JP6075523B2 - 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 - Google Patents
新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6075523B2 JP6075523B2 JP2012102500A JP2012102500A JP6075523B2 JP 6075523 B2 JP6075523 B2 JP 6075523B2 JP 2012102500 A JP2012102500 A JP 2012102500A JP 2012102500 A JP2012102500 A JP 2012102500A JP 6075523 B2 JP6075523 B2 JP 6075523B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coupling agent
- inorganic filler
- weight
- formula
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
で示される有機ケイ素化合物からなるカップリング剤を用いることにある。
好ましくは、式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、R1は炭素数2〜8のアルキレン基であり、Xは−Si(OR2)a(R3) 3-a[式中、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は基−(R4O)b−R5(式中、R4は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、bは1〜6の整数を示す)、R3が炭素数1〜4のアルキル基または炭素数が1〜8のアルコキシアルキル基を示し、aは2〜3の整数を示し、nは2〜4の整数である。
さらに好ましくは、式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、R1は炭素数2〜4のアルキレン基、Xは−Si(OR2)3、R2は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは2〜4の整数である。
本発明の有機ケイ素化合物のカップリング剤(A)は、特に制限されないが、例えば、下記式(B)
で表される化合物と、下記式(C)
で表される化合物とを反応(エンチオール反応)させることにより得られる。
本発明の有機シラン化合物は、加水分解縮合性基(すなわち、前記式(A)において、Xは−Si(OR2)a(R3)3−aで表される基)を有しているため、加水分解縮合(ゾルゲル反応)により重合(又は硬化)可能であり、重合性組成物を形成できる。そのため、他の公知のカップリング剤と混合してゾルゲル反応によりハイブリッド膜を形成することも可能である。
ジアリルヘキサヒドロフタレート5.05g(20mmol)と3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.85g(40mmol)をトルエン73mLに溶解させた。得られた溶液に光重合開始剤としてイルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)401mgを添加した後、溶液を攪拌しながら紫外線を照射(100mW/cm23分間)して反応させた。反応液を減圧濃縮してトルエンを留去し、ビス(7−トリメトキシシリル−4−チオヘプチル)ヘキサヒドロフタレート(化合物(1))12.9gを得た。物性値を以下に示す。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 0.75(m,4H,),1.33−1.60(m,4H),1.63−1.80(m,4H),1.83−1.95(m,4H),3.47−2.61(m,8H),2.81(t,2H),3.57(s,18H),4.10−4.25(m,4H)
13C NMR(68MHz,CDCl3)δ 8.6,23.0,23.8,26.3,28.4,28.8,35.0,42.6,50.5,63.0,173.3
ジアリル3or4−メチルヘキサヒドロフタレート(3位35%、4位65%)5.33g(20mmol)と3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.85g(40mmol)をトルエン73mLに溶解させた。得られた溶液に光重合開始剤としてイルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)401mgを添加した後、溶液を攪拌しながら紫外線を照射(100mW/cm2、3分間)して反応させた。反応液を減圧濃縮してトルエンを留去し、ビス(7−トリメトキシシリル−4−チオヘプチル)イソフタレート(化合物(2))13.1gを得た。
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、合成例1で得られたカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤に酸化チタン粒子(平均粒径0.5μm)(チタン工業社製)50gを30分浸漬し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理された酸化チタン粒子を得た。
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、合成例2で得られたカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤にアルミナ粒子(平均粒径3μm)(昭和電工社製)50gを30分浸漬し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理されたアルミナ粒子を得た。
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、一般式(5)で示されるカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤に酸化ジルコニウム粒子(平均粒径20nm)(第一稀元素化学工業社製)20gを10分間ホモジナイザーで分散し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理された酸化ジルコニウム粒子を得た。
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、一般式(7)で示されるカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤に酸化亜鉛粒子(平均粒径25nm)(堺化学工業社製)20gを10分間ホモジナイザーで分散し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理された酸化亜鉛粒子を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001)(三菱化学社製)(主剤)100重量部に改質処理例1で改質処理を行なった酸化チタン200重量部、アミン系硬化剤30重量部を添加し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型成形して試験片1とした。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001)(三菱化学社製)(主剤)100重量部に改質処理例2で改質処理を行なったアルミナ200重量部、アミン系硬化剤30重量部を添加し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型成形して試験片2とした。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001)(三菱化学社製)(主剤)100重量部にアルミナ(平均粒径30μm)200重量部、一般式(10)で示されるカップリング剤5重量部、アミン系硬化剤30重量部を添加し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型成形して試験片3とした。
カップリング剤を入れないこと以外は実施例3と全く同様にして試験片4を得た。
カップリング剤として一般式(10)の代わりに市販のシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を5重量部添加したこと以外は実施例3と全く同様にして試験片5を得た。
結果を表1に示す。
改質処理例3で処理を行なった酸化ジルコニウム粒子20重量部およびメチルエチルケトン80重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、得られた処理液100重量部に対してポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン200)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して平均粒径20.3nmの金属酸化物充填剤分散液を得た。
改質処理例4で処理を行なった酸化亜鉛粒子20重量部およびメチルエチルケトン80重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、得られた処理液100重量部に対してポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン200)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して平均粒径25.2nmの金属酸化物充填剤分散液を得た。
酸化ジルコニウム粒子(平均粒径15nm)20重量部に対し、一般式(22)で示されるカップリング剤を2重量部、およびメチルエチルケトン78重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、回収した。得られた処理液100重量部に対してビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピコート806)(三菱化学社製)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して平均粒径15.6nmの金属酸化物充填剤分散液を得た。
酸化ジルコニウム粒子(平均粒径15nm)20重量部に対し、市販のシランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを2重量部、およびメチルエチルケトン78重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、回収した。得られた処理液100重量部に対してビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピコート806)(三菱化学社製)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して金属酸化物充填剤分散液を得た。
(外観)
作製した金属酸化物充填剤分散体の外観を観察し、分散性の確認を行なった。分散し透明性のあるものを○、沈降はあるが分散しているものを△、透明性がなく、分散していないものを×とした。
結果を表2に示す。
化合物(14)で示されるカップリング剤30重量部をトルエン100重量部で希釈し、塗工液A−1を調整した。
化合物(17)で示されるカップリング剤30重量部をトルエン100重量部で希釈し、塗工液A−2を調整した。
ジアリルフタレートポリマー(ダイソー社製)をアセトンに溶解させて20重量%のアセトン溶液とし、アセトン溶液100gに対して、光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF ジャパン社製)を60mgを添加し、塗工液Bを調整した。
ガラス基板上に塗工液A−1を塗布し、150℃で2時間処理することにより10μm厚の塗膜を形成した後に、塗工液Bを50μm厚に塗布し、紫外線を照射(100mW/cm2、30秒間)した。
ガラス基板上に塗工液A−2を塗布し、150℃で2時間処理することにより10μm厚の塗膜を形成した後に、塗工液Bを50μm厚に塗布し、紫外線を照射(100mW/cm2、30秒間)した。
塗工液A−1を使用せず、ガラス上に直接塗工液Bを50μm厚に塗布したこと以外は実施例7と全く同様に操作を行った。
この結果を表3に示す。
Claims (6)
- 式(A)において、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、R1は炭素数2〜4のアルキレン基、Xは−Si(OR2)3、R2は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは2〜4の整数である、請求項1記載の有機ケイ素化合物からなるカップリング剤。
- 請求項1または2記載のカップリング剤を用いて無機充填剤の表面処理を施すことを特徴とする無機充填剤の改質処理方法。
- 請求項1または2記載のカップリング剤と無機充填剤と高分子材料を用いることを特徴とする高分子材料の改質処理方法。
- 無機充填剤が酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムであることを特徴とする請求項3または4記載の改質処理方法。
- 請求項1または2記載のカップリング剤を用いて基材の上に表面コートし、加熱処理を施して薄膜を形成することを特徴とする基材の改質処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012102500A JP6075523B2 (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012102500A JP6075523B2 (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013230991A JP2013230991A (ja) | 2013-11-14 |
JP6075523B2 true JP6075523B2 (ja) | 2017-02-08 |
Family
ID=49677795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012102500A Active JP6075523B2 (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6075523B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0733786A (ja) * | 1993-07-27 | 1995-02-03 | Cemedine Co Ltd | 反応性化合物及びその製造方法 |
JP3364355B2 (ja) * | 1994-07-29 | 2003-01-08 | ポーラ化成工業株式会社 | 新規なフッ素化シリコーン樹脂及びその製造方法 |
JPH0953023A (ja) * | 1995-08-10 | 1997-02-25 | Pola Chem Ind Inc | シリコーン処理粉体及びそれを含有する組成物 |
MY164448A (en) * | 2003-12-15 | 2017-12-15 | Ciba Holding Inc | Coupling agents between filler and elastomer |
-
2012
- 2012-04-27 JP JP2012102500A patent/JP6075523B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013230991A (ja) | 2013-11-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5625182B2 (ja) | 硬化性組成物及び有機ケイ素化合物の製造方法 | |
JP5483810B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP7236773B2 (ja) | 光硬化性ハードコート用樹脂組成物 | |
JP6368240B2 (ja) | 金属酸化物分散体、金属酸化物分散体含有重合性組成物、およびその重合物 | |
EP3241875B1 (en) | Resin composition for hard coating, and hard-coating film comprising cured form of same as coating layer | |
WO2010067876A1 (ja) | マレイミド基で表面修飾した無機酸化物微粒子を含む硬化型組成物 | |
JP2008044979A (ja) | 硬化性樹脂組成物及び反射防止膜 | |
KR20150013824A (ko) | 경화성 조성물 및 그의 경화물 | |
TW201927735A (zh) | 含有不飽和雙鍵之化合物、使用其之氧吸收劑、及樹脂組成物 | |
JP2010083744A (ja) | シリカ粒子分散液およびその製造方法 | |
KR20080050335A (ko) | 경화성 수지 조성물 및 반사 방지막 | |
TWI818087B (zh) | 具有噻噸酮骨架的二烷基過氧化物、含有該具有噻噸酮骨架的二烷基過氧化物的聚合性組合物、由該聚合性組合物形成的固化物及該固化物的製備方法 | |
JP6299235B2 (ja) | 9,10−ビス(長鎖アシルオキシ)アントラセン化合物、その製造法及びその用途 | |
WO2007145241A1 (ja) | 重合促進剤、硬化性組成物および硬化物ならびにチオール化合物の製造方法 | |
JP2010024380A (ja) | 硬化型被覆材組成物 | |
JP2007262124A (ja) | 硬化性樹脂組成物及び反射防止膜 | |
JP6075523B2 (ja) | 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 | |
JP2011190179A (ja) | 新規フルオレン化合物およびその金属酸化物複合体 | |
JP2017210597A (ja) | 無機充填剤の表面処理方法 | |
JP2020180063A (ja) | フルオレン化合物およびその製造方法 | |
WO2019107026A1 (ja) | 含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、撥液剤、これを含む樹脂組成物及び硬化膜 | |
Çınar et al. | Synthesis of polyurethane acrylate hybrids containing fluorine and siloxane by the sol–gel method for UV-curable coatings | |
JP6083888B2 (ja) | 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 | |
JP2020519709A (ja) | コーティング用樹脂組成物及びその硬化物をコーティング層として含むコーティングフィルム | |
JP2015131942A (ja) | アンチブロッキングハードコート材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141204 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160209 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20160404 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20160404 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161104 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161214 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161227 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6075523 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |