JP2014195156A - 受信装置、受信方法、送受信装置、及び、送受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】IQ位相誤差を、容易に補正する。
【解決手段】信号取得部は、直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する。位相制御部は、復調信号に基づいて、受信側キャリアの位相を調整する。本技術は、例えば、直交変調及び直交復調を行う搬送波通信方式での通信において、I成分とQ成分との位相差の、90度からのずれであるIQ位相誤差を補正する場合等に適用することができる。
【選択図】図4

Description

本技術は、受信装置、受信方法、送受信装置、及び、送受信方法に関し、特に、直交復調で用いられる受信側キャリアの位相誤差を、容易に補正することができるようにする受信装置、受信方法、送受信装置、及び、送受信方法に関する。
近年、オフィスや家庭等で用いられる無線通信技術として、例えば、IEEE802.11系の規格に基づいた無線Local Area Network(LAN)通信や、ワイヤレスUniversal Serial Bus(USB)規格に基づいた無線Personal Area Network(PAN)通信等が実用化され、様々な製品が市場に出ている。
これらの無線通信技術は、搬送波通信方式を用いて実現されている。また、搬送波通信方式は、無線に限らず、例えば、光通信等の有線による通信方式においても用いられている。
搬送波通信方式は、有線及び無線のいずれでも、直交変復調(直交変調、及び、直交復調)を用いた方式が多い。特に、搬送波通信方式を用いた多値変調では、ほぼすべての場合において、直交変復調が行われている。
搬送波通信方式における無線通信の送信機では、同相(I)成分及び直交(Q)成分を有するベースバンド(Baseband(BB))信号が、局部発振器(Local Oscillator(LO))からの送信側キャリアを用いて直交変調され、I成分及びQ成分を有するRadio Frequency(RF)信号に周波数変換(アップコンバート)される。RF信号は、増幅器やアンテナ等を介し、電波として空間へ送信された後、受信機において、BB信号へ周波数変換(ダウンコンバート)される。
高周波数帯のキャリアを用いて直交変換を行う直交変調器は、アナログ回路によって実現される場合が多い。
アップコンバートやダウンコンバートの方式としては、例えば、ダイレクトコンバージョン方式やスーパーヘテロダイン方式がある。
ダイレクトコンバージョン方式では、BB信号とRF信号との間の変換が、一度の周波数変換で行われるが、スーパーヘテロダイン方式では、BB信号とRF号との間の変換が、一度の周波数変換では行われずに、一旦、中間周波数への周波数変換が行われる。
スーパーヘテロダイン方式では、中間周波数への周波数変換を行うために、イメージ除去フィルタや中間周波数用のバンドパスフィルタ等の高周波部品が必要となる。
一方、ダイレクトコンバージョン方式では、スーパーヘテロダイン方式で必要となる高周波部品が不要であり、小型化、低消費電力化、低コスト化に向いている。
しかしながら、ダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置の直交変調器が、アナログ回路で実現されている場合、温度や、製造ばらつき、経年・経時変化に起因して、I成分信号とQ成分信号と間の誤差(IQ誤差)や、I成分とQ成分それぞれのDirect current(DC)オフセットが生じるときがある。
ここで、IQ誤差には、I成分とQ成分との利得の差であるIQ利得誤差、I成分とQ成分との位相差の、90度からのずれであるIQ位相誤差がある。
IQ誤差がある直交変調器を用いて、BB信号をアップコンバートした場合、直交変換で用いられる送信側キャリアの周波数を中心として対称となる周波数成分であるイメージ信号が発生し、本来の送信RF信号に干渉する。
イメージ信号による干渉は、受信信号の信号対雑音比(signal-to-npose ratio(SNR))やbit-error rate(BER)などの通信品質を劣化させるが、その劣化の程度は一般的に、送信BB信号の多値度が大きくなればなるほど大きくなる。
このため、近年では通信の高速化に伴い、IQ誤差によるイメージ信号の抑圧の要求レベルが上昇している。
しかしながら、ダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置の構成、プロセスの低電圧化に起因する回路構成上の制約、低コストを目的としたプロセス制約等により、IQ位相誤差は、むしろ劣化する傾向にある。
したがって、IQ誤差によるイメージ信号の抑圧の要求レベルを満たすためには、IQ位相誤差を検出し、そのIQ位相誤差を補正する機能を無線機に搭載することが強く要求される。
そこで、直交復調を行う直交復調器におけるIQ位相誤差(以下、受信側IQ位相誤差ともいう)を補正する方法として、例えば、送信側の直交変調器において、単一トーンの基準信号からRF信号を生成して、直交復調器に供給し、直交復調器から出力されるアナログのBB信号のI成分とQ成分を、A/D変換器により量子化して、ディジタル信号に変換し、そのディジタル信号のI成分とQ成分の積和平均をとって、その積和平均値が0に近づくように、直交復調器におけるIQ位相誤差である受信側IQ位相誤差を補正する補正パラメータを調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010-283589号公報
特許文献1に記載の方法では、送信側の直交変調器のIQ位相誤差(以下、送信側IQ位相誤差ともいう)がある場合、受信側IQ位相誤差を0になるように補正しても、実際には、受信側IQ位相誤差として、送信側IQ位相誤差に相当するIQ位相誤差が残存する。
そのため、特許文献1に記載の方法でIQ位相誤差を高精度で調整するためには、前提条件として、送信側の直交変調器のIQ位相誤差(送信側IQ位相誤差)が非常に小さいことが重要である。
そして、送信側IQ位相誤差を0に近い値とするには、送信側IQ位相誤差を検出する必要があり、そのための回路(送信側IQ位相誤差を検出する回路)として、RF信号のパワーを検出するパワーディテクタ回路、並びに、そのパワーディテクタ回路に対して、直交変調器から出力されたRF信号を供給するための迂回経路及びスイッチが、RF信号が送信される信号線の途中に必要になる。
しかしながら、スイッチが、RF信号の信号線上に設けられる場合には、特に、ミリ波等の高周波数帯では、スイッチでのRF信号の減衰による信号品質の劣化が無視できないレベルとなる。
一方、IQ位相誤差は、製造ばらつきによってばらつく他、例えば、温度や経年(経時)劣化によって変動する。
したがって、IQ位相誤差については、ビルトインセルフテスト(Built in self test)で、容易に補正することができることが望ましい。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、IQ位相誤差を、容易に補正することができるようにするものである。
本技術の受信装置は、直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する信号取得部と、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する位相制御部とを備える受信装置である。
本技術の受信方法は、直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得し、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整するステップを含む受信方法である。
本技術の送受信装置は、直交変調を行う直交変調部と、直交復調を行う直交復調部と、直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する信号取得部と、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する位相制御部とを備える送受信装置である。
本技術の送受信方法は、直交変調を行う直交変調部と、直交復調を行う直交復調部とを備える送受信装置が、直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得し、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整するステップを含む送受信方法である。
本技術においては、直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号が取得され、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相が調整される。
なお、受信装置、及び、送受信装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
本技術によれば、受信側キャリアのIQ位相誤差を、容易に補正することができる。
本技術を適用した電子機器システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 電子機器11及び12の構成例を示すブロック図である。 送信部21及び受信部22の構成例を示すブロック図である。 誤差補正部80の構成例を示すブロック図である。 IQ誤差を補正する誤差補正処理を説明するフローチャートである。 ステップS12で行われる受信側位相調整の詳細を説明するフローチャートである。 ステップS14で行われる送信側オフセット調整の詳細を説明するフローチャートである。 ステップS16で行われる送信側位相調整の詳細を説明するフローチャートである。 本技術を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
<本技術を適用した電子機器システムの一実施の形態>
図1は、本技術を適用した電子機器システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1において、電子機器システムは、電子機器11及び12を有する。
電子機器11及び12は、例えば、レコーダや、ディジタルカメラ、テレビジョン受像機(TV)、携帯電話機やタブレット端末等の携帯端末、その他の電子機器であり、例えば、IEEE802.11系の規格その他の搬送波通信方式による通信機能を有している。
したがって、電子機器11と12との間では、通信を行うことができる。
電子機器11として、例えば、ディジタルカメラを採用するとともに、電子機器12として、例えば、TVを採用した場合、ディジタルカメラとしての電子機器11から、そのディジタルカメラで撮影したコンテンツを、TVに送信することにより、TVとしての電子機器12では、電子機器11からのコンテンツを受信して提示すること、例えば画像を表示し、音声を出力することができる。
<電子機器11及び12の構成例>
図2は、図1の電子機器11及び12の構成例を示すブロック図である。
図2Aは、電子機器11及び12の第1の構成例を示している。
電子機器11は、通信部20を有し、電子機器12は、通信部30を有する。
通信部20は、送信部21及び受信部22を有する。
送信部21は、例えば、ミリ波帯や光、その他の周波数帯の信号をキャリアとして用いる搬送波通信方式で、信号を送信する。
受信部22は、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する。なお、受信部22は、その受信部22を有する電子機器11以外の電子機器である、例えば、電子機器12から、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する他、電子機器11が有する送信部21が送信する信号をも受信することができる。
通信部30は、送信部31及び受信部32を有する。
送信部31は、例えば、送信部21と同様の周波数帯の信号をキャリアとして用いる搬送波通信方式で、信号を送信する。
受信部32は、受信部22と同様に、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する。受信部32は、受信部22と同様に、受信部32を有する電子機器12以外の電子機器である、例えば、電子機器11から、搬送波通信方式で送信されてくる信号を受信する他、電子機器12が有する送信部31が送信する信号をも受信することができる。
以上のように、電子機器11の通信部20が、送信部21及び受信部22を有するとともに、電子機器12の通信部30が、送信部31及び受信部32を有する場合には、電子機器11と12との間では、双方向の通信を行うことができる。
図2Bは、電子機器11及び12の第2の構成例を示している。
なお、図中、図2Aの場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
図2Bでは、電子機器11の通信部20が、送信部21及び受信部22の両方ではなく、例えば、受信部22だけを有し、電子機器12の通信部30が、送信部31及び受信部32の両方ではなく、例えば、送信部31だけを有している。
以上のように、電子機器11の通信部20が、受信部22だけを有し、電子機器12の通信部30が、送信部31だけを有している場合には、電子機器12から電子機器11に向かう方向に信号を送信する片方向の通信を行うことができる。
<送信部21及び受信部22の構成例>
図3は、図2の送信部21及び受信部22の構成例を示すブロック図である。
なお、図2の送信部31は、送信部21と同様に構成され、図2の受信部32は、受信部22と同様に構成される。
図3において、送信部21は、DBB(Digital Base Band)変調部51、DA(Digital Analog)部52、フィルタ部53、直交変調部54、PA(Power Amplifier)55、アンテナ56、局部発振器57、及び、位相シフタ58を有する。
DBB変調部51は、送信対象のデータを、I成分及びQ成分を有するディジタルのBB信号に変調し、DA部52に供給する。
なお、DBB変調部51は、いわゆるユーザデータ(ペイロード)の他、後述する誤差補正部80の制御に従ったデータを、ディジタルのBB信号に変調し、DA部52、ひいては、後段の直交変調部54に供給することができる。
DA部52は、Digital Analog Converter(DAC)52I及び52Qを有する。
DAC52Iは、DBB変調部51からDA部52に供給されるBB信号のI成分をDA変換し、その結果得られるアナログのBB信号のI成分を、フィルタ部53に供給する。
DAC52Qは、DBB変調部51からDA部52に供給されるBB信号のQ成分をDA変換し、その結果得られるアナログのBB信号のQ成分を、フィルタ部53に供給する。
フィルタ部53は、Low Pass Filter(LPF)53I及び53Qを有する。
LPF53Iは、DAC52Iからフィルタ部53に供給されるBB信号のI成分をフィルタリングすることにより、DAC52Iに起因するイメージ信号を除去して、直交変調部54に供給する。
LPF53Qは、DAC52Qからフィルタ部53に供給されるBB信号のQ成分をフィルタリングすることにより、DAC52Qに起因するイメージ信号を除去して、直交変調部54に供給する。
直交変調部54は、ミキサ54I及び54Qを有し、局部発振器57及び位相シフタ58から供給されるキャリア(送信側キャリア)を用いて、LPF53IからのBB信号のI成分、及び、LPF53QからのBB信号のQ成分を、変調信号としてのRF信号に直交変調する。
すなわち、ミキサ54Iには、LPF53IからBB信号のI成分が供給されるとともに、局部発振器57から、ミリ波帯その他の周波数帯のキャリアが、直交変調に用いる送信側キャリアとして供給される。
ミキサ54Iは、LPF53IからのBB信号のI成分と、局部発振器57からの送信側キャリアとを乗算することにより、BB信号のI成分を、RF信号のI成分にアップコンバートして出力する。
ミキサ54Qには、LPF53QからBB信号のQ成分が供給されるとともに、位相シフタ58から、局部発振器57が出力するキャリアの位相を、90度だけ回転した(進めた、又は、遅らせた)信号が、直交変調に用いる送信側キャリアとして供給される。
ここで、位相シフタ58が出力する送信側キャリア、すなわち、局部発振器57が出力するキャリアの位相を90度だけ回転した信号を、以下、移相送信側キャリアともいう。
ミキサ54Qは、LPF53QからのBB信号のI成分と、位相シフタ58からの移相送信側キャリアとを乗算することにより、BB信号のQ成分を、RF信号のQ成分に変換して出力する。
ミキサ54Iが出力するRF信号のI成分と、ミキサ54Qが出力するRF信号のQ成分とは、混合され、その混合後のRF信号が、PA55に供給される。
なお、直交変調部54では、後述する誤差補正部80の制御に従って、ミキサ54Iが出力するRF信号のI成分、及び、ミキサ54Qが出力するRF信号のQ成分のそれぞれのゲインやDCオフセットを調整することができる。
PA55は、直交変調部54からの、ミキサ54Iが出力するRF信号のI成分とミキサ54Qが出力するRF信号のQ成分とを混合したRF信号を増幅し、アンテナ56に供給する。
アンテナ56は、PA55からのRF信号を、電波として、空気中その他の媒体に出力(放射)する。
局部発振器57は、所定の周波数の信号を発振し、送信側キャリアとして、直交変調部54のミキサ54I、及び、位相シフタ58に供給(出力)する。
なお、局部発振器57では、後述する誤差補正部80の制御に従って、局部発振器57の発振周波数、すなわち、送信側キャリアの周波数を調整又は設定することができる。
位相シフタ58は、局部発振器57からのキャリア(送信側キャリア)の位相を90度だけ回転させ、その結果得られる移相送信側キャリアを、直交変調部54のミキサ54Qに供給(出力)する。
なお、位相シフタ58では、後述する誤差補正部80の制御に従って、送信側キャリアの位相を回転させる回転量、すなわち、移相送信側キャリアの位相を調整又は設定することができる。
ここで、送信部21において、DA部52の後段のフィルタ部53、直交変調部54、PA55、及び、アンテナ56が、アナログ信号を扱うアナログ部を構成する。
一方、図3において、受信部22は、アンテナ71、Low Noise Amplifier(LNA)72、直交復調部73、アンプ部74、フィルタ部75、Analog Digital(AD)部76、DBB復調部77、局部発振器78、位相シフタ79、及び、誤差補正部80を有する。
アンテナ71は、送信部21のアンテナ56や、電子機器12の送信部31から送信されてくる電波を受信し、その結果得られるRF信号を、LNA72に供給する。
LNA72は、アンテナ71からのRF信号を増幅し、直交復調部73に供給する。
直交復調部73は、ミキサ73I及び73Qを有し、局部発振器78及び位相シフタ79から供給される受信側キャリアを用いて、LNA72からのRF信号を、復調信号としてのBB信号に直交復調する。
すなわち、ミキサ73Iには、LNA72からRF信号が供給されるとともに、局部発振器78から、送信側キャリアと同一の周波数、又は、異なる周波数のキャリアが、直交復調に用いる受信側キャリアとして供給される。
ミキサ73Iは、LNA72からのRF信号と、局部発振器78からの受信側キャリアとを乗算することにより、RF信号を、BB信号のI成分にダウンコンバートして出力する。
ミキサ73Qには、LNA72からRF信号が供給されるとともに、位相シフタ79から、局部発振器78が出力するキャリアの位相を、90度だけ回転した信号が、直交復調に用いる受信側キャリアとして供給される。
ここで、位相シフタ79が出力する受信側キャリア、すなわち、局部発振器78が出力するキャリアの位相を90度だけ回転した信号を、以下、移相受信側キャリアともいう。
ミキサ73Qは、LNA72からのRF信号と、位相シフタ79からの移相受信側キャリアとを乗算することにより、RF信号を、BB信号のQ成分に変換して出力する。
ミキサ73Iが出力するRF信号のI成分、及び、ミキサ73Qが出力するRF信号のQ成分は、アンプ部74に供給される。
アンプ部74は、Variable Gain Amplifier(VGA)74I及び74Qを有する。
VGA74Iは、直交復調部73からアンプ部74に供給されるBB信号をのI成分を、プログラマブルに電力増幅し、フィルタ部75に供給する。
VGA74Qは、直交復調部73からアンプ部74に供給されるBB信号をのQ成分を、プログラマブルに電力増幅し、フィルタ部75に供給する。
ここで、アンプ部74では、誤差補正部80の制御に従って、VGA74Iが出力するBB信号のI成分、及び、VGA74Qが出力するBB信号のQ成分のそれぞれのゲインやDCオフセットを調整することができる。
なお、BB信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインやオフセットの調整は、アンプ部74で行う他、直交復調部73(のミキサ73I及び73Qの出力段)で行うことができる。
フィルタ部75は、LPF75I及び75Qを有する。
LPF75Iは、アンプ部74からフィルタ部75に供給されるBB信号のI成分をフィルタリングすることにより、倍周波数以上の信号を除去するアンチエイリアシングを行い、フィルタリング後のBB信号のI成分を、AD部76に供給する。
LPF75Qは、アンプ部74からフィルタ部75に供給されるBB信号のQ成分をフィルタリングすることにより、アンチエイリアシングを行い、フィルタリング後のBB信号のQ成分を、AD部76に供給する。
ここで、以上の、AD部76の前段のアンテナ71、LNA72、直交復調部73、アンプ部74、及び、フィルタ部75が、受信部22において、アナログ信号を扱うアナログ部を構成する。
AD部76は、Analog Digital Converter(ADC)76I及び76Qを有する。
ADC76Iは、フィルタ部75から供給されるBB信号のI成分をAD変換し、その結果得られるディジタルのBB信号のI成分を、DBB復調部77、及び、誤差補正部80に供給する。
ADC76Qは、フィルタ部75から供給されるBB信号のQ成分をAD変換し、その結果得られるディジタルのBB信号のQ成分を、DBB復調部77、及び、誤差補正部80に供給する。
DBB復調部77は、AD部76のADC76I及び76QからのBB信号のI成分及びQ成分を元のデータに復調して出力する。
局部発振器78は、所定の周波数の信号を発振し、受信側キャリアとして、直交復調部73のミキサ73I、及び、位相シフタ79に供給(出力)する。
なお、局部発振器78では、誤差補正部80の制御に従って、局部発振器78の発振周波数、すなわち、受信側キャリアの周波数を調整又は設定することができる。
位相シフタ79は、局部発振器78からの受信側キャリアの位相を90度だけ回転させ、その結果得られる移相受信側キャリアを、直交復調部73のミキサ73Qに供給(出力)する。
なお、位相シフタ79では、誤差補正部80の制御に従って、受信側キャリアの位相を回転させる回転量、すなわち、移相受信側キャリアの位相を調整又は設定することができる。
誤差補正部80は、DBB変調部51、局部発振器57及び78を制御し、さらに、AD部76のADC76I及び76QからのBB信号のI成分及びQ成分に基づいて、IQ誤差に対応する物理量を検出し、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部74、及び、位相シフタ79を制御することにより、IQ誤差を補正する。
ここで、以上のように構成される送信部21及び受信部22において、送信部21のDBB変調部51、DA部52、及び、フィルタ部53、並びに、受信部22のアンプ部74、フィルタ部75、AD部76、DBB復調部77、及び、誤差補正部80は、BB信号を扱うBB部を構成する。
また、送信部21の直交復調部54、PA55、アンテナ56、局部発振器57、及び、位相シフタ58、並びに、受信部22のアンテナ71、LNA72、直交復調部73、局部発振器78、及び、位相シフタ79は、RF信号を扱うRF部を構成する。
BB部とRF部とは、別個の半導体チップで構成することもできるし、1個の半導体チップ上に構成することもできる。
以上のように構成される送信部21及び受信部22では、送信部21が、データを、直交変調を行うことにより送信し、受信部22が、直交復調を行うことにより、データを受信する。
すなわち、DBB変調部51には、送信対象のデータが供給される。DBB変調部51は、送信対象のデータを、I成分及びQ成分を有するディジタルのBB信号に変調し、DA部52に供給する。
DA部52では、DBB変調部51からのBB信号がDA変換され、フィルタ部53を介して、直交変調部54に供給される。
直交変調部54では、局部発振器57及び位相シフタ58からの送信側キャリアを用いて、DA部52からフィルタ部53を介して供給されるBB信号が直交変調され、その結果得られるRF信号が、PA55及びアンテナ56を介して送信される。
一方、受信部22では、アンテナ71において、送信部21や、電子機器12の送信部31からのRF信号が受信され、LNA72を介して、直交復調部73に供給される。
直交復調部73では、局部発振器78及び位相シフタ79から供給される受信側キャリアを用いて、アンテナ71からLNA72を介して供給されるRF信号が、BB信号に直交復調され、アンプ部74、及び、フィルタ部75を介して、AD部76に供給される。
AD部76では、直交復調部73から、アンプ部74、及び、フィルタ部75を介して供給されるBB信号がAD変換され、DBB復調部77、及び、誤差補正部80に供給される。
DBB復調部77では、AD部76からのBB信号が元のデータに復調されて出力される。
なお、送信部21及び受信部22の構成は、図3に示した構成に限定されない。
例えば、図3では、送信部21のアンテナ56と、受信部22のアンテナ71とが、別個に設けられているが、送信用のアンテナと受信用のアンテナとは、1つのアンテナで共用することができる。送信用のアンテナと受信用のアンテナとを、1つのアンテナで共用する場合には、送信部21のPA55からアンテナまでの送信経路、及び、そのアンテナからLNA72までの受信経路のそれぞれと、アンテナとの接続の切り替えは、スイッチ等によって行うことができる。
また、RF信号の送受信は、アンテナ56や71を設けて、電波による無線通信で行う他、アンテナ56及び71に代えて、コネクタを設けて、ケーブル等を介した有線通信で行うことができる。
ところで、誤差補正部80は、必要に応じて、DBB変調部51、局部発振器57及び78を制御し、その制御の結果、AD部76から供給されるBB信号に基づいて、IQ誤差を検出する。そして、誤差補正部80は、直交変調部54、位相シフタ58、アンプ部75、及び、位相シフタ79を制御することにより、IQ誤差を補正する。
なお、IQ誤差としては、前述したように、I成分とQ成分との利得の差であるIQ利得誤差、及び、I成分とQ成分との位相差の90度からのずれであるIQ位相誤差があるが、本実施の形態では、IQ誤差には、さらに、I成分とQ成分に含まれるDC成分であるDCオフセットが含まれることとする。
直交変調部54、及び、直交復調部73で扱われるI成分とQ成分とについては、理想的には、IQ誤差がないこと、すなわち、位相差が90であること、利得(ゲイン)が等しいこと、及び、DCオフセットが0であることを前提とする。
しかしながら、実際には、製造ばらつきや、経年(経時)変化、温度特性等により、IQ誤差が生じ、かかるIQ誤差は、信号品質を劣化させる原因となる。
そこで、誤差補正部80では、ビルトインセルフテストで、受信部22のIQ誤差、さらには、送信部21のIQ誤差を補正することができるようになっている。
ここで、IQ誤差の補正は、受信部22において、そのIQ誤差の補正又は調整のためのRF信号である調整信号を受信することにより行われる。
電子機器11が、図2Aに示したように、送信部21及び受信部22の両方を有する場合、調整信号は、送信部21から送信することができ、この場合、IQ誤差の補正は、電子機器11単体で行うことができる。さらに、この場合、送信部21及び受信部22の両方のIQ誤差を補正することができる。
電子機器11が、図2Bに示したように、送信部21及び受信部22の両方ではなく、受信部22だけを有する場合、調整信号は、他の電子機器である、例えば、電子機器12の送信部31から送信することができる。
なお、電子機器11が、図2Aに示したように、送信部21及び受信部22の両方を有する場合であっても、調整信号は、他の電子機器である、例えば、電子機器12の送信部31から送信することができる。
調整信号を、電子機器11以外の電子機器から送信する場合、電子機器11では、受信部22のIQ誤差だけが補正される。
<受信部22のIQ位相誤差の補正>
図3を参照して、誤差補正部80による、受信部22のIQ位相誤差の補正の原理について説明する。
誤差補正部80は、局部発振器57及び78のうちの一方、又は、両方を制御することにより、局部発振器57が出力する送信側キャリアの周波数と、局部発振器78が出力する受信側キャリアの周波数との間に、ゼロでない所定の角周波数差△ωをもたせる。
ここで、送信側キャリアの角周波数(角速度)をωtと表すとともに、受信側キャリアの角周波数をωrと表すこととすると、送信側キャリアの周波数ωtと受信キャリアの周波数ωrとの関係は、式ωt−ωr=△ωで表される。
送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとに、所定の周波数差△ωをもたせた後、誤差補正部80は、DBB変調部51を制御することにより、非ゼロのBB信号を、直交変調部54に供給させる。
DBB変調部51は、誤差補正部80の制御に従い、BB信号のI成分TI k、及び、Q成分TQ kを、DA部52に供給する。ここで、TI k及びTQ kは、それぞれ、DBB変調部51が出力するディジタルのBB信号のI成分及びQ成分のあるサンプルを先頭とするkサンプル目を表す。
DA部52は、DBB変調部51からのBB信号のI成分TI k、及び、Q成分TQ kをDA変換し、その結果得られる時間領域tのアナログ信号であるBB信号のI成分TI(t)、及び、Q成分TQ(t)を、フィルタ部53を介して、直交変調部54に供給する。
直交変調部54は、DA部52からフィルタ部53を介して供給されるBB信号のI成分TI(t)と、周波数ωtの送信側キャリアとを乗算するとともに、BB信号のQ成分TQ(t)と、周波数ωtの移相送信側キャリアとを乗算することにより、直交変換を行う。
直交変換の結果得られるRF信号MT(t)は、式(1)で表される。
Figure 2014195156
・・・(1)
ここで、ATI及びATQは、それぞれ、直交変調部54のI成分及びQ成分の利得を表す。
φtは、直交変調部54で用いられる送信側キャリアのIQ位相誤差、すなわち、位相シフタ58が出力する(移相)送信側キャリアと、局部発振器57が出力する送信側キャリアとの位相差の、90度からのずれを表す。
VoTI及びVoTQは、送信部21の直交変調部54が出力するRF信号のI成分及びQ成分のDCオフセットを表す。
また、T'I(t)は、式T'I(t)=ATITI(t)+VoTIで表され、T'Q(t)は、式T'Q(t)=ATQTQ(t)+VoTQで表される。
なお、ここでは、上述したように、誤差補正部80がDBB変調部51を制御することにより、非ゼロのBB信号(TI K及びTQ k、ひいては、TI(t)及びTQ(t))を、直交変調部54に供給させることとしたが、直交変調部54において、DCオフセットVoTI及びVoTQのうちの少なくとも一方として、非ゼロのDCオフセットを与える場合には、直交変調部54に供給するBB信号としては、ゼロその他の任意の値のBB信号を採用することができる。
すなわち、受信部22のIQ位相誤差の補正にあたっては、式(1)において、cosωttの項とsin(ωtt+φt)の項との少なくとも一方が存在する(消えない)RF信号MT(t)が生成されればよく、その生成の方法は、特に限定されない。
いま、PA55の利得の特性関数をAPA()と、アンテナ56の利得をGaTと、アンテナ71の利得をGaRと、LNA72の利得の特性関数をALNA()と、それぞれ表すこととする。
この場合、直交復調部54から、PA55及びアンテナ56を介して送信され、さらに、アンテナ71で受信され、LNA72を介して、直交復調部73に供給されるRF信号MR(t)は、式(2)で表される。
Figure 2014195156
・・・(2)
ここで、Lは、アンテナ56からアンテナ71までの間の自由空間での伝搬損失を表す。
PA55及びLNA72を、入出力特性が線形の線形領域で使用することとすると、関数APA(x)は、APAを定数として、式APA(x)≒APAxで近似することができ、関数ALNA(x)は、ALNAを定数として、式ALNA(x)≒ALNAxで近似することができる。
この場合、式(2)のRF信号MR(t)は、式(3)で表される。
Figure 2014195156
・・・(3)
なお、APATHは、式APATH=APA×ALNA×L×GaT×GaRで表される。
ここで、直交復調部73のI成分及びQ成分の利得を、それぞれ、ARI及びARQで表すこととする。
さらに、直交復調部73で用いられる受信側キャリアのIQ位相誤差、すなわち、位相シフタ79が出力する移相受信側キャリアと、局部発振器78が出力する受信側キャリアとの位相差の、90度からのずれを、φrで表すこととする。
また、受信部22の直交復調部73が出力するBB信号のI成分及びQ成分のDCオフセットを、それぞれ、VoRI及びVoRQで表すこととする。
さらに、局部発振器57が出力する送信側キャリアと、局部発振器78が出力する受信側キャリアとの位相差を、θdで表すこととする。
この場合、直交復調部73での直交復調の結果得られるBB信号のI成分RI(t)は、式(4)で表される。
Figure 2014195156
・・・(4)
式(4)に、式(3)のMR(t)、さらには、式(1)のMT(t)を代入すると、BB信号のI成分RI(t)は、式(5)で表される。
Figure 2014195156
・・・(5)
ここで、上述したように、誤差補正部80が、局部発振器57及び78のうちの一方、又は、両方を制御することにより、式(5)において、角周波数差△ωは、ゼロでないことが保証されている。
また、式(5)において、A,B,C、及び、Dは、それぞれ、式(6)、式(7)、式(8)、及び、式(9)で表される。
Figure 2014195156
・・・(6)
Figure 2014195156
・・・(7)
Figure 2014195156
・・・(8)
Figure 2014195156
・・・(9)
BB信号のI成分RI(t)は、直交復調部73からアンプ部74を介してフィルタ部75に供給され、そのBB信号のI成分RI(t)の周波数ωt+ωr以上の高周波数成分が、フィルタ部75でのフィルタリングにより除去される。
したがって、式(5)のBB信号のI成分RI(t)の入力に対するフィルタ部75の出力であるBB信号のI成分RL I(t)は、式(10)で表される。
Figure 2014195156
・・・(10)
受信部22のBB信号のQ成分も、I成分と同様に表される。
すなわち、式(3)のRF信号MR(t)に対して、直交復調部73での直交復調の結果得られるBB信号のQ成分RQ(t)は、式(11)で表される。
Figure 2014195156
・・・(11)
ここで、式(11)において、A',B',C'、及び、D'は、それぞれ、式(12)、式(13)、式(14)、及び、式(15)で表される。
Figure 2014195156
・・・(12)
Figure 2014195156
・・・(13)
Figure 2014195156
・・・(14)
Figure 2014195156
・・・(15)
式(11)のBB信号のQ成分RQ(t)の入力に対するフィルタ部75の出力であるBB信号のQ成分RL Q(t)は、式(16)で表される。
Figure 2014195156
・・・(16)
BB信号のI成分RL I(t)、及び、Q成分RL Q(t)(式(5)及び式(16))から、受信側キャリアのIQ位相誤差φrがゼロであるかどうかを評価する値を算出する評価値又は評価関数を導くため、式(5)及び式(16)から、未知の値の送信側キャリアのIQ位相誤差φt、並びに、DCオフセットVoTI,VoTQ,VoRI、及び、VoRQを消去する。
なお、利得、ATI,ATQ,ARI、及び、ARQは、評価値による評価に影響しないこととする。
未知の値の送信側キャリアのIQ位相誤差φt、並びに、DCオフセットVoTI,VoTQ,VoRI、及び、VoRQを消去するため、式(5)のBB信号のI成分RL I(t)と、式(16)のBB信号のQ成分RL Q(t)との積である積データを求めると、その積データRL I(t)RL Q(t)は、式(17)で表される。
Figure 2014195156
・・・(17)
ここで、X(t)は、式(18)で表される。
Figure 2014195156
・・・(18)
式(18)のX(t)を2倍して変形すると、式(19)を導くことができる。
Figure 2014195156
・・・(19)
ここで、式(19)において、d(t,φt,φr)は、式d(t,φt,φr)={(A+D)(B'-C')-(B-C)(A'+D')}で表される。
積データRL I(t)RL Q(t)を表す式(17)の右辺の第2項及び第3項、並びに、式(19)の右辺の最終的な第1項及び第2項は、ゼロでない周波数差△ωに比例する値を角周波数とするalternating current(AC)成分である。
したがって、式(17)の積データRL I(t)RL Q(t)において、周期成分を有しないDC成分を、E(t,φt,φr)と表すこととすると、DC成分E(t,φt,φr)は、式(17)の積データRL I(t)RL Q(t)からAC成分を削除することにより、式(20)で表すことができる。
Figure 2014195156
・・・(20)
式(20)において、d(t,φt,φr)は、上述したように、式d(t,φt,φr)={(A+D)(B'-C')-(B-C)(A'+D')}で表される。したがって、d(t,φt,φr)を展開すると、式(21)で表される。
Figure 2014195156
・・・(21)
ここで、PQ(t,φt)は、式PQ(t,φt)=(T'I(t)-T'Q(t))2+(1-sinφt)×2T'I(t)T'Q(t)で表される。
式(20)に、式(21)を代入することにより、式(20)の積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E(t,φt,φr)は、式(22)で表すことができる。
Figure 2014195156
・・・(22)
式(22)のVoRIは、直交復調部73が出力するBB信号のI成分RI(t)又はRL I(t)のDCオフセットであり、そのI成分RL I(t)の平均をとることで求めることができる。
同様に、式(22)のVoRQは、直交復調部73が出力するBB信号のQ成分RQ(t)又はRL Q(t)のDCオフセットであり、そのQ成分RL Q(t)の平均をとることで求めることができる。
したがって、DCオフセットVoRI及びVoRQは、式(22)から、容易に除去することができる。
すなわち、積データRL I(t)RL Q(t)を計算するときに、その計算に用いるI成分RL I(t)から、そのI成分RL I(t)の平均値としてのDCオフセットVoRIを減算すること、及び、Q成分RL Q(t)から、そのQ成分RL Q(t)の平均値としてのDCオフセットVoRQを減算することの一方、又は、両方を行うことにより、式(22)から、DCオフセットVoRIとVoRQとの積VoRIVoRQを消去することができる。
また、例えば、アンプ部74のVGA74I及び74Qにおいて、BB信号のI成分RL I(t)やQ成分RL Q(t)をオフセットさせ、DCオフセットVoRI及びVoRQのうちの一方、又は、両方を0に調整し、その調整がされたオフセット後のI成分RL I(t)とQ成分RL Q(t)とを用いて、積データRL I(t)RL Q(t)を計算することにより、DCオフセットVoRIとVoRQとの積VoRIVoRQが0になった式(22)のDC成分E(t,φt,φr)を得ることができる。
いま、DCオフセットVoRIとVoRQとの積VoRIVoRQが0になった状態の式(20)のDC成分E(t,φt,φr)を、E'(t,φt,φr)と表すこととする。DC成分E'(t,φt,φr)は、式(22)の右辺のVoRIVoRQを消去した式(23)で表される。
Figure 2014195156
・・・(23)
PA55の利得APA、並びに、直交復調部73のI成分及びQ成分の利得ARI及びARQが、いずれも、非ゼロの一定であり、送信側キャリアのIQ位相誤差φtが一定値であるとすると、式(23)のDC成分E'(t,φt,φr)は、-sinφr×PQ(t,φt)に比例し、したがって、式(24)で表すことができる。
Figure 2014195156
・・・(24)
ここで、式(21)で説明したように、PQ(t,φt)は、式PQ(t,φt)=(T'I(t)-T'Q(t))2+(1-sinφt)×2T'I(t)T'Q(t)で表される。
送信側キャリアのIQ位相誤差φtは、0に近い値であると仮定して問題なく、この場合、sinφtも、0に近い値となり、式PQ(t,φt)=(T'I(t)-T'Q(t))2+(1-sinφt)×2T'I(t)T'Q(t)で表されるPQ(t,φt)は、式(25)に示すように近似することができる。
Figure 2014195156
・・・(25)
式(25)から、PQ(t,φt)は正(PQ(t,φt)>0)であるので、式(24)(及び式(23)のDC成分E'(t,φt,φr)が0になるのは、受信側キャリアのIQ位相誤差φrが0である場合だけである。
さらに、DC成分E'(t,φt,φr)が正(E'(t,φt,φr)>0)になるのは、受信側キャリアのIQ位相誤差φrが負(φr<0)である場合だけであり、DC成分E'(t,φt,φr)が負(E'(t,φt,φr)<0)になるのは、受信側キャリアのIQ位相誤差φrが正(φr>0)である場合だけである。
したがって、式(24)及び式(23)のDC成分E'(t,φt,φr)によれば、受信側キャリアのIQ位相誤差φrが0であるかどうかを評価、判定することができ、さらに、IQ位相誤差φrが0でない場合には、IQ位相誤差φrの正負方向を評価、判定することができる。
以上から、DC成分E'(t,φt,φr)は、受信側キャリアのIQ位相誤差φrが0であるかどうかを評価する評価値として採用することができる。
誤差補正部80は、フィルタ部75から出力されるBB信号のI成分RL I(t)、及び、Q成分RL Q(t)、ひいては、そのBB信号のI成分RL I(t)、及び、Q成分RL Q(t)に対して、AD部76を介して供給されるディジタルのBB信号のI成分RI k、及び、Q成分RQ kを用いて、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)を、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを評価する評価値(以下、誤差評価値ともいう)として求め、その誤差評価値としてのDC成分E'(t,φt,φr)が0になるように、位相シフタ79を制御することにより、位相シフタ79において受信側キャリアの位相を回転させる回転量又は位相シフト量の設定値を調整する。
ここで、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)は、積データRL I(t)RL Q(t)の平均とることによって求めることができる。
また、式(22)で説明したように、誤差評価値としてのDC成分E'(t,φt,φr)を求めるにあたっては、直交復調部73が出力するBB信号のI成分RI(t)又はRL I(t)のDCオフセットVoRI、及び、Q成分RQ(t)又はRL Q(t)のDCオフセットVoRQのうちの少なくとも一方を求める必要があるが、BB信号のI成分RL I(t)のDCオフセットVoRI、及び、Q成分RL Q(t)のDCオフセットVoRQは、I成分RL I(t)、及び、Q成分RL Q(t)のそれぞれの平均をとることで求めることができる。
したがって、BB信号のI成分RL I(t)のDCオフセットVoRI、及び、Q成分RL Q(t)のDCオフセットVoRQは、例えば、誤差補正部80において、フィルタ部75から、AD変換部76を介して供給される、BB信号のI成分RL I(t)、及び、Q成分RL Q(t)のディジタル値RI k及びRQ kそれぞれの移動平均等を、ディジタルLPF等を用いて計算することにより、容易に求めることができる。
なお、一般には、受信側キャリアの周波数ωrは、送信側キャリアの周波数ωtに一致するように設定されるので、送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとの周波数差△ωは、0になる。
これに対して、誤差補正部80は、局部発振器57及び78のうちの一方、又は、両方を制御することにより、送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとの周波数差△ωを、あえて、0でない所定の値にする。
周波数差△ωが0である場合、式(17)の積データRL I(t)RL Q(t)の右辺におけるcos(△ωt)は、1となり、その結果、cos(△ωt)に乗算されている(A+D)や(B'-C')が、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分として残る。
(A+D)や(B'-C')には、送信側キャリアのIQ位相誤差φtが影響する値sinφtやcosφtが含まれるため、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分に、(A+D)や(B'-C')が含まれる、又は残っている場合には、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分が0になるように、移相受信側キャリアの位相を調整しても、実際の受信側キャリアのIQ位相誤差φrは0にはならず、送信側キャリアのIQ位相誤差φtに起因する誤差が、実際の受信側キャリアのIQ位相誤差φrとして残存する。
これに対して、誤差補正部80では、IQ位相誤差φrの補正にあたって、送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとの周波数差△ωが、0でない所定の値にされるため、式(17)の積データRL I(t)RL Q(t)の右辺におけるcos(△ωt)を有する項は、AC成分となる。その結果、式(17)の積データRL I(t)RL Q(t)の右辺におけるcos(△ωt)を有する項は、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分を求める平均をとるときに除去される。
これにより、誤差補正部80では、送信側キャリアのIQ位相誤差φtの影響がない誤差評価値としての積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)(式(23)、式(24))を求めることができる。
したがって、誤差評価値としての積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)を用いることにより、送信側キャリアのIQ位相誤差φtが不明、未知であっても、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを、容易に補正することができる。
すなわち、従来においては、送信側キャリアと受信側キャリアとは、送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとが一致するように設定される。
この場合、IQ位相誤差φtがある送信側キャリアを用いて、移相受信側キャリアの位相を調整するための調整信号としてのRF信号を生成する直交変調を行って、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを求め、そのIQ位相誤差φrを0にするように、受信側キャリアの位相を調整しても、上述したように、実際の受信側キャリアのIQ位相誤差φrには、送信側キャリアのIQ位相誤差φtに相当する誤差が残存する。
送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとが一致している場合において、送信側キャリアのIQ位相誤差φtが不明であるときに、実際の受信側キャリアのIQ位相誤差φrを0に補正するためには、別途、IQ位相誤差のない、I成分とQ成分が無相関の調整信号(以下、位相誤差なし調整信号ともいう)を用いて、受信側キャリアの位相を調整する必要がある。
位相誤差なし調整信号を用いて、受信側キャリアの位相を調整する場合には、例えば、専用の機器で、位相誤差なし調整信号を生成して送信する必要がある。
しかしながら、専用の機器で、位相誤差なし調整信号を生成するのでは、経年劣化や温度変化等に起因して、受信側キャリアのIQ位相誤差φrが変動した場合に対処することが困難であり、ビルトインセルフテストで、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを補正することができない。
ビルトインセルフテストで、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを補正するには、送信側キャリアのIQ位相誤差φtを検出し、そのIQ位相誤差φtを0にするように、移相送信側キャリアの位相を調整する必要がある。
そして、送信側キャリアのIQ位相誤差φtを検出するには、例えば、前述したように、そのIQ位相誤差φtを検出する回路として、送信側に、直交変調によって得られたRF信号のパワーを検出するパワーディテクタ回路、並びに、そのパワーディテクタ回路に対して、RF信号を供給するための迂回経路及びスイッチが、RF信号の信号線の途中に必要になる。
しかしながら、スイッチが、RF信号の信号線上に設けられる場合には、特に、ミリ波等の高周波数帯では、スイッチでのRF信号の減衰を無視することができないため、信号品質の劣化を招く。
これに対して、誤差補正部80によれば、送信側キャリアのIQ位相誤差φtが不明、未知であっても、実際の受信側キャリアのIQ位相誤差φrが0になるように、受信側キャリアの位相を調整することができるので、RF信号の減衰を招くスイッチを設けることなく、容易に、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを補正することができる。
さらに、電子機器11が、図2Aに示したように、受信部22の他、送信部21を有する場合には、送信部21から送信したRF信号を、受信部22で受信するループバックによって、他の装置を用いることなく、電子機器11単体で、受信側キャリアのIQ位相誤差φrを、さらには、後述するように、送信部21側及び受信部22側におけるその他のIQ誤差を補正することができる。
なお、電子機器11において、IQ誤差の補正にあたり、RF信号を、送信部21から受信部22にループバックするパスについては、図3に示したように、PA55やLNA72等のアンプ、アンテナ56及び71等が存在しても問題はない。
また、電子機器11において、受信部22のIQ誤差を補正するにあたって、電子機器11が有する送信部21からのRF信号を用いる場合は勿論、他の電子機器である、例えば、電子機器12からのRF信号を用いる場合であっても、RF信号を送信する送信側におけるI/Q位相誤差、I/Q利得誤差、DCオフセット、キャリアリークの有無は、受信部22のIQ誤差の補正に影響しない。
<誤差補正部80の構成例>
図4は、図3の誤差補正部80の構成例を示すブロック図である。
図4において、誤差補正部80は、信号取得部91、周波数制御部92、オフセット制御部93、ゲイン制御部94、位相制御部95、供給制御部96、及び、評価値算出部97を有する。
信号取得部91は、AD部76(図3)から供給される、受信部22側のBB信号(以下、受信側BB信号ともいう)のI成分RI k及びQ成分RQ kを取得する。
すなわち、信号取得部91は、直交変調部54で得られた、送信部21側の式(1)のRF信号(以下、送信側RF信号ともいう)MT(t)に対して、直交復調部73に供給される、受信部22側の式(3)のRF信号(以下、受信側RF信号ともいう)MR(t)を、直交復調部73で直交復調し、アンプ部74及びフィルタ部75で処理し、さらに、AD部76でAD変換することにより得られるディジタルの受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kを取得する。
ここで、RI k及びRQ kは、それぞれ、直交復調部73での直交復調により得られるアナログの受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)をAD変換することにより得られるディジタルの受信側BB信号のI成分及びQ成分のあるサンプルを先頭とするkサンプル目を表す。
周波数制御部92は、局部発振器57や78を制御することにより、送信側キャリアの周波数ωtや、受信側キャリアの周波数ωrを制御する。
すなわち、周波数制御部92は、受信側キャリアの位相の調整又は補正を行う場合等に、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとの周波数差△ωが、あらかじめ決められた、ゼロでない所定の周波数差になるように、送信側キャリアの周波数ωt、及び、受信側キャリアの周波数ωrのうちの一方、又は、両方を制御する。
また、周波数制御部92は、受信側キャリアの位相の調整が行われた後、送信側キャリアの位相の調整を行う場合等に、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとが等しくなるように送信側キャリアの周波数ωt、及び、受信側キャリアの周波数ωrのうちの一方、又は、両方を制御する。
オフセット制御部93は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、例えば、アンプ部74を制御することにより、そのアンプ部74から出力される受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれのDCオフセットを0にするように、BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれをオフセットさせる。これにより、オフセット制御部93は、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれのDCオフセットを0に補正する。
また、オフセット制御部93は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、直交変調部54を制御することにより、直交変調の対象の、送信部21側のBB信号(以下、送信側BB信号ともいう)がゼロである場合の受信側RF信号MR(t)のパワーが最小になるように、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせる。これにより、オフセット制御部93は、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0に補正する。
ゲイン制御部94は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、例えば、アンプ部74(図3)を制御することにより、そのアンプ部74から出力される受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれのパワーが等しくなるように、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれの利得(ゲイン)を調整する。これにより、ゲイン制御部94は、受信側BB信号のIQ利得誤差を0に補正する。
また、ゲイン制御部94は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、直交変調部54を制御することにより、送信側RF信号MT(t)のI成分となる送信側BB信号のみを直交変調した場合の受信側BB信号のパワーと、送信側RF信号MT(t)のQ成分となる送信側BB信号のみを直交変調した場合の受信側BB信号のパワーとが等しくなるように、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれの利得を調整する。これにより、ゲイン制御部94は、送信側RF信号MT(t)のIQ利得誤差を0に補正する。
位相制御部95は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、位相シフタ58及び79を制御することにより、移相送信側キャリアの位相、及び、移相受信側キャリアの位相を調整する。これにより、位相制御部95は、送信側IQ位相誤差φt、及び受信側IQ位相誤差φrを0に補正する。
供給制御部96は、DBB変調部51を制御することにより、直交変調部54での直交変調の対象となる送信側BB信号の、DA部52及びフィルタ部53を介しての直交変調部54への供給を制御する。
評価値算出部97は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kを用い、式(1)ないし式(25)で説明したようにして、受信側IQ位相誤差φrが0であるかどうかを評価する誤差評価値を求める。
すなわち、評価値算出部97は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kを用い、積データRL I(t)RL Q(t)を求める。さらに、評価値算出部97は、積データRL I(t)RL Q(t)の平均とることによって、誤差評価値としての、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)(式(23)、式(24))を求める。
上述の位相制御部95では、誤差評価値としてのDC成分E'(t,φt,φr)に基づいて、移相受信側キャリアの位相が調整される。
<誤差補正処理>
図5は、図4の誤差補正部80が行う、IQ誤差を補正(キャリブレーション)する誤差補正処理を説明するフローチャートである。
なお、誤差補正処理では、送信部21は、直交変調部54で直交変調を行い、その結果得られる送信側RF信号MT(t)を、常時送信していることとする。
また、受信部22では、送信部21からの送信側RF信号MT(t)を受信し、その送信側RF信号MT(t)を受信することにより得られる受信側RF信号MR(t)を、直交復調部73で直交復調していることとする。さらに、受信部22では、直交復調部73での直交復調に対して、AD部76で得られる受信側BB信号が、信号取得部91で取得され、誤差補正部80を構成する必要なブロックに供給されていることとする。
ステップS11において、誤差補正部80は、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれのDCオフセットを0にするように、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれをオフセットする受信側オフセット調整を行う。
すなわち、受信側オフセット調整では、オフセット制御部93が、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、そのI成分RI k及びRQ kそれぞれの、DC成分を得るのに十分な期間の平均値を、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれのDCオフセットVoRI及びVoRQ(式(22)等)として求める。
そして、オフセット制御部93は、アンプ部74を制御することにより、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれのDCオフセットVoRI及びVoRQを0にするように、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれをオフセットさせる。
ステップS11での受信側オフセット調整の後、処理は、ステップS12に進み、誤差補正部80は、受信側IQ位相誤差φrを0にするように、受信側キャリアの位相を調整する受信側位相調整を行う。受信側位相調整の詳細については、後述する。
ステップS12での受信側位相調整の後、処理は、ステップS13に進み、誤差補正部80は、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれのパワーが等しくなるように、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれの利得を調整する受信側利得調整を行う。
すなわち、受信側利得調整では、ゲイン制御部94が、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kに基づいて、所定の期間のI成分RI kの自乗和、及び、Q成分RQ kの自乗和を、I成分RI k及びQ成分RQ kのそれぞれのパワーとして求める。
そして、ゲイン制御部94は、アンプ部74を制御することにより、受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kのそれぞれのパワーが等しくなるように、アンプ部74におけるI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)のそれぞれの利得を調整する。
ステップS13での受信側利得調整の後、処理は、ステップS14に進み、誤差補正部80は、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にするように、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットする送信側オフセット調整を行う。送信側オフセット調整の詳細については、後述する。
ステップS14での送信側オフセット調整の後、処理は、ステップS15に進み、誤差補正部80は、送信側RF信号MT(t)のIQ利得誤差を0に補正するように、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれの利得を調整する送信側利得調整を行う。
すなわち、送信側利得調整では、供給制御部96が、DBB変調部51を制御し、DBB変調部51から、DA部52及びフィルタ部53を介しての、直交変調部54への送信側BB信号の供給を制御することで、所定の期間、送信側RF信号MT(t)のI成分となる送信側BB信号のみを直交変調させる。
さらに、供給制御部96は、同様にして、送信側RF信号MT(t)のI成分となる送信側BB信号のみが直交変調される所定の期間と重ならない他の所定の期間、送信側RF信号MT(t)のQ成分となる送信側BB信号のみを直交変調させる。
そして、ゲイン制御部94は、送信側RF信号MT(t)のI成分となる送信側BB信号のみが直交変調された場合の受信側BB信号のパワー(以下、I成分パワーともいう)と、送信側RF信号MT(t)のQ成分となる送信側BB信号のみが直交変調された場合の受信側BB信号のパワー(以下、Q成分パワーともいう)とを、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI kとQ成分RQ kとから求める。
さらに、ゲイン制御部94は、直交変調部54を制御することにより、I成分パワーとQ成分パワーとが等しくなるように、送信側RF信号MT(t)のI成分及びQ成分のそれぞれの利得を調整する。
ステップS15での送信側利得調整の後、処理は、ステップS16に進み、誤差補正部80は、送信側IQ位相誤差φtを0にするように、(移相)送信側キャリアの位相を調整する送信側位相調整を行って、誤差補正処理を終了する。送信側位相調整の詳細については、後述する。
図6は、図5のステップS12で行われる受信側位相調整の詳細を説明するフローチャートである。
受信側位相調整では、ステップS21において、周波数制御部92(図4)が、局部発振器57及び78のうちの一方、又は、両方を制御することにより、局部発振器57が出力する送信側キャリアの周波数ωtと、局部発振器78が出力する受信側キャリアの周波数ωrとの間に、ゼロでない所定の周波数差△ωをもたせ、処理は、ステップS22に進む。
すなわち、あらかじめ決められた、直交変調及び直交復調に用いるキャリアの角周波数(以下、デフォルトの周波数ともいう)を、ωcと表すこととすると、ステップS21では、周波数制御部92は、例えば、局部発振器57が出力する送信側キャリアの周波数ωtを、周波数ωc+△ωに制御するとともに、局部発振器78が出力する受信側キャリアの周波数ωrを、周波数ωcに制御する。
ここで、周波数差△ωが、受信部22のAD部76のADC76I及び76Qのナイキスト角周波数と、送信側RF信号を送信する送信チャネルの帯域幅を角周波数に換算した値とを加算した加算値を超えると、フィルタ部75のLPF75I及び75Qにおいて、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)がカットされる。
そこで、周波数差△ωは、AD部76のナイキスト周波数以下の値の、例えば、AD部76のAD変換におけるサンプリング角周波数の1/4の値等を採用することができる。
なお、送信側RF信号が、ある程度の幅の周波数帯域に拡がり帯域を有する場合には、周波数差△ωが、AD部76のナイキスト周波数を超えていても、フィルタ部75において、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)の一部がカットされずに残るように、送信側RF信号を生成することができるので、周波数差△ωが、AD部76のナイキスト周波数以下の値であることは、必須ではない。
ステップS22では、供給制御部96が、DBB変調部51を制御することにより、例えば、非ゼロの系列の送信側BB信号を、直交変調部54に供給させ、処理は、ステップS23に進む。
DBB変調部51は、供給制御部96の制御に従い、ディジタルの送信側BB信号のI成分TI k、及び、Q成分TQ kを、DA部52に供給する。ここで、DBB変調部51に供給させるディジタルの送信側BB信号としては、送信部21が実際の通信に用いる、例えば、Binary Phase Shift Keying(BPSK)変調信号を採用することができる。
DA部52は、DBB変調部51からの送信側BB信号のI成分TI k、及び、Q成分TQ kをAD変換し、その結果得られる時間領域tのアナログ信号である送信側BB信号のI成分TI(t)、及び、Q成分TQ(t)を、フィルタ部53を介して、直交変調部54に供給する。
直交変調部54は、DA部52からフィルタ部53を介して供給される送信側BB信号のI成分TI(t)と、送信側キャリアとを乗算するとともに、送信側BB信号のQ成分TQ(t)と、移相送信側キャリアとを乗算することにより、直交変換を行う。
直交変調部54での直交変換の結果られる送信側RF信号MT(t)は、PA55を介して、アンテナ56から電波として送信される。
アンテナ56から送信された電波としての送信側RF信号は、アンテナ71で受信されることにより、送信部21から受信部22にループバックされる。
送信側RF信号が受信部22のアンテナ71にループバックされることにより得られる受信側RF信号は、LNA72を介して、直交復調部73に供給される。
直交復調部73は、そこに供給される受信側RF信号MR(t)と、受信側キャリア及び移相受信側キャリアのそれぞれとを乗算することにより、受信側RF信号MR(t)を、受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)に直交復調する。
直交復調部73において、直交復調の結果得られる受信側BB信号のI成分RI(t)及びQ成分RQ(t)は、アンプ部74を介して、フィルタ部75に供給されてフィルタリングされる。
フィルタ部75でのフィルタリングによって、式(10)及び式(16)でそれぞれ表される受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)が得られる。ここで、式(10)及び式(16)における△ωが、送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとの周波数差である。
フィルタ部75で得られた式(10)及び式(16)でそれぞれ表される受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)は、AD部76に供給される。
AD部76では、そこに供給される受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)がAD変換され、ディジタルの受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kが出力される。AD部76が出力する受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kが、信号取得部91で取得される。
したがって、信号取得部91は、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとの間に、所定の周波数差△ωをもたせた状態で、直交変調で得られた送信側RF信号つまり変調信号を直交復調することにより得られる受信側BB信号つまり復調信号を取得する。
評価値算出部97は、内蔵するメモリ(図示せず)に、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kを、順次記憶し、これにより、内蔵するメモリに、少なくとも、受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kの最新のNサンプル(ビット)を、常時記憶する。
ステップS23では、評価値算出部97は、内蔵するメモリに記憶された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kを用い、式(26)に従って、積データRL I(t)RL Q(t)の平均値を、誤差評価値EN、すなわち、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)(式(23)、式(24))として求め、処理は、ステップS24に進む。
Figure 2014195156
・・・(26)
ここで、積データRL I(t)RL Q(t)の平均値を求めるのに用いる受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kのサンプル数Nは、式(10)及び式(16)の周波数差△ωを角周波数とするAC成分を、式(26)のサメーション(Σ)によってキャンセルする又は0にすることができるサンプル数以上の値を採用することができる。
したがって、AD部76のサンプリング(角)周波数を、ωADCと表すこととすると、サンプル数Nとしては、例えば、10×ωADC/△ω(小数点以下は、切り捨て、又は、切り上げ)を採用することができる。
ステップS24では、位相制御部95が、直前のステップS23で求められた誤差評価値EN(積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)(式(23)、式(24)))が、0である、又は0とみなすことができる微小な値であるかどうかを判定する。
ステップS24において、誤差評価値ENが、0でない、又は0とみなすことができる微小な値でないと判定された場合、すなわち、受信側IQ位相誤差φrが0でない又は0とみなせない場合、処理は、ステップS25に進み、位相制御部95は、誤差評価値ENに基づき、位相シフタ79を制御することにより、誤差評価値EN、ひいては、受信側IQ位相誤差φrが0又は0とみなせるように、移相受信側キャリアの位相を調整する。
すなわち、位相制御部95は、例えば、式(27)に従い、位相シフタ79において、受信側キャリアの位相を回転させる回転量の設定値CR Kを更新し、その更新後の設定値CR Kに従って、位相シフタ79での受信側キャリアの位相の回転量を制御する。
Figure 2014195156
・・・(27)
ここで、CR Kは、更新後の設定値を表し、CR K-1は、更新前の設定値を表す。また、μは、式(27)の漸化式を繰り返し計算した場合に、更新後の設定値CR Kが十分に収束する程度の小さい値の定数である。
ステップS25の後、処理は、ステップS23に戻り、以下、ステップS23ないしS25が繰り返される。
そして、ステップS24において、誤差評価値ENが、0であると判定された場合、すなわち、受信側IQ位相誤差φrが0である、又は0とみなすことができる微小な値である場合、受信側位相調整は、終了する。
なお、ここでは、受信側位相調整にあたり、ステップS22において、DBB変調部51から、DA部52及びフィルタ部53を介して直交変調部54に、非ゼロの送信側BB信号を供給することとしたが、直交変調部54から出力される送信側RF信号に、DCオフセットVoTI及びVoTQのうちの少なくとも一方として、非ゼロのDCオフセットが与えられる場合には、ステップS22で、DBB変調部51から直交変調部54に供給する送信側BB信号としては、非ゼロの送信側BB信号に限らず、任意の送信側BB信号を採用することができる。
すなわち、受信側位相調整にあたっては、式(1)の送信側RF信号MT(t)において、cosωttの項と、sin(ωtt+φt)の項との少なくとも一方が存在することが保証されればよい。
また、図5では、ステップS11の受信側オフセット調整を先に行い、その後、ステップS12の受信側位相調整を行うことにより、ステップS11の受信側オフセット調整において、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれのDCオフセットVoRI及びVoRQを0にし、その後のステップS12の受信側位相調整において、DCオフセットVoRI及びVoRQが0になった受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)を用いて、誤差評価値ENとしての、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)(式(23)、式(24))を求めることとしたが、受信側位相調整は、受信側オフセット調整を行う前に行うことができる。
受信側位相調整を、受信側オフセット調整を行う前に行う場合には、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれには、DCオフセットVoRI及びVoRQが含まれるため、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)を用いて、誤差評価値ENとしての、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)を求めるにあたっては、その積データRL I(t)RL Q(t)を求めるのに用いる受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれから、DCオフセットVoRI及びVoRQをキャンセルする必要がある。
積データRL I(t)RL Q(t)を求めるのに用いる受信側BB信号のI成分RL I(t)のDCオフセットVoRIは、例えば、評価値算出部97が内蔵するメモリに記憶された受信側BB信号のI成分RI kのNサンプルの平均をとることによって求めることができる。積データRL I(t)RL Q(t)を求めるのに用いる受信側BB信号のQ成分RL Q(t)のDCオフセットVoRQも、同様にして求めることができる。
受信側位相調整を、受信側オフセット調整を行う前に行う場合には、上述のようにして、DCオフセットVoRI及びVoRQを求めた後、受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれから、DCオフセットVoRI及びVoRQをキャンセルし、その、DCオフセットVoRI及びVoRQがキャンセルされた受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)を用いて、誤差評価値ENとしての、積データRL I(t)RL Q(t)のDC成分E'(t,φt,φr)が求められる。
評価値算出部97では、DCオフセットVoRI及びVoRQを0にするようにオフセットがされた受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)を用いて、誤差評価値ENを求める他、上述のように、DCオフセットVoRI及びVoRQを0にするようにオフセットがされる前の受信側BB信号のI成分RL I(t)及びQ成分RL Q(t)のそれぞれからDCオフセットVoRI及びVoRQをキャンセルした値を用いて、誤差評価値ENを求めることができる。
なお、受信側位相調整を、受信側オフセット調整を行う前に行う場合には、上述のように、誤差評価値ENを求める際(直前)に、DCオフセットVoRI及びVoRQが求められるので、その後に、DCオフセットVoRI及びVoRQを0にする受信側オフセット調整を行うことができる。
図7は、図5のステップS14で行われる送信側オフセット調整の詳細を説明するフローチャートである。
送信側オフセット調整では、ステップS31において、周波数制御部92が、局部発振器57及び78のうちの一方、又は、両方を制御することにより、ステップS21の場合と同様に、局部発振器57が出力する送信側キャリアの周波数ωtと、局部発振器78が出力する受信側キャリアの周波数ωrとの間に、ゼロでない所定の周波数差△ωをもたせ、処理は、ステップS32に進む。
ここで、先に、図6の受信側位相調整、つまり図5のステップS12が行われ、既に、図6のステップS21において、送信側キャリアの周波数ωtと受信側キャリアの周波数ωrとの周波数差が、ゼロでない所定の周波数差△ωにされており、その状態が、そのまま維持されている場合には、ステップS31の処理は、スキップすることができる。
ステップS32では、供給制御部96が、DBB変調部51を制御することにより、例えば、ゼロの系列の送信側BB信号を、直交変調部54に供給させ、処理は、ステップS33に進む。
この場合、送信部21では、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとの間に、所定の周波数差△ωをもたせた状態で、ゼロの送信側BB信号が直交変調され、その結果得られる送信側RF信号が送信される。
そして、受信部22では、そのような送信側RF信号を直交復調することにより得られる受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kが、信号取得部91で取得される。
ここで、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとの間に、所定の周波数差△ωをもたせた状態で、ゼロの送信側BB信号(TI(t)=TQ(t)=0)を直交変調した場合には、その直交変調の結果得られる送信側RF信号を直交復調することにより得られる受信側BB信号において、周波数差+△ωに等しい複素角周波数の周波数成分として、送信側RF信号のI成分及びQ成分のそれぞれに含まれるDCオフセットVoTI及びVoTQが現れる(式(1)、並びに、式(10)及び式(16))。
したがって、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとの間に、所定の周波数差△ωをもたせた状態で、ゼロの送信側BB信号を直交変調した場合に得られる受信側BB信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーが最小になるように、送信側RF信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットすることにより、DCオフセットVoTI及びVoTQを0に補正することができる。
そこで、ステップS33では、オフセット制御部93は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ k(送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとの間に、所定の周波数差△ωをもたせた状態で、ゼロの送信側BB信号を直交変調した場合に得られる受信側BB信号のI成分及びQ成分)のそれぞれを用いて、受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kのそれぞれのパワーを計算する。
そして、オフセット制御部93は、直交変調部54を制御することにより、受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kのそれぞれのパワーが最小になるように、送信側RF信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせ、送信側オフセット調整は、終了する。
図8は、図5のステップS16で行われる送信側位相調整の詳細を説明するフローチャートである。
送信側オフセット調整では、ステップS41において、周波数制御部92が、局部発振器57及び78のうちの一方、又は、両方を制御することにより、局部発振器57が出力する送信側キャリアの周波数ωtと、局部発振器78が出力する受信側キャリアの周波数ωrとを一致させ、処理は、ステップS42に進む。
すなわち、例えば、周波数制御部92は、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとを、いずれも、上述のデフォルトの周波数ωcにする。
ステップS42では、供給制御部96が、DBB変調部51を制御することにより、例えば、所定の単一角周波数ωinの周期信号としての、例えば、正弦波の送信側BB信号を、直交変調部54に供給させ、処理は、ステップS43に進む。
この場合、送信部21では、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとが一致している状態で、正弦波の送信側BB信号が直交変調され、その結果得られる送信側RF信号が送信される。
そして、受信部22では、そのような送信側RF信号を直交復調することにより得られる受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kが、信号取得部91で取得される。
ここで、送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとが一致している状態で、周波数ωinの正弦波の送信側BB信号を直交変調した場合には、その直交変調の結果得られる送信側RF信号において、送信側IQ位相誤差φtに起因する、正弦波の周波数ωに対応する複素角周波数-ωinのイメージ信号が生じる。
この複素周波数-ωinのイメージ信号は、受信側IQ位相誤差φr、及び、IQ利得誤差が0に調整又は補正された受信部22において、送信側RF信号に対する受信側RF信号を直交復調し、最終的に、信号取得部91で取得される受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ kを、Fast Fourier Transform(FFT)等のフーリエ変換することにより、受信側BB信号から抽出することができる。
ここで、受信側IQ位相誤差φr、及び、送信側IQ位相誤差φtが0でない場合、その0でない受信側IQ位相誤差φr、及び、送信側IQ位相誤差φtが周波数成分に反映される形で、送信側RF信号に、複素周波数-ωinのイメージ信号が生じる。
しかしながら、ここでは、図5のステップS12で、受信側IQ位相誤差φrが0に補正されているので、送信側RF信号に生じる、複素周波数-ωinのイメージ信号は、送信側IQ位相誤差φtのみが周波数成分として反映された信号となる。
したがって、複素周波数-ωinのイメージ信号が最小となるように、送信側キャリアの位相を調整することにより、送信側IQ位相誤差φtを0に補正することができる。
そこで、ステップS43では、位相制御部95は、信号取得部91で取得された受信側BB信号のI成分RI k及びQ成分RQ k(送信側キャリアの周波数ωtと、受信側キャリアの周波数ωrとを一致させた状態で、周波数ωinの正弦波の送信側BB信号を直交変調した場合に得られる受信側BB信号のI成分及びQ成分)を用い、FFT等によって、受信側BB信号の周波数成分を求める。
そして、位相制御部95は、位相シフタ58を制御することにより、受信側BB信号の複素周波数-ωinのイメージ信号の周波数成分が最小になるように、移相送信側キャリアの位相を調整し、送信側位相調整は、終了する。
なお、送信側位相調整では、イメージ信号の周波数成分を求めることができればよく、イメージ信号の複素周波数-ωinは既知であるため、その複素周波数-ωinの周波数成分だけを取得するアルゴリズムやハードウェア回路を用いることにより、イメージ信号は、高速に求めることができる。
[本技術を適用したコンピュータの説明]
誤差調整部80の一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、マイクロコンピュータ等のコンピュータ、プロセッサにインストールされる。
そこで、図9は、誤差調整部80の一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、リムーバブル記録媒体111に格納、記録しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。ここで、リムーバブル記録媒体111としては、例えば、フレキシブルディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM),Magneto Optical(MO)ディスク,Digital Versatile Disc(DVD)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、通信網や放送網を介して、コンピュータにダウンロードし、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。すなわち、プログラムは、例えば、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、Local Area Network(LAN)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することができる。
コンピュータは、Central Processing Unit(CPU)102を内蔵しており、CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されている。
CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、入力部107が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、Read Only Memory(ROM)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU102は、ハードディスク105に格納されたプログラムを、Random Access Memory(RAM)104にロードして実行する。
これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
なお、入力部107は、キーボードや、マウス、マイク等で構成することができる。また、出力部106は、Liquid Crystal Display(LCD)やスピーカ等で構成することができる。
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
また、プログラムは、1のコンピュータ、又はプロセッサにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素、例えば、装置、モジュール部品等の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
すなわち、例えば、本技術は、図1で説明した電子機器11と12との間の通信の他、電子機器を構成する半導体チップどうしの通信や、半導体チップが搭載された基板どうしの通信、半導体チップと基板との間の通信等に適用することができる。
さらに、本技術は、RF信号として、ミリ波を採用する通信の他、ミリ波よりも低い、又は、高い周波数帯の信号を採用する通信にも適用することができる。
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
<1>
直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する信号取得部と、
前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する位相制御部と
を備える受信装置。
<2>
前記復調信号を用いて、前記受信側キャリアの位相誤差を評価する評価値を求める評価値算出部をさらに備え、
前記位相制御部は、前記評価値に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
<1>に記載の受信装置。
<3>
前記評価値算出部は、前記復調信号のI成分とQ成分との積である積データのDC成分を、前記評価値として求める
<2>に記載の受信装置。
<4>
前記評価値算出部は、前記積データを平均化することにより、前記評価値となる前記積データのDC成分を求める
<3>に記載の受信装置。
<5>
前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にするように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせるオフセット制御部をさらに備え、
前記評価値算出部は、
前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされた前記復調信号のI成分及びQ成分を用いて、前記評価値を求めるか、
又は、前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされる前の前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれから前記DCオフセットをキャンセルした値を用いて、前記評価値を求める
<3>又は<4>に記載の受信装置。
<6>
前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーが等しくなるように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインを調整するゲイン制御部をさらに備える
<1>ないし<4>のいずれかに記載の受信装置。
<7>
前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数との差が、前記所定の周波数差になるように、前記受信側キャリアの周波数を制御する周波数制御部をさらに備える
<1>ないし<6>のいずれかに記載の受信装置。
<8>
直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得し、
前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
ステップを含む受信方法。
<9>
直交変調を行う直交変調部と、
直交復調を行う直交復調部と、
直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する信号取得部と、
前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する位相制御部と
を備える送受信装置。
<10>
前記復調信号を用いて、前記受信側キャリアの位相誤差を評価する評価値を求める評価値算出部をさらに備え、
前記位相制御部は、前記評価値に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
<9>に記載の送受信装置。
<11>
前記評価値算出部は、前記復調信号のI成分とQ成分との積である積データのDC成分を、前記評価値として求める
<10>に記載の送受信装置。
<12>
前記評価値算出部は、前記積データを平均化することにより、前記評価値となる前記積データのDC成分を求める
<11>に記載の送受信装置。
<13>
非ゼロのBB信号が直交変調されるように、前記直交変調部への前記BB信号の供給を制御する供給制御部をさらに備える
<11>又は<12>に記載の送受信装置。
<14>
前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にするように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせるオフセット制御部をさらに備え、
前記評価値算出部は、
前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされた前記復調信号のI成分及びQ成分を用いて、前記評価値を求めるか、
又は、前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされる前の前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれから前記DCオフセットをキャンセルした値を用いて、前記評価値を求める
<11>ないし<13>のいずれかに記載の送受信装置。
<15>
前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーが等しくなるように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインを調整するゲイン制御部をさらに備える
<9>ないし<14>のいずれかに記載の送受信装置。
<16>
前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数との差が、前記所定の周波数差になるように、前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御する周波数制御部をさらに備える
<9>ないし<15>のいずれかに記載の送受信装置。
<17>
前記オフセット制御部は、さらに、前記直交変調の対象のBB信号がゼロである場合の前記復調信号のパワーが最小になるように、前記変調信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせる
<14>に記載の送受信装置。
<18>
前記ゲイン制御部は、さらに、前記変調信号のI成分となるBB信号のみを直交変調した場合の前記復調信号のパワーと、前記変調信号のQ成分となるBB信号のみを直交変調した場合の前記復調信号のパワーとが等しくなるように、前記変調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインを調整する
<15>に記載の送受信装置。
<19>
前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御する周波数制御部をさらに備え、
前記周波数制御部が、前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数との差が、前記所定の周波数差になるように、前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御し、
前記位相制御部が、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整した後、
前記周波数制御部は、前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数とが等しくなるように、前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御し、
前記直交変調部は、所定の単一周波数の周期信号を直交変調し、
前記位相制御部は、前記周期信号の直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号の、前記所定の単一周波数に対応するイメージ信号を最小にするように、前記送信側キャリアの位相を調整する
<11>に記載の送受信装置。
<20>
直交変調を行う直交変調部と、
直交復調を行う直交復調部と
を備える送受信装置が、
直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得し、
前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
ステップを含む送受信方法。
11,12 電子機器, 20 通信部, 21 送信部, 22 受信部, 30 通信部, 31 送信部, 32 受信部, 51 DBB変調部, 52 DA部, 52I,52Q DAC, 53 フィルタ部, 53I,53Q LPF, 54 直交変調部, 54I,54Q ミキサ, 55 PA, 56 アンテナ, 57 局部発振器, 58 位相シフタ, 71 アンテナ, 72 LNA, 73 直交復調部, 73I,73Q ミキサ, 74 アンプ部, 74I,74Q VGA, 75 フィルタ部, 75I,75Q LPF, 76 AD部, 76I,76Q ADC, 77 DBB復調部, 78 局部発振器, 79 位相シフタ, 80 誤差補正部, 91 信号取得部, 92 周波数制御部, 93 オフセット制御部, 94 ゲイン制御部, 95 位相制御部, 96 供給制御部, 97 評価値算出部, 101 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104 RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部, 107 入力部, 108 通信部, 109 ドライブ, 110 入出力インタフェース, 111 リムーバブル記録媒体

Claims (20)

  1. 直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する信号取得部と、
    前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する位相制御部と
    を備える受信装置。
  2. 前記復調信号を用いて、前記受信側キャリアの位相誤差を評価する評価値を求める評価値算出部をさらに備え、
    前記位相制御部は、前記評価値に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記評価値算出部は、前記復調信号のI成分とQ成分との積である積データのDC成分を、前記評価値として求める
    請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記評価値算出部は、前記積データを平均化することにより、前記評価値となる前記積データのDC成分を求める
    請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にするように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせるオフセット制御部をさらに備え、
    前記評価値算出部は、
    前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされた前記復調信号のI成分及びQ成分を用いて、前記評価値を求めるか、
    又は、前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされる前の前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれから前記DCオフセットをキャンセルした値を用いて、前記評価値を求める
    請求項3に記載の受信装置。
  6. 前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーが等しくなるように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインを調整するゲイン制御部をさらに備える
    請求項3に記載の受信装置。
  7. 前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数との差が、前記所定の周波数差になるように、前記受信側キャリアの周波数を制御する周波数制御部をさらに備える
    請求項3に記載の受信装置。
  8. 直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得し、
    前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
    ステップを含む受信方法。
  9. 直交変調を行う直交変調部と、
    直交復調を行う直交復調部と、
    直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得する信号取得部と、
    前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する位相制御部と
    を備える送受信装置。
  10. 前記復調信号を用いて、前記受信側キャリアの位相誤差を評価する評価値を求める評価値算出部をさらに備え、
    前記位相制御部は、前記評価値に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
    請求項9に記載の送受信装置。
  11. 前記評価値算出部は、前記復調信号のI成分とQ成分との積である積データのDC成分を、前記評価値として求める
    請求項10に記載の送受信装置。
  12. 前記評価値算出部は、前記積データを平均化することにより、前記評価値となる前記積データのDC成分を求める
    請求項11に記載の送受信装置。
  13. 非ゼロのBB(Baseband)信号が直交変調されるように、前記直交変調部への前記BB信号の供給を制御する供給制御部をさらに備える
    請求項11に記載の送受信装置。
  14. 前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのDCオフセットを0にするように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせるオフセット制御部をさらに備え、
    前記評価値算出部は、
    前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされた前記復調信号のI成分及びQ成分を用いて、前記評価値を求めるか、
    又は、前記DCオフセットを0にするようにオフセットがされる前の前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれから前記DCオフセットをキャンセルした値を用いて、前記評価値を求める
    請求項11に記載の送受信装置。
  15. 前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのパワーが等しくなるように、前記復調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインを調整するゲイン制御部をさらに備える
    請求項11に記載の送受信装置。
  16. 前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数との差が、前記所定の周波数差になるように、前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御する周波数制御部をさらに備える
    請求項11に記載の送受信装置。
  17. 前記オフセット制御部は、さらに、前記直交変調の対象のBB信号がゼロである場合の前記復調信号のパワーが最小になるように、前記変調信号のI成分及びQ成分のそれぞれをオフセットさせる
    請求項14に記載の送受信装置。
  18. 前記ゲイン制御部は、さらに、前記変調信号のI成分となるBB信号のみを直交変調した場合の前記復調信号のパワーと、前記変調信号のQ成分となるBB信号のみを直交変調した場合の前記復調信号のパワーとが等しくなるように、前記変調信号のI成分及びQ成分のそれぞれのゲインを調整する
    請求項15に記載の送受信装置。
  19. 前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御する周波数制御部をさらに備え、
    前記周波数制御部が、前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数との差が、前記所定の周波数差になるように、前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御し、
    前記位相制御部が、前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整した後、
    前記周波数制御部は、前記送信側キャリアの周波数と、前記受信側キャリアの周波数とが等しくなるように、前記送信側キャリア又は前記受信側キャリアの周波数を制御し、
    前記直交変調部は、所定の単一周波数の周期信号を直交変調し、
    前記位相制御部は、前記周期信号の直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号の、前記所定の単一周波数に対応するイメージ信号を最小にするように、前記送信側キャリアの位相を調整する
    請求項11に記載の送受信装置。
  20. 直交変調を行う直交変調部と、
    直交復調を行う直交復調部と
    を備える送受信装置が、
    直交変調で用いられる送信側キャリアの周波数と、直交復調で用いられる受信側キャリアの周波数との間に、所定の周波数差をもたせた状態で、前記直交変調で得られた変調信号を直交復調することにより得られる復調信号を取得し、
    前記復調信号に基づいて、前記受信側キャリアの位相を調整する
    ステップを含む送受信方法。
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