JP6075221B2 - 画像処理装置、利用者検出制御プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、利用者検出制御プログラムに関する。
電力を消費する処理機器において、当該処理機器を利用しない場合は省エネモードとして、電力を抑制している。利用者は、省エネ解除ボタン等を操作することで、処理機器を省エネモードから復帰させ利用するが、直接処理機器の省エネ解除ボタンを操作する位置まで接近してからの復帰となり、利便性に欠ける場合がある。
そこで、処理機器から接近する前に、利用者を検出する技術として、人感センサによる人物検出やカメラによる顔認証の技術が提案されている。
特許文献1には、入力データの受信または人感センサの検出に起因して再起動要求を出力する画像処理機能を有する多機能装置が提案されている。
また、特許文献2には、人物を撮影して、この映像にある顔情報を元に個人認証することが可能なカメラを有する画像処理装置において、人物を検出して、その後の個人を特定する比較動作を行う直前のトリガとして、予熱モードに移行または予熱モードからの復帰を行う制御手段を備えた画像処理装置が提案されている。
特開2010−157789号公報 特開2007−279603号公報
本発明は、本構成を有しない場合に比べて、検出のための解析の複雑化及び電力消費の増大を抑制して、利用者を確実に検出することができる画像処理装置、人検出制御表示制御プログラムを得ることが目的である。
請求項1に記載の発明は、装置本体が省エネモード中の場合に動作し、少なくとも前記装置本体を基点として予め定めた領域内を撮影可能な撮影手段と、前記撮影手段で撮影された撮影画像から人の足画像を特定する特定手段と、前記特定手段で特定された足画像を解析して足の向きを判別する判別手段と、前記判別手段での判別結果に基づいて、前記省エネモードを解除するか否かを判定する判定手段と、を有している。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記撮影手段が撮影する前記領域が、前記装置本体に人が近づくときの足又は車いすを支持する床面を含む。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記特定手段が、前記撮影画像の中から上下に延びる一定高さ以上の個体画像を選別し、選別した個体画像の中から一定範囲内の幅寸法の個体画像を人の足画像であると特定する。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記判別手段が、前記足画像における足首の中心を原点として、前記装置本体の正面に平行及び直交する方向をそれぞれx軸方向及びy軸方向とする座標軸を想定し、前記足画像からつま先を抽出し、前記原点からの座標{xi,yi}に基づいて、当該抽出したつま先の、はみ出し量及びはみ出し方向を演算し、当該はみ出し量及びはみ出し方向に基づいて足の向きを判別する。
請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の発明において、前記装置本体が、原稿画像を読み取るための画像読取部と、受け付けた情報に基づいて記録用紙へ画像を形成する画像形成部と、通信回線網を介して、画像情報の送受信を実行する通信回路部と、スキャン、複写、プリント、ファクシミリ送信、及びファクシミリ受信を含む画像処理形態から選択された画像処理形態の種類に基づいて、前記画像読取部、前記画像形成部、及び前記通信回路部の少なくとも1つを用いた画像処理の実行を制御する処理制御部と、前記処理制御部に対して処理の指示する、並びに処理の状況を報知するユーザーインターフェイス部とを備え、各部がそれぞれ個別に省エネモードに移行可能とされ、前記撮影手段による撮影に基づく前記判定手段の省エネモード解除判定時には、少なくとも前記処理制御部と、ユーザーインターフェイス部が最先に解除される。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、装置本体が省エネモード中の場合に動作する撮影手段により、少なくとも前記装置本体を基点として予め定めた領域内を撮影し、撮影された撮影画像の中から上下に延びる一定高さ以上の個体画像を選別し、選別した個体画像の中から一定範囲内の幅寸法の個体画像を人の足画像であると特定し、特定された足画像を解析して、前記足画像における足首の中心を原点として、前記装置本体の正面に平行及び直交する方向をそれぞれx軸方向及びy軸方向とする座標軸を想定し、前記足画像からつま先を抽出し、前記原点からの座標{xi,yi}に基づいて、抽出したつま先の、はみ出し量及びはみ出し方向を演算し、演算された、はみ出し量及びはみ出し方向に基づいて足の向きを判別し、判別結果に基づいて、前記省エネモードを解除するか否かを判定する、ことを実行させる利用者検出制御プログラムである。
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、検出のための解析の複雑化及び電力消費の増大を抑制して、利用者を確実に検出することができる。
請求項2に記載の発明によれば、身長に依存しないで、利用者を特定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、人の足画像を確実に特定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、足画像からつま先の位置を確実に特定することができる。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、不要な電力消費を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、検出のための解析の複雑化及び電力消費の増大を抑制して、利用者を確実に検出することができる。
本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。 本実施の形態に係る画像処理装置におけるUI周辺の拡大図である。 本実施の形態に係る画像処理装置の制御系のブロック図である。 本実施の形態に係る画像処理装置と人のつま先の向きを示す平面図であり、(A)は人が画像処理装置に向かっている状態、(B)は人が画像処理装置から離れていく状態、(C)は人が画像処理装置前の横切る状態を示す。 本実施の形態に係る画像処理装置と人のつま先の向きを示す平面図であり、(A)、(B)はそれぞれ人が画像処理装置に斜め方向から接近してくる状態、(C)は人が画像処理装置から斜め方向に離れていく状態を示す。 本実施の形態に係るメインコントローラで省エネモード中に実行される、足元カメラで撮影した撮影画像における撮影画像監視制御のための機能ブロック図である。 (A)は足の中心を原点とした座標を示す斜視図、(B)は画像処理装置と人との関係を示す平面図である。 本実施の形態に係るメインコントローラで省エネモード中に実行される、足元カメラで撮影した撮影画像における撮影画像監視制御の流れを示すフローチャートである。 変形例1に係る画像処理装置の斜視図である。 変形例2に係る画像処理装置の斜視図である。
図1には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部12と、原稿画像を読み取る画像読取部14と、ファクシミリ通信制御回路16を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ18を備えており、画像形成部12、画像読取部14、ファクシミリ通信制御回路16を制御して、例えば、画像読取部14で読み取った原稿画像の画像データを一時的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部12又はファクシミリ通信制御回路16へ送出したりする。なお、画像読取部14は上部筐体10Aに覆われ、画像形成部12,ファクシミリ通信制御回路16、メインコントローラ18は下部筐体10Bに覆われている。下部筐体10Bのさらに下部は記録用紙を収容する複数段のトレイユニット50が設けられている。
また、前記画像読取部14を被覆する上部筐体10Aの上面かつ前方には、画像読取処理、複写処理、画像形成処理、送受信処理を含む処理形態(サービス)項目を指示したり、それぞれの処理形態の詳細設定を指示すると共に、画像処理装置10の状態を表示するためのユーザーインターフェイス52(以下、「UI52」という場合がある。)が配置されている。UI52には、表示画面に操作者の指等を接触することで指示可能なタッチパネル部40と、機械的動作(例えば、押圧動作)で指示可能な複数のハードキー54とが設けられている。
さらに、画像処理装置10の筐体の一部であり、画像読取装置14を支持する縦長矩形状のピラー部10Cには、足元カメラ28が取り付けられている。足元カメラ28は、画像処理装置10の前記UI52を基点とする予め定めた領域(例えば、図4及び図5に示す扇型の領域F)内に進入する人74(図4、図5参照)の足元を撮影領域としている。なお、この足元カメラ28の機能については後述する。
メインコントローラ18にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路16には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ18は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路16を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
画像読取部14は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
画像形成部12は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
本実施の形態では、上記画像形成部12、画像読取部14、ファクシミリ通信制御回路16(以下、総称する場合「デバイス」という場合がある)を用いて、スキャン、複写、プリント、ファクシミリ送信、ファクシミリ受信、受信後のプリントを含むサービス(処理形態)が実行可能である。
画像処理装置10には、入力電源線24の先端にコンセント26が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源31の配線プレート32に、当該コンセント26を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源31から、電力の供給を受けるようになっている。
図2に示される如く、上部筐体10Aに設置されたUI52は、当該上部筐体10Aとは別部材とされたプレート56上に設けられている。プレート56の中央部には、タッチパネル部40が配置されている。また、タッチパネル部40の図2の左右のプレート56の表面には、複数のハードキー54A〜54E(図1では、総称してハードキー54とした)が露出されている。
ハードキー54A〜54Eは、それぞれ押圧操作によって予め決められた指示情報を確定するものであり、例えば、タッチパネル部40の表示画面を基本画面に遷移させるためのメニューキー54A、複写を指定するためのコピーキー54B、複写の部数を指定したり、暗唱番号を入力するためのテンキー54C、節電を指示したり解除するための節電キー54D、処理の実行を指示するためのスタートキー54Eを備える。
また、前記プレート56の図2の右下であり、スタートキー54Eの近傍には、モニタ用LEDとして、データ送信中を表示するLED72A、エラー発生を報知するためのLED72B、電源投入を報知するLED72Cが設けられている。
(画像処理装置の制御系)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
ネットワーク回線網20は、前記画像処理装置10のメインコントローラ18に接続されている。なお、ネットワーク通信回線網20には、画像データを送信元等になり得るPC(端末装置)29が接続されている。
メインコントローラ18には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路16、画像読取部14、画像形成部12、UI52が接続されている。すなわち、このメインコントローラ18が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。
前記画像処理装置10は、電源装置42を備えており、メインコントローラ18とは信号ハーネス43で接続されている。
電源装置42は、前記商用電源31から配線プレート32、コンセント26を経て、入力電源線24を介して電力の供給を受けている。
電源装置42では、メインコントローラ18、ファクシミリ通信制御回路16、画像読取部14、画像形成部12、UI52のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ18では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給制限(省エネモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
また、メインコントローラ18には、足元カメラ28が接続されている。
本実施の形態の画像処理装置では、省エネモードとして、デバイスへの電力供給を遮断すると共に、メインコントローラ18においても、外部(ネットワーク通信回線網20や、電話回線網22)からの情報の受付待機機能に必要な電力以外の電力を遮断している。
省エネモードからの復帰は、基本的には、前記UI52に設けた節電キー54Dを操作することで、メインコントローラ18及び必要なデバイスに電力が供給される。
ここで、本実施の形態では、利用者が節電キー54Dを操作するために画像処理装置10に接近する過程に着目し、足元カメラ28を設置し、当該接近する人が、利用者であるか否かを判別し、節電キー54Dの操作よりも早く、メインコントローラ18、UI52等を立ち上げるようにした。
足元カメラ28は、前述したようにピラー部10Cに設けられている。より具体的には、ピラー部10Cにおける、一般成人の膝の高さを基準としており、床面からの寸法で言えば、30cm〜60cmの範囲が好ましい。なお、この寸法は目安であり、当該寸法を逸脱したとしても、本実施の形態の機能(後述)が完全に無くなるものではない。
足元カメラ28は、図4及び図5に示す扇型の領域Fを撮影範囲としている。この場合、当該領域F内に進入する人は、様々な向きで移動することになる。
この領域Fは、人74が画像処理装置10に近づく床面を含んでおり、例えば、歩行しながら近づく人74の身長に関わらず、同時期に足首近傍を足元カメラ28で撮影することが可能となる。さらに、前記領域Fであれば、車いす等の移動手段で接近する人74においても、同時期に足首機能を足元カメラ28で撮影することが可能である。なお、ここで言う「車いす」とは現状の車いすの構造、外観にかぎらず、現状の車いすと同等の機能(人の動作を補助する機能)を有する構造体であれば、将来を含み、身体に装着して歩行をアシストする構造体を含むものとする。
図4(A)は、人74が画像処理装置10に向けて接近している状態であり、このような人74は、画像処理装置10の利用者と判断し得る。
図4(B)は、人74が画像処理装置10から離れている状態であり、このような人74は、画像処理装置10を利用することを終了した利用者であると判断し得る。言い換えれば、これから利用する利用者ではないと判断し得る。
図4(C)は、人74が、画像処理装置10の前を横切る状態であり、このような人74は、画像処理装置10の利用者ではないと判断し得る。
図4(A)〜(C)は、画像処理装置10の正面縦壁に対して直交して対面する方向を0°とすると、0°、90°、180°という所謂特殊な移動形態を示している。
一方、図5は、画像処理装置10の正面に対して、斜め方向の移動形態を示している。
すなわち、図5(A)及び(B)は、それぞれ人74が領域Fに斜め(角度θ1、θ2)に進入してきた状態である。
なお、画像処理装置10の正面に対して直交して対面する方向を0°とした場合、θ1<θ2である。
例えば、図5(A)の角度θ1(しきい値θs≧θ1)では、画像処理装置10に向けて接近している状態であり、このような人74は、画像処理装置10の利用者と判断し得る。
一方、図5(B)の角度θ2(θ2>しきい値θs)は、画像処理装置10には向かわず、画像処理装置10に隣接する位置に向かっている状態であり、このような人74は、画像処理装置10の利用者ではないと判断し得る。
さらに、図5(C)は角度に関わらず、人74が画像処理装置10から斜め方向へ離れている状態であり、このような人74は、画像処理装置10を利用することを終了した利用者であると判断し得る。言い換えれば、これから利用する利用者ではないと判断し得る。
本実施の形態では、足元カメラ28で人74の足元を撮影して解析するにあたり、人74の足首を特定し、かつ当該足首から半径方向へのはみ出しに着目して、当該人74の向きを判別するようにした。より具体的には、足首の中心を原点とするつま先の向き(ベクトル)によって、画像処理装置10に向かっているか離れているか、並びに、前記つま先の向き(角度)のしきい値との比較によって、画像処理装置10に向かっているか否かを判別する。
図6は、メインコントローラ18で省エネモード中に実行される、足元カメラ28で撮影した撮影画像における撮影画像監視制御のための機能ブロック図である。なお、この図6のブロック図は、メインコントローラ18のハード構成を限定するものではない。
足元カメラ28は、撮影画像取込部100に接続されており、撮影画像取込部100では、足元カメラ28によって撮影された動画像情報又は定期的な静止画像情報を取り込む。
撮影画像取込部100は、足画像特定部102に接続されている。
足画像特定部102では、撮影画像取込部100で取り込んだ画像情報に基づいて、足74F(図7参照)に相当する画像情報を抽出する。
足74Fに相当する画像情報の抽出は、例えば、図7(A)、(B)に示される如く、予め足74Fの高さと予測される寸法(図7(A)の寸法H参照)を設定しておき、選別した画像情報から、当該寸法Hに到達している画像情報を、人の足74Fの候補として選別する。
次いで、予め足74Fの直径と予測される寸法(図7(A)の寸法W参照)を設定しておき、抽出した画像情報から当該寸法Wに相当する画像情報を、人の足74Fとして選別する。
このように、足画像特定部では、上記寸法Hによる特定、寸法Wによる選別により、人74の足74Fとそれ以外(棒等の細長い物体等)との選別が可能となり、足74Fに相当する画像の抽出がなされる。
特定された画像情報は、前記足画像特定部102から向き判別部104に送出されるようになっている。この向き判別部104では、人74の足74Fの向きを判別する(詳細後述)。
向き判別部104は、復帰判定部106に接続されている。省エネモード復帰判定部106では、向き判別部104で判別した足74Fの向きに基づいて、メインコントローラ18のモード制御系(図示省略)に対して、人74が画像処理装置10に向かっていると判別した場合は、省エネモードから復帰することを指示する、或いは省エネモードを維持することを指示する。
(足74の向きの判別)
図7(A)及び(B)に示される如く、人74の足74F(図7では、足74Fのみ図示)の足首の中心を原点とし、画像処理装置10の正面縦壁に対して平行な左右の方向をx軸方向とする。このとき、原点からx軸方向と直交するy軸方向の一方が画像処理装置10が設置された方向となる。
すなわち、図7(A)は、足74Fが、画像処理装置10に真正面で対峙している状態となる。
ここで、足74Fの向きは、つま先が足首の直径となる図7(A)の寸法Wから大きくはみ出ることになり、向き判別部104では、足画像特定部102(図6参照)で特定した画像情報を解析する。
すなわち、x軸方向のはみ出し量(図7(B)のx軸方向座標)が予め定めたしきい値以下である場合、y軸方向のはみ出し量如何により、つま先は画像処理装置10に向いているか(図4(A)に示す状態)か否か(図4(B)に示す状態)の何れかであることが認識可能である。このy軸方向のはみ出し量は、大きく分けて3段階に分類される。
(分類1) はみ出し量が足74Fのかかとの出っ張りに相当する。
(分類2) はみ出し量が足74Fのつま先の出っ張りに相当する。
(分類3) はみ出し量が前記分類1、2のいずれにも該当しない中間値
分類3は、足74Fのつま先が、画像処理装置10に対して斜めに向いていることを意味する(x軸方向のはみ出し量がしきい値を超えている)。このような場合は、つま先の向き(画像処理装置10に対する角度)によって、利用者か否かを判断することになる。
すなわち、x軸方向のはみ出し量(図7(B)のx軸方向座標)が予め定めたしきい値を超えていれば、つま先は画像処理装置10に対して斜めを向いている(x軸方向成分を持っている)状態(図4(C)、図5(A)〜(C))であることが認識される。
そこで、足74Fのつま先が向いているベクトル(座標{xi,yi})に基づいて、画像処理装置10に正対している状態を0°(図4(A)の状態)とした角度θiを演算する。
すなわち、xi/yiの逆三角関数(tan−1)が角度θiであり、この角度θiが予め定めたしきい値θSを超えていれば画像処理装置10に向かっていないと判断、前記しきい値θS以下であれば画像処理装置10に向かっていると判断し、可能である。
θi=tan−1(xi/yi)・・・(1)
なお、図5(A)では、角度θiがθ1であり(θ1≦θS)、画像処理装置10に向けて接近している状態である。また、図5(B)では、θiがθ2であり(θ2>θS)、画像処理装置10には向かわず、画像処理装置10に隣接する位置に向かっている状態である。
以下、本実施の形態の作用を説明する。
(画像処理装置10の電力供給制御のモード移行の一例)
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、省エネモードとなる。省エネモード中は足元カメラ28等に、必要最小限の電力が供給され、移動体の動き(進入)を監視している。
ここで、立ち上げ契機(足元カメラ28による利用者検出、或いは節電キー54Dの操作等)があると、動作状態はウォームアップ(暖機運転)モードを経て、スタンバイモードへ移行する。
なお、立ち上げ契機後、例えば、ジョブを選択することが可能なモード(UIタッチパネル40の起動(電力供給))まで復帰し、選択されたジョブによってどのデバイスが起動するかが決まり、ジョブ種が画像読取等の場合、画像形成部12が起動しない場合はウォームアップしない場合もある(部分節電制御)。
スタンバイモードでは、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに移行し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ移行する。なお、画像処理後、タイマ機能による計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ移行するようにしてもよい。
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ移行し、立ち下げのトリガ検出、或いは予め定めた時間が経過したとき、省エネモードへ移行する。
図8は、省エネモード中に実行される、足元カメラ28で撮影した撮影画像における撮影画像監視制御の流れを示すフローチャートである。
ステップ110では、足元カメラ28による監視を開始(電源オン)し、ステップ112へ移行する。
ステップ112では、足元カメラ28によって移動体を検出したか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ122へ移行する。また、ステップ112で肯定判定された場合は、ステップ114へ移行して、図7(A)に示すz軸方向の長さを取得する(寸法Hの演算)。次のステップ116では、ステップ114で演算した寸法Hが設定値以上か否かが判断され、否定判定された場合はステップ122へ移行する。また、ステップ116で肯定判定された場合は、足画像の候補として選別され、ステップ118へ移行する。
ステップ118では、図7(A)に示すx軸方向の長さを取得する(寸法Wの演算)。次のステップ120では、ステップ118で演算した寸法Wが設定値以上か否かが判断され、否定判定され場合はステップ122へ移行する。
一方、前記ステップ120で肯定判定されると、移動体が人74の足74Fであると特定され、ステップ124へ移行する。
前記ステップ112、ステップ116、ステップ120の否定判定で移行するステップ122では、足元カメラ28以外(その他)の省エネモードからの復帰要因が成立したか否かが判断される。例えば、足元カメラ28での監視領域(図4、図5の領域F参照)に進入することなく節電キー54Dが操作されるような、イレギュラーな場合である。このステップ122で否定判定された場合は、ステップ112へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ122で肯定判定された場合は、ステップ138へ移行して、足元カメラ28による監視を終了(電源オフ)して、このルーチンは終了する。
一方、前記ステップ120で肯定判定(足74Fを特定)されて移行したステップ124では、足74Fの中心を原点に設定し座標を構築する(図7参照)。
次のステップ126では、原点からx軸方向の最大はみ出し量xiを演算し、次いで、ステップ128で、原点からy軸方向の最大はみ出し量yiを演算して、ステップ130へ移行する。
ステップ130では、はみ出し量xiはしきい値以下か否かが判断される。このステップ130で肯定判定された場合は、足74Fは前向きか後ろ向きの何れかであると判別され(前述の「分類1」又は「分類2」)、ステップ132へ移行して、はみ出し量yiがしきい値以下か否かが判断される。
このステップ132で肯定判定されると、足74Fのつま先が画像処理装置10に向いていると判別され、ステップ134へ移行して利用者であると特定し、次いでステップ136へ移行して、省エネモード解除を指示し、ステップ138へ移行する。ステップ138では、足元カメラ28による監視を終了(電源オフ)して、このルーチンは終了する。
また、ステップ132で否定判定された場合は、足74Fのかかとが画像処理装置10に向いていると判別され、ステップ144へ移行する。
一方、ステップ130で否定判定、すなわち、はみ出し量xiがしきい値を超えていると判断された場合は、ステップ140へ移行する。
ステップ140では(前述の「分類3」)、角度θiを演算する。この角度θiは、x軸座標xiとy軸座標yiとに基づき、逆三角関数で求めることが可能である(前述の(1)式参照)。
次のステップ142では、演算された角度θiがしきい値θsを超えているか否かが判断され、否定判定された場合は、図5(A)に示される如く、足74Fのつま先が画像処理装置10に向いていると判断し、前述のステップ134へ移行して利用者であると特定し、次いでステップ136へ移行して、省エネモード解除を指示して、ステップ138へ移行する。
また、ステップ142で肯定判定されると、図5(B)に示される如く、足74Fのつま先が画像処理装置10に向いていないと判断し、ステップ144へ移行する。なお、このステップ142の肯定判定は、図5(C)に示すような後ろ向きを含んでもよいし、図5(C)で斜線で示す事象は、最初から比較対象外としてもよい。
ステップ144では、つま先が画像処理装置10に向いていないことから、利用者ではないと特定して、ステップ146へ移行する。
ステップ146では、足元カメラ28以外(その他)の省エネモードからの復帰要因が成立したか否かが判断される。このステップ146で否定判定された場合は、ステップ112へ戻る。また、ステップ146で肯定判定された場合は、ステップ138へ移行して、足元カメラ28による監視を終了(電源オフ)して、このルーチンは終了する。
なお、本実施の形態では、足元カメラ28を人74のひざの高さを基準として取り付けたが、設置スペースにより、さらに床に近い方になると、つま先の前後方向(y軸方向)のはみ出し量に差が出ず、前向きか後ろ向きの判定が困難となる場合がある。このような場合は、時間差で撮影した画像から足74Fの図7(A)に示す幅寸法Wの変化を比較するようにしてもよい。近づいているなら幅寸法Wは増加し、遠ざかっているなら幅寸法Wは減少する。
「変形例」
(変形例1)
本実施の形態では、足元カメラ28によって人74の足74Fが画像処理装置10に向いていると判別した時点で、省エネモードを解除するようにしたが、モード移行に対して、近づいてくる人が確実にUI52に対峙するか否かを判断する人感センサ78を追加して、もう1段階、省エネ解除までの判別を設定するようにしてもよい。
すなわち、図9に示される如く、ピラー部10Cの上部には、人感センサ78が取り付けられている。人感センサ78の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この人感センサ28に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(以下、人感センサ78を「反射型センサ78」という)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
反射型センサ78の検出領域(図9の領域N参照)は、足元カメラ28の検出領域F(撮影領域)よりも近くかつ狭く、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0.2〜0.5m程度が好ましい。
一例として、前記足元カメラ28は、前記省エネモードにおいて、電力の供給を受けて、画像処理装置10の周囲の移動体の動きを監視している。このとき、人反射型センサ78には電力が供給されておらず、足元カメラ28において、人74が画像処理装置10に近づくことを検出すると、反射型センサ78への電力の供給を開始し、当該反射型センサ78で人74を検出すると省エネモードを解除して電力を供給する、といった連携制御を行う。
この変形例1によれば、画像処理装置10に近づいてくる人74がUI52を操作しないような場合に有利である。
例えば、利用者が遠隔のPC29から画像処理装置10に対してプリントを指示し、一定時間経過して画像処理装置10が省エネモードに移行した後に、プリントされた記録用紙を回収にくるような場合、UI52に対峙することなく、トレイから記録用紙を取り、そのまま立ち去ることになる。このような場合に、無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
この反射型センサ78に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
(変形例2)
本実施の形態では、足元カメラ28によって人74の足74Fが画像処理装置10に向いていると判別した時点で、省エネモードを解除するようにしたが、図10に示される如く、当該足元センサ28で足74を検出するよりも前に(先に)、移動体が接近することを検出する人感センサ76を設け、当該人感センサ76で移動体の検出した時点で足元センサ28に電力を供給するようにしてもよい。
人感センサ76の仕様は、画像処理装置10の周囲(例えば、0m〜5mの範囲)において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(以下、人感センサセンサ76を「焦電型センサ76」という)。
この焦電型センサ76の最大の特徴は、例えば、変形例1で適用した反射型センサ78に比べて消費電力が少なく、かつ検出領域(図10の領域G参照)が広いことである。また、移動体の動きを感知するため、検出領域内であっても人が静止していると、温度変化がないので人の存在を検出しない場合がある。
この変形例2によれば、省エネモード中に足元センサ28に対して、常時電力を供給する必要がなく、足元センサ28を電力遮断対象とし、焦電型センサ76で移動体を検出した時点で、電力を供給すればよい。このため、焦電型センサ76がないよりも、省エネ効果が高まることになる。
なお、変形例2において、図10に示される如く、変形例1の反射型センサ78と併用してもよい。言い換えれば、変形例2は、焦電型センサ76と足元センサ28の組み合わせが必要十分な組み合わせであり、さらに、反射型センサ78を組み合わせれば、所謂ベストモードとなり得る。
ベストモードにおいては、図10に示される如く、検出範囲の広さ(最大検出距離)の関係を、広い順から人感センサ76→足元センサ28→人感センサ78とすることで、段階的な電力供給順序形態が構築され、例えば、画像処理装置10の前を横切る人を排除して(焦電型センサ76)、画像処理装置10に向かって近づく人を抽出し(足元センサ28)、さらに、UI52を利用する利用者か否か(反射型センサ78)の判別精度を高めることが可能である。
10 画像処理装置
10A 上部筐体
10B 下部筐体
10C ピラー部
12 画像形成部
14 画像読取部
16 ファクシミリ通信制御回路
18 メインコントローラ
18A 電源切替部
18S サブコントローラ
20 ネットワーク通信回線網
22 電話回線網
24 入力電源線
26 コンセント
28 足元センサ
29 PC
31 商用電源
32 配線プレート
33A〜33E バス
35A〜35E 電力供給線
40 タッチパネル部
42 電源装置
43 ハーネス
52 ユーザーインターフェイス(UI)
56 プレート
54 ハードキー
54A メニューキー
54B コピーキー
54C テンキー
54D 節電キー
54E スタートキー
74 人
74F 足
100 撮影画像取込部
102 足画像特定部
104 向き判定部
106 復帰判定部

Claims (6)

  1. 装置本体が省エネモード中の場合に動作し、少なくとも前記装置本体を基点として予め定めた領域内を撮影可能な撮影手段と、
    前記撮影手段で撮影された撮影画像から人の足画像を特定する特定手段と、
    前記特定手段で特定された足画像を解析して足の向きを判別する判別手段と、
    前記判別手段での判別結果に基づいて、前記省エネモードを解除するか否かを判定する判定手段と、
    を有する画像処理装置。
  2. 前記撮影手段が撮影する前記領域が、前記装置本体に人が近づくときの足又は車いすを支持する床面を含む請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記特定手段が、
    前記撮影画像の中から上下に延びる一定高さ以上の個体画像を選別し、
    選別した個体画像の中から一定範囲内の幅寸法の個体画像を人の足画像であると特定する請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記判別手段が、
    前記足画像における足首の中心を原点として、前記装置本体の正面に平行及び直交する方向をそれぞれx軸方向及びy軸方向とする座標軸を想定し、
    前記足画像からつま先を抽出し、前記原点からの座標に基づいて、当該抽出したつま先の、はみ出し量及びはみ出し方向を演算し、当該はみ出し量及びはみ出し方向に基づいて足の向きを判別する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像処理装置。
  5. 前記装置本体が、
    原稿画像を読み取るための画像読取部と、
    受け付けた情報に基づいて記録用紙へ画像を形成する画像形成部と、
    通信回線網を介して、画像情報の送受信を実行する通信回路部と、
    スキャン、複写、プリント、ファクシミリ送信、及びファクシミリ受信を含む画像処理形態から選択された画像処理形態の種類に基づいて、前記画像読取部、前記画像形成部、及び前記通信回路部の少なくとも1つを用いた画像処理の実行を制御する処理制御部と、
    前記処理制御部に対して処理の指示する、並びに処理の状況を報知するユーザーインターフェイス部とを備え、
    各部がそれぞれ個別に省エネモードに移行可能とされ、前記撮影手段による撮影に基づく前記判定手段の省エネモード解除判定時には、少なくとも前記処理制御部と、ユーザーインターフェイス部が最先に解除される請求項1〜4の何れか1項記載の画像処理装置。
  6. コンピュータに、
    装置本体が省エネモード中の場合に動作する撮影手段により、少なくとも前記装置本体を基点として予め定めた領域内を撮影し、
    撮影された撮影画像の中から上下に延びる一定高さ以上の個体画像を選別し、
    選別した個体画像の中から一定範囲内の幅寸法の個体画像を人の足画像であると特定し、
    特定された足画像を解析して、前記足画像における足首の中心を原点として、前記装置本体の正面に平行及び直交する方向をそれぞれx軸方向及びy軸方向とする座標軸を想定し、
    前記足画像からつま先を抽出し、
    前記原点からの座標に基づいて、抽出したつま先の、はみ出し量及びはみ出し方向を演算し、
    演算された、はみ出し量及びはみ出し方向に基づいて足の向きを判別し、
    判別結果に基づいて、前記省エネモードを解除するか否かを判定する、
    ことを実行させる利用者検出制御プログラム。
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