JP6068109B2 - 槽体の排水路構造 - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示されている排水路構造では、洗面器の底側の排水口から主排水路が垂下状に設けられており、この主排水路に対し、洗面器のオーバーフロー口からのオーバーフロー排水路が横から合流したものとなっている。
また、排水後にはトラップ部の封水が減少してしまうという問題点もあった。
本発明は、槽体の底部に上流側開口を有する主排水路と、槽体の上縁近傍に上流側開口を有するオーバーフロー排水路との合流部の下流側にトラップを有し、空気抜き孔を備えない槽体の排水路構造において、前記合流部における前記主排水路の下流側開口と前記オーバーフロー排水路の下流側開口とが向き合って配置されており、排水時、前記槽体からの排水が前記主排水路から前記オーバーフロー排水路内に流れ込んで、前記オーバーフロー排水路の下流側開口を塞ぐことができることを要旨とする。
こうすれば、主排水路からの排水がオーバーフロー排水路内に流れ込んだとき、オーバーフロー排水路を確実に塞ぐことができて、オーバーフロー排水路から空気が巻き込まれにくくなり、ゴボゴボ音が発生しないものとなる。
こうすれば、主排水路側からオーバーフロー排水路の下流側開口を通し確実にオーバーフロー排水路内に排水を流し込んで、オーバーフロー排水路を塞ぐことができ、排水時にゴボゴボ音が発生しないものとなる。
このように構成することにより、主排水路からの排水の一部は、主排水路の下流側開口からオーバーフロー排水路の下流側開口へと流れ込み、オーバーフロー排水路の下流側開口を塞ぐことができ、これにより、排水時に、オーバーフロー排水路から空気が巻き込まれることが防がれ、排水時のゴボゴボ音が発生せず、排水音が静かなものとなる。
図1は、槽体の排水路構造を示す概略構成図である。
槽体4の底部4aの中央部には排水口4bが開口形成されており、また、槽体4の上縁近傍にはオーバーフロー口4cが開口形成されている。
この槽体4の排水口4bには排水栓が設けられており、排水栓の栓本体10により排水口4bが開閉される。なお、排水栓の構造については後述する。
また、槽体4のオーバーフロー口4cから垂下状にオーバーフロー排水路2が設けられており、このオーバーフロー排水路2は、オーバーフロー口4cに接続される水平な接続管部2bと、接続管部2bの右端側から真下に延びる垂直管部2cと、垂直管部2cの下端から左方向に水平に延びる水平管部2dで構成されており、接続管部2b側にオーバーフロー口4cと連通する上流側開口2aが形成されており、水平管部2dの左端側に下流側開口2eが形成されている。
この主排水路1の下流側開口1dとオーバーフロー排水路2の下流側開口2eは同径に水平方向に連続して一体形成されて合流部Pとなっている。この合流部Pには、下方側へ延びる排水配管3が連通されており、排水配管3内の下流側には、S字状のトラップ3aが形成されている。
また、更には、槽体4の底部4aと、主排水路1の水平管部1cの底部間の上下高さ寸法Tを小さくできるため、排水口4bから入れた掃除用具が主排水路1の水平管部1cの底部まで容易に届くことになり、垂直管部1bおよび水平管部1cの底部の掃除がしやすくなり、また、下方側に形成されるキャビネットの収納空間を広く確保することができるものとなる。
図3では、主排水路1の内径寸法よりもオーバーフロー排水路2の内径寸法を小径としたものである。
即ち、合流部Pにおける主排水路の下流側開口1dの開口面積に比べてオーバーフロー排水路2の下流側開口2eの開口面積が小面積に設定されている。
その他の構成は、図1のものと同様である。
なお、図4における破線で示すように、主排水路1の下流側開口1dの内壁1W内の上方位置にオーバーフロー排水路の下流側開口2eの内壁2Wが配置されているものであっても良い。
図5では、合流部Pにおいて、主排水路1の下流側開口1dとオーバーフロー排水路2の下流側開口2eの配置位置を上下にずらして配置させたものであり、図6にB−B線断面拡大図で示すように、主排水路の下流側開口1dの下方に一部を重なり合わせた状態でオーバーフロー排水路の下流側開口2eが配置されたものである。
なお、この重なり部分Kは、主排水路の下流側開口1dの下部部位に存在するものであれば、良好にオーバーフロー排水路2内に排水が流れ込み、オーバーフロー排水路2が塞がれるものである。
同様に、主排水路1の下流側開口1dとオーバーフロー排水路2の下流側開口2eの配置位置を左右にずらして配置しても重なり部分Kが存在すれば、排水時のゴボゴボ音の発生を防ぐことができるものである。
この図7の槽体の排水路構造では、槽体4の排水口4bから垂下状に垂下管部のみからなる主排水路1が垂設されており、この主排水路1の上端の上流側開口1aが排水口4bに連通し、主排水路1の下端側の下流側開口1dの下方に合流部Pが形成されている。
オーバーフロー排水路2は、槽体4のオーバーフロー口4cに連通する上流側開口2aを有する接続管部2bと、接続管部2bから垂下状に延びる垂直管部2cと、垂直管部2cの下端から右方に水平に延びる水平管部2dで構成されており、合流部Pに対してこの水平管部2dが水平方向から接続しており、合流部Pの下流側の水平管部3bの右端側にトラップ3aを有する排水配管3が連通されている。即ち、合流部Pに対して主排水路1の下流側開口1dは上方に配置され、オーバーフロー排水路2の下流側開口2eは略水平方向に配置されているとともに、合流部Pの下流側の排水路(水平管部3b)は略水平方向に延びている構成となっている。
即ち、主排水路1から流れ落ちる排水は、水平管部3b側の右方向に流れるとともに、オーバーフロー排水路2の水平管部2d内を左方向にも一部が流れ、これによりオーバーフロー排水路2の下流側開口2eは流れ込んだ排水により塞がれることとなる。
従って、排水時にオーバーフロー排水路2から空気が巻き込まれにくくなり、ゴボゴボ音の発生が防がれるものとなる。
図8は、排水栓を取り付けた槽体(洗面器)の断面構成図である。
槽体(洗面器)4の底部4aには排水口4bが形成されており、この排水口4bには、排水口4bを開閉する排水栓5が取り付けられている。この排水栓5から延びるオーバーフローホース接続エルボ27(オーバーフロー排水路2の水平管部2d)には、洗面器4に形成されているオーバーフロー口4cに接続されたオーバーフローホース28(オーバーフロー排水路2)が接続され、オーバーフロー水がこのオーバーフローホース28を通り、トラップ管接続部14aを通って、下方側へ延びるトラップ3aを有する排水配管3へ流される。
この排水栓5は、洗面器4の排水口4bの上方から排水管7(主排水路1)を差し込み、この排水管7に対し洗面器4の下方側から固定ナット8を締め付けて、洗面器4に固定状に取り付けられるものである。
固定ナット8の外周には、袋ナットで構成される接続ナット12が下方側から締め付けられ、この接続ナット12を介して排水管7の下方に連続状に排水L管14(主排水路1)が接続されるものであり、本例の排水L管14は、分岐状に垂下するトラップ管接続部14a(排水配管3の一部)を備え、このトラップ管接続部14aにトラップ3aを有する排水配管3が接続されるものである。
この排水栓5の排水管7(主排水路1)内に縦方向に配置されるロッド9の上端には、排水口4bを開閉する栓本体10が設けられており、栓本体10の下端外周にはパッキン11が設けられている。
なお、この栓本体10はロッド9から着脱させることができるものである。
ロッド9の下端には固定部材15を介して第1磁石16が取り付けられている。この第1磁石16は、本例では永久磁石であるネオジム磁石を用いており、上側がN極、下側がS極となっている。
図10の分解図で示すように、このヘアキャッチャー30には水が通る多数の通し孔が形成されていることにより、通水面積が狭められヘアキャッチャー30を通過する水に抵抗が生ずるように構成されており、このヘアキャッチャー30が排水管7(主排水路1)内の栓本体10の直下に配置されることにより、排水管7(主排水路1)内の流路面積が狭められるように構成されている。
なお、ロッド9の下端側にはバランサー31が取り付けられており、このバランサー31の下方のロッド9の下端位置に、磁石用パッキン32を介在させて第1磁石16が配置され、第1磁石16は固定部材15によりロッド9の下端側に固定保持されている。
この第2磁石20も永久磁石であるネオジム磁石を用いており、図9で上側がS極、下側がN極となるように構成されている。第2磁石20と磁石ホルダ19を組み立てる際にN極とS極を逆にすると、排水栓が閉まった状態で固着してしまうため、S極側に色をつけると良い。
図示しない洗面台に設けられた操作部24が操作されることで、ワイヤー23を介して図11のように、ピストン21が図示左方向に移動し、これにより、軸18を中心として磁石ホルダ19が上方へ回転し、磁石ホルダ19に強固に取り付けられている第2磁石20が第1磁石16に近づけられることにより、両者に反発力が生じて、ロッド9が上昇し、排水口4bを開けることができる。
この状態では、洗面器4に溜めてあった水が排水口4bから排水管7(主排水路1)内に流下し、排水L管14(主排水路1)のトラップ管接続部14a(排水配管3の一部)側へ流れ始めるが、ロッド9が上昇した分、第1磁石16の位置も上昇しており、第1磁石16と第2磁石20間の距離が大きくなってしまうため、磁石の反発力は小さいものとなり、そのため、栓本体10は開きにくい状態となる。
なお、ロッド9の上下移動方向とピストン21の左右移動方向は直交状であるため、ロッド9が下降しようとする力がピストン21に押し戻し力として作用することはない。
この図13では、洗面器4の排水口4bの下から排水管7(主排水路1)を当接させて、スポンジテープ34およびブチルテープ35を介在させて洗面器4と排水管7(主排水路1)間の水密性を確保し、下からビスで洗面器4に排水管7(主排水路1)を取り付ける構成のものである。
この排水管7(主排水路1)内にも、排水管7(主排水路1)内の流路面積を狭めるヘアキャッチャー30がロッド9の上下動と独立して固定状に配設されており、ロッド9の下端には第1磁石16が設けられている。また、排水管7(主排水路1)の下方に接続ナット12を締め付けて連続状に排水L管14(主排水路1)が接続されており、排水L管14(主排水路1)の分岐したトラップ管接続部14a(排水配管3の一部)の図示右側にはオーバーフロー接続継手36(オーバーフロー排水路2の水平管部2d)が袋ナット26を締め付けて接続されている。
即ち、洗面器4内に水を溜めた状態で、第2磁石20が第1磁石16に近づけられると、ロッド9が上昇して栓本体10が少し上昇した時に、溜められた水が排水管7(主排水路1)内に流下し、流下する水がヘアキャッチャー30により抵抗を受けて排水管7(主排水路1)内の圧力が高まり、これにより栓本体10の下面に上向きの力が作用して、栓本体10が上昇し、栓本体10が更に開かれて排水を速めることができるものである。従って、磁石16,20に反発力の小さいものを用いても良好に栓本体10のリフトアップ量を確保することができ、操作荷重も小さくなり、スムーズな開閉操作が可能となる。
1a 上流側開口
1b 垂直管部
1c 水平管部
1d 下流側開口
1W,2W 内壁
2 オーバーフロー排水路
2a 上流側開口
2b 接続管部
2c 垂直管部
2d 水平管部
2e 下流側開口
3 排水配管
3a トラップ
3b 水平管部
4 槽体(洗面器)
P 合流部
S 空間
4a 底部
4b 排水口
5 排水栓
7 排水管(主排水路1)
9 ロッド
10 栓本体
14 排水L管(主排水路1)
14a トラップ管接続部(排水配管3の一部)
15 固定部材
16 第1磁石
16a S極
16b N極
17 駆動部ケース
18 軸
19 磁石ホルダ
19a ピニオンギヤ
20 第2磁石
20a S極
20b N極
21 ピストン
21a ラックギヤ
23 ワイヤー
24 操作部
27 オーバーフローホース接続エルボ(オーバーフロー排水路2の水平管部2d)
28 オーバーフローホース(オーバーフロー排水路2)
30 ヘアキャッチャー
36 オーバーフロー接続継手(オーバーフロー排水路2の水平管部2d)
Claims (5)
- 槽体の底部に上流側開口を有する主排水路と、槽体の上縁近傍に上流側開口を有するオーバーフロー排水路との合流部の下流側にトラップを有し、空気抜き孔を備えない槽体の排水路構造において、
前記合流部における前記主排水路の下流側開口と前記オーバーフロー排水路の下流側開口とが向き合って配置されており、排水時、前記槽体からの排水が前記主排水路から前記オーバーフロー排水路内に流れ込んで、前記オーバーフロー排水路の下流側開口を塞ぐことができる
ことを特徴とする槽体の排水路構造。 - 前記オーバーフロー排水路の下流側開口面積は、前記主排水路の下流側開口面積と同一または小面積に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の槽体の排水路構造。 - 前記オーバーフロー排水路の下流側開口は、その内壁を主排水路の下流側開口に向かって延長させたときに、前記主排水路の下流側開口の内壁と一致するか又は主排水路の内壁内に収まるように配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の槽体の排水路構造。 - 前記オーバーフロー排水路の下流側開口の中心軸は、前記主排水路の下流側開口の中心軸より下側にずらして配置されている ことを特徴とする請求項1に記載の槽体の排水路構造。
- 槽体の底部に上流側開口を有する主排水路と、槽体の上縁近傍に上流側開口を有するオーバーフロー排水路との合流部の下流側にトラップを有し、空気抜き孔を備えない槽体の排水路構造において、
前記合流部に対して前記主排水路の下流側開口は上方に配置され、前記オーバーフロー排水路の下流側開口は略水平方向に配置されているとともに、合流部の下流側の排水路は略水平方向に延びており、排水時、前記槽体からの排水が前記主排水路から前記オーバーフロー排水路内に流れ込んで、前記オーバーフロー排水路の下流側開口を塞ぐことができる
ことを特徴とする槽体の排水路構造。
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