JP6068773B2

JP6068773B2 - 女性用衛生用品

Info

Publication number: JP6068773B2
Application number: JP2015081313A
Authority: JP
Inventors: 柯澤豪
Original assignee: 逢甲大學
Priority date: 2012-03-12
Filing date: 2015-04-11
Publication date: 2017-01-25
Anticipated expiration: 2033-01-18
Also published as: CN103300973B; US20130237933A1; TW201336483A; CN104940977A; DE102012111691A1; CN104940977B; JP5820553B2; GB201301579D0; TWI541010B; GB2500305B; JP2015147069A; GB2500305A; CN103300973A; JP2013188460A

Description

本発明は女性用衛生用品に関し、特に吸液性炭素基体及び貴金属を備え、異臭吸着及び殺菌の効果を有し、女性用生理用品の分野に適用できる女性用衛生用品に関する。

女性陰部の感染、炎症などの不具合な症状を膣炎と総称し、一般的な症状としては陰部痒み、赤く腫れ、痛み、灼熱感、異常分泌物の増加などが例示されている。このような症状を引き起こす原因は感染、アレルギー、スティミュラス、清潔でないこと、不適当な個人的な衛生習慣、膣内のＰＨ値の変化、菌叢の変化などが挙げられる。膣炎は一般に細菌性膣炎（約４０−５０％）とカンジダ菌膣炎（約２０−２５％）と膣トリコモナス感染（約１５−２０％）とに分けられ、更に、多重感染、蟯虫感染、或いは非感染性要因による膣炎などもある。

膣炎の予防は規律的なライフスタイル、バランスの取れた飲食、適切な膣洗い、良好な個人的な衛生習慣の養成、通気性の良い衣類を着用することなどによって、達成することができるが、夏季には、高温多湿で、仕事や勉強で忙しい現代女性にとって規律的なライフスタイルを保持するのが困難であり、それらによる膣感染が避け難い。また、女性の生理期間に常に使用されるナプキンが更に陰部に対して蒸し暑くてじめじめさせる重要な誘因であり、経血等の分泌物を吸着したナプキンはこのような蒸し暑くてじめじめした環境で更に微生物繁殖の温床となり、不快な匂いを生じるだけでなく、膣炎を誘発する可能性も高くなる。

膣炎の治療方法はベタジンで罨法することと、腰湯を使うことと、抗ウイルス剤、レーザーや冷凍手術、ペニシリン又はテトラサイクリンの抗生物質、膣坐薬、局所クリームで治療することなどが一般的である。アメリカ疾病予防管理センターが２００６年に公表した性病治療規準の中にも、細菌性とカンジダ菌膣炎を治療する時にメトロニダゾール（metronidazole）、ブトコナゾール（butoconazole）、クロトリマゾール（clotrimazole）、ミコナゾール（miconazole）或ナイスタチン（nystatin）等のゾール類薬を採用できることが指摘されている。

しかし、前記の治療方法はそれぞれ好ましくないところがある。例えば、抗生物質の服用は薬剤耐性菌の出現に繋がる可能性があり、膣坐薬と局所クリームでの治療では、患者本人の使用に不便があり、抗生物質や各種類の薬での治療では、治療クールは１０日間以上程長い場合があり、冷凍療法などの方法での治療も一回の治療では済まない。しかし膣感染症は、女性として最も頻繁に婦人科に相談する理由の一つであり、したがって前記治療方法の各欠陥は正に解決しようとする重要な課題である。

本発明の目的は、貴金属を担持した吸液性炭素基体、吸収体、表面層及びロープを備える女性用衛生用品を提供することにある。

本発明の他の目的は細菌性とカンジダ菌感染、かびや真菌類の膣炎を治療できる女性用衛生用品を提供することにある。

前記女性用衛生用品は、活性炭粉末、活性炭顆粒、竹炭粉末、活性炭繊維、天然黒鉛、膨張黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ及びそれらの組合により構成された群から選ばれる貴金属を担持した吸液性炭素基体を備える。且つ、前記貴金属は、水溶液の中でＣｕ＋又はＣｕ＋＋を放出できる銅酸化物及びＡｇ＋を放出できる銀粒子の組成物から選ばれ、主にＣｕの酸化物が水溶液或いは湿っぽい環境で放出したＣｕ＋又はＣｕ＋＋を利用してかびや真菌を抑制し、及び、銀粒子が水溶液或いは湿っぽい環境で放出したＡｇ＋を利用して殺菌し、それによって、女性の膣に対する保健效果を達成し、且つ膣内傷口の治療効能を促進する。

吸液性炭素基体における貴金属は銅酸化物と銀粒子のほかに、抗菌及びかびや真菌に対する抵抗力を強化するため、更にＡｕ、Ｐｄ、Ｐｔ、Ｚｎ、Ｍｎ、Ｃｏ、Ａｌ、Ｎｉ、Ｓｉ、Ｃａ、Ｔｉ、Ｃｒなど及びそれらの組合により構成された群を添加することができ、この組成物は需要によって他の治療活性成分を更に含んでも良い。

本発明の吸液性炭素基体は、ブルナウアー‐エメット‐テラー（Brunauer−Emmett−Teller、ＢＥＴ）法によって求められる、比表面積が４００ｍ２／ｇ以上であり、真密度が１．６ｇ／ｍｌ以上であり、炭素元素の含有量が７５ｗｔ％以上であり、酸素の含有量が０．１〜２５ｗｔ％であり、ＢＥＴ法によって算出した平均孔径が０．５〜１０ｎｍであることを特徴とする。吸液性炭素基体の形態は布、非織布、紙、フェルト及びその組合である。吸液性炭素基体における貴金属の平均粒径は２０００ｎｍ以下であり、好ましくは５００ｎｍ以下であり、その含有量が炭素基体の５ｗｔ％以下であり、好ましくは炭素基体の１ｗｔ％以下である。

女性用衛生用品の液吸収容量を増加するため、吸液性炭素質基材の内層に更に少なくとも一つの高吸水性高分子重合体を含む吸収体或いは天然繊維高吸水性天然繊維、例えば、綿、麻、ウール、木質再生綿、人造繊維など及びその組合を添加しても良い。

本発明は女性用生理用品の分野に適用でき、微生物や真菌の繁殖を防ぐことができるので、女性の生理期間における膣感染のリスクを下げ、生じやすい異臭も吸着、除去できる。また、本発明の抗菌衛生用品は無薬物成分の状態で、抗微生物および抗真菌の効果を達成できるため、微生物や真菌の薬剤に対する抵抗性の発生を避けることができ、更に薬に対して懸念のある女性(例えば、妊娠中の女性や、薬物アレルギーの女性など)が膣炎治療における薬選択の不便とリスクを克服することができる。

また実際の需要に応じて、本発明の女性用衛生用品は微生物、真菌及びかびに対する抵抗力を強化するように、更に活性治療成分を含んでも良い。該活性治療成分はメトロニダゾール（metronidazole）、クリンダマイシン（clindamycin）、ブトコナゾール（butoconazole）、クロトリマゾール（clotrimazole）、ミコナゾール（miconazole）、ナイスタチン（nystatin）、チオコナゾール（tioconazole）、テルコナゾール（terconazole）、エコナゾール（econazole）などであるが、それらに限定されるものではない。

本発明に係わる女性用衛生用品は、出産後の女性の、産道及びその周辺組織に適用し、その出産による傷口の迅速な治癒を促進する。

本発明に係わる吸液性炭素基体は、活性炭繊維、多孔性黒鉛及びその組合であるのが好ましい。活性炭繊維は、高い吸着力及びバン・デ・ワール力等の作用力を有するため、微生物を該吸液性炭素基体に効果的に吸着でき、それにより、該吸液性炭素基体に担持された貴金属の、微生物、真菌及びかびに対する抵抗力をよりよく発揮させ、貴金属の微生物や真菌に対する抵抗力により微生物や真菌の存在を減少するため、感染の発生率を低下させ、異臭発生の可能性を減らす一方、更に生じた異臭や分泌物などを吸液性炭素基体と吸収体に吸着して異臭を除去することができる。

また、元々膣内に存在した微生物、真菌、かび及び分泌物等が前記吸液性炭素基体と吸収体に吸着されるため、該吸液性炭素基体と吸収体が取り出されるとき、これらの微生物、真菌、かび及び分泌物等を膣内から取り除くことができ、それによって、感染の可能性を低下させ、感染の症状を緩和し、更に異臭の発生も避けられる。

その他、該女性用衛生用品を女性出産後の産道及びその周辺組織の傷口に適用されると、前記特徴により、創傷潰瘍、炎症を起こしにくく、且つその微生物や真菌に対する抵抗力によって、傷口感染の可能性を低下し、傷口の迅速且つ良好な治癒を促進することができる。

本発明の女性用衛生用品の１つの実施例を示す図である。本発明の女性用衛生用品の他の実施例を示す図である。本発明の女性用衛生用品の更に他の実施例を示す図である。本発明の女性用衛生用品のもう１つの実施例を示す図である。本発明の女性用衛生用品のもう１つの実施例を示す図である。

本発明の女性用衛生用品は、吸収体（３００）、該吸収体（３００）の外に包覆された吸液性炭素基体（２００）、表面層（１００）及びロープ（４００）を備え、且つ該女性用衛生用品は柱状又は帯状とすることができる。

その中、該吸液性炭素基体（２００）は、柔軟性黒鉛、膨張黒鉛、及びその組合であるのが好ましいが、それに限定されるものではない。該吸液性炭素基体（２００）の形態は、活性炭紙、竹炭粉末紙、活性炭繊維布、活性炭繊維紙、活性炭繊維フェルト及びその組合であるが、それに限定されていない。コストを削減するため、該吸液性炭素基体（２００）は更に天然繊維や人造繊維と混合して非織物、不織布或いは紙の形態に作っても良い。

該吸液性炭素基体（２００）に貴金属（２０１）が担持され、該貴金属（２０１）は水溶液の中でＣｕ＋又はＣｕ＋＋を放出できる銅酸化物及びＡｇ＋を放出できる銀粒子であり、及び、Ａｕ、Ｐｄ、Ｐｔ、Ａｌ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｚｎ及びその組合であっても良いが、それに限定されない、好ましいのはＺｎやＺｎの化合物である。ＺｎイオンやＺｎの化合物は、とても良好な抗菌力と真菌に対する抵抗力とを有し、例えば、細菌の細胞構造を壊すか過酸化水素を生成することにより殺菌の効果を達することができる。

該吸収体（３００）は、該吸液性炭素基体（２００）の材質と同じであってもよいが、コスト削減のため、活性炭繊維布、活性炭繊維紙、活性炭繊維フェルト及びその組合であっても良く、更に、該吸収体（３００）に、綿、麻、ウールである高吸收性天然繊維や人造繊維素繊維や高吸水性高分子重合体及びその組合を混合し、充填してもいい。

本発明の女性用衛生用品における該表面層（１００）は、液透過性を有する不織布、多孔性プラスチックフィルムのＰＥ又はＰＥＴ、スパンレース法やニードルバンチ法による不織布、及びその組合を採用してもいい。

本発明の女性用衛生用品における該ロープ（４００）は下記の方法で該吸収体（３００）と結合することができるが、特にそれに限定されない。該ロープ（４００）を該吸収体（３００）の内部に設けて、該ロープ（４００）を該吸収体（３００）の内部に縫い付け、該（４００）ロープを、該吸収体（３００）の一端を突き抜け、且つ該ロープ（４００）の脱落を防ぐために結び目をつける。

本発明の女性用衛生用品はさらに、殺菌効果を強化するように、需要に応じて治療成分を添加してもいい。該活性治療成分はメトロニダゾール（metronidazole）、クリンダマイシン（clindamycin）、ブトコナゾール（butoconazole）、クロトリマゾール（clotrimazole）、ミコナゾール（miconazole）、ナイスタチン（nystatin）、チオコナゾール（tioconazole）、テルコナゾール（terconazole）、エコナゾール（econazole）、エリスロマイシン（erythromycin）、テトラサイクリン（tetracycline）、クリンダマイシン（clindamycin）、セファロスポリン（cephalosporin）、アクリゾルシン（acrisorcin）、ハロプロジン（haloprogin）、ヨードクロルヒドロキシキン（iodochlorhydroxyquin）、トルナフテート（tolnaftate）、トリアセチン（triacetin）、センテラアジアチカ（centella asiatica）、硝酸エコナゾール（econazole nitrate）、マフェニド（mafenide）、ムピロシン（mupirocin）、ポビドンヨード（povidone iodine）などが挙げられるが、それに限定されない。

本発明では、該貴金属（２０１）が幾つかの方式とパターンで該吸液性炭素基体（２００）に担持されることができる。以下、一例だけを挙げてその担持方式を説明する。

Ｃｕ、Ａｇ、Ｚｎ等の貴金属イオンを該吸液性炭素基体（２００）に担持しょうとする場合、まず活性炭繊維布を用意し、該活性炭繊維布を濃度が１ｍｏｌ（ｍｏｌｅ）の硝酸銅及び硝酸銀溶液に浸し、銅及び銀粒子が活性炭繊維に付着し、且つこの時のｐＨ値が３−８の区間にあるように、１−７２０分間浸した後、活性炭繊維布を乾燥する。

次に、銅及び銀粒子が担持された活性炭繊維布を１２０−８００度の高温炉に置いて処理する。処理時間は５−１２０分間であり、それによって、銅及び銀粒子を５００ｎｍよりも小さい状態で炭素繊維布に均一に分布し、その後、活性炭繊維の表面にある余分な銅及び銀粒子を水で洗って除去し、また、該活性炭繊維布をベークして、ナノスケールの銅及び銀粒子を担持した活性炭繊維布が得られる。該表面層（１００）或いは該吸液性炭素基体（２００）に金属顆粒を担持する方式は金属めっき層や電気化学の方式を採用しても良い。

本発明に係わる該貴金属（２０１）を担持した該吸液性炭素基体（２００）では、該貴金属（２０１）は銅及び銀粒子であり、その顆粒粒径が５００ｎｍ以下であることが好ましい。該吸液性炭素基体（２００）に該貴金属（２０１）を添加することで、微生物や真菌に対する抵抗力を更に向上させることができる。

以下は該貴金属（２０１）である銅及び銀を該吸液性炭素基体（２００）に添加する例を、本発明の好ましい実施例として、実験で得たデータに合わせて本発明の微生物や真菌に対する抵抗力を、例を挙げて説明する。実験データは本発明者の提供した関連材料に対して検出し得られた検査報告であり、その検出方法、採用された微生物及びその結果データは以下のように示される。

以下の実施例では、得られた製品に対し、以下の装置と方法を採用してその金属含有量を検出し、且つ炭素材料の表面を観察する。

一、金属含有量テスト
装置：
ａ．マイクロ波硝化システム（Microwave Lab Station）。
ｂ．ＩＣＰ発光分光分析装置（Inductively Coupled Plasma Optima Optical Emission Spectrometer、ＩＣＰ−ＯＥＳ）。
テスト方法：
１．ベークされた金属担持の炭素材料を５０ｍｇ〜８０ｍｇ取り、マイクロ波硝化ボトルに置いて、１ｍｌの塩酸、５ｍｌの硫酸、１ｍｌのフッ化水素酸及び１ｍｌの硝酸からなる硝化液を加え、硝化液を添加した後、硝化ボトルを密封する。
２．硝化ボトル（少なくとも４本）をマイクロ波硝化機に対称的に置いて、硝化を行う。
３．マイクロ波硝化を完成した後、そのまま３〜４時間置いて、室温まで温度を下げた時、硝化ボトルを取り出す。
４．４０号のフィルターペーパーで硝化液を濾過し、濾液をポリプロピレン遠心瓶に注入し、脱イオン水で５０ｍｌまで定量し、続いて冷蔵室に置いて冷蔵する。
５．検量線として、ＩＣＰ−ＯＥＳ専用の金属標準液０ｐｐｍ、０．０５ｐｐｍ、０．１ｐｐｍ、０．５ｐｐｍ、１ｐｐｍ、３ｐｐｍ及び５ｐｐｍを用意する。
６．ＩＣＰ−ＯＥＳで測定しようとする溶液を計測し、サンプル毎に３〜５回計測し、平均値を取り、その後のテスト結果を影響しないように計測した度に希硝酸及び脱イオン水で交互に数分間洗浄する。

二、炭素材料表面観察
装置：
冷陰極電界放射走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型分光計（Cold Field Emission Scanning Electron Microscope and Energy Dispersive Spectrometer）。
テスト方法：
炭素テープで適当なサイズの金属担持の炭素材料をステージ（直径２．５ｃｍ）に固定し、８０℃の加熱プレートに置いて１時間ベークする。１０〜１５ｋｖの加速電圧を利用し、５０００〜４０００００倍の拡大倍率で炭素材料の表面を観察する。金属を担持する炭素材料の表面形態を観察するので、金メッキはしない。

三、密度
装置：真密度計（Accupyc 1330 Pycnometwr）
方法：べークされたサンプルを真密度計の容器内に入れ、且つサンプルの重量を測り、真密度計内に高圧ヘリウムガスを導入し、平衡状態に達した後で、理想気体の状態方程式（ＰＶ＝ｎＲＴ）によってサンプルの体積を算出でき、それによってサンプル密度の平均値が得られる。

四、比表面積（ＢＥＴ）分析
装置：比表面積測定装置（Micromeritics ASAP2020）
テスト方法：サンプルを高温（３６０℃）で真空にした（Ｄｅｇａｓを行なう）後、吸着気体（窒素ガス）を充填し、実験温度と圧力をそれぞれ７７Ｋと７６０ｍｍ−Ｈｇに固定する。

活性炭繊維布（ＢＥＴ値が１０５０ｍ^２／ｇである）を原料とし、該活性炭繊維布を０．０１Ｍの硝酸銀と硝酸銅の水溶液に含浸するとともに５０ｒｐｍの回転速で１時間攪拌し、その後脱水し、且つ１２０℃でベークして水相を除去する。

含浸された活性炭繊維布を窒素ガスの雰囲気で、４℃／分の昇温速度で、室温から６００℃まで昇温した後、１分間熱分解して、そして１０℃／分の冷却速度で室温まで温度を下げる。

続いて２時間水洗し、そして１２０℃で２時間ベークして最終製品を得る。

前記計測方法に基づき、テストを行った。その結果、得られた生成物の銀含有量は総重量の０．０６重量％を占め、且つ活性炭繊維における銀粒子がナノスケールであり、その大きさが約１０〜５０ｎｍであり、銅含有量が総重量の０．０５重量％を占め、かつ活性炭繊維における銅顆粒がナノスケールであり、その大きさが約１００〜５００ｎｍであることを示した。

銅及び銀粒子を担持した活性炭繊維布は、その真密度が２．０８ｇ／ｃｍ^３であり、炭素含有量が８５．５ｗｔ％であり、酸素含有量が１０．４ｗｔ％であり、ＢＥＴ比表面積が１０３２ｍ^２／ｇである。

前記銀及び銅を担持した活性炭繊維布で製造された女性用衛生用品は、その表面層（１００）が多孔性ＰＥ膜であり、医療グレードのアクリル系接着剤を介して前記表面層（１００）と銀及び銅を担持した活性炭繊維布とを張り合わせ、該吸収体（３００）はフェノール系活性炭繊維フェルトを採用した。

前記組合により構成された女性用衛生用品に対して抗菌テストを行った。

フェノール系活性炭繊維フェルト（ＢＥＴ値が１４２０ｍ^２／ｇである）を原料とし、実施例１と同じようなプロセスで製造する。テスト結果は、得られた生成物の銀含有量が総重量の０．０７重量％を占め、且つ銀粒子の大きさが約５０〜２００ｎｍであり、銅含有量が総重量の０．０４重量％を占め、かつ活性炭繊維における銅顆粒がナノスケールであり、その大きさが約１００〜５００ｎｍであることを示した。

銅及び銀粒子を担持した活性炭繊維フェルトは、その真密度が２．０４ｇ／ｃｍ^３であり、炭素含有量が８５．８ｗｔ％であり、酸素含有量が１３．２ｗｔ％であり、ＢＥＴ比表面積が１３８０ｍ^２／ｇである。

前記銅及び銀粒子を担持した活性炭繊維フェルトで実施例１のような女性用衛生用品を製造した。

耐火繊維フェルトを８００℃で、水蒸気で１０分間活性化し、製造されたポリアクリロニトリル系活性炭繊維フェルト（ＢＥＴ値が６３２ｍ^２／ｇである）を原料とし、真空状態で０．０１Ｍの硝酸銀と硝酸銅の水溶液に５時間含浸する。その後、脱水し、かつ１２０℃で２時間ベークして水相を除去する。

含浸された活性炭繊維フェルトを窒素ガス充填の４００℃の高温炉に置いて、９０分間熱分解する。続いて、該銀を担持した活性炭繊維フェルトを４．５Ｌ／分の水流で３時間水洗し、そして１２０℃で２時間ベークして最終製品を得る。

テストの結果は、得られた生成物の銀含有量が総重量の０．０４重量％を占め、且つ銀粒子の大きさが約５０〜２００ｎｍであり、銅含有量が総重量の０．０２重量％を占め、かつ活性炭繊維における銅顆粒がナノスケールであり、その大きさが約１００〜５００ｎｍであることを示した。

銅及び銀粒子を担持した活性炭繊維フェルトは、その真密度が１．９３ｇ／ｃｍ^３であり、炭素含有量が８６．０ｗｔ％であり、酸素含有量が１０．３ｗｔ％であり、ＢＥＴ比表面積が５８９ｍ^２／ｇである。

[比較実施例１]
活性炭繊維布（ＢＥＴ値が１０５０ｍ^２／ｇである）を原料とし、該活性炭繊維布を０．０１Ｍの硝酸銀水溶液に含浸するとともに５０ｒｐｍの回転速で２時間攪拌する。その後、脱水し、且つ１２０℃でベークして水相を除去した。

含浸された活性炭繊維布を窒素ガスの雰囲気で、４℃／分の昇温速度で室温から６００℃まで昇温した後、１分間熱分解して、そして１０℃／分の冷却速度で室温まで温度を下げる。

前記計測方法に基づき、テストを行い、その結果、得られた生成物の銀含有量が総重量の０．１０重量％を占め、且つ活性炭繊維における銀粒子がナノスケールであり、その大きさが約１０〜５０ｎｍであることを示した。

銀粒子を担持した活性炭繊維布は、その真密度が２．０７ｇ／ｃｍ^３であり、炭素含有量が８５．６ｗｔ％であり、酸素含有量が１０．５ｗｔ％であり、ＢＥＴ比表面積が１０３６ｍ^２／ｇである。

前記銀粒子を担持した活性炭繊維フェルトで実施例１のような女性用衛生用品を製造した。

[比較実施例２]
活性炭繊維布（ＢＥＴ値が１０５０ｍ^２／ｇである）を原料とし、該活性炭繊維布を０．０１Ｍの硝酸銀水溶液に含浸するとともに５０ｒｐｍの回転速で５時間攪拌する。その後、脱水し、且つ１２０℃でベークして水相を除去する。

続いて２時間水洗し、そして１２０℃で２時間ベークして最終製品を得る。前記計測方法に基づき、テストを行い、その結果、得られた生成物の銅含有量が総重量の０．１８重量％を占め、且つ活性炭繊維における銅粒子がナノスケールであり、その大きさが約１００〜５００ｎｍであることを示した。

銅粒子を担持した活性炭繊維布は、その真密度が２．０８ｇ／ｃｍ^３であり、炭素含有量が８５．３ｗｔ％であり、酸素含有量が１０．６ｗｔ％であり、ＢＥＴ比表面積が１０３２ｍ^２／ｇである。

前記銅粒子を担持した活性炭繊維布で実施例１のような女性用衛生用品を製造した。

[比較実施例３]
活性炭繊維布（ＢＥＴ値が１０５０ｍ^２／ｇである）を原料とし、その真密度が２．０７ｇ／ｃｍ^３であり、炭素含有量が８５．０ｗｔ％であり、酸素含有量が１０．３ｗｔ％である。

前記活性炭繊維布で女性用衛生用品を製造した。その表面層（１００）は多孔性ＰＥ膜であり、医療グレードのアクリル系接着剤を介して前記表面層（１００）と活性炭繊維布とを張り合わせ、該吸収体（３００）はフェノール系活性炭繊維フェルトを採用した。

前記組合により構成された女性用衛生用品に対して実施例１のように抗菌テストを行った。

注．振動接触後の菌濃度（Ａ）：サンプル組が１時間振動接触後の菌濃度である。
最初の菌濃度（Ｂ）：菌液が１分間振動後の菌濃度である。
減菌率Ｒ（％）：１００（Ｂ−Ａ）／Ｂ＝Ｒ。
注．２．０Ｅ＋２が２００を示し、１．３Ｅ＋４が１３０００を示し、他はこれに従って類推すればよい。
注．サンプルの各検体の重量は０．１ｇである。

注．最初の菌数（Ｂ）：テストサンプルと標準サンプルがそれぞれ菌液に接触すると（培養時間０秒である）すぐに洗い流した菌数であり、前記二つのサンプルが顕著な違いがない場合、平均値を求め、数値の違いがある場合、数値がより大きいデータを採用した。
培養後の菌数（Ａ）：テストサンプルを３７℃で１８−２４時間培養後の菌数である。
減菌率Ｒ（％）：１００（Ｂ−Ａ）／Ｂ＝Ｒ。
注．２．０Ｅ＋２が２００を示し、１．３Ｅ＋４が１３０００を示し、他はこれにしたがって類推すればよい。
注．減菌率の値が０＜Ｒ≦１００である場合、減菌效果を有することを示す。
減菌率Ｒ（％）の値が０より小さい場合、減菌效果のないことを示す。

注．振動接触後の菌濃度（Ａ）：サンプル組が１時間振動接触後の菌濃度。
最初の菌濃度（Ｂ）：菌液が１分間振動後の菌濃度。
減菌率Ｒ（％）：１００（Ｂ−Ａ）／Ｂ＝Ｒ。
注．２．０Ｅ＋２が２００を示し、１．３Ｅ＋４が１３０００を示し、他はこれに従って類推すればよい。
注．サンプルの各検体の重量が０．２ｇである。

膣炎の最も一般的な原因はかびに属するカンジダアルビカンス感染である。カンジダ菌感染の最もよくある症状は膣や外陰部の極度の痒み、小便時の痛みや頻尿、且つ白く濃い分泌物を有することである。表１がカンジダアルビカンスの検出結果であり、比較実施例１の銀顆粒を担持した活性炭繊維布の場合は、その滅菌率が８８．３６％であり、比較実施例２の銅顆粒を担持した活性炭繊維布の場合は、その滅菌率が９５．４５％であり、実施例１、２及び３のような銀と銅顆粒を担持した活性炭繊維の場合はその滅菌率が９９．９％以上であり、カンジダアルビカンスの殺滅に絶対的な效果を有する。

この検出結果から、活性炭繊維布に銅及び銀粒子をともに担持したものはカンジダアルビカンスに対する殺菌效果が銅顆粒だけを担持した活性炭繊維布より大きく、銅だけを担持した炭素基材の殺菌效果が銀粒子だけを担持した活性炭繊維より大きいということが判明した。

黄色ブドウ球菌は各種の化膿性感染、尿路感染、及び女性が生理期間で、膣感染で引き起こした中毒性ショック症候群を誘発する原因である。表２及び表３が黄色ブドウ球菌に関する検出結果である。実施例１及び２では、活性炭繊維布は銅と銀粒子をともに担持し、絶対的な殺菌效果を有することを示した。

肺炎桿菌は免疫系に欠陥のある患者に対し、肝膿瘍、尿道感染、敗血症や脳膜炎などの症状をよく引き起こす。表２における肺炎桿菌のテスト結果から、銀及び銅顆粒を担持した活性炭繊維布は完全な殺菌效果を有することを示した。

大腸桿菌は人体腸内の正常な菌種でありながら、人体に進入すると各種の感染、例えば急性胃腸炎、尿路感染、脳膜炎及び肺炎等を引き起こす。表４が大腸桿菌の検出結果であり、銀及び銅顆粒を担持した活性炭繊維は完全な殺菌率を有する。

前記各種の殺菌テストから、銀及び銅顆粒をともに担持した活性炭繊維はかびに対しても、細菌に対しても、その殺菌効果が銅顆粒だけを担持した活性炭繊維よりも、銀粒子だけを担持した活性炭繊維或いは活性炭繊維よりも、ともに優れていることが判明した。

本発明の実施方法をさらに詳しく説明するため、以下、図面を参考して本発明の実施例を説明する。しかし、図面は実施例の説明のための参考用であり、実際の寸法に従って描かれたものではない。

図１は本発明の女性用衛生用品の一実施例の断面図である。該女性用衛生用品は表面層（１００）、貴金属（２０１）を担持した吸液性炭素基体（２００）、高吸水性高分子重合体（３０１）を有する吸収体（３００）、及び該吸収体（３００）に接続されたロープ（４００）を備える。

そのうち、該表面層（１００）は多孔性であり、液体が該表面層（１００）を通して該吸液性炭素基体（２００）に入ることができる。該吸液性炭素基体（２００）の好ましい材料は多孔性黒鉛、及びその組合であり、該吸液性炭素基体（２００）の好ましい形態は活性炭繊維である。

該女性用衛生用品の使用方法は、該吸収体（３００）を女性の膣内に置いて、且つ該ロープ（４００）を陰道口から体外へ垂らす。該女性用衛生用品を取り除きたいときは、該ロープ（４００）を握って、体外の方向へ引き抜くだけで、該吸収体（３００）を体外に移動して捨てることができる。該吸収体（３００）は更に炭素材料、炭素と天然繊維、人造繊維の混紡、抗菌性天然繊維や人造繊維を使用してもいい。

図２は本発明の女性用衛生用品の他の実施例の断面図である。該女性用衛生用品は表面層（１００）、貴金属（２０１）を担持した吸液性炭素基体（２００）、高吸水性高分子重合体（３０１）を有する吸収体（３００）、及び該吸収体（３００）に接続されたロープ（４００）を備える。そのうち、該表面層（１００）に、該表面層（１００）を流れる液体を誘導するためのチャンネル（１０１）が設けられる。該吸液性炭素基体（２００）は該吸収体（３００）の一部分を包覆し、該吸液性炭素基体（２００）が該吸収体（３００）の全体を包覆することはない。

図３は本発明の女性用衛生用品の更に他の実施例の断面図である。該女性用衛生用品は表面層（１００）、貴金属（２０１）を担持した吸液性炭素基体（２００）、高吸水性高分子重合体（３０１）を有する吸収体（３００）、及び該吸収体（３００）に接続されたロープ（４００）を備える。そのうち、該表面層（１００）に該表面層（１００）の液体に対する透過性を強化するため、孔（１０２）が設けられている。

図４ａと図４ｂは本発明の女性用衛生用品のもう１つの実施例の断面図である。図４ａで示したように、該女性用衛生用品は表面層（１００）と、貴金属（２０１）を担持し、且つ中空の螺子軌道（２０２）を有する吸液性炭素基体（２００）と、高吸水性高分子重合体（３０１）を有し、且つ突出したボルト（３０２）が設けられた吸収体（３００）と、該吸収体（３００）に接続されたロープ（４００）とを備える。該貴金属（２０１）を担持し且つ中空の螺子軌道（２０２）を有する吸液性炭素基体（２００）は単独で使用してもいいし、該吸収体（３００）におけるボルト（３０２）により該吸液性炭素基体（２００）を該吸収体（３００）と結合して一緒に使用してもよく、ユーザーが状況に応じて図４ｂのように自分でその使用形態を選定する事ができる。例えば、非生理期間で使用する場合、ユーザーが該吸液性炭素基体（２００）を単独で使用し、生理期間の場合は該吸液性炭素基体（２００）を該吸収体（３００）と結合して一緒に使用することができる。

また、該ボルト（３０２）の末端は更に角錐状となっていても良い。該中空の螺子軌道（２０２）の対応端に対応した角錐状空腔を設け、それによって、該ボルト（３０２）を該中空の螺子軌道（２０２）と更に緊密に結合する。該吸収体（３００）と該吸液性炭素基体（２００）とが分離しにくくなり、使用しやすい。

該吸液性炭素基体（２００）の好ましい材料は、多孔性黒鉛、及びその組合であり、該吸液性炭素基体（２００）の好ましい形態は活性炭繊維である。

該女性用衛生用品の使用方法は、該吸収体（３００）を女性の膣内に置いて、且つ該ロープ（４００）を陰道口から体外へ垂らす。該女性用衛生用品を取り除きたいときは、該ロープ（４００）を握って、体外の方向へ引き抜くだけで、該吸収体（３００）を体外に移動して捨てることができる。

本発明は上記のように説明されているが、これに限定されるものではなく、当業者は本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく変更及び修正を行うことができるので、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づく。

１００表面層
１０１チャンネル
１０２孔
２００吸液性炭素基体
２０１貴金属
２０２螺子軌道
３００吸収体
３０１高吸水性高分子重合体
４００ロープ

Claims

中空の螺子軌道を有する吸液性炭素基体と、
少なくとも一部分の少なくとも１つの前記吸液性炭素基体に担持された少なくとも２種類の貴金属であって、前記少なくとも２種類の貴金属はＡｇ，Ａｕ、Ｐｄ、Ｐｔ、Ｃｕ，Ａｌ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｚｎ、Ｚｎの化合物、Ｓｉ、Ｃａ、Ｔｉ、Ｃｒ及びその組合せであり、前記少なくとも２種類の貴金属はＡｇとＣｕとを含み、前記ＡｇとＣｕとは少なくとも１つの吸液性炭素基体の１ｗｔ％以下の含有量であり、前記Ｃｕの粒径は１００乃至５００ｎｍであり、前記Ａｇの粒径は１０乃至２００ｎｍであるものと、
少なくとも一部分の前記吸液性炭素基体の外に包覆された表面層と
を備える女性用衛生用品であって、
当該女性用衛生用品はさらに吸収体を備え、前記吸収体の中や表面には更に貴金属を担持し
前記貴金属はＡｇ、Ｃｕ及びそれらの組合せであり、
前記吸収体には突出したボルトが設けられ、前記ボルトの螺子が前記吸液性炭素基体における中空螺子軌道と対応し、ユーザーが必要に応じて前記吸収体を前記ボルトにより前記吸液性炭素基体と結合することができる、
女性用衛生用品。
前記貴金属のうち、前記Ａｇの粒径は５０乃至２００ｎｍであり、前記Ｃｕの粒径は１００乃至５００ｎｍである、請求項１に記載の女性用衛生用品。