本技術を適用した電子機器システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
電子機器11及び12の構成例を示すブロック図である。
送信部21及び受信部22の構成例を示すブロック図である。
誤差処理部80の構成例を示すブロック図である。
IQ誤差を補正する誤差補正処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS16で行われる位相調整の詳細を説明するフローチャートである。
送信部21及び受信部22の他の構成例を示すブロック図である。
本技術を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
<本技術を適用した電子機器システムの一実施の形態>
図1は、本技術を適用した電子機器システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1において、電子機器システムは、電子機器11及び12を有する。
電子機器11及び12は、例えば、レコーダや、ディジタルカメラ、テレビジョン受像機(TV)、携帯電話機やタブレット端末等の携帯端末、その他の電子機器であり、例えば、IEEE802.11系の規格に基づいた無線Local Area Network(LAN)通信や、ワイヤレスUniversal Serial Bus(USB)規格に基づいた無線Personal Area Network(PAN)通信、その他の搬送波通信方式による通信機能を有している。
したがって、電子機器11と12との間では、通信を行うことができる。
電子機器11として、例えば、TVを採用するとともに、電子機器12として、例えば、ディジタルカメラを採用した場合、ディジタルカメラとしての電子機器12から、そのディジタルカメラで撮影したコンテンツを、TVに送信することにより、TVとしての電子機器11では、電子機器11からのコンテンツを受信して提示すること、例えば画像を表示し、音声を出力することができる。
<電子機器11及び12の構成例>
図2は、図1の電子機器11及び12の構成例を示すブロック図である。
図2Aは、電子機器11及び12の第1の構成例を示している。
電子機器11は、通信部20を有し、電子機器12は、通信部30を有する。
通信部20は、送信部21及び受信部22を有する。
送信部21は、例えば、ミリ波帯や光、その他の周波数帯の信号をキャリアとして用いる搬送波通信方式で、信号を送信する。
受信部22は、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する。なお、受信部22は、その受信部22を有する電子機器11以外の電子機器である、例えば、電子機器12から、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する他、電子機器11が有する送信部21が送信する信号をも受信することができる。
通信部30は、送信部31及び受信部32を有する。
送信部31は、例えば、送信部21と同様の周波数帯の信号をキャリアとして用いる搬送波通信方式で、信号を送信する。
受信部32は、受信部22と同様に、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する。受信部32は、受信部22と同様に、受信部32を有する電子機器12以外の電子機器である、例えば、電子機器11から、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する他、電子機器12が有する送信部31が送信する信号をも受信することができる。
以上のように、電子機器11の通信部20が、送信部21及び受信部22を有するとともに、電子機器12の通信部30が、送信部31及び受信部32を有する場合には、電子機器11と12との間では、双方向の通信を行うことができる。
図2Bは、電子機器11及び12の第2の構成例を示している。
なお、図中、図2Aの場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
図2Bでは、電子機器11の通信部20が、送信部21及び受信部22の両方ではなく、例えば、受信部22だけを有し、電子機器12の通信部30が、送信部31及び受信部32の両方ではなく、例えば、送信部31だけを有している。
以上のように、電子機器11の通信部20が、受信部22だけを有し、電子機器12の通信部30が、送信部31だけを有している場合には、電子機器12から電子機器11に向かう方向に信号を送信する片方向の通信を行うことができる。
<送信部21及び受信部22の構成例>
図3は、図2の送信部21及び受信部22の構成例を示すブロック図である。
なお、図2の送信部31は、送信部21と同様に構成し、図2の受信部32は、受信部22と同様に構成することができる。
図3において、送信部21は、DBB(Digital Base Band)変調部51、DA(Digital Analog)部52、フィルタ部53、直交変調部54、PA(Power Amplifier)55、アンテナ56、局部発振器57、及び、位相シフタ58を有する。
DBB変調部51は、送信対象の時間tの領域のデータを、I成分及びQ成分を有するディジタルのBB信号(以下、送信DBB信号ともいう)に変調し、DA部52に供給する。
なお、DBB変調部51は、いわゆるユーザデータ(ペイロード)の他、後述する誤差処理部80の制御に従ったデータを、送信DBB信号に変調し、DA部52、ひいては、後段の直交変調部54に供給することができる。
DA部52は、Digital Analog Converter(DAC)52I及び52Qを有する。
DAC52Iは、DBB変調部51からDA部52に供給される送信DBB信号のI成分をDA変換し、その結果得られるアナログのBB信号(以下、送信ABB信号ともいう)のI成分を、フィルタ部53に供給する。
DAC52Qは、DBB変調部51からDA部52に供給される送信DBB信号のQ成分をDA変換し、その結果得られる送信ABB信号のQ成分を、フィルタ部53に供給する。
フィルタ部53は、Low Pass Filter(LPF)53I及び53Qを有する。
LPF53Iは、DAC52Iからフィルタ部53に供給される送信ABB信号のI成分をフィルタリングすることにより、DAC52Iに起因するイメージ信号を除去し、その結果得られる送信ABB信号のI成分I(t)を(tは時刻を表す)、直交変調部54に供給する。
LPF53Qは、DAC52Qからフィルタ部53に供給される送信ABB信号のQ成分をフィルタリングすることにより、DAC52Qに起因するイメージ信号を除去し、その結果得られる送信ABB信号のQ成分Q(t)を、直交変調部54に供給する。
直交変調部54は、ミキサ54I及び54Qを有し、局部発振器57及び位相シフタ58から供給されるキャリア(送信側キャリア)を用いて、LPF53Iからの送信ABB信号のI成分I(t)、及び、LPF53Qからの送信ABB信号のQ成分Q(t)を、直交変調の変調信号としてのRF信号に直交変調する。
すなわち、ミキサ54Iには、LPF53Iから送信ABB信号のI成分I(t)が供給されるとともに、局部発振器57から、ミリ波帯その他の周波数帯のキャリアが、直交変調に用いる送信側キャリアとして供給される。
ミキサ54Iは、LPF53Iからの送信ABB信号のI成分I(t)と、局部発振器57からの送信側キャリアとを乗算することにより、送信ABB信号のI成分I(t)を、RF信号のI成分にアップコンバートして出力する。
ミキサ54Qには、LPF53Qから送信ABB信号のQ成分Q(t)が供給されるとともに、位相シフタ58から、局部発振器57が出力するキャリアの位相を、90度だけ回転した(進めた、又は、遅らせた)信号が、直交変調に用いる送信側キャリアとして供給される。
ここで、位相シフタ58が出力する送信側キャリア、すなわち、局部発振器57が出力するキャリアの位相を90度だけ回転した信号を、以下、移相送信側キャリアともいう。
ミキサ54Qは、LPF53Qからの送信ABB信号のQ成分Q(t)と、位相シフタ58からの移相送信側キャリアとを乗算することにより、送信ABB信号のQ成分Q(t)を、RF信号のQ成分に変換して出力する。
ミキサ54Iが出力するRF信号のI成分と、ミキサ54Qが出力するRF信号のQ成分とは、混合され、その混合後のRF信号が、PA55に供給される。
なお、直交変調部54では、後述する誤差処理部80の制御に従って、ミキサ54Iが出力するRF信号のI成分、及び、ミキサ54Qが出力するRF信号のQ成分のそれぞれのゲインやDCオフセットを調整することができる。
PA55は、直交変調部54からの、ミキサ54Iが出力するRF信号のI成分とミキサ54Qが出力するRF信号のQ成分とを混合したRF信号を増幅し、アンテナ56に供給する。
アンテナ56は、PA55からのRF信号を、電波として、空気中その他の媒体に出力(放射)する。
局部発振器57は、所定の周波数(角周波数ωt)の信号を発振し、送信側キャリアとして、直交変調部54のミキサ54I、及び、位相シフタ58に供給(出力)する。
位相シフタ58は、局部発振器57からのキャリア(送信側キャリア)の位相を90度だけ回転させ、その結果得られる移相送信側キャリアを、直交変調部54のミキサ54Qに供給(出力)する。
なお、位相シフタ58では、後述する誤差処理部80の制御に従って、送信側キャリアの位相を回転させる回転量、すなわち、移相送信側キャリアの位相を調整又は設定することができる。
ここで、送信部21において、DA部52の後段のフィルタ部53、直交変調部54、PA55、及び、アンテナ56が、アナログ信号を扱うアナログ部を構成する。
一方、図3において、受信部22は、アンテナ71、Low Noise Amplifier(LNA)72、直交復調部73、アンプ部74、フィルタ部75、Analog Digital(AD)部76、DBB復調部77、局部発振器78、位相シフタ79、誤差処理部80、及び、キャリアリカバリ部81を有する。
アンテナ71は、送信部21のアンテナ56や、電子機器12の送信部31から送信されてくる電波を受信し、その結果得られるRF信号を、LNA72に供給する。
LNA72は、アンテナ71からのRF信号を増幅し、直交復調部73に供給する。
直交復調部73は、ミキサ73I及び73Qを有し、局部発振器78及び位相シフタ79から供給される受信側キャリアを用いて、LNA72からのRF信号を、復調信号としてのアナログのBB信号(以下、受信ABB信号ともいう)に直交復調する。
すなわち、ミキサ73Iには、LNA72からRF信号が供給されるとともに、局部発振器78から、送信側キャリアと同一の周波数のキャリアが、直交復調に用いる受信側キャリアとして供給される。
ミキサ73Iは、LNA72からのRF信号と、局部発振器78からの受信側キャリアとを乗算することにより、RF信号を、受信ABB信号のI成分I'(t)にダウンコンバートして出力する。
ミキサ73Qには、LNA72からRF信号が供給されるとともに、位相シフタ79から、局部発振器78が出力するキャリアの位相を、90度だけ回転した信号が、直交復調に用いる受信側キャリアとして供給される。
ここで、位相シフタ79が出力する受信側キャリア、すなわち、局部発振器78が出力するキャリアの位相を90度だけ回転した信号を、以下、移相受信側キャリアともいう。
ミキサ73Qは、LNA72からのRF信号と、位相シフタ79からの移相受信側キャリアとを乗算することにより、RF信号を、受信ABB信号のQ成分Q'(t)に変換して出力する。
ミキサ73Iが出力する受信ABB信号のI成分I'(t)、及び、ミキサ73Qが出力する受信ABB信号のQ成分Q'(t)は、アンプ部74に供給される。
アンプ部74は、Variable Gain Amplifier(VGA)74I及び74Qを有する。
VGA74Iは、直交復調部73からアンプ部74に供給される受信ABB信号のI成分I'(t)を、プログラマブルに電力増幅し、フィルタ部75に供給する。
VGA74Qは、直交復調部73からアンプ部74に供給される受信ABB信号のQ成分Q'(t)を、プログラマブルに電力増幅し、フィルタ部75に供給する。
ここで、アンプ部74では、誤差処理部80の制御に従って、VGA74Iが出力する受信ABB信号のI成分I'(t)、及び、VGA74Qが出力する受信ABB信号のQ成分Q'(t)のそれぞれ(ひいては、後段のAD部76が出力する、後述する受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k)のゲインやDCオフセットを調整することができる。
なお、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t)のそれぞれのゲインやオフセットの調整は、アンプ部74で行う他、直交復調部73(のミキサ73I及び73Qの出力段)で行うことができる。
フィルタ部75は、LPF75I及び75Qを有する。
LPF75Iは、アンプ部74からフィルタ部75に供給される受信ABB信号のI成分I'(t)をフィルタリングすることにより、倍周波数以上の信号を除去するアンチエイリアシングを行い、フィルタリング後の受信ABB信号のI成分I'(t)を、AD部76に供給する。
LPF75Qは、アンプ部74からフィルタ部75に供給される受信ABB信号のQ成分Q'(t)をフィルタリングすることにより、アンチエイリアシングを行い、フィルタリング後の受信ABB信号のQ成分Q'(t)を、AD部76に供給する。
ここで、以上の、AD部76の前段のアンテナ71、LNA72、直交復調部73、アンプ部74、及び、フィルタ部75が、受信部22において、アナログ信号を扱うアナログ部を構成する。
AD部76は、Analog Digital Converter(ADC)76I及び76Qを有する。
ADC76Iは、フィルタ部75から供給される受信ABB信号のI成分I'(t)をAD変換し、その結果得られるディジタルのBB信号(以下、受信DBB信号ともいう)のI成分I'kを、誤差処理部80、及び、キャリアリカバリ部81に供給する。
ADC76Qは、フィルタ部75から供給される受信ABB信号のQ成分Q'(t)をAD変換し、その結果得られる受信DBB信号のQ成分Q'kを、誤差処理部80、及び、キャリアリカバリ部81に供給する。
ここで、kは、信号のサンプル点のサンプル番号を表し、I'k及びQ'kは、それぞれ、AD部76が出力するディジタルのBB信号のI成分及びQ成分のあるサンプルを先頭とするkサンプル目を表す。
DBB復調部77は、キャリアリカバリ部81から供給される、後述するキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kから、元のデータを復調して出力する。
局部発振器78は、例えば、局部発振器57が出力する信号と同一の周波数(角周波数ωr=ωt)の信号を発振し、受信側キャリアとして、直交復調部73のミキサ73I、及び、位相シフタ79に供給(出力)する。
位相シフタ79は、局部発振器78からの受信側キャリアの位相を90度だけ回転させ、その結果得られる移相受信側キャリアを、直交復調部73のミキサ73Qに供給(出力)する。
なお、位相シフタ79では、誤差処理部80の制御に従って、受信側キャリアの位相を回転させる回転量、すなわち、移相受信側キャリアの位相を調整又は設定することができる。
誤差処理部80は、DBB変調部51を制御することにより、IQ誤差(に対応する物理量)を検出し、さらに、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部74、及び、位相シフタ79を制御することにより、IQ誤差を補正する。
すなわち、誤差処理部80は、DBB変調部51を制御することにより、既知の送信DBB信号を送信させる。
そして、誤差処理部80は、その既知の送信DBB信号に対して、AD部76から供給される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ部81から供給されるキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、後述する変復調位相差を必要に応じて用いて、IQ誤差を検出する(求める)。
さらに、誤差処理部80は、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部74、及び、位相シフタ79を制御することにより、検出されたIQ誤差を補正する。
キャリアリカバリ部81は、AD部76から供給される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kを用いて、直交変調部54の直交変調で用いられる送信側キャリアと、直交復調部73の直交復調で用いられる受信側キャリアとの位相差である変復調位相差θを検出し(求め)、誤差処理部80に供給する。
さらに、キャリアリカバリ部81は、変復調位相差θによって、AD部76からの受信DBB信号を、その受信DBB信号から変復調位相差θをキャンセルしたキャリアリカバリ信号に補正し、そのキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kを、DBB復調部77、及び、誤差処理部80に供給する。
ここで、以上のように構成される送信部21及び受信部22において、送信部21のDBB変調部51、DA部52、及び、フィルタ部53、並びに、受信部22のアンプ部74、フィルタ部75、AD部76、DBB復調部77、誤差処理部80、及び、キャリアリカバリ部81は、BB信号を扱うBB部を構成する。
また、送信部21の直交復調部54、PA55、アンテナ56、局部発振器57、及び、位相シフタ58、並びに、受信部22のアンテナ71、LNA72、直交復調部73、局部発振器78、及び、位相シフタ79は、RF信号を扱うRF部を構成する。
BB部とRF部とは、別個の半導体チップで構成することもできるし、1個の半導体チップ上に構成することもできる。
なお、送信部21及び受信部22の構成は、図3に示した構成に限定されない。
例えば、図3では、送信部21のアンテナ56と、受信部22のアンテナ71とが、別個に設けられているが、送信用のアンテナと受信用のアンテナとは、1つのアンテナで共用することができる。送信用のアンテナと受信用のアンテナとを、1つのアンテナで共用する場合には、送信部21のPA55からアンテナまでの送信経路、及び、そのアンテナからLNA72までの受信経路のそれぞれと、アンテナとの接続の切り替えは、スイッチ等によって行うことができる。
また、RF信号の送受信は、アンテナ56や71を設けて、電波による無線通信で行う他、アンテナ56及び71に代えて、コネクタを設けて、ケーブル等を介した電気信号(光を含む)による有線通信で行うことができる。
以上のように構成される送信部21及び受信部22では、送信部21が、データを、直交変調を行って送信し、受信部22が、直交復調を行って、データを受信する。
すなわち、DBB変調部51には、送信対象のデータが供給される。DBB変調部51は、送信対象のデータを、I成分及びQ成分を有する送信DBB信号に変調し、DA部52に供給する。
DA部52では、DBB変調部51からの送信DBB信号がDA変換され、その結果得られる送信ABB信号が、フィルタ部53を介して、直交変調部54に供給される。
直交変調部54では、局部発振器57及び位相シフタ58からの送信側キャリアを用いて、DA部52からフィルタ部53を介して供給される送信ABB信号(のI成分I(t)及びQ成分Q(t))が直交変調され、その結果得られるRF信号が、PA55及びアンテナ56を介して送信される。
一方、受信部22では、アンテナ71において、送信部21や、電子機器12の送信部31からのRF信号が受信され、LNA72を介して、直交復調部73に供給される。
直交復調部73では、局部発振器78及び位相シフタ79から供給される受信側キャリアを用いて、アンテナ71からLNA72を介して供給されるRF信号が、受信ABB信号(のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t))に直交復調され、アンプ部74、及び、フィルタ部75を介して、AD部76に供給される。
AD部76では、直交復調部73から、アンプ部74、及び、フィルタ部75を介して供給される受信ABB信号がAD変換され、その結果得られる受信DBB信号(のI成分I'k及びQ成分Q'k)が、誤差処理部80、及び、キャリアリカバリ部81に供給される。
キャリアリカバリ部81では、AD部76からの受信DBB信号から、変復調位相差θが求められ、誤差処理部80に供給される。
さらに、キャリアリカバリ部81では、変復調位相差θによって、AD部76からの受信DBB信号が、キャリアリカバリ信号(のI成分I''k及びQ成分Q''k)に補正され、DBB復調部77、及び、誤差処理部80に供給される。
DBB復調部77では、AD部76からのキャリアリカバリ信号が元のデータに復調されて出力される。
一方、誤差処理部80では、AD部76から供給される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ部81から供給されるキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、同じくキャリアリカバリ部81から供給される変復調位相差θを必要に応じて用いて、IQ誤差が求められる。
そして、誤差処理部80では、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部74、及び、位相シフタ79を適宜制御することにより、IQ誤差、つまり、IQ利得誤差、IQ位相誤差、及び、I成分とQ成分それぞれのDCオフセットが補正される。
すなわち、誤差処理部80では、直交変調部54、及び、直交復調部73で扱われるI成分とQ成分とについて、理想的には、IQ誤差がなくなるように、つまり、位相差が90゜になり、利得(パワー)が等しくなり、及び、DCオフセットが0になるように、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部74、及び、位相シフタ79の制御が行われる。
ここで、誤差処理部80では、直交復調部73で用いられる受信側キャリアのIQ位相誤差である受信側 I/Q 位相誤差φr、すなわち、位相シフタ79が出力する移相受信側キャリアと、局部発振器78が出力する受信側キャリアとの位相差の、90度からのずれについては、例えば、特許文献1に記載の技術に従い、式(1)を演算することにより求めることができる。
ここで、式(1)において、IIは、受信DBB信号のI成分I'kの分散を、QQは、受信DBB信号のQ成分Q'kの分散を、IQは、受信DBB信号のI成分I'とQ成分Q'との共分散を、それぞれ表す。また、PIQは、分散II及びQQの平均値を表す。
式(1)は、直交復調部73に供給されるRF信号のI成分とQ成分が無相関である場合に成り立つ。
直交変調部54で用いられる送信側キャリアのIQ位相誤差である送信側I/Q位相誤差φt、すなわち、位相シフタ58が出力する移相送信側キャリアと、局部発振器57が出力する送信側キャリアとの位相差の、90度からのずれが0でない場合、直交復調部73に供給されるRF信号のI成分とQ成分は無相関にならず、この場合、特許文献1に記載の技術に従って求められる受信側I/Q位相誤差φrは、式(2)で表される。
ここで、式(2)において、εは、受信DBB信号のIQ利得誤差(I成分I'kとQ成分Q'kとの利得の差)を表す。
式(2)によれば、受信側I/Q位相誤差φrを0になるように補正しても、実際の受信側I/Q位相誤差としては、送信側IQ位相誤差φtと同等の誤差が残存する。
したがって、特許文献1に記載の技術で、受信側I/Q位相誤差φrを、高精度に補正するためには、前提条件として、送信側IQ位相誤差φtが、非常に小さいこと、つまり、0に近い値であることが重要である。
送信側IQ位相誤差φtを0に近い値にするには、前述したように、送信側IQ位相誤差φtを検出する必要があるが、そのためには、例えば、RF信号のパワーを検出するパワーディテクタ回路、並びに、そのパワーディテクタ回路に対して、直交変調部54から出力されたRF信号を供給するための迂回経路及びスイッチが、RF信号が送信される信号線の途中(例えば、直交変調部54とPA55との間や、PA55とアンテナ56との間)に必要になる。
しかしながら、スイッチが、RF信号の信号線上に設けられる場合には、特に、ミリ波等の高周波数帯のRF信号については、スイッチでのRF信号の減衰による信号品質の劣化が無視できないレベルとなる。
また、IQ位相誤差を含むIQ誤差は、製造ばらつきや、経年(経時)変化、温度特性等により生じることがある。
そこで、誤差処理部80では、ビルトインセルフテストで、送信部21や受信部22のIQ誤差を補正することができる。
ここで、IQ誤差の補正は、受信部22において、直交変調の結果得られるRF信号を受信することにより行うことができる。
電子機器11が、図2Aに示したように、送信部21及び受信部22の両方を有する場合、RF信号は、送信部21から送信し、受信部22で受信することができる。この場合、IQ誤差の補正は、電子機器11単体で行うことができ、送信部21及び受信部22の両方のIQ誤差を補正することができる。
電子機器11が、図2Bに示したように、送信部21及び受信部22の両方ではなく、受信部22だけを有する場合、RF信号は、他の電子機器である、例えば、電子機器12の送信部31から送信し、電子機器11の受信部22で受信することができる。
なお、電子機器11が、図2Aに示したように、送信部21及び受信部22の両方を有する場合であっても、RF信号は、他の電子機器である、例えば、電子機器12の送信部31から送信し、電子機器11の受信部22で受信することができる。
RF信号を、電子機器11以外の、例えば、電子機器12の送信部31から送信する場合、電子機器11では、受信部22のIQ誤差だけが補正される。さらに、この場合、電子機器11では、誤差処理部80において、RF信号を送信してきた電子機器12の送信部31のIQ誤差を検出して、そのIQ誤差(又は、送信部31のIQ誤差を補正するのに必要な情報)を、電子機器11(の誤差処理部80)から、電子機器12(の送信部31)に送信し、電子機器12において、電子機器11からの送信部31のIQ誤差に基づき、そのIQ誤差を補正することができる。
<誤差処理部80によるIQ位相誤差の補正>
図3を参照して、誤差処理部80によるIQ位相誤差の補正の原理について説明する。
なお、ここでは、IQ誤差のうちの、IQ位相誤差以外のIQ利得誤差、及び、DCオフセットについては、任意の方法で補正し、既に補正済みであることとする。
また、上述したように、直交復調部73で用いられる受信側キャリアのIQ位相誤差(受信側 I/Q 位相誤差)を、φrと表すとともに、直交変調部54で用いられる送信側キャリアのIQ位相誤差(送信側I/Q位相誤差)を、φtと表す。
さらに、直交変調部54の直交変調で用いられる送信側キャリアと、直交復調部73の直交復調で用いられる受信側キャリアとの位相差である変復調位相差を、θと表し、時刻t及びkサンプル目における変復調位相差を、それぞれ、θ(t)及びθkと表す。
この場合、直交復調部73での直交復調の結果得られる受信ABB信号のI成分I'(t)、及び、Q成分Q'(t)は、それぞれ、式(3)及び式(4)で表される。
ここで、I(t)及びQ(t)は、送信部21のフィルタ部53が出力する送信ABB信号、すなわち、直交変調部54での直交変調の対象となる送信ABB信号のI成分及びQ成分を、それぞれ表す。
受信部22では、直交復調部73で得られる受信ABB信号は、アンプ部74及びフィルタ部75を介して、AD部76に供給され、AD変換(量子化)される。
AD部76での受信ABB信号のAD変換の結果得られる受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kは、それぞれ、式(5)及び式(6)で表される。
式(5)及び式(6)で表される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kは、AD部76からキャリアリカバリ部81に供給され、キャリアリカバリ部81は、その受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kを用いて、変復調位相差θkを求める。
ここで、受信部22で受信されるRF信号には、データの先頭を表すプリアンブルが含まれており、プリアンブルには、例えば、QPSK等の所定の変調方式の既知のデータが含まれる。
キャリアリカバリ部81は、例えば、プリアンブルに含まれる既知のデータに対応する受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kの、コンスタレーション上の本来の信号点からのずれに基づいて、変復調位相差θkを求める。
さらに、キャリアリカバリ部81は、変復調位相差θによって、受信DBB信号を、その受信DBB信号から変復調位相差θをキャンセルしたキャリアリカバリ信号に補正する。
すなわち、キャリアリカバリ部81は、式(7)に従って、受信DBB信号から、キャリアリカバリ信号を求める。
I''k及びQ''kは、それぞれ、キャリアリカバリ信号のI成分k及びQ成分を表す。
誤差処理部80は、式(5)及び式(6)で表される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、式(7)で表されるキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkを用いて、受信側 I/Q 位相誤差φr、及び、送信側I/Q位相誤差φtを、以下のように求める。
すなわち、まず、受信DBB信号のI成分I'kとQ成分Q'kとの共分散ΣI'k・Q'kは、式(8)で表される。
式(8)によれば、受信DBB信号のI成分I'kとQ成分Q'kとの共分散ΣI'k・Q'kは、受信側IQ位相誤差φrに比例する項と、送信側IQ位相誤差φtが影響を与える項とを有すること、及び、送信側IQ位相誤差φtの影響は、変復調位相差θkによって変化することを確認することができる。
式(8)の共分散ΣI'k・Q'kが、受信側IQ位相誤差φrに比例する項を有するのは、式(8)では、直交復調時の軸で共分散ΣI'k・Q'kを計算しているので、直交復調時の受信側IQ誤差φrが、変復調位相差θkに関わらず、共分散ΣI'k・Q'kに影響を与えるためである。
次に、キャリアリカバリ信号のI成分I''kとQ成分Q''kとの共分散ΣI''k・Q''kは、式(9)で表される。
ここで、キャリアリカバリ部81において、式(7)に従って、受信DBB信号からキャリアリカバリ信号を求めるときには、信号の増幅が行われないため、受信DBB信号とキャリアリカバリ信号とで、信号パワーは変わらない。
式(9)の2番目の式から3番目の式への変形は、以上のように、受信DBB信号とキャリアリカバリ信号とで、信号パワーが変わらないことを利用している。
式(9)によれば、キャリアリカバリ信号のI成分I''kとQ成分Q''kとの共分散ΣI''k・Q''kは、送信側IQ位相誤差φtに比例する項と、受信側IQ位相誤差φrが影響を与える項とを有すること、及び、受信側IQ位相誤差φrの影響は、変復調位相差θによって変化することを確認することができる。
式(9)の共分散ΣI''k・Q''kが、送信側IQ位相誤差φtに比例する項を有するのは、キャリアリカバリ信号は、受信DBB信号から変復調位相差θをキャンセルした信号であり、式(9)では、そのようなキャリアリカバリ信号のI成分I''kとQ成分Q''kとの共分散I''k・Q''kが、変復調位相差θkの影響が受ける前の直交変調時の軸で計算されているので、直交変調時の送信側IQ位相誤差φtが、変復調位相差θkに関わらず、共分散I''k・Q''kに影響を与えるためである。
式(8)及び式(9)において、不明な変数を、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrの2個とすると、その2個の不明な変数である送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrは、2つの式(8)及び式(9)を連立方程式として解くことにより求めることができる。
この場合、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrは、それぞれ、式(10)及び式(11)で表される。
ここで、式(10)及び式(11)において、Nsは、共分散ΣI'k・Q'k及びΣI''k・Q''kを求めるのに用いる受信DBB信号及びキャリアリカバリ信号の先頭のサンプルのサンプル番号を表す。また、Nは、共分散ΣI'k・Q'k及びΣI''k・Q''kを求めるのに用いる受信DBB信号及びキャリアリカバリ信号のサンプル数を表す。
式(10)及び式(11)によれば、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrは、いずれも、受信DBB信号のI成分I'kとQ成分Q'kとの共分散ΣI'k・Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''kとQ成分Q''kとの共分散ΣI''k・Q''k、及び、変復調位相差θkを用いて求めることができる。
誤差処理部80は、式(10)及び式(11)に従って、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrを求め、その送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrに基づき、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrを0にするように、送信側キャリア及び受信側キャリアの位相の調整を行う。
<誤差処理部101の構成例>
図4は、図3の誤差処理部80の構成例を示すブロック図である。
図4において、誤差処理部80は、取得部101、誤差検出部102、誤差補正部103、及び、制御部104を有する。
取得部101は、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkを取得し、誤差検出部102に供給する。
すなわち、取得部101は、AD部76から、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kを取得する。また、取得部101は、例えば、キャリアリカバリ部81から、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkを取得する。
誤差検出部102は、取得部101から供給される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkを必要に応じて用いて、IQ誤差を検出し、誤差補正部103に供給する。
すなわち、誤差検出部102は、図示せぬメモリ(例えば、FIFO(First In First Out)メモリ等)を内蔵しており、取得部101から供給される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkを、内蔵するメモリに供給することで、そのメモリに、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のNサンプルを記憶させる。
そして、誤差検出部102は、例えば、内蔵するメモリに記憶された受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kの最新のNサンプルを用いて、その受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれの平均値を、直交復調部73のI成分及びQ成分それぞれのDCオフセット(受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(あるいは、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t))それぞれのDCオフセット)として求める。
また、誤差検出部102は、例えば、内蔵するメモリに記憶された受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kの最新のNサンプルを用いて、その受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれの自乗和を、I成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれのパワーとして求め、そのパワーの差を、直交復調部73のIQ利得誤差(受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(あるいは、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t))のIQ利得誤差)として出力する。
さらに、誤差検出部102は、例えば、内蔵するメモリに記憶されたキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kの最新のNサンプルを用いて、そのキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kそれぞれの平均値を、直交変調部54のI成分及びQ成分それぞれのDCオフセット(キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k(あるいは、RF信号のI成分及びQ成分)それぞれのDCオフセット)として求める。
また、誤差検出部102は、例えば、内蔵するメモリに記憶されたキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kの最新のNサンプルを用いて、そのキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kそれぞれの自乗和を、そのI成分I''k及びQ成分Q''kそれぞれのパワーとして求め、そのパワーの差を、直交変調部54のIQ利得誤差(キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k(あるいは、RF信号のI成分及びQ成分)のIQ利得誤差)として出力する。
る。
さらに、誤差検出部102は、内蔵するメモリに記憶された受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のNサンプルを用い、式(10)及び式(11)に従って、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrを求める(検出する)。
誤差補正部103は、誤差検出部102から供給されるDCオフセット、IQ利得誤差、並びに、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrを0に補正(調整)する。
すなわち、誤差補正部103は、誤差検出部102から供給されるDCオフセット、IQ利得誤差、並びに、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrを0に補正するように、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部74、及び、位相シフタ79を制御する。
制御部104は、誤差処理部80全体を制御する。また、制御部104は、誤差処理部80においてIQ誤差を補正するときに、DBB変調部51を制御することで、DBB変調部51に、既知のデータを含む送信DBB信号を出力(送信)させる。
なお、図4において、例えば、誤差補正部103は、誤差処理部80に含めずに構成することができる。
<誤差補正処理>
図5は、図4の誤差処理部80が行う、IQ誤差を補正(キャリブレーション)する誤差補正処理を説明するフローチャートである。
誤差補正処理では、ステップS11において、制御部104は、DBB変調部51を制御することで、DBB変調部51に、既知のデータを含む所定の送信DBB信号を出力させる。これにより、送信部21では、直交変調部54において、既知のデータを含む所定の送信DBB信号に対応する送信ABB信号のI成分I(t)及びQ成分Q(t)が直交変調され、その直交変調によって得られるRF信号が送信される。
受信部22では、送信部21からのRF信号が受信され、直交復調部73で直交復調される。直交復調部73での直交復調の結果得られる受信ABB信号は、アンプ部74及びフィルタ部75を介して、AD部76に供給され、AD変換される。
AD部76での受信ABB信号のAD変換の結果得られる受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kは、誤差処理部80、及び、キャリアリカバリ部81に供給される。
キャリアリカバリ部81では、AD部76からの受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kから、変復調位相差θkが求められ、誤差処理部80に供給される。
さらに、キャリアリカバリ部81では、変復調位相差θkによって、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kが、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kに補正され、誤差処理部80に供給される。
以下、同様にして、誤差処理部80には、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkが、順次供給される。
ステップS11の後、処理は、ステップS12に進み、誤差処理部80は、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(ひいては、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t))のそれぞれのDCオフセットを0にするように、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t)のそれぞれをオフセットする受信側DCオフセット調整を行う。
すなわち、受信側DCオフセット調整では、取得部101が、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを取得し、誤差検出部102に供給する。
誤差検出部102は、取得部101からの受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを、内蔵するメモリに記憶させる。
さらに、誤差検出部102は、内蔵するメモリに記憶された受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kの最新のNサンプルを用いて、その受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれの平均値を、直交復調部73のI成分及びQ成分それぞれのDCオフセット(受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれのDCオフセット)として求め、誤差補正部103に供給する。
誤差補正部103は、アンプ部74を制御することにより、誤差検出部102から供給される受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれのDCオフセットが0になるように、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t)のそれぞれをオフセットさせる。
ステップS12での受信側DCオフセット調整の後、処理は、ステップS13に進み、誤差処理部80は、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(ひいては、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t))のそれぞれのパワーが等しくなるように、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t)のそれぞれの利得を調整する受信側利得調整を行う。
すなわち、受信側利得調整では、取得部101が、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを取得し、誤差検出部102に供給する。
誤差検出部102は、取得部101からの受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを、内蔵するメモリに記憶させる。
さらに、誤差検出部102は、内蔵するメモリに記憶された受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kの最新のNサンプルを用いて、その受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれの自乗和を、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれのパワーとして求め、そのパワーの差を、直交復調部73のIQ利得誤差(受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(ひいては、受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t))のIQ利得誤差)として、誤差補正部103に供給する。
誤差補正部103は、アンプ部74を制御することにより、直交復調部73のIQ利得誤差が0になるように、すなわち、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれのパワーが等しくなるように、アンプ部74における受信ABB信号のI成分I'(t)及びQ成分Q'(t)のそれぞれの利得を調整する。
ステップS13での受信側オフセット調整の後、処理は、ステップS14に進み、誤差処理部80は、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k(ひいては、RF信号のI成分及びQ成分)のそれぞれのDCオフセットを0にするように、直交変調部54が出力するRF信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットする送信側DCオフセット調整を行う。
すなわち、送信側DCオフセット調整では、取得部101が、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを取得し、誤差検出部102に供給する。
誤差検出部102は、取得部101からの受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを、内蔵するメモリに記憶させる。
さらに、誤差検出部102は、内蔵するメモリに記憶されたキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kの最新のNサンプルを用いて、そのキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kそれぞれの平均値を、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k(ひいては、RF信号のI成分及びQ成分)それぞれのDCオフセットとして求め、誤差補正部103に供給する。
誤差補正部103は、直交変調部54(のパラメータ)を制御することにより、誤差検出部102から供給されるキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k(ひいては、RF信号のI成分及びQ成分)それぞれのDCオフセットが0になるように、直交変調部54が出力するRF信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせる。
ステップS14での送信側DCオフセット調整の後、処理は、ステップS15に進み、誤差処理部80は、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kのそれぞれのパワーが等しくなるように、直交変調部54が出力するRF信号のI成分及びQ成分のそれぞれの利得を調整する送信側利得調整を行う。
すなわち、送信側利得調整では、取得部101が、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを取得し、誤差検出部102に供給する。
誤差検出部102は、取得部101からの受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを、内蔵するメモリに記憶させる。
さらに、誤差検出部102は、内蔵するメモリに記憶されたキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kの最新のNサンプルを用いて、そのキャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kそれぞれの自乗和を、キャリアリカバリ信号のI成分I'k及びQ成分Q'kそれぞれのパワーとして求め、そのパワーの差を、直交変調部54のIQ利得誤差(キャリアリカバリ信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(ひいては、RF信号のI成分及びQ成分)のIQ利得誤差)として、誤差補正部103に供給する。
誤差補正部103は、直交変調部54(のパラメータ)を制御することにより、誤差検出部102から供給されるIQ利得誤差を0にするように、すなわち、キャリアリカバリ信号のI成分I'k及びQ成分Q'k(ひいては、RF信号のI成分及びQ成分)それぞれのパワーが等しくなるように、直交変調部54が出力するRF信号のI成分及びQ成分のそれぞれの利得を調整する。
ステップS15での送信側DCオフセット調整の後、処理は、ステップS16に進み、誤差処理部80は、受信側IQ位相誤差φrを0にするように、受信側キャリアの位相を調整するとともに、送信側IQ位相誤差φtを0にするように、送信側キャリアの位相を調整する位相調整を行って、誤差補正処理は終了する。
なお、図5において、ステップS12ないしS15の処理は、任意の順番で行うことができる。
図6は、図5のステップS16で行われる位相調整の処理の詳細例を説明するフローチャートである。
ステップS21において、取得部101は、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを取得し、誤差検出部102に供給する。
誤差検出部102は、取得部101からの受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のサンプルを、内蔵するメモリに記憶させ、処理は、ステップS21からステップS22に進む。
ステップS22では、誤差検出部102は、内蔵するメモリに記憶された受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'k、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''k、並びに、変復調位相差θkの最新のNサンプルを用い、式(10)及び式(11)に従って、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrをそれぞれ求め、誤差補正部103に供給して、処理は、ステップS23に進む。
ステップS23では、誤差補正部103は、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrが、いずれも0(0とみなせる値を含む)であるかどうかを判定する。
ステップS23において、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrのうちの少なくとも一方が0でないと判定された場合、処理は、ステップS24に進み、誤差補正部103は、送信側IQ位相誤差φtが0(0とみなせる値を含む)であるかどうかを判定する。
ステップS24において、送信側IQ位相誤差φtが0であると判定された場合、処理は、ステップS25をスキップして、ステップS26に進む。
また、ステップS24において、送信側IQ位相誤差φtが0でないと判定された場合、処理は、ステップS25に進み、誤差補正部103は、送信側IQ位相誤差φtが0になるように、移相送信側キャリアの位相を調整して、処理は、ステップS26に進む。
すなわち、誤差補正部103は、例えば、式(12)に従い、位相シフタ58において、送信側キャリアの位相を回転させる回転量の設定値CR Kを更新し、その更新後の設定値CR Kに従って、位相シフタ58での送信側キャリアの位相の回転量を制御する。
ここで、CR Kは、更新後の設定値を表し、CR K-1は、更新前の設定値を表す。また、μは、ループゲインであり、式(12)の漸化式を繰り返し計算した場合に、更新後の設定値CR Kが十分に収束する程度の大きさの定数である。
ステップS26では、誤差補正部103は、受信側IQ位相誤差φrが0(0とみなせる値を含む)であるかどうかを判定する。
ステップS26において、受信側IQ位相誤差φrが0であると判定された場合、処理は、ステップS27をスキップして、ステップS21に戻る。
また、ステップS26において、受信側IQ位相誤差φrが0でないと判定された場合、処理は、ステップS27に進み、誤差補正部103は、受信側IQ位相誤差φrが0になるように、移相受信側キャリアの位相を調整して、処理は、ステップS21に戻る。
すなわち、誤差補正部103は、例えば、上述の式(12)における送信側IQ位相誤差φtを、受信側IQ位相誤差φrに置換した式に従い、位相シフタ79において、受信側キャリアの位相を回転させる回転量の設定値CR Kを更新し、その更新後の設定値CR Kに従って、位相シフタ79での受信側キャリアの位相の回転量を制御する。
その後、ステップS23において、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrが、いずれも0であると判定された場合、位相調整の処理は、終了する(リターンする)。
なお、位相調整の処理では、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrのうちのいずれか一方だけを検出することや、一方だけを補正することができる。
また、位相調整の処理において、送信側IQ位相誤差φt、及び、受信側IQ位相誤差φrの両方の検出/補正を行う場合には、送信側IQ位相誤差φtの検出/補正、及び、受信側IQ位相誤差φrの検出/補正の順番は、任意の順番とすることができる。
さらに、図6の位相調整の処理では、送信側IQ位相誤差φtが0になるまで、ステップS25での移相送信側キャリアの位相の調整を繰り返し行うこととしたが、移相送信側キャリアの位相の調整は、送信側IQ位相誤差φtに関わらず、1回だけ行うことができる。
但し、移相受信側キャリアの位相の調整を、送信側IQ位相誤差φtが0になるまで繰り返し行うことにより、移相受信側キャリアの位相を、精度良く補正することができる。ステップS27での移相受信側キャリアの位相の調整についても、同様である。
以上のように、誤差処理部80では、直交変調で得られたRF信号を直交復調することにより得られる復調信号としての受信DBB信号、その受信DBB信号を変復調位相差θによって補正したキャリアリカバリ信号、及び、変復調位相差θを用い、式(10)及び式(11)に従って、受信側 I/Q 位相誤差φr及び送信側I/Q位相誤差φtを求めるので、例えば、RF信号のパワーを検出するパワーディテクタ回路、並びに、そのパワーディテクタ回路に対して、直交変調部54から出力されたRF信号を供給するための迂回経路及びスイッチ等からなる特別な回路を設けることなく、送信側IQ位相誤差φtを、容易に検出することができる。
さらに、式(10)や式(11)に従って、受信側 I/Q 位相誤差φrや送信側I/Q位相誤差φtを求める場合には、例えば、実用的な雑音環境下において、受信側 I/Q 位相誤差φrや送信側I/Q位相誤差φtが小さい場合であっても、その小さい受信側 I/Q 位相誤差φrや送信側I/Q位相誤差φtを検出することができる。
すなわち、式(10)や式(11)に従って、受信側 I/Q 位相誤差φrや送信側I/Q位相誤差φtを求める場合には、例えば、SNRが26dBの環境下において、5°以下の受信側 I/Q 位相誤差φrや送信側I/Q位相誤差φtを十分に検出することができる。
<送信部21及び受信部22の他の構成例>
図7は、図2の送信部21及び受信部22の他の構成例を示すブロック図である。
なお、図中、図3の場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
図7の送信部21及び受信部22は、受信部22がキャリアリカバリ部81を有していない点で、図3の送信部21及び受信部22と相違する。
図7では、受信部22において、AD部76が出力する受信DBB信号が、DBB復調部77、及び、誤差処理部80に供給される。
そのため、DBB復調部77は、キャリアリカバリ信号ではなく、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kから、元のデータを復調する。
また、誤差処理部80(図4)では、例えば、取得部101が、AD部76が出力する受信DBB信号を取得し、その受信DBB信号から、変復調位相差θを求めることにより取得する。
さらに、取得部101は、受信DBB信号と変復調位相差θとを用い、式(7)に従って、キャリアリカバリ信号を求めることにより取得する。
誤差処理部80において、受信DBB信号、キャリアリカバリ信号、及び、変復調位相差θを取得した後は、図3の場合と同様にして、IQ誤差を検出して補正することができる。
なお、送信側I/Q位相誤差φtが、既知の位相誤差φt_offsetを含み、その既知の位相誤差φt_offsetと未知の位相誤差φt_unknownとからなる場合には、送信側I/Q位相誤差φt(あるいは、未知の位相誤差φt_unknown)は、式(10)と同様の式(13)に従って求めることができる。
同様に、受信側I/Q位相誤差φrが、既知の位相誤差φr_offsetを含み、その既知の位相誤差φr_offsetと未知の位相誤差φr_unknownとからなる場合には、受信側I/Q位相誤差φr(あるいは、未知の位相誤差φr_unknown)は、式(11)と同様の式(14)に従って求めることができる。
さらに、変復調位相差θkが、既知の位相差θoffsetを含み、その既知の位相差θoffsetと未知の位相差θunknownとからなる場合には、例えば、キャリアリカバリ部81では、受信DBB信号を用いて、変復調位相差θk、又は、未知の位相差θunknown=θk−θoffsetを求め、式(7)と同様の式(15)に従って、受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kを、キャリアリカバリ信号のI成分I''k及びQ成分Q''kに補正することができる。
また、本実施の形態では、時間領域の受信DBB信号を用いて、変復調位相差θkの検出や、受信DBB信号からキャリアリカバリ信号への補正を行うこととしたが、変復調位相差θkの検出や、受信DBB信号からキャリアリカバリ信号への補正は、時間領域の受信DBB信号を周波数領域の受信DBB信号に変換し、その周波数領域の受信DBB信号を用いて行うことができる。
ここで、送信側I/Q位相誤差φtを求める式(10)や、受信側I/Q位相誤差φrを求める式(11)では(式(13)や式(14)も同様)、cos(2θk)の計算が含まれているが、cos(2θk)は、式(16)に示すように変形することができる。
式(16)によれば、送信側I/Q位相誤差φtや受信側I/Q位相誤差φrを求めるにあたって、変復調位相差θkが、角度Aであるのか、角度A+180°であるのかは、区別する必要がない。
さらに、式(16)によれば、送信側I/Q位相誤差φtや受信側I/Q位相誤差φrの絶対値を求めるにあたっては、変復調位相差θkが、角度A,A+90°,A+180°、及び、A+270°のうちのいずれであるのかを区別する必要がない。
また、本実施の形態では、既知のデータに対応する受信DBB信号のI成分I'k及びQ成分Q'kの、コンスタレーション上の本来の信号点からのずれに基づいて、変復調位相差θkを検出することとしたが、誤差処理部80において、局部発振器57や78を制御することにより、変復調位相差θkを任意の角度に制御することができる場合には、誤差処理部80が制御する変復調位相差θkを用いて、受信DBB信号からキャリアリカバリ信号への補正や、送信側I/Q位相誤差φt、及び、受信側I/Q位相誤差φrの算出を行うことができる。
さらに、誤差処理部80において、変復調位相差θkを任意の角度に制御することができる場合には、cos(2θk)が0(0とみなせる値を含む)となるように、変復調位相差θkを制御することにより、式(10)及び式(11)において、cos(2θk)=0とした式(17)及び式(18)に従って、送信側I/Q位相誤差φt、及び、受信側I/Q位相誤差φrを、それぞれ求めることができる。
<本技術を適用したコンピュータの説明>
誤差処理部80の一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、マイクロコンピュータ等のコンピュータにインストールされる。
そこで、図8は、誤差処理部80の一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク205やROM203に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、リムーバブル記録媒体211に格納、記録しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。ここで、リムーバブル記録媒体211としては、例えば、フレキシブルディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM),Magneto Optical(MO)ディスク,Digital Versatile Disc(DVD)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体211からコンピュータにインストールする他、通信網や放送網を介して、コンピュータにダウンロードし、内蔵するハードディスク205にインストールすることができる。すなわち、プログラムは、例えば、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、Local Area Network(LAN)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することができる。
コンピュータは、Central Processing Unit(CPU)202を内蔵しており、CPU202には、バス201を介して、入出力インタフェース210が接続されている。
CPU202は、入出力インタフェース210を介して、ユーザによって、入力部207が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、Read Only Memory(ROM)203に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU202は、ハードディスク205に格納されたプログラムを、Random Access Memory(RAM)204にロードして実行する。
これにより、CPU202は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU202は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース210を介して、出力部206から出力、あるいは、通信部208から送信、さらには、ハードディスク205に記録等させる。
なお、入力部207は、キーボードや、マウス、マイク等で構成することができる。また、出力部206は、Liquid Crystal Display(LCD)やスピーカ等で構成することができる。
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
また、プログラムは、1のコンピュータ、又はプロセッサにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素、例えば、装置、モジュール部品等の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
すなわち、例えば、本技術は、図1で説明した電子機器11と12との間の通信の他、電子機器を構成する半導体チップどうしの通信や、半導体チップが搭載された基板どうしの通信、半導体チップと基板との間の通信等に適用することができる。
さらに、本技術は、RF信号として、ミリ波を採用する通信の他、ミリ波よりも低い、又は、高い周波数帯の信号を採用する通信にも適用することができる。
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
<1>
直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号と、
前記直交変調で用いられる送信側キャリアと、前記直交復調で用いられる受信側キャリアとの位相差である変復調位相差と、
前記復調信号を、前記変復調位相差によって補正したキャリアリカバリ信号と
を取得する取得部と、
前記復調信号、前記変復調位相差、及び、前記キャリアリカバリ信号を用いて、前記送信側キャリアの位相誤差、及び、前記受信側キャリアの位相誤差のうちの少なくとも一方を求める誤差検出部と
を備える信号処理装置。
<2>
前記誤差検出部は、前記復調信号のI成分とQ成分との共分散、及び、前記キャリアリカバリ信号のI成分とQ成分との共分散を用いて、前記送信側キャリアの位相誤差、及び、前記受信側キャリアの位相誤差のうちの少なくとも一方を求める
<1>に記載の信号処理装置。
<3>
前記誤差検出部は、前記復調信号のI成分とQ成分との共分散、及び、前記キャリアリカバリ信号のI成分とQ成分との共分散から得られる連立方程式に基づき、前記送信側キャリアの位相誤差、及び、前記受信側キャリアの位相誤差のうちの少なくとも一方を求める
<2>に記載の信号処理装置。
<4>
前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にする受信側DCオフセット調整、
前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーを等しくする受信側ゲイン調整、
前記変調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にする送信側DCオフセット調整、
及び、前記変調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーを等しくする送信側ゲイン調整
が行われた後、前記誤差検出部は、前記送信側キャリアの位相誤差、及び、前記受信側キャリアの位相誤差のうちの少なくとも一方を求める
<1>ないし<3>のいずれかに記載の信号処理装置。
<5>
前記送信側キャリアの位相誤差に基づく、前記送信側キャリアの位相の調整、及び、前記受信側キャリアの位相誤差に基づく、前記受信側キャリアの位相の調整のうちの少なくとも一方を行う誤差補正部をさらに備える
<1>ないし<4>のいずれかに記載の信号処理装置。
<6>
既知のデータを直交変調した前記変調信号を直交復調することにより得られる前記復調信号の、前記既知のデータのコンスタレーション上の信号点からのずれから、前記変復調位相差を求める
<1>ないし<5>のいずれかに記載の信号処理装置。
<7>
直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号と、
前記直交変調で用いられる送信側キャリアと、前記直交復調で用いられる受信側キャリアとの位相差である変復調位相差と、
前記復調信号を、前記変復調位相差によって補正したキャリアリカバリ信号と
を取得し、
前記復調信号、前記変復調位相差、及び、前記キャリアリカバリ信号を用いて、前記送信側キャリアの位相誤差、及び、前記受信側キャリアの位相誤差のうちの少なくとも一方を求める
ステップを含む信号処理方法。
<8>
直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号と、
前記直交変調で用いられる送信側キャリアと、前記直交復調で用いられる受信側キャリアとの位相差である変復調位相差と、
前記復調信号を、前記変復調位相差によって補正したキャリアリカバリ信号と
を取得する取得部と、
前記復調信号、前記変復調位相差、及び、前記キャリアリカバリ信号を用いて、前記送信側キャリアの位相誤差、及び、前記受信側キャリアの位相誤差のうちの少なくとも一方を求める誤差検出部と
して、コンピュータを機能させるためのプログラム。