JP4090927B2 - 生理用タンポン - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用タンポンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、膣内に挿入して経血等の体液を吸収・保持する生理用タンポンが知られている。
この生理用タンポンとして、レーヨンや綿等の繊維からなる吸収体を圧縮した状態でアプリケーターに収めたアプリケーター付き生理用タンポンが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、上記アプリケーター付き生理用タンポンの場合、例えば、図8(a)に示すように、吸収体101は略平板状に形成されているものが一般的となっており、図8(b)及び図8(c)に示すように、吸収体101が折り畳まれて略円柱状となるように圧縮され、略円筒状のアプリケーター102に収容されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−117283号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、膣内に挿入された吸収体は、経血の吸収によって、当該吸収体の先端部から次第に膨張していくこととなる。即ち、上記特許文献1等の場合、例えば、図9に示すように、膣B内に挿入された吸収体101は、その先端部から、経血の吸収により膨張していって平板状に戻るように変形するため、吸収体101の挿入状態によっては当該吸収体101の外面と膣Bの内面とに隙間が形成されてしまうという問題があった。
また、吸収体は、経血の吸収によって、その先端部の方から膨張するため、先端部が後端部側に比べて太くなることとなって、当該吸収体の後端部側に、吸収体の外面と膣の内面とに隙間が形成されてしまうこととなる。
従って、前記吸収体の外面と膣の内面との隙間に起因して、膣内から経血が漏れてしまうという問題があった。
【0005】
また、吸収体の先端部側が後端部側に比べて太くなるように膨張すると、経血が吸収体の後端部まで到達されにくくなって、当該吸収体による経血の吸収効率が低下してしまうといった問題もあり、このことも、膣内からの経血の漏れの一要因となっている。
【0006】
本発明の課題は、吸収体による体液の吸収効率を向上させ、膣内からの体液の漏れを防止することができる生理用タンポンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜図5に示すように、
液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体(201)を有する生理用タンポン(200)であって、
前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部(1a)の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部に対して当該後端部よりも先端部(1b)側の部分が細くなるように圧縮成形され、前記先端部と前記後端部との間に、後端部側より先端部側が細くなるように捻られた捻れ部(例えば、後端部側捻れ部212等)が少なくとも一つ設けられていることを特徴としている。
【0008】
ここで、吸収体の圧縮成形前における後端部の外形が略円形状であるとは、膣に対し作用する力によって当該膣の内部の形状が変化しても、膣の膣口近傍における内面と吸収体の外面との密着性を損なうことがないように、前記内面の形状の変化に追随し易い形状であって、円形状のみならず、円に近い多角形状なども含まれるものとする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、吸収体は、後端部に対して後端部よりも先端部側の部分が細くなるように圧縮成形されているので、体液の吸収に伴って、直ちに前記先端部が前記後端部よりも太くなるように膨張するといったことが防止され、体液がより後端部まで到達し易くなることとなって、吸収体による体液の吸収効率を向上させることができる。また、吸収体は、圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされているので、当該吸収体の外面と膣の膣口近傍の内面との密着性を高めることができる。
従って、膣内から排出された体液を吸収体にてより確実に吸収できるとともに、膣内からの体液の漏れを防止することができる。
また、吸収体は、前記先端部と前記後端部との間に、後端部側より先端部側が細くなるように捻られた捻れ部が少なくとも一つ設けられている。従って、捻れ部により、体液との接触面積が拡大することとなって、体液の吸収速度を速くすることができる。
また、捻れが戻る際に、吸収体が膣内にて拡がり易くなって、吸収した体液の吸収体の内部における拡散性も向上させることができるとともに、膣の内面に密着し易くなる。
さらに、前記捻れ部を二つ以上設けた場合には、複数の捻れ部の各々にて体液を段階的に吸収することができることとなって、体液の吸収を効果的に行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、例えば、図1に示すように、
液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体(1)を有する生理用タンポン(100)であって、
前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部(1a)の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部から先端部(1b)に向かって、漸次、細くなるように捻られて圧縮成形されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、吸収体は、後端部から先端部に向かって、漸次、細くなるように捻られて圧縮成形されているので、体液の吸収に伴って、直ちに前記先端部が前記後端部よりも太くなるように膨張するといったことが防止され、体液がより後端部まで到達し易くなることとなって、吸収体による体液の吸収効率を向上させることができる。また、吸収体は、圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされているので、当該吸収体の外面と膣の膣口近傍の内面との密着性を高めることができる。
さらに、吸収体に形成された捻れによって、体液との接触面積が拡大することとなって、体液の吸収速度を速くすることができる。
また、捻れが戻る際に吸収体が膣内にて拡がり易くなって、吸収した体液の吸収体の内部における拡散性も向上させることができるとともに、膣の内面に密着し易くなる。
従って、膣内から排出された体液を吸収体にてより確実に吸収できるとともに、膣内からの体液の漏れを防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の生理用タンポンにおいて、
前記吸収体は、高吸水性樹脂を含んで構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、吸収体は、高吸水性樹脂を含んで構成されているので、一旦吸収した体液を確実に保持することができる。従って、吸収体の内部にて、吸収された体液が膣圧や重力等に起因して先端部側から後端部側に移動してしまうといったことを防止することができ、吸収体による体液の吸収・保持を効果的に行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、例えば、図1〜図3等に示すように、請求項1〜3の何れか一項に記載の生理用タンポンにおいて、
前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口(21a)から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーター(2)を備え、
前記アプリケーターは、後端部から先端部(21c)に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
前記アプリケーターの前記先端部は、前記吸収体が前記通過口を通過する際に弾性変形する伸縮材料から構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、例えば、図1〜図3等に示すように、
液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体(201)を有する生理用タンポン(200)であって、
前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部(1a)の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部に対して当該後端部よりも先端部(1b)側の部分が細くなるように圧縮成形されており、
前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口(21a)から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーター(2)を備え、
前記アプリケーターは、後端部から先端部(21c)に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
前記アプリケーターの前記先端部は、前記吸収体が前記通過口を通過する際に弾性変形する伸縮材料から構成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項4及び請求項5に記載の発明によれば、吸収体を収容するアプリケーターの先端部は、吸収体が通過口を通過する際に弾性変形する伸縮材料から構成されているので、膣内に吸収体を挿入する際に、アプリケーターの先端部が弾性変形することで前記吸収体の通過を容易なものとすることができ、吸収体を膣内に容易に挿入することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、例えば、図1〜図3等に示すように、請求項1〜3の何れか一項に記載の生理用タンポンにおいて、
前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口(21a)から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーター(4)を備え、
前記アプリケーターは、後端部から先端部(41c)に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
前記アプリケーターには、前記通過口に連続して複数の切目(41b)が形成され、
前記通過口を前記吸収体が通過する際に、前記切目に沿って当該アプリケーターの先端部側から切り開かれることで前記通過口が拡径して、当該通過口を前記吸収体の後端部が通過可能に構成されていることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、例えば、図1〜図3等に示すように、
液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体(201)を有する生理用タンポン(200)であって、
前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部(1a)の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部に対して当該後端部よりも先端部(1b)側の部分が細くなるように圧縮成形されており、
前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口(21a)から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーター(4)を備え、
前記アプリケーターは、後端部から先端部(41c)に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
前記アプリケーターには、前記通過口に連続して複数の切目(41b)が形成され、
前記通過口を前記吸収体が通過する際に、前記切目に沿って当該アプリケーターの先端部側から切り開かれることで前記通過口が拡径して、当該通過口を前記吸収体の後端部が通過可能に構成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、アプリケーターには、通過口に連続して複数の切目が形成され、通過口を吸収体が通過する際に、切目に沿ってアプリケーターの先端部側から切り開かれることで通過口が拡径して、当該通過口を吸収体の後端部が通過可能とされている。従って、膣内に吸収体を挿入する際に、切目に沿って通過口が拡径することで前記吸収体の通過を容易なものとすることができ、吸収体を膣内に容易に挿入することができる。
【0020】
また、上記請求項4〜7にあっては、膣内における、前記アプリケーターの先端部が弾性変形する箇所並びに通過口が拡径する箇所は、無感覚領域であることから、使用者にとって、前記先端部の弾性変形並びに前記通過口の拡径により違和感が生じることはない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0022】
[第一の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第一の実施の形態として例示する生理用タンポンを示す図であり、このうち、図1(a)は、生理用タンポンの正面図であり、図1(b)は、図1(a)のI−I線における要部の拡大断面図であり、図1(c)は、図1(a)のII−II線における要部の拡大断面図である。
図1(a)に示すように、生理用タンポン100は、吸収体1と、この吸収体1を内部に収容するアプリケーター2とを備えている。
【0023】
以下に、吸収体1について、図2を参照して詳細に説明する。
ここで、図2は、生理用タンポン100に備わる吸収体1を示す図であり、このうち、図2(a)は、圧縮成形された吸収体1を示す正面図であり、図2(b)は、図2(a)の吸収体1の上面図であり、図2(c)は、圧縮成形前の吸収体1を示す正面図であり、図2(d)は、図2(c)の吸収体1の上面図である。
【0024】
吸収体1は、例えば、図2(a)及び図2(b)に示すように、後端部1aから先端部1bに向かって、漸次、細くなるような略円錐台状に圧縮成形された部材である。具体的には、吸収体1は、圧縮成形前や体液としての経血吸収後において略円柱状、即ち、後端部1aの外形が略円形状とされ(図2(c)及び図2(d)参照)、所定方向に捻りを加えながら圧縮成形することにより形成された部材である。これにより、吸収体1の外周面には、捻れが形成されている。
また、吸収体1の後端面には、膣B内に挿入された当該吸収体1の引き出し用のコード3が設けられている。
【0025】
また、吸収体1は、例えば綿状パルプ等のような吸収性に富んだ液吸収性繊維を基本とし、その中に経血そのものを吸収する高吸水性樹脂を織り込んだ繊維からなるSAP繊維を不織布等で包んだものにより構成されている。ここで、パルプは短時間で経血を吸収して保持する性質を有し、SAP繊維は、一旦吸収した経血を確実に保持する性質を有している。
なお、高吸水樹脂の吸収体1に対する重さの割合は、10%以上で、且つ、40%未満の範囲であることが好ましい。10%を下回ると経血の吸収・保持を適正に行うことが難しく、また、40%を上回ると、ゲルブロッキング現象を引き起こしてしまい、経血の吸収を適正に行うことが困難となるためである。
【0026】
アプリケーター2は、吸収体1を収容可能な本体部21と、本体部21の内部に収容された吸収体1を当該押し出し可能な押出用筒状部22とを備えて構成されている。
【0027】
本体部21は、後端部から先端部21cに向かって、漸次、細くなるような略円錐台状に形成されている(図1(b)及び図1(c)参照)。
本体部21の先端部21cには、内部に収容された吸収体を1押し出す際に通過させる通過口21aが形成されている。さらに、本体部21には、この通過口21aに連続して、例えば本体部21の長手方向に延在する複数の切目21b、…が形成されている。
【0028】
また、本体部21のうち少なくとも先端部21cは、吸収体1が通過口21aを通過する際に弾性変形する伸縮材料から構成されている(図3(a)参照)。伸縮材料としては、例えば、ウレタンゴム等の合成ゴム、(オレフィン−スチレン)コポリマー、(オレフィン−長鎖アルキル)コポリマー、天然ゴム等が挙げられる。
ここで、本体部21の先端部21cは、押出用筒状部22の操作により通過口21aを介して吸収体1を押し出すために必要な力の大きさとしては、具体的には、例えば、4.7〜6.3g/mm2程度であり、本体部21の先端部21cの材料選択にあたっては、かかる押し出し力にて押し出し可能な材料が選択可能となっている。
【0029】
押出用筒状部22は、本体部21の後端面に設けられた開口部21cに連通させて配設され、先端部にて本体部21内部の吸収体1の後端面を押圧することで、当該吸収体1を、通過口21aを介して押し出し可能となっている。また、押出用筒状部22の内側には、吸収体1の引き出し用のコード3を挿通可能となっている。
【0030】
次に、生理用タンポン100の使用方法及び使用状態について、図3(a)及び図3(b)並びに図4を参照して説明する。
ここで、図3(a)は、吸収体1の通過口21aの通過状態を模式的に示した図であり、図3(b)は、図3(a)のIII−III線における要部の拡大断面図である。また、図4は、生理用タンポン100の使用状態を模式的に示した断面図である。
【0031】
先ず、使用者は、吸収体1を収容したアプリケーター2をその先端部側から膣B内に挿入して、膣B内の所定位置に当該生理用タンポン100を配置する。
そして、アプリケーター2の押出用筒状部22を、当該押出用筒状部22の長手方向Aに押し込むことにより、本体部21に収容されている吸収体1を通過口21aを介して膣B内に押し出す。ここで、通過口21aを吸収体1が通過する際に、例えば、図3(a)及び図3(b)に示すように、本体部21の先端部21cが弾性変形することで当該通過口21aを吸収体1の後端部1aが通過可能とされている。これにより、吸収体1の通過口21aの通過を容易なものとすることができ、吸収体1を膣B内に容易に挿入することができる。
なお、膣B内における、本体部21の先端部21cが弾性変形する箇所は、無感覚領域であることから、使用者にとって、本体部21の先端部21cの弾性変形により違和感が生じないようになっている。
【0032】
そして、膣B内に配置された吸収体1は、膣Bから排出された経血を、膣B内の奥側に位置する先端部1b側から吸収することとなるが、後端部1aから先端部1bに向かって、漸次、細くされているので、経血の吸収に伴って、直ちに先端部1bが後端部1aよりも太くなるように膨張するといったことが防止され、経血がより後端部1aまで到達し易くなることとなって、吸収体1による経血の吸収効率を向上させることができる。
さらに、吸収体1の外周面には捻れが形成されているので、吸収体1の経血との接触面積が拡大することとなって、経血の吸収速度を速めることができる。また、捻れが戻る際に、吸収体1が膣B内にて拡がり易くなって、吸収した経血の吸収体1の内部における拡散性も向上させることができるとともに、膣Bの内面に密着し易くなる。
このとき、吸収体1は、例えば、図4に示すように、略円柱状に膨張するので、吸収体1の外面と膣Bの内面、特に、膣Bの膣口近傍の内面との密着性を高めることができ、当該吸収体1と膣Bの内面とに隙間が形成され難くなる。
【0033】
また、吸収体1は、SAP繊維を適量含んで構成されているので、一旦吸収した経血を確実に保持することができる。従って、吸収体1の内部にて、吸収された経血が膣圧や重力等に起因して先端部1b側から後端部1a側に移動してしまうといったことを防止することができ、吸収体1による経血の吸収・保持を効果的に行うことができる。
【0034】
以上のように、第一の実施の形態の生理用タンポン100によれば、膣B内から排出された経血を吸収体1にてより確実に吸収できるとともに、膣B内からの経血の漏れを防止することができる。
【0035】
なお、上記第一の実施の形態では、吸収体の通過口の通過を容易なものとするために、本体部21の先端部21cを容易に弾性変形する伸縮材料から構成するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、図3(c)及び図3(d)に示すように、アプリケーター4に、少なくとも通過口21aを吸収体1の後端部1aが通過可能となるように、本体部41を先端部41c側から切り開くことができる程度の長さを有する切目41bを形成するようにしても良い。
これにより、吸収体1が通過口21aを通過する際に、切目41bに沿ってアプリケーター4の先端部側から切り開かれることで前記通過口21aが拡径して、当該通過口21aを吸収体1の後端部1aが通過可能となる。従って、本体部41の先端部41cに高強度な材料を用いたとしても、吸収体1の通過口21aの通過を容易なものとすることができ、吸収体1を膣B内に容易に挿入することができるとともに、アプリケーター4の強度を高めることができる。
【0036】
ここで、膣B内における、切目41bが切り開かれることに伴った通過口21aが拡径する箇所は、無感覚領域であることから、使用者にとって、通過口21aの拡径により違和感が生じないようになっている。
【0037】
なお、上記の切目41bを第一の実施の形態の本体部21に適用して、吸収体1の通過口21aの通過の際に、本体部21の先端部21cが容易に弾性変形するとともに、切目41bが切り開かれるような構成としても良い。
【0038】
[第二の実施の形態]
以下に、第二の実施の形態の生理用タンポン200について、図5を参照して説明する。
ここで、図5は、本発明を適用した第二の実施の形態として例示する生理用タンポン200の吸収体201を示す図であり、このうち、図5(a)は、正面図を示し、図5(b)は、上面図を示している。
【0039】
図5に示すように、生理用タンポン200は、後端部1aに対して当該後端部1aよりも先端部1b側の部分が細くなるように圧縮成形された吸収体201を備え、この吸収体201は、先端部1bと後端部1aとの間に、後端部1a側よりも先端部1b側が細くなるように捻られた捻れ部212、214を有している。
即ち、吸収体201は、当該吸収体201の最も後端部1a側の部分が略円柱状となるように圧縮成形された後端円柱状部211と、この後端円柱状部211の上端に連続する部分が捻られて圧縮成形された後端部側捻れ部212と、この後端部側捻れ部212の上端に連続する部分が、略円柱状に圧縮成形された中円柱状部213と、この中円柱状部213の上端に連続する部分が捻られて圧縮成形された先端部側捻れ部214と、この先端部側捻れ部214の上端に連続する当該吸収体201の最も先端部1a側の部分が略円柱状に圧縮成形された先端円柱状部215とを備えている。
【0040】
従って、生理用タンポン200によれば、上記第一の実施の形態の生理用タンポン100と同様に、膣B内から排出された経血を吸収体201にてより確実に吸収できるとともに、膣B内からの経血の漏れを防止することができる。
また、吸収体201は、後端部1aから先端部1bに向かって、段階的に細くなるような形状に形成されているので、経血の吸収を段階的に行うことができることとなって、当該経血の吸収を効果的に行うことができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、吸収体1(201)は、上記第一及び第二の実施の形態で例示したものに限られるものではなく、例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、後端円柱状部311の上端から当該吸収体301の先端部1bまでの部分が捻られた捻れ部312を有する形状の吸収体301であっても良いし、また、図6(c)及び図6(d)に示すように、後端円柱状部411と先端円柱状部412との間の部分が捻られた捻れ部413を有する形状の吸収体401であっても良いし、また、図6(e)及び図6(f)に示すように、第二の実施の形態における後端円柱状部211、中円柱状部213及び先端円柱状部215の代わりに、略円錐台状に圧縮成形された後端円錐台状部511、中円錐台状部513及び先端円錐台状部515とを有する形状の吸収体501であっても良い。
なお、捻れ部212(214、312、413)は少なくとも一つ設けられていれば、その数は、適宜任意に変更可能となっている。
【0042】
また、上記においては、圧縮成形前にて略円柱状に形成された吸収体1(201、301、401、501)を例にして説明したが、これに限られるものではなく、少なくとも後端部1aの外形が略円形状に形成されていれば良く、例えば、略円錐状に形成された吸収体であっても良い。
さらに、吸収体1の後端部1aの外形は、膣Bに対して作用する力によって当該膣Bの内部の形状が変化しても、膣Bの膣口近傍における内面と吸収体1の外面との密着性を損なうことがないように、前記内面の形状の変化に追随し易いような形状であれば良く、例えば、円に近い四角形以上の多角形状であっても良い。即ち、吸収体は、その後端部1aの外形が、例えば、図7(a)に示すように、略正方形状の吸収体601であっても良いし、また、図7(b)に示すように、略正五角形状の吸収体701であっても良いし、また、図7(c)に示すように、略正八角形状の吸収体801であっても良いし、また、図7(d)に示すように、略正方形の各角部が略直角に切り欠かれた凹型十二角形状の吸収体901であっても良い。また、図7(e)に示すように、後端部1aの外形が、例えば、略正方形の各角部が円弧状に切り欠かれたような形状の吸収体1001であっても良い。
【0043】
なお、上記にあっては、第一の実施の形態における吸収体1の外周面に形成された捻れの方向並びに第二の実施の形態等における各捻れ部212(214、312、413)の捻れの方向は、時計回りであっても良いし、反時計回りであっても良い。
【0044】
さらに、吸収体1は、上記実施の形態に限られるものではなく、例えば、吸収性繊維と熱接着性繊維との混合物を熱処理したものであっても良いし、各種の繊維素材を積層した繊維積層体をニードルパンチによってまとめたものであっても良いし、吸収性の不織布を積層したものやロール状に巻回したものであっても良い。
【0045】
また、アプリケーター2(4)は、第一の実施の形態にて例示した形状に限られるものではなく、例えば、上記に説明した各吸収体201(301、401、501、601、701、801、901、1001)の外形に沿うような形状に形成されたアプリケーター(何れも図示略)が適用されても良い。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、体液の吸収に伴って、直ちに前記先端部が前記後端部よりも太くなるように膨張するといったことが防止され、体液がより後端部まで到達し易くなることとなって、吸収体による体液の吸収効率を向上させることができる。また、吸収体は、圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされているので、当該吸収体の外面と膣の膣口近傍の内面との密着性を高めることができる。
従って、膣内から排出された体液を吸収体にてより確実に吸収できるとともに、膣内からの体液の漏れを防止することができる。
また、捻れ部により、体液との接触面積が拡大することとなって、体液の吸収速度を速くすることができる。また、捻れが戻る際に、吸収体が膣内にて拡がり易くなって、吸収した体液の吸収体の内部における拡散性も向上させることができるとともに、膣の内面に密着し易くなる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、体液の吸収に伴って、直ちに前記先端部が前記後端部よりも太くなるように膨張するといったことが防止され、体液がより後端部まで到達し易くなることとなって、吸収体による体液の吸収効率を向上させることができる。また、吸収体は、圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされているので、当該吸収体の外面と膣の膣口近傍の内面との密着性を高めることができる。
さらに、吸収体に形成された捻れによって、体液との接触面積が拡大することとなって、体液の吸収速度を速くすることができる。また、捻れが戻る際に吸収体が膣内にて拡がり易くなって、吸収した体液の吸収体の内部における拡散性も向上させることができるとともに、膣の内面に密着し易くなる。
従って、膣内から排出された体液を吸収体にてより確実に吸収できるとともに、膣内からの体液の漏れを防止することができる。
【0049】
請求項3に記載の発明によれば、吸収体は、高吸水性樹脂を含んで構成されているので、一旦吸収した体液を確実に保持することができる。従って、吸収体の内部にて、吸収された体液が膣圧や重力等に起因して先端部側から後端部側に移動してしまうといったことを防止することができ、吸収体による体液の吸収・保持を効果的に行うことができる。
【0050】
請求項4及び請求項5に記載の発明によれば、膣内に吸収体を挿入する際に、アプリケーターの先端部が弾性変形することで前記吸収体の通過を容易なものとすることができ、吸収体を膣内に容易に挿入することができる。
【0051】
請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、膣内に吸収体を挿入する際に、切目に沿って通過口が拡径することで前記吸収体の通過を容易なものとすることができ、吸収体を膣内に容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第一の実施の形態として例示する生理用タンポンを示す図である。
【図2】図1の生理用タンポンの吸収体を示す図である。
【図3】図1の生理用タンポンにおける、吸収体の通過口の通過状態を模式的に示した図である。
【図4】図1の生理用タンポンの使用状態を模式的に示した断面図である。
【図5】本発明を適用した第二の実施の形態として例示する生理用タンポンを示す図である。
【図6】生理用タンポンの一例を示す図である。
【図7】生理用タンポンの後端部の断面形状の一例を示す図である。
【図8】従来の生理用タンポンの吸収体を示す図である。
【図9】図8の生理用タンポンの使用状態を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
100、200 生理用タンポン
1、201、301、401、501、601、701、801、901、1001 吸収体
1a 後端部
1b 先端部
2、4 アプリケーター
21、41 本体部
21a 通過口
21b、41b 切目
21c、41c 先端部

Claims (7)

  1. 液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体を有する生理用タンポンであって、
    前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部に対して当該後端部よりも先端部側の部分が細くなるように圧縮成形され、前記先端部と前記後端部との間に、後端部側より先端部側が細くなるように捻られた捻れ部が少なくとも一つ設けられていることを特徴とする生理用タンポン。
  2. 液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体を有する生理用タンポンであって、
    前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部から先端部に向かって、漸次、細くなるように捻られて圧縮成形されていることを特徴とする生理用タンポン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の生理用タンポンにおいて、
    前記吸収体は、高吸水性樹脂を含んで構成されていることを特徴とする生理用タンポン。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の生理用タンポンにおいて、
    前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーターを備え、
    前記アプリケーターは、後端部から先端部に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
    前記アプリケーターの前記先端部は、前記吸収体が前記通過口を通過する際に弾性変形する伸縮材料から構成されていることを特徴とする生理用タンポン。
  5. 液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体を有する生理用タンポンであって、
    前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部に対して当該後端部よりも先端部側の部分が細くなるように圧縮成形されており、
    前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーターを備え、
    前記アプリケーターは、後端部から先端部に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
    前記アプリケーターの前記先端部は、前記吸収体が前記通過口を通過する際に弾性変形する伸縮材料から構成されていることを特徴とする生理用タンポン。
  6. 請求項1〜3の何れか一項に記載の生理用タンポンにおいて、
    前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーターを備え、
    前記アプリケーターは、後端部から先端部に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
    前記アプリケーターには、前記通過口に連続して複数の切目が形成され、
    前記通過口を前記吸収体が通過する際に、前記切目に沿って当該アプリケーターの先端部側から切り開かれることで前記通過口が拡径して、当該通過口を前記吸収体の後端部が通過可能に構成されていることを特徴とする生理用タンポン。
  7. 液吸収性繊維が圧縮成形されてなる吸収体を有する生理用タンポンであって、
    前記吸収体は、前記圧縮成形前における後端部の外形が略円形状とされるとともに、前記後端部に対して当該後端部よりも先端部側の部分が細くなるように圧縮成形されており、
    前記吸収体を内部に収容し、先端部に設けられた通過口から前記吸収体を外部に押し出し可能なアプリケーターを備え、
    前記アプリケーターは、後端部から先端部に向かって、漸次、細くなるような形状とされ、
    前記アプリケーターには、前記通過口に連続して複数の切目が形成され、
    前記通過口を前記吸収体が通過する際に、前記切目に沿って当該アプリケーターの先端部側から切り開かれることで前記通過口が拡径して、当該通過口を前記吸収体の後端部が通過可能に構成されていることを特徴とする生理用タンポン。
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