JP6075523B2 - 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 - Google Patents

新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6075523B2
JP6075523B2 JP2012102500A JP2012102500A JP6075523B2 JP 6075523 B2 JP6075523 B2 JP 6075523B2 JP 2012102500 A JP2012102500 A JP 2012102500A JP 2012102500 A JP2012102500 A JP 2012102500A JP 6075523 B2 JP6075523 B2 JP 6075523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coupling agent
inorganic filler
weight
formula
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012102500A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013230991A (ja
Inventor
植田 秀昭
秀昭 植田
藤本 亮輔
亮輔 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Osaka Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Soda Co Ltd filed Critical Osaka Soda Co Ltd
Priority to JP2012102500A priority Critical patent/JP6075523B2/ja
Publication of JP2013230991A publication Critical patent/JP2013230991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6075523B2 publication Critical patent/JP6075523B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

本発明は、無機充填剤などの表面の改質処理に用いられ、高分子材料に対する親和性を高める新規なカップリング剤、およびこのカップリング剤を用いた無機充填剤の表面の改質処理方法およびこの無機充填剤を用いた複合材料に関する。
従来より、シリカ,アルミナ,チタニア,炭酸カルシウム,カーボン繊維,ガラス繊維などの無機充填剤をカップリング剤で表面処理し、無機充填剤表面に官能基を付与し、この無機充填剤をマトリックスとなるエポキシ樹脂などの高分子材料に充填して、無機充填剤と高分子材料との親和性を高めて、機械的強度,耐水性,接着性などの物性が改善された複合材料を得ることが広く行われている。
しかしながら、特許文献1、2に類似のカップリング剤の記載があるが、特殊な用途であり、無機充填剤のなかでも、アルミナ,チタニア、ジルコニアなどはカップリング剤との反応性が乏しく、表面処理の効果が十分に発揮されない欠点があり、これらの無機充填剤を用いた複合材料にあっては、物性の改善が不十分であるという課題があった。
特開2010−095457 特開2011−190179
本発明の課題は、アルミナ,酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの無機充填剤に対しても十分に反応し、良好な表面処理効果が達成できる新規なカップリング剤を得ることにある。
本発明によれば、下記一般式(A)
Figure 0006075523
[式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rは、アルキレン基であり、Xは−Si(OR)a(R) 3-a[式中、Rはアルキル基又は−(RO)−R(式中、Rは、アルキレン基であり、Rはアルキル基であり、bは1以上の整数を示す)、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、aは1〜3の整数を示す。]で表される基を示し、nは2〜4の整数である。]
で示される有機ケイ素化合物からなるカップリング剤を用いることにある。
また、下記に示す一般式(A)で表わされる新規なカップリング剤を用い、このカップリング剤で無機充填剤の表面を改質処理することによって得られる。
Figure 0006075523
(式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良い。Rは、アルキレン基であり、Xは−Si(OR)a(R) 3-a[式中、Rはアルキル基又は−(RO)−R(式中、Rは、アルキレン基であり、Rはアルキル基であり、bは1以上の整数を示す)、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、aは1〜3の整数を示す。]で表される基を示し、nは2〜4の整数である。)
さらには、一般式(A)で表わされる新規なカップリング剤と無機充填剤と高分子材料を用いることによって得られる複合材料を提供する。
またさらには、一般式(A)で表わされる新規なカップリング剤を用いて基材の上に表面コートし、加熱処理を施して薄膜を形成することによって得られる基材の改質処理方法を提供する。
またさらには、カップリング剤または、他の公知のカップリング剤を混合してゾルゲル反応によりハイブリッド膜を形成することを特徴とする有機無機ハイブリッド膜を提供する。
本発明によれば、従来のシランカップリング剤による処理では十分な改質処理効果が得られなかったアルミナ,チタニアなどの無機充填剤に対しても、高い改質処理効果が得られ、この処理無機充填剤を高分子材料に充填した複合材料も機械的強度,耐水性,接着性,電気的特性などの諸物性が格段に改善されたものとなる。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、新規なカップリング剤について説明する。本発明の新規なカップリング剤は、一般式(A)で表わされる。
Figure 0006075523
式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rはアルキレン基であり、Xは−Si(OR)a(R) 3-a[式中、Rはアルキル基又は−(RO)−R(式中、Rは、アルキレン基であり、Rはアルキル基であり、bは1以上の整数を示す)、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、aは1〜3の整数を示す。]で表される基を示し、nは2〜4の整数である。
好ましくは、式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Xは−Si(OR)a(R) 3-a[式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又は基−(RO)−R(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、bは1〜6の整数を示す)、Rが炭素数1〜4のアルキル基または炭素数が1〜8のアルコキシアルキル基を示し、aは2〜3の整数を示し、nは2〜4の整数である。
さらに好ましくは、式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Xは−Si(OR)3、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは2〜4の整数である。
式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Xは−Si(OR)3、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは2〜4の整数である有機ケイ素化合物からなるカップリング剤(A)は下記一般式(1)〜(24)で例示される。
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
Figure 0006075523
次に、このカップリング剤を用いて無機充填剤の表面に改質処理を施す方法について説明する。
本発明の改質処理方法では、具体的な表面改質方法としては、まずカップリング剤をアルコール,アセトンなどの水溶性有機溶剤と水との混合溶媒に溶解し、アルコキシ基を加水分解した水溶液とする。ついで、このカップリング剤水溶液と無機充填剤とを接触させる。この改質処理方法にはこの水溶液中に無機充填剤を投入・攪拌したのちろ別し、無機充填剤を乾燥する方法や無機充填剤上にこの水溶液を噴霧したり、注ぐなどしたのち、無機充填剤を乾燥する方法が用いられる。また、水溶性の有機溶剤を用いず、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の有機溶剤にカップリング剤を溶解させ、無機充填剤と混合して乾燥させることによっても改質処理をすることができる。
カップリング剤の使用量は、無機充填剤の表面改質処理前後の重量増加分が処理前の無機充填剤に対して0.2〜5%、好ましくは1〜3%となるように、水溶液の濃度を定めておくことが好ましい。このような表面の改質処理により、カップリング剤のアルコキシ基が加水分解して、末端OH基となり、このOH基が無機充填剤の表面の薄い酸化膜の酸素と水素結合して、無機充填剤の表面にカップリング剤が結合することになる。
このようにして表面の改質処理された無機充填剤は、マトリックスとなる高分子材料に充填(添加)されて、複合材料となる。ここでの高分子材料としては、特に限定されず、一般的なポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂やアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。無機充填剤の高分子材料への充填量は、得られる複合材料の用途によって定められ、高分子材料100重量部に対して通常20〜500重量部の範囲で定められることが多いが、無機充填剤の高分子材料に対する親和性が表面の改質処理によって向上しているので、多量の配合が可能であり、相分離を生じることがない。
本発明に使用される無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の金属酸化物やフッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等のフッ化物や炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩、硫化鉄、硫化マグネシウム、硫化亜鉛等の硫化物、窒化マグネシウム、窒化炭素等の窒化物等が上げられる。
また、本発明のカップリング剤を用いて基材の表面を改質することができる。基材の改質方法はカップリング剤を用いて基材の上に表面コートし、加熱処理を施して薄膜を形成させる。本発明で用いられる基材としては、フィルム状、板状、筒状のものが用いられ、その材質としては、金属、合金、ガラス等の無機材料やポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート等のプラスチック材料が用いられる。
具体的な充填の方法は、マトリックスとなる高分子材料が未硬化で液状のもの、例えばエポキシ樹脂,ウレタン樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ・アクリレート,ウレタン・アクリレートなどの紫外線硬化樹脂では、処理剤の無機充填剤をこれに加え、混合したのち、適宜の硬化手段により、硬化させる方法が用いられる。また、高分子材料が熱可塑性のパウダー状,ペレット状のものでは、両者をブレンダー,高速ミキサーなどで混合し、押出機で混練する方法などが用いられ、従来の無機充填剤の充填方法をそのまま利用することができる。
また、本発明では、カップリング剤によって無機充填剤を表面処理を施すことなく、無機充填剤と高分子材料とカップリング剤の三者を直接混合することによって複合材料とすることができる。具体的には、高分子材料に無機充填剤およびカップリング剤を添加し、これら三者を混合する方法などが採用される。
この方法では、無機充填剤の粒子表面に吸着されている微量の水分とカップリング剤のアルコキシ基とが反応してカップリング剤が無機充填剤に結合し、これにより予め改質処理とするものとほぼ同様の効果が得られる。この方法では、製造操作が簡素化され、コストが低減できるが、得られる複合材料中に未反応のカップリング剤、アルコールが残留し、複合材料の軟化温度,耐熱性,硬さ,ヤング率などの物性が表面処理した充填剤を用いるものに比べて若干低下することになる。
本発明にあっては、一般式(A)で示されるカップリング剤によってアルミナやチタニアなどの従来のシランカップリング剤による表面処理では十分な処理効果が得られなかった無機充填剤に対しても、十分な処理効果が得られ、無機充填剤と高分子材料との親和性が向上し、得られる複合材料の物性も高度に改善されたものとなる。
(製造方法)
本発明の有機ケイ素化合物のカップリング剤(A)は、特に制限されないが、例えば、下記式(B)
Figure 0006075523
(式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良い。nは2〜4の数字を示す。)
で表される化合物と、下記式(C)
Figure 0006075523
(式中、Rはアルキレン基であり、Rはアルキル基又は−(RO)−R(式中、Rは、アルキレン基であり、Rはアルキル基であり、bは1以上の整数を示す)、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、aは1〜3の整数を示す。)
で表される化合物とを反応(エンチオール反応)させることにより得られる。
なお、前記式(B)、(C)で表される化合物は、市販品を使用してもよく、慣用の方法により合成したものを使用してもよい。例えば、前記式(B)で表される化合物は、対応するカルボン酸または酸無水物をアリル化することにより得ることができる。代表的には、カルボン酸または酸無水物と、アリルハライド(例えば、アリルクロライドなど)とを反応させることにより得てもよい。
なお、副生するハロゲン化水素をトラップ(捕捉)するため、アリルハライドを用いるアリル化反応は、塩基存在下で行ってもよい。
また、前記式(C)において、R、R、R、aは好ましい態様を含めて前記と同じである。代表的な前記式(C)で表される化合物(アルコキシシラン類)としては、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン(例えば、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプトC2−4アルキルトリC1−4アルコキシシラン)、メルカプトアルキルジアルコキシシラン(例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプトC2−4アルキルC1−4アルキルジC1−4アルコキシシラン)などが挙げられる。
エンチオール反応において、前記式(C)で表される化合物の使用割合は、前記式(B)で表される化合物1モルに対して、例えば、2〜20モル、好ましくは2〜10モル、より好ましくは2〜8モル、さらに好ましくは2〜5モルである。
前記式(B)で表される化合物と前記式(C)で表される化合物との反応(エンチオール反応)は、通常、重合開始剤の存在下で行ってもよい。重合開始剤としては、熱重合開始剤(熱ラジカル発生剤)、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)が挙げられ、好ましい重合開始剤は光重合開始剤である。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など);アセトフェノン類(アセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−フェニル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど);プロピオフェノン類(p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなど);ブチリルフェノン類[1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンなど];アミノアセトフェノン類[2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−ブタン−1−オンなど];ベンゾフェノン類(ベンゾフェノン、ベンジル、N,N’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのN,N’−ジアルキルアミノベンゾフェノンなど);ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど);チオキサンテン類(チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテンなど);アントラキノン類(2−エチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノンなど);(チオ)キサントン類(チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど);アクリジン類(1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタンなど);トリアジン類(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジンなど);スルフィド類(ベンジルジフェニルサルファイドなど);アシルフォスフィンオキサイド類(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなど);チタノセン類;オキシムエステル類などが例示できる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
なお、光重合開始剤は、市販品、例えば、商品名「イルガキュア」「ダロキュア」(BASF ジャパン社製)、商品名「サイラキュア」(ユニオンカーバイド社製)などとして入手できる。
熱重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド類(ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類[ジアルカノイルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイドなど)、ジアロイルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルトルイルパーオキサイド、トルイルパーオキサイドなど)など]、過酸エステル類[過酢酸t−ブチル、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過カルボン酸アルキルエステルなど]、ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類などの有機過酸化物;アゾニトリル化合物[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)など]、アゾアミド化合物{2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}など}、アゾアミジン化合物{2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩など}、アゾアルカン化合物[2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)など]、オキシム骨格を有するアゾ化合物[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)など]などのアゾ化合物などが挙げられる。熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤の割合は、前記式(B)で表される化合物及び前記式(C)で表される化合物の総量100重量部に対して、0.1〜15重量部、好ましくは0.2〜10重量部の範囲から選択でき、より好ましくは、0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部、特に好ましくは0.7〜5重量部である。
なお、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、慣用の成分、例えば、第3級アミン類[例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミルなどのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンなど]、トリフェニルホスフィンなどのフォスフィン類、N,N−ジメチルトルイジンなどのトルイジン類、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどのアントラセン類などが挙げられる。光増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
光増感剤の使用量は、前記光重合開始剤100重量部に対して、例えば、0.1〜150重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜75重量部、さらに好ましくは10〜50重量部である。
なお、反応は、溶媒中で行ってもよい。溶媒としては、例えば、アルコール類(エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルキルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類など)、炭化水素類(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酪酸エチルなど)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドンなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなど)、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルなど)、グリコールエーテルエステル類(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒が挙げられる。溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。
溶媒中の前記式(B)で表される化合物および前記式(C)で表される化合物の総量の割合は、1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
エンチオール反応は、前記式(B)で表される化合物と前記式(C)で表される化合物とを接触させることにより進行するが、通常、前記式(B)で表される化合物および前記式(C)で表される化合物を含む反応系に、活性エネルギーを付与することにより反応(エンチオール反応)させてもよい。活性エネルギーの付与により、容易にエンチオール反応を進行させることができる。
活性エネルギーとしては、重合開始剤の種類などに応じて、熱エネルギー及び/又は光エネルギー(特に、少なくとも光エネルギー)を利用できる。
熱エネルギーを付与する場合(例えば、熱重合開始剤を使用する場合など)、加熱温度としては、例えば、50〜250℃、好ましくは60〜200℃、さらに好ましくは80〜180℃である。
また、光エネルギーを付与する場合(例えば、光重合開始剤を使用する場合など)、光としては、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線などが利用できるが、通常、紫外線である場合が多い。
光源としては、例えば、紫外線の場合は、ディープ(Deep)UVランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)などを用いることができる。光の波長は、例えば、150〜800nm、好ましくは150〜600nm、さらに好ましくは200〜400nm(特に300〜400nm)程度であってもよい。照射光量(照射エネルギー)は、特に限定されず、例えば、1〜10000mW、好ましくは5〜5000mW、さらに好ましくは10〜1000mW程度であってもよい。また、照射時間は、特に限定されず、5秒〜60分、好ましくは10秒〜30分、さらに好ましくは30秒〜10分である。
なお、熱エネルギー(加熱)と光エネルギー(光照射)とを組み合わせてもよい。
上記のようにして、前記式(A)で表される化合物が得られる。反応混合物からの前記式(A)で表される化合物の分離精製は、慣用の方法を用いて行うことができる。
[重合性組成物および硬化物]
本発明の有機シラン化合物は、加水分解縮合性基(すなわち、前記式(A)において、Xは−Si(OR)(R)3−aで表される基)を有しているため、加水分解縮合(ゾルゲル反応)により重合(又は硬化)可能であり、重合性組成物を形成できる。そのため、他の公知のカップリング剤と混合してゾルゲル反応によりハイブリッド膜を形成することも可能である。
本発明のアリルエステル化合物は、例えば紫外線・電子線などの活性エネルギー線硬化型または熱硬化型のインキ・塗料・コーティング剤などの原料用途に利用してよい。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
<合成例1>
ジアリルヘキサヒドロフタレート5.05g(20mmol)と3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.85g(40mmol)をトルエン73mLに溶解させた。得られた溶液に光重合開始剤としてイルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)401mgを添加した後、溶液を攪拌しながら紫外線を照射(100mW/cm3分間)して反応させた。反応液を減圧濃縮してトルエンを留去し、ビス(7−トリメトキシシリル−4−チオヘプチル)ヘキサヒドロフタレート(化合物(1))12.9gを得た。物性値を以下に示す。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 0.75(m,4H,),1.33−1.60(m,4H),1.63−1.80(m,4H),1.83−1.95(m,4H),3.47−2.61(m,8H),2.81(t,2H),3.57(s,18H),4.10−4.25(m,4H)
13C NMR(68MHz,CDCl3)δ 8.6,23.0,23.8,26.3,28.4,28.8,35.0,42.6,50.5,63.0,173.3
<合成例2>
ジアリル3or4−メチルヘキサヒドロフタレート(3位35%、4位65%)5.33g(20mmol)と3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.85g(40mmol)をトルエン73mLに溶解させた。得られた溶液に光重合開始剤としてイルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)401mgを添加した後、溶液を攪拌しながら紫外線を照射(100mW/cm、3分間)して反応させた。反応液を減圧濃縮してトルエンを留去し、ビス(7−トリメトキシシリル−4−チオヘプチル)イソフタレート(化合物(2))13.1gを得た。
改質処理例1(酸化チタン(チタニア)粒子の処理)
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、合成例1で得られたカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤に酸化チタン粒子(平均粒径0.5μm)(チタン工業社製)50gを30分浸漬し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理された酸化チタン粒子を得た。
改質処理例2(アルミナ粒子の処理)
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、合成例2で得られたカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤にアルミナ粒子(平均粒径3μm)(昭和電工社製)50gを30分浸漬し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理されたアルミナ粒子を得た。
改質処理例3(酸化ジルコニウム(ジルコニア)粒子の処理)
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、一般式(5)で示されるカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤に酸化ジルコニウム粒子(平均粒径20nm)(第一稀元素化学工業社製)20gを10分間ホモジナイザーで分散し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理された酸化ジルコニウム粒子を得た。
改質処理例4(酸化亜鉛粒子の処理)
内容量100mlのビーカーにトルエン50gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、一般式(7)で示されるカップリング剤を0.5g添加し、均一に溶解させて表面処理剤を得た。この表面処理剤に酸化亜鉛粒子(平均粒径25nm)(堺化学工業社製)20gを10分間ホモジナイザーで分散し、オーブン中で70℃にて2時間乾燥することによって改質処理された酸化亜鉛粒子を得た。
[実施例1]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001)(三菱化学社製)(主剤)100重量部に改質処理例1で改質処理を行なった酸化チタン200重量部、アミン系硬化剤30重量部を添加し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型成形して試験片1とした。
[実施例2]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001)(三菱化学社製)(主剤)100重量部に改質処理例2で改質処理を行なったアルミナ200重量部、アミン系硬化剤30重量部を添加し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型成形して試験片2とした。
[実施例3]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001)(三菱化学社製)(主剤)100重量部にアルミナ(平均粒径30μm)200重量部、一般式(10)で示されるカップリング剤5重量部、アミン系硬化剤30重量部を添加し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型成形して試験片3とした。
[比較例1]
カップリング剤を入れないこと以外は実施例3と全く同様にして試験片4を得た。
[比較例2]
カップリング剤として一般式(10)の代わりに市販のシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を5重量部添加したこと以外は実施例3と全く同様にして試験片5を得た。
これらの試験片について曲げ強度(Kg/mm2)およびtanδを測定した。また、試験片を70℃の温水に24時間浸漬した後の吸水率(%)、曲げ強度(Kg/mm2)、tanδを測定した。曲げ強度については、80mm×10mm×4mmの試験片を用いてJIS K7171に基づき、3点曲げ法で測定した。tanδについては、試験片を空洞共振器摂動法誘電率測定装置[(株)関東電子応用開発製]を用いて2GHzで測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0006075523
表1から、無添加や従来のシランカップリング剤に比べて、吸水後の全ての物性値において、本発明のカップリング剤が高い改質処理効果を示していることが判る。
[実施例4]
改質処理例3で処理を行なった酸化ジルコニウム粒子20重量部およびメチルエチルケトン80重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、得られた処理液100重量部に対してポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン200)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して平均粒径20.3nmの金属酸化物充填剤分散液を得た。
[実施例5]
改質処理例4で処理を行なった酸化亜鉛粒子20重量部およびメチルエチルケトン80重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、得られた処理液100重量部に対してポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン200)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して平均粒径25.2nmの金属酸化物充填剤分散液を得た。
[実施例6]
酸化ジルコニウム粒子(平均粒径15nm)20重量部に対し、一般式(22)で示されるカップリング剤を2重量部、およびメチルエチルケトン78重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、回収した。得られた処理液100重量部に対してビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピコート806)(三菱化学社製)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して平均粒径15.6nmの金属酸化物充填剤分散液を得た。
[比較例3]
酸化ジルコニウム粒子(平均粒径15nm)20重量部に対し、市販のシランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを2重量部、およびメチルエチルケトン78重量部をビーズミル条件周速8m/sにて30分処理し、回収した。得られた処理液100重量部に対してビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピコート806)(三菱化学社製)を2重量部配合し、超音波分散機で30分処理して金属酸化物充填剤分散液を得た。
(評価方法)
(外観)
作製した金属酸化物充填剤分散体の外観を観察し、分散性の確認を行なった。分散し透明性のあるものを○、沈降はあるが分散しているものを△、透明性がなく、分散していないものを×とした。
結果を表2に示す。
Figure 0006075523
表2から、従来のシランカップリング剤に比べて本発明のカップリング剤が高い分散効果を示していることが判る。
(塗工液A−1の調製)
化合物(14)で示されるカップリング剤30重量部をトルエン100重量部で希釈し、塗工液A−1を調整した。
(塗工液A−2の調製)
化合物(17)で示されるカップリング剤30重量部をトルエン100重量部で希釈し、塗工液A−2を調整した。
(塗工液Bの調製)
ジアリルフタレートポリマー(ダイソー社製)をアセトンに溶解させて20重量%のアセトン溶液とし、アセトン溶液100gに対して、光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF ジャパン社製)を60mgを添加し、塗工液Bを調整した。
[実施例7]
ガラス基板上に塗工液A−1を塗布し、150℃で2時間処理することにより10μm厚の塗膜を形成した後に、塗工液Bを50μm厚に塗布し、紫外線を照射(100mW/cm、30秒間)した。
[実施例8]
ガラス基板上に塗工液A−2を塗布し、150℃で2時間処理することにより10μm厚の塗膜を形成した後に、塗工液Bを50μm厚に塗布し、紫外線を照射(100mW/cm、30秒間)した。
[比較例4]
塗工液A−1を使用せず、ガラス上に直接塗工液Bを50μm厚に塗布したこと以外は実施例7と全く同様に操作を行った。
得られた塗膜の接着性をクロスカット試験(JIS K5600)にて評価した。
この結果を表3に示す。
Figure 0006075523
比較例4はグリッドをカッターで入れた段階で剥離した。
表3に示した結果から、本発明のカップリング剤が高いアンカー効果を示していることが判った。
以上説明したように、本発明によれば、従来のシランカップリング剤による処理では充分な改質処理効果が得られなかったアルミナ、チタニアなどの無機充填剤に対しても、高い改質処理効果が得られ、この改質処理無機充填剤を高分子材料に充填した複合材料も機械的強度、耐水性、接着性、電気的特性などの諸物性が格段に改善されたものとなる。さらに、無機充填剤を高分子材料中に分散させた溶液は塗布液としての分散性も良好であり、各種塗工液に応用可能である。また、それ自体の重合膜はアンカーコート層としても利用可能である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(A)
    Figure 0006075523
    [式中、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rはアルキレン基であり、Xは−Si(OR)a(R) 3-a[式中、Rはアルキル基又は−(RO)−R(式中、Rは、アルキレン基であり、Rはアルキル基であり、bは1以上の整数を示す)、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、aは1〜3の整数を示す。]で表される基を示し、nは2〜4の整数である。]
    で示される有機ケイ素化合物からなるカップリング剤。
  2. 式(A)において、Zは部分的に二重結合を有してもよい脂環式化合物を表わし、ヘテロ原子を含んでいても良く、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Xは−Si(OR)3、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは2〜4の整数である、請求項1記載の有機ケイ素化合物からなるカップリング剤。
  3. 請求項1または2記載のカップリング剤を用いて無機充填剤の表面処理を施すことを特徴とする無機充填剤の改質処理方法。
  4. 請求項1または2記載のカップリング剤と無機充填剤と高分子材料を用いることを特徴とする高分子材料の改質処理方法。
  5. 無機充填剤が酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムであることを特徴とする請求項3または4記載の改質処理方法。
  6. 請求項1または2記載のカップリング剤を用いて基材の上に表面コートし、加熱処理を施して薄膜を形成することを特徴とする基材の改質処理方法。
JP2012102500A 2012-04-27 2012-04-27 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料 Active JP6075523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012102500A JP6075523B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012102500A JP6075523B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013230991A JP2013230991A (ja) 2013-11-14
JP6075523B2 true JP6075523B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=49677795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012102500A Active JP6075523B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6075523B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0733786A (ja) * 1993-07-27 1995-02-03 Cemedine Co Ltd 反応性化合物及びその製造方法
JP3364355B2 (ja) * 1994-07-29 2003-01-08 ポーラ化成工業株式会社 新規なフッ素化シリコーン樹脂及びその製造方法
JPH0953023A (ja) * 1995-08-10 1997-02-25 Pola Chem Ind Inc シリコーン処理粉体及びそれを含有する組成物
MY164448A (en) * 2003-12-15 2017-12-15 Ciba Holding Inc Coupling agents between filler and elastomer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013230991A (ja) 2013-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5625182B2 (ja) 硬化性組成物及び有機ケイ素化合物の製造方法
JP5483810B2 (ja) 樹脂組成物
JP7236773B2 (ja) 光硬化性ハードコート用樹脂組成物
JP6368240B2 (ja) 金属酸化物分散体、金属酸化物分散体含有重合性組成物、およびその重合物
EP3241875B1 (en) Resin composition for hard coating, and hard-coating film comprising cured form of same as coating layer
WO2010067876A1 (ja) マレイミド基で表面修飾した無機酸化物微粒子を含む硬化型組成物
JP2008044979A (ja) 硬化性樹脂組成物及び反射防止膜
KR20150013824A (ko) 경화성 조성물 및 그의 경화물
TW201927735A (zh) 含有不飽和雙鍵之化合物、使用其之氧吸收劑、及樹脂組成物
JP2010083744A (ja) シリカ粒子分散液およびその製造方法
KR20080050335A (ko) 경화성 수지 조성물 및 반사 방지막
TWI818087B (zh) 具有噻噸酮骨架的二烷基過氧化物、含有該具有噻噸酮骨架的二烷基過氧化物的聚合性組合物、由該聚合性組合物形成的固化物及該固化物的製備方法
JP6299235B2 (ja) 9,10−ビス(長鎖アシルオキシ)アントラセン化合物、その製造法及びその用途
WO2007145241A1 (ja) 重合促進剤、硬化性組成物および硬化物ならびにチオール化合物の製造方法
JP2010024380A (ja) 硬化型被覆材組成物
JP2007262124A (ja) 硬化性樹脂組成物及び反射防止膜
JP6075523B2 (ja) 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料
JP2011190179A (ja) 新規フルオレン化合物およびその金属酸化物複合体
JP2017210597A (ja) 無機充填剤の表面処理方法
JP2020180063A (ja) フルオレン化合物およびその製造方法
WO2019107026A1 (ja) 含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、撥液剤、これを含む樹脂組成物及び硬化膜
Çınar et al. Synthesis of polyurethane acrylate hybrids containing fluorine and siloxane by the sol–gel method for UV-curable coatings
JP6083888B2 (ja) 新規カップリング剤およびそれを用いた無機充填剤の改質処理方法、この無機充填剤を用いた複合材料
JP2020519709A (ja) コーティング用樹脂組成物及びその硬化物をコーティング層として含むコーティングフィルム
JP2015131942A (ja) アンチブロッキングハードコート材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160404

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6075523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150