JP6075543B2 - 非線形応答の診断装置及び診断方法 - Google Patents
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Description
構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断装置であって、
前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算部と、
前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算部と、
前記解析結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断部とを備え、
前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化されたものであることを特徴とする。
上記第1の発明に記載の非線形応答の診断装置において、
更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起装置を備え、
前記診断部により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起装置により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする。
上記第1又は第2の発明に記載の非線形応答の診断装置において、
更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料ばらつき又は製作ばらつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを備え、
前記解析結果演算部は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
前記試験結果演算部は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする。
構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断方法であって、
前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算工程と、
前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算工程と、
前記解析結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断工程とを有し、
前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化することを特徴とする。
上記第4の発明に記載の非線形応答の診断方法において、
更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起工程を備え、
前記診断工程により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起工程により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする。
上記第4又は第5の発明に記載の非線形応答の診断方法において、
更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料バラつき又は製作バラつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを用い、
前記解析結果演算工程は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
前記試験結果演算工程は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする。
図1は、本実施例の非線形応答の診断装置を示すブロック図であり、図2は、図1に示した非線形応答の診断装置における診断方法を説明するフローチャートである。又、図3は、図1、図2に示した非線形応答の診断装置及び診断方法の解析結果演算部(解析結果演算工程)での手順を説明するフローチャートであり、図4は、図3に示した静的弾塑性解析で得られる荷重−変位特性のグラフの一例であり、図5は、図3に示した評価モードと荷重−変位特性から作成する簡易解析モデルの一例であり、図6は、図3に示した地震波応答解析で得られる応答波形の一例である。
地震が発生すると、構造物(熱交換器)に設置された計測用センサ10から地震波データを取得する。
解析結果演算部21では、構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、記録してある簡易解析モデルにおいて、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を解析計算で求めている(解析結果演算工程)。なお、詳細は後述する図3において説明を行うが、この簡易解析モデルは、構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、この荷重−変位特性を用いて、後述する図5に示すような簡易解析モデルを予めモデル化したものであり、このようにモデル化した簡易解析モデルが解析結果データベースに予め記録されている。
試験結果演算部22では、構造物の試験モデルを用いた試験結果(実験結果)が予め記録されている試験結果データベースを用い、記録してある試験モデルの試験結果において、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を求めている(試験結果演算工程)。構造物の試験モデルとしては、そのフルスケールモデルや縮尺モデルなどを用いればよい。
解析結果演算部21で演算した最大応力・最大ひずみ及び試験結果演算部22で演算した最大応力・最大ひずみに基づいて、これらが許容値を超えるかどうかを診断部23で診断し、いずれか一方でも許容値を超える場合にはステップS6へ進み、いずれも許容値を超えない場合にはステップS7へ進む(診断工程)。この許容値としては、構造物の変位が塑性領域に入ったかどうかを判断できる降伏点などを用いればよい。
診断装置20Aの診断部23での診断結果により、演算した最大応力・最大ひずみが許容値を超える場合には、つまり、構造物の健全性が損なわれた可能性が高い場合には、注意喚起装置30を用い、画面表示や音や光などにより使用者に対して注意喚起を行う(注意喚起工程)。
診断装置20Aの診断部23での診断結果により、演算した最大応力・最大ひずみが許容値を超えない場合には、つまり、構造物の健全性が保たれている場合には、注意喚起装置30での注意喚起は行わない。
診断対象となる構造物(熱交換器)の詳細解析モデルを構築し、構築した詳細解析モデルで固有値解析を実施し、熱交換器の管群のモード情報を取得する。
ステップS11の固有値解析で取得したモード情報から、地震応答スペクトルにおいて応答が大きくなる周波数域のモードを選定する。
構築した詳細解析モデルに弾塑性の特性を設定する。
ステップS13で弾塑性特性を設定した詳細解析モデルを使用し、ステップS12で選定したモード形状を再現する静解析を実施する。例えば、管群全体に水平方向の荷重を左右させることにより、静解析を実施する。
ステップS15の静解析結果から、管群に作用する荷重と最大変位、最大ひずみの関係を取得する。例えば、図4に示す荷重−変位特性のグラフから、管群に作用する荷重と最大変位、最大ひずみの関係を取得すればよい。なお、図4において、「q」は荷重、「δ」は変位、「k1」は1次剛性(弾性剛性)、「k2」は2次剛性(塑性剛性)、「δy」は降伏変形を示している。
ステップS12で選定したモード情報と、ステップS15で取得した荷重−変位特性とから、1自由度系の簡易解析モデルを作成する。例えば、図5に示すような1自由度系の簡易解析モデルを作成すればよい。なお、図5は、基盤面に地震加速度を受ける1自由度系の簡易解析モデルであり、「M」は質量、「K」は弾性剛性を示している。又、このとき、診断対象となる構造物(熱交換器)について、変位−ひずみの関係を取得しておく。
ステップS16で作成した簡易解析モデルを解析結果データベースへ記録する。
解析結果データベース21へ予め記録しておいた簡易解析モデルを用い、ステップS2において計測センサ10で取得した地震波を入力荷重として、時刻歴応答解析を実施し、応答波形を取得する。応答波形としては、例えば、図6に示すようなものが得られる。なお、図6において、「μ」はひずみ量を表しており、ステップS16で取得した変位−ひずみの関係を用いて、応答による変位量からひずみ量へ変換する。
ステップS18で取得した応答波形を用いて、最大応力・最大ひずみを出力する。
図7は、本実施例の非線形応答の診断装置を示すブロック図であり、図8は、図7に示した非線形応答の診断装置における診断方法を説明するフローチャートである。
地震が発生すると、構造物(熱交換器)に設置された計測用センサ10から地震波データを取得する。
解析結果演算部21では、構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースと部品データベース24とを用い、記録してある簡易解析モデルにおいて、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を解析計算で求めている(解析結果演算工程)。
試験結果演算部22では、構造物の試験モデルを用いた試験結果(実験結果)が予め記録されている試験結果データベースと部品データベース24とを用い、記録してある試験モデルの試験結果において、計測センサ10で計測した入力荷重により最も厳しくなる応力・ひずみ(最大応力・最大ひずみ)を求めている(試験結果演算工程)。
解析結果演算部21で演算した最大応力・最大ひずみ及び試験結果演算部22で演算した最大応力・最大ひずみに基づいて、これらが許容値を超えるかどうかを診断部23で診断し、いずれか一方でも許容値を超える場合にはステップS26へ進み、いずれも許容値を超えない場合にはステップS27へ進む(診断工程)。
診断装置20Bの診断部23での診断結果により、演算した応力・ひずみが許容値を超える場合には、つまり、構造物の健全性が損なわれた可能性が高い場合には、注意喚起装置30を用い、画面表示や音や光などにより使用者に対して注意喚起を行う(注意喚起工程)。
診断装置20Bの診断部23での診断結果により、演算した応力・ひずみが許容値を超えない場合には、つまり、構造物の健全性が保たれている場合には、注意喚起装置30での注意喚起は行わない。
20A、20B 診断装置
21 解析結果演算部(解析結果データベース)
22 試験結果演算部(試験結果データベース)
23 診断部
24 部品データベース
30 注意喚起装置
Claims (6)
- 構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断装置であって、
前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算部と、
前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算部と、
前記解析結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算部で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断部とを備え、
前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化されたものであることを特徴とする非線形応答の診断装置。 - 請求項1に記載の非線形応答の診断装置において、
更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起装置を備え、
前記診断部により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起装置により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする非線形応答の診断装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の非線形応答の診断装置において、
更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料ばらつき又は製作ばらつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを備え、
前記解析結果演算部は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
前記試験結果演算部は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする非線形応答の診断装置。 - 構造物の非線形応答を診断する非線形応答の診断方法であって、
前記構造物の簡易解析モデルが予め記録されている解析結果データベースを用い、前記簡易解析モデルにおいて、前記構造物に取り付けられた計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を解析計算で求める解析結果演算工程と、
前記構造物の試験モデルを用いた試験結果が予め記録されている試験結果データベースを用い、前記試験結果において、前記計測装置で計測した入力荷重に基づいて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求める試験結果演算工程と、
前記解析結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみ又は前記試験結果演算工程で演算した最大応力若しくは最大ひずみのうち、いずれか一方でも予め規定した許容値を超える場合には、前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断する診断工程とを有し、
前記簡易解析モデルは、前記構造物の詳細解析モデルを用いて、荷重−変位特性を求め、前記荷重−変位特性を用いて、モデル化することを特徴とする非線形応答の診断方法。 - 請求項4に記載の非線形応答の診断方法において、
更に、前記構造物を使用する使用者に注意を喚起する注意喚起工程を備え、
前記診断工程により前記構造物の変位が塑性領域に入ったと診断された場合には、前記注意喚起工程により前記使用者に注意を喚起することを特徴とする非線形応答の診断方法。 - 請求項4又は請求項5に記載の非線形応答の診断方法において、
更に、前記構造物を構成する部品の経年変化、材料バラつき又は製作バラつきの少なくとも一つに関するデータを予め記録した部品データベースを用い、
前記解析結果演算工程は、前記解析結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求め、
前記試験結果演算工程は、前記試験結果データベースと共に前記部品データベースを用いて、最大応力又は最大ひずみの少なくとも一方を求めることを特徴とする非線形応答の診断方法。
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