースのメチル化を含む30bpの基質、7−切断部位に隣接する第2のヌクレオチド中のグアノシンのリボースのメチル化を含む30bpの基質。 エンドリボヌクレアーゼ BSUのための最小の基質の長さの測定。1−エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理された18bpの基質、2−未処理の18bpの基質、3−エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理された20bpの基質、4−未処理の20bpの基質、5−エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理された22bpの基質、6−DNAマーカー(極低範囲、Fermentas No:SM1211)。 エンドリボヌクレアーゼ BSU野生型(エンドリボヌクレアーゼ BSUWT)とD95R変異体(エンドリボヌクレアーゼ BSUD95R)の配列優先性の比較。1−バクテリオファージΦ6 二本鎖RNAゲノム、2−エンドリボヌクレアーゼ BSUWTで切断されたバクテリオファージΦ6 二本鎖RNAゲノム、3−エンドリボヌクレアーゼ BSU D94Rで切断されたバクテリオファージΦ6 二本鎖RNAゲノム、4−234bpの二本鎖RNA、5−エンドリボヌクレアーゼ BSUWTで切断された234bpの二本鎖RNA、6−D94R変異体で切断された234bpの二本鎖RNA。 (A):234bpの二本鎖RNAのトップの上鎖のエンドリボヌクレアーゼ BSU切断部位の特定。1−上鎖(top strand)の切断部位のマッピング、2−ddCTPによる鎖停止、3−ddTTPによる鎖停止−、4−ddATPによる鎖停止、5−ddGTPによる鎖停止。(B):234bpの二本鎖RNAの下鎖(bottom strand)(のエンドリボヌクレアーゼ BSU切断部位の特定。1−下鎖の切断部位のマッピング、2−ddGTPによる鎖停止、3−ddATPを含む鎖停止、4−ddTTPを含む鎖停止、5−ddCTPを含む鎖停止。 (A):234bpの二本鎖RNAの切断部位を囲む配列を含む30bpの二本鎖RNA基質へ中の切断部位の特定。S−基質、P−生成物、M−マーカー、(B):エンドリボヌクレアーゼ BSUによる二本鎖RNA切断の形状を示す。 30bpの二本鎖RNA基質の切断。1−優先配列を含む30bp基質、2−15分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した優先配列を含む30bp基質、3−30分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した優先配列を含む30bp基質、4−60分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した優先配列を含む30bp基質、5−DNAマーカー(極低範囲、Fermentas No:SM1211)、6−30bp基質N1、7−15分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N1、8−30分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N1、9−60分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N1、10−30bp基質N2、11−15分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N2、12−30分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N2、13−60分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質、14−30bp基質N3、15−15分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N3、16−30分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N3、17−60分間エンドリボヌクレアーゼ BSUで処理した30bp基質N3。
以下の実施例は、本発明を例証し、その様々な態様について説明するために含まれており、本発明を限定するためではなく、および、特許請求の範囲で定義されるその全範囲と同等にみなされてはならない。
以下の実施例において、特段明記されない限り、Sambrook J.らの「Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition. 1989. Cold Spring Harbor, N.Y. Cold Spring Harbor Laboratory Press」に記載される標準的な材料および方法が、特定の材料および方法についてのメーカーの推薦に従って用いられ、または、進められる。特段明記されない限り、本明細書では、アミノ酸、ヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのための標準的な略語が使用される。
<実施例1>配列依存性の二本鎖RNA切断活性を含むタンパク質をコードする遺伝子のコンピュータによる同定
酵素を切断する二本鎖RNA(dsRNA)は、リボヌクレアーゼIIIドメインを含有する。このグループはDicerとDroshaを含んでおり、これらはこのような酵素の機能に必要な追加のドメインを包含している。ここで、追加の二本鎖RNA−結合ドメインと、追加の二本鎖RNA結合ドメインを含まない酵素を含む、細菌の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼも同様に分類される。
PDBデータベース(PDBデータベースは、タンパク質および核酸およびその複合体の実験的に解明した構造の空間の座標を示している:http://www.pdb.org)で利用可能な数2EZ6、2GSL、1U61を含む記録は、所望の基質の特異性を含むタンパク質を選択するために使用された。2EZ6は、二本鎖RNA基質とともに、二本鎖RNA結合ドメインを有するAquifex aeolicusからのリボヌクレアーゼIIIの構造を示す。2GSLと1U61は、フソバクテリウム・ヌクレアタムとバチルス・セレウスそれぞれからのMini III エンドリボヌクレアーゼ(二本鎖RNA結合ドメインを持っていない)の構造を示している。Swiss−PdbViewer(Guex,N.,et.al.,Electrophoresis,(1997)18,2714−2723)を用いて、2GSLタンパク質の構造は、RNA基質を含む複合体中の2EZ6タンパク質の触媒の中心に重ねられた。我々は、一致した2GSL エンドリボヌクレアーゼが、二本鎖RNAの主溝にあるループを有していることを発見した(図1を参照)。主溝にあるポリペプチド鎖のフラグメントは、2EZ6複合体から元々の酵素の除去後、および、2GSLに由来するタンパク質と2EZ6からのRNAの新しい複合体の形成後に特定された。Mini IIIタンパク質−RNA複合体の構造モデルは、ループがフソバクテリウム・ヌクレアタム Mini IIIタンパク質(FNU)のための配列AKNSNIKTFPRSCTを含有することを示しており、Mini IIIタンパク質に似ているタンパク質のアミノ酸配列のアライメントは、バチルス・サブティリスMini IIIタンパク質(BSU)からのループがアミノ酸配列GRNAKSGTTPKNTDを有していることを示している。タンパク質のMini IIIファミリーの各メンバーのループは、異なるアミノ酸配列を有しているが、しかしながら、それは二本鎖RNAの主溝にあることができ、二本鎖RNAを含むMini IIIの配列特異的な相互作用の基盤を提供する。RNAを含むMini IIIタンパク質中のこのループの相互作用は、二本鎖RNAの切断の経過中のMini IIIの配列優先性をもたらすこともある。
このことは、とりわけ、二本鎖RNA、Mini III、その機能的な変異体、および、「タンパク質のMini IIIファミリー」としてまとめて記載される同様の配列を有する他のタンパク質の主溝にある図1のループLを有している酵素が、不規則な螺旋二本鎖RNA構造上での独立した二本鎖RNA処理についてのヌクレオチド優先性を有してもよいことを意味しており、これは本発明のさらに記載される実施例で証明されている。
したがって、クローン化とさらなる酵素工学のために、遺伝子は、生物体バチルス・サブティリス、フソバクテリウム・ヌクレアタム、および、バチルス・セレウスの細菌ゲノムの配列決定により特定された読み取り枠を用いて選択された。
PDBデータベースでは、FNUとBCEについて解明された構造が利用可能であり、したがって、それらをコードする遺伝子も同定される。Mini IIIファミリーに属するタンパク質のアミノ酸配列アライメントの結果、別の酵素BSUも実証研究に選ばれた。Mini IIIファミリーに属するタンパク質はすべて、二本鎖RNA中の特定の配列の切断に優先性があってもよい。
<実施例2>バチルス・サブティリス、フソバクテリウム・ヌクレアタム、および、バチルス・セレウスからの実施例1で指定された遺伝子のクローン化
a) 鋳型DNAの調製
ATCC菌株の採取から得られた冷凍乾燥細胞を、500μlのLB中で懸濁し、その後、上記の懸濁液1μlをPCR反応に加えた。ATCC 23857として利用可能なバチルス・サブティリス、ATCC 25586として利用可能なフソバクテリウム・ヌクレアタム、および、ATCC 1457として利用可能なバチルス・セレウスの菌株から鋳型DNAを得た。
b) ベクターの調製
500ナノグラムのベクターpET28(Novagen)を切断して、制限酵素NdeIおよびXhoIを完成させ、生成物をアガロースゲル上で分離した。メーカーのプロトコルに従ってGel Out kit(A&A Biotechnology)を用いて、大きさ5289 bpの生成物をゲルから回復させた。
c) 二本鎖RNAの配列依存性の活性を含むタンパク質をコードする遺伝子のクローン化のためのPCR生成物の単離
適切な菌株から得られた1μlのDNA鋳型を用いるPCR a)は50μlの反応混合物:5μlの反応緩衝液、200μMのdNTP混合物、1U Pfuポリメラーゼ(Fermentas)、および、50pmolの各プライマー:バチルス・サブティリスからのDNAを用いた反応のためのBsu28fおよびBsu28、フソバクテリウム・ヌクレアタムからのDNAを用いた反応のためのFnu28fおよびFnu28r、バチルス・セレウスのDNAを用いた反応のためのBce28fおよびBce28r中で、Bioradサーモサイクラー内で行なわれた。対照反応はDNA鋳型を含まずに行なわれた。
PCR反応は標準的な条件下で行なわれた。反応混合物をアガロースゲル上で分離し、予想される大きさ447bp、408bp、および、422bpに一致するフラグメントを、Gel Out kit(A&A Biotechnology)を用いてゲルから単離し、NdeIとXhoIで切断した。Clean Up kit(A&A Biotechnology)を用いて切断生成物を精製し、適切に得られたベクターと連結(ligated)させた。b)ライゲーション反応はT4DNAリガーゼ(Fermentas)を用いて行った。100μの化学的に形質転換受容性の(chemocompetent)細菌の大腸菌の菌株Top10(Invitrogen)を、10μlのライゲーション反応混合物で形質転換させ、結果として生じた形質転換体をカナマイシン50μg mlを含むLB固体培地上で選択した。Plasmid Mini kit(A&A Biotechnology)を用いて、カナマイシン(50μg/ml)を含む3mlのLB培地上で育てた選択したコロニーからプラスミドDNAを単離した。組換えプラスミドを含む形質転換体の選択は、制限地図の分析に基づき、その後、サンプルを配列決定してコンストラクト(IBB PASのDNA配列決定および合成サービス)の正確さを確認した。
このようにして以下のプラスミドを得た:
バチルス・サブティリス(BSU エンドリボヌクレアーゼアミノ酸配列はSEQ ID NO2で示される)のyazC遺伝子からの野生型の配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼをコードするpET28Bsu;
フソバクテリウム・ヌクレアタム(エンドリボヌクレアーゼ FNU)からの野生型の配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼをコードするpET28Fnu;
バチルス・セレウス(エンドリボヌクレアーゼ BCE)からの野生型の配列特異的な二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼをコードするpET28Bce。
<実施例3>バチルス・サブティリスからの野生型酵素をコードするpET28Bsuベクターからのタンパク質の発現および精製
大腸菌株ER2566(New England Biolabs)を、実施例2で得られたpET28Bsuプラスミドで形質転換させた。形質転換は実施例2に記載のように行った。50μg/mlのカナマイシンと1%のグルコースを含むLB固体培地上で菌株を選択した。50μg/mlのカナマイシンと1%のグルコースを含む25mlの液体LB培地に選択した形質転換体を接種し、37°Cで16時間インキュベートした。その後、50μg/mlのカナマイシンを補充した500mlの液体LBに、25mlの培養物を接種し、37°CでOD600〜0.6まで揺らしながらインキュベートし、その後、1mMの終末濃度にIPTGを加えることによって、タンパク質の発現を誘発した。誘発は揺らしながら37°Cで3時間行った。培養物を4°Cで10分間、5000gで遠心分離機にかけ、STE緩衝液中で再懸濁させ、再度遠心分離機にかけた。ペレット剤を20mlの溶菌液(50mM NaPO pH8.0、300mM NaCl、10mMイミダゾール、10%グリセロール、1mM PMSF、10mM BME、0.1%トリトンX−100)中で懸濁し、次に、細菌細胞を、1360気圧下でCell Disruptor(Constant Systems LTD)を介して単一のパスを用いて分解した。20分間4°Cで20000gで超遠心分離機の遠心分離によって溶菌液を浄化した。タンパク質を、ペプチド鎖中にあるポリヒスチジンタグを用いて、親和性クロマトグラフィーによって精製した。
細胞溶解物を、4倍分の溶解緩衝液で平衡に保った5mlのNi−NTAアガロース(Sigma−Aldrich)を含む7×1.5cmのカラムに塗布した。カラムを以下の緩衝液:溶菌液(50ml)、2MのNaCl(50ml)を補充した溶菌液、(20mM(50ml)の濃度までイミダゾールを補充した溶菌液で順次洗浄した。タンパク質を、250mMイミダゾールを補充した溶解緩衝液で溶出し、1.5mlの画分を採取した。流速は0.9ml/分で、温度は4°Cであった。タンパク質を含む画分を組み合わせ、緩衝液R(:30mM NaPO pH8.0、30mM NaCl、10%グリセロール、10mM BME)中で全体積50mlになるまで希釈した。
ポリヒスチジンタグを切り離すために、4 Uトロンビン(Sigma−Aldrich、no.Catalog T4648)を加え、その混合物を4°Cで一晩中インキュベートした。トロンビンとポリヒスチジンタグからタンパク質を精製するために、SPセファロースカラム(GE Healthcare)を用いて、イオン交換クロマトグラフィーを使用した。タンパク質は、緩衝液R中で30mMから1MまでNaCl濃度の直線濃度勾配で溶出させ、1.5mlの画分を採取した。タンパク質を含む画分を組み合わせ、希釈し、−70°Cで冷凍した。
<実施例4>二本鎖RNA基質の調製
発現したタンパク質のエンドリボヌクレアーゼ活性の測定に、以下の基質が用いられた。
a)3つのセグメント:2948bp(S)、4063bp(M)、および、6374bp(L)からなるバクテリオファージΦ6ゲノム。この基質は46の共通の切断配列を含むが、好ましい切断配列を含んでいない。バクテリオファージΦ6の二本鎖RNAはFinnzymesから購入した。
b)インビトロで合成した二本鎖RNA基質(長さ234bp)。この基質は1つの好ましい切断部位を含んでいる。
T7プロモータ部位(修飾されたpKSIIの配列はSEQ ID NO2で示される)とプライマーの下流で、修飾したDNA配列を含む234bpの二本鎖RNA pKSIIプラスミドの合成のために、
bsuRNAf 5’GCGCGTAATACGACTCACTATAGGG 3’(SEQ ID NO12)と、
bsuRNAr 5’GGAAAAAAATCCGGCTCGTATGTTGTG 3’(SEQ ID NO13)が使用された。
合成は、Replicater RNAi Kit(Finnzymes。メーカーのプロトコルに従う)を用いて行なった。
c)短い18、20、22、および30bpの二本鎖RNA
一本鎖RNAオリゴヌクレオチドをMetabionで合成した。補足的なオリゴヌクレオチド(それぞれ1.5nmol)を、1:1の割合で混合した。30μlの混合物を95°Cに加熱し、次に、2時間にわたって室温まで冷ました。オリゴヌクレオチド配列は以下に列挙される:
・18F−5’ACCGUCGACCUCGAGGGG 3’(SEQ ID NO14)
・18R−5’CCCCUCGAGGUCGACGGU 3’(SEQ ID NO15)
・20F−5’AUACCGUCGACCUCGAGGGG 3’(SEQ ID NO16)
・20R−5’CCCCUCGAGGUCGACGGUAU 3’(SEQ ID NO17)
・22F−5’AUACCGUCGACCUCGAGGGGGG 3’(SEQ ID NO18)
・22R−5’CCCCCCUCGAGGUCGACGGUAU 3’(SEQ ID NO19)
・30F−5’CGAUACCGUCGACCUCGAGGGGGGGCCCGG 3’(SEQ ID NO20)
・30R−5’CCGGGCCCCCCCUCGUGGUCGACGGUAUCG 3’(SEQ ID NO21)
・30N1F−5’UCGAGUUGCCGGUUGCUGUGAUGGCCGUUC 3’(SEQ ID NO22)
・30N1R−5’GAACGGCCAUCACAGCAACCGGCAACUCGA 3’(SEQ ID NO23)
・30N2F−5’CCACUCUUAGAUACCCGAUUCCCCUGUUUC 3’(SEQ ID NO24)
・30N2R−5’GAAACAGGGGAAUCGGGUAUCUAAGAGUGG 3’(SEQ ID NO25)
・30N3F−5’UCUGAUGGGCGCUACCGGUUCCGGUAAGUC 3’(SEQ ID NO26)
・30N3R−5’GACUUACCGGAACCGGUAGCGCCCAUCAGA 3’(SEQ ID NO27)
<実施例5>生成された酵素による二本鎖RNA基質の切断
酵素による基質切断の反応を1時間にわたって37°Cで行なった。15μlの反応混合物は、実施例3に従って調製された4pmolの対応する酵素、実施例4に従って得られた2pmolの基質、1.5μlの反応緩衝液(100mMトリス−HCl pH7.5、50mM NaCl、10mM MgCl2、1mg/ml BSA)を含んでいた。生成物を、標準的なアガロースゲル電気泳動法、または、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(6%ポリアクリルアミド、TBE:135mMトリス−HCl、45mMホウ酸、2.5mM EDTA)で分離した。電気泳動の後、ゲルを10分間、臭化エチジウムで染色し、紫外線を用いて生成物を視覚化した。
<実施例6>二本鎖RNA中の切断部位の測定
a) プライマーによる標識化
配列5’GAAACAGCTATGACCATGA 3’(SEQ ID NO28)を含むRTrプライマーと、配列5’GATCCCCCACAATCCTGTC 3’(SEQ ID NO29)を含むRTfプライマーを、[γ−33P]ATPを使用して放射活性物質で標識した。10pmolのプライマー、1μl反応緩衝液、10μCi[γ−33P]ATP、および、1U T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Fermentas)を含む反応(10μl体積)を、30分間37°Cで行なった。
b)234bpの二本鎖RNA上の切断部位の特定
実施例4bで得られた234bpの二本鎖RNA基質では、エンドリボヌクレアーゼ BSUWTの1つの切断部位しかないことが示された。234bpの二本鎖RNAを、エンドリボヌクレアーゼ BSUWTを用いて、実施例5に記載されたように切断した。その後、90bpおよび144bpの生成物をゲルから分離した。切断部位は逆転写反応を使用するので捜し出された。0.1μgの各生成物を、実施例6aからの放射活性物質で標識した1pmolのプライマーと混合した。これらの12.5μlの混合物を、5分間950Cでインキュベートした。その後、混合物に、4μl反応緩衝液(Fermentas)、20UリボヌクレアーゼインヒビターRiboLock(Fermentas)、2μl 10mM dNTP、10U AMV逆転写酵素(Fermentas)を補充し、その反応を60分間45°Cで行った。並行して、反応混合物に加えて、dNTPに対して1:100の割合でddAT、ddCTP、ddGTP、または、ddUTPを加えた(反応を分離するために)ことを除けば、上記の逆転写反応を用いて、同じプライマーと鋳型で配列決定を行った。反応生成物を、6%変成ポリアクリルアミドゲル(6%のポリアクリルアミド、TBE: 135mM トリス−HCl、45mM ホウ酸、2.5mM EDTA、8M尿素)上で分離し、貯蔵用蛍光スクリーン(Storage Phosphor Screen)(GE Healthcare)に16時間さらし、Storm scanner(GE Healthcare)を用いて視覚化した。二本鎖RNAの上鎖のヌクレオチド位置90と91(図6Aと表2を参照)、および、下鎖の位置146と147(図6Bを参照)の間に切断部位を位置付けた。
c)二本鎖RNAの両方の鎖での切断部位の特定
両方の鎖での切断部位を決定するために、RNAオリゴヌクレオチド30Fと30Rをアニーリングすることによって、30bpの二本鎖RNA基質を調製した。1つの鎖の5’末端を、[γ−33P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼで標識化し、標識化されていない補足的なオリゴヌクレオチドをアニーリングした。234bpの二本鎖RNAに由来する切断部位配列を含む一本鎖RNA分子を合成した(Metabion)。基質をエンドリボヌクレアーゼ BSUWTで切断した。生成物を、15%変成ポリアクリルアミドゲル(15%のポリアクリルアミド、TBE: 135mM トリス−HCl、45mM ホウ酸、2.5mM EDTA、8M尿素)上で分離した。実施例6bのように、生成物の視覚化を行った。その結果を図7に示す。生成された末端の正確な切断部位と形状を測定した。エンドリボヌクレアーゼ BSUWTは、2ヌクレオチド3’オーバーハングを生成する(図7b)。
バチルス・サブティリスからのエンドリボヌクレアーゼ BSUWTは、234bpの二本鎖RNAの1つの部位を特異的に識別し、切断することが明らかになった。
<実施例7>生成された酵素による二本鎖RNA基質のインビトロでの切断の最適な反応条件の決定
a)エンドリボヌクレアーゼ BSUWTの酵素活性に対する条件変化の影響
野生型のエンドリボヌクレアーゼ BSUの酵素活性に対する様々な因子の影響を調べた。最適条件を、様々な温度、pH、NaCl濃度、および、マグネシウム2+イオン濃度下のインビトロの切断で測定した。試験したパラメーターのみを変えることで、実施例5のように切断反応を行った。基質の切断に対するpHの効果はpH値:6.8、7.0、7.5、8.0、8.2、8.5、8.8で試験した。234bpの二本鎖RNA基質の最良の切断がpH6.8、7.0、7.5、7.8(図3A)で得られることがわかる。活性に対する温度の効果は、温度:15°C、25°C、30°C、35°C、40°C、45°C、50°C、55°Cで試験した。切断の最適温度は35°Cと45°Cの間であった(図2B)。この温度範囲以外では、基質はより緩慢な速度で切断される。イオン濃度の効果は、5、20、40、60、80、100mMのNaCl濃度で研究した。酵素活性に最適な条件は、5−60mMまでの塩化ナトリウムに及ぶ(図2C)。基質の切断効率は、高濃度の塩で減少する。マグネシウム2+イオン濃度の効果は、0.03、0.05、0.08、0.1、0.25、0.5、1、2.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5mMの値で試験した。反応混合物中の最適なMg2+イオン濃度は、1−2.5mMである(図2D)。この範囲外では、基質はより緩慢な速度で切断される。
b)エンドリボヌクレアーゼ BSUWT切断部位付近でのリボースのメチル化の効果
切断部位付近のリボースのメチル化に対するエンドリボヌクレアーゼ BSUWTの感受性を解析した。2つのグアノシンのリボースのメチル化を含む30bpの二本鎖RNA基質を試験した(図3A)。実施例5のように切断反応を行った。メチル化されたグアノシンリボースを含む2つの基質は切断されない(図3B)。酵素は、切断部位に接近している2つのグアノシン残基のリボースのメチル化に高感度である。
c)エンドリボヌクレアーゼ BSUWTによる二本鎖RNAの切断のための最小長さの基質の同定
エンドリボヌクレアーゼ BSUWTの最小の二本鎖RNA基質を同定した。この目的のために、18、20、および22bpの基質を調べた。エンドリボヌクレアーゼ BSUWTは、22の塩基対の長さで二本鎖RNAを切断することができる(図4)。それよりも短い基質は切断されない。
<実施例8>置換による基質ライブラリーの構築と二本鎖RNA基質の産生
a)置換による基質ライブラリーの構築
234bpの基質(表2)のための切断部位を含む核酸のフラグメント中に、14の単一位置置換ライブラリー(sinble position substitution)を構築した。置換を導入するために、対のプライマーを、所定の位置で変異によって設計した。対のプライマーの1つは適切な置換を含んでいる。PCRのための鋳型は、SEQ ID NO2で示される修飾したプラスミドpKSIIであった。各プライマー対を用いたPCR反応を、実施例2に記載の方法と条件に従って行なった。置換ライブラリーを生成するために使用されるプライマーの配列を以下の表3に示す。
表3は、置換ライブラリー形成で使用されるプライマー対の位置の数、配列、および、名前を示している(H=AまたはまたはD=AまたはまたはB=CまたはまたはV=AまたはまたはG)。
実施例2に記載されているように、PCR生成物をアガロースゲル上で分離させ、その後、単離した。単離した生成物をリン酸化し、ライゲートした。その反応は1時間37°Cで行なわれた。20μlのライゲ―ション反応混合物は、100ナノグラムのPCR生成物、2μlの反応緩衝液、10mM ATP、1U T4ポリヌクレオチドキナーゼ、および、1U T4DNAリガーゼを含んでいた。大腸菌TOP10細胞を、実施例1に記載されているように、10μlのライゲ―ション反応混合物で形質転換させた。その後、細胞を、100μg/mlのアンピシリンとともにLBペトリ皿上で蒔いた。導入された置換コンストラクトを含むクローンを探索するために、実施例2に記載されているように配列決定することによって、配列を分析した。導入された適切な置換を含むプラスミドに、ライブラリーとして、1から14まで番号を振った。これは二本鎖RNAを合成するために鋳型として役立った。
b)a)で適切に得られた置換ライブラリーからの二本鎖RNA基質のインビトロの合成
1から14までの数字で特定された置換ライブラリーから選択されたコンストラクトを、実施例4bに記載されたプライマーbsuRNAfおよびbsuRNArを用いて、二本鎖RNAを合成するための鋳型として使用した。
<実施例9>エンドリボヌクレアーゼ BSUWTに好ましい切断配列の決定
実施例8bで合成された基質を使用して優先配列を決定した。実施例3に従って調製したエンドリボヌクレアーゼ BSUWTを用いて、実施例5のように切断反応を行った。以下の表4は、エンドリボヌクレアーゼ BSUWTに対する測定した配列優先性を示す。
二本鎖RNAの切断中のエンドリボヌクレアーゼ BSUWTは、配列優先権を示した。表5に以下に示されるように、好ましい切断配列を書くことができる。
表5は、エンドリボヌクレアーゼ BSUWTのための二本鎖RNAの好ましい切断配列を示す。切断部位を矢印によって示す(Y=CまたはR=AまたはN=GまたはまたはまたはC)。
しかしながら、エンドリボヌクレアーゼ BSUWTは、以下の表6に示されるような共通配列を有する二本鎖RNA基質を切断することもできる。
表6は、エンドリボヌクレアーゼ BSUWT 二本鎖RNA基質の共通配列を示す。切断部位は矢印によって示される(H=AまたはまたはD=AまたはGまたはU)。
エンドリボヌクレアーゼ BSUWTは、二本鎖RNA中の3’2ヌクレオチド・オーバーハングを含む付着末端を生成する。
<実施例10>エンドリボヌクレアーゼ BSU変異体の形成
エンドリボヌクレアーゼ BSUWTのwt配列(SEQ ID NO1)をコードする組み換え型は、二本鎖RNAの主溝にあるループ内に位置する残基をコードする選択されたコドンの置換変異誘発にさらされた(図1)。タンパク質中の置換は、適切に設計されたプライマー対を用いて導入された。PCR反応用の鋳型はプラスミドpET28Bsu(実施例2)であった。導入された置換を用いてコード配列の変異体を増幅するためのPCR反応は、以下の表7に列挙されるプライマー対を用いて、実施例2に記載されているように行なわれた。
表7は、選択されたアミノ酸位置で異なるエンドリボヌクレアーゼ BSU変異体を得るべく、置換の導入に使用したプライマー対の配列と名前を示す。置換の種類は表8に示される。
リン酸化、ライゲ―ション反応、およびコンストラクトの形質転換の手順は、実施例8のように行なわれた。extransformantsを50μg/μlカナマイシンを含むLB寒天上に蒔いた。成長したコロニーを実施例2bのように接種し、プラスミドを実施例2bのように単離した。適切な形質転換体の選択と、所望の置換の配列正確性の確認は、サンプルの配列決定に基づいた(SSIS DNA IBB PAS)。
<実施例11>エンドリボヌクレアーゼ BSUタンパク質変異体の発現および精製と、エンドヌクレアーゼ活性アッセイ
アミノ酸残基K79、R80、R82、N83、K85、S86、T88、K91、N92、D94の位置のアラニンに対する置換を含む10の変異体を調製した。実施例3のように、変異体の発現および精製を行った。その後、ヌクレオチド活性を調べた。その結果を表8に示す。位置R80、R82、K85、T88、K91、N92、D94は、酵素の配列特異性に関係するかもしれない。それらは、恐らく二本鎖RNA核酸中の塩基と相互に作用し、したがって、さらなる置換変異誘発については、アラニンに対する置換が酵素を不活性化したか、あるいは、その活性を減少させた位置が選択された。
位置番号94(D94R)のアルギニンに対する置換変異体を作成した。タンパク質を工程3のように精製し、そのエンドリボヌクレアーゼ活性を2つの基質:バクテリオファージΦ6ゲノム、および、234bpの二本鎖RNAで試験した。好ましい切断部位を有している234bpの二本鎖RNAは、野生型酵素およびD94R変異体によって同様に切断された。38の共通な切断部位を有するΦ6二本鎖RNAは、両方の酵素によって同じ効率では切断されなかった。D94R変異体による切断は、野生型の酵素と比較して、低下した。得られた結果を図5に示す。変異体D94Rは二本鎖RNAの優先配列に対する選択性を増加させていることがわかる。酵素の選択性の増加は、二本鎖RNAの配列認識および切断を狭める結果を招くことになる。上記の結果によって、二本鎖RNAの主溝にあるループは、二本鎖RNAの配列によってのみ決定されるとともに不規則な螺旋構造および/または他のタンパク質との協働からは独立している、二本鎖RNA切断時の配列特異性を決定することが明らかになった。該方法は、二本鎖RNA切断における配列特異性の増加を示す二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの誘導体および/または変異体につながる選択も実証しており、好ましくは、二本鎖RNAの配列特異的な切断を含む誘導体および/または変異体を得る上記のような方法で、エンドリボヌクレアーゼ誘導体および/または変異体は、好ましくは、二本鎖RNAの切断における特異的な配列に対する感受性の変化、増大を伴って生成される。
<実施例12>3つの短い30bpの二本鎖RNAの切断
30bpの二本鎖RNA基質は、実施例4に記載のRNAオリゴヌクレオチド30N1Fおよび30N1R、30N2Fおよび30N2R、30N3Fおよび30N3Rをアニーリングすることによって調製された。実施例4からのオリゴヌクレオチド30Fおよび30Rから調製された優先配列を含む30bpの二本鎖RNAを、対照として使用した。実施例3に従って調製したエンドリボヌクレアーゼ BSUWTを用いて、実施例5のように切断反応を行った。調製した基質を、エンドリボヌクレアーゼ BSUWTによって切断した。15%変成ポリアクリルアミドゲル(15%ポリアクリルアミド、TBE:135mM トリス−HCl、45mM ホウ酸、2.5mM EDTA、8M)上で生成物を分離した。生成物の視覚化を実施例6bで行った。その結果を図8に示す。3つの試験した基質を切断しない。
<記載で同定した配列のリスト>
SEQ ID NO1 − バチルス・サブティリスからの二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ BSUWTのアミノ酸配列
SEQ ID NO2 − 修飾されたベクターpKS IIの配列
SEQ ID NO3 − 二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループを形成するフソバクテリウム・ヌクレアタムからのエンドリボヌクレアーゼ FNUのポリペプチド鎖のフラグメント
SEQ ID NO4 − 二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループを形成するバチルス・サブティリスからのエンドリボヌクレアーゼ BSUのポリペプチド鎖のフラグメント
SEQ ID NO5 − 二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用するループを形成するバチルス・セレウスからのエンドリボヌクレアーゼ BCEのポリペプチド鎖のフラグメント
SEQ ID NO6 − エンドリボヌクレアーゼ BSU遺伝子増幅用プライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO7 − エンドリボヌクレアーゼ BSU遺伝子増幅用プライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO8 − エンドリボヌクレアーゼ FNU遺伝子増幅用プライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO9 − エンドリボヌクレアーゼ FNU遺伝子増幅用プライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO10 − エンドリボヌクレアーゼ BCE遺伝子増幅用プライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO11 − エンドリボヌクレアーゼ BCE遺伝子増幅用プライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO12 − 234bpの二本鎖RNA合成用のbsuRNAfプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO13 − 234bpの二本鎖RNA合成用のbsuRNArプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO14 − 18bpの二本鎖RNA調製用の18Fのオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO15 − 18bpの二本鎖RNA調製用の18Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO16 − 20bpの二本鎖RNA調製用の20Fオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO17 − 20bpの二本鎖RNA調製用の20Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO18 − 22bpの二本鎖RNA調製用の22Fオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO19 − 22bpの二本鎖RNA調製用の22Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO20 − 30bpの二本鎖RNA調製用の30Fオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO21 − 30bpの二本鎖RNA調製用の30Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO22 − N1 30bpの二本鎖RNA調製用の30N1Fオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO23 − N1 30bpの二本鎖RNA調製用の30N1Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO24 − N2 30bpの二本鎖RNA調製用の30N2Fオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO25 − N2 30bpの二本鎖RNA調製用の30N2Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO26 − N3 30bpの二本鎖RNA調製用の30N3Fオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO27 − N3 30bpの二本鎖RNA調製用の30N3Rオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列
SEQ ID NO28 − 逆転写反応用のRTrプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO29 − 逆転写反応用のRTfプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO30 − 234bpの二本鎖RNA基質のヌクレオチド配列
SEQ ID NO31 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSubfプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO32 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub83rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO33 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub84rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO34 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub85rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO35 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub86rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO36 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub87rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO37 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub88rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO38 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub89rプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO39 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSubrプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO40 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub90fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO41 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub91fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO42 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub92fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO43 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub93fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO44 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub94fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO45 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub95fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO46 − 234bpの二本鎖RNAの置換ライブラリー生成用のSub96fプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO47 − 83G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO48 − 83A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO49 − 83U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO50 − 84A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO51 − 84U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO52 − 84C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO53 − 85G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO54 − 85A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO55 − 85C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO56 − 86G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO57 − 86A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO58 − 86U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO59 − 87A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO60 − 87U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO61 − 87C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO62 − 88G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO63 − 88U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO64 − 88C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO65 − 89G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO66 − 89A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO67 − 89U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO68 − 90G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO69 − 90A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO70 − 90U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO71 − 91G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO72 − 91A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO73 − 91C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO74 − 92G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO75 − 92A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO76 − 92U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO77 − 93A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO78 − 93U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO79 − 93C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO80 − 94G 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO81 − 94U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO82 − 94C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO83 − 95A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO84 − 95U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO85 − 95C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO86 − 96A 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO87 − 96U 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO88 − 96C 234bpの二本鎖RNAのヌクレオチド配列
SEQ ID NO89 − K79Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO90 − K79Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO91 − R80Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO92 − R82Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO93 − R82Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO94 − R82Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO95 − N83Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO96 − N83Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO97 − K85Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO98 − K85Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO99 − S86Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO100 − S86Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO101 − T88Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO102 − T88Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO103 − K91Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO104 − K91Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO105 − N92Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO106 − N92Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO107 − D94Afプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO108 − D94Arプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO109 − D94Rfプライマーのヌクレオチド配列
SEQ ID NO110 − D94Rrプライマーのヌクレオチド配列

Claims (11)

  1. 二本鎖RNA基質の生体外での配列特異的な切断のための二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼの使用であって、
    前記エンドリボヌクレアーゼは、SEQ ID NO1のアミノ酸配列を含み、および、二本鎖RNAと複合したエンドリボヌクレアーゼMini IIIの構造のモデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互に作用するループに一致する、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループを有し、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、以下の共通配列(H=AまたはCまたはU; D=AまたはGまたはU)内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示し、
    5’GACCUHG 3’
    3’CUGGADC 5’、
    あるいは、
    前記エンドリボヌクレアーゼは、D94R変異を含むSEQ ID NO1のアミノ酸配列を含み、および、二本鎖RNAと複合したエンドリボヌクレアーゼMini IIIの構造のモデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互に作用するループに一致する、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループを有し、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、以下の共通配列内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示し、
    5’GACCUCG 3’
    3’CUGGAGC 5’、
    および、SEQ ID NO1のアミノ酸配列を含む前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識される二本鎖RNA基質中の特異的な配列は、以下の共通配列(H=AまたはCまたはU; D=AまたはGまたはU)であり、
    5’GACCUHG 3’
    3’CUGGADC 5’、
    あるいは、D94R変異を含むSEQ ID NO1のアミノ酸配列を含む前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識される二本鎖RNA基質中の特異的な配列は、以下の共通配列であり、
    5’GACCUCG 3’
    3’CUGGAGC 5’、
    および、前記二本鎖RNA基質は、認識配列を含み、前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識配列内で切断され、
    前記二本鎖RNA基質は、22以上の長さの塩基対を含むことを特徴とする使用。
  2. 前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、以下の共通配列内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示し、
    5’CGACCUCGAGG 3’
    3’GCUGGAGCUCC 5’、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識される二本鎖RNA基質中の特異的な配列は、以下の共通配列である、
    5’CGACCUCGAGG 3’
    3’GCUGGAGCUCC 5’、
    、ことを特徴とする請求項1記載の使用。
  3. 二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによる、特異的に認識される共通配列内における二本鎖RNA基質の生体外での配列特異的な切断方法であって、
    前記方法は、
    a)混合物中の二本鎖RNA基質と、二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを組み合わせる工程、及び
    b)二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって、特異的に認識される共通配列における前記二本鎖RNA基質を切断する工程を含み、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、SEQ ID NO1のアミノ酸配列を含み、および、二本鎖RNAと複合したエンドリボヌクレアーゼMini IIIの構造のモデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互に作用するループに一致する、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループを有し、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、以下の特異的に認識される共通配列(H=AまたはCまたはU; D=AまたはGまたはU)内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示し、
    5’GACCUHG 3’
    3’CUGGADC 5’、
    あるいは、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、D94R変異を含むSEQ ID NO1のアミノ酸配列を含み、および、二本鎖RNAと複合したエンドリボヌクレアーゼMini IIIの構造のモデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互に作用するループに一致する、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループを有し、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、以下の特異的に認識される共通配列内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示し、
    5’GACCUCG 3’
    3’CUGGAGC 5’、
    および、二本鎖RNA基質は特異的に認識される共通配列を含み、特異的に認識される共通配列(H=AまたはCまたはU; D=AまたはGまたはU)は以下の通りであり、
    5’GACCUHG 3’
    3’CUGGADC 5’、
    あるいは、D94R変異を含むSEQ ID NO1のアミノ酸配列を含む前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識される二本鎖RNA基質中の特異的な配列は、以下の共通配列であり、
    5’GACCUCG 3’
    3’CUGGAGC 5’、
    二本鎖RNA基質が22以上の長さの塩基対を含む、ことを特徴とする方法。
  4. 前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、以下の特異的に認識される共通配列内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示し、
    5’CGACCUCGAGG 3’
    3’GCUGGAGCUCC 5’、
    前記二本鎖RNA基質は特異的に認識される共通配列を含み、特異的に認識される共通配列は以下の通りである、
    5’CGACCUCGAGG 3’
    3’GCUGGAGCUCC 5’、
    、ことを特徴とする、請求項3記載の二本鎖RNA基質の生体外での配列特異的な切断方法。
  5. 二本鎖RNAの切断は、35°Cから45°Cまでの温度で、および/または、5乃至60mMの塩化ナトリウム濃度で、1乃至2.5mMのMg2+濃度で、行われる、ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の二本鎖RNA基質の生体外での配列特異的な切断方法。
  6. 二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼであって、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、D94R変異を含むSEQ ID NO1のアミノ酸配列を含み、および、二本鎖RNAと複合したエンドリボヌクレアーゼMini IIIの構造のモデル中の二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互に作用するループに一致する、二本鎖RNAの主溝にあって主溝に相互作用しているループを有し、
    前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識される二本鎖RNA基質中の特異的な配列は、以下の共通配列であり、
    5’GACCUCG 3’
    3’CUGGAGC 5’
    および、前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼは、前記共通配列内で二本鎖RNAの配列特異的な活性を示す、ことを特徴とする二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ。
  7. 前記二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼによって認識される二本鎖RNA基質中の特異的な配列が、以下の共通配列である、
    5’CGACCUCGAGG 3’
    3’GCUGGAGCUCC 5’、
    、ことを特徴とする請求項6記載の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼ。
  8. 二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを生成するための方法であって、
    前記方法は、
    請求項6又は7の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを発現させる工程を含む、ことを特徴とする方法。
  9. 請求項6又は7の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
  10. 請求項9の核酸を含む宿主細胞。
  11. 請求項6又は7の二本鎖RNAエンドリボヌクレアーゼを含むキット。
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