JP6070826B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、回転部材の回転力を先端工具に伝達して、対象物を加工する電動工具に関する。
従来、動力源の動力を先端工具に伝達して、先端工具を回転または往復動させて対象物を加工する電動工具が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された電動工具であるハンマドリルは、動力源としての駆動モータを有し、駆動モータの動力が、ギヤ機構を経由して中間軸に伝達される。また、中間軸と平行なシリンダが設けられており、シリンダの内部に、ピストン及び打撃子が、直動可能に設けられている。
さらに、中間軸の回転力をピストンの直動力に変換する運動変換機構、クラッチ機構が設けられており、クラッチ機構は、中間軸の回転力を運動変換機構に伝達する経路を接続または遮断する。
特許文献1に記載されたハンマドリルにおいて、ハンマドリルモードが選択されると、クラッチ機構は、中間軸の回転力を運動変換機構に伝達する経路を接続する。このため、中間軸の回転力がピストンの直動力に変換され、ピストンが往復運動すると、打撃子を打撃する打撃力が発生する。打撃子の打撃力はハンマビットに伝達される。つまり、ハンマビットに直動方向の打撃力が加えられる。一方、中間軸の回転力はギヤ機構を経由してシリンダに伝達され、先端工具保持部を介してハンマビットに伝達される。すなわち、ハンマビットに回転力が伝達される。
一方、ドリルモードが選択されると、クラッチ機構は中間軸の回転力を運動変換機構に伝達する経路を遮断する。このため、ハンマビットには打撃力が加えられず、ハンマビットには回転力が伝達される。また、ハンマモードが選択されると、クラッチ機構は中間軸の回転力を運動変換機構に伝達する経路を接続するとともに、中間軸の回転力をギヤ機構に伝達する経路が遮断される。このため、ハンマビットには打撃力のみが伝達される。
特開平7−328955号公報
上述の特許文献1に記載された電動工具においては、3つのモード、つまり、ハンマドリルモード、ドリルモード、ハンマモードを切り替え可能であるが、回転方向に打撃力を加える、いわゆるインパクトモードは備えていなかった。
本発明の目的は、先端工具に回転方向の打撃力を加えることが可能な電動工具を提供することにある。
一実施形態の電動工具は、先端工具を保持し、回転部材の回転力を前記先端工具に伝達する電動工具であって、前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転方向の打撃力として伝達するインパクトモードと、前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転方向の打撃力に変換することなく、前記先端工具の直動方向の打撃力として伝達するハンマモードと、を切り替え可能である。
本発明によれば、先端工具に回転方向の打撃力を加えることができる。また、何れの動力伝達経路から回転力を伝達するかを選択でき、作業用途が広がる。
本発明の電動工具でハンマドリルモードが選択された場合を示す部分的な断面図である。 本発明の電動工具でインパクトモードが選択された場合を示す部分的な断面図である。 本発明の電動工具でドリルモードが選択された場合を示す部分的な断面図である。 本発明の電動工具でニュートラルモードが選択された場合を示す部分的な断面図である。 本発明の電動工具でハンマモードが選択された場合を示す部分的な断面図である。 本発明の電動工具の要部であり、ハンマドリルモードが選択された場合を示す斜視図である。 本発明の電動工具の要部であり、インパクトモードが選択された場合を示す斜視図である。 本発明の電動工具の要部であり、ドリルモードが選択された場合を示す斜視図である。 本発明の電動工具の要部であり、ハンマモードが選択された場合を示す斜視図である。 本発明の電動工具の要部であり、ハンマドリルモードが選択された場合を示す平面図である。 本発明の電動工具の要部であり、インパクトモードが選択された場合を示す平面図である。 本発明の電動工具の要部であり、ドリルモードが選択された場合を示す平面図である。 本発明の電動工具の要部であり、ニュートラルモードが選択された場合を示す平面図である。 本発明の電動工具の要部であり、ハンマモードが選択された場合を示す平面図である。 (A)は本発明の電動工具に用いられるレバーの正面図、(B)は(A)のレバーの底面図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1〜図5に示す電動工具10は工具本体11を有しており、電動モータ12が工具本体11の内部に設けられている。トリガスイッチが工具本体11に設けられており、作業者がトリガスイッチを操作すると電動モータ12に電力が供給されて、電動モータ12の回転軸14が回転する。回転軸14は軸受15により回転可能に支持されており、回転軸14の外周面にギヤ28が形成されている。工具本体11の内部にインナーケーシング17が取り付けられており、インナーケーシング17は工具本体11の内部を第1収容室18及び第2収容室19に仕切っている。電動モータ12は第1収容室18に配置されている。第2収容室19の内部から、工具本体11の外部に亘って筒形状のシリンダ20が設けられている。
シリンダ20は2個の軸受21,22により回転可能に支持されている。軸受22は、インナーケーシング17とシリンダ20の外周面との間に設けられている。軸受21は、工具本体11の軸孔23の内周面とシリンダ20の外周面との間に設けられている。回転軸14が回転する際の中心線Aと、シリンダ20が回転する際の中心線Bとは、互いに平行である。
電動モータ12の動力をシリンダ20に伝達する中間軸24が設けられている。中間軸24が、本発明の回転部材に相当する。中間軸24は第2収容室19に配置されており、中間軸24は2個の軸受25,26により回転可能に支持されている。軸受26はインナーケーシング17により支持され、軸受25は工具本体11に支持されている。中間軸24の回転する中心線Cは、2本の中心線A,Bと互いに平行であり、中間軸24は中心線Cに沿った方向に移動しない。
中間軸24の外周面であって、中心線Cに沿った方向で軸受26の隣にギヤ27が固定されている。ギヤ27は中間軸24と一体回転し、ギヤ27はギヤ28と噛み合っている。ギヤ27の歯数はギヤ28の歯数よりも多く、ギヤ27,28は、回転軸14の回転力を中間軸24に伝達する際に、回転軸14の回転速度に対して中間軸24の回転速度を減速する減速機である。
一方、第2収容室19に、筒部材としてのスライドギヤ29が設けられており、スライドギヤ29の軸孔30内に中間軸24が配置されている。スライドギヤ29は、中心線Cに沿った方向で軸受25とギヤ27との間に設けられている。スライドギヤ29は、中間軸24に対して中心線Cに沿った方向に移動可能であり、スライドギヤ29は、中間軸24に対して中心線Cを中心として回転可能である。スライドギヤ29は、中間軸24と同軸上で移動可能である。
スライドギヤ29の外周面には、複数の駆動ギヤとして、第1ギヤ31及び第2ギヤ32及び第3ギヤ33が形成されている。第1ギヤ31及び第2ギヤ32及び第3ギヤ33は、中心線Cに沿った方向で異なる位置に設けられている。第2ギヤ32は、中心線Cに沿った方向で第1ギヤ31と第3ギヤ33との間に設けられている。第3ギヤ33は、中心線Cに沿った方向で、ギヤ27と第2ギヤ32との間に設けられている。また、スライドギヤ29の外周面であって、中心線Cに沿った方向で第1ギヤ31と第2ギヤ32との間に凹部34が設けられている。さらに、スライドギヤ29であって、中心線Cに沿った方向でギヤ27に近い方の端部に噛み合い部35が設けられている。噛み合い部35は中心線Cに沿った方向に凹凸である。
前記シリンダ20の外周面において、中心線Bに沿った方向で軸受21よりも軸受22に近い箇所には、円筒形状のスリーブ36が取り付けられている。スリーブ36の軸孔内にシリンダ20が設けられている。スリーブ36はシリンダ20と一体回転するように設けられており、スリーブ36はシリンダの20中心線Bに沿った方向に移動しない。スリーブ36であって、中心線Bに沿った方向の端部には外向きフランジ38が設けられている。外向きフランジ38の側面のうち、軸受22とは反対側の側面に噛み合い部39が設けられている。噛み合い部39は、中心線Bに沿った方向に凹凸である。
さらに、スリーブ36の外周に、第2従動ギヤとしてのギヤ40が取り付けられている。ギヤ40は環状であり、ギヤ40はスリーブ36に対して回転可能であり、ギヤ40は、スリーブ36に対して中心線Bに沿った方向に移動可能であり、ギヤ40は第2ギヤ32または第3ギヤ33と選択的に噛み合う。
ギヤ40の側面であって外向きフランジ38に近い方の側面に噛み合い部41が設けられている。噛み合い部41は中心線Bに沿った方向の凹凸である。また、スリーブ36の外周には弾性体42が取り付けられており、ギヤ40は弾性体42の力で外向きフランジ38に向けて押されている。弾性体42は圧縮コイルばねを用いることができる。シリンダ20、スリーブ36、ギヤ40が、本発明の第2の動力伝達機構に相当する。
そして、ギヤ40が弾性体42の力で押されて、噛み合い部41が噛み合い部39と噛み合っていると、スリーブ36とギヤ40との間で動力を伝達することができる。これに対して、ギヤ40が弾性体42の力に抗しての外向きフランジ38から離れる向きで移動して、噛み合い部41と噛み合い部39とが離れると、スリーブ36とギヤ40との間で動力を伝達することができなくなる。
一方、シリンダ20に中心線Bを中心とする軸孔43が形成されており、シリンダ20の長手方向であって、工具本体11の外部に位置する箇所に先端工具保持部44が設けられている。先端工具保持部44は円筒形状であり、軸孔43は先端工具保持部44まで到達している。先端工具保持部44における軸孔43内に、先端工具45を取り付けまたは取り外すことができる。先端工具保持部44の外周にはエンドカバー46が取り付けられており、先端工具保持部44を半径方向に貫通する保持孔47が設けられている。保持孔47にボール48が保持されている。
先端工具45には中心線Bに沿った方向の溝が設けられており、溝にボール48の一部が配置されると、ボール48と先端工具45との係合力により、シリンダ20の回転力が先端工具45に伝達される。また、先端工具45は、溝の長さの範囲内で、先端工具保持部44に対して中心線Bに沿った方向に移動可能である。エンドカバー46は筒形状であり、ボール48が溝から出ることを規制する。エンドカバー46を操作して、ボール48を先端工具45の溝から出すと、先端工具45を先端工具保持部44の軸孔43から抜き取ることができる。
次に、先端工具保持部44で保持された先端工具45に、直動方向の打撃力を加える機構を説明する。直動方向の打撃力は、中心線Bに沿った方向の打撃力である。シリンダ20の軸孔43内にピストン49が設けられている。ピストン49は中心線Bに沿った方向に往復運動可能である。ピストン49は筒形状であり、ピストン49の内部にストライカ50が設けられている。ピストン49及びストライカ50は、先端工具45と同心状に設けられている。ストライカ50はピストン49に対して中心線Bに沿った方向に直動可能である。また、ピストン49の内部であって、ピストン49とストライカ50との間に空気圧室51が形成されている。さらに、軸孔43内であって、先端工具45とストライカ50との間に中間子52が設けられている。中間子52は中心線Bに沿った方向に、所定の範囲内で直動可能である。上記のピストン49、ストライカ50、中間子52が、先端工具45に直動方向の打撃力を加える機構である。
さらに、第2収容室19に、中間軸24の回転力をピストン49の直動力に変換する運動変換機構53が設けられている。運動変換機構53は、中間軸24に取り付けられた内輪54と、内輪54との間に転動体55を介して設けられた外輪56とを備えている。外輪56には連結棒57が連結されており、連結棒57はピストン49に連結されている。内輪54は中間軸24に対して回転可能に取り付けられており、内輪54は中間軸24の中心線Cに沿った方向には移動しない。上記の運動変換機構53、ピストン49、ストライカ50、中間子52等が、本発明の第3の動力伝達機構に相当する。
さらに、中間軸24の回転力をシリンダ20に伝達し、かつ、回転方向の打撃力を加える第1の動力伝達機構を説明する。シリンダ20の外周面であって、軸受21とスリーブ36との間にインパクトスリーブ58が取り付けられている。インパクトスリーブ58はシリンダ20に対して相対回転可能であり、インパクトスリーブ58はシリンダ20に対して中心線Bに沿った方向に移動しない。インパクトスリーブ58に外向きフランジ59が設けられており、外向きフランジ59の外周面に、第1従動ギヤとしてのギヤ60が形成されている。
シリンダ20の外周面であって、中心線Bに沿った方向でインパクトスリーブ58と軸受21との間に噛み合い部61が設けられている。また、インパクトスリーブ58の外周にはハンマ62が取り付けられている。ハンマ62は環状であり、ハンマ62の内周面には溝が形成され、インパクトスリーブ58の外周面には溝が形成され、溝同士によりボール63が保持されている。インパクトスリーブ58とハンマ62とが、ボール63の係合力により、動力伝達可能に接続されている。ハンマ62は、インパクトスリーブ58に対して中心線Bに沿った方向で所定の範囲内で移動可能、かつ、回転可能である。ハンマ62には噛み合い部64が設けられている。
さらに、外向きフランジ59とハンマ62との間に弾性体65が設けられている。弾性体65は、ハンマ62を外向きフランジ59から離れる方向、つまり、軸受21に向けて押し付ける力を生じる。弾性体65は圧縮コイルばねを用いることができる。ハンマ62が中心線Bに沿った方向に移動すると、噛み合い部64は噛み合い部61に噛み合ったり外れたりする。上記のギヤ60、インパクトスリーブ58、ボール63、ハンマ62、噛み合い部61、弾性体65等が、中間軸24の回転力をシリンダ20に伝達し、かつ、回転方向の打撃力を加える第1の動力伝達機構に相当する。
次に、本発明における切替機構の構成を、図1〜図15を参照して説明する。中間軸24の外周にはクラッチ66が取り付けられている。クラッチ66は環状であり、クラッチ66は中間軸24とスプライン結合されている。このため、クラッチ66は中間軸24と一体回転し、かつ、中間軸24に対して中心線Cに沿った方向に移動可能である。クラッチ66は中間軸24と同軸上で移動可能である。また、クラッチ66とスライドギヤ29とは、それぞれ独立して移動可能である。すなわち、クラッチ66は、スライドギヤ29に対して近接または離間することが可能である。クラッチ66は、中心線Cに沿った方向で内輪54とスライドギヤ29との間に設けられている。クラッチ66における内輪54に近い箇所に噛み合い部67が設けられており、クラッチ66におけるスライドギヤ29に近い箇所に噛み合い部68が設けられている。また、クラッチ66の外周に凹部69が設けられている。凹部69はクラッチ66の全周に形成した溝である。
内輪54には噛み合い部70が設けられており、クラッチ66を中心線Cに沿った方向に移動させると、噛み合い部67と噛み合い部70とを噛み合わせたり、噛み合い部67と噛み合い部70との噛み合いを解除することができる。また、クラッチ66及びスライドギヤ29を中心線Cに沿った方向に位置決めすると、噛み合い部68と噛み合い部35とを噛み合せたり、噛み合い部68と噛み合い部35との噛み合いを解除することができる。噛み合い部67と噛み合い部70とが噛み合うこと、または、噛み合い部68と噛み合い部35とが噛み合うことを、クラッチ66の係合と呼ぶ。一方、噛み合い部67と噛み合い部70との噛み合いが解除されること、または、噛み合い部68と噛み合い部35との噛み合いが解除されることを、クラッチ66の解放と呼ぶ。
中間軸24の外周にはスライドギヤ29を中心線Cに沿った方向に移動させる力を生じる弾性体71が取り付けられている。弾性体71は、軸受25とスライドギヤ29との間に配置されており、弾性体71はスライドギヤ29をクラッチ66に向けて押す力を生じる。弾性体71は圧縮コイルばねを用いることができる。上記のクラッチ66、スライドギヤ29、第1ギヤ31〜第3ギヤ33等が、本発明の切替機構に相当する。
さらに、クラッチ66及びスライドギヤ29を中心線Cに沿った方向に移動させ、かつ、中心線Cに沿った方向の任意の位置で停止させる調節機構72を説明する。調節機構72は、レバー73、第1スライド部材74、第2スライド部材75を備えている。レバー73は工具本体11に対して軸線Dを中心として回転可能に取り付けられている。レバー73は円柱部76と、円柱部76と一体の摘み部77とを有しており、摘み部77は工具本体11の外部に配置されている。中心線C及び軸線Dを含む平面内において、中心線Cと軸線Dとは直角である。軸線Dは、中心線Cに沿った方向で、ギヤ40とギヤ60との間に配置されている。
また、レバー73の円柱部76に固定された第1カム部材78及び第2カム部材79が設けられている。作業者がレバー73を操作すると、レバー73、第1カム部材78、第2カム部材79は、軸線Dを中心として一体回転する。第1カム部材78はプレート形状を有しており、第1カム部材78の外周面には、本発明における第1カム面として第1接触部80〜第3接触部94が設けられている。第1接触部80〜第3接触部94は、相互に湾曲面で滑らかに連続されている。
第1カム部材78を平面視すると、第1接触部80は、軸線Dを中心とする円周上に90度の範囲で形成されている。第2接触部82は、軸線Dからの距離が第1接触部80よりも短く、第2接触部82は、軸線Dを中心とする円周上で第1接触部80とは異なる位置にある。さらに、第3接触部94は、軸線Dからの距離が第2接触部82よりも短く、第2接触部82は、軸線Dを中心とする円周上で第2接触部82に対して90度の位置にある。第1カム部材78を平面視すると、第1接触部80〜第3接触部94は中心線Cでに沿った方向に変位している。
また、第2カム部材79は第1カム部材78と共に一体回転し、第2カム部材79の外周面に、本発明の第2カム面として第1接触部83及び第2接触部95が形成されている。第1接触部83は、軸線Dからの距離が第1接触部80と同じである。また第1接触部83は、軸線Dを中心とする円周上で第2接触部82と同じ位置に配置されている。第2接触部95から軸線Dまでの距離は、第3接触部94から軸線Dまでの距離と同じである。第2カム部材79を平面視すると、第1接触部83及び第2接触部95は中心線Cに沿った方向に変位されている。
第1スライド部材74および第2スライド部材75は、軸線Dに沿った方向でスライドギヤ29とレバー73との間に設けられている。また、第1スライド部材74及び第2スライド部材75は、レバー73の操作に連動して、中心線Cに沿った方向に直動可能である。なお、第1スライド部材74及び第2スライド部材75を直動可能に支持するガイド部材が、第2収容室19に設けられている。第1スライド部材74及び第2スライド部材75は、共に第2収容室19に配置されている。
第1スライド部材74は、係止プレート84と、係止プレート84の両端に連続された腕部85とを備えている。腕部85は中心線Cに沿った方向に延ばされている。係止プレート84はスライドギヤ29の凹部34に差し込まれており、第1スライド部材74が中心線Cに沿った方向に移動すると、スライドギヤ29が中心線Cに沿った方向に移動する。また、第1スライド部材74にはピン86が設けられている。
第2スライド部材75は、中心線Cに沿った方向に間隔をおいて配置した2枚の係止プレート87,88と、係止プレート87,88同士を接続する腕部96と、係止プレート88の端部から係止プレート87に向けて突出された張出部93とを有する。2枚の係止プレート87,88は平行であり、2枚の係止プレート87,88は、中心線Cに沿った方向でスライドギヤ29の長さを超える間隔をおいて配置されている。そして、第1スライド部材74は、2枚の係止プレート87,88の間に配置されている。
2枚の係止プレート87,88のうち、内輪54に近い方の係止プレート88にはピン89が設けられており、ピン86,89に引張りばね90の両端が取り付けられている。引張りばね90は、係止プレート84と係止プレート88とを近づける力を生じる。2枚の係止プレート87,88のうち、内輪54に近い方の係止プレート88の端部は、クラッチ66の凹部69に配置されている。
また、2枚の係止プレート87,88のうち、軸受25に近い方の係止プレート87には半月形状の切欠き91が形成され、切欠き91の内周面に突起92が設けられている。さらに、第1スライド部材74の腕部85は、係止プレート84から、第2スライド部材75の係止プレート88に向けて延ばされている。レバー73の操作により、第1カム部材78の外周面は係止プレート84の側面に接触し、第2カム部材79の外周面は張出部93に接触する。
次に、電動工具10の作用を説明する。先端工具45を対象物Wに押し付けるにあたり、中心線Bは垂直、水平、その他の方向でもよい。トリガスイッチが操作されて電動モータ12の回転軸14が回転すると、回転軸14の回転力は、ギヤ28,27を経由して中間軸24に伝達される。レバー73が操作されて、第1のモードであるハンマドリルモードが選択されていると、図6、図10のように第1カム部材78の第3接触部94が係止プレート84に接触し、第2カム部材79は張出部93に接触しない。また、弾性体71の力はスライドギヤ29を介してクラッチ66に伝達され、図1のようにクラッチ66が内輪54と係合する。
また、第1スライド部材74が引張ばね90の力に抗して軸受25に近づく向きで移動する量は、軸線Dから第1接触部83までの距離で定まる。具体的には、中心線Cに沿った方向で係止プレート88と係止プレート84との間隔は、本実施形態で設定可能な範囲で最も短い。すなわち、係止プレート88と係止プレート84との間隔は腕部85の長さとなる。このため、クラッチ66はスライドギヤ29にも係合する。スライドギヤ29が中心線Cに沿った方向に位置決めされると、第2ギヤ32はギヤ40と噛み合い、第1ギヤ31及び第3ギヤ33はいずれのギヤにも噛み合わない。
そして、中間軸24の回転力は、クラッチ66、スライドギヤ29、第2ギヤ32、ギヤ40、スリーブ36を経由してシリンダ20に伝達される。シリンダ20の回転力は先端工具45に伝達され、対象物Wが加工される。先端工具45の回転が阻害されていなければ、噛み合い部39と噛み合い部41との係合が維持され、ギヤ40とスリーブ36との間で摩擦力により動力が伝達される。
先端工具45が対象物Wにくい込むの等の理由により、先端工具45の回転が阻害されると、ギヤ40が弾性体42の力に抗して外向きフランジ38から離れる向きで移動し、噛み合い部39と噛み合い部41との噛み合いが解除される。すなわち、ギヤ40は回転するがスリーブ36がロックされた状態となる。その結果、ギヤ40とスリーブ36とが相対回転し、ギヤ40の動力はスリーブ36には伝達されなくなる。つまり、噛み合い部39及び噛み合い部41はトルクリミッタとして機能する。したがって、先端工具45が、対象物Wに必要以上に食い込むことを防止できる。
一方、クラッチ66が内輪54に係合しているため、中間軸24の回転力が、運動変換機構53によりピストン49の直動力に変換される。ピストン49がシリンダ20内で往復運動すると空気圧室51の空気圧が上昇及び下降を交互に繰り返して打撃力が発生し、打撃力は、ストライカ50及び中間子52を経由して先端工具45に伝達される。このように、電動工具10は、先端工具45に回転力が加えられ、かつ、中心線Bに沿った方向の打撃力が間欠的に先端工具45に加えられる。なお、ギヤ60はいずれのギヤにも噛み合っていないため、スライドギヤ29の回転力はインパクトスリーブ58に伝達されない。したがって、ハンマ62からシリンダ20に回転方向の打撃力が加えられることはない。このように、ハンマドリルモードが選択されると、中間軸24の回転力を、ギヤ40及び内輪54に伝達する経路が接続され、中間軸24の回転力を、ギヤ60に伝達する経路が遮断される。
次に、レバー73が操作されて、第2のモードであるインパクトモードが選択された場合を、図2、図7、図11を参照して説明する。インパクトモードが選択されると、第1カム部材78の第2接触部82が、第1スライド部材74の係止プレート84に接触する。また、第2カム部材79は張出部93には接触しない。第1カム部材78の第2接触部82が、第1スライド部材74の係止プレート84に接触するため、ハンマドリルモードが選択された場合に比べて、第1スライド部材74が内輪54から離れた位置で停止する。
また、ハンマドリルモードが選択された場合に比べて、引張ばね90の力で第2スライド部材75が内輪54から離れた位置で停止する。すなわち、中心線Cに沿った方向で係止プレート88と係止プレート84との間隔は腕部85の長さであり、ハンマドリルモードが選択された場合に比べて、第1スライド部材74及び第2スライド部材75は内輪54から離れた位置となる。
上記の作用により、クラッチ66はスライドギヤ29に噛み合い、かつ、内輪54から解放される。すると、第1ギヤ31がギヤ60と噛み合い、第2ギヤ32及び第3ギヤ33はいずれのギヤにも噛み合わない。このため、中間軸24の回転力は第1ギヤ31、ギヤ60を経由してインパクトスリーブ58に伝達される。インパクトスリーブ58の回転力は、ボール63及びハンマ62を介してシリンダ20に伝達され、先端工具45により対象物Wが加工される。先端工具45に加わる負荷が所定値以下である場合は、噛み合い部61と噛み合い部64との噛み合いが維持され、ハンマ62の回転力がシリンダ20に伝達される。
これに対して、先端工具45に加わる負荷が所定値を超えると、シリンダ20の回転数が低下し、噛み合い部61と噛み合い部64との噛み合い部分における反力が増加するとともに、ボール63が溝に沿って転動することで、インパクトスリーブ58とハンマ62とが所定角度の範囲で相対回転し、ハンマ62が外向きフランジ59に近づく向きで移動する。このため、噛み合い部61と噛み合い部64との噛み合いが解除され、ハンマ62の回転力はシリンダ20に伝達されなくなる。
さらに、ハンマ62の回転が継続されて、噛み合い部64が噛み合い部61を乗り越えると、ハンマ62を外向きフランジ59に近づける向きの力よりも、弾性体65がハンマ62に加える押圧力の方が大きくなり、ボール63が溝に沿って転動することで、ハンマ62とインパクトスリーブ58とが相対回転しながら、ハンマ62は中心線Bに沿った方向に移動し、噛み合い部61と噛み合い部64とが噛み合う。その結果、ハンマ62の回転力が急激にシリンダ20に伝達される。すなわち、シリンダ20に対して回転方向の打撃力が加えられる。
なお、インパクトモードが選択されると、ギヤ40はいずれのギヤにも噛み合わないため、スライドギヤ29の回転力が、ギヤ40を介してシリンダ20に伝達されることはない。また、クラッチ66は内輪54から解放されているため、中間軸24の回転力が運動変換機構53に伝達されない。つまり、ストライカ50は打撃力を生じない。このように、インパクトモードが選択されると、中間軸24の回転力をギヤ60に伝達する経路が接続され、中間軸24の回転力をギヤ40及び内輪54に伝達する経路が遮断される。
次に、レバー73が操作されて、第3のモードであるドリルモードが選択された場合の作用を、図3、図8、図12を参照して説明する。ドリルモードが選択されると、第1カム部材78の第1接触部80が係止プレート84に接触する。また、第2カム部材79の第2接触部95が張出部93に接触する。第1接触部80が係止プレート84に接触すると、スライドギヤ29は、インパクトモードが選択された場合に比べて軸受25に近い位置で停止する。また、第2スライド部材75は、引張ばね90の力でスライドギヤ29と共に軸受25に近づく向きで移動し、第2スライド部材75は、張出部93が第2接触部95に接触することで停止する。すなわち、中心線Cに沿った方向で係止プレート88と係止プレート84との間隔は腕部85の長さであり、インパクトモードが選択された場合に比べて、第1スライド部材74及び第2スライド部材75は内輪54から離れた位置となる。
このため、第3ギヤ33がギヤ40に噛み合い、第1ギヤ31及び第2ギヤ32は、いずれのギヤにも噛み合わない。また、クラッチ66はスライドギヤ29と噛み合い、クラッチ66は内輪54から解放される。このため、中間軸24の回転力はクラッチ66、スライドギヤ29、第3ギヤ33を介してギヤ40に伝達され、ギヤ40の回転力は前述と同様に先端工具45に伝達される。なお、クラッチ66は内輪54と噛み合っていないため、中間軸24の回転力はピストン49の直動力に変換されない。また、ギヤ60はいずれのギヤとも噛み合っていないため、中間軸24の回転力が、ギヤ60を経由してシリンダ20に伝達されることはない。このように、ドリルモードが選択されると、中間軸24の回転力をギヤ40に伝達する経路が接続され、中間軸24の回転力をギヤ60及び内輪54に伝達する経路が遮断される。
次に、レバー73が操作されて、第4のモードであるニュートラルモードが選択された場合の作用を、図4、図13を参照して説明する。ニュートラルモードが選択されると、第1カム部材78の第1接触部80が係止プレート84に接触し、第2カム部材79の第1接触部83が張出部93に接触する。第1接触部83は、第2カム部材79を平面視すると、中心線Cに対して45度の位置にある。また、スライドギヤ29の第3ギヤ33はギヤ40に噛み合い、第1ギヤ31及び第2ギヤ32はいずれのギヤにも噛み合わない。
一方、張出部93が第2カム部材79に接触しており、係止プレート84と係止プレート88との距離が短くなることが規制されており、すなわち、係止プレート84と係止プレート88は互いに離れる方向に第1カム部材78及び79によって規制されており(互いに離れる方向に押されており)、クラッチ66はスライドギヤ29から解放され、かつ、クラッチ66は内輪54にも係合していない。したがって、中間軸24の回転力はスライドギヤ29に伝達されず、また、中間軸24の回転力がピストン49の直動力に変換されることもない。したがって、先端工具45には、回転力、直動方向の打撃力、回転方向の打撃力のいずれも伝達されない。このように、ニュートラルモードが選択されると、中間軸24の回転力をギヤ40,60及び内輪54に伝達する経路の全てが遮断される。
さらに、レバー73が操作されて、第5のモードであるハンマモードが選択された場合の作用を、図5、図9、図14を参照して説明する。ハンマモードが選択されると、第1カム部材78の第1接触部80が係止プレート84に接触し、第2カム部材79の第1接触部83が張出部93に接触する。すなわち、係止プレート84と係止プレート88が最も離間した位置となる。このため、スライドギヤ29の第3ギヤ33はギヤ40に噛み合い、第1ギヤ31及び第2ギヤ32はいずれのギヤにも噛み合わない。
一方、第1接触部83は中心線Cに沿った位置にあり、クラッチ66はスライドギヤ29から解放され、かつ、クラッチ66は内輪54に係合される。したがって、中間軸24の回転力はスライドギヤ29には伝達されず、中間軸24の回転力がピストン49の直動力に変換される。すなわち、先端工具45には回転力、回転方向の打撃力は伝達されず、ストライカ50の打撃力が先端工具45に間欠的に伝達される。なお、ハンマモードが選択されると、係止プレート87の突起92が第1ギヤ31に噛み合い、スライドギヤ29の回転が防止される。このように、ハンマモードが選択されると、中間軸24の回転力を内輪54に伝達する経路が接続され、中間軸24の回転力をギヤ40,60に伝達する経路が遮断される。
上記のように、電動工具10は、従来のハンマドリルモード、ドリルモード、ハンマモードに加え、インパクトモードをそれぞれ単独で選択可能であることができるため、作業範囲が広がる。さらに、ニュートラルモードも備えているため、例えばハンマモードで使用するような先端がスコップ形状の先端工具を装着した際に、その取付角度を容易に調整することができる。
すなわち、本発明の電動工具10は、5種類のモード、つまり、4種類の動作モードと、1つの調整モードであるニュートラルモードとを有するため、作業範囲が広がる。また、本発明の目的は、先端工具45に回転方向の打撃力を加えることなく、先端工具45に回転力または直動方向の打撃力を加えることの可能な電動工具10を提供することにある。そして、ハンマモードを選択すれば、先端工具45に回転方向の打撃力を加えることなく、先端工具45に直動方向の打撃力を加えることができる。さらに、ドリルモードを選択すれば、先端工具45に回転方向の打撃力を加えることなく、先端工具45に回転力を加えることができる。
さらに、インパクトモードを選択すると、先端工具45に回転力を加え、かつ、回転方向の打撃力を加えることができる。一方、ハンマドリルモード、ドリルモード、ハンマモードを選択すると、先端工具45に回転方向の打撃力が加えられることはない。したがって、状況に応じて5種類のモード(第1モード〜第5モード)を使い分けることで、先端工具45に加わる負荷を低減することができ、作業範囲が広がる。
また、クラッチ66、スライドギヤ29、中間軸24、第1スライド部材74、第2スライド部材75、第1カム部材78、第2カム部材79、弾性体71、第1ギヤ31、第2ギヤ32、第3ギヤ33等の機構の配置範囲は、中心線Bに沿った方向で、軸受21からインナーケーシング17が配置された範囲と重なり、かつ、中心線Bに対して直角な方向でギヤ27の配置範囲と重なっている。
つまり、工具本体11内に元々ある空間を利用して、クラッチ66、スライドギヤ29、中間軸24、第1スライド部材74、第2スライド部材75、第1カム部材78、第2カム部材79、弾性体71、第1ギヤ31、第2ギヤ32、第3ギヤ33等の機構を配置している。したがって、電動工具10が中心線Bに沿った方向または中心線Bに対して直角な方向に大型化することを抑制できる。このため、電動工具10を狭い箇所で使用する場合に作業性の低下を抑制できる。
さらに、作業者が単数のレバー73を操作することで、容易に5種類のモードを選択的に切り替え可能である。したがって、作業者の作業性が向上する。また、第1の動力伝達経路〜第3の動力伝達経路のうち、何れの動力伝達経路から回転力を伝達するかを選択でき、作業用途が広がる。
また、噛み合い部61は、アンビル(先端工具保持部)44と一体に形成されている。このため、噛み合い部61と噛み合い部64とが、噛み合いと離脱とを繰り返しても、噛み合い部61が破損することを抑制できる。さらに、単一のレバー73を作業者が操作することにより、スライドギヤ29及びクラッチ66を中心線Cに沿った方向に移動させることができる。したがって、作業者が各モードを容易に切り替えることができる。
上記のスライドギヤ29、クラッチ66、第1スライド部材74及び第2スライド部材75、レバー73、第1カム部材78、第2カム部材79等が、本発明における切替機構に相当する。スライドギヤ29、クラッチ66が、本発明の切替部材に相当する。中間軸24が、本発明の回転部材に相当する。第1ギヤ31が本発明の第1伝達部材に相当し、第2ギヤ32が本発明の第2伝達部材に相当し、第3ギヤ33が本発明の第3伝達部材に相当する。ギヤ60、インパクトスリーブ58、ボール63、ハンマ62、噛み合い部61、弾性体65等が、本発明における第1の動力伝達経路に相当する。シリンダ20、スリーブ36、ギヤ40が、本発明の第2の動力伝達経路に相当する。運動変換機構53、ピストン49、ストライカ50、中間子52等が、本発明の第3の動力伝達経路に相当する。すなわち、電動工具10は複数の動力伝達経路を備えている。レバー73、第1カム部材78及び第2カム部材79が、本発明の操作部材に相当する。スライドギヤ29が、本発明の第1の移動部材に相当し、クラッチ66が、本発明の第2の移動部材に相当する。電動モータ12が、本発明のモータに相当する。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、先端工具は、対象物に破砕、はつり、穴あけ等の加工を施すビットの他、ねじ部材を締結するドライバビットでもよい。また、電動モータの回転軸の中心線は、シリンダ及び中間軸の中心線と平行であってもよいし、交差していてもよい。また、本発明の回転部材は、動力源としての電動モータの回転力、すなわち、トルクが伝達される回転要素であり、本発明の回転部材は、回転軸、ギヤ、プーリ、スプロケット、遊星歯車機構のキャリヤ等を含む。また、中間軸を軸方向に移動することでモードを切り替えるようにしてもよい。
10…電動工具、20…シリンダ、24…中間軸、29…スライドギヤ、31…第1ギヤ、32…第2ギヤ、33…第3ギヤ、36…スリーブ、40,60…ギヤ、45…先端工具、49…ピストン、50…ストライカ、52…中間子、53…運動変換機構、58…インパクトスリーブ、62…ハンマ、63…ボール、66…クラッチ、73…レバー、74…第1スライド部材、75…第2スライド部材、78…第1カム部材、79…第2カム部材、C…中心線。

Claims (11)

  1. 先端工具を保持し、回転部材の回転力を前記先端工具に伝達する電動工具であって、
    前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転方向の打撃力として伝達するインパクトモードと、
    前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転力及び回転方向の打撃力に変換することなく、前記先端工具の直動方向の打撃力として伝達するハンマモードと、
    を切り替え可能な、電動工具。
  2. 前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転方向の打撃力に変換することなく、前記先端工具に伝達するドリルモードを、単独で選択可能な、請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転力及び前記直動方向の打撃力として伝達するハンマドリルモードを、単独で選択可能な、請求項1に記載の電動工具。
  4. 前記先端工具を保持する筒形状のシリンダと、前記シリンダの外周側において前記シリンダの中心線と同心に設けられて前記中心線に沿った方向に移動可能なハンマと、を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動工具。
  5. 前記シリンダ内には、往復運動可能に設けられたピストンと、前記ピストンの往復運動により直動方向の打撃力を発生するストライカと、前記ストライカの打撃力を前記先端工具に伝達する中間子と、が設けられる、請求項4に記載の電動工具。
  6. 前記回転部材の回転力を、前記ハンマを介して回転方向の打撃力として前記先端工具に伝達する前記インパクトモードと、
    前記回転部材の回転力を、前記ピストン、前記ストライカ及び前記中間子を介して直動方向の打撃力として前記先端工具に伝達する前記ハンマモードと、
    を切り替え可能な、請求項5に記載の電動工具。
  7. 記回転部材の回転力を回転方向の打撃力に変換して前記先端工具に伝達する第1の動力伝達機構と、
    前記回転部材の回転力を前記回転方向の打撃力に変換することなく前記先端工具に伝達する第2の動力伝達機構と、
    前記回転部材の回転力を前記先端工具の回転力及び前記回転方向の打撃力に変換することなく直動方向の打撃力に変換して前記先端工具に伝達する第3の動力伝達機構と、
    前記回転部材の回転力を、前記第1の動力伝達機構に伝達する前記インパクトモードと、前記回転部材の回転力を、前記第2の動力伝達機構及び前記第3の動力伝達機構に伝達するハンマドリルモードとを切り替え可能な切替機構と、
    を有する、請求項1に記載の電動工具。
  8. 前記第1の動力伝達機構は、前記先端工具を内部に保持する筒形状のシリンダと、前記シリンダと相対回転可能であり、かつ、前記回転部材から回転力が伝達される第1従動ギヤと、前記第1従動ギヤの回転力を前記回転方向の打撃力に変換して前記シリンダに伝達するハンマと、を有し、
    前記第2の動力伝達機構は、前記回転部材から回転力が伝達されて前記シリンダと一体回転する第2従動ギヤを有し、
    前記第3の動力伝達機構は、前記シリンダ内に往復運動可能に設けられたピストンと、前記シリンダ内に設けられ、かつ、前記ピストンの往復運動により直動方向の打撃力を発生するストライカと、前記シリンダ内に設けられ、かつ、前記ストライカの打撃力を前記先端工具に伝達する中間子と、を有する、請求項7に記載の電動工具。
  9. 前記切替機構は、前記回転部材と一体回転し、かつ、前記回転部材の中心線に沿った方向に移動可能なクラッチと、前記回転部材に対して回転可能に、かつ、前記中心線に沿った方向に移動可能に設けられた筒部材と、前記筒部材の外周面に設けられ、かつ、前記第1従動ギヤ及び前記第2従動ギヤに選択的に噛み合う複数の駆動ギヤと、を有する、請求項8に記載の電動工具。
  10. 前記切替機構は、
    前記回転部材の回転力を前記第2の動力伝達機構に伝達する経路を接続する一方、前記回転部材の回転力を前記第1の動力伝達機構及び前記第3の動力伝達機構に伝達する経路を遮断するドリルモードと、
    前記回転部材の回転力を前記第1の動力伝達機構〜前記第3の動力伝達機構に伝達する経路を全て遮断するニュートラルモードと、
    前記回転部材の回転力を前記第3の動力伝達機構に伝達する経路を接続する一方、前記回転部材の回転力を前記第1の動力伝達機構及び前記第2の動力伝達機構に伝達する経路を遮断するハンマモードと、
    を切り替え可能である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の電動工具。
  11. 前記ドリルモード、前記ハンマモード及び前記ハンマドリルモードは、前記回転部材の回転力を前記回転方向の打撃力として前記先端工具に伝達しない、請求項10に記載の電動工具。
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