JP6068752B2 - 鞍乗り型車両の内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両に搭載された内燃機関に関する。
本願に係る鞍乗り型車両に搭載された内燃機関は、クランクケースに下端の植込みネジ部を螺合して植設された複数のスタッドボルトがクランクケースの上に順次重ねられるシリンダブロックとシリンダヘッドを貫通し、同スタッドボルトのシリンダヘッドを貫通して突出した上側ネジ部にナット部材を螺合して緊締する一般的な構造の内燃機関である。
なお、シリンダヘッドの上にはシリンダヘッドカバーが被せられているが、シリンダヘッドカバーは、シリンダヘッドにボルトにより取り付けられる。
この種の内燃機関が鞍乗り型車両に搭載された状態では、シリンダヘッドカバーの上方には車体フレームおよび燃料タンク等が配設されていて、シリンダヘッドカバーの上方空間は狭い。
したがって、内燃機関を、鞍乗り型車両に搭載された状態で分解し、シリンダヘッドやシリンダブロックを取り外そうとすると、シリンダヘッドカバーを取り外した後に、スタッドボルトの上側ネジ部に螺合したナット部材を緩めて外し、スタッドボルトが貫通したシリンダヘッドを上方に移動してスタッドボルトから抜き去る必要があるが、抜き去る前にシリンダヘッドが車体フレーム等に当接してシリンダヘッドを取り外すことができない。
そのため、従来は、車両から内燃機関を取り外した状態でなければ、分解してシリンダヘッドおよびシリンダブロックを取り外すことができない。
そこで、内燃機関を車両に搭載した状態で分解すべく、スタッドボルトを基端側のシリンダスタッドボルトと先端側のロングリーチナットに2分割した構造が、特許文献1に開示されている。
特許第4073285号公報
特許文献1の図面(同特許文献1の図3参照)には、両端に雄ネジが刻設されたシリンダスタッドボルトがクランクケースに螺合して植設されて先端がシリンダブロックとシリンダヘッドの合わせ面位置にあり、この基端側スタッドボルトの先端の雄ネジ部に雌ネジ部を螺合して同軸上にロングリーチナットが延び、このロングリーチナットの先端の拡径して形成されたナット部がシリンダヘッドの上端のナット取付座を押圧してクランクケースにシリンダブロックとシリンダヘッドとを緊締して一体化している構造が図示されている。
したがって、内燃機関を車両に搭載した状態で、ロングリーチナットのナット部に工具を掛けて回動することで、シリンダスタッドボルトとの螺合を解除して、ロングリーチナットをシリンダスタッドボルトから離すことができるので、そのままロングリーチナットとともにシリンダヘッドを車幅方向外側に引き出し、取り外すことができる。
しかし、ロングリーチナットは高価であるとともに、シリンダスタッドボルトはクランクケースに植設されて、先端が雄ネジが刻設されたものなので、シリンダスタッドボルトは通常のスタッドボルトと同様にクランクケースから抜き取ることは簡単にはできない。
そのため、シリンダブロックを取り外すときは、シリンダブロックを上方に移動して基端側スタッドボルトから抜き去る必要があるが、抜き去る前にシリンダブロックが車体フレーム等に当接してしまう可能性が大きく、結局、内燃機関が車両に搭載された状態では、シリンダブロックを取り外すことは難しい。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、簡単な構造で内燃機関を車両に搭載した状態で内燃機関を分解してシリンダヘッドおよびシリンダブロックを取り外すことができるメンテナンス性に優れた鞍乗り型車両の内燃機関を安価に供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
クランクケース(21)に下端の植込みネジ部(71a,72a)を螺合して植設された複数のスタッドボルト(71,72)が前記クランクケース(21)の上に順次重ねられるシリンダブロック(22)とシリンダヘッド(23)を貫通し、同スタッドボルト(71,72)の前記シリンダヘッド(23)を貫通して突出した上側ネジ部(71b,72b)にナット部材(71N,72N)を螺合して緊締する構造の内燃機関(20)が、車体フレーム(2)に支持されて搭載される鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記スタッドボルト(71,72)は前記上側ネジ部(71b,72b)よりも上側に工具を掛合して同スタッドボルト(71,72)を回動可能な工具掛け部(71c,72c)が形成され
前記車体フレーム(2)は、ヘッドパイプ(3)から車幅方向中央を後方に延出するメインフレーム(4)が前記内燃機関(20)の上方に配設され、
前記スタッドボルト(71,72)は、ボルト中心軸が前記メインフレーム(4)と交差する位置に配置される中央近傍スタッドボルト(71)とボルト中心軸が前記メインフレーム(4)と交差しないフレーム幅外スタッドボルト(72)とからなり、
前記中央近傍スタッドボルト(71)の植込みネジ部(71a)を含む全長は、前記シリンダブロック(22)と前記メインフレーム(4)との間の前記中央近傍スタッドボルト(71)のボルト中心軸に沿った距離(L)よりは短いことを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関である。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記スタッドボルト(71,72)の前記上側ネジ部(71b,72b)に螺合する前記ナット部材(71N,72N)が当接される前記シリンダヘッド(23)のナット取付座(63n,64n)は、前記シリンダヘッド(23)の上端面より下方に位置することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記中央近傍スタッドボルト(71)の前記上側ネジ部(71b)に螺合する前記ナット部材(71N)が当接される前記シリンダヘッド(23)のナット取付座(63n)は、前記シリンダヘッド(23)の上端面(61a)からの深さ(E)が同中央近傍スタッドボルト(71)の植込みネジ部(71a)の植込み深さ(D)より大きくなる位置に形成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
請求項2または請求項3記載の鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記フレーム幅外スタッドボルト(72)の上端は、前記シリンダヘッド(23)の上端面(61a)と略一致する高さ位置とすることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)が螺合される前記クランクケース(21)の植込み深さ(D)は、前記シリンダブロック(22)のシリンダスリーブ(22s)のクランク室内に突出した突出部(22ss)の突出長に等しいことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記内燃機関(20)は、単気筒であり、
前記シリンダブロック(22)は、シリンダスリーブ(22s)が前記シリンダスリーブ(22s)の周りの前記スタッドボルト(71,72)とともに前記メインフレーム(4)の位置する車幅方向中央から左右いずれか一方にオフセットして配置され、
前記シリンダスリーブ(22s)がオフセットした方向に、前記フレーム幅外スタッドボルト(72)が位置し、
前記シリンダスリーブ(22s)がオフセットした方向と反対側に、カムチェーン室(23c)が形成されることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、
請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の内燃機関において、
前記スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)が螺合される前記クランクケース(21)の植込みネジ穴(21b,21b)は、底が塞がれたネジ穴であることを特徴とする。
請求項1記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、クランクケース(21)に下端の植込みネジ部(71a,72a)を螺合して植設された複数のスタッドボルト(71,72)が前記クランクケース(21)の上に順次重ねられるシリンダブロック(22)とシリンダヘッド(23)を貫通し、同スタッドボルト(71,72)のシリンダヘッド(23)を貫通して突出した上側ネジ部(71b,72b)にナット部材(71N,72N)を螺合して緊締する構造の内燃機関(20)が、車体フレーム(2)に支持されて搭載される鞍乗り型車両の内燃機関において、スタッドボルト(71,72)は上側ネジ部(71b,72b)よりも上側に工具を掛合して同スタッドボルト(71,72)を回動可能な工具掛け部(71c,72c)が形成されるだけの簡単な構造であるが、内燃機関(20)を車両に搭載した状態で、シリンダヘッド(23)の上方に空間があれば、シリンダヘッドカバー(24)を外してから、スタッドボルト(71,72)の上側ネジ部(71b,72b)に螺合したナット部材(71N,72N)を緩め取外した後に、スタッドボルト(71,72)の上側ネジ部(71b,72b)よりも上側の工具掛け部(71c,72c)に工具を掛合してスタッドボルト(71,72)を回動して植込みネジ部(71a,72a)をクランクケース(21)から抜き取り、さらにシリンダブロック(22)およびシリンダヘッド(23)から抜き取って外すことで、シリンダヘッド(23)を車幅方向外側に移動して取り外すことができ、さらにシリンダブロック(22)を上方に移動してシリンダボアからピストン(31)を抜いてから車幅方向外側に移動して取り外すことができる。
また、スタッドボルト(71,72)を抜くときに、シリンダブロック(22)から抜けてシリンダヘッド(23)にあるところで、スタッドボルト(71,72)とともにシリンダヘッド(23)を車幅方向外側に移動して取り外すことが可能なので、シリンダヘッド(23)の上方空間が狭いような場合にもシリンダヘッド(23)を取り外すことができ、次いでシリンダブロック(22)は上記のように取り外すことができる。
ヘッドパイプ(3)から車幅方向中央を後方に延出するメインフレーム(4)に対して下方の内燃機関(20)の車幅方向の中央近傍に位置する中央近傍スタッドボルト(71)が、そのボルト中心軸をメインフレーム(4)と交差させる位置にあり、中央近傍スタッドボルト(71)の全長は、シリンダブロック(22)とメインフレーム(4)との間のボルト中心軸に沿った距離(L)より短いので、内燃機関(20)を車両に搭載した状態で、スタッドボルト(71,72)の上側の工具掛け部(71c,72c)に工具を掛合してスタッドボルト(71,72)を回動して植込みネジ部(71a,72a)をクランクケース(21)から抜き取り、さらに中央近傍スタッドボルト(71)を、上方のメインフレーム(4)に当接する前に、シリンダブロック(22)から抜き取ることができ、フレーム幅外スタッドボルト(72)はメインフレーム(4)から車幅方向に外れているので、さらに余裕をもってシリンダブロック(22)から抜き取ることができ、よって、スタッドボルト(71,72)とともにシリンダヘッド(23)を車幅方向外側に移動して取り外すことができる。
次いで、シリンダブロック(22)を上方に移動してシリンダスリーブ(22s)からピストン(31)を抜いてから車幅方向外側に移動して取り外すことができる。
中央近傍スタッドボルト(71)はシリンダブロック(22)とメインフレーム(4)との間のボルト中心軸に沿った距離(L)よりが短いので、内燃機関(20)の上方空間を狭く抑えることができ、車体の小型化を図ることができる。
中央近傍スタッドボルト(71)はボルト中心軸をメインフレーム(4)と交差させる位置に配置されるので、すべてのスタッドボルトをメインフレームから車幅外方に外すことによる内燃機関本体(20H)の大型化を避けることができるとともに、中央近傍スタッドボルト(71)とフレーム幅外スタッドボルト(72)の間を狭めて締付け力を向上させることができるとともに、シリンダを左右でバランス良く締め付けることができる。
請求項2記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、スタッドボルト(71,72)の上側ネジ部(71b,72b)に螺合するナット部材(71N,72N)が当接されるシリンダヘッド(23)のナット取付座(63n,64n)は、シリンダヘッド(23)の上端面より下方に位置するので、スタッドボルト(71,72)の全長を短く設定でき、そのためメンテナンス時にスタッドボルト(71,72)をシリンダブロック(22)より抜き取る移動量を容易に確保可能で、内燃機関(20)の上方空間を狭く抑えることができ、車体の小型化を図ることができる。
請求項3記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、中央近傍スタッドボルト(71)の上側ネジ部(71b)に螺合するナット部材(71N)が当接されるシリンダヘッド(23)のナット取付座(63n)は、前記シリンダヘッド(23)の上端面(61a)からの深さ(E)が同中央近傍スタッドボルト(71)の植込みネジ部(71a)の植込み深さ(D)より大きくなる位置に形成されるので、中央近傍スタッドボルト(71)の植込みネジ部(71a)をクランクケース(21)から抜いたところで、まだ中央近傍スタッドボルト(71)はシリンダヘッド(23)から殆ど飛び出さないので、内燃機関(20)を車両に搭載した状態で、内燃機関(20)の上方空間が狭くても、中央近傍スタッドボルト(71)をシリンダブロック(22)より抜き取る移動量を容易に確保して、シリンダヘッド(23)およびシリンダブロック(22)の取外しを可能とする。
請求項4記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、前記スタッドボルト(71,72)のうちボルト中心軸が前記メインフレーム(4)と交差しないフレーム幅外スタッドボルト(72)の上端は、シリンダヘッド(23)の上端面と略一致する高さ位置とするので、内燃機関本体(20H)の大型化を避けながらフレーム幅外スタッドボルト(72)を適度に長く設定することができ、内燃機関(20)の燃焼に伴うシリンダブロック(22)およびシリンダヘッド(23)の膨張を柔軟に吸収して剛性を容易に確保することができる。
請求項5記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)が螺合されるクランクケース(21)の植込み深さ(D)は、シリンダブロック(22)のシリンダスリーブ(22s)のクランク室内に突出した突出部(22ss)の突出長に等しいので、シリンダスリーブ(22s)内を往復動するピストン(31)の移動幅全てにおいてスタッドボルト(71,72)による締付け軸力を安定化することができる。
請求項6記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、内燃機関(20)は単気筒であり、シリンダブロック(22)は、シリンダスリーブ(22s)がその周りのスタッドボルト(71,72)とともにメインフレーム(4)の位置する車幅方向中央から左右いずれか一方にオフセットして配置され、シリンダスリーブ(22s)がオフセットした方向に、前記フレーム幅外スタッドボルト(72)が位置し、シリンダスリーブがオフセットした方向と反対側に、カムチェーン室(22c)が形成されるので、車体フレーム(2)に対して内燃機関本体(20H)を車幅方向の中央に搭載して、左右の重量バランスを良好にするとともに、外観性を向上させることができる。
請求項7記載の鞍乗り型車両の内燃機関によれば、スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)が螺合されるクランクケース(21)の植込み穴(21b,21b)は、底が塞がれたネジ穴であるので、スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)をクランクケース(21)の植込み穴(21b,21b)から螺合を解除して取り外すときの摩耗粉がクランクケース(21)内に侵入するのを防止することができ、スタッドボルト(71,72)の取り外しに対するメンテナンス性を高めることができる。
本発明の一実施の形態に係る鞍乗型自動二輪車の全体側面図である。 車体フレームに対する内燃機関の搭載状態のみを示す右側面図である。 内燃機関本体の断面展開図(図2のIII−III線断面図)である。 内燃機関本体のシリンダヘッドカバーを取り外した上面図である。 内燃機関本体の一部を断面(図4のV−V線断面)として車体フレームに対する内燃機関本体の位置関係を示す側面図である。 内燃機関本体の一部を断面(図4のVI−VI線断面)として車体フレームに対する内燃機関本体の位置関係を示す側面図である。 メインフレームに対するクランクケース,シリンダブロック,シリンダヘッドの位置関係を示す後断面図(図4のVII−VII線断面)である。 シリンダヘッドを分解した状態における内燃機関本体の一部を断面(図4のV−V線断面と同じ断面)として車体フレームに対するクランクケース,シリンダブロック,シリンダヘッドの位置関係を示す側面図である。 シリンダヘッドを分解した状態における内燃機関本体の一部を断面(図4のVI−VI線断面と同じ断面)として車体フレームに対するクランクケース,シリンダブロック,シリンダヘッドの位置関係を示す側面図である。 シリンダヘッドを分解した状態におけるメインフレームに対するクランクケースの一部,シリンダブロック,シリンダヘッドの位置関係を示す後断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図10に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る鞍乗型自動二輪車1の全体側面図であり、図2は、車体フレーム2に対する内燃機関20の搭載状態のみを示す右側面図である。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る鞍乗型自動二輪車1の直進方向を前方とする車両の通常の基準に従うものとする。
図1および図2を参照して、本鞍乗型自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から車幅方向中央を後方にメインフレーム4が、若干傾斜して延出した後に、下方に屈曲してメイン急傾斜部4aを形成しているとともに、ヘッドパイプ3からはさらに車幅方向中央を斜め後下方に向けてダウンフレーム5が延出している。
内燃機関20におけるクランクケース21の前部が、ダウンフレーム5の下部の支持ブラケット5bに上下2か所でボルト8により取り付けられ、クランクケース21の後部が、メインフレーム4のメイン急傾斜部4aの下部の支持ブラケット4bに上下2か所でボルト9により取り付けられて、内燃機関20が車体フレーム2に支持される。
メインフレーム4の屈曲部からは左右一対のシートレール6が途中屈曲部を形成しながら後方に延出しており、同シートレール6の屈曲部とメイン急傾斜部4aの中央部とを連結したバックステー7がシートレール6を支持している。
以上のような車体フレーム2において、ヘッドパイプ3にはフロントフォーク10が枢支され、その下端に前輪11が軸支され、フロントフォーク10の枢軸の上端に操舵ハンドル12が設けられ、メインフレーム4の下部に設けられたピボット軸13に前端を軸支されたリヤフォーク14が後方へ延出し、その後端に後輪15が軸支され、リヤフォーク14の中央部とバックステー7との間にリヤクッション16が介装されている。
メインフレーム4には燃料タンク17が左右両側に跨るように架設され、燃料タンク17の後方にシート18がシートレール6に支持されて設けられている。
車体フレーム2に搭載される内燃機関20は、SOHC型の単気筒4ストローク内燃機関であり、車体に対してクランクシャフト30を車体幅方向に指向させ、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で懸架される。
車体フレーム2のダウンフレーム5の上部を左右両側からフロントカバー19fが覆い、内燃機関20とシート18との間の左右両側をサイドカバー19sが覆い、シートレール6の後半をリヤカバー19rが覆っている。
内燃機関20の内燃機関本体20Hは、左右方向に指向したクランクシャフト30を回転自在に軸支するクランクケース21の斜め上方にシリンダブロック22およびシリンダヘッド23が順次重ねられてスタッドボルト71,72により一体に締結され、シリンダヘッド23の上にはシリンダヘッドカバー24が被せられて構成され、シリンダブロック22,シリンダヘッド23,シリンダヘッドカバー24はクランクケース21から僅かに前方に前傾して突設している。
図1に示すように、シリンダヘッド23から吸気管41が後方に延出し、同吸気管41は、キャブレタ42を介してエアクリーナ43に連結している。
シリンダヘッド23から前方に延出した排気管45は、下方に屈曲し、さらに後方に屈曲してクランクケース21の下面に沿って後方にかつ右側に寄って後輪15の右側に配置されたマフラー46に連結している。
図3は、内燃機関本体20Hの断面展開図(図2のIII−III線断面図)であり、同図3を参照して、クランクケース21から斜め上方に突設したシリンダブロック22は、ピストン31が摺動可能に嵌装されるシリンダスリーブ22sが、クランクケース21のクランク室内に突出している。
シリンダスリーブ22sのシリンダボア内を往復動するピストン31とクランクシャフト30の左右クランクウエブ間に架設されるクランクピン30pとをコンロッド32が連結し、ピストン31の動きに応じてクランクシャフト30を回転駆動する。
シリンダヘッド23の下部の天井壁62によりピストン31の上方には燃焼室28が構成される。
この燃焼室28の吸排気ポート開口を開閉する吸排気弁を駆動する動弁機構50がシリンダヘッド23の天井壁62の上に設けられている。
図4は、内燃機関本体20Hのシリンダヘッドカバー24を取り外し、シリンダヘッド23の合わせ面を上方から視た内燃機関本体20Hの上面図であり、メインフレーム4を2点鎖線と散点模様で重ねて図示している。
同図4および図3を参照して、シリンダヘッド23は、上下を合わせ面とする略矩形のヘッド外周壁61の内側に燃焼室28の天井壁62が形成され、同天井壁62に右上方から点火プラグ29が嵌入されて、先端の電極が燃焼室28に臨んでいる。
燃焼室28の天井壁62上に左右対向して左側軸受壁63と右側軸受壁64が上方に突出形成されており、左側軸受壁63と右側軸受壁64にベアリング51b,51bを介して動弁機構50のカムシャフト51が回動可能に架設される。
ヘッド外周壁61の左側壁と左側軸受壁63との間には、上下に貫通するチェーン室23cが形成され、カムシャフト51の左ベアリング63bを貫通した左端に固着された被動スプロケット53がチェーン室23cに臨んでいる(図3参照)。
図3を参照して、クランクケース21は、左右半割りに構成され、左クランクケース21Lと右クランクケース21Rの間にケース内空間が形成されている。
ケース内空間は、互いに対面する左右鉛直軸受壁21Lv,21Rv間にケース外周壁21Ls,21Rsに囲まれて形成される空間であり、クランクシャフト30のカウンタウエイトを構成するクランクウエブが収容されるクランク室と常時噛合い式歯車変速機Mが収容される変速機室とが互いに前後に位置して連通して1つの空間を構成している。
この左クランクケース21Lと右クランクケース21Rのさらに左右外側方を左クランクケースカバー25と右クランクケースカバー26が覆い、左クランクケースカバー25内にACジェネレータ33が収容され、右クランクケースカバー26内に変速クラッチ37が収容される。
クランクシャフト30は、クランクウエブを両側から挟む位置で、左クランクケース21Lと右クランクケース21Rの互いに対面する左右鉛直軸受壁21Lv,21Rvに主ベアリング30b,30bを介して軸支される。
この左側の主ベアリング30bより左方に突出したクランクシャフト30の左側部には、ACジェネレータ33のアウタロータ33rが設けられるとともに、アウタロータ33rと主ベアリング30bとの間に駆動スプロケット52が嵌着されている。
クランクシャフト30の右側部には、遠心式オイルフィルタ34が設けられている。
シリンダブロック22のシリンダスリーブ22sの左側にチェーン室22cが、上下に貫通して、シリンダヘッド23のチェーン室23cと共通のチェーン室22c,23cを形成し、このチェーン室22c,23cを通ってカムチェーン54が、クランクシャフト30の駆動スプロケット52とカムシャフト51の被動スプロケット53との間に架渡される。
図3を参照して、左右クランクケース21L,21Rの左右鉛直軸受壁21Lv,21Rvの後方に延長した左右側壁間に常時噛合い式歯車変速機Mのメインシャフト35とカウンタシャフト36がそれぞれベアリングを介して軸支され、メインシャフト35に支持された駆動歯車列35gとカウンタシャフト36に支持された被動歯車列36gとが各対応する歯車を常時噛み合わせて変速機室に収容されている。
メインシャフト35の右鉛直軸受壁21Rvを右方に貫通しクラッチ室に突出した右側部に多板摩擦クラッチである変速クラッチ37が設けられ、変速クラッチ37と遠心式オイルフィルタ34が右クランクケースカバー26により覆われる。
カウンタシャフト36は、左鉛直軸受壁21Lvを左方に貫通して外部に突出した左端部に出力スプロケット38が嵌着されている。
出力スプロケット38には後輪駆動用チェーン39が巻き掛けられている。
図4を参照して、シリンダヘッド23の略矩形のヘッド外周壁61の上端面がシリンダヘッドカバー24との合わせ面61aであり、このヘッド外周壁61の内側においてチェーン室23cと燃焼室28の天井壁62とが左右に並んで形成されている。
このシリンダヘッド23の上方を前後に亘って延びるメインフレーム4は、図4に2点鎖線と散点模様で示しており、同図4に示すように、メインフレーム4は、シリンダヘッド23の左右幅の中央を通っている。
したがって、車幅中心でもあるメインフレーム4の中心軸Maに対して燃焼室28の天井壁62は右方に偏った位置にあり、すなわち燃焼室28の中心を通るシリンダスリーブ22sの中心軸であるシリンダ軸線Caは、メインフレーム4の中心軸Maに対して右方にオフセットしている。
そのため、シリンダ軸線Caから略等距離のシリンダスリーブ22sの周囲4か所に設けられるスタッドボルト71,71,72,72もメインフレーム4の中心軸Maに対して右方にオフセットしている。
図7は、メインフレーム4に対するクランクケース21,シリンダブロック22,シリンダヘッド23の位置関係を示す後断面図(図4のVII−VII線断面)である。
同図7および図4に示すように、左側2本のスタッドボルト71,71は、メインフレーム4の中心軸Maに近づく中央近傍スタッドボルト71,71であり、中央近傍スタッドボルト71,71のボルト中心軸はメインフレーム4と交差する。
また、右側2本のスタッドボルト72,72は、メインフレーム4から右方に離れ、そのボルト中心軸がメインフレーム4と交差しないフレーム幅外スタッドボルト72,72である。
なお、図7に2点鎖線で図示されたメインフレーム4の断面は、前側の中央近傍スタッドボルト71,フレーム幅外スタッドボルト72に沿って切断したときのもので、シリンダヘッド23からより遠い位置にあり、中央近傍スタッドボルト71の抜き取り量に大きな余裕がある。
図3および図4を参照して、シリンダヘッド23における天井壁62から上方に突出している左側軸受壁63および右側軸受壁64のうち左側軸受壁63には、カムシャフト51を回転自在に軸支するベアリング51bが嵌合される円孔63hが形成されており、右側軸受壁64には、同カムシャフト51を回転自在に軸支するベアリング51bが嵌合される左方を開口し右方を閉塞した円穴64hが形成されている(図6参照)。
メインフレーム4の中心軸Maに対してシリンダ軸線Caが右方にオフセットしているので、左側軸受壁63と右側軸受壁64も右方にオフセットしており、そのため、左側軸受壁63はメインフレーム4の中心軸Maに近づき、右側軸受壁64はメインフレーム4の中心軸Maから離れた位置にある。
メインフレーム4の中心軸Maに近づいた左側軸受壁63の円孔63hの前後両側の各左側部位に中央近傍スタッドボルト71,71のボルト孔23b,23bが形成され、メインフレーム4の中心軸Maから離れた右側軸受壁64の円穴64hの前後両側にフレーム幅外スタッドボルト72,72のボルト孔が形成されている。
図5ないし図7は、車体フレーム2に支持された内燃機関本体20Hの車体フレーム2に対する位置関係を示している。
内燃機関本体20Hのクランクケース21の一部,シリンダブロック22,シリンダヘッド23,シリンダヘッドカバー24を、前後の中央近傍スタッドボルト71,71の両ボルト中心軸を含む平面で切断した断面で示した側面図を図5に示し、前後のフレーム幅外スタッドボルト72,72の両ボルト中心軸を含む平面で切断した断面で示した側面図を図6に示し、図7は、シリンダヘッドカバー24を除きクランクケース21の一部,シリンダブロック22,シリンダヘッド23およびメインフレーム4を、後側の中央近傍スタッドボルト71と後側のフレーム幅外スタッドボルト72の両ボルト中心軸を含む平面で切断した断面で示した後面図である。
図5および図7を参照して、シリンダヘッド23における左側軸受壁63の前後の中央近傍スタッドボルト71,71の貫通するボルト孔23b,23bの上端開口面であるナット取付座63n,63nは、シリンダヘッド23の上端面である合わせ面61aより下方に大きく凹んだシリンダヘッド23の中央高さ位置にある。
図5を参照して、ナット取付座63n,63nは、シリンダヘッド23の上端面である合わせ面61aからの深さEが植込みネジ部71aの植込み深さDより大きくなる位置に形成される
また、図6および図7を参照して、シリンダヘッド23における右側軸受壁64の前後のフレーム幅外スタッドボルト72,72の貫通するボルト孔23b,23bの上端開口面であるナット取付座64n,64nは、シリンダヘッド23の上端面である合わせ面61aより僅かに凹んだシリンダヘッド23の上部高さ位置にあり、フレーム幅外スタッドボルト72,72の上端は、シリンダヘッド23の上端面である合わせ面61aと略一致する高さ位置にあって、合わせ面61aより上方に突出していない。
また、シリンダヘッド23の矩形をなすヘッド外周壁61の左側の側壁の下部がチェーン室23c側に膨出しており、この膨出部65の前後にボルト73,73が貫通するボルト孔23b,23bが形成されている。
該ボルト孔23b,23bの上端開口面であるボルト取付座65n,65nは、シリンダヘッド23の上端面である合わせ面61aより下方に大きく凹んだシリンダヘッド23の下部高さ位置にある(図7参照)。
シリンダヘッド23の6本のボルト孔23bに対応して、シリンダブロック22には同軸にボルト孔22bが穿孔され、クランクケース21には同軸に植込みネジ穴21bが形成されている。
クランクケース21のスタッドボルト71,72が植え込まれる植込みネジ穴21bは、底が塞がれたネジ穴である(図5,図6,図7参照)。
図7および図10を主に参照して、本実施の形態に係るスタッドボルト71,72は、下端にクランクケース21の植込みネジ穴21b,21bに螺合する植込みネジ部71a,72aが形成され、上端近傍に上側ネジ部71b,72bが形成されるとともに、上側ネジ部71b,72bより上の上端に六角ボルト頭部71c,72cが形成されている。
六角ボルト頭部71c,72cは、レンチ等の工具を掛合する工具掛け部である。
なお、ボルト73は、下端にネジ部73aが形成され、上端に六角ボルト頭部73bが形成される通常のボルトである。
図5ないし図7は、中央近傍スタッドボルト71,71、フレーム幅外スタッドボルト72,72、ボルト73,73によりクランクケース21にシリンダブロック22とシリンダヘッド23を一体に緊締した状態を示している。
中央近傍スタッドボルト71は、シリンダヘッド23とシリンダブロック22のボルト孔23b,22bを貫通してクランクケース21の植込みネジ穴21bに螺合して植え込まれており、シリンダヘッド23のナット取付座63nより上方に突出した上側ネジ部71bにワッシャ71Wを介してナット71Nが螺合して緊締している。
同様に、フレーム幅外スタッドボルト72は、シリンダヘッド23とシリンダブロック22のボルト孔23b,22bを貫通してクランクケース21の植込みネジ穴21bに螺合して植え込まれており、シリンダヘッド23のナット取付座64nより上方に突出した上側ネジ部72bにワッシャ72Wを介してナット72Nが螺合して緊締している。
中央近傍スタッドボルト71のナット取付座63nは、フレーム幅外スタッドボルト72のナット取付座64nより低い位置にあるので、中央近傍スタッドボルト71はフレーム幅外スタッドボルト72よりも短い。
ボルト中心軸がメインフレーム4と交差する中央近傍スタッドボルト71は、植込みネジ部71aを含む全長がシリンダブロック22とメインフレーム4との間の中央近傍スタッドボルト71のボルト中心軸に沿った距離Lよりは短い(図10参照)。
なお、ボルト73は、シリンダヘッド23とシリンダブロック22のボルト孔23b,22bを貫通してクランクケース21のネジ穴21bに螺合して六角ボルト頭部73bがシリンダヘッド23のボルト取付座65nを押圧して緊締している。
ボルト取付座65nはナット取付座63nよりさらに低い位置にあるので、ボルト73は中央近傍スタッドボルト71よりさらに短い。
スタッドボルト71,72のクランクケース21の植込みネジ穴21bに螺合して植え込まれる植込み深さDは、図5および図6に示すように、シリンダスリーブ22sがクランクケース21のクランク室内に突出する突出部22ssの突出長と略等しい。
なお、シリンダヘッドカバー24は、シリンダヘッド23にボルト75により取り付けられる。
以上のように、内燃機関本体20Hが組付けられて車体フレーム2に支持された本鞍乗り型自動二輪車において、内燃機関本体20Hを分解してシリンダヘッド23およびシリンダブロック22を取り外すときは、車体から外装カバーを外し、メインフレーム4に跨って搭載された燃料タンク17を取り除き、内燃機関本体20Hのシリンダブロック22やシリンダヘッド23に連結された吸気管41や排気管45等を取り外しておくと、概ね図6に示すような状態になる。
このような状態で内燃機関本体20Hが車体フレーム2に搭載されたまま、図7に示すようにシリンダヘッドカバー24を外し、カムチェーン54を被動スプロケット53から外した後に、中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72の上側ネジ部71b,72bに螺合し締め付けていたナット71N,72Nを緩め、ワッシャ71W,72Wとともに取り除く。
そして、クランクケース21の植込みネジ穴21bに螺合して膨出部65を締め付けていたボルト73もレンチにより回動して抜き取っておく。
次に、図8ないし図10を参照して、中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72の上端の六角ボルト頭部71c,72cにレンチを掛合して中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72を回動してクランクケース21の植込みネジ穴21b,21bに螺合して植え込まれていた植込みネジ部71a,72aを緩めて植込みネジ穴21b,21bから抜く。
このとき、中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72を抜いて移動する量は、中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72の下端が少なくともシリンダブロック22から抜けるまでの量である。
中央近傍スタッドボルト71は、シリンダブロック22とメインフレーム4との間の中央近傍スタッドボルト71のボルト中心軸に沿った距離Lよりは短いので、中央近傍スタッドボルト71がメインフレーム4に当接する前にシリンダブロック22から抜き取ることができる(図8,図10参照)。
なお、長尺のフレーム幅外スタッドボルト72は、ボルト中心軸がメインフレーム4と交差しないので、メインフレーム4に当接することなくシリンダブロック22から抜き取ることができる(図9,図10参照)。
このときに、フレーム幅外スタッドボルト72をシリンダヘッド23からも抜き取ることができるならば、ここでフレーム幅外スタッドボルト72を取り除いてもよい。
このように中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72をシリンダブロック22から抜き取った状態で、図10に2点鎖線で示すように、シリンダヘッド23を分解して中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72とともに車幅方向側方へ移動し取り外すことができる。
シリンダヘッド23が取り外されれば、シリンダブロック22の上方空間が広がるので、シリンダブロック22を上方に移動してシリンダスリーブ22s内からピストン31を抜くことができ、次いでシリンダブロック22を車幅方向外側に移動して取り外すことができる。
なお、図8ないし図10では、中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72をシリンダブロック22から抜いて、さらに幾らか上方まで移動させているが、これは、シリンダブロック22とシリンダヘッド23との間にノックピン等が介装されていたときのことを考慮したものである。
また、シリンダヘッド23もシリンダブロック22から離して幾らか上方に移動させているのもノックピン等を考慮したものである。
このように内燃機関本体20Hが車体フレーム2に搭載されたままで、内燃機関本体20Hを分解してシリンダヘッド23およびシリンダブロック22を取り外すことができるので、メンテナンス性に優れている。
スタッドボルト71,72は上側ネジ部71b,72bよりも上側の上端にレンチを掛合して螺合を解除する六角ボルト頭部71c,72cが形成されるだけの簡単な構造であり、コストの低減を図ることができる。
中央近傍スタッドボルト71の全長は、シリンダブロック22とメインフレーム4との間のボルト中心軸に沿った距離Lよりが短いので、内燃機関20を車両に搭載した状態で、中央近傍スタッドボルト71を、上方のメインフレーム4に当接する前に、シリンダブロック22から抜き取ることができ、フレーム幅外スタッドボルト72はメインフレーム4から車幅方向に外れているので、さらに余裕をもってシリンダブロック22から抜き取ることができ、よって、スタッドボルト71,72とともにシリンダヘッド23を車幅方向外側に移動して取り外すことができる。
次いで、シリンダブロック22を上方に移動してシリンダスリーブ22sからピストンを抜いてから車幅方向外側に移動して取り外すことができる。
スタッドボルト71,72のうち中央近傍スタッドボルト71を、ボルト中心軸がメインフレーム4に交差する位置に配置することで、すべてのスタッドボルトをメインフレーム4から車幅外方に外すことによる内燃機関本体の大型化を避けて、車体の小型化を図ることができるとともに、中央近傍スタッドボルト71とフレーム幅外スタッドボルト72の間を狭めて締付け力を向上させることができるとともに、シリンダを左右でバランス良く締め付けることができる。
内燃機関本体20Hの上方のメインフレーム4までの上方空間は、中央近傍スタッドボルト71がシリンダブロック22から抜けるまでの間にメインフレーム4に当接しない程度の空間でよく、狭く抑えることができ、車体の小型化を図ることができる。
また、中央近傍スタッドボルト71の上側ネジ部71bに螺合するナット部材71Nが当接されるシリンダヘッド23のナット取付座63nは、シリンダヘッド23の上端面より下方に位置するので、中央近傍スタッドボルト71の全長を短く設定でき、そのためメンテナンス時にスタッドボルトをシリンダブロックより抜き取る移動量を容易に確保可能で、内燃機関の上方空間を狭く抑えることができ、車体の小型化を図ることができる。
中央近傍スタッドボルト71に係るシリンダヘッド23のナット取付座63n,63nは、シリンダヘッド23の上端面である合わせ面61aからの深さEが植込みネジ部71aの植込み深さDより大きくなる位置に形成されるので、中央近傍スタッドボルト71の植込みネジ部71aをクランクケース21から抜いたところで、まだ中央近傍スタッドボルト71はシリンダヘッド23から殆ど飛び出さないので、内燃機関20を車両に搭載した状態で、内燃機関20の上方空間が狭くても、中央近傍スタッドボルト71をシリンダブロック23より抜き取る移動量を容易に確保して、シリンダヘッド23およびシリンダブロック22の取外しを可能とする。
なお、フレーム幅外スタッドボルト72についても中央近傍スタッドボルト71に係るナット取付座63n,63nと同様の位置にナット取付座を設け、中央近傍スタッドボルト71と同じ程度の長さに短くすれば、燃料タンク17を車体フレーム2に搭載した状態でもシリンダヘッド23およびシリンダブロック22の取外しを可能にすることができる。
ボルト中心軸がメインフレーム4と交差しないフレーム幅外スタッドボルト72の上端は、シリンダヘッド23の上端面61aと略一致する高さ位置とするので、内燃機関本体20Hの大型化を避けながらフレーム幅外スタッドボルト72を適度に長く設定することができ、内燃機関20の燃焼に伴うシリンダブロック22およびシリンダヘッド23の膨張を柔軟に吸収して剛性を容易に確保することができる。
スタッドボルト71,72の植込みネジ部71a,72aが螺合されるクランクケース21の植込み深さDは、シリンダブロック22のシリンダスリーブ22sのクランク室内に突出した突出部22ssの突出長に略等しいので、シリンダスリーブ22s内を往復動するピストン31の移動幅全てにおいてスタッドボルト71,72による締付け軸力を安定化することができる。
内燃機関20は単気筒であり、シリンダブロック22は、シリンダスリーブ22sがその周りのスタッドボルト71,72とともにメインフレーム4の位置する車幅方向中央から左右いずれか一方にオフセットして配置され、シリンダスリーブ22sがオフセットした方向に、前記フレーム幅外スタッドボルト72が位置し、シリンダスリーブ22sがオフセットした方向と反対側に、カムチェーン室22cが形成されるので、車体フレーム4に対して内燃機関本体20Hを車幅方向の中央に搭載して、左右の重量バランスを良好にするとともに、外観性を向上させることができる。
スタッドボルト71,72の植込みネジ部71a,72aが螺合されるクランクケース21の植込みネジ穴21b,21bは、底が塞がれたネジ穴であるので、スタッドボルト71,72の植込みネジ部71a,72aをクランクケース21の植込みネジ穴21b,21bから螺合を解除して取り外すときの摩耗粉がクランクケース21内に侵入するのを防止することができ、スタッドボルト71,72の取り外しに対するメンテナンス性を高めることができる。
1…鞍乗り型自動二輪車、2…車体フレーム、3…ヘッドパイプ、4…メインフレーム、5…ダウンフレーム、17…燃料タンク、
20…内燃機関、20H…機関本体、21…クランクケース、22…シリンダブロック、23…シリンダヘッド、23b…ボルト孔、23c…チェーン室、24…シリンダヘッドカバー、28…燃焼室、29…点火プラグ、30…クランクシャフト、 50…動弁機構、51…カムシャフト、54…カムチェーン、
61…ヘッド外周壁、62…天井壁、63…左側軸受壁、63n…ナット取付座、64…右側軸受壁、64n…ナット取付座、65…膨出部、65n…ボルト取付座、
71…中央近傍スタッドボルト、71N…ナット、71W…ワッシャ、72…フレーム幅外スタッドボルト、72N…ナット、72W…ワッシャ、73…ボルト、75…ボルト。

Claims (7)

  1. クランクケース(21)に下端の植込みネジ部(71a,72a)を螺合して植設された複数のスタッドボルト(71,72)が前記クランクケース(21)の上に順次重ねられるシリンダブロック(22)とシリンダヘッド(23)を貫通し、同スタッドボルト(71,72)の前記シリンダヘッド(23)を貫通して突出した上側ネジ部(71b,72b)にナット部材(71N,72N)を螺合して緊締する構造の内燃機関(20)が、車体フレーム(2)に支持されて搭載される鞍乗り型車両の内燃機関において、
    前記スタッドボルト(71,72)は前記上側ネジ部(71b,72b)よりも上側に工具を掛合して同スタッドボルト(71,72)を回動可能な工具掛け部(71c,72c)が形成され
    前記車体フレーム(2)は、ヘッドパイプ(3)から車幅方向中央を後方に延出するメインフレーム(4)が前記内燃機関(20)の上方に配設され、
    前記スタッドボルト(71,72)は、ボルト中心軸が前記メインフレーム(4)と交差する位置に配置される中央近傍スタッドボルト(71)とボルト中心軸が前記メインフレーム(4)と交差しないフレーム幅外スタッドボルト(72)とからなり、
    前記中央近傍スタッドボルト(71)の植込みネジ部(71a)を含む全長は、前記シリンダブロック(22)と前記メインフレーム(4)との間の前記中央近傍スタッドボルト(71)のボルト中心軸に沿った距離(L)よりは短いことを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関。
  2. 前記スタッドボルト(71,72)の前記上側ネジ部(71b,72b)に螺合する前記ナット部材(71N,72N)が当接される前記シリンダヘッド(23)のナット取付座(63n,64n)は、前記シリンダヘッド(23)の上端面より下方に位置することを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  3. 前記中央近傍スタッドボルト(71)の前記上側ネジ部(71b)に螺合する前記ナット部材(71N)が当接される前記シリンダヘッド(23)のナット取付座(63n)は、前記シリンダヘッド(23)の上端面(61a)からの深さ(E)が同中央近傍スタッドボルト(71)の植込みネジ部(71a)の植込み深さ(D)より大きくなる位置に形成されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  4. 前記フレーム幅外スタッドボルト(72)の上端は、前記シリンダヘッド(23)の上端面(61a)と略一致する高さ位置とすることを特徴とする請求項2または請求項3記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  5. 前記スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)が螺合される前記クランクケース(21)の植込み深さ(D)は、前記シリンダブロック(22)のシリンダスリーブ(22s)のクランク室内に突出した突出部(22ss)の突出長に等しいことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  6. 前記内燃機関(20)は、単気筒であり、
    前記シリンダブロック(22)は、シリンダスリーブ(22s)が前記シリンダスリーブ(22s)の周りの前記スタッドボルト(71,72)とともに前記メインフレーム(4)の位置する車幅方向中央から左右いずれか一方にオフセットして配置され、
    前記シリンダスリーブ(22s)がオフセットした方向に、前記フレーム幅外スタッドボルト(72)が位置し、
    前記シリンダスリーブ(22s)がオフセットした方向と反対側に、カムチェーン室(23c)が形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
  7. 前記スタッドボルト(71,72)の植込みネジ部(71a,72a)が螺合される前記クランクケース(21)の植込みネジ穴(21b,21b)は、底が塞がれたネジ穴であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の内燃機関。
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