JP4116466B2 - 膣内洗浄具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膣内を洗浄するために使用されるタンポン型膣内洗浄具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生理中や、おりものが気になる時などに膣内を洗浄するために使用される器具として、使い捨てビデが市場に提供されている。この使い捨てビデ50は、図5に示されるように、精製水が入ったソフト容器51の口部に、先端部分にシャワー孔52a、52a…が形成された長細ノズル52を取付けたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記使い捨てビデ50は、洗浄水を膣内にシャワー状に供給するものであり、膣壁に付着した経血等は完全に落としづらいとともに、排液が自然に体外に流れ出るのを待つため、使用後の排液対策としてナプキンやライナーの使用が不可欠となる。さらに、洗浄時に多量の排液が流れ出るため、使用場所が風呂場等に限られ、外出先やトイレで手軽に使用できるものでは無かった。さらに、ソフト容器の容量は120〜125cc程度であり、バッグに入れて携帯するにも嵩張るなどの問題があった。
【0004】
そこで本発明の主たる課題は、従来の使い捨てビデよりも高い洗浄効果が得られるとともに、外出先やトイレ等で手軽に使用することができ、かつコンパクトで携帯や保管に便利な膣内洗浄具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、先端部に拡開自在な弁を有する収容外筒と、この収容外筒の後端部側から挿入された押出し用内筒と、前記収容外筒内に収容され、水分吸収によって膨張するとともに、後方側に延長される抜取り用摘み部材が設けられた拭き取り用圧縮吸収体と、前記収容外筒内に収容されるとともに、前記押出し用内筒の押出し時に破裂されるパック洗浄水とからなることを特徴とする膣内洗浄具が提供される。
【0006】
上記請求項1記載の発明においては、生理用タンポンのアプリケーターとして公知のタンポン挿入補助具(例えば特開平5-84263号公報、特開平8-117283号公報等参照)、具体的には先端部に拡開自在な弁を有する収容外筒と、この収容外筒の後端部側から挿入された押出し用内筒とからなるタンポン挿入補助具の前記収容外筒容器内に、水分吸収によって膨張するとともに、後方側に延長される抜取り用紐等の摘み部材が設けられた拭き取り用圧縮吸収体と、前記収容外筒内に収容されるとともに、前記押出し用内筒の押出し時に破裂されるパック洗浄水とを収容したものである。
【0007】
従って、前記収容外筒が膣内に挿入された状態で、押出し用内筒を押出すと、パック洗浄水のパックが破裂し封入されている洗浄水が膣内に供給されるとともに、拭き取り用圧縮吸収体が膣内に供給される。前記拭き取り用圧縮吸収体は膣内で洗浄水を吸収し膨張するのを待ってから前記抜取り用紐を引いて圧縮吸収体を抜き取るようにすることで、膣壁に付着した経血等を清拭することができるため、従来よりも高い洗浄機能を持たせることが可能である。また、ビデをコンパクトとし携帯し易くしたため、場所を選ばず外出先やトイレ等で手軽に使用できるようになるとともに、使用後にライナーやナプキンを使用しなくても済むようになる。さらに、従来のアプリケーター付き生理用タンポンとほぼ同サイズとすることができ、携帯や保管に便利なものとなる。なお、前記パック洗浄水の容量は、概ね収容外筒容積の2/3程度、具体的には15〜70ml程度とするのがよい。
【0008】
前記拭き取り用圧縮吸収体とパック洗浄水との具体的収容態様に係り、請求項2に係る本発明として、前記収容外筒内において、収容外筒内の先端部側に拭き取り用圧縮吸収体が収容され、後端部側にパック洗浄水が収容されている請求項1記載の膣内洗浄具が提供される。
【0009】
前記拭き取り用圧縮吸収体とパック洗浄水との具体的収容態様に係り、請求項3に係る本発明として、前記収容外筒内において、収容外筒の中心部に軸芯方向に細長い拭き取り用圧縮吸収体が収容され、この拭き取り用圧縮吸収体の周囲を囲むようにパック洗浄水が収容されている請求項1記載の膣内洗浄具が提供される。
【0010】
請求項4に係る本発明として、前記拭き取り用圧縮吸収体は繊維集合体からなり、前記収容外筒から押し出され、洗浄水吸収後の断面積が洗浄水吸収前の断面積の150%以上である請求項1〜3いずれかに記載の膣内洗浄具が提供される。本洗浄具では、膣内に挿入した圧縮吸収体によって膣壁の汚れを清拭するものであるため、膨張後に圧縮吸収体が膣壁と密着する必要がある。従って、その膨張率は150%以上、好ましくは200%以上、より好ましくは300%以上とするのが望ましい。
【0011】
請求項5に係る本発明として、前記収容外筒の内壁面に、前記押出し用内筒の押出し時にパック洗浄水を破裂させるための突起が形成されている請求項1〜4いずれかに記載の膣内洗浄具が提供される。押出し用内筒を押し出した際、確実にパック洗浄水のパッケージを破裂させるために、収容外筒の内壁に破裂促進用の突起を形成しておくことが望ましい。
【0012】
請求項6に係る本発明として、前記収容外筒の先端部に拡開自在な弁とは別に、洗浄水放出孔が形成されている請求項1〜5いずれかに記載の膣内洗浄具が提供される。洗浄水を膣内の奥まで供給可能となるとともに、洗浄水が膣の周壁に均等に供給されるようになる。
【0013】
請求項7に係る本発明として、前記収容外筒の基端部分に、固定又は着脱自在とされる洗浄水用受け皿を備えた請求項1〜6いずれかに記載の膣内洗浄具が提供される。排液用受け皿を設けることにより、場所を選ばず手軽に使用可能となる。携帯性を考えた場合には、固定タイプとするよりは着脱自在の構造とするのが望ましい。
【0014】
請求項8に係る本発明として、前記洗浄水用受け皿は、平面形状が円形または楕円形状とされる請求項7記載の膣内洗浄具が提供される。前記洗浄水受け皿は円形、若しくは局部に沿わせ易いように楕円形にするのが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0016】
〔第1形態例〕
図1は第1形態例に係る膣内洗浄具1の縦断面図、図2は収容外筒2の先端部拡大図である。
【0017】
本発明に係る膣内洗浄具1は、所謂タンポンを利用した洗浄具であって、先端部に拡開自在な弁を有する収容外筒2と、この収容外筒2の後端部側から挿入された押出し用内筒3と、前記収容外筒2内に収容され、水分吸収によって膨張するとともに、後方側に延長される抜取り用紐5が設けられた拭き取り用圧縮吸収体4(以下、単に圧縮吸収体という。)と、前記収容外筒2内に収容されるとともに、前記押出し用内筒3の押出し時に破裂されるパック洗浄水6とからなるものである。
【0018】
上記構成の内、収容外筒2および押出し用内筒3の構造については、生理用タンポンのアプリケーターとして公知のタンポン挿入補助具をそのまま用いることができる。前記収容外筒2は、図2に示されるように、先端部に拡開自在な弁2Aを有する筒体で、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用い射出成形により成形されたものが好適に使用される。この中でも外面を平滑としかつ薄肉とするためには低密度ポリエチレンが好適である。射出成形で製造された収容外筒2は、表面が平滑となり挿入時に違和感を与えづらいものとなる。収容外筒2の肉厚は0.6〜1.0mm程度の範囲が望ましい。前記拡開自在な弁2Aは、正面視で花弁状に形成された多数の変形可能な弁体2a、2a…により構成され、前記弁体2a、2a…が外側に押し退けられることにより、圧縮吸収体4が外部に押し出されるようになっている。また、前記収容外筒2の先端部には、拡開自在な弁2Aとは別に、洗浄水放出孔(図示せず)を形成するようにしてもよい。
【0019】
前記押出し内筒3は、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエステル等の熱可塑性樹脂を円筒状に押出し成形することにより製造されたものが好適に使用され、肉厚は0.1〜0.6mm程度とされ、中空部3bには圧縮吸収体4の後端側から延長される抜取り紐5が挿通されている。前記押出し内筒3の先端部3aは若干拡大され、収容外筒2の後端から抜け出ないように保持されている。なお、この押出し内筒3は、特開平5-84263号公報に示されるように、テレスコープ状に伸縮可能な構造とすることもできる。
【0020】
前記圧縮吸収体4およびパック洗浄水6の収容態様は、同図に示される例では、収容外筒2内の先端部側に圧縮吸収体4が収容され、後端部側にパック洗浄水6が収容されている。前記圧縮吸収体4は、レーヨン、コットンなどの親水性繊維からなる一般的な吸収体、親水性繊維からなる吸収体とこれを囲む疎水性透液性シートから構成された吸収体(特開平1-146548号公報、特開2001-8964号公報等参照)、円柱状の高圧縮されたコアと外側の襞からなるタンポン(特開平3-146058号公報)、繊維積層体をニードルパンチで纏めたもの等、いずれのタンポンを使用することができる。これらのタンポンは、吸収性繊維素材が圧縮されて円柱状に成形され、液体(タンポンとしての使用時には経血、本発明では主に洗浄水となる。)を吸収することによって圧縮が解除され膨張するものである。この場合、洗浄水吸収後の断面積が洗浄水吸収前の断面積の150%以上、好ましくは200%以上、より好ましくは300%以上の膨張性能を有するものが好適に使用される。なお、吸収性繊維等の吸収層内部には高吸収性ポリマー等が混入されていてもよい。この圧縮吸収体4には後方側に延長される抜取り紐5が設けられている。前記圧縮吸収体4に設けられた抜取り用紐5としては、綿糸、化学繊維糸、麻糸等の繊維糸、これらの撚糸、或いはコード類、ゴム状部材等所定の強度を有するものであればどのようなものであってもよい。また、樹脂等からなる棒状部材とすることもできる。
【0021】
一方、前記パック洗浄水6は、フィルム袋等のパッケージ(パック体)によって封入された洗浄水であり、図示例では3つのパック洗浄水6A〜6Cに分割された状態で収容されている。なお、中央には圧縮吸収体4の抜取り紐5が挿通されている。
【0022】
前記パックに封入される洗浄水としては精製水が使用され、その容量は概ね収容外筒2の容積の2/3程度、具体的には15〜70ml程度とされる。前記パック用フィルム袋としては、未使用時に精製水の漏れが生じず、かつ押出し用内筒3による押出し時に破裂する程度の強度を持った薄いフィルムが使用される。フィルム素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のものを使用することができる。また、押出し用内筒3による押出し時に破裂し易いように、前記収容外筒2の内壁面に対し、押出し用内筒3による押出し時にパック洗浄水6を破裂させるため、鋭利な突起7を形成しておくこともできる。前記突起7は図示例では圧縮吸収体4とパック洗浄水6との境界部付近に形成したが、未使用時に誤ってパック洗浄水6に破れが生じないように、圧縮吸収体4の側部位置に形成しておき、確実に押出し用内筒3によってパック洗浄水6が前方に押し出され、移動した際に破裂するようにしてもよい。
【0023】
前記収容外筒2には、図3に示されるように、基端部分に、固定タイプ又は着脱自在とされる洗浄水用受け皿8を設けるようにしてもよい。この洗浄水用受け皿8は、平面形状が円形または楕円形状としたものが望ましく、かつ外周長は収容外筒2の外周の2.5倍以上の径を有するものが良い。
【0024】
〔第2形態例〕
次いで、図4に示される第2形態例に係る膣内洗浄具1Aは、前記圧縮吸収体4とパック洗浄水6との収容態様に係る他例を示したものである。
【0025】
同図に示されるように、前記収容外筒2内において、収容外筒2の中心部に軸芯方向に圧縮吸収体9が収容され、この圧縮吸収体9の周囲を囲むようにパック洗浄水10が収容された態様のものである。また、パック洗浄水10のパック体を破裂させるための突起11については、本例では花弁2a、2aの裏面側に形成されている。これ以外の構造については、第1形態例と説明が重複するため同符号を付して説明は省略する。
【0026】
(使用方法)
上記第1形態例及び第2形態例に係る膣内洗浄具1,1Aを使用する場合には、前記収容外筒2を先端側から膣内に挿入した後、収容外筒2を保持した状態で押出し用内筒3を押し出すようにする。すると、圧縮吸収体4、9が収容外筒2の弁体2a、2a…を押し退けて外部に押し出されるとともに、パック洗浄水6,10に圧力が掛かることにより、或いは突起7,11によってパック体が破かれ、封入されていた洗浄水が膣内に供給される。そして、前記洗浄水によって膣内が洗浄されると同時に、膣内に挿入された圧縮吸収体4,9が洗浄水を吸収することにより膨張したならば、抜取り紐5を引っ張って圧縮吸収体4、9を抜き取り、この膨張した圧縮吸収体4、9によって膣壁面に付着した経血等を拭い取るように清拭する。
【0027】
(他の実施形態例)
(1)上記形態例では、圧縮吸収体4とパック洗浄水6との収容態様に関し、2つの態様例を示したが、収容態様については前記押出し用内筒3を押出した際、前記パック洗浄水6,10が破裂し、内封された洗浄水が圧縮吸収体4,9と共に、膣内に供給されるものであれば、どのような収容態様であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、従来の使い捨てビデよりも高い洗浄効果が得られるとともに、外出先やトイレ等で手軽に使用することができ、かつコンパクトで携帯や保管に便利な膣内洗浄具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態例に係る膣内洗浄具1を示す、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB-B線矢視図である。
【図2】収容外筒2の先端部拡大図である。
【図3】洗浄水受け皿8の取付状態を示す斜視図である。
【図4】第2形態例に係る膣内洗浄具1Aを示す、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB-B線矢視図である。
【図5】従来の使い捨てビデ50を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・1A…膣内洗浄具、2…収容外筒、3…押出し用内筒、4・9…圧縮吸収体、5…抜取り紐、6・10…パック洗浄水、7・11…突起、8…洗浄水受け皿

Claims (8)

  1. 先端部に拡開自在な弁を有する収容外筒と、この収容外筒の後端部側から挿入された押出し用内筒と、前記収容外筒内に収容され、水分吸収によって膨張するとともに、後方側に延長される抜取り用摘み部材が設けられた拭き取り用圧縮吸収体と、前記収容外筒内に収容されるとともに、前記押出し用内筒の押出し時に破裂されるパック洗浄水とからなることを特徴とする膣内洗浄具。
  2. 前記収容外筒内において、収容外筒内の先端部側に拭き取り用圧縮吸収体が収容され、後端部側にパック洗浄水が収容されている請求項1記載の膣内洗浄具。
  3. 前記収容外筒内において、収容外筒の中心部に軸芯方向に細長い拭き取り用圧縮吸収体が収容され、この拭き取り用圧縮吸収体の周囲を囲むようにパック洗浄水が収容されている請求項1記載の膣内洗浄具。
  4. 前記拭き取り用圧縮吸収体は繊維集合体からなり、前記収容外筒から押し出され、洗浄水吸収後の断面積が洗浄水吸収前の断面積の150%以上である請求項1〜3いずれかに記載の膣内洗浄具。
  5. 前記収容外筒の内壁面に、前記押出し用内筒の押出し時にパック洗浄水を破裂させるための突起が形成されている請求項1〜4いずれかに記載の膣内洗浄具。
  6. 前記収容外筒の先端部に拡開自在な弁とは別に、洗浄水放出孔が形成されている請求項1〜5いずれかに記載の膣内洗浄具。
  7. 前記収容外筒の基端部分に、固定又は着脱自在とされる洗浄水用受け皿を備えた請求項1〜6いずれかに記載の膣内洗浄具。
  8. 前記洗浄水用受け皿は、平面形状が円形または楕円形状とされる請求項7記載の膣内洗浄具。
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