JP6072166B1 - 表面変質層深さ測定方法、半導体ウエハ研削方法、及び、半導体ウエハ製造方法 - Google Patents

表面変質層深さ測定方法、半導体ウエハ研削方法、及び、半導体ウエハ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】残留応力層L3を含む表面変質層LCの深さを測定する。【解決手段】表面変質層深さ測定方法は、第1測定工程(ステップS105)、第1研削工程(ステップS107)、第2測定工程(ステップS109)、及び、深さ測定工程(ステップS111〜ステップS115)を含む。第1測定工程では、半導体ウエハWの反りC1を測定する。第1研削工程において、第1測定工程の後に、半導体ウエハWの被研削面Waを予め設定された所定番手よりも細かい第1番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する。第2測定工程において、第1研削工程の後の半導体ウエハWの反りC2を測定する。深さ測定工程において、第1測定工程及び第2測定工程で測定された反りC1、C2、及び、第1研削工程で研削された研削深さに基づいて、表面変質層LCの深さDAを求める。【選択図】図5

Description

本発明は、表面変質層深さ測定方法、半導体ウエハ研削方法、及び、半導体ウエハ製造方法に関する。
機械的加工によって半導体ウエハの表面に生じた変質層(以下、「表面変質層」という。)を除去する技術が知られている。例えば、シリコンウエハの表面変質層を除去するシリコンウエハ製造方法が開示されている(特許文献1参照)。このシリコンウエハ製造方法は、表面変質層を除去するエッチング処理工程を有する。また、エッチング処理工程では、表面変質層のうち、最も表面に近い破砕層を除去する。また、このシリコンウエハ製造方法では、シリコンウエハの表面に残存するマイクロクラックの溝幅が所定の範囲内に入るとエッチング処理を終了する。
特許文献1には、上記シリコンウエハ製造方法によれば、シリコンウエハの機械的加工によって生じた表面変質層のうち、破砕層を完全に除去することができると記載されている。
特開2001−217221号公報
しかしながら、上記シリコンウエハ製造方法では、半導体ウエハの表面変質層のうち破砕層が除去されるに止まり、残留応力層は除去されない。その結果、半導体ウエハの品位を向上する余地があった。
また、残留応力層の深さは、上記シリコンウエハ製造方法等の従来の技術では、測定することが困難であった。その結果、残留応力層を除去することができず、半導体ウエハの品位を向上する余地があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、残留応力層を含む表面変質層の深さを測定することができる表面変質層深さ測定方法、半導体ウエハ研削方法、及び、半導体ウエハ製造方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、半導体ウエハに形成された表面変質層の深さを測定する表面変質層深さ測定方法であって、第1測定工程、第1研削工程、第2測定工程、及び、深さ測定工程を含む。前記第1測定工程では、前記半導体ウエハの反りを測定する。前記第1研削工程において、前記第1測定工程の後に、前記半導体ウエハの被研削面を、予め設定された所定番手よりも細かい第1番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する。前記第2測定工程において、前記第1研削工程の後の前記半導体ウエハの反りを測定する。前記深さ測定工程において、前記第1測定工程及び前記第2測定工程で測定された反り、及び、前記第1研削工程で研削された研削深さに基づいて、前記表面変質層の深さを求める。
本発明の第2の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第1の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記第1測定工程の前に、第2研削工程を更に含む。前記第2研削工程において、前記半導体ウエハの前記被研削面を前記所定番手より粗い第2番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する。
本発明の第3の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第2の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記第1研削工程及び前記第2測定工程を複数回繰り返して行う。また、前記深さ測定工程において、前記第1研削工程での累積研削深さと前記第1測定工程及び前記第2測定工程で測定された反りとに基づいて、前記表面変質層の深さを求める。
本発明の第4の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第3の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、第3測定工程を更に備える。前記第3測定工程において、前記第2研削工程の前に、前記半導体ウエハの反りを測定する。また、前記深さ測定工程において、前記第2測定工程で測定された反りが、前記第3測定工程で測定された反りと略一致するときの、前記第1研削工程での累積研削深さを、前記表面変質層の深さとして求める。
本発明の第5の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第4の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記第2測定工程で測定された反りが、前記第3測定工程で測定された反りと略一致するまで、前記第1研削工程及び前記第2測定工程を繰り返して行う。
本発明の第6の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第3の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記第2測定工程で測定された反りが、前回の前記第2測定工程で測定された反りと略一致するまで、前記第1研削工程及び前記第2測定工程を繰り返して行う。
本発明の第7の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第4の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記深さ測定工程において、前記第1研削工程での累積研削深さと、前記第2測定工程で測定された反りとの関係を線形近似する。そして、前記第2測定工程で反りが、前記第3測定工程において測定された反りと略一致するときの、前記第1研削工程における累積研削深さを、前記表面変質層の深さとして求める。
本発明の第8の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第7の形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記線形近似は、一次近似である。
本発明の第9の形態に係る表面変質層深さ測定方法は、前記第1の形態から前記第8の形態のいずれか1つの形態に係る表面変質層深さ測定方法であって、前記半導体ウエハは、化合物半導体ウエハを含む。
本発明に係る半導体ウエハ研削方法は、前記第2番手の砥石で研削された前記半導体ウエハの前記被研削面を研削する半導体ウエハ研削方法である。前記第2番手の砥石での研削によって、前記表面変質層が形成される。また、前記表面変質層深さを、前記第2の形態から前記第9の形態のいずれか1つの形態に係る表面変質層深さ測定方法によって予め求めておく。そして、前記表面変質層を除去するように、前記所定番手より細かい第1番手の砥石で前記半導体ウエハの前記被研削面を砥石で研削する。
本発明に係る半導体ウエハ製造方法は、前記半導体ウエハ研削方法によって前記半導体ウエハの前記被研削面を研削する。
本発明の表面変質層深さ測定方法、半導体ウエハ研削方法、及び、半導体ウエハ製造方法によれば、残留応力層を含む表面変質層の深さを測定することができる。
半導体ウエハの製造方法を示すフローチャートである。 半導体ウエハ研削装置の一例を示す側面図である。 図2に示す真空チャックの側面図である。 半導体ウエハに形成された表面変質層を示す断面図である。 第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法を示すフローチャートである。 図5に示す第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法の適用結果の一例を示すグラフである。 第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法を示すフローチャートである。 図7に示す第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法の適用結果の一例を示すグラフである。 第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法を示すフローチャートである。 図9に示す第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法の適用結果の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面(図1〜図10)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。まず、図1を参照して半導体ウエハの製造方法を説明する。図1は半導体ウエハの製造方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、円柱状のインゴットを切断して円板状の半導体ウエハを得る。次に、ステップS20において、半導体ウエハの周縁部の割れ及び欠けを抑制するために、半導体ウエハの周縁部を面取りする。次に、ステップS30において、半導体ウエハの主面と反対側の被研削面とをラッピングして半導体ウエハを所定の厚みにする。次に、ステップS40において、半導体ウエハをエッチングして、ラッピングによって発生した加工歪みを除去する。そして、ステップS50において、半導体ウエハの被研削面をポリッシングして鏡面状にする。最後に、ステップS60において、半導体ウエハを薬液で洗浄してパーティクル等の不純物を除去する。
図2及び図3を参照して説明する半導体ウエハ研削装置100は、例えば図1のステップS30のラッピング工程及びステップS50のポリッシング工程の少なくとも一方において使用される。ただし、ラッピング工程で使用される場合であっても、ラッピング法は用いない。また、ラッピング法とは、「回転する上下のラップ定盤の間で、ウエハをセットしたキャリアが自公転し、砥粒を含んだ研磨剤を介してウエハとラップ定盤とをすり合わせることによる機械研磨法」を意味する。換言すれば、半導体ウエハ研削装置100は、半導体ウエハWの被研削面Waを砥石によって研削する(図2参照)。また、半導体ウエハ研削装置100の研削能力が高く、且つ、半導体ウエハWの被研削面Waを美麗に研削することができる場合には、図1のステップS30及びステップS40を省略することが可能である。
次に、図2を参照して、半導体ウエハ研削装置100の構成について説明する。図2は半導体ウエハ研削装置100の側面図である。半導体ウエハ研削装置100は、本発明に係る「半導体ウエハ研削方法」に用いられる。
図2に示すように、半導体ウエハ研削装置100は、2つのウエハ保持部1、及び、1つの研削ホイール2を備える。2つのウエハ保持部1は、互いに同じ構成を有する。
ウエハ保持部1は、真空チャック11、及び、第1駆動部15を備える。真空チャック11は、半導体ウエハWを保持する。また、真空チャック11は、半導体ウエハWと一体に昇降及び回転する。第1駆動部15は、モータ等を備え、真空チャック11を、昇降すると共に回転駆動する。第1駆動部15は、真空チャック11を、真空チャック11の中心軸13を中心に回転駆動する。また、第1駆動部15は、例えば、矢印R1で示すように、真空チャック11を上から見て反時計回りに真空チャック11を回転駆動する。
第1駆動部15は、真空チャック11を、上限位置と下限位置との間で昇降する。真空チャック11を退避させるときには、第1駆動部15は、真空チャック11を上限位置に移動する。よって、上限位置を退避位置と記載する場合もある。また、半導体ウエハWを研削するときには、第1駆動部15は、真空チャック11を下限位置に移動する。よって、下限位置を研削位置と記載する場合もある。また、半導体ウエハWを研削するときには、第1駆動部15は、真空チャック11に保持された半導体ウエハWを研削ホイール2に向けて押圧する。換言すれば、半導体ウエハWは、真空チャック11によって研削ホイール2に向けて押圧される。
研削ホイール2は、砥石21、ホルダー22、支軸23、及び、第2駆動部25を備える。砥石21は、半導体ウエハWの被研削面Wa(図2では下面)と対向して配置される。また、砥石21は、半導体ウエハWの被研削面Waに摺接され、半導体ウエハWの被研削面Waを研削する。砥石21は、円環状に形成されている。砥石21は、ホルダー22に固定される。
ホルダー22は、砥石21を支持する。ホルダー22は、円板状に形成される。支軸23は、ホルダー22を回転自在に支持する。支軸23は、ホルダー22の砥石21と反対側の面の中心部に垂直に固定されている。支軸23は、ホルダー22及び砥石21を、支軸23の中心軸24を中心に回転駆動する。第2駆動部25は、例えば、矢印R2で示すように、研削ホイール2を上から見て反時計回りに研削ホイール2を回転駆動する。
支軸23の中心軸24が真空チャック11の中心軸13と平行になるように支軸23は配置される。また、支軸23の中心軸24は、2つの真空チャック11の中心軸13の中央に位置している。換言すれば、2つの真空チャック11は、2つの真空チャック11の中心軸13が支軸23の中心軸24に対して互いに線対称になるように配置されている。
次に、図3を参照して、真空チャック11の構成について説明する。図3は、真空チャック11の側面図である。真空チャック11は、チャック本体111、吸引通路112、吸引部113、及び、吸引源114を備えている。チャック本体111は、その下端位置に吸引部113が配置されている。また、チャック本体111は、その内部に吸引通路112が形成されている。
吸引通路112は、吸引源114によって生成された負圧を、吸引部113に伝達する。吸引源114は、例えば、真空ポンプを備え、吸引通路112内の気圧を予め設定された所定気圧以下にする。所定気圧は、例えば、大気圧に対する差分気圧が70kPaである。吸引部113は、多孔質部材により円板状に形成されている。例えば、吸引部113は、ポーラスセラミックスにより形成されている。すなわち、吸引部113には、細孔(ポーラス)が形成されている。また、真空チャック11は、いわゆる「ポーラスチャック」である。細孔径は、例えば、40μm〜60μmである。
また、吸引部113の下面には、半導体ウエハWが固定される。具体的には、吸引部113の上面に印加された負圧が、吸引部113に形成された細孔を介して吸引部113の下面(チャック面113a)に伝達される。すなわち、吸引部113のチャック面113aに配置された半導体ウエハWは、吸引部113の上面に印加された負圧によって、吸引部113のチャック面113aに吸着される。
次に、図4を参照して、半導体ウエハWが粗い番手(例えば、8000番手以下)の砥石21で研削された際に受けるダメージについて説明する。なお、砥粒がダイヤモンド又はCBN(立方晶窒化ほう素)の場合には、8000番手は、砥粒の平均粒径が平均粒径2μm〜4μmであることを示す。また、以下の説明において記載する「番手」は、日本工業規格「JIS B 4130」及び「JIS R 6001」の規定にされている。更に、以下の説明においては、砥粒がダイヤモンド又はCBN(立方晶窒化ほう素)である場合について説明する。図4は、半導体ウエハWに形成された表面変質層LCを示す断面図である。半導体ウエハWの表面SFが被研削面Waである。半導体ウエハWには、表面SF側から順に、破砕層L1、モザイク層L2、及び、残留応力層L3が形成される。残留応力層L3の下層には、真正半導体層L4が存在する。破砕層L1、モザイク層L2、及び、残留応力層L3は、表面変質層LCと総称する。
破砕層L1、及び、モザイク層L2は、クラック等の結晶欠陥を含む層である。残留応力層L3は、結晶欠陥は含まないが、残留応力が蓄積されている層である。真正半導体層L4は、結晶欠陥及び残留応力をいずれも含まない層である。破砕層L1、及び、モザイク層L2は、顕微鏡で観察することによって、その深さを測定することができる。一方、残留応力層L3は、顕微鏡で観察してもその深さを確認することができない。
次に、図5〜図10を参照して、本発明に係る表面変質層深さ測定方法について説明する。以下に、3つの実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)について説明する。3つの実施形態の説明に先だって、3つの実施形態に共通する条件について説明する。半導体ウエハWは、SiC半導体であって、直径6インチ(約150mm)、厚み500μmである。半導体ウエハWは、本発明に係る表面変質層深さ測定方法を実行する前に、両面共に30000番手の砥石21で予め研削されている。なお、30000番手は、砥粒の平均粒径が平均粒径0μm〜1μmであることを示す。また、本発明に係る表面変質層深さ測定方法において研削する半導体ウエハWの被研削面Waは、Si面である。なお、半導体ウエハWの被研削面Waは、図2に示す半導体ウエハ研削装置100を用いて研削する。
また、半導体ウエハWの反りCの大きさは、レーザー光を半導体ウエハWに照射して、その反射光の角度に基づいて測定する。具体的には、ドイツのFRT(Fries Research Technology)社製トポグラフィ測定機「マイクロプロフ(The MicroProf)(商品名)」によって、半導体ウエハWの反りCを測定した。
<第1実施形態>
まず、図5及び図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法について説明する。図5は、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法を示すフローチャートである。まず、半導体ウエハWの反りC3を測定する(ステップS101)。次に、半導体ウエハWの被研削面Waを、予め設定された所定番手(例えば、20000番手)より粗い第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で20μm研削する(ステップS103)。なお、4000番手は、砥粒の平均粒径が平均粒径3μm〜6μmであることを示す。そして、半導体ウエハWの反りC1を測定する(ステップS105)。
次いで、半導体ウエハWの被研削面Waを、所定番手より細かい第1番手(例えば、30000番手)の砥石21で、所定厚み(例えば、0.5μm)研削する(ステップS107)。そして、半導体ウエハWの反りC2を測定する(ステップS109)。次に、反りC2の大きさが、反りC3の大きさと略一致するか否かの判定を行う(ステップS111)。「略一致する」とは、例えば、反りの大きさの差の絶対値が予め設定された所定値(例えば、5μm)以下である。反りC2の大きさが反りC3の大きさと略一致しないと判定された場合(ステップS111でNO)には、処理がステップS107に戻る。
反りC2の大きさが反りC3の大きさと略一致すると判定された場合(ステップS111でYES)には、処理がステップS113に進む。そして、累計研削深さDAを求める(ステップS113)。なお、「累計研削深さDA」とは、ステップS107で研削した研削深さの累計値である。次に、表面変質層LCの深さDTを求め(ステップS115)、処理が終了する。なお、表面変質層LCの深さDTは、累計研削深さDAと同一の深さであるとして求める。
ステップS101が「第3測定工程」に相当する。ステップS103が、「第2研削工程」に相当する。ステップS105が、「第1測定工程」に相当する。ステップS107が、「第1研削工程」に相当する。ステップS109が、「第2測定工程」に相当する。ステップS111〜ステップS115が、「深さ測定工程」に相当する。
次に、図6を参照して、図5に示す表面変質層深さ測定方法の適用例について説明する。図6は、図5に示す第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法の適用結果の一例を示すグラフである。図6の横軸は累計研削深さDA(μm)を示し、図6の縦軸は反りCの大きさ(μm)を示す。
ステップS101で測定された反りC3の大きさは、縦軸の左側に示すように13.3μmであった。ステップS105で測定された反りC1の大きさは、縦軸の右隣に示すように、258μmであった。ステップS105の前のステップS103で、半導体ウエハWの被研削面Waを、所定番手より粗い第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で研削した結果、反りC3と比較して大きな反りC1が発生した(トワイマン効果)。換言すれば、第2番手の砥石21で研削することによって半導体ウエハWの被研削面Waに残留応力層L3(図4参照)が形成され、その結果、大きな反りC1が発生した。すなわち、「所定番手」より粗い番手の砥石21で研削した場合には、残留応力層L3(図4参照)が形成される。
また、1回目のステップS109で測定された反りC21の大きさは、横軸の累計研削深さDAが0.5μmの位置に示すように、200μmであった。ステップS109の前のステップS107で、半導体ウエハWの被研削面Waを、第1番手(例えば、30000番手)の砥石21で研削した結果、反りCの大きさが減少した。換言すれば、第1番手の砥石21で研削することによって半導体ウエハWの被研削面Waの残留応力層L3が削り取られてその厚みが減少し、その結果、反りCが減少した。すなわち、「所定番手」より細かい番手の砥石21で研削した場合には、残留応力層L3(図4参照)が形成されない。又は、形成される残留応力層L3が、半導体ウエハWの品質に影響を与えない程度の深さである。また、反りC21の大きさは、反りC3の大きさと略一致しないため、処理がステップS107に戻る。
更に、2回目のステップS109で測定された反りC22の大きさは、横軸の累計研削深さDAが1μmの位置に示すように、150μmであった。ステップS109の前のステップS107で、半導体ウエハWの被研削面Waが第1番手の砥石21で研削した結果、反りC21から反りC22に反りCの大きさが減少した。また、反りC22の大きさは、反りC3の大きさと略一致しないため、処理がステップS107に戻る。
また、3回目のステップS109で測定された反りC23の大きさは、横軸の累計研削深さDAが1.5μmの位置に示すように、100μmであった。ステップS109の前のステップS107で、半導体ウエハWの被研削面Waが第1番手の砥石21で研削した結果、反りC22から反りC23に反りCの大きさが減少した。また、反りC23の大きさは、反りC3の大きさと略一致しないため、処理がステップS107に戻る。
更に、4回目のステップS109で測定された反りC24の大きさは、横軸の累計研削深さDAが2.0μmの位置に示すように、50μmであった。ステップS109の前のステップS107で、半導体ウエハWの被研削面Waが第1番手の砥石21で研削した結果、反りC23から反りC24に反りCの大きさが減少した。また、反りC24の大きさは、反りC3の大きさと略一致しないため、処理がステップS107に戻る。
また、5回目のステップS109で測定された反りC25の大きさは、横軸の累計研削深さDAが2.5μmの位置に示すように、13.7μmであった。ステップS109の前のステップS107で、半導体ウエハWの被研削面Waが第1番手の砥石21で研削した結果、反りC24から反りC25に反りCの大きさが減少した。また、反りC25の大きさは、反りC3の大きさと略一致するため、処理がステップS113に進む。そして、ステップS113で、累計研削深さDAを2.5μmであると求めた。更に、ステップS115で、表面変質層LCの深さDTを2.5μmであると求めた。
図2〜図6を参照して説明したように、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は以下の効果を奏する。
第1の効果:第1研削工程(ステップS107)において、半導体ウエハWの被研削面Waを、第1番手(例えば、40000番手)の砥石21で研削すると、表面変質層LCが研削されて、表面変質層LCの深さが減少する。その結果、第1研削工程の後の半導体ウエハWの反りC2は、第1研削工程前の半導体ウエハWの反りC1より小さくなる(トワイマン効果)。なお、第1測定工程の前には、例えば、所定番手よりも粗い第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で研削されており、第2番手の砥石21での研削による表面変質層LCが形成されている場合を想定している。反りC1、C2及び第1研削工程で研削された研削深さ(例えば、0.5μm)に基づき、表面変質層LCの深さDTを求めるため、表面変質層LCの深さDTを求めることができる。
第2の効果:第2研削工程(ステップS103)において、第1測定工程(ステップS105)の前に、半導体ウエハWの被研削面Waを第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で研削すると、半導体ウエハWの被研削面Waに表面変質層LCが形成される。その結果、トワイマン効果によって、半導体ウエハWの一方側の面が凸形状になるように大きな反りC1が発生する。
また、第1研削工程において、半導体ウエハWの被研削面Waを第2番手よりも細かい第1番手の砥石21で研削すると、表面変質層LCが研削されて、表面変質層LCの深さが減少する。その結果、第2研削工程で発生した半導体ウエハWの反りC1は、第1研削工程によって減少する(トワイマン効果)。深さ測定工程(ステップS111〜ステップS115)では、第1研削工程の前後の反りC1、C2、及び、第1研削工程で研削された研削深さに基づき、表面変質層LCの深さDTを求める。よって、深さ測定工程において、第2研削工程で形成された表面変質層LCの深さDTを求めることができる。
第3の効果:第1研削工程において、半導体ウエハWの被研削面Waを第1番手の砥石21で研削すると、表面変質層LCが研削されて、表面変質層LCの深さが減少する。その結果、第1研削工程の後の半導体ウエハWの反りC2は、第1研削工程前の半導体ウエハWの反りC1より小さくなる(トワイマン効果)。深さ測定工程において、反りC1、複数の反りC2及び複数回の第1研削工程で研削された累積研削深さDAに基づき、表面変質層LCの深さDTを求める。したがって、表面変質層LCの深さDTを正確に求めることができる。
第4の効果:第2研削工程において形成された表面変質層LCが全て研削されたときには、半導体ウエハWの反りC2は、第2研削工程の前の半導体ウエハWの反りC3と一致する。よって、累積研削深さDAが第2研削工程において形成された表面変質層LCの深さDTと一致したときに、半導体ウエハWの反りC2は、第2研削工程で研削される前の半導体ウエハWの反りC3と一致する。したがって、反りC2が反りC3と一致するときの累積研削深さDAを求めることによって、表面変質層LCの深さDTを求めることができる。
第5の効果:また、反りC2が反りC3と一致するまで第1研削工程及び第2測定工程を繰り返して行う。よって、反りC2が反りC3と一致するときの累積研削深さDAを更に正確に求めることができる。したがって、表面変質層LCの深さDTを更に正確に求めることができる。
第6の効果:半導体ウエハWは、化合物半導体ウエハ(本実施形態では、SiC半導体ウエハ)である。化合物半導体ウエハは、硬度が高いため研削に時間を要する。また、表面変質層LCの深さDTを測定することによって、余分に研削する必要がない。よって、研削時間を大幅に短縮することができる。
<第2実施形態>
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法について説明する。図7は、第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法を示すフローチャートである。第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法と比較して、第1研削工程の終了を判定する方法が相違する。
具体的には、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法では、深さ測定工程において、反りC2の大きさが反りC3の大きさと略一致すると判定された場合に第1研削工程を終了する。これに対して、第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法では、深さ測定工程において、反りC2の大きさが前回の反りC2の大きさと略一致すると判定された場合に第1研削工程を終了する。「前回の反りC2」については、図7を参照して後述する。
まず、図7に示すように、半導体ウエハWの反りC3を測定する(ステップS201)。次に、半導体ウエハWの被研削面Waを第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で20μm研削する(ステップS203)。そして、半導体ウエハWの反りC1を測定する(ステップS205)。
次いで、半導体ウエハWの被研削面Waを、予め設定された所定番手(例えば、20000番手)より細かい第1番手(例えば、30000番手)の砥石21で所定厚み(例えば、0.5μm)研削する(ステップS207)。そして、半導体ウエハWの反りC2を測定する(ステップS209)。次に、半導体ウエハWの被研削面Waを第1番手の砥石21で所定厚み研削する(ステップS211)。そして、半導体ウエハWの反りC2を測定する(ステップS213)。次に、反りC2の大きさが、前回の反りC2の大きさと略一致するか否かの判定を行う(ステップS215)。「略一致する」とは、例えば、反りC2の大きさの差の絶対値が予め設定された所定値(例えば、5μm)以下である。
また、「前回の反りC2」とは、ステップS209又はステップS213において前回測定された半導体ウエハWの反りC2である。具体的には、ステップS213において1回目に半導体ウエハWの反りC2が測定された場合には、前回の反りC2とは、ステップS209において測定された半導体ウエハWの反りC2である。ステップS213において2回目以降に半導体ウエハWの反りC2が測定された場合には、前回の反りC2とは、ステップS213において前回測定された半導体ウエハWの反りC2である。反りC2の大きさが前回の反りC2の大きさと略一致しないと判定された場合(ステップS215でNO)には、処理がステップS211に戻る。
反りC2の大きさが前回の反りC2の大きさと略一致すると判定された場合(ステップS215でYES)には、処理がステップS217に進む。そして、累計研削深さDAを求める(ステップS217)。なお、「累計研削深さDA」とは、ステップS207又はステップS211で研削された深さの累計値である。次に、表面変質層LCの深さDTを求め(ステップS219)、処理が終了する。なお、表面変質層LCの深さDTは、累計研削深さDAと同一の深さであるとして求める。
ステップS201が「第3測定工程」に相当する。ステップS203が、「第2研削工程」に相当する。ステップS205が、「第1測定工程」に相当する。ステップS207及びステップS211が、「第1研削工程」に相当する。ステップS209及びステップS213が、「第2測定工程」に相当する。ステップS215〜ステップS219が、「深さ測定工程」に相当する。
次に、図8を参照して、図7に示す表面変質層深さ測定方法の適用例について説明する。図8は、図7に示す第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法の適用結果の一例を示すグラフである。図8の横軸は累計研削深さDA(μm)を示し、図8の縦軸は反りCの大きさ(μm)を示す。
ステップS201で測定された反りC3の大きさは、縦軸の左側に示すように13.3μmであった。ステップS205で測定された反りC1の大きさは、縦軸の右隣に示すように、258μmであった。ステップS205の前のステップS203で、半導体ウエハWの被研削面Waを第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で研削した結果、反りC3と比較して大きな反りC1が発生した(トワイマン効果)。換言すれば、第2番手の砥石21で研削することによって半導体ウエハWの被研削面Waに残留応力層L3(図4参照)が形成され、その結果、大きな反りC1が発生した。
また、ステップS209で測定された反りC21の大きさは、横軸の累計研削深さDAが0.5μmの位置に示すように、200μmであった。ステップS209の前のステップS207で、半導体ウエハWの被研削面Waを、第1番手(例えば、30000番手)の砥石21で研削した結果、反りCの大きさが減少した。換言すれば、第1番手の砥石21で研削することによって半導体ウエハWの被研削面Waの残留応力層L3が削り取られて、残留応力層L3の厚みが減少し、その結果、反りCが減少した。
更に、1回目のステップS213で測定された反りC22の大きさは、横軸の累計研削深さDAが1μmの位置に示すように、150μmであった。ステップS213の前のステップS211で、半導体ウエハWの被研削面Waが第1番手の砥石21で研削した結果、反りC21から反りC22に反りCの大きさが減少した。また、反りC22の大きさは、反りC21の大きさと略一致しないため、処理がステップS211に戻る。
また、2回目のステップS213で測定された反りC23の大きさは、横軸の累計研削深さDAが1.5μmの位置に示すように、100μmであった。ステップS213の前のステップS211で、半導体ウエハWの被研削面Waを第1番手の砥石21で研削した結果、反りC22から反りC23に反りCの大きさが減少した。また、反りC23の大きさは、反りC22の大きさと略一致しないため、処理がステップS211に戻る。
更に、3回目のステップS213で測定された反りC24の大きさは、横軸の累計研削深さDAが2.0μmの位置に示すように、50μmであった。ステップS213の前のステップS211で、半導体ウエハWの被研削面Waを第1番手の砥石21で研削した結果、反りC22から反りC23に反りCの大きさが減少した。また、反りC24の大きさは、反りC23の大きさと略一致しないため、処理がステップS211に戻る。
また、4回目のステップS213で測定された反りC25の大きさは、横軸の累計研削深さDAが2.5μmの位置に示すように、13.7μmであった。ステップS213の前のステップS211で、半導体ウエハWの被研削面Waを第1番手の砥石21で研削した結果、反りC22から反りC23に反りCの大きさが減少した。また、反りC25の大きさは、反りC24の大きさと略一致しないため、処理がステップS211に戻る。
更に、5回目のステップS213で測定された反りC26の大きさは、横軸の累計研削深さDAが3.0μmの位置に示すように、14.0μmであった。また、反りC26の大きさは、反りC25の大きさと略一致するため、処理がステップS217に進む。そして、ステップS217で、累計研削深さDAを2.5μmであると求めた。更に、ステップS219で、表面変質層LCの深さDTを2.5μmであると求めた。
図2〜図4、図7及び図8を参照して説明したように、第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法と同様の効果(第1の効果〜第3の効果、及び、第6の効果)を奏する。
また、第2実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は、第1の効果〜第3の効果、及び、第6の効果に加えて、下記の効果を奏する。
第7の効果:反りC2が前回の反りC2と一致するまで第1研削工程(ステップS211)及び第2測定工程(ステップS213)を繰り返して行う。よって、研削によって反りC2が変化しない累積研削深さDAを正確に求めることができる。したがって、表面変質層LCの深さDTを正確に求めることができる。
<第3実施形態>
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法について説明する。図9は、第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法を示すフローチャートである。第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法と比較して、第1研削工程の終了を判定する方法が相違する。
具体的には、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法では、深さ測定工程において、反りC2の大きさが反りC3の大きさと略一致すると判定された場合に第1研削工程を終了する。これに対して、第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法では、深さ測定工程において、反りC2の測定回数Nが予め設定された閾値回数NS(例えば、閾値回数NSは2回)と一致すると判定された場合に第1研削工程を終了する。
まず、図9に示すように、半導体ウエハWの反りC3を測定する(ステップS301)。次に、半導体ウエハWの被研削面Waを第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で20μm研削する(ステップS303)。そして、半導体ウエハWの反りC1を測定する(ステップS305)。
次いで、半導体ウエハWの被研削面Waを、予め設定された所定番手(例えば、20000番手)より細かい第1番手(例えば、30000番手)の砥石21で所定厚み(例えば、0.5μm)研削する(ステップS307)。そして、半導体ウエハWの反りC2を測定する(ステップS309)。次に、測定回数Nを1回インクリメントする(ステップS311)。そして、第1番手の砥石21での測定回数Nが閾値回数NS以上であるか否かを判定する(ステップS313)。測定回数Nが閾値回数NS以上ではないと判定された場合(ステップS313でNO)には、処理がステップS309に戻る。測定回数Nが閾値回数NS以上であると判定された場合(ステップS313でYES)には、処理がステップS315に進む。
そして、累計研削深さDAと反りC(反りC1及び反りC2)との関係を直線LSで近似する(ステップS315)。次いで、ステップS315で求めた直線を用いて、表面変質層LCの深さDTを求め(ステップS317)、処理が終了する。ステップS315及びステップS317の処理の詳細については、図10を参照して後述する。
ステップS301が「第3測定工程」に相当する。ステップS303が、「第2研削工程」に相当する。ステップS305が、「第1測定工程」に相当する。ステップS307が、「第1研削工程」に相当する。ステップS309が、「第2測定工程」に相当する。ステップS313〜ステップS2317が、「深さ測定工程」に相当する。
次に、図10を参照して、図9に示す表面変質層深さ測定方法の適用例について説明する。図10は、図9に示す第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法の適用結果の一例を示すグラフである。図10の横軸は累計研削深さDA(μm)を示し、図10の縦軸は、反りCの大きさ(μm)を示す。
ステップS301で測定された反りC3の大きさは、縦軸の左側に示すように13.3μmであった。ステップS305で測定された反りC1の大きさは、縦軸の右隣に示すように、258μmであった。ステップS305の前のステップS303で、半導体ウエハWの被研削面Waを第2番手(例えば、4000番手)の砥石21で研削した結果、反りC3と比較して大きな反りC1が発生した(トワイマン効果)。換言すれば、第2番手の砥石21で研削することによって半導体ウエハWの被研削面Waに残留応力層L3(図4参照)が形成され、その結果、大きな反りC1が発生した。
また、1回目のステップS309で測定された反りC21の大きさは、横軸の累計研削深さDAが0.5μmの位置に示すように、200μmであった。ステップS309の前のステップS307で、半導体ウエハWの被研削面Waを、予め設定された所定番手(例えば、20000番手)より細かい第1番手(例えば、30000番手)の砥石21で研削した結果、反りCの大きさが減少した。換言すれば、第1番手の砥石21で研削することによって半導体ウエハWの被研削面Waの残留応力層L3が削り取られて残留応力層L3の厚みが減少し、その結果、反りCが減少した。また、測定回数Nは1回であり、閾値回数NS以上ではないため、処理がステップS307に戻る。
更に、2回目のステップS309で測定された反りC22の大きさは、横軸の累計研削深さDAが1μmの位置に示すように、150μmであった。ステップS309の前のステップS307で、半導体ウエハWの被研削面Waが第1番手の砥石21で研削した結果、反りCの大きさが減少した。また、測定回数Nは2回であり、閾値回数NS以上であるため、処理がステップS315に進む。
図10の3つの測定点PMは、反りC1、反りC21、及び、反りC22にそれぞれ対応する点を示す。直線LSは、測定点PMを最小二乗法で近似して求める。直線LSと、「反りC=反りC3(13.3μm)」が示す横軸に平行な直線LBとの交点PCを求める。交点PCに対応する累計研削深さDA(2.3μm)を、表面変質層LCの深さDTとして求める。
図2〜図4、図9及び図10を参照して説明したように、第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は、第1実施形態に係る表面変質層深さ測定方法と同様の効果(第1の効果〜第3の効果、及び、第6の効果)を奏する。
また、第3実施形態に係る表面変質層深さ測定方法は、第1の効果〜第3の効果、及び、第6の効果に加えて、下記の効果を奏する。
第8の効果:反りC2が反りC3と一致するときの累積研削深さDAが、累積研削深さDAと、反りC2との関係を線形近似して求められる。よって、表面変質層LCの深さDTを求めることができる。例えば、表面変質層LCの深さDTが深い場合には、反りC2が反りC3と一致するまで、第2番手の砥石21で研削するために膨大な時間を要する場合がある。このような場合に、反りC2が反りC3と一致するときの累積研削深さDAが、累積研削深さDAと、反りC2との関係を線形近似して求められるため、短時間で表面変質層LCの深さDTを求めることができる。
第9の効果:また、累積研削深さDAと反りC2の大きさとは比例関係にある。よって、反りC2が反りC3と一致するときの累積研削深さDAが、累積研削深さDAと、反りC2との関係を一次近似(直線近似)して求められる。したがって、表面変質層LCの深さDTを容易に求めることができる。
次に、本発明に係る半導体ウエハ研削方法について説明する。本発明に係る半導体ウエハ研削方法は、まず、第1実施形態〜第3実施形態の表面変質層深さ測定方法のうち、いずれか1つの表面変質層深さ測定方法によって表面変質層深さDTを予め求めておく。表面変質層深さDTは、第2番手(例えば、4000番手)の砥石21での研削によって形成される表面変質層LCの深さである。そして、表面変質層深さDTの表面変質層LCを除去するように、予め設定された所定番手(例えば、20000番手)より細かい第1番手(例えば、40000番手)の砥石21で半導体ウエハWの被研削面Waを砥石21で研削する。
よって、本発明に係る半導体ウエハ研削方法では、残留応力層L3を含む表面変質層深さDTの表面変質層LCを除去することができる。したがって、短時間で、表面変質層LCの殆どない半導体ウエハWに研削することができる。その結果、半導体ウエハWの品位を向上することができる。
次に、本発明に係る半導体ウエハ製造方法について説明する。本発明に係る半導体ウエハ製造方法は、本発明に係る半導体ウエハ研削方法によって半導体ウエハWの被研削面Waを研削する。
よって、本発明に係る半導体ウエハ製造方法では、残留応力層L3を含む表面変質層深さDTの表面変質層LCを除去することができる。したがって、短時間で、表面変質層LCの殆どない半導体ウエハWに研削することができる。その結果、半導体ウエハWの品位を向上することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(7))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)図2を参照して、半導体ウエハ研削装置100が2つのウエハ保持部1を備える形態について説明したが、これに限定されない。例えば、半導体ウエハ研削装置100が3つ以上のウエハ保持部1を備えてもよい。ウエハ保持部1の個数が多い程、研削効率を上げることができる。また、例えば、半導体ウエハ研削装置100が1つのウエハ保持部1を備えてもよい。
(2)図2を参照して、ウエハ保持部1及び研削ホイール2が同じ向きに回転する形態について説明したが、これに限定されない。例えば、研削ホイール2がウエハ保持部1と逆向きに回転する形態でもよい。
(3)図3を参照して、吸引部113がポーラスセラミックスである形態について説明したが、これに限定されない。例えば、吸引部113は微細な孔が形成されたセラミックスでもよい。
(4)図5〜図10を参照して、半導体ウエハWは、SiC半導体ウエハである形態について説明したが、これに限定されない。半導体ウエハWが、他の種類の化合物半導体ウエハであってもよい。例えば、半導体ウエハWが、GaAs半導体ウエハ、又は、InP半導体ウエハであってもよい。また、半導体ウエハWが、単元素半導体であってもよい。例えば、半導体ウエハWが、Si半導体ウエハであってもよい。
(5)図5〜図10を参照して、第2番手が4000番手である形態について説明したが、これに限定されない。第2番手の砥石21による研削が、反りCの大きさに影響する残留応力層L3を形成する粗さであればよい。例えば、第2番手が2000番手でもよい。
(6)図5〜図10を参照して、第1番手が30000番手である形態について説明したが、これに限定されない。第1番手の砥石21による研削が、反りCの大きさに影響する残留応力層L3を形成しない粗さであればよい。換言すれば、第1番手が、予め設定された所定番手(例えば、20000番手)より細かい番手であればよい。例えば、第1番手が50000番手でもよい。
(7)図9及び図10を参照して、閾値回数NSが2回である形態について説明したが、これに限定されない。閾値回数NSが1回でもよいし、3回以上でもよい。閾値回数NSの回数が少ない程、表面変質層LCの深さDTを測定する時間が削減できる。閾値回数NSの回数が多い程、表面変質層LCの深さDTを正確に測定できる。
本発明は、表面変質層深さ測定方法、半導体ウエハ研削方法、及び、半導体ウエハ製造方法の分野に利用可能である。
100 半導体ウエハ研削装置
1 ウエハ保持部
11 真空チャック
111 チャック本体
112 吸引通路
113 吸引部
113a チャック面
114 吸引源
13 中心軸
15 第1駆動部
2 研削ホイール
21 砥石
22 ホルダー
23 支軸
24 中心軸
25 第2駆動部
C(C1、C2、C3) 反り
C2(C21〜C26) 反り
DA 累計研削深さ
DT 表面変質層の深さ
L1 破砕層
L2 モザイク層
L3 残留応力層
LC 表面変質層
W 半導体ウエハ
Wa 被研削面

Claims (8)

  1. 半導体ウエハに形成された表面変質層の深さを測定する表面変質層深さ測定方法であって、
    前記半導体ウエハの反りを測定する第1測定工程と、
    前記第1測定工程の後に、前記半導体ウエハの被研削面を、予め設定された所定番手よりも細かい第1番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する第1研削工程と、
    前記第1研削工程の後の前記半導体ウエハの反りを測定する第2測定工程と、
    前記第1測定工程、及び、前記第2測定工程において測定された反り、及び、前記第1研削工程で研削された研削深さに基づいて、前記表面変質層の深さを求める深さ測定工程と
    前記第1測定工程の前に、前記半導体ウエハの前記被研削面を前記所定番手よりも粗い第2番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する第2研削工程と、
    前記第2研削工程の前に、前記半導体ウエハの反りを測定する第3測定工程と
    を含
    前記第1研削工程及び前記第2測定工程を複数回繰り返して行い、
    前記深さ測定工程において、前記第2測定工程において測定された反りが、前記第3測定工程において測定された反りと略一致するときの、前記第1研削工程における累積研削深さを、前記表面変質層の深さとして求める、表面変質層深さ測定方法。
  2. 前記深さ測定工程において、前記第2測定工程において測定された反りが、前記第3測定工程において測定された反りと略一致するまで、前記第1研削工程及び前記第2測定工程を繰り返して行う、請求項に記載の表面変質層深さ測定方法。
  3. 前記深さ測定工程において、前記第1研削工程における累積研削深さと、前記第2測定工程において測定された反りとの関係を線形近似し、前記第2測定工程において測定された反りが、前記第3測定工程において測定された反りと略一致するときの、前記第1研削工程における累積研削深さを、前記表面変質層の深さとして求める、請求項に記載の表面変質層深さ測定方法。
  4. 前記線形近似は、一次近似である、請求項に記載の表面変質層深さ測定方法。
  5. 半導体ウエハに形成された表面変質層の深さを測定する表面変質層深さ測定方法であって、
    前記半導体ウエハの反りを測定する第1測定工程と、
    前記第1測定工程の後に、前記半導体ウエハの被研削面を、予め設定された所定番手よりも細かい第1番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する第1研削工程と、
    前記第1研削工程の後の前記半導体ウエハの反りを測定する第2測定工程と、
    前記第1測定工程、及び、前記第2測定工程において測定された反り、及び、前記第1研削工程で研削された研削深さに基づいて、前記表面変質層の深さを求める深さ測定工程と
    前記第1測定工程の前に、前記半導体ウエハの前記被研削面を前記所定番手よりも粗い第2番手の砥石で、予め設定された所定深さ研削する第2研削工程と
    を含
    前記第1研削工程及び前記第2測定工程を複数回繰り返して行い、
    前記深さ測定工程において、前記第2測定工程において測定された反りが、前回の前記第2測定工程において測定された反りと略一致するまで、前記第1研削工程及び前記第2測定工程を繰り返して行う、表面変質層深さ測定方法。
  6. 前記半導体ウエハは、化合物半導体ウエハである、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表面変質層深さ測定方法。
  7. 前記第2番手の砥石で研削された前記半導体ウエハの前記被研削面を研削する半導体ウエハ研削方法であって、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の表面変質層深さ測定方法によって、前記第2番手の砥石での研削によって形成される前記表面変質層深さを予め求めておき、
    前記表面変質層を除去するように、前記第1番手の砥石で前記半導体ウエハの前記被研削面を砥石で研削する、半導体ウエハ研削方法。
  8. 請求項に記載の半導体ウエハ研削方法によって前記半導体ウエハの前記被研削面を研削する、半導体ウエハ製造方法。
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