JP2008278120A - トランシーバーおよびそれを使用した無線システム - Google Patents

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知海 矢ヶ崎
Naoto Inokawa
直人 井之川
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Abstract

【課題】高価な外部部品の省略が可能であり、キャリブレーションのためのハードウェアと消費電力とが小さなトランシーバーを提供すること。
【解決手段】無線LANシステムは、トランシーバー400とベースバンドLSI500を含む。トランシーバーは、ダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャーで構成されている。ベースバンドLSIは、無線LANのOFDMのための高速フーリェ変換FFT・逆高速フーリェ変換IFFTの機能を持つ。キャリブレーション回路401、402の差動DC電圧負帰還回路は、差動ベースバンド受信信号と差動ベースバンド送信信号のDCオフセット電圧とを低減する。RF送信信号に含まれる不所望なサイドバンド成分はキャリブレーション・ループLoopを介して高速フーリェ変換FFTで解析される。サイドバンド成分が最小となるように回路402はトランスミッターでI/Q位相不均衡とI/Qゲイン不均衡とを低減する。
【選択図】図6

Description

本発明はトランシーバーおよびそれを使用した無線システムに関する。本発明は、特に高価な外部部品の省略が可能であり、キャリブレーションのためのハードウェアと消費電力とを削減するのに有益な技術に関する。
広帯域無線通信への要求のため、現行のIEEE802.11b/gの無線LANシステムと比較して、直交周波数分割多重(OFDM)に基づく新規な無線LANの規格としてIEEE802.11aは略5倍のデータレートと少なくとも20倍のオーバーオールシステム容量とを提供するものである。5GHz周波数帯域は、高いデータレートの利点により、無線LANは2.4GHzから5GHzにシフトしている。尚、OFDMは、Orthogonal Frequency Division Multiplexの略である。また、LANは、Local Area Networkの略である。
下記非特許文献1には、802.11a無線LANシステムが物理層(PHY)とメディアアクセス層(MAC)とで構成され、この物理層は直交周波数分割多重(OFDM)に基づいていることが記載されている。多重キャリアを使用した変調技術はマルチパスの効果を緩和して、OFDMは正確な周波数で分離された多重キャリアにデータを分散するものである。この下記非特許文献1には、802.11a無線LANシステムをCMOS RFトランシーバーチップとディジタルベースバンドチップとで構成することが記載されている。このRFトランシーバーのレシーバーとトランスミッターのアーキテクチャーとでは、ダイレクトコンバージョンではなく、デュアルコンバージョンが採用されている。レシーバーでダウンコンバートされた受信ベースバンド信号I、Qは、オフチップ受動LCチャンネル選択フィルターを介してプログラマブルゲインアンプ(PGA)で増幅される。2個のプログラマブルゲインアンプの出力のDCオフセットは、2個の6ビットD/A変換器によりキャンセルされる。DCオフセットのキャンセルは、ベースバンドチップのディジタルアルゴリズムにより実現される。ディジタルベースバンドチップでは、RFトランシーバーのレシーバーからの受信ベースバンド信号I、QはA/D変換器に供給される。A/D変換器の出力のディジタル信号は2個のFIRフィルターを介して自動相関器に供給される。A/D変換器の出力と自動相関器の出力とは信号検出・AGCユニットに供給され、このユニットの出力によりアナログレシーバーのDCオフセットとゲインとのキャリブレーションが実行される。信号検出と周波数オフセット評価とシンボルタイミングとは、プリアンブルに供給される周期トレーニングシンボルの自動相関に全て依存している。A/D変換器の出力のディジタル信号は、1個のFIRフィルター、DCオフセット除去ユニット、周波数ローテータ、高速フーリェ変換器(FFT)、チャンネル選択フィルター、ビダビデコーダに供給される。ビダビデコーダの出力から、メディアアクセス層(MAC)への受信データが生成される。また、高速フーリェ変換器(FFT)は、トランスミッターのための逆高速フーリェ変換器(IFFT)とハードウェアを共有している。
下記非特許文献2には、携帯電話のWCDMA方式のトランスミッターとして、高価な外部部品の省略による高集積の送信機の有力な候補として、ダイレクトアップコンバージョン(DUC)アーキテクチャーが紹介されている。尚、WCDMAは、Wideband Code Division Multiple Accessの略である。このDUC送信機アーキテクチャーでは、I、Q送信ベースバンド信号は、ベースバンドフィルターを介してI/Q変調器に供給される。I/Q変調器は、送信ベースバンド信号を無線周波数(RF)に変換する。この無線周波数では、I、Q信号が合成され、増幅されている。外部フィルターリングと更なる増幅の後、信号はアンテナから送信される前にデュプレクサに供給される。電力増幅器(PA)の出力による発振器引き込みを低減するため、ローカル発振器(LO)はキャリア周波数の2倍の4GHzに設定されている。2GHzの正確なクォドラチャーローカル信号を生成するために、ディジタル分周器が使用される。また、下記非特許文献2には、DUCアーキテクチャーの深刻な欠点はキャリア漏洩であることが記載されている。このキャリア漏洩は、1.895〜1.905GHzのWCDMA信号の周波数帯域の内部の略1.9GHzの妨害信号となっている。このキャリア漏洩は、EVM(エラーベクトルマグニチュード)やACPR(隣接チャンネル電力レシオ)が仕様を越える原因となるものである。下記非特許文献2では、キャリア漏洩の抑圧のために、ベースバンドフィルターの2つのオペアンプで6ビット電流源を使用したオフセットキャリブレーションが採用されている。また、下記非特許文献2では、キャリア漏洩の抑圧のために、I/Q変調器に5ビットバイナリ重み付けの電流源を使用したキャリア漏洩キャリブレーションが採用されている。送信信号が無い状態でのキャリア漏洩電力がオンチップパワー検出器で検出され、この検出器のアナログ出力電圧は自動ディジタルキャリブレーションアルゴリズムを使用することでディジタル信号に変換される。このアルゴリズムは、測定キャリア漏洩が最小となるように、変調器とベースバンドフィルターの校正回路を制御するものである。
また下記非特許文献3には、2.4GHz無線LANに対応するトランシーバーが記載され、ツーステップダウンコンバージョンのレシーバーとツーステップアップコンバージョンのトランスミッターと周波数シンセサイザーとベースバンド・MACユニットとを含むシングルチップ・インプリメンテーションのSoC(システム・オン・チップ)が採用されている。シングルチップ・インプリメンテーションはRFトランシーバーとディジタルベースバンドとの間のワイドビット幅インターフェースを可能とし、このワイドビット幅インターフェースは種々のアナログ/RF非ペア性のキャリブレーションに使用できる。RFループバックパスが送信RFミキサーの出力と受信RFミキサーの入力との間に接続され、キャリブレーションの間に所定のディジタルシーケンスがレシーバーにループバック転送される。受信されたディジタルコードは、DCオフセット、I/QミスマッチのようなRF非ペア性とRFリャリアリークとの補正に使用される。
一方、下記特許文献1には、ダイレクトコンバージョントランスミッターのクォドラチャー変調器の出力に振幅変調(AM)検出ブロックを接続することが記載されている。クォドラチャー変調器の2個の入力には、ディジタル・プレディストーション・ブロックが接続されている。ディジタル・プレディストーション・ブロックの2個の入力には、ディジタルベースバンド送信信号I、Qが供給される。ディジタル・プレディストーション・ブロックでディジタルベースバンド送信信号I、Qのゲイン不均衡、位相不均衡、DCオフセットが補償された後、2個のD/A変換器によりアナログベースバンド送信信号I、Qが生成される。アナログベースバンド送信信号I、Qは、クォドラチャー変調器の2個の入力に供給される。このAM検出ブロックのAM検出器は、入力信号を自乗する。AM検出ブロックのAM検出器の出力は、パラメータ決定ブロックに供給される。パラメータ決定ブロックは、ローパスフィルター、D/A変換器、高速フーリェ変換器(FFT)、二次多項最小化(QPM)計算機を含んでいる。トランスミッターのキャリブレーションモードでは、ディジタル・プレディストーション・ブロックの入力には周波数fcalに設定されたディジタイズド・サイン波形が供給され、クォドラチャー変調器の2個のミキサーにはローカル発振信号が供給される。DC不均衡に起因してAM検出ブロックの入力に生じるローカル発振リーケージ成分は、パラメータ決定ブロックの入力に供給される。AM検出ブロックの入力に生じる相互変調非線形性に起因する3倍高調波のエネルギー成分はパラメータ決定ブロックの入力で周波数fcalに設定されている。高速フーリェ変換器(FFT)は信号のディジタルスペクトラル表現を生成して、二次多項最小化(QPM)計算機はQPMアルゴリズムを実行して、ディジタル・プレディストーション・ブロックでのプレディストーション・パラメータが計算されることができる。
また、下記特許文献2には、ダイレクトコンバージョントランシーバーのトランスミッターとレシーバーとに使用されるRFキャリアをフラクショナルフェーズロックドループで生成すると伴にトランスミッターとレシーバーでのI/Q位相と振幅との誤差訂正に第2のパイロット・トーンフラクショナルフェーズロックドループを使用することが記載されている。レシーバーの2個のダウンコンバージョンミキサーのRF入力端子には、第1のカップラーを介して第2のパイロット・トーンフラクショナルフェーズロックドループのパイロットトーン電圧制御発振器の発振出力信号が供給される。2個のダウンコンバージョンミキサーの出力の受信ベースバンド信号I/Qはベースバンド・ディジタル信号処理回路に供給され、レシーバーの2個の可変アッテネータと2個の制御可能な位相シフターとでの誤差補正値が計算される。トランスミッター2個のダウンコンバージョンミキサーの合成RF出力は、第2のカップラーを介して第2のパイロット・トーンフラクショナルフェーズロックドループの送信I/Qミスマッチモニター用ミキサーの一方の入力端子に供給される。送信I/Qミスマッチモニター用ミキサーの他方の入力端子には、第2のパイロット・トーンフラクショナルフェーズロックドループのパイロットトーン電圧制御発振器の発振出力信号が供給される。送信I/Qミスマッチモニター用ミキサーの出力信号は、ローパスフィルターを介して対数検出器の入力に供給される。対数検出器の出力から、トランスミッターの2個の可変アッテネータと2個の制御可能な位相シフターとでの誤差補正値が計算される。
Teresa H. Meng et al, "Design and Implementaion of an All−CMOS 802.11a Wireless LAN Chipsets", IEEE Communication Magazine, August 2003, PP.160−168. Gabriel Brenna et al, "A 2−GHz Carrier Leakage Calibrated Direct−Conversion WCDMA Transmitter in 0.13−μm CMOS", IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.39, NO.8, AUGUST 2004, PP.1253−1262. Masoud Zargari et al, "Challenge in The Design of CMOS Transceivers for the IEEE 802.11 Wireless LANs; Past, Present and Future", 2005 IEEE Radio Frequency Integrated Circuits Symposium, PP.353−356. 米国特許第6、298、096 B1号 明細書 米国特許第6、760、577 B2号 明細書
本発明者等は、本発明に先立って2.4GHzと5GHzの2つのRF周波数の無線LAN通信を可能とするトランスミッターRF ICの開発に従事した。この開発の初期において、本発明者等は背景技術の検討を行った。その検討の結果は、下記の通りである
まず前記非特許文献1に記載された無線LANチップセットシステムではデュアルコンバージョンシステムが採用されているため、高価な外部部品の省略が困難となっている。
また、前記非特許文献2に記載されたWCDMAトランスミッターではダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーが採用されているので高価な外部部品の省略が可能となっている。しかし、前記非特許文献2では、キャリア漏洩の抑圧のためのオンチップパワー検出器、自動ディジタルキャリブレーションアルゴリズム、ベースバンドフィルターのオペアンプに接続された6ビット電流源を使用したオフセットキャリブレーション回路、I/Q変調器に接続された5ビットバイナリ重み付けの電流源を使用したキャリア漏洩キャリブレーション回路のハードウェアと消費電力が大きいと言う問題が明らかとされた。
更に、前記非特許文献3に記載された2.4GHz無線LANに対応するトランシーバーはツーステップダウンコンバージョンのレシーバーとツーステップアップコンバージョンのトランスミッターで構成されているので、高価な外部部品の省略が困難となっている。
また、前記特許文献1ではダイレクトコンバージョントランスミッターが採用されているので高価な外部部品の省略が可能となっている。しかし、前記特許文献1では、ローパスフィルター、D/A変換器、高速フーリェ変換器(FFT)、二次多項最小化(QPM)計算機により構成されたパラメータ決定ブロックのハードウェアと消費電力が大きいと言う問題が明らかとされた。
更に、前記特許文献2ではダイレクトコンバージョントランシーバーのトランスミッターとレシーバーとが採用されているので高価な外部部品の省略が可能となっている。しかし、前記特許文献2では、第2のパイロット・トーンフラクショナルフェーズロックドループのハードウェアと消費電力が大きいと言う問題が明らかとされた。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。従って、本発明の目的とするところは、高価な外部部品の省略が可能であり、キャリブレーションのためのハードウェアと消費電力とが小さなトランシーバーを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
すなわち、本発明の1つの代表的なトランシーバーのレシーバーとトランスミッターとは、ダイレクト・ダウンコンバージョン・アーキテクチャーで構成されている。
キャリブレーション回路のレシーバー差動DC電圧負帰還回路とトランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記ベースバンド処理ユニットから供給される前記第1の命令に応答して、前記レシーバーの差動ベースバンド受信信号のDCオフセット電圧と前記トランスミッターの差動ベースバンド送信信号のDCオフセット電圧とを低減する。
前記ベースバンド処理ユニットから供給される第2の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの高速フーリェ変換の機能は、サイドバンド成分のレベルを解析する。前記キャリブレーション回路の位相コントローラは、前記サイドバンド成分の第1の解析結果に応答して、前記トランスミッターの送信ミキサーのRF送信信号のI/Q位相不均衡を低減するように動作する。
前記ベースバンド処理ユニットから供給される第3の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、サイドバンド成分のレベルを解析する。前記キャリブレーション回路のゲイン補正回路は、前記サイドバンド成分の第2の解析結果に応答して、前記トランスミッターのベースバンド送信信号のI/Qゲイン不均衡を低減するように動作する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。すなわち、本発明によれば、高価な外部部品の省略が可能であり、キャリブレーションのためのハードウェアと消費電力とが小さなトランシーバーを提供することができる。
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る本発明の代表的なトランシーバー(400)は、レシーバー(RF Rx/BB Rx)とトランスミッター(RF Tx/BB Tx)とを具備する。
前記レシーバーは、直交周波数分割多重に基づく信号処理のための高速フーリェ変換・逆高速フーリェ変換の機能を有するベースバンド処理ユニット(500)と接続可能に構成されている。
前記レシーバーは、ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバーで構成されている。
前記トランスミッターは、ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッターで構成されている。
前記トランシーバーは、前記ベースバンド処理ユニットから供給される命令が供給されるインターフェースユニット(19)を含む。
前記トランシーバーは、前記インターフェースユニットと前記レシーバーと前記トランスミッターとに接続されたキャリブレーション回路(401、402)を含む。
前記トランシーバーは、前記トランスミッターのRF送信出力信号に含まれるサイドバンド成分(SB)を前記レシーバーに伝達するキャリブレーション・ループ(Loop)を含む(図2、図6参照)。その結果、前記トランスミッターの前記RF送信出力信号に含まれる前記サイドバンド成分は、前記キャリブレーション・ループと前記レシーバーとを介して前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換に伝達可能である。
前記キャリブレーション回路は、前記レシーバーの差動ベースバンド受信信号(RxABI、Q、/RxABI、Q)のDCオフセット電圧を低減するレシーバー差動DC電圧負帰還回路(COM_Rx_I、Q、DAC_Rx_I、Q)を含む。
前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの差動ベースバンド送信信号(TxABI、Q、/TxABI、Q)のDCオフセット電圧を低減するトランスミッター差動DC電圧負帰還回路(COM_Tx_I、Q、DAC_Tx_I、Q)を含む。
前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの送信ミキサー(33A)のRF送信信号のI/Q位相不均衡を低減する位相コントローラ(θ_Cnt)を含む。
前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターのベースバンド送信信号のI/Qゲイン不均衡を低減するゲイン補正回路(GvTxI、GvTxQ)を含む(図2)。
前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記ベースバンド処理ユニットから供給される第1の命令(図3のStep33)に応答してDCオフセット電圧を低減するように動作する。
前記ベースバンド処理ユニットから供給される第2の命令(図5のStep35G)に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析する。前記サイドバンド成分の第1の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記位相コントローラに供給される。その結果、前記位相コントローラは、前記サイドバンド成分の前記第1の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記送信ミキサーの前記RF送信信号の前記I/Q位相不均衡を低減するように動作する。
前記ベースバンド処理ユニットから供給される第3の命令(図5のStep35K)に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析する。前記サイドバンド成分の第2の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記ゲイン補正回路に供給される。その結果、前記ゲイン補正回路は、前記サイドバンド成分の前記第2の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記ベースバンド送信信号の前記I/Qゲイン不均衡を低減するように動作する。
前記実施の形態の手段の手段によれば、前記レシーバーと前記トランスミッターとは、ダイレクト・ダウンコンバージョン・アーキテクチャーで構成されている。従って、オフチップ受動フィルターのような高価な外部部品の省略が可能である。また、前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記ベースバンド処理ユニットから供給される前記第1の命令に応答して、前記高速フーリェ変換の機能とは無関係にDCオフセット電圧を低減するので、ハードウェアと消費電力とを削減することができる。また、ベースバンド処理ユニットの直交周波数分割多重に基づく信号処理のための高速フーリェ変換・逆高速フーリェ変換の機能を活用してサイドバンド成分の解析を行っているので、ハードウェアを削減することができる。
好適な実施の形態として、前記レシーバーはダイレクト・ダウンコンバージョンに使用する受信ミキサー(25A)を含み、前記トランスミッターはダイレクト・アップコンバージョンに使用する前記送信ミキサー(33A)を含む。前記トランシーバーは、前記受信ミキサーに供給される受信用ローカル信号と前記送信ミキサーに供給される送信用ローカル信号とを生成するRF電圧制御発振器(RFVCO)と、前記RF電圧制御発振器の発振周波数を制御する周波数シンセサイザー(Synth)とを含む。
前記第1の命令に応答して前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記DCオフセット電圧の低減の動作を実行した後、前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとがウォームアップされる(図3のStep34参照)。
前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとのウォームアップの後、前記ベースバンド処理ユニットから供給される第4の命令(図5のStep35C)に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達される前記トランスミッターのRF送信信号に含まれるキャリアリーク成分(CL)のレベルを解析する。前記キャリアリーク成分の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路に供給される。その結果、前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路は、前記キャリアリーク成分の前記解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の制御を更新する。
前記好適な実施の形態の手段によれば、前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとのウォームアップによる温度変動による前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の変動に対応することが可能となる。
より好適な実施の形態として、前記キャリブレーション回路は、前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路と前記位相コントローラと前記ゲイン補正回路のための制御パラメータを格納する複数のレジスタを含む。前記第1の命令に応答した前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路による前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の低減の動作による制御パラメータは、前記複数のレジスタの1つのレジスタに格納される。前記第4の命令に応答した前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路による前記DCオフセット電圧の制御の更新は、前記1つのレジスタに格納された制御パラメータのディジタル値の更新により実行される。
更に好適な実施の形態として、前記第1の命令に応答して前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記レシーバーの前記差動ベースバンド受信信号の前記DCオフセット電圧を低減する動作と前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧を低減する動作とを並列に実行するものである。
前期更に好適な実施の形態の手段によれば、キャリブレーションの動作期間を短縮することができる。
具体的な実施の形態として、前記レシーバーと前記ベースバンド処理ユニットとはIEEE 802.11無線LAN通信を行うものである。
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態に係る本発明の代表的な無線システムは、トランシーバー(400)とベースバンド処理ユニット(500)とを有する。
前記トランシーバーは、レシーバー(RF Rx/BB Rx)とトランスミッター(RF Tx/BB Tx)とを具備する。
前記ベースバンド処理ユニットは、直交周波数分割多重に基づく信号処理のための高速フーリェ変換・逆高速フーリェ変換の機能を有する。
前記レシーバーは、ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバーで構成されている。
前記トランスミッターは、ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッターで構成されている。
前記トランシーバーは、前記ベースバンド処理ユニットから供給される命令が供給されるインターフェースユニット(19)を含む。
前記トランシーバーは、前記インターフェースユニットと前記レシーバーと前記トランスミッターとに接続されたキャリブレーション回路(401、402)を含む。
前記トランシーバーは、前記トランスミッターのRF送信出力信号に含まれるサイドバンド成分(SB)を前記レシーバーに伝達するキャリブレーション・ループ(Loop)を含む(図2、図6参照)。その結果、前記トランスミッターの前記RF送信出力信号に含まれる前記サイドバンド成分は、前記キャリブレーション・ループと前記レシーバーとを介して前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換に伝達可能である。
前記キャリブレーション回路は、前記レシーバーの差動ベースバンド受信信号(RxABI、Q、/RxABI、Q)のDCオフセット電圧を低減するレシーバー差動DC電圧負帰還回路(COM_Rx_I、Q、DAC_Rx_I、Q)を含む。
前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの差動ベースバンド送信信号(TxABI、Q、/TxABI、Q)のDCオフセット電圧を低減するトランスミッター差動DC電圧負帰還回路(COM_Tx_I、Q、DAC_Tx_I、Q)を含む。
前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの送信ミキサー(33A)のRF送信信号のI/Q位相不均衡を低減する位相コントローラ(θ_Cnt)を含む。
前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターのベースバンド送信信号のI/Qゲイン不均衡を低減するゲイン補正回路(GvTxI、GvTxQ)を含む(図2)。
前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記ベースバンド処理ユニットから供給される第1の命令(図3のStep33)に応答してDCオフセット電圧を低減するように動作する。
前記ベースバンド処理ユニットから供給される第2の命令(図5のStep35G)に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析する。前記サイドバンド成分の第1の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記位相コントローラに供給される。その結果、前記位相コントローラは、前記サイドバンド成分の前記第1の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記送信ミキサーの前記RF送信信号の前記I/Q位相不均衡を低減するように動作する。
前記ベースバンド処理ユニットから供給される第3の命令(図5のStep35K)に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析する。前記サイドバンド成分の第2の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記ゲイン補正回路に供給される。その結果、前記ゲイン補正回路は、前記サイドバンド成分の前記第2の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記ベースバンド送信信号の前記I/Qゲイン不均衡を低減するように動作する。
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《ワイヤレスLANに使用されるRFアナログ半導体集積回路とベースバンド処理LSI》
図1は、本発明の1つの実施の形態によるRFアナログ回路400である半導体集積回路とベースバンド処理ユニットLSI500とを含む無線LANシステムを示す図である。図1の無線LANシステムは、ワイヤレスLANの子機(LAN端末)と親機(アクセスポイントハブ)とに共通に使用可能である。アンテナスイッチ2がアンテナ1に接続され、アンテナ1からレシーバーシステムへのRF受信入力信号の供給とトランスミッターシステムからアンテナ1へのRF送信出力信号の供給とを時分割多重アクセス方式(TDMA)で行う。
《RFアナログ半導体集積回路》
図1のRFアナログ半導体集積回路400の第1ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_1は、IEEE802.11b/gの規格の2.4GHzの周波数帯域に対応するため、ローノイズアンプ24A、受信ミキサー25A、プログラマブルゲインアンプ26A、28A、ローパスフィルター27Aで構成されている。RFアナログ半導体集積回路400の第2ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_2は、IEEE802.11a規格の約5GHz(5.15GHz〜5.35GHz)および5.8GHzの周波数帯域に対応するため、ローノイズアンプ24B、受信ミキサー25B、プログラマブルゲインアンプ26B、28B、ローパスフィルター27Bで構成されている。第1および第2ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_1、2で生成されたアナログ受信ベースバンド信号I、Qは、A/D変換器29によりディジタル受信ベースバンド信号Rx_I、Rx_Qに変換されて、ベースバンド処理ユニット500であるLSIに供給される。尚、A/D変換器29は、RFアナログ半導体集積回路400ではなく、ベースバンド処理ユニットLSI500のチップに形成されることもできる。また、RFアナログ半導体集積回路400は、ベースバンド処理ユニットLSI500のディジタルRFインターフェースユニット50と3線外部配線を介して接続されたインターフェースユニット(INT)19を含んでいる。インターフェースユニット19には、ディジタルRFインターフェースユニット50からイネーブル信号EN、クロック信号CLK、データData(制御コマンド、制御データ)が供給される。
ベースバンド処理ユニットLSI500から生成されるディジタル送信ベースバンド信号Tx_I、Tx_Qは、D/A変換器31によりアナログ送信ベースバンド信号に変換される。尚、D/A変換器31は、RFアナログ半導体集積回路400ではなく、ベースバンド処理ユニットLSI500のチップに形成されることもできる。図1のRFアナログ半導体集積回路400の第1ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システムRF Tx/BB Tx_1は、IEEE802.11b/gの規格の2.4GHzの周波数帯域に対応するため、ローパスフィルター32、送信ミキサー33A、ドライバアンプ35Aで構成されている。図1のRFアナログ半導体集積回路400の第2ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システムRF Tx/BB Tx_2は、IEEE802.11a規格の約5GHzおよび5.8GHzの周波数帯域に対応するため、ローパスフィルター32、送信ミキサー33B、ドライバアンプ35Bで構成されている。RFアナログ半導体集積回路400の外部では、ドライバアンプ35Aの出力にはRFパワー増幅器36AとバンドパスフィルターBPF4Aとが接続され、ドライバアンプ35Bの出力にはRFパワー増幅器36BとバンドパスフィルターBPF4Bとが接続されている。また、RFアナログ半導体集積回路400の外部では、ローノイズアンプ24Aの入力に表面弾性波フィルター3Aが接続され、ローノイズアンプ24Bの入力に表面弾性波フィルター3Bが接続されている。
RFアナログ半導体集積回路400の受信ミキサー25A、Bに供給される受信用ローカル信号と送信ミキサー33A、Bに供給される送信用ローカル信号とは、ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30から生成される。ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30には、システム基準周波数発振器(TCXO)39が接続され、RFアナログ半導体集積回路400の外部でシステム基準周波数発振器39には水晶振動子40が接続されている。
尚、システム基準周波数発振器(TCXO)39をRFアナログ半導体集積回路400の外部に形成して、RFアナログ半導体集積回路400の内部にクロックバッファを形成してもよい。集積回路内部のクロックバッファは、外部のシステム基準周波数発振器(TCXO)39から形成されたシステム基準周波数クロック信号を受信して、集積回路内部のΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30にクロック信号を供給する。
《ベースバンド処理LSI》
RFアナログ半導体集積回路400には、ベースバンド処理ユニットLSI500が接続されている。ベースバンド処理ユニットLSI500は、ディジタルRFインターフェースユニット50、送受信ベースバンド処理ユニット51、DMA転送ユニット56、HIUユニット57、バス、CPU58、RAM59を含んでいる。送受信ベースバンド処理ユニット51は、復調器(Demod)52、高速フーリェ変換器(FFT)・逆高速フーリェ変換器(IFFT)53、変調器(Mod)54、ビタビ復調器55を含んでいる。復調器(Demod)52にはRFアナログ半導体集積回路400からのディジタル受信ベースバンド信号Rx_I、Rx_Qが供給され、変調器(Mod)54からRFアナログ半導体集積回路400へのディジタル送信ベースバンド信号Tx_I、Tx_Qが生成される。パーソナルコンピュータ(PC)のようなホスト600には、PCIバスを介してホストインターフェースユニット57が接続される。ホスト600は、CPU61、メモリコントローラ/PCIバスフリッジ62、RAM63を含んでいる。ホストインターフェースユニット57と送受信ベースバンド処理ユニット51との間の送受信データは、DMA転送ユニット56により転送される。尚、PCIはPeripheral Component Interconnectの略であり、DMAはDirect Memory Accessの略である。また、ベースバンド処理ユニットLSI500のバスには、外部のフラッシュ不揮発性メモリ700が接続される。外部のフラッシュ不揮発性メモリ700には、RFアナログ半導体集積回路400とベースバンド処理ユニットLSI500とのための制御プログラムが格納されることができる。ベースバンド処理ユニットLSI500からRFアナログ半導体集積回路400への制御は、ディジタルRFインターフェースユニット50とインターフェースユニット19との間の3線外部配線を介して行われる。
《OFDM送受信のための高速フーリェ変換・逆高速フーリェ変換》
無線LANのOFDMに基づくデータ受信信号処理は、主としてRFアナログ半導体集積回路400のダイレクトダウンコンバージョンレシーバー、A/D変換器29、ベースバンド処理ユニットLSI500の復調器52と、高速フーリェ変換器53、ビタビ復調器55によって制御される。無線LANのOFDMに基づくデータ送信信号処理は、主としてベースバンド処理ユニットLSI500の変調器54、逆高速フーリェ変換器53、RFアナログ半導体集積回路400のD/A変換器31、ダイレクトアップコンバージョントランスミッターによって制御される。
《RFアナログ半導体集積回路での好適なキャリブレーションを可能とするアーキテクチャー》
《キャリブレーション回路》
図2は、本発明の1つの実施の形態である図1に示したRFアナログ半導体集積回路400での好適なキャリブレーションを可能とするアーキテクチャーを説明する図である。図2に示したRFアナログ半導体集積回路400は、特にレシーバー・キャリブレーション回路401とトランスミッター・キャリブレーション回路402とを含んでいる。このレシーバー・キャリブレーション回路401は、図1に示した2.4GHzの周波数帯域に対応する第1レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_1と約5GHzおよび5.8GHzの周波数帯域に対応する第2レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_2のキャリブレーションを行う。このトランスミッター・キャリブレーション回路402は、図1に示した2.4GHzの周波数帯域に対応する第1トランスミッター・システムRF Tx/BB Tx_1と約5GHzおよび5.8GHzの周波数帯域に対応する第2トランスミッター・システムRF Tx/BB Tx_2のキャリブレーションを行う。
《キャリブレーション回路によるDCオフセットの高速キャリブレーション》
レシーバー・キャリブレーション回路401は、キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/Qを含む。キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/Qは、差動アナログベースバンド受信信号RxABI、/RxABI、RxABQ、/RxABQのDCオフセットを高速でキャリブレーションする。
トランスミッター・キャリブレーション回路402もキャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/Qを含む。キャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/Qは、差動アナログベースバンド送信信号TxABI、/TxABI、TxABQ、/TxABQのDCオフセットを高速でキャリブレーションする。
すなわち、レシーバー・キャリブレーション回路401は、レシーバー・キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/Q、比較器COM_Rx_I、Q、キャリブレーションD/A変換器DAC_Rx_I、Q、キャリブレーショ加算器Add_Rx_I、Qを含んでいる。比較器COM_Rx_Iは差動アナログベースバンド受信信号RxABI、/RxABIのDCレベルを比較して、比較結果をコントローラCall_Rx_I/QのレジスタReg(N−1)に格納する。また、比較器COM_Rx_Qは差動アナログベースバンド受信信号RxABQ、/RxABQのDCレベルを比較して、比較結果をコントローラCall_Rx_I/QのレジスタRegNに格納する。レシーバー・キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/QはレジスタReg(N−1)、RegNに格納されたDCレベルの比較結果に応答してレジスタReg1、Reg2にDCレベルディジタル補正値を格納する。レジスタReg1、Reg2に格納されたDCレベルディジタル補正値に応答してキャリブレーションD/A変換器DAC_Rx_I、Qは、DCレベルアナログ補正値をキャリブレーショ加算器Add_Rx_I、Qに供給する。このようにして、差動アナログベースバンド受信信号RxABI、/RxABI、RxABQ、/RxABQのDCオフセットの高速キャリブレーションが可能となる。また、レシーバー・キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/QのレジスタReg3、Reg4に格納されたディジタルゲイン値に応答して、プログラマブルゲインアンプ26Aの2個のアンプGvRxI、GvRxQのアナログゲインがそれぞれ制御可能となっている。レシーバー・キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/Qの他の2個のレジスタに格納されたディジタル周波数値に応答して、ローパスフィルター27Aの2個のローパスフィルターのフィルター特性がそれぞれ制御可能となっている。
同様に、トランスミッター・キャリブレーション回路402は、トランスミッター・キャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/Q、比較器COM_Tx_I、Q、キャリブレーションD/A変換器DAC_Tx_I、Q、キャリブレーショ加算器Add_Tx_I、Qを含んでいる。比較器COM_Tx_Iは差動アナログベースバンド送信信号TxABI、/TxABIのDCレベルを比較して、比較結果をコントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg(N−1)に格納する。また、比較器COM_Tx_Qは差動アナログベースバンド送信信号TxABQ、/TxABQのDCレベルを比較して、比較結果をコントローラCall_Tx_I/QのレジスタRegNに格納する。トランスミッター・キャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/QはレジスタReg(N−1)、RegNに格納されたDCレベルの比較結果に応答してレジスタReg1、Reg2にDCレベルディジタル補正値を格納する。レジスタReg1、Reg2に格納されたDCレベルディジタル補正値に応答してキャリブレーションD/A変換器DAC_Tx_I、Qは、DCレベルアナログ補正値をキャリブレーショ加算器Add_Tx_I、Qに供給する。このようにして、差動アナログベースバンド送信信号TxABI、/TxABI、TxABQ、/TxABQのDCオフセットの高速キャリブレーションが可能となる。
《トランスミッター・キャリブレーション回路による他のキャリブレーション》
また、トランスミッター・キャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg3、Reg4に格納されたディジタルゲイン値に応答して、2個のプログラマブルゲインアンプGvTxI、TvRxQのアナログゲインがそれぞれ制御可能となっている。トランスミッター・キャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/Qの他の2個のレジスタに格納されたディジタル周波数値に応答して、ローパスフィルター32の2個のローパスフィルターのフィルター特性がそれぞれ制御可能となっている。
更に、トランスミッター・キャリブレーション・コントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg(N+1)に格納されたディジタル位相値に応答して、トランスミッターのRF送信キャリアローカル信号のための位相コントローラθ_Cntでの位相オフセット値が制御可能となっている。位相コントローラθ_Cntは例えば可変容量のような可変リアクタンスを含み、後で詳述するようにトランスミッターからのRF送信信号に含まれるサイドバンドSBのレベルが最小となるように位相オフセット値が制御される。
《キャリブレーション・ループによるキャリアリークとサイドバンドのキャリブレーション》
また、RFアナログ半導体集積回路400は、第1および第2トランスミッター・システムRF Tx/BB Tx_1、2のRF送信出力信号に含まれるキャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとを第1および第2レシーバー・システムの受信ベースバンド入力に伝達するためのキャリブレーション・ループLoopとループスイッチSW_Rx_I、SW_Rx_Qとを含んでいる。キャリブレーション・ループLoopは、例えば自乗検波を行う検出ミキサー回路Det_Mixと検出スイッチDet_Swとを含んでいる。
ループスイッチSW_Rx_I、SW_Rx_Qは、キャリブレーションモードで、キャリブレーション・ループLoopからのキャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとを第1および第2レシーバー・システムの受信ベースバンド入力に伝達する。伝達されたキャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBは、RFアナログ半導体集積回路400からベースバンド処理ユニットLSI500の復調器52を介して高速フーリェ変換器(FFT)53に供給される。キャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとは、高速フーリェ変換器(FFT)53によって周波数解析される。良く知られているように、歪波形は、フーリェ変換により基本周波数信号成分と2次、3次等の高調波信号成分とに分解されることができる。キャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとは歪波形成分と考えられるので、キャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとはフーリェ変換により周波数解析されることができる。
周波数解析の結果は、ディジタルインターフェースユニット50とインターフェースユニット19とを介してレシーバー・キャリブレーション回路401のコントローラCall_Rx_I/Qとトランスミッター・キャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/Qとに供給される。キャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとがそれぞれ最小となるように、第1および第2レシーバー・システムと第1および第2トランスミッター・システムとがキャリブレーションされる。
《差動アナログベースバンド信号と差動ローカル信号》
RFアナログ半導体集積回路400では差動アナログベースバンド信号と差動ローカル信号のアーキテクチャーを採用することにより、同相成分の影響を低減することができる。
すなわち、RFアナログ半導体集積回路400では、2.4GHzの周波数帯域に対応する第1ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_1のローノイズアンプ24A、受信ミキサー25AのRF受信信号は、非反転RF受信信号と反転RF受信信号との差動信号となっている。また、ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから受信ミキサー25Aの一方のミキサーに供給される受信用ローカル信号も、非反転受信用ローカル信号LoRxIと反転受信用ローカル信号/LoRxIとの差動信号となっている。従って、受信ミキサー25Aの一方のミキサーの出力からのベースバンド受信信号Iは、非反転アナログベースバンド受信信号RxABIと反転アナログベースバンド受信信号/RxABIとの差動信号となっている。一方、ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから受信ミキサー25Aの他方のミキサーに供給される受信用ローカル信号も、非反転受信用ローカル信号LoRxQと反転受信用ローカル信号/LoRxQとの差動信号となっている。また、受信ミキサー25Aの他方のミキサーの出力からのベースバンド受信信号Qは、非反転アナログベースバンド受信信号RxABQと反転アナログベースバンド受信信号/RxABQとの差動信号となっている。更に、受信ミキサー25Aの一方のミキサーに供給される一方の非反転受信用ローカル信号LoRxIと受信ミキサー25Aの他方のミキサーに供給される他方の非反転受信用ローカル信号LoRxQとは、90度位相シフター90Deg_Shiftにより90度の位相差に設定されている。尚、受信ミキサー25Aは、一方と他方とのミキサーを含むクォドラチャー復調器である。
また、RFアナログ半導体集積回路400では、2.4GHzの周波数帯域に対応する第1ダイレクト・アップコンバージョン・トランシーバー・システムRF Tx/BB Tx_1のプログラマブルゲインアンプGvTxI、GvTxQと送信ミキサー33Aの入力までのRF送信信号は、非反転RF送信信号と反転RF送信信号との差動信号となっている。また、周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから位相コントローラθ_Cntを介して送信ミキサー33Aの一方のミキサーに供給される送信用ローカル信号も、非反転送信用ローカル信号LoTxIと反転送信用ローカル信号/LoTxIとの差動信号となっている。従って、送信ミキサー33Aの一方のミキサーの出力からのRF送信信号Iは、非反転RF送信信号RFTxIと反転RF送信信号/RFTxIとの差動信号となっている。一方、周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから位相コントローラθ_Cntを介して送信ミキサー33Aの他方のミキサーに供給される送信用ローカル信号も、非反転送信用ローカル信号LoTxQと反転送信用ローカル信号/LoTxQとの差動信号となっている。また、送信ミキサー33Aの他方のミキサーの出力からのRF送信信号Qは、非反転RF送信信号RFTxQと反転RF送信信号/RFTxQとの差動信号となっている。更に、位相コントローラθ_Cntでの位相オフセットがゼロの場合には、送信ミキサー33Aの一方のミキサーと他方のミキサーとにそれぞれ供給される一方の非反転送信用ローカル信号LoTxIと他方の非反転送信用ローカル信号LoTxQとは90度の位相差に設定されている。位相コントローラθ_Cntでの位相オフセットがゼロと異なる値の場合には、その値に応答して一方の非反転送信用ローカル信号LoTxIと他方の非反転送信用ローカル信号LoTxQとの位相差は90度から増加もしくは減少する。尚、送信ミキサー33Aは、一方と他方とのミキサーを含むクォドラチャー変調器である。
図2には図示されていないが、約5GHzおよび5.8GHzの周波数帯域に対応する第2レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_2のローノイズアンプ24B、受信ミキサー25BのRF受信信号は、非反転RF受信信号と反転RF受信信号との差動信号となっている。また、ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから受信ミキサー25Bの一方のミキサーに供給される受信用ローカル信号も、非反転受信用ローカル信号LoRxIと反転受信用ローカル信号/LoRxIとの差動信号となっている。従って、受信ミキサー25Bの一方のミキサーの出力からのベースバンド受信信号Iは、非反転アナログベースバンド受信信号RxABIと反転アナログベースバンド受信信号/RxABIとの差動信号となっている。一方、ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから受信ミキサー25Bの他方のミキサーに供給される受信用ローカル信号も、非反転受信用ローカル信号LoRxQと反転受信用ローカル信号/LoRxQとの差動信号となっている。また、受信ミキサー25Bの他方のミキサーの出力からのベースバンド受信信号Qは、非反転アナログベースバンド受信信号RxABQと反転アナログベースバンド受信信号/RxABQとの差動信号となっている。更に、受信ミキサー25Bの一方のミキサーに供給される一方の非反転受信用ローカル信号LoRxIと受信ミキサー25Bの他方のミキサーに供給される他方の非反転受信用ローカル信号LoRxQとは、90度位相シフター90Deg_Shiftにより90度の位相差に設定されている。
図2には図示されていないが、約5GHzおよび5.8GHzの周波数帯域に対応する第2トランシーバー・システムRF Tx/BB Tx_2のプログラマブルゲインアンプGvTxI、GvTxQと送信ミキサー33Bの入力までのRF送信信号は、非反転RF送信信号と反転RF送信信号との差動信号となっている。また、周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから位相コントローラθ_Cntを介して送信ミキサー33Bの一方のミキサーに供給される送信用ローカル信号も、非反転送信用ローカル信号LoTxIと反転送信用ローカル信号/LoTxIとの差動信号となっている。従って、送信ミキサー33Bの一方のミキサーの出力からのRF送信信号Iは、非反転RF送信信号RFTxIと反転RF送信信号/RFTxIとの差動信号となっている。一方、周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから位相コントローラθ_Cntを介して送信ミキサー33Bの他方のミキサーに供給される送信用ローカル信号も、非反転送信用ローカル信号LoTxQと反転送信用ローカル信号/LoTxQとの差動信号となっている。また、送信ミキサー33Bの他方のミキサーの出力からのRF送信信号Qは、非反転RF送信信号RFTxQと反転RF送信信号/RFTxQとの差動信号となっている。更に、位相コントローラθ_Cntでの位相オフセットがゼロの場合には、送信ミキサー33Bの一方のミキサーと他方のミキサーとにそれぞれ供給される一方の非反転送信用ローカル信号LoTxIと他方の非反転送信用ローカル信号LoTxQとは90度の位相差に設定されている。位相コントローラθ_Cntでの位相オフセットがゼロと異なる値の場合には、その値に応答して一方の非反転送信用ローカル信号LoTxIと他方の非反転送信用ローカル信号LoTxQとの位相差は90度から増加もしくは減少する。
《RFアナログ半導体集積回路の動作の制御》
図1と図2とで説明したRFアナログ集積回路400の受信動作、送信動作、キャリブレーション動作等の全ての動作の制御は、命令により制御される。この命令は、ディジタルインターフェースユニット50とインターフェースユニット19とを介してベースバンド処理ユニットLSI500からRFアナログ集積回路400に供給される。この命令は、図1に示したシステムの外部フラッシュ不揮発性メモリ700に制御プログラムとして格納されている。尚、複数の命令は、命令コードの相違で区別されることができる。ベースバンド処理ユニットLSI500からRFアナログ集積回路400に供給された命令は図示しない命令レジスタに格納され、図示しない内部制御ロジックの命令デコーダでデコードされることにより、種々の命令が実行されることができる。
図3は、RFアナログ集積回路400とベースバンド処理ユニットLSI500とを利用した図2の無線LANシステムの送受信動作とそれに先行するキャリブレーション動作の動作シーケンスを説明する図である。
《パワーオンによる初期化シーケンス》
まず、最初のステップ31でパワーオン命令がRFアナログ集積回路400に供給された後、3〜4ミリ秒経過するとRFアナログ集積回路400の動作は第1アイドル状態IDLE1に推移する。インターフェースユニット19が動作を開始して、RFアナログ集積回路400の内部制御ロジックの初期化動作が開始される。すなわち、内部制御ロジックの全ての制御レジスタの内容が、イニシャライズ(オール“ゼロ”)される。例えば、レシーバー・キャリブレーション回路401のコントローラCall_Rx_I/Qの全てのレジスタReg1〜RegNとトランスミッター・キャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/Qの全てのレジスタReg1〜Reg(N+1)の内容が、イニシャライズされる。
《システム基準発振活性化シーケンス》
次に、ステップ32でシステム基準発振活性化命令がRFアナログ集積回路400に供給された後、30マイクロ秒経過するとRFアナログ集積回路400の動作は第2アイドル状態IDLE2に推移する。システム基準周波数発振器(TCXO)とΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30の動作が安定化されて、シンセサイザー30から内部制御ロジックへの安定なシステムクロックへの供給が開始される。
《DCオフセット高速キャリブレーション》
ステップ33でレシーバー・トランスミッターDCオフセット・キャリブレーション命令がRFアナログ集積回路400に供給される。すると、レシーバー・キャリブレーション回路401によるダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムでの差動アナログベースバンド受信信号のDCオフセットの高速キャリブレーションが開始される。これと略同時に、トランスミッター・キャリブレーション回路402によるダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システムでの差動アナログベースバンド送信信号のDCオフセットの高速キャリブレーションが開始される。
《DCオフセット高速キャリブレーションのサブルーチン》
図4は、図3の動作シーケンスのステップ33でのDCオフセット・キャリブレーション命令を実行するためのサブルーチン動作を説明する図である。
図4に示すように、ステップ331でレシーバー・トランスミッター・ローパスフィルター・キャリブレーション命令がRFアナログ集積回路400に供給される。すると、レシーバー・キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/Qの他の2個のレジスタに格納されたディジタル周波数値に応答して、レシーバーのローパスフィルター27Aの2個のローパスフィルターのフィルター特性がそれぞれ制御される。また、トランスミッター・キャリブレーション・コントローラCall_Rx_I/Qの他の2個のレジスタに格納されたディジタル周波数値に応答して、トランスミッターのローパスフィルター32の2個のローパスフィルターのフィルター特性がそれぞれ制御可能とされる。
ステップ332でレシーバー・トランスミッター・DCオフセット・高速キャリブレーション命令がRFアナログ集積回路400に供給される。すると、レシーバー・キャリブレーション回路401では、コントローラCall_Rx_I/Q、比較器COM_Rx_I、Q、キャリブレーションD/A変換器DAC_Rx_I、Q、キャリブレーショ加算器Add_Rx_I、Qを使用した差動アナログベースバンド受信信号のDCオフセットの高速キャリブレーションが開始される。また、トランスミッター・キャリブレーション回路402では、コントローラCall_Tx_I/Q、比較器COM_Tx_I、Q、キャリブレーションD/A変換器DAC_Tx_I、Q、キャリブレーショ加算器Add_Tx_I、Qを使用した差動アナログベースバンド送信信号のDCオフセットの高速キャリブレーションが開始される。
ステップ333の比較命令により、レシーバーの比較器COM_Rx_I、Qを使用して差動アナログベースバンド受信信号のDCオフセットの大小関係が検出される。また、トランスミッターの比較器COM_Tx_I、Qを使用して差動アナログベースバンド送信信号のDCオフセットの大小関係が検出される。
ステップ334の判定命令により、レシーバーの差動アナログベースバンド受信信号のDCオフセットの絶対値が所定値(例えば、5ミリボルト)より小さいか否かが判定される。また、トランスミッターの差動アナログベースバンド送信信号のDCオフセットの絶対値が所定値(例えば、5ミリボルト)より小さいか否かが判定される。
判定結果が否の場合には、ステップ335の更新命令によって、レシーバーのキャリブレーション回路401のコントローラCall_Rx_I/QのレジスタReg1、Reg2に格納されたDCレベルディジタル補正値を更新する。また、トランスミッターのキャリブレーション回路402コントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg1、Reg2に格納されたDCレベルディジタル補正値を更新する。
ステップ334の判定命令による判定結果が是の場合には、サブルーチンによる処理を終了する。
図6は、ベースバンド処理ユニットLSI500から命令によってRFアナログ集積回路400で実行されるキャリブレーション動作の様子を説明する図である。
図3の動作シーケンスのステップ33でのDCオフセット・キャリブレーション命令もしくは図4に示したサブルーチン動作は、図6の右のLSI500から発行された命令をRFアナログ集積回路400が受信した後は図6の左のRFアナログ集積回路400の内部で全て実行される。すなわち、ベースバンド処理ユニットLSI500から命令は、インターフェースユニット50、19を介してレシーバー・キャリブレーション回路401のコントローラCall_Rx_I/Qとトランスミッター・キャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/Qとに供給される。すると、レシーバー・コントローラCall_Rx_I/Qは、供給された命令に応答して、ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムRF Rx/BB RxのDCオフセットの高速キャリブレーションを実行する。同様に、トランスミッター・コントローラCall_Tx_I/Qは、供給された命令に応答して、ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システムRF Tx/BB TxのDCオフセットの高速キャリブレーションを実行する。
《周波数バンド選択》
図3の動作シーケンスのステップ33でのDCオフセット・キャリブレーション命令の実行の後、ステップ34で周波数バンド選択命令がRFアナログ集積回路400に供給される。この周波数バンド選択命令によって、送受信のRF信号の周波数をIEEE802.11b/gの規格に対応する2.4GHzの周波数帯域に設定することができる。また、この周波数バンド選択命令によって、送受信のRF信号の周波数をIEEE802.11a規格に対応する約5GHzまたは5.8GHzの周波数帯域に設定することもできる。
このようにして、周波数バンド選択が実行されると、ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOからの受信用ローカル信号と送信用ローカル信号とのローカル信号周波数が決定される。従って、周波数シンセサイザー30とRF電圧制御発振器RFVCOとは目標のローカル信号周波数に向かいウォームアップされる。
《キャリアリーク・サイドバンド・キャリブレーション》
周波数シンセサイザー30とRF電圧制御発振器RFVCOのウォームアップが完了すると、図3のステップ35でキャリアリーク・サイドバンド・キャリブレーション命令がRFアナログ集積回路400に供給される。
すると、供給された命令に応答してRFアナログ半導体集積回路400は、キャリブレーション・ループLoopの検出ミキサー回路Det_Mixと検出スイッチDet_SwとループスイッチSW_Rx_I、SW_Rx_Qとを制御する。その結果、第1および第2トランスミッター・システムRF Tx/BB Tx_1、2のRF送信出力信号に含まれるキャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとは、第1および第2レシーバー・システムRF Rx/BB Rx_1、2の受信ベースバンド入力に伝達されるようになる。伝達されたキャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBはRFアナログ半導体集積回路400からベースバンド処理ユニットLSI500の復調器52を介して高速フーリェ変換器(FFT)53に供給される。供給されたキャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとは、高速フーリェ変換器(FFT)53によって周波数解析される。キャリアリーク成分CLとサイドバンド成分SBとがそれぞれ最小となるように、第1および第2レシーバー・システムと第1および第2トランスミッター・システムとがキャリブレーションされる。
《キャリアリーク・サイドバンド・キャリブレーションのサブルーチン》
図5は、図3の動作シーケンスのステップ35でのキャリアリーク・サイドバンド・キャリブレーション命令を実行するためのサブルーチン動作を説明する図である。
図5に示すように、最初のステップ35Aでレシーバーのプログラマブルゲインアンプ26Aの2個のアンプGvRxI、GvRxQのアナログゲインがそれぞれ所定の値に設定される。また、トランスミッターの2個のプログラマブルゲインアンプGvTxI、TvRxQのアナログゲインも適切な値に設定される。
次に図5のステップ35Bで、送信テスト信号がベースバンド信号処理LSI500からRFアナログ半導体集積回路400に供給される。図6に示すように、ベースバンド信号処理LSI500の逆高速フーリェ変換器(IFFT)53と変調器(Mod)54とを使用して、図7(A)に示すようにベースバンド周波数信号fbbのみの純粋な信号成分を持ち低歪の送信テストディジタルベースバンド信号が生成される。
尚、図7は図6のRFアナログ集積回路400とベースバンド信号処理LSI500とからなる無線LANシステム内部の信号の様子を示す図である。
ベースバンド信号処理LSI500で生成された送信テストディジタルベースバンド信号は、RFアナログ集積回路400のD/A変換器31により送信テストアナログベースバンド信号に変換される。ベースバンド周波数fbbを持つ送信テストアナログベースバンド信号が、ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システムRF Tx/BB Txに供給される。トランスミッター・システムRF Tx/BB Txには、RFローカルキャリア周波数fcを持つRF送信ローカルキャリア信号も周波数シンセサイザー30のRF電圧制御発振器RFVCOから供給されている。トランスミッター・システムRF Tx/BB Txの送信ミキサー33A、33Bでは、周波数fcのRF送信ローカルキャリア信号と周波数fbbの送信テストアナログベースバンド信号とのミキシングが実行される。
図7(B)はトランスミッター・システムRF Tx/BB Txの送信出力から得られる種々のRF信号成分を示している。周波数fc−fbbの信号成分は所望するRF送信信号であり、それ以外は不所望な信号成分である。RFローカルキャリア周波数fcの信号成分はキャリアリークCLであり、その主原因はトランスミッター・システムRF Tx/BB Txの差動アナログベースバンド送信信号のDCオフセットである。周波数fc+fbbの信号成分の1次のサイドバンドSBは、ミキシングによるイメージ信号である。周波数fc+2fbb、fc+3fbb…の信号成分は2次、3次…の高次のサイドバンドSBで、その主原因はトランスミッター・システムRF Tx/BB Txのベースバンド送信信号I/Qのゲイン不均衡、位相不均衡である。これらの所望するRF送信信号とキャリアリークCLとサイドバンドSBとを含むトランスミッター・システムRF Tx/BB Txの送信テストRF信号出力は、キャリブレーション・ループLoopの検出ミキサー回路Det_Mixにて自乗検波される。
図7(C)はキャリブレーション・ループLoopの検出ミキサー回路Det_Mixの出力から得られる種々の信号成分を示している。キャリブレーション・ループLoopの検出ミキサー回路Det_Mixにての自乗検波により、高いRFローカルキャリア周波数fcを持つ信号成分は大部分除去される。所望するRF送信信号は略直流成分に変換され、RFローカルキャリア周波数fcのキャリアリークCLは略ベースバンド周波数fbbの成分に変換される。1次のサイドバンドSBは周波数fc+fbbから略ベースバンド周波数fbbの2倍の周波数2fbbの成分に変換され、2次のサイドバンドSBも周波数fc+2fbbから略ベースバンド周波数fbbの3倍の周波数3fbbの成分に変換される。
キャリブレーション・ループLoopの検出ミキサー回路Det_Mixの自乗検波出力は、図6に示すように、ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システムRF Rx/BB Tx、A/D変換器29を介してベースバンド信号処理LSI500の復調器(Demod)52に供給される。この自乗検波出力は、ベースバンド信号処理LSI500の高速フーリェ変換器(FFT)53によって周波数解析される。
図5のステップ35Cで、略ベースバンド周波数fbbのキャリアリークCLのレベルがベースバンド信号処理LSI500にて測定される。図3のステップ34とステップ35との間で周波数シンセサイザー30とRF電圧制御発振器RFVCOとがウォームアップされたので、RFアナログ集積回路400のチップ温度が上昇している。その結果、トランスミッター・システムRF Tx/BB Txの差動アナログベースバンド送信信号のDCオフセットが温度変動する場合がある。
このDCオフセットの温度変動に対応するためにも図5のステップ35Dの判定命令により、略ベースバンド周波数fbbのキャリアリークCLのレベルが所定値αより低いか否かが判定される。
判定結果が否の場合には、図5のステップ35Eの更新命令によって、トランスミッターのキャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg1、Reg2に図3のステップ33で格納されたDCレベルディジタル補正値を異なるDCレベルディジタル補正値に更新する。
図5のステップ35Dの判定命令による判定結果が是の場合には、図5のステップ35Fのフィックス命令によって、トランスミッターのキャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg1、Reg2に格納済みのDCレベルディジタル補正値を更新することなく保持して処理を終了する。
次に図5のステップ35Gで、ベースバンド周波数fbbの2倍の周波数2fbbである1次高調波のサイドバンドSBのレベルがベースバンド信号処理LSI500にて測定される。
図5のステップ35Hの判定命令により、周波数2fbbである1次高調波のサイドバンドSBのレベルが所定値βより低いか否かが判定される。
判定結果が否の場合には、ステップ35Iの更新命令によって、トランスミッターのキャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg(N+1)に格納されたディジタル位相値すなわち位相オフセット値をデフォルト値のゼロと異なるディジタル位相補正値に更新する。レジスタReg(N+1)のディジタル位相補正値の更新により位相コントローラθ_Cntから送信ミキサー33Aの一方と他方のミキサーとにそれぞれ供給される一方と他方の受信用ローカル信号の間の位相オフセット値が制御される。その結果、クォドラチャー変調器としての送信ミキサー33Aの一方のミキサーと他方のミキサーの出力から生成されるRF送信信号RF_Tx_I、RF Tx_Qの位相不均衡が低減されて、略正確な90度位相差となる。その結果、トランスミッターからのRF送信信号に含まれる1次高調波のサイドバンドSBのレベルが低減されることができる。
また図5のステップ35Hの判定命令による判定結果が是の場合には、ステップ35Jのフィックス命令によって、トランスミッターのキャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/QのレジスタReg(N+1)に格納済みのディジタル位相値を更新することなく保持して処理を終了する。
次に図5のステップ35Kで、略ベースバンド周波数fbbの2倍の周波数2fbbである1次高調波のサイドバンドSBのレベルがベースバンド信号処理LSI500にて再度測定される。
図5のステップ35Lの判定命令により、周波数2fbbである1次高調波のサイドバンドSBのレベルが所定値γより低いか否かが判定される。
判定結果が否の場合には、ステップ35Mの更新命令によって、図5のステップ35Aで設定されたトランスミッターの2個のプログラマブルゲインアンプGvTxI、GvTxQのアナログゲインは図5のステップ35Aで設定された適切な初期値と異なるアナログゲイン補正値に更新する。更新されたアナログゲイン補正値は、トランスミッターのキャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/Qの2個のレジスタReg3、Reg4に格納される。その結果、クォドラチャー変調器としての送信ミキサー33Aの一方のミキサーと他方のミキサーの出力から生成されるRF送信信号RF_Tx_I、RF Tx_Qのゲイン不均衡が低減される。その結果、トランスミッターからのRF送信信号に含まれる1次高調波のサイドバンドSBのレベルが低減されることができる。
図5のステップ35Lの判定命令による判定結果が是の場合には、ステップ35Nのフィックス命令によって、トランスミッターのキャリブレーション回路402のコントローラCall_Tx_I/Qの2個のレジスタReg3、Reg4に格納済みのアナログゲイン値を更新することなく保持して処理を終了する。
図5の全てのサブルーチン動作が終了すると、RFアナログ半導体集積回路400の動作シーケンスは、図3のステップ36の直前の第2アイドル状態IDLE2に復帰する。図3のステップ36で、受信命令もしくは送信命令がRFアナログ半導体集積回路400に供給される。すると、図3のステップ34で選択した周波数帯域で、受信動作もしくは送信動作が実行されることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能であることは言うまでもない。
例えば、図5のサブルーチン動作のステップ35H、ステップ35Lでベースバンド周波数fbbの2倍の周波数2fbbである1次高調波のサイドバンドSBのレベルだけでなく、3倍の周波数3fbb、4倍の周波数4fbb…等の高次高調波の低いレベルも判定要因に加えることもできる。それにより、ベースバンド信号処理LSI500のデータ処理量は増加するが、RF送信信号の振幅成分の歪の低減が期待できるであろう。
例えば、RFアナログ集積回路400とベースバンド処理LSI500とはそれぞれ別の半導体チップで構成されていたが、別な実施の形態ではそれらは1つの半導体チップに統合された統合ワンチップとされることができる。
また、キャリブレーション・ループLoopは図2に示した構成だけではなく、前記非特許文献3に記載されたようなRFループバックパスを送信RFミキサーの出力と受信RFミキサーの入力との間に接続することもできる。
図1は、本発明の1つの実施の形態によるRFアナログ半導体集積回路とベースバンド処理LSIとを含む無線LANシステムを示す図である。 図2は、本発明の1つの実施の形態である図1に示したRFアナログ半導体集積回路での好適なキャリブレーションを可能とするアーキテクチャーを説明する図である。 図3は、RFアナログ集積回路とベースバンド処理ユニットLSIとを利用した図2の無線LANシステムの送受信動作とそれに先行するキャリブレーション動作の動作シーケンスを説明する図である。 図4は、図3の動作シーケンスのステップ33でのDCオフセット・キャリブレーション命令を実行するためのサブルーチン動作を説明する図である。 図5は、図3の動作シーケンスのステップ35でのキャリアリーク・サイドバンド・キャリブレーション命令を実行するためのサブルーチン動作を説明する図である。 図6は、ベースバンド処理ユニットLSIから命令によってRFアナログ集積回路で実行されるキャリブレーション動作の様子を説明する図である。 図7は、図6のRFアナログ集積回路とベースバンド信号処理LSIとからなる無線LANシステム内部の信号の様子を示す図である。
符号の説明
400 RFアナログ半導体集積回路
500 ベースバンド処理ユニットLSI
RF Rx/BB Rx_1 第1ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システム
24A ローノイズアンプ
25A 受信ミキサー
26A、28A プログラマブルゲインアンプ
27A ローパスフィルター27
RF Rx/BB Rx_2 第2ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバー・システム
24B ローノイズアンプ
25B 受信ミキサー
26B、28A プログラマブルゲインアンプ
27B ローパスフィルター27
29 A/D変換器
30 ΣΔフラクショナルPLL周波数シンセサイザー
39 システム基準周波数発振器(TCXO)
40 水晶振動子
RF Tx/BB Tx_1 第1ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システム
32 ローパスフィルター
33A 送信ミキサー
35A ドライバアンプ
RF Tx/BB Tx_2 第2ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッター・システム
33B 送信ミキサー
35B ドライバアンプ
31 D/A変換器
19 インターフェースユニット
500 ベースバンド処理ユニットLSI
50 ディジタルRFインターフェースユニット
51 送受信ベースバンド処理ユニット
52 復調器(Demod)
53 高速フーリェ変換器(FFT)・逆高速フーリェ変換器(IFFT)
54 変調器(Mod)
55 ビタビ復調器
BUS バス
56 DMA転送ユニット
57 ホストインターフェースユニット
58 CPU
59 RAM
600 ホスト
61 CPU
62 メモリコントローラ/PCIバスフリッジ
63 RAM
700 フラッシュ不揮発性メモリ
401 レシーバー・キャリブレーション回路
Call Rx_I/Q キャリブレーション・コントローラ
Add_Rx_I、Q キャリブレーション加算器
DAC_Rx_I、Q キャリブレーションD/A変換器
COM_Rx_I、Q 比較器
402 トランスミッター・キャリブレーション回路
Call Tx_I/Q キャリブレーション・コントローラ
COM_Tx_I、Q 比較器
DAC_Tx_I、Q キャリブレーションD/A変換器
Add_Tx_I、Q キャリブレーション加算器
Loop キャリブレーション・ループ

Claims (10)

  1. レシーバーとトランスミッターとを具備するトランシーバーであって、
    前記レシーバーは、直交周波数分割多重に基づく信号処理のための高速フーリェ変換・逆高速フーリェ変換の機能を有するベースバンド処理ユニットと接続可能に構成され、
    前記レシーバーは、ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバーで構成され、
    前記トランスミッターは、ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッターで構成され、
    前記トランシーバーは、前記ベースバンド処理ユニットから供給される命令が供給されるインターフェースユニットを含み、
    前記トランシーバーは、前記インターフェースユニットと前記レシーバーと前記トランスミッターとに接続されたキャリブレーション回路を含み、
    前記トランシーバーは、前記トランスミッターのRF送信出力信号に含まれるサイドバンド成分を前記レシーバーに伝達するキャリブレーション・ループを含み、その結果、前記トランスミッターの前記RF送信出力信号に含まれる前記サイドバンド成分を前記キャリブレーション・ループと前記レシーバーとを介して前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換に伝達可能であり、
    前記キャリブレーション回路は、前記レシーバーの差動ベースバンド受信信号のDCオフセット電圧を低減するレシーバー差動DC電圧負帰還回路を含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの差動ベースバンド送信信号のDCオフセット電圧を低減するトランスミッター差動DC電圧負帰還回路を含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの送信ミキサーのRF送信信号のI/Q位相不均衡を低減する位相コントローラを含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターのベースバンド送信信号のI/Qゲイン不均衡を低減するゲイン補正回路を含み、
    前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記ベースバンド処理ユニットから供給される第1の命令に応答してDCオフセット電圧を低減するように動作するものであり、
    前記ベースバンド処理ユニットから供給される第2の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析して、前記サイドバンド成分の第1の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記位相コントローラに供給され、その結果、前記位相コントローラは、前記サイドバンド成分の前記第1の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記送信ミキサーの前記RF送信信号の前記I/Q位相不均衡を低減するように動作するものであり、
    前記ベースバンド処理ユニットから供給される第3の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析して前記サイドバンド成分の第2の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記ゲイン補正回路に供給され、その結果、前記ゲイン補正回路は、前記サイドバンド成分の前記第2の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記ベースバンド送信信号の前記I/Qゲイン不均衡を低減するように動作するものであるトランシーバー。
  2. 前記レシーバーはダイレクト・ダウンコンバージョンに使用する受信ミキサーを含み、前記トランスミッターはダイレクト・アップコンバージョンに使用する前記送信ミキサーを含み、
    前記トランシーバーは、前記受信ミキサーに供給される受信用ローカル信号と前記送信ミキサーに供給される送信用ローカル信号とを生成するRF電圧制御発振器と、前記RF電圧制御発振器の発振周波数を制御する周波数シンセサイザーとを含み、
    前記第1の命令に応答して前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記DCオフセット電圧の低減の動作を実行した後、前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとがウォームアップされ、
    前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとのウォームアップの後、前記ベースバンド処理ユニットから供給される第4の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達される前記トランスミッターのRF送信信号に含まれるキャリアリーク成分のレベルを解析して、前記キャリアリーク成分の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路に供給され、その結果、前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路は、前記キャリアリーク成分の前記解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の制御を更新する請求項1に記載のトランシーバー。
  3. 前記キャリブレーション回路は、前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路と前記位相コントローラと前記ゲイン補正回路のための制御パラメータを格納する複数のレジスタを含み、
    前記第1の命令に応答した前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路による前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の低減の動作による制御パラメータは、前記複数のレジスタの1つのレジスタに格納され、
    前記第4の命令に応答した前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路による前記DCオフセット電圧の制御の更新は、前記1つのレジスタに格納された制御パラメータのディジタル値の更新により実行される請求項2に記載のトランシーバー。
  4. 前記第1の命令に応答して前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記レシーバーの前記差動ベースバンド受信信号の前記DCオフセット電圧を低減する動作と前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧を低減する動作とを並列に実行するものである請求項3に記載のトランシーバー。
  5. 前記レシーバーと前記ベースバンド処理ユニットとはIEEE 802.11無線LAN通信を行うものである請求項4に記載のトランシーバー。
  6. トランシーバーとベースバンド処理ユニットとを有する無線システムであって、
    前記トランシーバーは、レシーバーとトランスミッターとを具備しており、
    前記ベースバンド処理ユニットは、直交周波数分割多重に基づく信号処理のための高速フーリェ変換・逆高速フーリェ変換の機能を有しており、
    前記レシーバーは、ダイレクト・ダウンコンバージョン・レシーバーで構成され、
    前記トランスミッターは、ダイレクト・アップコンバージョン・トランスミッターで構成され、
    前記トランシーバーは、前記ベースバンド処理ユニットから供給される命令が供給されるインターフェースユニットを含み、
    前記トランシーバーは、前記インターフェースユニットと前記レシーバーと前記トランスミッターとに接続されたキャリブレーション回路を含み、
    前記トランシーバーは、前記トランスミッターのRF送信出力信号に含まれるサイドバンド成分を前記レシーバーに伝達するキャリブレーション・ループを含み、その結果、前記トランスミッターの前記RF送信出力信号に含まれる前記サイドバンド成分を前記キャリブレーション・ループと前記レシーバーとを介して前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換に伝達可能であり、
    前記キャリブレーション回路は、前記レシーバーの差動ベースバンド受信信号のDCオフセット電圧を低減するレシーバー差動DC電圧負帰還回路を含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの差動ベースバンド送信信号のDCオフセット電圧を低減するトランスミッター差動DC電圧負帰還回路を含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターの送信ミキサーのRF送信信号のI/Q位相不均衡を低減する位相コントローラを含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記トランスミッターのベースバンド送信信号のI/Qゲイン不均衡を低減するゲイン補正回路を含み、
    前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記ベースバンド処理ユニットから供給される第1の命令に応答してDCオフセット電圧を低減するように動作するものであり、
    前記ベースバンド処理ユニットから供給される第2の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析して、前記サイドバンド成分の第1の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記位相コントローラに供給され、その結果、前記位相コントローラは、前記サイドバンド成分の前記第1の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記送信ミキサーの前記RF送信信号の前記I/Q位相不均衡を低減するように動作するものであり、
    前記ベースバンド処理ユニットから供給される第3の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達された前記サイドバンド成分のレベルを解析して前記サイドバンド成分の第2の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記ゲイン補正回路に供給され、その結果、前記ゲイン補正回路は、前記サイドバンド成分の前記第2の解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記ベースバンド送信信号の前記I/Qゲイン不均衡を低減するように動作するものである無線システム。
  7. 前記レシーバーはダイレクト・ダウンコンバージョンに使用する受信ミキサーを含み、前記トランスミッターはダイレクト・アップコンバージョンに使用する前記送信ミキサーを含み、
    前記トランシーバーは、前記受信ミキサーに供給される受信用ローカル信号と前記送信ミキサーに供給される送信用ローカル信号とを生成するRF電圧制御発振器と、前記RF電圧制御発振器の発振周波数を制御する周波数シンセサイザーとを含み、
    前記第1の命令に応答して前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記DCオフセット電圧の低減の動作を実行した後、前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとがウォームアップされ、
    前記RF電圧制御発振器と前記周波数シンセサイザーとのウォームアップの後、前記ベースバンド処理ユニットから供給される第4の命令に応答して、前記ベースバンド処理ユニットの前記高速フーリェ変換の機能は、前記キャリブレーション・ループを介して伝達される前記トランスミッターのRF送信信号に含まれるキャリアリーク成分のレベルを解析して、前記キャリアリーク成分の解析結果は、前記ベースバンド処理ユニットから前記インターフェースユニットを介して前記キャリブレーション回路の前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路に供給され、その結果、前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路は、前記キャリアリーク成分の前記解析結果に応答して、前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の制御を更新する請求項6に記載の無線システム。
  8. 前記キャリブレーション回路は、前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路と前記位相コントローラと前記ゲイン補正回路のための制御パラメータを格納する複数のレジスタを含み、
    前記第1の命令に応答した前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路による前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧の低減の動作による制御パラメータは、前記複数のレジスタの1つのレジスタに格納され、
    前記第4の命令に応答した前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路による前記DCオフセット電圧の制御の更新は、前記1つのレジスタに格納された制御パラメータのディジタル値の更新により実行される請求項7に記載の無線システム。
  9. 前記第1の命令に応答して前記キャリブレーション回路の前記レシーバー差動DC電圧負帰還回路と前記トランスミッター差動DC電圧負帰還回路とは前記レシーバーの前記差動ベースバンド受信信号の前記DCオフセット電圧を低減する動作と前記トランスミッターの前記差動ベースバンド送信信号の前記DCオフセット電圧を低減する動作とを並列に実行するものである請求項8に記載の無線システム。
  10. 前記レシーバーと前記ベースバンド処理ユニットとはIEEE 802.11無線LAN通信を行うものである請求項9に記載の無線システム。
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