JP6742014B1 - 構造物の異常判別方法及び異常判別システム - Google Patents

構造物の異常判別方法及び異常判別システム Download PDF

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Abstract

【課題】 構造物の異常の発生位置又はその予兆を精度良く推定できる異常判別方法及びそのシステムを提供すること。【解決手段】 構造物から位置情報とともに測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルに入力することにより、構造物の異常を判別する異常判別方法及びそのシステムである。本発明のシステムは、位置情報付き物理量データを測定するセンサと、正常状態及び異常状態における位置情報付き物理量データを含むビッグデータを格納するデータベースと、状態判別モデルを内蔵した演算ユニットと、を含み、状態判別モデルは、上記ビッグデータに基づいて人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成したものであり、演算ユニットは、状態判別モデルに測定された位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、構造物の現在状態を判別する判別装置をさらに含む。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物から位置情報とともに測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルに入力することにより、前記構造物の異常を判別する構造物の異常判別方法及びそのシステムに関する。
建築物等の構造物は、付近を走行する交通手段等から発生される定常的な振動や、地震等の非定常的な振動を受けることにより、疲労や経年による劣化が生じることがある。実際の構造物設計は、経年による劣化や地震等の突発的に大きな振動にも長期にわたって耐え得るように振動データを用いた構造解析等を用いて行われることが多い。
このように大型の構造物に対して、数値シミュレーションによる解析を利用した設計を行うためのデータを取得する振動試験技術として、振動の実測値に数値シミュレーションによる構造解析を組み合わせて、振動の入力に対する構造物の応答特性や損傷の予測を行う手法が知られている。そして、これらの予測データを用いたCAEによる具体的な構造物の設計も実用化されている。
例えば、特許文献には、測定対象物である構造物に所定の振動を加える加振機を備えた加振システムと、上記所定の振動による振動応答を演算する数値シミュレーション機能及び振動応答の結果に基づいて加振条件を調整する波形生成機能を有する計算機システムと、を含む振動試験装置が開示されている。この振動試験装置において、計算機システムは、加振システムで加振される構造物の応答量を数値シミュレーション機能に入力するモデル代替機能と、当該モデル代替機能における応答量の算出結果に基づいて加振システムの作動状態を判断する異常診断処理機能と、をさらに含むことにより、複数の加振システムをネットワーク化した際に、いずれか1つの加振システムでトラブルが発生した場合であってもモデル代替機能で模擬して試験を続行できるとしている。
特開2003−83841号公報
従来の構造物の設計は長期間の耐用年数を得ることを基本としているため、実際の構造物から振動データ等のリアルタイムのデータを測定できたとしても、異常時の測定データを得ることが困難である。例えば、特許文献1に開示された振動試験装置においても、仮に複数ある加振システムのうちの1つに異常(トラブル)が発生したとしても、その異常が発生した加振システムの動作を止めるのではなく、その加振システムの機能を代替機能でバックアップして試験を続行することを意図したものであるため、システムの異常を直接検知あるいは予測することができない。
また、振動データは、所定の振動源から発生した振動が構造物を伝播したときの波形データとしてセンサから取得されるものであるため、当該振動データを構造物の部分あるいはエリアごとの代表値として取り扱うことができない。このため、振動データを用いて異常の予測を行った場合、システム全体の異常を検知できてもその異常の発生箇所を特定するのは困難であった。
そこで、本発明の目的は、構造物の位置ごとに位置情報とともに取得された位置情報付き物理量データに基づいて、当該構造物の異常の発生位置又はその予兆を精度良く推定できる異常判別方法及びそのシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による、構造物から位置情報とともに測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルに入力することにより、前記構造物の異常を判別する構造物の異常判別方法は、前記状態判別モデルは、データベースに格納されている正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータに基づいて、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成したものであり、前記状態判別モデルに測定された前記位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、前記構造物の現在状態を判別することを特徴とする。
また、本発明による、構造物から位置情報とともに測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルに入力することにより、前記構造物の異常を判別する構造物の異常判別システムは、前記位置情報付き物理量データを測定するセンサと、正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータを格納するデータベースと、前記状態判別モデルを内蔵した演算ユニットと、を含み、前記状態判別モデルは、前記ビッグデータに基づいて人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成したものであり、前記演算ユニットは、前記状態判別モデルに測定された前記位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、前記構造物の現在状態を判別する判別装置をさらに含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、データベースに格納されている正常状態における位置情報付き物理量データ及び異常状態における位置情報付き物理量データを含むビッグデータに基づいて、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成した状態判別モデルに測定された位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、構造物の現在状態を判別することにより、構造物の位置ごとに位置情報とともに取得された位置情報付き物理量データに基づいて、当該構造物の異常の発生位置又はその予兆を精度良く推定できる。
本発明の代表的な一例による構造物の異常判別システムを示す概要図である。 本発明の代表的な一例による構造物の異常判別方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の変形例による構造物の異常判別方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の構造物の異常判別システムの代表的な適用例を示す概略図である。
以下、本発明の代表的な一例による構造物の異常判別方法及びそのシステムについて図面を用いて説明する。
図1は、本発明の代表的な一例による構造物の異常判別システムを示す概要図である。本発明の代表的な一例による構造物の異常判別システム100は、測定対象となる構造物の位置ごとの位置情報付き物理量データを測定するセンサ110と、構造物の異常を判別するための状態判別モデルを内蔵した演算ユニット120と、位置情報付き物理量データを格納するデータベース130と、を含む。そして、この構造物の異常判別システム100の判別装置126は、構造物から測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルDMに入力し、その演算結果に基づいて、当該構造物の異常を判別する。
ここで、本明細書において、「位置情報付き物理量データ」とは、所定のセンサで位置情報とともに取得可能な物理量であって、例えば、構造物の所定の位置における応力、温度や、構造物の周囲の特定位置における流体の圧力、密度、流量、あるいは構造物の周囲の特定位置における電磁力、音量、放射線量等が例示できる。すなわち、本明細書における「位置情報付き物理量データ」は、複数の位置ごとの物理量データをコンター図(等高線図)等で表現できる値として定義できる。
このような物理量データを用いることにより、構造物あるいはその周辺の位置ごとの物理量データから、その数値の高低あるいは密度の分布を得ることができるため、構造物の異常診断における異常箇所を特定することが可能となる。また、「位置情報付き物理量データ」は、位置情報の他に測定時刻等の他の固有情報を追加的に含ませてもよい。
センサ110は、上述のとおり、構造物自体あるいは構造物周辺の位置ごとの位置情報付き物理量データを測定できる構造を有するものであって、構造物の測定箇所に直接取り付けて測定するタイプや、構造物に対して非接触で平面的あるいは空間的に検知できるタイプのいずれのものも適用できるが、例えば、圧電センサやひずみセンサ、あるいは赤外線センサ等が用いられる。また、図1に示す具体例において、センサ110は、測定した位置情報付き物理量データを、接続線112を介して演算ユニット120に送信する。
演算ユニット120は、測定対象である構造物を模擬した構造解析モデルSMを含むデータ生成装置122と、データベース130に格納された位置情報付き物理量データを用いて状態判別モデルDMを生成するモデル作成装置124と、測定された位置情報付き物理量データが正常か異常かを状態判別モデルDMを用いて判別する判別装置126と、を含む。なお、演算ユニット120は、センサ110からの位置情報付き物理量データを受信するとともに、当該構造物から得た位置情報付き物理量データを、後述する構造解析の入力用データと異常判別に適用する診断用データとに分ける機能を有する。また、演算ユニット120は、図1に示す構造物の異常判別システム100全体の動作を制御する中央制御装置(図示せず)を含んでもよい。
データ生成装置122は、構造解析モデルSMに模擬的入力(例えばセンサ110からの入力用データ等の模擬データ)を入力し、数値演算による結果を位置情報付き物理量データとしてデータベース130に出力する。ここで、本実施例において、構造解析モデルSMは、例えば有限要素法等の数値解析手法によって構造物を模擬したモデルであって、CAE等による構造物の設計図面に基づいて、当該構造物に欠陥等の不良がない正常モデルと構造物の一部に意図的に欠陥等の不良部分を形成した異常モデルとを含むものとして構成される。これにより、データ生成装置122から出力される位置情報付き物理量データは、正常モデルの演算結果による正常状態における位置情報付き物理量データ134と異常モデルの演算結果による異常状態における位置情報付き物理量データ136とを含むものとして、データベース130に送信される。このとき、異常状態における位置情報付き物理量データ136には、上記不良部分の重要度あるいは深刻度に応じて、異常の重みづけを示すデータが付加されてもよい。
モデル作成装置124は、後述するデータベース130にアクセスしてビッグデータ132から正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136を読み込み、これらの位置情報付き物理量データに基づいて人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより、構造物に対応した状態判別モデルDMを作成する。ここで、モデル作成装置124では、状態判別モデルDMを作成するにあたり、多量の位置情報付き物理量データからなるビッグデータ132を用いて、統計解析を中心とした手法や、データマイニング、機械学習、ディープラーニング等のニューラルネットワークを応用した手法等の様々な手法を組合せて適用することができる。また、モデル作成装置124は、随時更新されるビッグデータ132に定期的にアクセスして、状態判別モデルDMを修正あるいは更新するようにしてもよい。
状態判別モデルDMは、例えば、センサ110で測定された位置情報付き物理量データを入力した際に、その測定位置や測定時刻等の固有情報を参照して、入力された位置情報付き物理量データが当該固有情報に対応する判別モデルを選択し、構造物がその判別モデルに照らして正常状態なのか、あるいは異常状態をなのかを判別して出力する機能を有する。このとき、状態判別モデルDMの出力として状態を示す代表値を出力するように構成してもよい。また、状態判別モデルDMは、複数位置での位置情報付き物理量データを同時に入力し、これら複数位置の演算結果を構造物全体の評価として統合する機能を有するように構成してもよい。
判別装置126は、大きく分けて2つの機能を有している。第1の機能は、個別のセンサ110から受信した診断用の位置情報付き物理量データを、モデル作成装置124で作成された状態判別モデルDMに入力し、その演算結果による出力に基づいて、診断される位置情報付き物理量データが正常状態における位置情報付き物理量データであるか、あるいは異常状態における位置情報付き物理量データであるかを判別する機能である。このとき、判別装置126での判別手法としては、例えば、状態判別モデルDMから何らかの状態を示す代表値が出力された場合に、当該代表値が所定の閾値を超えたか否かで正常か異常かを判別するものや、あるいは状態判別モデルDMから演算後の位置情報付き物理量データを得て、これをデータベース130に保存された正常状態における位置情報付き物理量データ134又は異常状態における位置情報付き物理量データ136と対比して正常か異常かを判別するもの等を適用できる。
第2の機能は、第1の機能で判別した複数の位置での位置情報付き物理量データ(すなわち個々のセンサ110の出力)が正常状態であるか異常状態であるかの状態と、データベース130に格納されている構造物の診断結果に対する付加的情報(例えば、異常状態における位置情報付き物理量データと判別された際の構造物全体への影響度、あるいは異常状態における位置情報付き物理量データの深刻度等)とを状態判別モデルDMに再度入力し、その演算結果を位置情報に対応した分布として表現することにより、構造物における異常の発生部位(範囲)やその深刻度を判別する機能である。
また、演算ユニット120は、判別装置126において診断した位置情報付き物理量データが異常と判別された場合に、警報を発する警報装置(図示せず)をさらに含むように構成してもよい。警報装置としては、例えば、ブザーやサイレン等の音声によるものや、ランプあるいはモニター等の表示によるもの、さらにはこれらを組合せたもの等が適用できる。
データベース130は、正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136を含むビッグデータ132を格納する記憶手段として構成される。正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136は、上記したデータ生成装置122の構造解析モデルSMで出力されたものや、同一の構造物について過去に取得された実際のデータ、あるいは対象となる構造物に類似する構造物で故障等の異常が発生した際のデータ等、様々な条件あるいは環境で生成又は測定されたものを含み得る。
ここで、データベース130は、ビッグデータ132として、位置情報付き物理量データとともに当該位置情報付き物理量データを測定したセンサ110ごとの判別結果が異常であった場合の異常発生範囲や発生時刻、あるいはその異常の深刻度といった情報を付加して保存しておいてもよい。これらの追加情報は、構造解析モデルSMで正常状態における位置情報付き物理量データ134あるいは異常状態における位置情報付き物理量データ136を生成する際や、状態判別モデルDMを作成する際に参照される。
図2は、本発明の代表的な一例による構造物の異常判別方法の手順を示すフローチャートである。図2に示すように、本発明の代表的な一例による構造物の状態判別方法は、まず構造物に取り付けた1つあるいは複数のセンサ110(図1参照)から位置情報付き物理量データを取得する(ステップS1)。このとき、上述のとおり、図1に示したデータベース130に格納されたビッグデータ132に基づいて、モデル作成装置124により予め状態判別モデルDMを作成しておく。
次に、図1に示した判別装置126において、ステップS1で取得した診断用の位置情報付き物理量データを状態判別モデルDMに入力し、当該状態判別モデルDMにて個々の位置情報付き物理量データに対する現在状態の演算を行う(ステップS2)。このとき、演算により出力される現在状態としては、上述のとおり、個々の位置情報付き物理量データにおける何らかの状態を示す代表値や、亀裂の発生あるいは変形等の状態を直接示唆するものでもよい。
続いて、ステップS2で得られた個々の位置情報付き物理量データに対する現在状態の情報に基づいて、判別装置126において個々の位置情報付き物理量データの現在状態が正常であるか異常であるかを判別する(ステップS3)。このとき、判別装置126による判別は、単に状態が正常あるいは異常であるかの情報だけでなく、例えば、状態判別モデルDMによる演算結果による数値と閾値(標準データ)との差分や異常状態の程度(深刻度)等の情報を付加してもよい。
続いて、付加的な動作として、ステップS3で判別した位置情報付き物理量データをデータベース130に格納してデータを追加する(ステップS4)。このとき、ステップS3での判別結果が正常の場合、判別された位置情報付き物理量データを正常状態における位置情報付き物理量データ134に追加し、判別結果が異常の場合には、判別された位置情報付き物理量データを異常状態における位置情報付き物理量データ136に追加する。
なお、図2に示すフローでは、ステップS3の判別の後に、ステップS4で判別された位置情報付き物理量データをデータベース130に格納する動作を例示したが、当該ステップS4の前に、上述のとおり、判別結果に応じてユーザーに警報を発する動作を追加してもよい。これにより、構造物の異常が発生した場合に直ちに対応策を講じることが可能となる。
図3は、本発明の変形例による構造物の異常判別方法の手順を示すフローチャートである。図3に示すように、本発明の変形例による構造物の状態判別方法では、図2に示したフローチャートにおけるステップS3の位置情報付き物理量データの判別までは共通した動作を行い、当該ステップS3の後にステップS3a及びステップS3bを実行する。
すなわち、ステップS3で位置情報付き物理量データに対する判別を複数のデータに対して実行した後、これらの位置情報付き物理量データが正常状態か異常状態かを判別した結果を状態判別モデルDMに入力し、当該状態判別モデルDMにて複数のデータを用いて構造物の複数の位置における現在状態の再演算を行う(ステップS3a)。このとき、状態判別モデルDMに入力されるデータとしては、位置情報付き物理量データが正常か異常か判別した現在状態と、データベース130に格納されている構造物の診断結果に対する付加的情報(例えば、異常状態における位置情報付き物理量データと判別された際の構造物全体への影響度、あるいは異常状態における位置情報付き物理量データの深刻度等)等が含まれる。
続いて、ステップS3aで得られた複数の位置情報付き物理量データに対する現在状態の情報に基づいて、判別装置126において構造物全体の現在状態を判別する(ステップS3b)。このとき、判別装置126による判別は、単に構造物の状態が正常あるいは異常であるかの情報だけでなく、例えば、状態判別モデルDMによる演算結果から、異常の発生部位や異常が発生する可能性がある範囲、あるいは構造物に対する異常の重要度、構造物に発生した異常の深刻度等の情報を追加してもよい。これにより、本発明による構造物の異常判別方法では、構造物の特定の位置あるいは範囲における現在状態が正常であるか異常であるかを判別することができる。
図4は、本発明の構造物の異常判別システムの代表的な適用例を示す概略図である。図4に示すように、本発明による構造物の異常判別システム100は、例えば、トンネル10やビル20等の建築物、あるいは走行するバス30や航空機、船舶等の輸送手段に適用可能である。本実施例において、構造物の異常判別システム100のセンサ110は、トンネル10やビル20の壁面あるいはバス30の車体等に直接取り付けられるか、又はこれらから非接触で平面的あるいは空間的に測定可能な位置に設けられる。
なお、センサ110からの信号は、図1に示すように演算ユニット120と接続線112を介して有線で送信されても良いし、図4に示すように電磁波等の無線接続により送信されてもよい。これにより、位置情報付き物理量データの測定位置が演算ユニット120から離れた遠隔地にあった場合であっても、当該遠隔地で測定されたデータを用いて構造物の現在状態の判別を実行することができる。
センサ110で取得された位置情報付き物理量データは演算ユニット120に送信され、この位置情報付き物理量データを受信した演算ユニット120において、図2又は図3に示した手順にしたがって測定対象である構造物の位置情報付き物理量データあるいは構造物自体の異常判別を実行する。また、図4に示すように、本発明による構造物の異常判別システム100の変形例として、測定の開始指令やセンサ110による測定条件を設定するための入力装置140と、この入力装置140によって入力された測定条件や構造物の各種情報さらには判別結果等を表示する表示装置150と、を含むように構成してもよい。
また、測定対象が移動する輸送手段等の場合には、図4に示した構造物の異常判別システム100を構造物(バス30等の輸送手段)に搭載するように構成してもよい。このような構成であれば、測定した位置情報付き物理量データを遠隔地に送信するのが困難な環境であっても、状態判別モデルDMによる常時最適なモデルとして演算を行うことで、位置情報付き物理量データや構造物自体の状態判別が可能となる。
このとき、演算ユニット120の状態判別モデルDMと判別装置126のみを搭載する軽量な構成を選択してもよい。このような軽量な構成であれば車載機器等の1機能として構成することも可能となる。
以上のような構成を備えることにより、本発明による構造物の異常判別システムは、データベースに格納されている正常状態における位置情報付き物理量データ及び異常状態における位置情報付き物理量データを含むビッグデータに基づいて、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成した状態判別モデルに測定された位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、構造物の現在状態を判別することにより、構造物の位置ごとに位置情報とともに取得された位置情報付き物理量データに基づいて、当該構造物の異常の発生位置又はその予兆を精度良く推定できる。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
上記した具体例では、判別装置における判別において、演算結果が所定の閾値を超えた場合に現在状態が異常であると判別したものを例示したが、例えば上記所定の閾値を段階的に設定し、第1の閾値を超えたときは異常の前兆として把握し、第2の閾値を超えたときに異常を判別するようにしてもよい。これにより、構造物に異常が発生する場合の予兆を把握することが可能となる。
10 トンネル
20 ビル
30 バス
100 構造物の異常判別システム
110 センサ
112 接続線
120 演算ユニット
122 データ生成装置
124 モデル作成装置
126 判別装置
130 データベース
132 ビッグデータ
134 正常状態における位置情報付き物理量データ
136 異常状態における位置情報付き物理量データ
140 入力装置
150 表示装置

Claims (12)

  1. 構造物から位置情報とともに測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルに入力することにより、前記構造物の異常を判別する構造物の異常判別方法であって、
    前記状態判別モデルは、データベースに格納されている正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータに基づいて、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成したものであり、
    前記状態判別モデルに測定された前記位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、前記構造物の現在状態を判別することを特徴とする構造物の異常判別方法。
  2. 前記正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び前記異常状態における前記位置情報付き物理量データは、構造解析を用いた演算により生成されたものを含むことを特徴とする請求項1記載の構造物の異常判別方法。
  3. 前記位置情報付き物理量データは複数の位置において個別に測定され、前記状態判別モデルは、前記複数の位置ごとにおける前記位置情報付き物理量データを同時に入力して前記演算結果を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物の異常判別方法。
  4. 前記現在状態が異常と判別された場合に、警報を発することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造物の異常判別方法。
  5. 前記位置情報付き物理量データは遠隔地により測定されたものであり、前記遠隔地で測定された前記位置情報付き物理量データを用いて前記現在状態の判別を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造物の異常判別方法。
  6. 前記現在状態が判別された前記位置情報付き物理量データを、前記正常状態における前記位置情報付き物理量データあるいは前記異常状態における前記位置情報付き物理量データとして前記ビッグデータに追加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造物の異常判別方法。
  7. 構造物から位置情報とともに測定される位置情報付き物理量データを状態判別モデルに入力することにより、前記構造物の異常を判別する構造物の異常判別システムであって、
    前記位置情報付き物理量データを測定するセンサと、正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータを格納するデータベースと、前記状態判別モデルを内蔵した演算ユニットと、を含み、
    前記状態判別モデルは、前記ビッグデータに基づいて人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより作成したものであり、
    前記演算ユニットは、前記状態判別モデルに測定された前記位置情報付き物理量データを入力し、当該状態判別モデルからの演算結果に基づいて、前記構造物の現在状態を判別する判別装置をさらに含むことを特徴とする構造物の異常判別システム。
  8. 前記正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び前記異常状態における前記位置情報付き物理量データは、構造解析を用いた演算により生成されたものを含むことを特徴とする請求項7記載の構造物の異常判別システム。
  9. 前記センサは複数の位置ごとの測定が可能となる構成を有しており、前記判別装置は、前記複数の位置ごとの前記位置情報付き物理量データを同時に前記状態判別モデルに入力して前記演算結果を出力することを特徴とする請求項7又は8に記載の構造物の異常判別システム。
  10. 前記演算ユニットは、前記判別装置で前記現在状態が異常と判別された場合に、警報を発する警報装置をさらに含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の構造物の異常判別システム。
  11. 前記センサは遠隔地に設けられ、前記演算ユニットは、前記遠隔地で測定された前記位置情報付き物理量データを用いて前記現在状態の判別を実行することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の構造物の異常判別システム。
  12. 前記判別装置は、前記現在状態が判別された前記位置情報付き物理量データを、前記正常状態における前記位置情報付き物理量データあるいは前記異常状態における前記位置情報付き物理量データとして前記ビッグデータに追加する機能をさらに有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の構造物の異常判別システム。

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