JP6071950B2 - 燃料電池の加湿制御方法及び燃料電池システム - Google Patents

燃料電池の加湿制御方法及び燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、カソード電極及びアノード電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体とセパレータとが積層された燃料電池の加湿制御方法及び燃料電池システムに関する。
燃料電池は、例えば、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側にカソード電極及びアノード電極を設けて電解質膜・電極構造体(MEA)を形成し、さらにセパレータでMEAを挟むことにより構成される。この燃料電池は複数積層されることで、例えば車載用燃料電池スタックとして使用される。
この種の燃料電池は、発電性能の安定化のため、電解質膜を適度な湿潤状態に維持する必要がある。例えば、電解質膜・電極構造体が乾燥状態になると、燃料電池の内部抵抗が大きくなり、出力電圧が低下する。一方、電解質膜・電極構造体や反応ガス流路が水過剰状態になっても、反応ガスの拡散等を阻害する現象(フラッディング)が生じて、燃料電池の出力電圧が低下する。このことから、燃料電池を制御する燃料電池システムでは、発電時に、内部水分量(含水量)を測定して加湿制御を行っている。
ここで、燃料電池の含水量は、燃料電池のインピーダンスに対応して変動することが知られている。そのため、燃料電池システムは、周波数が異なる交流電流を燃料電池に印加して複数の周波数点でインピーダンスを測定し、このインピーダンスの測定結果に基づき燃料電池の含水量を推定している。
例えば、特許文献1及び2に開示されている燃料電池システムは、異なる2つの周波数の交流電流を印加して、高周波(ω=∞)から低周波(ω=0)まで周波数を変化させた交流インピーダンスを計算する構成となっている。
特開2003−86220号公報 特開2009−4299号公報
ところで、特許文献1及び2に開示されている燃料電池システムでは、インピーダンスの測定において、異なる2つの周波数の交流電流を燃料電池に印加する制御を行う。そのため、燃料電池システムは、交流電流の周波数を変動させる構造及び制御が必要となるので複雑化し、またインピーダンスの測定時間が長くなる不都合が生じる。そして、燃料電池の加湿制御では、インピーダンスの測定に時間がかかることで、逐次変動する燃料電池の含水量に対応することが難しくなるという問題が発生する。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、低周波の交流電流によりインピーダンスの測定を簡単に行うことで、燃料電池の湿潤状態を迅速且つ良好に制御可能な燃料電池の加湿制御方法及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、カソード電極及びアノード電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体とセパレータとが積層された燃料電池の加湿制御方法であって、前記燃料電池の発電中に、10Hz以下の1つの周波数で構成される交流電流の供給に基づき、前記燃料電池のインピーダンスを測定する測定工程と、前記測定工程後に、測定した前記インピーダンスの複素平面上の虚軸値及び実軸値に基づき前記燃料電池の加湿量を調整する調整工程とを有することを特徴とする。
上記によれば、10Hz以下の1つの周波数で構成される交流電流の供給に基づき燃料電池のインピーダンスを測定することで、測定器の構成や測定時の制御を簡素化することができる。そのため、加湿制御方法を実施する燃料電池システムは、燃料電池のインピーダンスを迅速に測定し、測定したインピーダンスに基づき燃料電池の湿潤状態(含水量)を容易に判別することができる。よって、燃料電池システムは、燃料電池内の含水量の変化にすぐに対応して加湿量を変更することにより、電解質・電極構造体の劣化を抑止して、燃料電池スタックの寿命を向上することができる。
この場合、前記測定工程後に、予め設定された虚部閾値と前記虚軸値を先に判別し、予め設定された実部閾値と前記実軸値を次に判別する判別工程をさらに有するとよい。
このように、測定したインピーダンスの虚軸値と予め設定された虚部閾値を先に判別することで、加湿制御方法では、燃料電池の含水量が正常か異常かを容易に判別することができる。
また、前記調整工程では、前記判別工程にて前記虚軸値が前記虚部閾値を超え且つ前記実軸値が前記実部閾値を超えたと判別した場合に、前記燃料電池の加湿量を増加させることが好ましい。
このように、判別工程において虚軸値が虚部閾値を超え且つ実軸値が実部閾値を超えたと判別することで、燃料電池内が乾燥状態であると短時間に識別することができる。従って、加湿制御方法では、燃料電池の加湿量を増加させる制御を直ちに行うことができる。
或いは、前記調整工程では、前記判別工程にて前記虚軸値が前記虚部閾値を超え且つ前記実軸値が前記実部閾値を超えないと判別した場合に、前記燃料電池の加湿量を低下させることが好ましい。
このように、判別工程において虚軸値が虚部閾値を超え且つ実軸値が実部閾値を超えないと判別することで、燃料電池内がフラッディング状態であると短時間に識別することができる。従って、加湿制御方法では、燃料電池の加湿量を減少させる制御を直ちに行うことができる。
また、前記の目的を達成するために、本発明は、カソード電極及びアノード電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体とセパレータとが積層された燃料電池を有する燃料電池システムであって、前記燃料電池の発電中に、10Hz以下の1つの周波数で構成される交流電流を供給して前記燃料電池のインピーダンスを測定する測定装置と、前記測定装置が測定した前記インピーダンスの複素平面上の虚軸値及び実軸値に基づき前記燃料電池の加湿量を制御する制御部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、低周波の交流電流によりインピーダンスの測定を簡単に行うことで、燃料電池の湿潤状態を迅速且つ良好に制御することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を概略的に示す説明図である。 図1の燃料電池システムを構成する燃料電池スタックの要部分解斜視説明図である。 図1の燃料電池スタックを構成する燃料電池の等価回路の説明図である。 図3の燃料電池の等価回路に関するコールコールプロットを示す複素平面図である。 図5Aは、インピーダンスの虚軸値と燃料電池スタックの含水量の関係性を示すグラフであり、図5Bは、インピーダンスの実軸値と燃料電池スタックの含水量の関係性を示すグラフである。 図1の燃料電池システムの加湿制御の処理フローを示すフローチャートである。 燃料電池スタックの発電時間と出力の関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る燃料電池の加湿制御方法について、燃料電池システムとの関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池の発電中に、この燃料電池のインピーダンスを測定し、燃料電池の加湿制御を実施するものである。この燃料電池システムは、例えば、自動車の走行時にモータ等の動力源に電気エネルギーを供給する車載用システムとして構成される。なお、燃料電池システムは、車載用に限定されず、定置用等の種々の用途に用いてよい。
図1に示すように、燃料電池システム10は、複数の燃料電池14が積層された燃料電池スタック12と、燃料電池14のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置16とを備える。また、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12に対する反応ガスの供給・排出を行う燃料ガス供給系18、酸化剤ガス供給系20及びガス排気系22を有し、さらに反応ガスの供給・排気を制御するコントローラ24(制御部)を備える。
燃料電池システム10の燃料電池14は、図2に示すように、電解質膜・電極構造体26(電解質・電極構造体)と、電解質膜・電極構造体26を挟持する第1セパレータ28及び第2セパレータ30とを備える。なお、以下では、特に指示のない限り、燃料電池14の方向について図2に示す矢印A〜C方向に基づき説明する。この場合、矢印A方向は図2中の燃料電池14の積層方向であり、矢印B方向は図2中の燃料電池14の水平方向であり、矢印C方向は、図2中の燃料電池14の鉛直方向である。
燃料電池14の矢印C方向の上端寄りには、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔32と、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔34とが矢印B方向に並設される。燃料電池14の矢印C方向の下端寄りには、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔36と、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔38とが矢印B方向に並設される。また、燃料電池14の矢印B方向の一端側には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔40が設けられ、燃料電池14の矢印B方向の他端側には、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔42が設けられる。
電解質膜・電極構造体26は、例えば、フッ素系のイオン交換膜又は炭化水素系のイオン交換膜に水が含浸された固体高分子電解質膜44と、固体高分子電解質膜44を挟持するカソード電極46及びアノード電極48とを備える。
カソード電極46及びアノード電極48は、固体高分子電解質膜44の両面に接合される電極触媒層と、電極触媒層に配設されるカーボンペーパ等からなるガス拡散層とを有する。電極触媒層は、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を固体高分子電解質膜44の両面に一様に塗布して形成される。
第1セパレータ28及び第2セパレータ30は、金属セパレータ又はカーボンセパレータで構成される。第1セパレータ28の電解質膜・電極構造体26に対向する面28aには、酸化剤ガス供給連通孔32と酸化剤ガス排出連通孔38とを連通して矢印C方向に延在する酸化剤ガス流路50が形成される。第1セパレータ28の酸化剤ガス流路50とは反対側の面28bには、冷却媒体供給連通孔40と冷却媒体排出連通孔42とを連通して矢印B方向に延在する冷却媒体流路52が形成される。
第2セパレータ30の電解質膜・電極構造体26に対向する面30aには、燃料ガス供給連通孔34と燃料ガス排出連通孔36とを連通して矢印C方向に延在する燃料ガス流路54が形成される。第2セパレータ30の燃料ガス流路54と反対側の面30bには、第1セパレータ28と同様に冷却媒体流路52が形成される。
第1セパレータ28及び第2セパレータ30には、それぞれ燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体をシールするために、第1シール部材29及び第2シール部材31が、一体的又は個別に設けられる。第1シール部材29及び第2シール部材31は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、或いはパッキン材等の弾性を有するシール材を使用する。
図1に戻り、燃料電池スタック12の燃料電池14の積層方向一端には、ターミナルプレート56、絶縁プレート58及びエンドプレート60が積層される。燃料電池14の積層方向他端には、ターミナルプレート62、絶縁プレート64及びエンドプレート66が積層される。ターミナルプレート56、62には、外部負荷68に繋がる外部配線70、71が電気的に接続されており、燃料電池スタック12は、発電した出力(電力)を外部負荷68に供給する。外部負荷68としては、車両内の電気系統を構成する様々な電気電子機器、例えば、車両走行用のモータ(図示せず)や燃料電池14に空気を供給するコンプレッサ96等を対象とし得る。
燃料電池14のインピーダンス測定装置16は、燃料電池スタック12の出力に交流電流を重畳させてインピーダンスを測定する構成となっている。そのため、ターミナルプレート56には、インピーダンス測定装置16の一方の電流用配線72、電圧用配線74が接続され、ターミナルプレート62には、インピーダンス測定装置16の他方の電流用配線73、電圧用配線75が接続されている。
また、インピーダンス測定装置16は、燃料電池スタック12を構成する燃料電池14の全体のインピーダンスを測定する構成となっている。このインピーダンス測定装置16は、交流4端子法によりインピーダンスを測定する構成を採っており、装置内部には、交流発生器76、交流電流測定器78及び交流電圧測定器80が設けられている。なお、インピーダンスの測定は、燃料電池14全体に限定されず、燃料電池スタック12を構成する複数の燃料電池14のうち少なくとも1つの燃料電池14に行えばよい。或いは、インピーダンスの測定は、燃料電池スタック12の所定位置にて電気的に直列に接続された複数個の燃料電池14に行ってもよい。
交流発生器76及び交流電流測定器78は、装置内部で直列に接続されると共に、電流用配線72、73に接続されている。交流発生器76は、コントローラ24の制御下にターミナルプレート56、62間に所定周波数の交流電流を出力する。交流電流測定器78は、交流発生器76が出力する交流電流の電流値を測定する。一方、交流電圧測定器80は、電圧用配線74、75に接続され、ターミナルプレート56、62間の電圧を測定する。インピーダンス測定装置16は、交流電流測定器78の電流検出値と交流電圧測定器80の電圧検出値に基づきインピーダンスを算出する。なお、インピーダンス測定装置16は、上記の構成に限定されず、交流インピーダンス法によりインピーダンスを測定し得る種々の構成を適用可能なことは勿論である。
次に、燃料電池システム10の反応ガスの供給・排気系統について説明する。
燃料ガス供給系18は、水素含有ガス等の燃料ガスを燃料電池スタック12に供給する。この燃料ガス供給系18は、燃料ガス供給源である水素タンク82と、この水素タンク82から燃料電池スタック12に連通する燃料ガス供給路84とを含む。燃料ガス供給路84には、燃料ガスの供給・停止操作を行う遮断弁86と、圧力調整用の減圧弁88と、燃料電池スタック12から排出された燃料ガスを循環させる燃料循環路90が接続されるイジェクタ92とが設けられる。また、イジェクタ92の下流側の燃料ガス供給路84には、流通する燃料ガスの圧力を検出する圧力センサ94が設けられる。
イジェクタ92に接続される燃料循環路90は、燃料電池スタック12のガス排気系22に接続され、燃料電池スタック12から排出された燃料ガスを循環させるものである。イジェクタ92は、コントローラ24の制御下に排出された燃料ガスを吸引し燃料循環路90を介して燃料電池スタック12に供給する機能を有している。
酸化剤ガス供給系20は、酸素含有ガス等(例えば、空気)の酸化剤ガスを燃料電池スタック12に供給する。この酸化剤ガス供給系20は、酸化剤ガス供給用のコンプレッサ96(ポンプ)と、このコンプレッサ96から燃料電池スタック12に連通する酸化剤ガス供給路98を含む。また、酸化剤ガス供給系20は、コントローラ24の制御下にストイキ比を調整する構成でもよい。酸化剤ガス供給路98には、加湿器100が設けられると共に、この加湿器100をバイパスする酸化剤ガスバイパス供給路102が接続される。
加湿器100は、コンプレッサ96から供給される酸化剤ガスの加湿を行う。例えば、加湿器100は、図示しないオフガス循環路に接続され、酸化剤ガス排気路110から生成水を含むカソードオフガスを循環して内部に流通させ、中空糸膜を介して酸化剤ガスに水分を供給する。なお、酸化剤ガスの加湿は、インジェクター(図示せず)により水分を直接噴射することで成してもよい。酸化剤ガスバイパス供給路102にはバイパス弁104が設けられ、このバイパス弁104は、開度調整によって酸化剤ガス(供給ガス)の加湿量を調整する。また、酸化剤ガス供給路98において酸化剤ガスバイパス供給路102の接続部よりも下流側には、流通する酸化剤ガスの圧力を検出する圧力センサ106が設けられる。なお、酸化剤ガス供給系20の構成はこれに限定されないことは勿論であり、例えば、バイパス弁104を設けずに、酸化剤ガス供給路98と酸化剤ガスバイパス供給路102の連結箇所に三方弁を設けてもよい。また、加湿器100の設置箇所は、酸化剤ガス供給系20に限定されず、例えば、燃料ガス供給系18に設置してもよく、或いは燃料ガス供給系18と酸化剤ガス供給系20の両方に設置してもよい。
ガス排気系22は、燃料電池スタック12に供給された燃料ガス及び酸化剤ガスを排気する。このガス排気系22は、燃料電池スタック12に供給されたアノードオフガス(燃料ガス)を流通する燃料ガス排気路108と、燃料電池スタック12に供給されたカソードオフガス(酸化剤ガス)を流通する酸化剤ガス排気路110とを有する。燃料ガス排気路108と酸化剤ガス排気路110は、希釈ボックス112において合流(連通)している。希釈ボックス112は、燃料ガス排気路108から断続的に排出されるアノードオフガス中の水素を、酸化剤ガス排気路110のカソードオフガスで希釈する。
また、燃料ガス排気路108には、アノードオフガスに含まれる凝縮水を捕集するキャッチタンク114と、燃料電池スタック12の発電の安定性に応じて開閉するパージ弁116とが設けられている。一方、酸化剤ガス排気路110には、カソードオフガスの圧力を制御する背圧弁118が設けられている。
燃料電池システム10のコントローラ24は、システム全体を制御するコンピュータ(ECU)であり、燃料電池スタック12の出力等も適宜制御している。コントローラ24は、インピーダンス測定装置16、各種弁86、88、104、116、118、イジェクタ92、コンプレッサ96等に接続されている。コントローラ24内には、例えば、インピーダンス取得部120、判別部122、加湿量設定部124、駆動制御部126等が設けられる。
インピーダンス取得部120は、インピーダンス測定装置16から燃料電池14のインピーダンスの測定データ(測定点X)を継続的に取得する。なお、インピーダンス取得部120は、インピーダンス測定装置16から電圧値及び電流値を受信してインピーダンス取得部120にてインピーダンスを算出してもよい。
判別部122は、インピーダンス取得部120にて取得されたインピーダンスを複素平面的に認識して、後述する閾値(虚部閾値Ti、実部閾値Tr)との比較を行う。そして、この比較に基づき現状の燃料電池スタック12の含水量(湿潤状態)を判別する。
加湿量設定部124は、判別部122の判別結果に基づき、燃料電池スタック12の加湿量の増減を設定する。この加湿量設定部124で設定された加湿量は駆動制御部126に送られ、駆動制御部126は、設定値に応じてバイパス弁104の開閉を調整して、燃料電池スタック12の加湿量を変更する。
また、コントローラ24は、上記の制御の他に種々の制御を行うことが可能である。例えば、圧力センサ94の検出値に基づき、減圧弁88及びイジェクタ92を駆動し燃料ガスの供給量を制御する。これと同時に、圧力センサ106の検出値に基づき、コンプレッサ96及びバイパス弁104を駆動して酸化剤ガスの供給量を制御する。これにより、コントローラ24は、燃料電池スタック12を安定的且つ精度よく発電させることができる。
次に、本実施形態に係る燃料電池スタック12(燃料電池14)のインピーダンスの測定及び加湿制御について具体的に説明していく。上記のように構成された燃料電池14は、理論的には図3に示す等価回路ECを呈する。図3中のRsolは、固体高分子電解質膜44の抵抗、部材の貫通抵抗及び接触抵抗を含む直流抵抗成分であり、Rcは、活性化過電圧及び濃度過電圧を含む反応抵抗成分である。また、Cdは、電極と電解質(電解液)の界面に生じる電気二重層容量成分である。
図4は、燃料電池14の等価回路ECに関する複素平面CP上の所謂コールコールプロットPを示している。コールコールプロットPは、インピーダンス測定装置16が交流電流の周波数ωを変化させて燃料電池14に印加した際の燃料電池14のインピーダンスである。この場合、理論的には、図4中の太線で示すように実軸に沿った直線状の線分と、この線分に連なる1つの半円とにより構成される。半円の連結点(半円の一端)までの線分は、直流抵抗Rsolを示し、半円の連結点は、交流電流の周波数ωが∞の場合に相当する。一方、反応抵抗Rcである半円は、交流電流の周波数ωの変動に応じて虚軸側に円弧を描く。半円の他端は、交流電流の周波数ωが0の場合に相当し、Rsol+Rcを示す。
図4に示すコールコールプロットPは、理論的なプロットであり、実際の燃料電池14の動作時には、固体高分子電解質膜44の状態(特に加湿状態)が変動するため、インピーダンスの測定点Xは太線の周辺に点在することになる。例えば、10Hz以下の低周波数(本実施形態では1Hz)の交流電流を印加した場合、基本的には電気二重層容量Cdに殆ど電流が流れない。このため、燃料電池14のインピーダンスの理論値は、コールコールプロットPの白抜き丸点で示すように実軸に近い実軸値(Rsol+Rc)をとる。
しかしながら、燃料電池14の含水量が変動することにより、インピーダンスの測定点Xは、黒い丸点で示すように虚部側に増加することになる。この理由としては様々な要因が挙げられ、例えば、含水量が低下した場合は、電解質膜の乾燥より電気二重層容量Cdが電気を溜める、すなわち電気二重層容量Cdに電流が流れるように作用することが考えられる。一方、含水量が増加した場合は、過剰水により反応ガスの反応速度が低下して、反応抵抗Rcが電気二重層容量Cdと相対的に減少する、すなわち電気二重層容量Cdに電流が流れるように作用することが考えられる。
このため、燃料電池システム10では、低周波数(10Hz以下)の交流電流を燃料電池スタック12(燃料電池14)に供給してインピーダンスを測定し、測定点Xの虚軸値Xiに基づき、含水量の正常又は異常を判別する。具体的には、コントローラ24の判別部122は、複素平面CP上のインピーダンスの虚部閾値Tiを実験等により予め設定しておき、測定したインピーダンスの虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えたか否かを判別する。これにより、燃料電池14の含水量が大きく変動したことを簡単に識別することができる。なお、例えば、測定した虚軸値Xiが単独で理論値(又は虚部閾値Ti)から大きく外れた場合には、判別部122は、その測定データを省いて判別を行うとよい。
ここで、燃料電池14に供給する交流電流の周波数ωが10Hzよりも大きい場合は、理論値(白抜き丸点)が予め虚軸側に寄ってしまい、電気二重層容量Cdの影響が強くなりフラッディング状態の検出が難しくなる。すなわち、1つの周波数からなる交流電流を用いて燃料電池14の含水量を検出する場合は、周波数ωを10Hz以下に設定することで、乾燥状態とフラッディング状態の両方を良好に判別することができる。
また、判別部122は、複素平面CP上のインピーダンスの実部閾値Trも実験等により予め設定しておき、測定したインピーダンスの実軸値Xrが実部閾値Trを超えたか否かを判別する。これにより、燃料電池14の乾燥状態又はフラッディング状態の判別が可能となる。すなわち、燃料電池14が乾燥状態の場合には、燃料電池14の内部抵抗が上昇するため、実部閾値Trよりも大きな実軸値Xrを示すことになる。逆に、燃料電池14がフラッディング状態の場合には、燃料電池14内の反応ガスの反応が低下することで、実部閾値Trよりも小さな実軸値Xrを示すことになる。
従って、判別部122は、インピーダンスの虚軸値Xiと虚部閾値Tiの比較を先に行い、インピーダンスの実軸値Xrと実部閾値Trの比較を次に行うことで、燃料電池14の湿潤状態を判別する。以下、この判別部122の判別手順の意義について、図5A及び図5Bに基づき具体的に説明する。
図5Aは、インピーダンスの虚軸値Xiと燃料電池スタック12の含水量の関係性を示すグラフである。グラフ中の黒点は、発電中の燃料電池スタック12のインピーダンスの測定点Xであり、2点鎖線は虚部閾値Tiである。燃料電池14の含水量が中間部分(適度な湿潤状態)にある場合には、インピーダンスの虚軸値Xiが虚部閾値Tiを下回ることが多い。一方、含水量が中間部分よりも両側に寄った場合には、虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えることが多い。よって、判別部122が先に虚部閾値Tiと虚軸値Xiを比較判別することで、燃料電池14の含水量の正常状態又は異常状態を容易に判別することができる。なお、インピーダンスの測定は、一定時間内の複数の値を抽出してその平均値を用いてよい。
図5Bは、インピーダンスの実軸値Xrと燃料電池スタック12の含水量の関係性を示すグラフであり、2点鎖線は実部閾値Trである。燃料電池14が乾燥状態にある場合には、インピーダンスの実軸値Xrが実部閾値Trを超えることになる。よって、判別部122は、虚部閾値Tiと虚軸値Xiの比較後に、実軸値Xrが実部閾値Trを超えていれば、燃料電池14の乾燥状態と識別することができる。また、これとは逆に実軸値Xrが実部閾値Trを下回れば、燃料電池14のフラッディング状態と識別することができる。
加湿量設定部124は、燃料電池14が乾燥状態と判断されると、インピーダンスの測定値に基づき現在量より増加した加湿量を設定する。駆動制御部126は、この設定された加湿量に基づきバイパス弁104の開度を小さくするように制御する。これにより、酸化剤ガスが加湿器100側に多く流れるようになり、燃料電池スタック12に流入される酸化剤ガスの加湿量が増加する。
一方、燃料電池14がフラッディング状態と判断されると、加湿量設定部124は、インピーダンスの測定値に基づき現在量より減少した加湿量を設定する。駆動制御部126は、この設定された加湿量に基づきバイパス弁104の開度を大きくするように制御する。これにより、酸化剤ガスが加湿器100をバイパスする(酸化剤ガスバイパス供給路102側に多く流れる)ようになり、燃料電池スタック12に流入される酸化剤ガスの加湿量が減少する。
本実施形態に係る燃料電池システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、燃料電池14の加湿制御方法について燃料電池システム10の動作との関係で説明する。
燃料電池システム10のコントローラ24は、運転者の操作に基づき、燃料電池システム10による発電を実施する(ステップS1:図6参照)。発電の開始時には、燃料ガス供給系18の遮断弁86を開放し、水素タンク82から燃料ガス供給路84に水素含有ガス等の燃料ガスを供給する。この燃料ガスは、減圧弁88により所定の圧力に調整された後、イジェクタ92を通って燃料電池スタック12に供給される。
これと同時に、燃料電池システム10は、酸化剤ガス供給系20のコンプレッサ96を駆動し、酸化剤ガス供給路98に酸素含有ガスである空気等の酸化剤ガスを供給する。この酸化剤ガスは、加湿器100を通って加湿された状態で燃料電池スタック12に供給される。
酸化剤ガス及び燃料ガスが供給された燃料電池スタック12は、図2に示すように、酸化剤ガス供給連通孔32に酸化剤ガスが供給されると共に、燃料ガス供給連通孔34に燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔40には、純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。
酸化剤ガスは、第1セパレータ28に設けられている各酸化剤ガス流路50に導入され、電解質膜・電極構造体26を構成するカソード電極46に沿って移動する。一方、燃料ガス供給連通孔34に供給された燃料ガスは、第2セパレータ30の各燃料ガス流路54に導入され、電解質膜・電極構造体26を構成するアノード電極48に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体26では、カソード電極46に供給される酸化剤ガスと、アノード電極48に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。カソード電極46に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔38に排出される。同様に、アノード電極48に供給されて一部の水素が消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔36に排出される。その後、燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料電池スタック12からガス排気系22を介して外部に排出される。また、燃料ガスの一部は、ガス排気系22から燃料循環路90を介して燃料ガス供給系18に循環利用される。
また、冷却媒体供給連通孔40に供給された冷却媒体は、第1セパレータ28及び第2セパレータ30の各冷却媒体流路52に導入される。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体26を冷却して冷却媒体排出連通孔42に排出される。
図1に示すように、燃料電池スタック12の発電時の出力は、外部負荷68に供給される。また、コントローラ24は、燃料電池スタック12の加湿制御を実施するために、発電時にインピーダンス測定装置16によるインピーダンスの測定工程を実施する(ステップS2:図6参照)。インピーダンス測定装置16は、この測定工程において、交流発生器76により例えば1Hzの一定の周波数ωに設定された交流電流を燃料電池スタック12に印加する。そして、交流電流測定器78により燃料電池スタック12に流れる交流電流の電流値を検出し、交流電圧測定器80により燃料電池スタック12にかかる交流電圧の電圧値を検出する。インピーダンス測定装置16は、この電流値と電圧値に基づき燃料電池スタック12のインピーダンスを算出する。なお、燃料電池スタック12から外部負荷68に取り出す電流によって、設定する虚部閾値Tiは変化しない。
インピーダンスの測定を実施すると、コントローラ24は、図6に示すフローに従って、インピーダンスの測定結果(測定点X)に基づく判断処理を行う。具体的には、コントローラ24は、インピーダンス取得部120を介してインピーダンス測定装置16が測定したインピーダンスを取得する。そして、コントローラ24の判別部122は、取得したインピーダンスの虚軸値Xiが、予め設定されている虚部閾値Tiを超えたか否かを判別する(ステップS3:判別工程)。
判別部122は、ステップS3において虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えていないと判断するとステップS4に進み、虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えていると判断するとステップS5に進む。虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えていない場合は、燃料電池スタック12の含水量が大きく変動していない正常状態と見ることができる。このため、ステップS4において、加湿量設定部124は、燃料電池スタック12に供給されている酸化剤ガスに対する加湿器100の加湿量を維持するように設定する(調整工程)。よって、燃料電池スタック12の湿潤状態がそのまま継続される。
一方、虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えている場合は、燃料電池スタック12の含水量が異常状態であると判断する。このように判断を行うと、次に判別部122は、取得されたインピーダンスの実軸値Xrが、予め設定されている実部閾値Trを超えたか否かを判別する(ステップS5:判別工程)。
判別部122は、実軸値Xrが実部閾値Trを超えていないと判断するとステップS6に進み、実軸値Xrが実部閾値Trを超えたと判断するとステップS7に進む。上述したように、実軸値Xrが実部閾値Trを超えていない場合は、燃料電池スタック12がフラッディング状態であり、実軸値Xrが実部閾値Trを超えた場合は、燃料電池スタック12が乾燥状態であると見なすことができる。
ステップS6において、コントローラ24は滞留水除去制御を実施する(調整工程)。具体的には、加湿量設定部124は、酸化剤ガスの加湿量を現在量よりも減少した値に設定する。この設定値に基づき、駆動制御部126は、加湿量が減少するように酸化剤ガス供給系20のバイパス弁104の開度を大きくしてバイパス量を増やす。なお、駆動制御部126は、コンプレッサ96を制御して酸化剤ガスの流量を大きくするように調整してもよい。また、駆動制御部126は、外部負荷68に取り出す電流を小さくして生成水を減らすことで、酸化剤ガスの加湿量を減らしてもよい。これにより燃料電池スタック12内の含水量の低下が促される。
一方、ステップS7において、コントローラ24は加湿量増加制御を実施する(調整工程)。具体的には、加湿量設定部124は、酸化剤ガスの加湿量を現在量よりも増加した値に設定する。この設定値に基づき、駆動制御部126は、加湿量が増加するように酸化剤ガス供給系20のバイパス弁104の開度を小さくしてバイパス量を減らす。なお、駆動制御部126は、外部負荷68に取り出す電流を大きくして生成水を増やすことで、酸化剤ガスの加湿量を増やしてもよい。これにより燃料電池スタック12内の含水量の増加が促される。
上述した調整工程(ステップS4、S6、S7)を行った後、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12による発電の終了又は継続を判別する(ステップS8)。発電を継続する場合には、ステップS2に戻り、同様の処理を繰り返す。一方、発電を終了する場合には、燃料電池システム10の発電停止処理を行い(ステップS9)、燃料電池システム10の動作を終了する。
なお、燃料電池14の加湿制御方法は、上記の処理フローに限定されるものではなく、種々の処理を実施し得る。例えば、コントローラ24は、ステップS5により実部閾値Trと実軸値Xrの比較を行って燃料電池14の乾燥状態又はフラッディング状態を判別した後、以降に繰り返す判別処理を簡略化してもよい。例えば、燃料電池14が乾燥状態と判別した場合は、乾燥状態が解消されるまでは虚軸値Xiが虚部閾値Tiを超えるため、実軸値Xrと実部閾値Trの比較のみを行うことができる。つまり、以降に繰り返す処理では、ステップS3を省いてよい。このような処理は、実軸値Xrが実部閾値Trを超えた際にフラグを立て該フラグを監視する等の処理により、容易に行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る燃料電池システム10及び燃料電池14の加湿制御方法によれば、燃料電池14内の含水量の制御を良好に行うことができる。すなわち、燃料電池14の含水量の判別においては、低周波数の交流電流のみを印加しその際のインピーダンスのみを判別に用いるという簡単な構成とすることができる。そのため、燃料電池14のインピーダンスを迅速に測定し、測定したインピーダンスに基づき燃料電池14の湿潤状態(含水量)を容易に判別することが可能となる。
ここで、従来の加湿制御方法では、既述したように複数の異なる周波数ωの交流電流を付与する構成としている。この場合、異なる周波数ωを有する交流電流の生成のため、インピーダンス測定装置(交流発生器)の構造及び制御が複雑化してしまう。また、発電時に、異なるタイミングで複数の周波数ωの交流電流を印加することで、インピーダンスの測定に時間がかかり、燃料電池内の湿潤状態に応じてリアルタイムに対応することが難しくなっていた。
これに対し、燃料電池システム10による加湿制御方法は、燃料電池14内の含水量の変化にすぐに対応して加湿量を変更することができる。これにより、図7に示すように、燃料電池スタック12の劣化を良好に抑制することができる。すなわち、燃料電池スタック12は、継続使用により発電時間が増加すると、電解質膜・電極構造体26の劣化(例えば、電極の酸化等)に起因して、点線に示すように出力電力が低下する。電極の酸化等は、燃料電池14内が乾燥状態となることで比較的容易に発生してしまうため、迅速な加湿制御が要望される。
本実施形態に係る燃料電池システム10及び燃料電池14の加湿制御方法は、インピーダンスの測定を簡素化することで、燃料電池14の含水量を迅速且つ良好に保つことができる。その結果、電解質膜・電極構造体26の劣化が抑止され、燃料電池スタック12の寿命が向上する。また、インピーダンス測定装置16の構造や制御等の簡単化により、製造コストを削減することもできる。
この場合、加湿制御方法では、判別部122が測定したインピーダンスの虚軸値Xiと予め設定された虚部閾値Tiを先に判別することで、燃料電池14の含水量の正常又は異常を容易に判別することができる。また、燃料電池14の含水量の異常を判別した後に、実軸値Xrが実部閾値Trを超えたと判別することで、燃料電池14内が乾燥状態であると短時間に識別することが可能となる。よって、燃料電池14の加湿量を増加させる制御を直ちに行うことができる。或いは、燃料電池14の含水量の異常を判別した後に、実軸値Xrが実部閾値Trを超えていないと判別することで、燃料電池14内がフラッディング状態であると短時間に識別することが可能となる。よって、燃料電池14の加湿量を減少させる制御を直ちに行うことができる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…燃料電池 16…インピーダンス測定装置
18…燃料ガス供給系 20…酸化剤ガス供給系
22…ガス排気系 24…コントローラ
26…電解質膜・電極構造体 28…第1セパレータ
30…第2セパレータ 44…固体高分子電解質膜
46…カソード電極 48…アノード電極
122…判別部 124…加湿量設定部
Ti…虚部閾値 Tr…実部閾値
X…測定点 Xi…虚軸値
Xr…実軸値

Claims (5)

  1. カソード電極及びアノード電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体とセパレータとが積層された燃料電池の加湿制御方法であって、
    前記燃料電池の発電中に、10Hz以下の1つの周波数で構成される交流電流の供給に基づき、前記燃料電池のインピーダンスを測定する測定工程と、
    前記測定工程後に、測定した前記インピーダンスの複素平面上の虚軸値及び実軸値に基づき前記燃料電池の加湿量を調整する調整工程とを有する
    ことを特徴とする燃料電池の加湿制御方法。
  2. 請求項1記載の燃料電池の加湿制御方法において、
    前記測定工程後に、予め設定された虚部閾値と前記虚軸値を先に判別し、予め設定された実部閾値と前記実軸値を次に判別する判別工程をさらに有する
    ことを特徴とする燃料電池の加湿制御方法。
  3. 請求項2記載の燃料電池の加湿制御方法において、
    前記調整工程では、前記判別工程にて前記虚軸値が前記虚部閾値を超え且つ前記実軸値が前記実部閾値を超えたと判別した場合に、前記燃料電池の加湿量を増加させる
    ことを特徴とする燃料電池の加湿制御方法。
  4. 請求項2又は3記載の燃料電池の加湿制御方法において、
    前記調整工程では、前記判別工程にて前記虚軸値が前記虚部閾値を超え且つ前記実軸値が前記実部閾値を超えないと判別した場合に、前記燃料電池の加湿量を低下させる
    ことを特徴とする燃料電池の加湿制御方法。
  5. カソード電極及びアノード電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体とセパレータとが積層された燃料電池を有する燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の発電中に、10Hz以下の1つの周波数で構成される交流電流を供給して前記燃料電池のインピーダンスを測定する測定装置と、
    前記測定装置が測定した前記インピーダンスの複素平面上の虚軸値及び実軸値に基づき前記燃料電池の加湿量を制御する制御部とを有する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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