JP6073364B2 - 60℃超200℃未満の沸点(標準圧力で)を有する溶媒(略して低沸点溶媒と称する)の存在下における糖溶液からの5−ヒドロキシメチルフルフラール(hmf)の調製 - Google Patents

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Description

本発明は5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を調製する方法に関し、該方法は、
a)1種以上のヘキソース又はヘキソースから生ずるオリゴマー若しくはポリマー(以後、糖と総称する)、及び
200℃を超える沸点(標準圧力で)を有する有機溶媒(略して高沸点溶媒と称する)、及び

を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
60℃超200℃未満(標準圧力で)の沸点を有する溶媒(略して低沸点溶媒と称する)
を反応容器に給送するステップ、
b)反応容器中で低沸点溶媒の存在下にヘキソースのHMFへの変換を行い、同時にHMFを蒸留して取り出すステップ、並びに
c)HMF、水及び低沸点溶媒を含む希薄な溶液(以後、留出物と称する)を留出物として得るステップ
を含む。
化学合成のために、再生可能な原材料から得られ且つ工業的に有用な化合物に化学反応により容易に変換することができる化合物は、重要性を増しつつある。
この関係で、5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)は、ヘキソース又は他の糖から色々な方法により調製され得ることが知られている。HMFから、例えば、2,5-フランジカルボン酸が容易に得られ、これはジカルボン酸としてポリエステル又はポリウレタンなどのポリマーの調製に適しており、工業的用途において再生不可能な原材料からの他のジカルボン酸を置き換えることができる。
HMFは、一般に、グルコース又はフルクトースなどのヘキソースの酸触媒脱水により調製される。得られた反応生成物は酸性溶液であり、それはHMFだけでなく、未変換の出発原料及び/又は副生物を含む。HMF合成において、一般には、副生物の生成を避けるために、出発原料の部分的変換にとどめる。一般的に、得られた溶液は、それ故、ヘキソース、又はヘキソースから生じたオリゴマー若しくはポリマーなどの未変換の出発原料を含む。高い変換率では、副生物の量が増大する。
出発原料又はHMF合成からの副生物を含む反応溶液からHMFを除去することは複雑で、HMFを得ることを困難にする。
Feroz Kabir Kazi et al. Chem Eng. J. 169(2011), 329〜338頁には、有機溶媒(ブタノール)を使用する複雑な抽出方法による酸性反応溶液からのHMFの分離が記載され、HMFのブタノール溶液が得られている。
DE-A 3601281には、最初にあらゆる有機溶媒が除去されてHMF水溶液がイオン交換カラムにより分離されるクロマトグラフ法の除去方法が開示されている。得られたHMF分画は再結晶される。
反応溶液からHMFを分離するさらなる方法は、容易に取り出し得る他の化合物に変換し、任意選択により、取り出しが完結したら引き続いてHMFに逆変換することである。例えば、Mark Mascal and Edward B. Nikitin, 2008 Angew. Chemie Vol. 47, 7924〜7926頁によれば、HMFはより安定な5-クロロメチルフルフラールに変換され、その後HMF又はそれらの誘導体に戻される。或いは、EP-A 1834950によればHMFのエーテルが、又はEP-A 1834951によればエステルが調製され、これらは取り出しが完結したら、そのままでさらなる合成に適する。
Haru Kawamoto, Shinya Saito et al.は、J. Wood Sci.(2007), 53, 127〜133頁で、水蒸気の供給を含む種々の条件下で、左旋性のグルコセノン、フルフラール及び/又はHMFを生成するセルロースの熱分解を記載している。
FR 2663933及びFR 2664273には、酸性塩(Na3PO4及びKH2PO4)の溶融物中において過熱スチームの作用下で、フルクトース及びスクロースをHMFに変換する方法が記載されている。HMFのごく一部がスチームにより飛沫同伴されるが、その後HMFの大部分は、抽出により溶融塩から単離される。
US 4,400,468には、水蒸気の作用下において糖を生じさせ、混合物中に存在するヘキソース成分をHMFに直接変換するバイオマスの酸性加水分解が記載されている。この場合、HMFは生ずるが、しかしながら、純粋な形で単離されることはない。
HMFは、さらなる合成のために最高純度の形態で存在すべきである。さらなる合成に適したHMFの水溶液は、特に、副生物又は残存出発原料を、たとえ存在しても、最大でも非常に少量で含むものである。十分な純度を有するHMF又はその水溶液を調製するこれまでに知られている方法は、極端に複雑である。
CN 102399203及びWei et al. Green Chem., 2012, 14, 1220〜1226頁には、イオン性液体中におけるフルクトース及びグルコースの分解によりHMFの調製及び単離を同時に行う蒸留方法が記載されている。該方法は、助触媒及びストリッピング媒体の存在下で、イミダゾリウム誘導体、好ましくは長いアルキル側鎖を有するもの(例えば1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム塩化物)をベースとするイオン性液体に糖を加えて、100から500 Pa、120〜180℃の反応温度で10から60分の反応時間を置くことを含む。ストリッピング媒体は、窒素、その他の不活性ガス、二酸化炭素、C1〜C8アルカン、アセトン又はメチルイソブチルケトンである。
使用されるコバルト触媒は、生ずるHMFの安定化に役立つが、グルコースのフルクトースへの異性化のための触媒としても役立つ金属塩又は金属酸化物である。金属塩によるそのような異性化は、すでに文献から知られている(Glucose-isomerization with Chromium-salts-Science 2007, 316, 1597-1600; Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 9345-9348; Chem. Eur. J. 2011, 17, 5281-5288; Glucose-isomerization with rare-earth metals-J. Mol. Cat. A, 2012, 356, 158-164; HMF from Glucose with lanthanides-Green Chem., 2010, 12, 321-325; Conversion of Cellulose to Furans with metal salts-J. Mol. Catal. A, 2012, 357, 11-18; Sn-Beta Zeolites-ACS Catal. 2011, 1, 408-410)。
フルクトース及びグルコースからHMFを合成するために、イオン性液体、特に置換されたイミダゾリウム塩化物誘導体を使用することは、文献から周知である。しかしながら、HMFをイオン性液体から単離することは非常に複雑であるだけでなく、通常、ILは有機溶媒で抽出され、IL中の反応は水が存在すると非常に遅く進むので、糖は、それ故、全ての場合、実質的に全く無水のIL中で変換される。後者は、さらに使用する前に、複雑な様式で脱水されなければならない(例えばBiores. Tech. 2011, 102, 4179-4183)。
糖、特にフルクトース及びグルコースのHMFへの変換における反応媒体中の水の有害な影響は、文献に適切に記載されている(例えばCarbohydr. Res. 1977, 54, 177-183; Science 2007, 136, 1597-1600)。当業者に周知であるように、水は、第1に糖の脱水反応を遅延させ、且つ生じたHMFの再水和並びにギ酸及びレブリン酸への分裂も促進する(反応の仮定されている機構については、Science 2006, 312, 1933-1937を参照されたい)。例1に示すように、反応は含水率が上昇するほど非常に遅く進み、HMFの収率は低くなる。
それ故、本発明の目的は、非常に簡単な及び効果的な様式でHMFを調製することができて、同時にHMFが非常に実質的に純粋な形で得られて、それ故、HMFが変換された出発原料又は副生物から直ちに且つ非常に実質的に完全に分離される工業的規模の方法であった。
工業的規模の方法において、変換は、工業的に及び経済的に有利な温度及び圧力の範囲内で高い変換率及び高い空時収量を以て実施されるべきである。より特定すれば、種々の濃度の市販の糖水溶液の使用は、結晶性糖とは対照的に、重要性が大きい。さらに、供給原料は、装置及び手順に対する要求を最小にして、価値ある生成物の簡単な精製及び単離を可能にするべきである。減圧下の反応形態においてストリッピング媒体として気体を使用することは、工業的規模で実行するのが困難であり、それは、所望の真空を維持することができるためには、高いポンプ出力が要求されるからである。有機溶媒をストリッピング媒体として工業的規模で使用する場合、高いコスト及び複雑なそれらの回収が不利な点である。それに加えて、HMF調製の場合、高い温度においては、生成物の不安定性が理由で、短い滞留時間が非常に有利である。特に、生じたHMFを反応溶液から急速に除去すれば、より高い収率が可能になる。工業的規模の方法における重要な要因は方法の複雑性であり、したがって、例えば、ワンポット方法は種々の理由で好ましい。特に好ましい方法の変形は、目標生成物がワンポット方法で生じて、同時に反応溶液から分離される反応蒸留である。
それに応じて、最初に明示した方法が見出された。
本発明による方法において、HMFは、60℃を超え200℃未満の沸点を有する溶媒(標準圧力で;略して低沸点溶媒と称する)の存在下で調製されて、HMF合成の副生物及び未変換の出発原料から直ちに分離される。先行技術と対照的に、この方法は、工業的規模で実施することができる。
図1は薄膜蒸発器(Sambay)及び凝縮器で構成された該当する装置を示す。 図2は、シンプルな給送口を有する蒸留塔及び凝縮器で構成される該当する装置を示す。 図3は、別々の加熱可能な給送口及び混合機を有する蒸留塔及び凝縮器で構成される該当する装置を示す。
方法ステップa)
方法ステップa)において、
1種以上のヘキソース又はヘキソースから生じたオリゴマー又はポリマー(以後、糖と総称する)、及び
200℃を超える沸点(標準圧力で)を有する有機溶媒(略して高沸点溶媒と称する)及び

を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
60℃超200℃未満の沸点(標準圧力で)を有する溶媒(略して低沸点溶媒と称する)を反応容器に給送する。
糖は、ヘキソース、又はヘキソースから生じたオリゴマー若しくはポリマーを含む。ヘキソースは、好ましくは、フルクトース、グルコース又はフルクトースとグルコースの混合物である。フルクトース又はフルクトースとグルコースの混合物が特に好ましい。ヘキソースは、最も好ましくはフルクトースである。
出発溶液は、糖調製からの副生物又は出発原料も含んでいてもよい。例えば、糖は、セルロース又はデンプンなどのポリマーの分解により得ることができる。それ故、出発溶液は、そのようなポリマー又はそれらのオリゴマー状の分解生成物の残存する量をなおも含んでいてもよい。
出発溶液は、好ましくは、出発溶液の全重量に基づいて1から60重量%の糖、より好ましくは10から50重量%の糖を含む。
出発溶液は、好ましくは、10重量%未満、特に5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の糖調製からの副生物又は出発原料(出発溶液の全重量に基づく)を含む。さらに特定すれば、出発溶液は、糖調製からの副生物及び出発原料を本質的に含まない。
別の実施形態においては、出発溶液は、一般式MXnの金属塩化物又は金属硝酸塩も異性化塩として含んでいてもよく、式中、Mは金属であり、Xは塩化物又は硝酸塩であり、nは1から4の整数である。出発溶液中の糖がグルコース又はグルコース単位を含む糖、例えばスクロースである場合、これらの異性化塩は、好ましくは、出発溶液中に存在する。異性化塩の使用は、すでに文献(Science 2007, 316,1597-1600, Carbohydr. Pol. 2012, 90, 792-798, Chem. Eur. J. 2011, 17, 5281-5288, Green Chem. 2009, 11, 1746-1749)に記載されている。CrCl2、CrCl3、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CuCl、CuCl2、CuBr、VCl3、MoCl3、PdCl2、PtCl2、RuCl3、RhCl3、Ni(NO3)2、Co(NO3)2、Cr(NO3)3、SnCl4の群から選択される金属塩化物又は金属硝酸塩を使用することが好ましい。CrCl2及びCrCl3が特に非常に好ましい。
出発溶液は、さらに200℃(標準圧力で)、特に250℃を超える沸点を有する有機溶媒(以後、略して高沸点溶媒と称する)を含む。
有用な高沸点溶媒として、親水性溶媒が挙げられ、これらは、プロトン性親水性有機溶媒、例えばアルコール、又は非プロトン性親水性溶媒、例えばエーテル若しくはケトン、ジメチルスルホキシドなどであってもよい。イオン性液体、高沸点油類、例えばパラフィン、及び高沸点エステル、例えばHexamoll DINCH(ジイソノニル1,2-シクロヘキサン-ジカルボキシレート)も有用である。さらに可能な高沸点溶媒は、1,3-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(TOPO)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMP)、3-メチル-2-オキサゾリドン、2-オキサゾリドン、o-ジヒドロキシベンゼン、カテコール、N,N-ジブチルウレア及びジブチルスルホンである。
この発明の関係で好ましい高沸点溶媒は、ポリエーテル及びイオン性液体である。
ポリエーテル
ポリエーテルは、好ましくは、60℃未満、特に30℃未満(標準圧力、1バールで)の融点を有する。特に好ましいポリエーテルは20℃(標準圧力)で液体である。
ポリエーテルは、少なくとも2個のエーテル基を含む。ポリエーテルは、好ましくは、少なくとも3個、特に少なくとも4個及びより好ましくは少なくとも6個のエーテル基を含む。一般的にそれらは、40個以下の及び特に30個以下のエーテル基、より好ましくは20個以下のエーテル基を含む。
特定の実施形態において、ポリエーテルは、エーテル基及び任意選択のヒドロキシル基の形態にある酸素以外の如何なるヘテロ原子を含まない。
さらに特定すれば、ポリエーテルは、脂肪族ポリエーテルであり、特に好ましいポリエーテルはポリアルキレングリコールであり、ここで、末端のヒドロキシル基はアルキル基、特にC1〜C4-アルキル基でエーテル化されていてもよい。
ポリアルキレングリコールのアルキレン基は、例えば、エチレン、プロピレン又はブチレン基などのC2からC10、特にC2からC4のアルキレン基であってもよい。ポリアルキレングリコールは、種々のアルキレン基を、例えばブロックの形態で含んでいてもよい。
それ故、非常に特に好ましいのは、ポリ-C2-から-C4-アルキレングリコール、特に、末端のヒドロキシル基が任意選択によりアルキル基でエーテル化されていてもよいポリエチレングリコールであり、反復するアルキレンエーテル基の数は上のエーテル基の数に対応し、反復するアルキレンエーテル基の数は特に4から30、より好ましくは6から20である。ポリアルキレングリコールの末端のヒドロキシル基は、アルキル基、特にC1からC4のアルキル基でエーテル化されていてもよい。
イオン性液体(IL)
イオン性液体とは、本出願の関係においては180℃未満の温度でも液体である有機塩を指す。イオン性液体は、好ましくは、150℃未満、より好ましくは120℃未満、特に100℃未満の融点を有する。
室温でも液状で存在するイオン性液体は、例えば、K. N. Marsh et al., Fluid Phase Equilibria 219(2004), 93-98及びJ. G. Huddleston et al., Green Chemistry 2001 ,3, 156-164により記載されている。
本発明による方法における使用に適したイオン性液体は、WO 2008/090155(4頁、38行から37頁、31行まで)及びWO 2008/090156(7頁、1行から39頁、37行まで)に記載されており、それらを引用しておく。
イオン性液体には、カチオンとアニオンが存在する。イオン性液体の中で、プロトン又はアルキルラジカルは、カチオンからアニオンに移ることができて、2つの無荷電分子が生ずる。したがって、本発明により使用されるイオン性液体中で、アニオン、カチオン及びそれらから生じた無荷電分子の平衡があり得る。
好ましいイオン性液体は、窒素含有カチオン成分(イミダゾリウム誘導体など)とアニオンとしてのハロゲンイオンとの組合せである。
イオン性液体のカチオンの生成に適した化合物は、例えば、DE 10202838 A1([0030]から[0073]まで)に記載されている。これらの化合物は、好ましくは、少なくとも1個のヘテロ原子、例えば1から10個のヘテロ原子を含み、それらは、好ましくは窒素、酸素、リン及び硫黄原子から選択される。少なくとも1個の窒素原子及び任意選択によりそれに加えてさらに少なくとも1個の窒素以外のヘテロ原子を含む化合物が好ましい。少なくとも1個の窒素原子、より好ましくは1から10個の窒素原子、特に1から5個の窒素原子、より一層好ましくは1から3個の窒素原子、特に1又は2個の窒素原子を含む化合物が好ましい。後者の窒素化合物は、酸素、硫黄又はリン原子などのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい。
少なくとも1個の窒素原子及び任意選択により酸素又は硫黄原子を有する、少なくとも1つの5から6員の複素環、特に5員複素環を含む化合物が好ましい。特に好ましいのは、1、2又は3個の窒素原子及び1個の硫黄又は1個の酸素原子を有する少なくとも1つの5から6員の複素環を含む化合物であり、特に非常に好ましいのは、2個の窒素原子を有するこれらの化合物である。芳香族複素環がさらに好ましい。
好ましいカチオンは、無置換の又は置換されたイミダゾリウムイオンである。特に適当なイミダゾリウムイオンは1-メチルイミダゾリウム、1-エチルイミダゾリウム、1-(1-プロピル)イミダゾリウム、1-(1-アリル)イミダゾリウム、1-(1-ブチル)イミダゾリウム、1-(1-オクチル)イミダゾリウム、1-(1-ドデシル)イミダゾリウム、1-(1-テトラデシル)イミダゾリウム、1-(1-ヘキサデシル)イミダゾリウム、1,3-ジメチルイミダゾリウム、1,3-ジエチルイミダゾリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-ブチル)-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-ブチル)-3-エチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキシル)-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキシル)-3-エチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキシル)-3-ブチルイミダゾリウム、1-(1-オクチル)-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-オクチル)-3-エチルイミダゾリウム、1-(1-オクチル)-3-ブチルイミダゾリウム、1-(1-ドデシル)-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-ドデシル)-3-エチルイミダゾリウム、1-(1-ドデシル)-3-ブチルイミダゾリウム、1-(1-ドデシル)-3-オクチルイミダゾリウム、1-(1-テトラデシル)-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-テトラデシル)-3-エチルイミダゾリウム、1-(1-テトラデシル)-3-ブチルイミダゾリウム、1-(1-テトラデシル)-3-オクチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキサデシル)-3-メチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキサデシル)-3-エチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキサデシル)-3-ブチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキサデシル)-3-オクチルイミダゾリウム、1,2-ジメチルイミダゾリウム、1,2,3-トリメチルイミダゾリウム、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-(1-ブチル)-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-(1-ヘキシル)-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-(1-オクチル)-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1,4-ジメチルイミダゾリウム、1,3,4-トリメチルイミダゾリウム、1,4-ジメチル-3-エチルイミダゾリウム、3-メチルイミダゾリウム、3-エチルイミダゾリウム、3-n-プロピルイミダゾリウム、3-n-ブチルイミダゾリウム、1,4-ジメチル-3-オクチルイミダゾリウム、1,4,5-トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5-テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5-トリメチル-3-エチルイミダゾリウム、1,4,5-トリメチル-3-ブチルイミダゾリウム、1,4,5-トリメチル-3-オクチルイミダゾリウム、1-プロパ-1-エン-3-イル-3-メチルイミダゾリウム及び1-プロパ-1-エン-3-イル-3-ブチルイミダゾリウムである。特に適当なイミダゾリウムイオン(IVe)は、1,3-ジエチルイミダゾリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-(n-ブチル)-3-メチルイミダゾリウムである。
イオン性液体のアニオンは、例えば、
1)式:F-、Cl-、Br -、I-、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、(CF3SO3)2N-、CF3CO2 -、CCl3CO2 -、CN-、SCN-、OCN-のアニオン、
2)式:SO4 2-、HSO4 -、SO3 2-、HSO3 -、RcOSO3 -、RcSO3 -のアニオン、
3)式:PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、RcPO4 2-、HRcPO4 -、RcRdPO4 -のアニオン、
4)式:RcHPO3 -,RcRdPO2 -、RcRdPO3 -のアニオン、
5)式:PO3 3-、HPO3 2-、H2PO3 -、RcPO3 2-、RcHPO3 -、RcRdPO3 -のアニオン、
6)式:RcRdPO2 -、RcHPO2 -、RcRdPO-、RcHPO-のアニオン、
7)式RcCOO-のアニオン、
8)式:BO3 3-、HBO3 2-、H2BO3 -、RcRdBO3 -、RcHBO3 -、RcBO3 2-、B(ORc)(ORd)(ORe)(ORf)-、B(HSO4)4 -、B(RcSO4)4 -のアニオン、
9)式:RcBO2 2-、RcRdBO-のアニオン、
10)式:HCO3 -、CO3 2-、RcCO3 -のアニオン、
11)式:SiO4 4-、HSiO4 3-、H2SiO4 2-、H3SiO4 -、RcSiO4 3-、RcRdSiO4 2-、RcRdReSiO4 -、HRcSiO4 2-、H2RcSiO4 -、HRcRdSiO4 -のアニオン、
12)式:RcSiO3 3-、RcRdSiO2 2-、RcRdReSiO-、RcRdReSiO3 -、RcRdReSiO2 -、RcRdSiO3 2-のアニオン、
13)式:
Figure 0006073364
のアニオン、
14)式:
Figure 0006073364
のアニオン、
15)式RcO-のアニオン、
16)式HS-、[Sv]2-、[HSv]-、[RcS]-のアニオン(vは2から10の正の整数である)
から選択される。
Rc、Rd、Re及びRfラジカルは、好ましくは各々独立に、
水素;
少なくとも1個のヘテロ原子又はヘテロ原子含有基が割り込んでいてもよい、無置換の又は置換されたアルキル、好ましくは無置換の又は置換されたC1〜C30-アルキル、より好ましくは無置換の又は置換されたC1〜C18-アルキル;
無置換の又は置換されたアリール、好ましくは無置換の又は置換されたC6〜C14-アリール、より好ましくは無置換の又は置換されたC6〜C10-アリール;
無置換の又は置換されたシクロアルキル、好ましくは無置換の又は置換されたC5〜C12-シクロアルキル;
無置換の又は置換されたヘテロシクロアルキル、好ましくは無置換の又は置換された5又は6個の環原子を有するヘテロシクロアルキル(ここで、環は、炭素環原子のほかに、1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子含有基を有する);
無置換の又は置換されたヘテロアリール、好ましくは無置換の又は置換された5から10個の環原子を有するヘテロアリール(ここで、環は、炭素環原子のほかに、酸素、窒素、硫黄及びNRaから選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子含有基を有する)であり;
ここで、複数のRcからRfのラジカルを有するアニオン中のこれらのラジカルの任意の2つは、それらが結合したアニオンの一部と一緒に、1から12個の炭素原子を有する少なくとも1つの飽和した、不飽和の又は芳香環若しくは環系であってもよく、該環又は環系は、1から5個の隣接していない、好ましくは酸素、窒素、硫黄及びNRaから選択されたヘテロ原子又はヘテロ原子含有基を有していてもよく、該環又は環系は、無置換でも又は置換されていてもよい。
好ましいアニオンは、Cl-、Br-、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、乳酸塩、サッカリン酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、C1〜C4-アルキル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トシレートイオン,トリフルオロアセテートイオン、C1〜C4-ジアルキルリン酸イオン及び硫酸水素イオンである。
特に好ましいアニオンは、Cl-、Br-、HCOO-、CH3COO-、CH3CH2COO-、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、トシレートイオン、CH3SO3 -又はCH3OSO3 -である。
より特定すれば、アニオンは、Cl-及びCH3OSO3 -から選択される。
本発明による方法における使用に適したイオン性液体は、例えば、BASF SEからBasionic(登録商標)のブランド名で市販されている。
本発明による方法における使用に有利なイオン性液体は、イミダゾリウム塩化物若しくはイミダゾリウムメタンスルホン酸塩又はそれらの混合物である。
本発明による方法における使用にさらに有利なイオン性液体は、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(EMIM Cl、Basionic ST 80)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(EMIM CH3SO3、Basionic ST 35)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(BMIM Cl、Basionic ST 70)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(BMIM CH3SO3、Basionic ST 78)、メチルイミダゾリウム塩化物(HMIM Cl、Basionic AC 75)、メチルイミダゾリウム硫酸水素塩(HMIM HSO4、Basionic AC 39)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム硫酸水素塩(EMIM HSO4、Basionic AC 25)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム硫酸水素塩(BMIM HSO4、Basionic AC 28)1-エチル-3-メチルイミダゾリウム酢酸塩(EMIM酢酸塩、Basionic BC 01)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム酢酸塩(BMIM酢酸塩、Basionic BC 02)である。
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物、メチルイミダゾリウム塩化物、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩及びそれらの混合物は特に好ましい。
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(EMIM Cl、Basionic ST 80)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(BMIM Cl、Basionic ST 70)及び1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(EMIM CH3SO3、Basionic ST 35)は特に非常に好ましい。
出発溶液は、高沸点溶媒と同様に、少なくとも1種のさらなる溶媒を含む。さらなる溶媒は特に水である。これは、水と、使用される糖を好ましくは溶解し得るべき沸点が200℃未満の親水性有機溶媒(低沸点溶媒と称する)との混合物も含んでいてもよい。
さらなる溶媒は、より好ましくは水である。出発溶液は、それ故、より好ましくは水溶液である。
特定の実施形態において、出発溶液は、溶媒として水と高沸点溶媒のみを含む。
出発溶液は、高沸点溶媒、特にポリエーテル又はイオン性液体を、好ましくは、出発溶液の全重量に基づいて、5から90重量%、特に30から80重量%、より好ましくは40から80重量%の量で含む。
出発溶液の含水率は、出発溶液の全重量に基づいて、好ましくは60重量%未満、特に50重量%未満、より好ましくは40重量%未満である。
出発溶液は、好ましくは、さらに触媒を含む。触媒は、糖のHMFへの変換の触媒である。適当な触媒は酸である。有用な酸として、出発溶液中に分散された不均一な酸、又は出発溶液中に溶解された均一な酸が挙げられる。有用な均一な酸としては、任意の所望の無機又は有機酸が挙げられる。均一なプロトン性酸を使用することは特に好ましい。例として、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(MeOSO3H)、シュウ酸、硫酸、塩酸又はリン酸が挙げられる。
使用される高沸点溶媒がイオン性液体又はDMSOであれば、特にハロゲン化物含有IL、例えばEMIM Cl及びBMIM Clの場合に、触媒の使用が絶対に必要ということはない。しかしながら、触媒の使用は反応を促進し、したがって方法ステップb)における滞留時間を短縮する。したがって、高沸点溶媒としてイオン性液体又はDMSOを使用する場合、触媒を使用することが好ましい。
ポリエーテル、特にポリエチレングリコールが、高沸点溶媒として使用される場合、触媒の使用は絶対的に必要である。
出発溶液は、酸を、好ましくは0.1から10 mol%、より好ましくは0.1から5 mol%の量で(糖に基づいて)含む。
好ましい出発溶液は、例えば、溶液の全重量に基づいて、
1から40重量%の糖
5から90重量%の高沸点溶媒、好ましくはポリエーテル又はイオン性液体
1から50重量%の水
0.1から10 mol%(糖に基づいて)の酸
0から10重量%の他の構成成分、例えば糖の合成からの副生物
を含む。
特に好ましい出発溶液は、例えば、溶液の全重量に基づいて、
5から30重量%の糖
30から80重量%の高沸点溶媒、好ましくはポリエーテル又はイオン性液体
10から50重量%の水
0.1から5 mol%(糖に基づいて)の酸
0から5重量%の他の構成成分、例えば糖の合成からの副生物
を含む。
出発溶液は、本発明においては、種々の方法で調製することができる。一実施形態において、出発溶液の成分は、反応容器に供給されてその中で予め混合する。その場合、この出発溶液は方法ステップb)に供給する。この場合に、この出発溶液は、特定の実施形態において、150〜200℃の温度に前以て予熱することもできる。
別の実施形態において、出発溶液は以下のステップにより調製する。
a1)糖及び水を反応容器中に存在させる。
a2)さらに反応容器には、最初に高沸点溶媒及び好ましくは触媒を仕込む。
a3)方法ステップb)の直前に、成分を、好ましくは混合室中で混合する。
さらなる別の実施形態において、高沸点溶媒及び好ましくは触媒と同様に、金属塩化物又は金属硝酸塩も最初に、方法ステップa2)で仕込んでもよい。方法ステップa1)で使用される糖がグルコースであるか又は使用される糖がグルコース単位を含む、例えばスクロースである場合には、金属塩化物又は金属硝酸塩を最初に仕込むことが好ましい。
「方法ステップb)の直前に」とは、方法ステップa)における混合の開始時から混合物を反応容器好ましくは蒸発器に入れるまでの時間が、最大で5分、より好ましくは最大で1分であることを意味する。
別の実施形態において、混合された出発溶液は、それに加えて、瞬間的圧力勾配(調圧器による標準圧力から真空への移行)により部分的に蒸発させて気相に変換することができる(「フラッシング」と称する)。
さらなる別の実施形態において、2つの反応容器中のステップa1及びa2の溶液は、混合に先だって互いに別々に、例えば熱交換器により、150℃と200℃の間の温度に予熱することができる。
この場合、水性出発溶液はすでに超臨界状態にあり、さらなる別の実施形態において、瞬間的圧力勾配(上昇した圧力から真空に調圧器により移行)により特に効率的に蒸発させて、水の比較的大部分を気相に変換することもできる(「フラッシング」と称する)。
室温で固体であるか又はそうでなければ非常に粘稠な高沸点溶媒の場合、それらが前以て溶融していてポンプ輸送可能であるためには、貯蔵容器の加熱が必要であることもある。
上記の出発溶液及び60℃を超え200℃未満の沸点を有する溶媒(標準圧力で;略して低沸点溶媒と称する)が反応容器に供給される。
方法ステップb)
方法ステップb)において、出発溶液は、蒸留と同時にHMFに変換されるが(それ自体知られている)、それが60℃を超え200℃未満の沸点を有する溶媒(標準圧力で;略して低沸点溶媒と称する)の存在下で行われる。この目的のために、出発溶液を反応容器中で低沸点溶媒と接触させる。
好ましい低沸点溶媒は、水蒸気、アルコール、例えばメタノール、エタノール、2-ブタノール、モノ、ジ-及びポリエーテル、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールなど、ケトン、例えば2-ブタノン又はメチルイソブチルケトンなど、エステル例えば酢酸ブチルなど、及び芳香族、例えばトルエン又はキシレンなどである。HMFとの良好な相互作用が可能な極性プロトン性低沸点溶媒が好ましい。使用される低沸点溶媒は、より好ましくは水蒸気、メタノール及び2-ブタノールである。水蒸気は特に非常に好ましい。
低沸点溶媒による出発溶液の処理は好ましくは減圧下で実施され、有用な圧力は特に10から200 mbarである。反応容器中の圧力は、好ましくは10から100 mbar、より好ましくは20から80 mbarである。
低沸点溶媒による出発溶液の処理は、好ましくは100から250℃、より好ましくは140から250℃、より好ましくは160から220℃、最も好ましくは170から220℃の出発溶液の温度で実施される。
使用される高沸点溶媒がポリエチレングリコールであれば、出発溶液は低沸点溶媒により好ましくは160から220℃の温度で処理される。
使用される高沸点溶媒がイオン性液体であれば、出発溶液は低沸点溶媒により好ましくは180から220℃の温度で処理される。
使用される低沸点溶媒が水蒸気であれば、水蒸気による出発溶液の処理は、好ましくは、140から220℃、より好ましくは160から220℃、最も好ましくは180から220℃の温度で実施される。これら温度で、処理は工業的に実現性があるが最少量の水蒸気で実施することができる。水蒸気の量を増すことにより、反応蒸留の分離性能を向上させ又は同じ温度若しくは低い温度で一定に保つことができる。しかし、増大した量の水蒸気の使用は、工業的理由であまり好ましくない。なぜならば、圧力を一定に保つために高いレベルの複雑性が必要であり、留出物側におけるさらに高い冷却性能が必要とされ、しかもスチームコストが上昇するからである。
さらなる別の実施形態において、低沸点溶媒は反応容器に供給されない。この実施形態においては、低沸点溶媒が、出発溶液中の水からの、反応容器中での水蒸気の形態をとる。
本発明による方法は、好ましくは連続的に操業される。
この目的のために、出発溶液及び低沸点溶媒は、連続的に反応容器に供給され、得られた生成物又は留出物は、連続的に取り出される。
体積流速は、選択された反応容器のサイズ、反応器の性能及び分離性能に依存する。
好ましい実施形態において、供給低沸点溶媒量の供給出発溶液量に対する比は、出発溶液の1重量単位に対して低沸点溶媒の0.2から4重量単位の範囲内、より好ましくは出発溶液の1重量単位に対して低沸点溶媒の0.3から2重量単位の範囲内、特に出発溶液の1重量単位に対して低沸点溶媒の0.3から1.5重量単位である。
適当な反応容器は、出発溶液及び低沸点溶媒を供給するために、及び特に上記の連続した手順のために設計された通例の蒸発器である。
使用される蒸発器は、好ましくは、秒から分(2秒から10分)の範囲内の短い滞留時間の蒸発器である。有利なことに、生じた脱水生成物に対する低い熱負荷はこのようにして達成される。HMFの蒸留収率は、変換がすでに完結している事象で滞留時間を長くした結果として、大きく低下するので、滞留時間はHMFの収率に強く影響する。
滞留時間は、それ故、好ましくは1から120秒、より好ましくは1から60秒、最も好ましくは5から30秒である。
適当な蒸発器は、その目的のための原理的に通例の装置であり、それは、最も簡単な場合には、熱移動表面として加熱され得る壁を有する容器又は管を含む。蒸発器には、外側から壁を通して、例えばスチームを用いて熱を適当に供給することができる。蒸発器中の温度は、好ましくは100から300℃の範囲内、より好ましくは150℃から250℃の範囲内である。蒸発器内の圧力は、好ましくは最大で100 mbarである。蒸発器内の圧力は、より好ましくは10 mbarから100 mbar、特に10 mbarから80 mbarの範囲内である。
一実施形態において、使用される蒸発器は、蒸発器中の出発溶液が液膜として存在する薄膜蒸発器である。
垂直な薄膜蒸発器が特に好ましく、そのような垂直な薄膜蒸発器は、Buss又はSulzerからの「Luwa」又は特に「Sambay」などの装置名により知られている。
薄膜蒸発器は、回転するワイパーブレード付き又はそれ無しで使用することができる。
好ましい垂直な薄膜蒸発器は、つまり、出発溶液の分布及び混合のための内部デバイス及び管壁を加熱するための外部デバイスを備えた垂直な管である。出発溶液は、好ましくは、薄膜蒸発器の上部に供給されて、加熱されたパイプ壁上に膜として分布する。低沸点溶媒は、蒸発器に、好ましくは薄膜蒸発器に、出発溶液と一緒に又は蒸発器中の任意の他の箇所に供給することができる。出発溶液と低沸点溶媒とは、蒸発器内で同じ方向に(並流)又は反対方向に(向流)送られる。
低沸点溶媒は、好ましくは、出発溶液に対して向流で送られる。この目的のために、出発溶液は特に蒸発器の上部に、スチームは蒸発器の下部に供給される。
低沸点溶媒及び出発溶液の揮発性構成成分は、好ましくは分離器を通して蒸発器の頂部で排出されて凝縮される(留出物)。
不揮発性の構成成分は、蒸発器を通過して、液体の底留分生成物として取り出される。
図1は薄膜蒸発器(Sambay)及び凝縮器で構成された該当する装置を示す。
別の実施形態において、変換及び取り出しは、蒸留塔、好ましくはストリッピングカラムを使用して達成される。ストリッピングカラムは、外部加熱及び液体/蒸気平衡の確立のための複数の分離段階を備えた垂直な管からなるものでもよい。給送は、好ましくは、ストリッピングカラムの頂部に行う。
さらなる別の実施形態において、液滴分離器(デミスター)は蒸留塔の上に配置される。これは液滴の飛沫同伴(平衡の未確立の及び同時に流体力学的/流動関連過負荷のサイン)を防止する。
出発溶液は、好ましくは蒸留塔の頂部に供給される。低沸点溶媒は、蒸発器に、出発溶液と一緒に又は蒸発器中の任意の他の箇所に供給することができる。出発溶液及び低沸点溶媒は、蒸発器内で同じ方向に(並流)又は反対方向(向流)に送ることができる。
低沸点溶媒は、好ましくは、出発溶液に対して向流で送られる。この目的のために、出発溶液は、特に蒸発器の上部に供給され、低沸点溶媒は蒸発器の下部に供給される。
低沸点溶媒及び出発溶液の揮発性構成成分は、好ましくは分離器を通して蒸発器の頂部で排出されて凝縮される(留出物)。
不揮発性構成成分は、蒸発器を通過して液体底留分生成物として取り出される。
図2は、シンプルな給送口を有する蒸留塔及び凝縮器で構成される該当する装置を示す。
図3は、別々の加熱可能な給送口及び混合機を有する蒸留塔及び凝縮器で構成される該当する装置を示す。
方法ステップb)における反応は、所望であれば、糖のHMFへの部分的変換のみ又は糖のHMFへの完全変換が遂行されるように実施することができる。部分的変換の場合、未変換の糖は再変換することができ、完全変換の場合には、副生物、特にフミンと呼ばれるもの、即ちHMFのオリゴマーの生成が増大することがある。
使用された糖の好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも80%、特定の実施形態においては少なくとも90%が変換される。
方法ステップc)
得られた留出物は、希薄なHMFを含む溶液である。留出物は、変換で生じたHMF及び水、並びに蒸留からの低沸点溶媒を含む。留出物は、好ましくは変換で生じたHMF並びに反応及び蒸留からの水を含む。
留出物は、変換全体で得られたHMFの、特に60%を超えて、特に80%を超えて含む。
留出物は、留出物の全重量に基づいて特に少なくとも3重量%のHMF、より好ましくは少なくとも4重量%のHMF、最も好ましくは少なくとも6重量%のHMFを含む。
それに加えて、留出物は、高沸点溶媒も含むことがある。高沸点溶媒としてポリエーテル又はイオン性液体を使用する場合、留出物は、あったとしても非常に少量の高沸点溶媒を含むにすぎず、留出物中のポリエーテル又はイオン性液体の含有量は、その場合、留出物の全重量に基づいて特に5重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満又は0.5重量%未満である。
糖のHMFへの変換で生ずる副生物は特にフミン(HMFのオリゴマー)である。フミンは、本発明による方法においては、本質的に留出物中ではなく、底留分で得られる(図1を参照されたい)。
それ故、留出物は、あったとしても非常に少量のフミンを含むだけであり、留出物中のフミンの含有量は、一般に留出物の全重量に基づいて2重量%未満、特に0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満である。留出物は、透明であり、淡黄色又は橙色の色彩を有する(HMFの含有率による)。
それに加えて、留出物は、あったとしても少量の未変換の糖を含むだけであり、未変換の糖は主に底留分に存在する。
留出物中の未変換の糖の含有量は、一般に留出物の全重量に基づいて5重量%未満、特に2重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
HMF合成の副生物、高沸点溶媒としてのポリエーテル又はイオン性液体及び未変換の糖が、本質的に底留分で得られることは、本発明による方法の利点である。
HMFは、本発明による調製方法において、留出物として直接高い純度で得られる。本発明による方法は、それ故、HMFを調製して同時にHMFを副生物及び未変換の出発原料から分け取るのに簡単且つ効果的な方法である。
留出物は、HMFが出発原料として使用される化学合成に適する。より特定すれば、留出物は、HMFの出発原料が高純度で所望されるか又は要求される化学合成に適する。ここで示す例は、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを調製するために生成物溶液を使用する例である。
[実施例1]
含水率を変えたIL中におけるHMF調製のためのバッチ実験
実験は、ガラスの丸底フラスコ中で、還流凝縮器、機械的攪拌機及び油浴加熱を用いてバッチ方式により実施した。
出発溶液は、フルクトース(20g)、高沸点溶媒(100g)、p-トルエンスルホン酸(フルクトースに基づいて1 mol%)及び可変量の水を含んだ。
使用される高沸点溶媒は、
PEG-600:600の分子量を有するポリエチレングリコール
BMIM Cl:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(BMIM Cl、Basionic ST 70)
であった。
バッチ反応の性能:
全ての物質を、最初に丸底フラスコに入れ、100℃に急速に加熱して、目標温度に達した後、計時を開始し、反応をモニターするために試料を反応容器から一定間隔で取った。
組成はHPLCにより決定した。
報告するフルクトースの変換率は、分析した試料中のフルクトースの残量から計算する。フルクトースは、HMF及び副生物(フミン)に変換された。HMF収率は、出発溶液中のフルクトース含有量に基づく生じたHMFのパーセンテージである。
Figure 0006073364
[実施例2]
In situでのフルクトースの脱水及びスチーム蒸留によるHMFの単離
出発溶液
出発溶液は、純物質を混合することにより得た。
出発溶液は、フルクトース、高沸点溶媒、酸及び水を含んだ(表を参照されたい)。
使用される高沸点溶媒は、
DMSO:ジメチルスルホキシド
PEG-600:600の分子量を有するポリエチレングリコール
テトラグリム:テトラエチレングリコールジメチルエーテル
であった。
使用した酸は、
H2SO4:硫酸
p-TSA:パラ-トルエンスルホン酸
MSA:メタンスルホン酸
シュウ酸
であった。
スチーム蒸留の性能
スチーム蒸留は図1の装置で実施した。装置は、向流様式で操作するガラスのSambayからなるものであった。
出発溶液は、頂部で供給して調圧器により真空中にフラッシュし、水蒸気を低沸点溶媒として下部1/3に供給した。
種々の高沸点溶媒に対する出発溶液の組成及び選択された温度及び圧力を表にリストとして示す。
報告する温度は、パイプの外壁における熱媒の温度であり、それはパイプの内壁上の出発溶液の液膜の温度と良好な近似で対応する。
実験は、連続的に実施して、各々新たに温度及び圧力を調節した後、定常状態の到達を待った。
組成はHPLCにより決定した。
報告するフルクトースの変換率は底留分及び留出物中のフルクトースの残量から計算する。フルクトースはHMF及び副生物(フミン)に変換された。報告した触媒の酸の量は、フルクトースに基づく。HMFの収率は、出発溶液中のフルクトース含有量に基づいた留出物又は底留分中のHMFのモルパーセントである。
Figure 0006073364
Figure 0006073364
[実施例3]
種々の低沸点溶媒を用いる、HMF/高沸点溶媒溶液からのHMFの単離
出発溶液
出発溶液は純物質を混合することにより得た。
出発溶液は、HMF(10重量%)、フルクトース(10重量%)、水(20重量%)及びPEG-600(60重量%)(出発溶液の全重量に基づく)を含んだ。酸を添加しなかったので、この溶液で、フルクトースのHMFへの変換は起こらない。
フルクトースは、それが非常に小さい比率で留出物中に蒸留されるにすぎないことを単に示すために加えた。
蒸留の性能
蒸留は図1の装置で実施した。装置は向流様式で操作されるガラスのSambayからなる。
出発溶液は、頂部で供給して調圧器により真空中にフラッシュし、低沸点溶媒は下部1/3に供給した。低沸点溶媒、は電気加熱により125℃に加熱し、調圧器により減圧し、蒸留塔に導入する。
指定した温度はパイプの外壁における熱媒の温度であり、それは、パイプの内壁における出発溶液の液膜の温度と良好な近似で対応する。
実験は連続的に実施して、各々新たに温度及び圧力を調節した後、定常状態の到達を待った。
組成物はHPLCにより決定した。
HMF収率は、出発溶液中のHMFの含有量に基づく留出物又は底留分中のHMFのパーセンテージである。
蒸留分離性能は、留出物中のHMFのパーセンテージ/底留分中のHMFのパーセンテージ*100から計算する。
フルクトースの回収率は、底留分中のフルクトースのパーセンテージ/出発溶液中のフルクトースのパーセンテージ*100から計算し、これら条件下において、フルクトースは変換されずに大部分が底留分中で回収されると推定される。
Figure 0006073364
[実施例4]
ストリッピングカラム中におけるIn situでのフルクトースの脱水及びHMFの単離
出発溶液
純物質を混合することにより出発溶液を得た。
出発溶液は、フルクトース(20重量%)、高沸点溶媒(表を参照されたい)、酸(フルクトースに基づいて1 mol%)及び水(20重量%)(出発溶液の全重量に基づく)を含んだ。
使用される高沸点溶媒は、
PEG-600:600の分子量を有するポリエチレングリコール
EMIm Cl:1-エチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(EMIM Cl、Basionic ST 80)
であった。
使用した酸は、パラ-トルエンスルホン酸であった。
反応蒸留の性能
反応蒸留を図2の装置で実施した。装置は、サーモスタットで調温するガラスのVigreuxカラムを付けた反応区域(下)及びデミスター(出発溶液の給送口の上)の2つの部分からなる。装置は、向流様式で操作して、出発溶液は単一の給送により供給し、調圧器により真空中にフラッシュする。
出発溶液は、デミスターと反応区域の間に供給し、低沸点溶媒はカラムの下部1/3に供給した。
種々の高沸点溶媒並びに温度及び選択された圧力に対する出発溶液の組成を表にリストにして示した。
報告する温度は、カラムの外壁における熱媒の温度であり、それは、カラムの内壁における出発溶液の液体の温度と良好な近似で対応する。
実験は連続的に実施し、各々新たな温度及び圧力を設定した後、定常状態の到達を待った。
組成はHPLCにより決定した。
報告するフルクトースの変換率は、底留分及び留出物中のフルクトースの残量から計算する。フルクトースはHMF及び副生物(フミン)に変換された。報告した触媒の酸の量は、フルクトースに基づく。HMFの収率は、留出物又は底留分中のHMFのパーセンテージであり、出発溶液中のフルクトース含有量に基づく。
蒸留分離性能は、留出物中のHMFのパーセンテージ/底留分中のHMFのパーセンテージ*100から計算する。
Figure 0006073364
Figure 0006073364
説明
項目1〜5: EMIM Clを用いた140℃〜220℃の温度変更であり、他は同一の条件下である。蒸留分離性能は、180℃まで約50%で一定にとどまり、それから220℃で急速に92%まで上昇する。したがって、方法の最適条件は、EMIM ClなどのILの場合に220℃であることを明確に示すことが可能である。
項目3及び6並びに9及び10:スチーム速度の増大であり、他は同一の条件下である。蒸留性能における僅かな改善を示す。
項目5及び7:真空度の変更。30から80 mbarに真空度を弱くした場合、蒸留性能は8%だけ落ちる。
項目5、8、12:異なった低沸点溶媒の使用。反応の同じ通算選択性がHMFに関して得られるが、蒸留性能においては、H2O>MeOH>2-BuOHの順で明確な差が見られる。
項目13〜17:異なった温度におけるPEG-600の使用。最適条件は200℃にあり、そこで最高のHMF選択性が高い蒸留性能で得られる。しかしながら、高い温度では、糖の留出物中への僅かな飛沫同伴を観察することができ、それはILの場合には起こらない。
[実施例5]
分離した給送口を有するストリッピングカラムにおけるIn situでのフルクトースの脱水及びHMFの単離
出発溶液
純物質を混合することにより出発溶液を得た。
給送1は糖溶液であり、フルクトース(40〜70重量%)及び水を含む。
給送2は高沸点溶媒溶液であり、高沸点溶媒(EMIM Cl、95重量%)、パラ-トルエンスルホン酸(0.44重量%)及び水(4.5重量%)を含む(出発溶液の全重量に基づく)。
給送3は低沸点溶媒(水、メタノール-MeOH又は酢酸エチル-EtOAc)である。
反応蒸留の性能
反応蒸留は、図3の装置で実施した。装置は、サーモスタットで調温するガラスのVigreuxカラムを付けた反応区域(下)及びデミスター(出発溶液の給送の上)の2つの部分からなる。装置は、向流様式で操作して、出発溶液は、できる限り予熱した給送1と給送2を混合することにより得られ、調圧器により真空中にフラッシュする。
出発溶液は、デミスターと反応区域の間に供給し、低沸点溶媒はカラムの下部1/3に供給した。
報告する温度は、カラムの外壁における熱媒の温度であり、それは、カラムの内壁における出発溶液の液体の温度と良好な近似で対応する。
実験は連続的に実施し、各々新たな温度及び圧力を設定した後、定常状態の到達を待った。
組成はHPLCにより決定した。
報告するフルクトースの変換率は、底留分及び留出物中のフルクトースの残量から計算する。フルクトースはHMF及び副生物(フミン)に変換された。報告した触媒の酸の量は、フルクトースに基づく。HMFの収率は、留出物又は底留分中のHMFのパーセンテージであり、出発溶液中のフルクトース含有量に基づく。
蒸留分離性能は、留出物中のHMFのパーセンテージ/底留分中のHMFのパーセンテージ*100から計算する。
Figure 0006073364
説明
項目1及び2:反応/蒸留温度を高くすると、よりよい蒸留分離性能が達成され、反応の通算選択性は保たれる。
項目2及び3:低沸点溶媒の量の低減は、経済的及び工業的に実現性があって、同じ通算選択性及び蒸留分離性能で、約10重量%の高い留出物中のHMF含有率を与える。
項目2及び4:給送1中のフルクトースのさらに高い濃度を使用すれば、系中の全含水率が低下して、生じたHMFを反応媒体から十分急速に取り出すことができないので、反応の選択性が低くなる。
項目4及び5:反応温度を180℃に下げると、給送1中のフルクトース含有率が高い場合でも、蒸留分離性能が低下して、フルクトースの変換は部分的にとどまる。
項目3及び6:給送1及び2が加熱されないと、蒸留分離性能の悪化及び反応の通算選択性の低下が見られる。これは、おそらく、糖水溶液を加熱する結果として、水がすでに超臨界状態にあり、瞬間的減圧の結果、真空中に非常に急速に蒸発し、その結果、生じたHMFをそれと共に飛沫同伴するからである(フラッシュの急速化(better flash))。
項目7及び8:使用した低沸点溶媒は、メタノール及び酢酸エチルであってもよいが、蒸留分離性能及び反応の通算選択率が水と比較して僅かに劣る結果になる。酢酸エチルでは、二相性留出物が得られ、HMFの主要な部分は水性相中にある(報告する収率は全留出物に基づく)。
項目9:反応は、EMIM CH3SO3を用いても等しい収率で実施することができる。
[実施例6]
給送を分離したストリッピングカラム中におけるIn situでのグルコース又はグルコース/フルクトース混合物の脱水及びHMFの単離
出発溶液
純物質を混合することにより出発溶液を得た。
給送1は糖溶液であり、グルコース(40重量%)又はグルコース/フルクトース(比58:42、全糖に対して40重量%)及び水を含む。
給送2は高沸点溶媒溶液であり、高沸点溶媒(EMIM Cl;92.95重量%)、CrCl3(1.72重量%)、パラ-トルエンスルホン酸(0.42重量%)及び水(4.91重量%)(出発溶液の全重量に基づく)を含む。
給送3は低沸点溶媒(水)である。
反応蒸留の性能
反応蒸留は図3の装置で実施した。装置は、サーモスタットで調温するガラスのVigreuxカラムを付けた反応区域(下)及びデミスター(出発溶液の給送口の上)の2つの部分からなる。装置は向流様式で操作して、出発溶液は、できる限り予熱した給送1と給送2を混合することにより得られ、調圧器により真空中にフラッシュする。
出発溶液はデミスターと反応区域の間に供給し、低沸点溶媒は塔の下部1/3に供給した。
報告する温度は、塔の外壁における熱媒の温度であり、それは、塔の内壁における出発溶液の液体の温度と良好な近似で対応する。
実験は連続的に実施し、各々新たな温度及び圧力を設定した後、定常状態の到達を待った。
組成はHPLCにより決定した。
全糖の報告する変換率は、底留分及び留出物中のグルコース及びフルクトースの残量から計算する。グルコース及びフルクトースはHMF及び副生物(フミン)に変換された。報告する触媒の酸の量は全糖に基づく。HMF収率は留出物又は底留分中のHMFのパーセンテージであり、出発溶液中の全糖含有量に基づく。
蒸留分離性能は、留出物中のHMFのパーセンテージ/底留分中のHMFのパーセンテージ*100から計算する。
Figure 0006073364
Figure 0006073364
説明
項目1及び2:反応は、グルコースを用いて実施することもでき、留出物中におけるHMFの良好な収率を与える。フルクトースと比較して(表4)、グルコースを用いる反応は若干選択性が劣り、生じたHMFを反応溶液から十分速やかに取り出すことができなければ、望ましくない副反応の程度が増大する結果になる。
項目3:180℃という低めの反応温度では、HMFの選択性は上昇するが、同時に蒸留分離性能が低下する。
項目4及び5:グルコースとフルクトースの混合物を用いる反応では、純グルコースを用いた反応と同様にHMFの良好な収率が得られる。
項目6:反応は、EMIM CH3SO3を用いても等しい収率で実施することができる。
更なる実施形態:
[1]
5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を調製する方法であって、
a)1種以上の糖及び
200℃を超える沸点(標準圧力で)を有する有機溶媒(略して高沸点溶媒と称する)及び

を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
60℃超200℃未満の沸点(標準圧力で)を有する溶媒(略して低沸点溶媒と称する)
を反応容器に給送するステップ、
b) 反応容器中で水蒸気の存在下にヘキソースのHMFへの変換を行い、同時にHMFを蒸留して取り出すステップ、並びに
c) HMFを含む水溶液(以後、留出物と称する)を留出物として得るステップ
を含む方法。
[2]
糖が、フルクトース、グルコース、又はフルクトースとグルコースの混合物である、実施形態1に記載の方法。
[3]
高沸点溶媒がポリエーテル又はイオン性液体である、実施形態1又は2に記載の方法。
[4]
イオン性液体が、イミダゾリウム塩化物又はイミダゾリウムメタンスルホン酸塩、より好ましくは、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(EMIM Cl)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(BMIM Cl)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(EMIM CH 3 SO 3 )若しくは1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(BEMIM CH 3 SO 3 )又はそれらの混合物を含む、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
[5]
出発溶液が以下のステップ、即ち
A1)糖及び水を反応容器に存在させるステップ、
A2)もう1つの反応容器に、最初に高沸点溶媒及び好ましくは触媒を仕込むステップ、
A3)方法ステップb)の直前に、成分を、好ましくは混合室で混合するステップ、
により調製され、
ステップA1及びA2の溶液は、互いに分離された2つの反応容器中で、混合に先だって好ましくは150と200℃の間の温度に予熱される、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
[6]
低沸点溶媒が、水蒸気、メタノール又は2-ブタノールである、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
[7]
出発溶液が、高沸点溶媒を5から90重量%の量で含む、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
[8]
出発溶液が、一般式MXnの金属塩化物又は金属硝酸塩を含み、式中、Mは金属であり、Xは塩化物又は硝酸塩であり、nは1から4の整数である、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
[9]
HMFへの変換が、出発溶液中に可溶な酸の存在下で行われる、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
[10]
HMFへの変換が100℃から250℃で行われる、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
[11]
HMFへの変換が10から200 mbarの圧力で行われる、実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
[12]
連続的に実施され、出発溶液及び低沸点溶媒が蒸発器に連続的に供給され、生成物溶液が連続的に取り出される、実施形態1から11のいずれかに記載の方法。
[13]
反応容器が、薄膜蒸発器又はストリッピングカラムである、実施形態1から12のいずれかに記載の方法。
[14]
低沸点溶媒が、出発溶液に対して向流で供給される、実施形態1から13のいずれかに記載の方法。
[15]
得られたHMFの60%超が留出物中に存在する、実施形態1から14のいずれかに記載の方法。
[16]
留出物が、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを調製するために使用される、実施形態1から15のいずれかに記載の方法。

Claims (19)

  1. 5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を調製する方法であって、
    a)1種以上の糖及び
    200℃を超える沸点(標準圧力で)を有する有機溶媒(略して高沸点溶媒と称する)及び

    を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
    60℃超200℃未満の沸点(標準圧力で)を有する溶媒(略して低沸点溶媒と称する)
    を反応容器に給送するステップ、
    b) 反応容器中で低沸点溶媒の存在下にヘキソースのHMFへの変換を行い、同時にHMFを蒸留して取り出すステップ、並びに
    c) HMF、水、及び低沸点溶媒を含む希薄な溶液(以後、留出物と称する)を留出物として得るステップ
    を含み、
    ここで、出発溶液を反応容器中で低沸点溶媒と接触させ、高沸点溶媒がイオン性液体である、方法。
  2. 供給出発溶液量に対する供給低沸点溶媒量の比が、出発溶液の1重量単位に対して低沸点溶媒の0.2から4重量単位の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  3. 糖が、フルクトース、グルコース、又はフルクトースとグルコースの混合物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. イオン性液体が、イミダゾリウム塩化物又はイミダゾリウムメタンスルホン酸塩を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. イミダゾリウム塩化物又はイミダゾリウムメタンスルホン酸塩が、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(EMIM Cl)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩化物(BMIM Cl)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(EMIM CH 3 SO 3 )若しくは1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩(BEMIM CH 3 SO 3 )又はそれらの混合物である、請求項4に記載の方法。
  6. 出発溶液が以下のステップ、即ち
    A1)糖及び水を反応容器に存在させるステップ、
    A2)もう1つの反応容器に、最初に高沸点溶媒を仕込むステップ、
    A3)方法ステップb)の直前に、成分を混合するステップ、
    により調製され、
    ステップA1及びA2の溶液は、互いに分離された2つの反応容器中で、混合に先だって150と200℃の間の温度に予熱される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 出発溶液が以下のステップ、即ち
    A1)糖及び水を反応容器に存在させるステップ、
    A2)もう1つの反応容器に、最初に高沸点溶媒及び触媒を仕込むステップ、
    A3)方法ステップb)の直前に、成分を、混合室で混合するステップ、
    により調製され、
    ステップA1及びA2の溶液は、互いに分離された2つの反応容器中で、混合に先だって150と200℃の間の温度に予熱される、請求項1から5のいずれかに記載の方法
  8. 低沸点溶媒が、水蒸気、メタノール又は2-ブタノールである、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 出発溶液が、高沸点溶媒を5から90重量%の量で含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 出発溶液が、一般式MXnの金属塩化物又は金属硝酸塩を含み、式中、Mは金属であり、Xは塩素又は硝酸イオンであり、nは1から4の整数である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. HMFへの変換が、出発溶液中に可溶な酸の存在下で行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. HMFへの変換が100℃から250℃で行われる、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. HMFへの変換が10から200 mbarの圧力で行われる、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 連続的に実施され、出発溶液及び低沸点溶媒が蒸発器に連続的に供給され、生成物溶液が連続的に取り出される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 反応容器が、薄膜蒸発器又はストリッピングカラムである、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 低沸点溶媒が、出発溶液に対して向流で供給される、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. 得られたHMFの60%超が留出物中に存在する、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
  18. 留出物が、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを調製するために使用される、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. 工業的規模で実施される、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
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