JP6075543B2 - 非線形応答の診断装置及び診断方法 - Google Patents

非線形応答の診断装置及び診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、地震に対する非線形応答の有無を診断する非線形応答の診断装置及び診断方法に関する。
一般に、工場設備などの構造物、例えば、熱交換器などは、弾性範囲内で使用することを前提に設計されるが、想定外の荷重が作用する場合があり、そのため、通常は、想定外の荷重をカバーする安全率を考慮して設計されている。
特開平2−159526号公報
上述したように、工場設備などの構造物は、想定外の荷重をカバーする安全率を考慮して設計されているが、構造物の稼働後に、例えば、大地震のように、設計時点での想定を越える荷重が作用し、局部的に塑性領域に入り、非線形に挙動する場合が有り得る。その場合、地震後に構造物の健全性を早急に判断する必要がある。
従来は、このような構造物の稼働中の健全性を確認する場合、荷重計、加速度計、ひずみゲージなどの計測器を予め稼働中の実機に取り付けておき、実際の荷重、加速度、ひずみなどを計測して、健全性を診断する方法がある。しかしながら、稼働中の実機に計測器を取り付けて診断を行う方法は、構造物の形状や周囲のすきまの状況、温度、圧力、付近を流れる流体の密度や流速、酸、アルカリ、腐食性物質などの運転条件から、計測器を取り付ける位置が限られてしまうため、診断に必要な直接的な計測が必ずしもできないという難点があった。
又、実際の材料に即して応力・ひずみ線図を非線形モデル化した要素を用いて、例えば、大規模な非線形有限要素法による解析計算を実施する方法もある。しかしながら、大規模構造物の場合、多くの要素に弾塑性の動的非線形特性を与える必要があり、モデル化、解析計算とも多大な時間を要し、コストもかかるという難点があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、構造物の健全性を短時間で診断することができる非線形応答の診断装置及び診断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る非線形応答の診断装置は、
構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断装置であって、
前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算部と、
前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算部と、
前記解析結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断部とを備え
前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化されたものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る非線形応答の診断装置は、
上記第1の発明に記載の非線形応答の診断装置において、
更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起装置を備え、
前記診断部により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起装置により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る非線形応答の診断装置は、
上記第1又は第2の発明に記載の非線形応答の診断装置において、
更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料ばらつき又は製作ばらつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを備え、
前記解析結果演算部は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
前記試験結果演算部は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る非線形応答の診断方法は、
構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断方法であって、
前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算工程と、
前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算工程と、
前記解析結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断工程とを有し、
前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化することを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る非線形応答の診断方法は、
上記第の発明に記載の非線形応答の診断方法において、
更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起工程を備え、
前記診断工程により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起工程により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る非線形応答の診断方法は、
上記第4又は第5の発明に記載の非線形応答の診断方法において、
更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料バラつき又は製作バラつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを用い、
前記解析結果演算工程は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
前記試験結果演算工程は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする。
本発明によれば、塑性領域を含んだ非線形応答の可能性が高い箇所の有無を、予め解析的・実験的に把握するので、地震発生時に非線形応答の有無が、短期間で解析・診断可能となる。又、解析的、実験的に構造物の特性を予め把握しておくことにより、構造物内部のように、直接的に計測センサを設置するのが困難な箇所の非線形応答の可能性も予測・診断が可能となる。
本発明に係る非線形応答の診断装置の実施形態の一例(実施例1)を示すブロック図である。 図1に示した非線形応答の診断装置における診断方法を説明するフローチャートである。 図1、図2に示した非線形応答の診断装置及び診断方法の解析結果演算部(解析結果演算工程)での手順を説明するフローチャートである。 図3に示した静的弾塑性解析で得られる荷重−変位特性のグラフの一例である。 図3に示した評価モードと荷重−変位特性から作成する簡易解析モデルの一例である。 図3に示した地震波応答解析で得られる応答波形の一例である。 本発明に係る非線形応答の診断装置の実施形態の他の一例(実施例2)を示すブロック図である。 図7に示した非線形応答の診断装置における診断方法を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る非線形応答の診断装置及び診断方法について、図1〜図8を参照して説明を行う。
(実施例1)
図1は、本実施例の非線形応答の診断装置を示すブロック図であり、図2は、図1に示した非線形応答の診断装置における診断方法を説明するフローチャートである。又、図3は、図1、図2に示した非線形応答の診断装置及び診断方法の解析結果演算部(解析結果演算工程)での手順を説明するフローチャートであり、図4は、図3に示した静的弾塑性解析で得られる荷重−変位特性のグラフの一例であり、図5は、図3に示した評価モードと荷重−変位特性から作成する簡易解析モデルの一例であり、図6は、図3に示した地震波応答解析で得られる応答波形の一例である。
本実施例において、診断装置20Aには、計測用センサ10と注意喚起装置30が接続されている。
計測センサ10は、診断対象の構造物に設置されたものであり、望ましくは、構造物の内部に取り付けられればよいが、構造物へ入力された荷重、加速度、ひずみなどが計測できれば、構造物の外部へ取り付けてもよい。構造物の外部へ取り付ける場合には、その伝達特性を考慮ことにより、構造物の内部も評価可能となる。計測センサ10としては、荷重計、加速度計、ひずみゲージなどの計測器を用いる。
診断装置20Aは、解析結果データベース(図示省略)を用い、計測センサ10で計測した入力荷重に基づいて、応力又はひずみの少なくとも一方を演算する解析結果演算部21と、試験結果データベース(図示省略)を用い、計測センサ10で計測した入力荷重に基づいて、応力又はひずみの少なくとも一方を演算する試験結果演算部22と、解析結果演算部21及び試験結果演算部22で演算した応力・ひずみが、予め規定した許容値を超えるかどうかを診断する診断部23とを有している。
注意喚起装置30は、診断装置20Aの診断部23での診断結果に基づいて、注意喚起を行うものであり、例えば、画面表示や音や光などにより、使用者に注意を喚起するものである。
そして、後述するように、本実施例では、上述した計測用センサ10、診断装置20A及び注意喚起装置30を用い、診断対象の構造物が稼働中に地震等により予想以上の荷重が作用した場合、局部的に塑性領域に入るかどうか、その特性を考慮して、構造物の健全性を短時間で診断可能としており、健全性が損なわれた可能性が高い場合には、使用者に対して注意喚起を行うようにしている。
ここで、図1と共に、図2のフローチャートを参照して、本実施例の診断方法を具体的に説明する。なお、ここでは、構造物として、蒸気発生器等に代表される熱交換器を診断対象にして説明を行う。
(ステップS1、S2)
地震が発生すると、構造物(熱交換器)に設置された計測用センサ10から地震波データを取得する。
(ステップS3)
解析結果演算部21では、構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、記録してある簡易解析モデルにおいて、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を解析計算で求めている(解析結果演算工程)。なお、詳細は後述する図3において説明を行うが、この簡易解析モデルは、構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、この荷重−変位特性を用いて、後述する図5に示すような簡易解析モデルを予めモデル化したものであり、このようにモデル化した簡易解析モデルが解析結果データベースに予め記録されている。
簡易解析モデルを用いた解析計算では、構造物の実際の使用条件、例えば、構造物に対する圧力や温度などを考慮することにより、より精度の高い最大応力・最大ひずみの予測が可能となる。
(ステップS4)
試験結果演算部22では、構造物の試験モデルを用いた試験結果(実験結果)が予め記録されている試験結果データベースを用い、記録してある試験モデルの試験結果において、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を求めている(試験結果演算工程)。構造物の試験モデルとしては、そのフルスケールモデルや縮尺モデルなどを用いればよい。
つまり、診断装置20Aは、構造物を診断するデータベースとして、解析結果データベース及び試験結果データベースを有している。
(ステップS5)
解析結果演算部21で演算した最大応力・最大ひずみ及び試験結果演算部22で演算した最大応力・最大ひずみに基づいて、これらが許容値を超えるかどうかを診断部23で診断し、いずれか一方でも許容値を超える場合にはステップS6へ進み、いずれも許容値を超えない場合にはステップS7へ進む(診断工程)。この許容値としては、構造物の変位が塑性領域に入ったかどうかを判断できる降伏点などを用いればよい。
このように、地震等により実際に荷重が構造物に作用した場合、構造物に設置した計測センサ10により荷重などの物理量を取得し、解析結果演算部21及び試験結果演算部22での演算により、最大応力・最大ひずみを予測し、最大応力・最大ひずみが許容値を超えるかどうかを診断し、局部的に塑性領域に入った部位があるかどうかを判断することにより、構造物の健全性を短時間で診断可能としている。
(ステップS6)
診断装置20Aの診断部23での診断結果により、演算した最大応力・最大ひずみが許容値を超える場合には、つまり、構造物の健全性が損なわれた可能性が高い場合には、注意喚起装置30を用い、画面表示や音や光などにより使用者に対して注意喚起を行う(注意喚起工程)。
(ステップS7)
診断装置20Aの診断部23での診断結果により、演算した最大応力・最大ひずみが許容値を超えない場合には、つまり、構造物の健全性が保たれている場合には、注意喚起装置30での注意喚起は行わない。
更に、図1、図2に示した非線形応答の診断装置及び診断方法の解析結果演算部(解析結果演算工程)で実施する演算手順について、図3のフローチャートと共に、図4〜図6を参照して説明を行う。
(ステップS11)
診断対象となる構造物(熱交換器)の詳細解析モデルを構築し、構築した詳細解析モデルで固有値解析を実施し、熱交換器の管群のモード情報を取得する。
(ステップS12)
ステップS11の固有値解析で取得したモード情報から、地震応答スペクトルにおいて応答が大きくなる周波数域のモードを選定する。
(ステップS13)
構築した詳細解析モデルに弾塑性の特性を設定する。
(ステップS14)
ステップS13で弾塑性特性を設定した詳細解析モデルを使用し、ステップS12で選定したモード形状を再現する静解析を実施する。例えば、管群全体に水平方向の荷重を左右させることにより、静解析を実施する。
(ステップS15)
ステップS15の静解析結果から、管群に作用する荷重と最大変位、最大ひずみの関係を取得する。例えば、図4に示す荷重−変位特性のグラフから、管群に作用する荷重と最大変位、最大ひずみの関係を取得すればよい。なお、図4において、「q」は荷重、「δ」は変位、「k1」は1次剛性(弾性剛性)、「k2」は2次剛性(塑性剛性)、「δy」は降伏変形を示している。
(ステップS16)
ステップS12で選定したモード情報と、ステップS15で取得した荷重−変位特性とから、1自由度系の簡易解析モデルを作成する。例えば、図5に示すような1自由度系の簡易解析モデルを作成すればよい。なお、図5は、基盤面に地震加速度を受ける1自由度系の簡易解析モデルであり、「M」は質量、「K」は弾性剛性を示している。又、このとき、診断対象となる構造物(熱交換器)について、変位−ひずみの関係を取得しておく。
(ステップS17)
ステップS16で作成した簡易解析モデルを解析結果データベースへ記録する。
上記ステップS11〜S17を、事前に実施しておくことで、解析結果データベースに簡易解析モデルを予め準備しておくことになる。
(ステップS18)
解析結果データベース21へ予め記録しておいた簡易解析モデルを用い、ステップS2において計測センサ10で取得した地震波を入力荷重として、時刻歴応答解析を実施し、応答波形を取得する。応答波形としては、例えば、図6に示すようなものが得られる。なお、図6において、「μ」はひずみ量を表しており、ステップS16で取得した変位−ひずみの関係を用いて、応答による変位量からひずみ量へ変換する。
(ステップS19)
ステップS18で取得した応答波形を用いて、最大応力・最大ひずみを出力する。
このように、解析結果演算部21により、塑性領域を含んだ非線形応答の可能性が高い箇所の有無を、解析的結果に基づいて把握することになる。又、試験結果演算部22でも、塑性領域を含んだ非線形応答の可能性が高い箇所の有無を、実験的結果に基づいて把握することになる。これにより、地震発生時に非線形応答の有無が、短期間で解析・診断可能である。又、解析的、実験的に構造物の特性を予め把握しておくことにより、構造物内部のように、直接的に計測センサを設置するのが困難な箇所の非線形応答の可能性も予測・診断が可能となる。
(実施例2)
図7は、本実施例の非線形応答の診断装置を示すブロック図であり、図8は、図7に示した非線形応答の診断装置における診断方法を説明するフローチャートである。
本実施例においては、診断装置20Bに、計測用センサ10と注意喚起装置30が接続されているが、実施例1とは、診断装置20Bの構成に相違がある。従って、実施例1と同じ構成については重複する説明を省略して、本実施例の説明を行う。
本実施例において、診断装置20Bは、実施例1の診断装置20Aに部品データベース24を加えた構成であり、そのため、解析結果演算部21では、部品データベース24と解析結果データベース(図示省略)とを用い、計測センサ10で計測した入力荷重に基づいて、応力又はひずみの少なくとも一方を演算し、試験結果演算部22では、部品データベース24と試験結果データベース(図示省略)とを用い、計測センサ10で計測した入力荷重に基づいて、応力又はひずみの少なくとも一方を演算している。そして、診断部23では、実施例1と同様に、解析結果演算部21及び試験結果演算部22で演算した応力・ひずみが、予め規定した許容値を超えるかどうかを診断している。
部品データベース24は、構造物を構成する部品に関するデータを予め記録したものであり、例えば、部品の経年変化による劣化に関するデータ、部品の材料バラつき(例えば、材料物性値のバラつき)に関するデータ、製作バラつき(例えば、板厚や管径のバラつき)に関するデータなどが記録されている。材料バラつき、製作バラつきなどに関するデータとしては、平均値や標準偏差などのデータを用いることになるので、算出する応力・ひずみの予測値としては、平均値や標準偏差なども出力可能としている。
そして、本実施例でも、上述した計測用センサ10、診断装置20B及び注意喚起装置30を用い、診断対象の構造物が稼働中に地震等により予想以上の荷重が作用した場合、局部的に塑性領域に入るかどうか、その特性を考慮して、構造物の健全性を短時間で診断可能としており、健全性が損なわれた可能性が高い場合には、使用者に対して注意喚起を行うようにしている。
ここで、図7と共に、図8のフローチャートを参照して、本実施例の診断方法を説明する。なお、ここでも、構造物として、蒸気発生器等に代表される熱交換器を診断対象にして説明を行う。
(ステップS21、S22)
地震が発生すると、構造物(熱交換器)に設置された計測用センサ10から地震波データを取得する。
(ステップS23)
解析結果演算部21では、構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースと部品データベース24とを用い、記録してある簡易解析モデルにおいて、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を解析計算で求めている(解析結果演算工程)。
(ステップS24)
試験結果演算部22では、構造物の試験モデルを用いた試験結果(実験結果)が予め記録されている試験結果データベースと部品データベース24とを用い、記録してある試験モデルの試験結果において、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を求めている(試験結果演算工程)。
つまり、診断装置20Bは、構造物を診断するデータベースとして、解析結果データベース及び試験結果データベースを有し、それらに加えて、部品データベース24を有している。
(ステップS25)
解析結果演算部21で演算した最大応力・最大ひずみ及び試験結果演算部22で演算した最大応力・最大ひずみに基づいて、これらが許容値を超えるかどうかを診断部23で診断し、いずれか一方でも許容値を超える場合にはステップS26へ進み、いずれも許容値を超えない場合にはステップS27へ進む(診断工程)。
このように、本実施例でも、地震等により実際に荷重が構造物に作用した場合、構造物に設置した計測センサ10より荷重などの物理量を取得し、解析結果演算部21及び試験結果演算部22での演算により、最大応力・最大ひずみを予測し、最大応力・最大ひずみが許容値を超えるかどうかを診断し、局部的に塑性領域に入った部位があるかどうかを判断することにより、構造物の健全性を短時間で診断可能としている。
(ステップS26)
診断装置20Bの診断部23での診断結果により、演算した応力・ひずみが許容値を超える場合には、つまり、構造物の健全性が損なわれた可能性が高い場合には、注意喚起装置30を用い、画面表示や音や光などにより使用者に対して注意喚起を行う(注意喚起工程)。
(ステップS27)
診断装置20Bの診断部23での診断結果により、演算した応力・ひずみが許容値を超えない場合には、つまり、構造物の健全性が保たれている場合には、注意喚起装置30での注意喚起は行わない。
本実施例でも、解析結果演算部21により、塑性領域を含んだ非線形応答の可能性が高い箇所の有無を、解析的結果に基づいて把握することになる。又、試験結果演算部22でも、塑性領域を含んだ非線形応答の可能性が高い箇所の有無を、実験的結果に基づいて把握することになる。これにより、地震発生時に非線形応答の有無が、短期間で解析・診断可能である。又、解析的、実験的に構造物の特性を予め把握しておくことにより、構造物内部のように、直接的に計測センサを設置するのが困難な箇所の非線形応答の可能性も予測・診断が可能となる。
又、本実施例では、解析結果データベース及び試験結果データベースに加えて、部品データベース24を用い、経年変化による劣化、材料バラつき、製作バラつきを考慮することにより、より精度の高い最大応力・最大ひずみの予測が可能となる。
上記実施例1、2は、原子力プラントで使用される蒸気発生器等に適用可能であるが、これに限定されることなく、同じ技術思想の範囲内であれば、よく使われる熱交換器などさまざまな応用例が考えられる。
本発明は、多数の構成要素を持つ構造物、例えば、蒸気発生器等に代表される熱交換器などに適用可能なものである。
10 計測センサ(計測装置)
20A、20B 診断装置
21 解析結果演算部(解析結果データベース)
22 試験結果演算部(試験結果データベース)
23 診断部
24 部品データベース
30 注意喚起装置

Claims (6)

  1. 構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断装置であって、
    前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算部と、
    前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算部と、
    前記解析結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断部とを備え
    前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化されたものであることを特徴とする非線形応答の診断装置。
  2. 請求項1に記載の非線形応答の診断装置において、
    更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起装置を備え、
    前記診断部により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起装置により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする非線形応答の診断装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非線形応答の診断装置において、
    更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料ばらつき又は製作ばらつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを備え、
    前記解析結果演算部は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
    前記試験結果演算部は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする非線形応答の診断装置。
  4. 構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断方法であって、
    前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算工程と、
    前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算工程と、
    前記解析結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断工程とを有し、
    前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化することを特徴とする非線形応答の診断方法。
  5. 請求項に記載の非線形応答の診断方法において、
    更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起工程を備え、
    前記診断工程により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起工程により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする非線形応答の診断方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の非線形応答の診断方法において、
    更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料バラつき又は製作バラつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを用い、
    前記解析結果演算工程は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
    前記試験結果演算工程は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする非線形応答の診断方法。
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