JP6066701B2 - 亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)の製造方法 - Google Patents

亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)の製造方法 Download PDF

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本発明は、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を高純度で製造する方法に関するものである。
亜リン酸ジアルキルとポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとをエステル交換反応させ、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)を製造することが知られている(特許文献1、特許文献2)。この製造例は、特許文献1、2の実施例中にそれぞれ記載されている。
また、特許文献3には、亜リン酸ジエステルとポリアルキレングリコール誘導体を縮合して、亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーを得る方法が記載されている。
特表2006-525423 特表2006-524749 特開2011-127078
しかし、特許文献3は、亜リン酸ジアルキルとポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとをエステル交換反応させ、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)を製造する方法ではない。また、特許文献1、2は、エステル交換反応を例えば170℃で一段階反応で実施しているが、得られた亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)の純度については記載がない。
本発明者は、エステル交換反応によって亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)を製造するのに際して、純度の高い反応生成物を得ることを試みていた。しかし、その過程で、この反応生成物中に数種類の不純物が含有されていることを見いだした。これは、エステル交換反応の実施に伴って不可避的に生じてくる不純物であり、抑制が困難であるだけでなく、目的生成物との分離も困難なものが含まれていた。
しかも、目的とする亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)は分子量が大きいのに対して、不純物の分子量は相対的に小さく、このため不純物の質量が少量であっても、モル濃度単位でみたときの純度は低くなる。このため、高純度が必要な用途に展開することができないという問題があることが判明した。
本発明の課題は、エステル交換反応によって亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を製造するのに際して、不純物を低減し、純度を向上させることである。
本発明は、以下のものである。
(1) 式(1)の亜リン酸二置換誘導体、式(2)のポリオキシエチレンエーテルおよび水を含む反応系において、式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と前記水との反応によって式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体を生成させる前処理工程;
次いで、式(a)の前記アルコールおよび式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体を留去する留去工程;および
式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルとをエステル交換反応させることによって、式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を得るエステル交換工程
を有しており、前記留去工程直後の反応混合物の31P[H]−NMR分析の積分値より算出された式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体の含有率が3.0%以下である、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)の製造方法。
Figure 0006066701
(Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

Figure 0006066701
(Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)

Figure 0006066701
(Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

Figure 0006066701
(Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

Figure 0006066701
(Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)
(2) 前記エステル交換工程が、前記留去工程後の反応混合物に対して式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体を更に添加し,式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを得る部分エステル化工程と、式(3)の前記亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルから式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を生じさせるジエステル化工程とを有することを特徴とする、(1)の方法。
Figure 0006066701
(Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基であり、Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)
(3) 前記部分エステル化工程における温度よりも前記ジエステル化工程における温度が高く、前記部分エステル化工程における圧力よりも前記ジエステル化工程における圧力が低いことを特徴とする、(2)の方法。
(4) 前記前処理工程の前に、水分を含有する式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルを脱水処理することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 上記式(1)の亜リン酸二置換誘導体、上記式(2)のポリオキシエチレンエーテルおよび水を含む反応系において、式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と前記水との反応によって上記式(a)のアルコールおよび上記式(b)の亜リン酸一置換誘導体を生成させ、かつ式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルとを反応させて式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを生成させる前処理工程;
次いで、式(a)の前記アルコールおよび式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体を留去する留去工程;および
式(3)の前記亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルと式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルとをエステル交換反応させることによって、上記式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を得るエステル交換工程
を有しており、前記留去工程直後の反応混合物の 31 P[H]−NMR分析の積分値より算出された式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体の含有率が3.0%以下である、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)の製造方法。
(6) 前記エステル交換工程における温度が前記前処理工程における温度よりも高く、前記エステル交換工程における圧力が前記前処理工程における圧力よりも低いことを特徴とする、()の方法。
(7) 前記留去工程と前記エステル交換工程とを連続的に行うことを特徴とする、()または()の方法。
) 前記前処理工程の前に、水分を含有する式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルを脱水処理することを特徴とする、()〜()のいずれかの方法。
本発明者は、エステル交換反応によって亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を製造してみたところ、エステル交換反応の実施に伴って不可避的に生じてくる不純物があり、抑制が困難であるだけでなく、目的生成物との分離も困難なものが含まれていた。このような不純物の生成という問題点は、従来技術においては検討されていない。
しかも、目的とする亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)は分子量が大きいのに対して、不純物の分子量は相対的に小さく、このため不純物の質量が少量であっても、モル濃度単位でみたときの純度は低くなる。このため、高純度が必要な用途に展開することができないという問題を見いだした。
本発明者は、最終生成物中に含まれる不純物を具体的に分析し、以下の知見に達した。すなわち、本製造法において、原料となるポリオキシエチレンエーテルは親水性が高く、たとえ脱水後であっても、数百ppmの水が含まれる。これらの水分がエステル交換反応中に、以下のような種々の反応を引き起こすことを見いだした。
Figure 0006066701
すなわち、まず原料に含まれる水分は、式(1)の亜リン酸二置換誘導体(亜リン酸ジアルキルあるいは亜リン酸ジフェニル)を加水分解し、式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体(亜リン酸モノアルキルあるいは亜リン酸モノフェニル)を生成する(スキーム1)。また、空気中にも水が存在し、反応操作中に原料と接触することにより、式(1)の亜リン酸二置換誘導体を加水分解し、式(b)の亜リン酸一置換誘導体を生成する。
Figure 0006066701
また、これら反応系内の水は、エステル交換反応中に生成する式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを加水分解し、式(b)の亜リン酸一置換誘導体、および式(c)の亜リン酸モノ(ポリオキシエチレンエーテル)を生成する(スキーム2)。式(c)の亜リン酸モノ(ポリオキシエチレンエーテル)は、末端が水素原子になっているが、目的とする最終生成物と分離することが困難である。
Figure 0006066701

また、亜リン酸一置換誘導体は、目的物である式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)と反応し、式(c)の亜リン酸モノ(ポリオキシエチレンエーテル)と式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを生成し、いずれも製品純度低下の原因となる(スキーム3)。
Figure 0006066701

更に、亜リン酸一置換誘導体は酸触媒として作用し、アルコール分子からエーテルと水とを生成し、上記した他種類の副反応の原因となる(スキーム4)。
本発明者は、これらの知見に基づき、式(1)の亜リン酸二置換誘導体を、式(2)のポリオキシエチレンエーテルに加え、少なくとも式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体をいったん生成させた後、アルコールおよび亜リン酸一置換誘導体を留去し、この後にエステル交換反応を完了させることを試みた。この結果、前記した複雑な副反応を抑制し、高純度のエステル交換生成物が得られることを確認し、本発明に到達した。
前処理工程においては、式(1)の亜リン酸二置換誘導体を、式(2)のポリオキシエチレンエーテルに加え、少なくとも式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体を生成させる。この工程で反応系内の水分をアルコールおよび亜リン酸一置換誘導体への変換が促進される。
ここで、式(1)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。Rがアルキル基である場合、更に好ましい炭素数は1〜4である。また、Rは、更に好ましくは1〜2である。
式(1)の亜リン酸二置換誘導体は、Rがアルキル基である場合には、亜リン酸ジアルキルとなり、Rがフェニル基である場合には、亜リン酸ジフェニルとなる。
式(2)のポリオキシエチレン一置換エーテルにおいて、Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基である。
がアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは1〜18であり、更に好ましくは1〜12であり、一層好ましくは1〜7である。また、Rがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは2〜18である。
式(2)において、nは5〜2,000である。nを3以上とすることによって、水の沸点と温度差異が大きくなり、減圧条件での水分含有量の低減が可能となる。この観点からは、nは5以上が更に好ましい。また、nを2,000以下とすることによって、溶液の粘度の上昇による操作性および反応性の低下が抑制され、純度を向上させることが可能となる。この観点からは、nは1,000以下が更に好ましい。
式(2)は、親水性が高く、水分を含んでおり、また、雰囲気中の水分を容易に吸着する。本発明によってこの水分による影響を抑制できるが、しかし最終生成物の純度を更に向上させるという観点からは、式(2)のポリオキシエチレンエーテルの水分含有量は0.2%以下が好ましく、300ppm以下が更に好ましい。
また、同様の観点から、前処理工程に先立ち、式(2)のポリオキシエチレンエーテルを脱水処理することが好ましい。この脱水処理は、好ましくは以下の方法である。
反応容器内において70〜150℃、0〜13kPa、0.5〜3時間の条件下で脱水処理を行う。ポリオキシエチレンエーテルに対して、トルエン等の溶媒を加え、常圧にて共沸脱水後、70〜150℃、0〜13kPa、0.5〜3時間の条件下で加熱処理を行う。あるいは、ポリオキシエチレンエーテルをクロロホルム等の溶媒に溶解後、モレキュラーシーブス等の脱水剤を加え脱水を行った後、脱水剤を除去後、70〜150℃、0〜13kPa、0.5〜3時間の条件下で加熱処理を行う。
ここで、前処理工程においては、エステル交換反応を生じさせてもよく、エステル交換反応を生じさせなくとも良い。
前処理工程における反応条件は、エステル交換反応の有無によって変わる。また、好ましい反応条件は、原料となる式(1)の置換基、式(2)の化合物の置換基によって決定されるものであり、反応温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。一例を挙げると、エステル交換反応を生じさせる場合には、好適な反応温度は100〜120℃であり、また好適な圧力は55kPa〜100kPa(常圧)である。また、一例を挙げると、エステル交換反応を生じさせない場合には、好適な反応温度は80〜100℃であり、また好適な圧力は100kPa(常圧)である。
次いで、前処理工程で生成した式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体を、留去する。これによって、反応系内の副反応が著しく抑制される。
前述のように、一実施形態においては、前処理工程においてエステル交換反応を生じさせず、次の留去処理を行う。この形態について、好適な反応スキーム5、6を以下に示す。
Figure 0006066701

Figure 0006066701

本形態では、好ましくは、留去工程後にいったん反応を停止する。そして、留去工程後の反応生成物に対して、式(1)の亜リン酸二置換誘導体を更に添加し,式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを得る(部分エステル化工程)。そして、この反応混合物に対して更にエステル化反応を継続し、式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルから式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を生じさせる(ジエステル化工程)。
この形態では、留去工程における反応条件は、エステル交換反応が生じない条件が好ましい。また、好ましい反応条件は、原料となる式(1)の置換基、式(2)の化合物の置換基によって決定されるものであり、反応温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。ここで一例を挙げると、好適な温度範囲は、140〜210℃であり、好適な圧力は0〜0.2kPaである。なお、エステル交換反応を生じさせない目的から、好適な圧力に到達後、好適な温度範囲に加温することが望ましい。
部分エステル化工程における反応条件も、原料の種類によって決定され、反応温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。一例を挙げると、好適な反応温度は100〜120℃であり、また好適な圧力は55kPa〜100kPa(常圧)である。
ジエステル化工程における反応条件も、原料の種類によって決定され、反応温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。一例を挙げると、好適な反応温度は140〜210℃であり、また好適な圧力は0〜0.5kPaである。
本実施形態では、部分エステル化工程における温度よりもジエステル化工程における温度が高く、部分エステル化工程における圧力よりもジエステル化工程における圧力が低いことが好ましい。これによって、部分エステル化工程において不要なアルコール等の留去を一層促進しつつ、同時にジエステル化工程における目的物の生成を促進できる。
この観点からは、部分エステル化工程における温度とジエステル化工程における温度との差異は、10℃以上が好ましく、20℃以上が更に好ましい。また、部分エステル化工程における温度とジエステル化工程における温度との差異は、54.5kPa以上が好ましく、99kPa以上が更に好ましい。
本実施形態では、前処理工程において、式(2)のポリオキシエチレンエーテルの量を1molとしたとき、式(1)の亜リン酸二置換誘導体の量は、0.06〜15molとすることが好ましく、0.06〜12molとすることが更に好ましく、0.06〜10molとすることが一層好ましい。
本実施形態では、留去工程後、エステル交換工程前において、亜リン酸二置換誘導体を追加添加することが好ましい。この場合には、式(2)のポリオキシエチレンエーテルの量を1molとしたとき、式(1)の亜リン酸二置換誘導体の量は、0.7〜8molとすることが好ましく、0.8〜6molとすることが更に好ましく、0.9〜4molとすることが一層好ましい。
また、他の実施形態においては、前処理工程において、エステル交換反応を部分的に生じさせる。この反応スキーム7、8を下図に示す。
Figure 0006066701

すなわち、前処理工程において、同時に、式(1)の亜リン酸二置換誘導体と式(2)のポリオキシエチレンエーテルとを反応させて式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを生成させる。このとき、同時に、式(a)のアルコール、式(b)の亜リン酸一置換誘導体が生成する(スキーム7)。
Figure 0006066701

次いで、留去工程を行い、式(a)のアルコール、式(b)の亜リン酸一置換誘導体および過剰の亜リン酸二置換誘導体を留去する。次いで、エステル工程において、式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルから 式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を生じさせる(スキーム8)。
本実施形態においては、前処理工程における反応条件は、部分エステル化に適した反応条件となる。これは、原料の種類によって決定され、反応温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。一例を挙げると、好適な反応温度は100〜140℃であり、また好適な圧力は55kPa〜100kPa(常圧)である。
また、留去工程における条件も、原料の種類によって決定され、温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。一例を挙げると、好適な温度は140〜210℃であり、また好適な圧力は0〜0.2kPaである。
また、エステル交換工程における反応条件も、原料の種類によって決定され、反応温度および圧力それ自体は当業者が選択可能である。一例を挙げると、好適な温度は140〜210℃であり、また好適な圧力は0〜0.5kPaである。
本実施形態においては、エステル交換工程における温度が前処理工程における温度よりも高く、エステル交換工程における圧力が前処理工程における圧力よりも低いことが好ましい。これによって、これによって、前処理工程において不純物の生成を抑制しつつ、同時にエステル交換工程における目的物の生成を促進できる。
この観点からは、前処理工程における温度とエステル交換工程における温度との差異は、10℃以上が好ましく、20℃以上が更に好ましい。また、前処理工程における圧力とエステル交換工程における圧力との差異は、54.5kPa以上が好ましく、99kPa以上が更に好ましい。
好適な実施形態においては、留去工程とエステル交換工程とを連続的に行う。これによって、生産効率を改善できる。この場合、留去工程における温度および圧力とエステル交換工程における温度および圧力を同じにすることもできる。
本実施形態では、前処理工程において、式(2)のポリオキシエチレンエーテルの量を1molとしたとき、亜リン酸二置換誘導体の量は、1.3〜15molとすることが好ましく、1.7〜12molとすることが更に好ましく、2.0〜10molとすることが一層好ましい。
本発明においては、留去工程直後の反応混合物を31P[H]−NMR分析の積分値より算出された式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体の含有率が3.0%以下である。これは2.8%以下が更に好ましい。また、この下限は特になく、検出不能であってよい。
(ポリオキシエチレンモノメチルエーテルの脱水工程)
ポリオキシエチレンモノメチルエーテル 120g、トルエン900ml、モレキュラーシーブス3A 100g加え、3時間静置した。静置後のポリオキシエチレンモノメチルエーテルの水分濃度は90ppmであった。
デカンテーションにより、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、トルエン溶液を取り出した後、この溶液を常圧、窒素気流下でオイルバス温度を90℃から徐々に120℃まで昇温し、トルエンを留去した。次に、減圧下(0.1kPa以下)、120℃で1時間加温し、ポリオキシエチレンモノメチルエーテルの脱水物 115gを得た。
(実施例1)
以下のようにして、前述したスキーム5、6に従って反応を実施した。
具体的には、ポリオキシエチレンモノメチルエーテルの脱水物(式(1):分子量5000:R=メチル基:n=113)100g(2.0×10-2モル)と亜リン酸ジメチル(式(1):R=メチル基)2.2g(2.0×10-2モル)を加えた(仕込み(1))。常圧、窒素気流下、80℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、反応系中に含まれる水と亜リン酸ジメチル(以下「DMP」と呼ぶ)が反応し、メタノール(式(a))と亜リン酸モノメチル(式(b):以下「MMP」と呼ぶ)を生成した(前処理工程)。反応物を31P{H}-NMR分析した結果、DMP由来のピークが11.6ppm付近に、MMP由来のピークが10.0ppm付近に検出され、積分値よりMMPの含有率を算出した。測定結果を表1に示す。
31P{H}-NMR分析の測定条件は以下のとおりである。
日本電子データム(株)製JNM-AL400を用いた。重溶媒としてはCDCl3を用い、測定を行なった。化学シフトは、H3PO4(0ppm)を外部標準としてppmで記録した。
次に、0.1kPa以下に減圧後、150℃まで昇温し、メタノール、MMP、DMPを留去した(留去工程)。150℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析した結果、10.0ppm付近に検出されるMMP由来のピークは検出されなかった。測定結果を表1に示す。
次いで、60℃まで冷却後、DMP2.6g(2.4×10-2モル)を加えた(仕込み(2))後、常圧、窒素気流下、130℃で5時間加熱攪拌し、副生するメタノールを留去し、亜リン酸メチル一ポリオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、150℃まで昇温し、メタノールとDMPを留去した。150℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDMPを留去しながら20時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(ジエステル化工程)。反応物をGPC分析し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)の含有率を測定した。
GPC分析は、システムとして島津Prominence
GPCシステムを用いて測定を行った。解析はGPC解析((株)島津製作所)を用いた。

展開溶媒:THF
流速:1mL/min
カラム:SHODEX KF−804×2本
カラム温度:40℃
サンプル量:10mg/1g{(反応物重量)/(THF重量)},50μL
検出器:RI
(実施例2)
前述したスキーム5、6に従って反応を行った。
具体的には、原料として、水分濃度0.2%のポリオキシエチレンモノメチルエーテル(式(2):分子量5000:n=113)未脱水物100g(2.0×10-2モル)とDMP8.8g(8.0×10-2モル)を加えた(仕込み(1))。常圧、窒素気流下、100℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、反応系中に含まれる水とDMPが反応し、メタノールとMMPを生成した(前処理工程)。この反応物を31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。
次に、0.1kPa以下に減圧後、160℃まで昇温し、メタノール、MMP、DMPを留去した(留去工程)。160℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。
60℃まで冷却後、DMP2.0g(1.8×10-2モル)を加えた(仕込み(2))。次いで、常圧、窒素気流下、120℃で7時間加熱攪拌し、副生するメタノールを留去し、亜リン酸メチル−ポリオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、170℃まで昇温し、メタノールとDMPを留去した。170℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDMPを留去しながら10時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(ジエステル化工程)。反応物をGPC分析し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)の含有率を測定した。
(実施例3)
スキーム7、8に従って実験を行った。
具体的には、前述のようにして脱水したポリオキシエチレンモノメチルエーテル(式(2):分子量5000:n=113)脱水物100g(2.0×10-2モル)とDMP4.8g(4.4×10-2モル)を加え、常圧、窒素気流下130℃で副生するメタノールを留去しながら、5時間加熱攪拌し、亜リン酸メチル−ポリオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(前処理工程)。副反応として、反応系中に含まれる水とDMPの反応により、メタノールとMMPを生成した。反応物を31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。
次に、0.1kPa以下に減圧後、160℃まで昇温し、メタノール、MMP、DMPを留去した(留去工程)。160℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。160℃に達温後(減圧下;0.1kPa以下)、副生するDMPを留去しながら15時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(エステル交換工程)。反応物をGPC分析し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)の含有率を測定した。
(比較例1)
DMP(仕込み(1))の仕込量を0.05g(4.5×10-4モル)で反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
スキーム7、8に従って実験を行った。
具体的には、前述のようにして脱水したポリオキシエチレンモノメチルエーテル脱水物100g(式(2):分子量5000:n=113)(2.0×10-2モル)にDMP4.2g(3.8×10-2モル)を加え、常圧、窒素気流下135℃、5時間加熱攪拌し、副生するメタノールを留去し、亜リン酸メチル−ポリオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(前処理工程)。副反応として、反応系中に含まれる水とDMPの反応により、メタノールとMMPの混合物を生成した。反応物を31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。
次に、0.1kPa以下に減圧後、135℃でメタノール、DMPを留去した(留去工程)。135℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。次いで、160℃に達温後(減圧下;0.1kPa以下)、副生するDMPを留去しながら15時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(エステル交換工程)。反応物をGPC分析し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)の含有率を測定した。
(比較例3)
DMPの仕込量を1.3g(1.2×10-2モル)で反応を行った以外は、実施例3と同様に行った。
Figure 0006066701

実施例1、2、3では、最終生成物の純度が著しく改善されている。
比較例1では、実施例と比較して、DMPの仕込み量を減らしたため、留去工程直後のMMPの比率が未だ高く、反応系中の水が残存し、その後の反応で、前述した複雑な副反応が起こり、目的物の純度が大きく低下した。
比較例2では、加熱温度が低く、MMPの留去が不充分となった。このため、その後の反応で、前述した副反応が進み、目的物の純度が低下した。
比較例3では、実施例3と比較して、DMPの仕込み量を減らしたため、反応系中の水とDMPの反応によりDMPが不足し、未反応のポリオキシエチレンモノメチルエーテルが残り、目的物の純度が低下した。
(実施例4)
スキーム5、6に従って実験を行った。
具体的には、実施例1と同じ方法で脱水したポリオキシエチレンモノメチルエーテル(分子量400:n=9)脱水物100g(2.5×10-1モル)と亜リン酸ジイソプロピル(以下「DPP」と呼ぶ)2.5g(1.5×10-2モル)を加え、100℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、反応系中に含まれる水とDPPが反応し、イソプロピルアルコール(以下「IPA」と呼ぶ)と亜リン酸モノイソプロピル(以下、「MPP」と呼ぶ)を生成した(前処理工程)。反応物を31P{H}-NMR分析した結果、DPP由来のピークが5.5ppm付近に、MPP由来のピークが7.5ppm付近に検出され、積分値よりMPPの含有率を算出した。測定結果を表2に示す。
次に、0.1kPa以下に減圧後、170℃まで昇温し、IPA、MPP、DPPを留去した(留去工程)。170℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMPPの含有率を算出した。60℃まで冷却後、DPP63.1g(3.8×10-1モル)を加え、常圧、窒素気流下、140℃で5時間加熱攪拌し、副生するIPAを留去し、亜リン酸イソプロピル−ポリオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、170℃まで昇温し、IPAとDPPを留去した。170℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDPPを留去しながら13時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(ジエステル化工程)。結果を表2に示す。
(実施例5)
スキーム5、6に従い、実験を行った。
具体的には、製造例1と同様な方法で脱水したポリオキシエチレンモノメチルエーテル(分子量20000:n=454)脱水物100g(5.0×10-3モル)とDMP0.9g(8.2×10-3モル)を加え、100℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、反応系中に含まれる水とDMPが反応し、メタノールとMMPを生成した(前処理工程)。
次に、0.1kPa以下に減圧後、160℃まで昇温し、メタノール、MMP、DMPを留去した(留去工程)。160℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。60℃まで冷却後、DMP1.1g(1.0×10-2モル)を加え、常圧、窒素気流下、140℃で5時間加熱攪拌し、副生するメタノールを留去し、亜リン酸メチル−ポエオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、160℃まで昇温し、メタノールとDMPを留去した。170℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDMPを留去しながら13時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(ジエステル化工程)。
(実施例6)
スキーム5、6に従って実験を行った。
具体的には、前述と同様な方法で脱水した、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル(分子量40000:n=909)脱水物100g(2.5×10-3モル)とDPP3.7g(2.2×10-2モル)を加え、90℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、反応系中に含まれる水とDPPが反応し、イソプロピルアルコールとMPPを生成した(前処理工程)。
次に、0.1kPa以下に減圧後、180℃まで昇温し、IPA、MPP、DPPを留去した(留去工程)。180℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMPPの含有率を測定した。60℃まで冷却後、DPP1.6g(1.0×10-2モル)を加え、常圧、窒素気流下、150℃で5時間加熱攪拌し、副生するイソプロピルアルコールを留去し、亜リン酸イソプロピル−ポリオキシエチレンモノメチルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、180℃まで昇温し、イソプロピルアルコールとDPPを留去した。180℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDPPを留去しながら8時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノメチルエーテル)を主成分とする反応物を得た(ジエステル化工程)。
(実施例7)
前述と同様な方法で脱水した、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテル(分子量1500:n=28)脱水物100g(6.7×10-2モル)とDMP8.1g(7.4×10-2モル)を加え、100℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテル中に含まれる水とDMPが反応し、メタノールとMMPを生成した(前処理工程)。
次に、0.1kPa以下に減圧後、160℃まで昇温し、メタノール、MMP、DMPを留去した(留去工程)。160℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMMPの含有率を測定した。60℃まで冷却後、DMP6.5g(5.9×10-2モル)を加え、常圧、窒素気流下、140℃で4時間加熱攪拌し、副生するメタノールを留去し、亜リン酸メチル−ポリオキシエチレンオレイルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、160℃まで昇温し、メタノールとMMPを留去した。160℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDMPを留去しながら15時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノオレイルエーテル)を主成分とする反応物を得た(ジエステル化工程)。
(実施例8)
スキーム5、6に従い、実験を行った。
具体的には、製造例1と同様な方法で脱水した、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル(分子量1000:n=19)脱水物100g(1.0×10-1モル)と亜リン酸ジフェニル(以下「DPhP」と呼ぶ)35g(1.5×10-1モル)を加え、90℃で1時間加熱攪拌した。この操作により、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル中に含まれる水とDPhPの反応により、フェノールと亜リン酸フェニル(以下「MPhP」と呼ぶ)を生成した(前処理工程)。反応物を31P{H}-NMR分析した結果、DPhP由来のピークが1.4ppm付近に、MPhP由来のピークが6.4ppm付近に検出され、積分値よりMPhPの含有率を算出した。測定結果を表2に示す。
次に、0.1kPa以下に減圧後、200℃まで昇温し、フェノール、MPhP、DPhPを留去した(留去工程)。200℃に達温1時間後に反応物の31P{H}-NMR分析し、積分値よりMPhPの含有率を算出した。60℃まで冷却後、DPhP23g(1.0×10-1モル)を加え、常圧、窒素気流下、160℃で4時間加熱攪拌し、副生するフェノールを留去し、亜リン酸フェニル−ポリオキシエチレンモノラウリルエーテルを含む反応物を得た(部分エステル化工程)。次に、0.1kPa以下に減圧後、200℃まで昇温し、フェノールとDPhPを留去した。200℃に達温後、減圧下(0.1kPa以下)、副生するDPhPを留去しながら6時間加熱攪拌し、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル)を主成分とする反応物を得た。
Figure 0006066701

実施例4〜8では、実施例1と同様な理由により、高純度な目的物が得られた。

Claims (8)

  1. 式(1)の亜リン酸二置換誘導体、式(2)のポリオキシエチレンエーテルおよび水を含む反応系において、式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と前記水との反応によって式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体を生成させる前処理工程;
    次いで、式(a)の前記アルコールおよび式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体を留去する留去工程;および
    式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルとをエステル交換反応させることによって、式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を得るエステル交換工程
    を有しており、前記留去工程直後の反応混合物の31P[H]−NMR分析の積分値より算出された式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体の含有率が3.0%以下である、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)の製造方法。
    Figure 0006066701
    (Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

    Figure 0006066701
    (Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)

    Figure 0006066701
    (Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

    Figure 0006066701
    (Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

    Figure 0006066701
    (Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)
  2. 前記エステル交換工程が、前記留去工程後の前記反応混合物に対して式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体を更に添加し,式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを得る部分エステル化工程と、式(3)の前記亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルから式(4)の前記亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を生じさせるジエステル化工程とを有することを特徴とする、請求項1記載の方法。

    Figure 0006066701
    (Rは、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基であり、Rは、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)
  3. 前記部分エステル化工程における温度よりも前記ジエステル化工程における温度が高く、前記部分エステル化工程における圧力よりも前記ジエステル化工程における圧力が低いことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 前記前処理工程の前に、水分を含有する式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルを脱水処理することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  5. 式(1)の亜リン酸二置換誘導体、式(2)のポリオキシエチレンエーテルおよび水を含む反応系において、式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と前記水との反応によって式(a)のアルコールおよび式(b)の亜リン酸一置換誘導体を生成させ、かつ式(1)の前記亜リン酸二置換誘導体と式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルとを反応させて式(3)の亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルを生成させる前処理工程;
    次いで、式(a)の前記アルコールおよび式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体を留去する留去工程;および
    式(3)の前記亜リン酸ポリオキシエチレンエーテルと式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルとをエステル交換反応させることによって、式(4)の亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)を得るエステル交換工程
    を有しており、前記留去工程直後の反応混合物の 31 P[H]−NMR分析の積分値より算出された式(b)の前記亜リン酸一置換誘導体の含有率が3.0%以下である、亜リン酸ジ(ポリオキシエチレンエーテル)の製造方法。
    Figure 0006066701

    (R は、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

    Figure 0006066701
    (R は、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)
    Figure 0006066701
    (R は、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基であり、R は、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)

    Figure 0006066701
    (R は、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

    Figure 0006066701
    (R は、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれた一種または二種以上の置換基である。)

    Figure 0006066701
    (R は、炭素数1〜24のアルキル基および炭素数2〜24のアルケニル基から選択された一種または二種以上の置換基であり、nは、5〜2,000である。)
  6. 前記エステル交換工程における温度が前記前処理工程における温度よりも高く、前記エステル交換工程における圧力が前記前処理工程における圧力よりも低いことを特徴とする、請求項記載の方法。
  7. 前記留去工程と前記エステル交換工程とを連続的に行うことを特徴とする、請求項または記載の方法。
  8. 前記前処理工程の前に、水分を含有する式(2)の前記ポリオキシエチレンエーテルを脱水処理することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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