JP6066437B2 - 舗装機用サーモグラフィモジュール - Google Patents

Description

本発明は、舗装機によって敷設された舗装道路の温度値を連続的に検出するための温度測定装置を含むシステムに関し、特に、敷設温度の検出を文書化するための画像記録ユニットおよび評価ユニットを含むシステムに関する。

舗装機は機械であり、この機械によって非接着層または非接着舗装道路、および、接着層または接着舗装道路を作ることができる。敷設された舗装道路がその使用目的に対して利用可能になるとすぐに、その後の改修は、道路区間または建物の一部の閉鎖といったかなりの労力が必要になる。そのため、アスファルト敷設の分野では、品質管理が最も重要である。アスファルト敷設の品質または敷設されたアスファルトの品質の測定を可能にするシステムは、ＷＯ２００４／０３４３５１Ａ２に示されている。詳細には、アスファルトの性質を手動でチェックすることができ、それを行う際に個々の測定プロセスは、現場のデータと関連付けることができる。

原因に関しては、とりわけ、道路建設において使用される舗装道路、特にアスファルトの処理温度は、敷設された舗装道路の安定性、層付着力、および、耐用年数といった利用特性に大幅に影響を及ぼす重要なプロセス変数である。舗装機は、一般に、舗装材料を分布させ、かつ、舗装機の後端に取り付けられることで引っ張られるスクリードによる舗装材料の表面の先行圧縮を実行する。その後、敷設された舗装道路はローラによってさらに締め固められる。敷設中の環境条件および天候条件など他の要因のように、敷設プロセスの様々な段階における材料の温度は、舗装業務の効率および成果に影響を及ぼす。

例えば、最適な温度条件下の舗装材料の処理は、長い間重要と認識されてきたが、かかる処理は、補助や操作を行う要員が、手動制御測定をしないといけない場合が多い。舗装材料は、一般に、アスファルトまたはビチューメンプラントを比較的高温で用いる。供給機が作業現場に到達するために走行しなければならない距離、ならびに、交通状態および周囲温度に応じて、アスファルトは、引き渡し前にある程度まで冷たくなる場合がある。さらに、舗装機械、および、締め固め機またはローラの進捗は変動する場合がある。舗装プロセス全体が減速した場合、運搬トラックは時々、舗装材料を降ろすのに待たなければならない場合がある。冷たくなる程度は、舗装材料が最終的に舗装機械に到達すると、引き渡し時の舗装材料の温度、環境的要因、断熱または非断熱運搬トラックの使用、ならびに、舗装機械の適正な操作対非適正な操作などに応じて変動する場合がある。例えば、バーナーにおいて消費されるガス量に対する生態学的側面および経済的側面は、ここでますます重要になっている。場合によっては、舗装材料は、舗装機械内で分離してしまうので、相対的に冷たいおよび相対的に熱いポケットまたは機械内の材料の堆積が存在する場合があるため、一旦作業表面上に分布されると舗装材料において予想外の温度勾配につながる。舗装材料が舗装機械または舗装機によって放出および分布され、その後スクリードによって取り扱われた後、種々の締め固め機によってさらになお締め固められる準備ができている時、その温度は予想温度から大幅に変動する可能性があり、意図されない分離または不十分な混合によって、舗装された範囲間の温度が不均一になる可能性がある。

舗装道路の敷設温度の最重要性によって、敷設温度を測定することはますます重要になっており、ここ数年内で、種々の解決策が市場で展開されており、この解決策は、敷設温度の度量衡学的証明に関する要求を満たすため、その後の改良も容易にするものである。この目的のために、舗装機の後ろで、特に、スクリードの後ろで敷設温度を測定する種々のシステムが市販されている。利用可能なこのシステムは、高温計アレイから熱スキャナまたは赤外線スキャナ、さらには枢動自在な高温計に及ぶ。これらのシステムは、舗装機の後ろで、温度プロファイルのおおよそのエリア効果を得るために使用される。

敷設温度情報を得るための他のシステムは、適したソフトウェアによって画像データが算術的に走査線に変換される赤外線カメラに基づいている。これらの線は、スクリードの後縁から画定された距離で間隔があけられ、各線は、舗装機の走行方向を横断する（横切る）舗装された層の温度プロファイルを表している。ソフトウェアは、平面像、温度マッピング、または、２次元温度プロファイルを形成するように、個々の線を組み合わせる。これらの画像はその後、敷設されたアスファルトの温度分布を査定するために使用される。上述したように、可能な限り高い均一性を有する温度分布は、ローラによるその後の締め固めのための均一の事前条件を与えることになるため、ここでは品質特性となっている。

独国特許出願公開第１０２００８０５８４８１号は、舗装プロセス中のかかる温度プロファイルの評価、特に、舗装トレーラの個々の機械の使用のための舗装計画の適応を記載している。とりわけ、取得される温度情報に基づいて、締め固めローラと舗装機械または舗装機との間の距離は、アスファルトが、「テンダーゾーン」として既知の温度範囲内で後続の締め固めローラによって処理されないように適応され、すなわち、テンダーゾーンの温度範囲の上限温度より上、または、下限温度より下のどちらかで締め固められることになる。

ＷＯ００／７０１５０Ａ１は、同様に、舗装機上で使用するための温度監視システムについいて言及している。当該温度監視システムは、線走査モードにおいて線単位で、敷設された舗装道路の温度を走査する。それぞれの実施形態によると、得られる情報は、スクリードの制御を適応させるために直接使用されるか、または、舗装トレーラの他の機械と通信される。

これらの既知のシステムは、敷設された舗装道路の温度の理想的な検出を前提に処理が行われる。しかしながら、実際には、舗装トレーラのローラもしくは他の機械が舗装道路に進入するようなこと、または、操作する要員の個々の人間がその舗装道路を横切るようなことは頻繁に生じる。このことは、２次元温度プロファイルまたは温度マッピングに表れる敷設温度の不正確な測定につながる場合がある。次いで検出された局所的な温度は、周囲の敷設された舗装道路の温度と比較して、低すぎるか、高すぎるか、非常に不均等であるか、何か他の方法で周囲温度から外れているかのいずれかとして見分けられることになるが、その後、この偏差の理由が、例えば、分離およびポケットの形成や異物の検出によって引き起された敷設材料の不均等性であるかどうかを容易に確認することができない。また、敷設温度を検出するために使用される、赤外線カメラまたは同等の温度測定装置の誤動作である場合があり、そのため、温度検出の実際の測定点は、敷設された舗装道路の目標範囲外にあるか、検出された画像範囲は測定値間で不正確に変動する。温度測定装置が、敷設された舗装道路上に正確に向けられていない場合、検出された温度は、評価する要員に対して解決不可能な問題となる場合がある。

従って、本発明の目的は、実際の使用により良く適応させ、かつ、舗装機によって敷設された舗装道路の敷設温度を検出するための温度測定装置を含む、エラーがより発生しにくいシステムを提供することである。

この目的は、請求項１の特徴によって実現される。本発明による舗装機および本発明による方法、ならびに、本発明による制御方法の命令によるコンピュータ可読記憶媒体は、それぞれさらなる従属請求項１３、１４および１５に従って提供される。本発明の改良されたさらなる展開は、従属項の追加の特徴によって定義される。

本発明は、舗装機、画像記録ユニット、および、評価ユニットによって、敷設された舗装道路の温度値を連続的に検出するための温度測定装置を含むシステムに関する。評価ユニットは、敷設された舗装道路の範囲（領域）を、当該範囲について検出された温度値に基づいて、１つまたは複数の偏差基準が満たされる場合、偏差範囲（偏差領域）として確定するように構成される。偏差範囲の確定は、敷設中、当該範囲の温度値の検出に時間的に近接して実施される。システムは、画像記録ユニットを使用して、偏差範囲に割り当てられる画像を生成することで、偏差範囲の温度値の検出を文書化（記録）するように構成される。よって、本発明は、試験についての関連点の目標志向検出、または、その後の改良を可能にし、さらに、敷設プロセスの改良された文書化を提供する。

本発明において、「時間的に近接して」は、偏差範囲の確定が、例えば、１０分の１秒内で、１０分の数秒内で、１秒内で、または、４秒もしくは５秒の時間内に行われることを意味する。

偏差範囲として確定された範囲に対する精確な温度値検出の文書化によって、本発明は、連続的な温度測定によって取得された温度情報が、周囲の舗装道路の温度から、目標温度から、または、目標温度領域からの偏差が生じる地点において通知されるさらなる処理に従うようにすることができる。先行技術によるこの範囲の測定は、これらの範囲が必然的にさらに詳細に考慮されない、または、識別された範囲のそれぞれを１つずつチェックする必要があるという結果をもたらしていた。

本発明は、一方では敷設された舗装道路の不備を、他方では不正確な測定を、より区別して取り扱うことができるようにすることができる。本発明による文書化によって、異物の測定または他の不正確な測定に基づかないものとして識別される偏差範囲は、それほど労力をかけずに意図的にチェック可能であり、かつ、必要な場合、その後改良可能である。よって、本発明は、敷設された舗装道路の品質レベルの改善に必要な時間の消費、および、その費用を低減する。敷設プロセスは顧客に対して完全に文書化することが可能である。問題のある点は、後に、精確な試験を受けさせることができる。

有利な実施形態によると、画像は、温度値の検出に時間的に近接して生成され、それによって、画像は、そのように不備を文書化する役割を果たすだけでなく、とりわけ、偏差範囲の温度値の検出を文書化する役割を果たす。有利には、偏差基準は、不正確な測定が行われた場合、偏差範囲がとりわけ確定されることになるような特質のものである。不正確な測定は、敷設された舗装道路以外の物体または異物の温度の検出を含む。不正確な測定は、舗装機の誤動作が生じた場合、例えば、アスファルト敷設が中断された場合、および／または、温度測定装置の誤動作もしくは不正確な配向が生じた場合、存在する場合もある。

偏差基準は、温度分布における、相対的なまたは絶対的な下限もしくは上限、あるいは、例外的な不均一性を含んでいてもよい。比較的小さい範囲の温度値における活発な変動性は、敷設された舗装道路において予想される温度勾配が適度な特質に過ぎないため、関連の偏差基準に基づくと疑わしいと考えられ得る。

舗装機のスクリードの後ろで一定の距離で敷設された舗装道路の温度を検出することは有利なことと思われる。このことは、スクリードによって、舗装道路を広げかつ先行圧縮する効果に鑑みて、舗装道路の敷設温度の確定を常に行うことを可能にする。

本発明の一態様によると、評価ユニットは、画像が補助情報として偏差範囲に割り当てられ、かつ、補助情報が、検出された温度値に基づいて形成された敷設温度の２次元プロファイルと共に記憶されるように構成される。これによって、その後の改良を必要とする考えられ得る場所を、特に明瞭な方法で、提示し、確認し、および、追跡することができるようになる。

有利な実施形態によると、システムはさらに、とりわけ偏差範囲に、補助情報としての地理位置（位置情報）を割り当てるための地理位置検出ユニットを含む。確認された偏差範囲の地理位置のさらなる記憶によって、識別された不備を見つけることで、例えば、生成された画像に基づいて、その後の改良の必要性を見分けることがより容易になる。

特定の偏差範囲間で、確認された空間的関係と組み合わせて線単位の温度検出の時間的な距離を使用することで、それぞれの異常値またはそれぞれの個々の偏差範囲についての画像または写真が生成されないようにし、代わりに、１つおよび同じ画像を２つ以上の確認された偏差範囲に割り当てるようにすることは、有利となろう。よって、敷設温度の検出を文書化するために必要とされるデータ量を、限定できる可能性がある。２つまたはそれ以上の偏差範囲とさらなる所定のパラメータとの間の時間的空間的関係に基づいて有利な方法で、割り当てが実施される。パラメータは、オプションとして考慮され、不正確な測定について考えられ、予想される原因を表すことができる。人間もしくは車両が横切ること、または、他の異物によって、実際に不正確な測定につながる最も重要な原因の数は、舗装道路敷設の分野では限定される。この知識は、割り当てられる画像の生成および／または記憶を効率的に低減するために使用可能である。

実施形態によると、温度測定装置は、熱スキャナ、枢動自在の高温計、高温計アレイ、および／または、赤外線カメラを含む。画像記録ユニットは、有利には、赤外線カメラ、赤外線カメラと光学カメラとを組み合わせたシステム、および／または、光学カメラを含む。温度測定装置として使用される同赤外線カメラは、文書化する画像を生成するためにも使用されてもよい。

好ましい実施形態によると、システムは、線単位で検出された温度値を記憶するように構成され、各線は、舗装機の走行方向を横断する舗装された層の温度プロファイルを表している。この実施形態による画像記録ユニットは、敷設された舗装道路の１つの区間の全体的な画像を１画像として作るように構成される。これによって、改良された分類、特に、原因となる異物および／もしくは不正確な配向の改良された認識または検出が可能になる。全体的な画像の区間が大きいほど、単一の画像に割り当て可能な特定の偏差範囲の平均的な数は大きくなる。画像の適した圧縮に基づいて、このことは、全体として、生じるデータ量の低減をもたらす可能性がある。

ある実施形態によると、システムの温度測定装置および画像記録ユニットは、サーモグラフィモジュールにおいて一体化される。サーモグラフィモジュールは、固定ユニットを用いて、舗装機のスクリードより上の舗装機上に、または、舗装機の運転室の屋根上に装着可能である。同モジュールの配置の一体化モードは、舗装道路敷設の大まかな操作条件下においてでも、温度測定装置および画像記録ユニットの光軸の一定の相対的な配向を補償する。

本発明は、有利な方法でサーモグラフィモジュールにおいて一体化された、システムの温度測定装置および画像記録ユニットを含む舗装機をさらに提供する。システムの評価ユニットは、ここでは、舗装機から遠隔の場所で配置可能であり、当該評価ユニットは、温度測定装置および画像記録ユニットと無線通信するように構成される。これによって、複数のサーモグラフィモジュール、ひいては、複数の舗装機に対して中央評価ユニットを有利に使用すること、ならびに、ユニットの中央評価および処理、必要な場合、制御後、対応する敷設プロセスを行うことが可能になる。

以下の図面を参照して、本発明による実施形態が説明される。

図１は、温度測定装置を含む本発明によるシステムを示す図である。 図２Ａは、敷設プロセスにおける舗装道路の敷設温度を検出するためのサーモグラフィモジュールを含む舗装機を示す図である。 図２Ｂは、特定の偏差範囲を文書化するために画像を作ることを示している図２Ａによる舗装機を示す図である。 図３Ａは、特定の偏差範囲を有する２次元温度プロファイル、および、それに割り当てられる画像を示す図である。 図３Ｂは、特定の偏差範囲を有する２次元温度プロファイル、および、それに割り当てられる画像を示す図である。 図４は、ある実施形態による敷設温度の検出を文書化する方法を示す図である。 図５は、コンピュータ可読記憶媒体の命令が実行される時に実施される、ある実施形態による制御方法を示す図である。

図１は、本発明のある実施形態によるシステム１００を示す。システム１００は、温度測定装置１２０、画像記録ユニット１３０、および、評価ユニット１４０を含む。評価ユニット１４０は、温度測定装置１２０、および、画像記録ユニット１３０とそれぞれ通信接続している。ある実施形態によると、温度測定装置１２０および画像記録ユニット１３０は、サーモグラフィモジュール５において一体化されている。サーモグラフィモジュール５は、評価ユニット１４０も含むことができる。しかしながら、別の実施形態によると、評価ユニット１４０ａは、サーモグラフィモジュール５と、ひいては特に、温度測定装置１２０および画像記録ユニット１３０と間隔をあけて配置され、サーモグラフィモジュール５と無線通信する。従って、サーモグラフィモジュール５自体において評価ユニット１４０に必要とされる処理容量を提供する必要はない。

温度測定装置１２０は、好ましくは、線単位走査モードで操作可能な赤外線カメラを含む。他の実施形態によると、赤外線スキャナもしくは熱スキャナ、枢動自在な高温計、回転鏡を介して偏向される高温計、または、高温計アレイが提供される。画像記録ユニットは、光学カメラ、赤外線カメラ、または、これらのカメラ両方を含むことができる。ある実施形態によると、温度測定装置の赤外線カメラは、本発明による画像記録ユニットとしても使用可能である。この画像記録ユニットは、対応する検索機能に従って様々な画像および出力信号を生成する。連続的な温度検出について、舗装道路の線単位の走査は利点となるのに対し、本発明による画像生成では、確認された偏差範囲を含むか偏差範囲に割り当てられる、比較的大きい範囲の全体的な画像を使用することは利点となる。

評価ユニット１４０または１４０ａは、敷設された舗装道路３の範囲を、当該範囲に対して検出された温度値に基づいて、１つまたは複数の偏差基準が満たされる場合、偏差範囲６として確定するように構成される。確定は、敷設中、当該範囲の温度値の検出に時間的に近接して実施される。システム１００は、画像記録ユニットを使用して、偏差範囲６に割り当てられる画像７を生成するように構成される。

ある実施形態によると、敷設された舗装道路３の比較的大きい範囲の全体的な画像は、温度検出中に所定の時間的なまたは空間的な間隔で生成され、その後、当該全体的な画像は偏差範囲６に割り当てられる。偏差範囲６が確定されなかった画像７について、システム１００は、対応する画像を、結果として必要とされるメモリ容量が限定されるメモリから消去する消去命令を生成することができる。あるいは、システム１００は、偏差範囲６の確定を受けただけで、偏差範囲６の温度値の検出後、適当に時間的に近接して、例えば、１０分の数秒後以内に、割り当てられる画像７を生成するように構成可能である。さらに、区間の画像７が規則的な間隔で、および、さらには、偏差範囲６の確定を受けて、生成される場合、ある実施形態による混合形式が提供される。また、サーモグラフィモジュール５自体における、または、好ましくは、サーモグラフィモジュール５から遠隔のモバイル操作ユニットにおける、舗装機および／またはサーモグラフィモジュール５の制御パネルにおいて、ユニットが設けられ得る。当該ユニットは、画像記録ユニットが、所望の瞬間に敷設温度検出を文書化するために手動でトリガされるようにすることができる。

有利な実施形態によると、評価ユニット１４０、１４０ａは、さらに、生成された画像７を分析し、かつ、所定の物体および／または非所定の物体を示す画像７を選択する、画像認識能力を備えることができる。非所定物体は、所定の基準に基づいて識別可能である。これらの基準は、学習プロセスによって適応可能である。サーモグラフィモジュール５の固定位置および意図された配向の知識は、有利には、この分析および選択のために使用可能である。偏差範囲６の位置と割り当てられる画像７における物体（単数または複数）の位置と間の比較に基づいて、評価ユニット１４０、１４０ａは、有利には、敷設された舗装道路３の不備または、温度検出時の異物の存在が画像７において文書化されるかどうか確定し、かつ、それに応じて偏差範囲６に印をつけることができる。さらなるステップにおいて、不正確な測定および／または温度検出範囲における異物の存在に基づいて確定されている偏差範囲６およびそれに割り当てられる画像は廃棄可能であり、割り当てられる画像、および、オプションとして割り当てられる地理位置といった、補助情報に割り当てられる偏差範囲のみが、今後の使用のために不揮発性のメモリに記憶可能である。

図２Ａは、舗装機１によって引っ張られるスクリード２によって、舗装道路３、例えば、アスファルトの敷設中の平面４上の舗装機１を示す。示される実施形態において、舗装機１の屋根には、固定ユニット５ａによってサーモグラフィモジュール５が取り付けられている。少なくとも、図１によるシステム１００の温度測定装置１２０および画像記録ユニット１３０を含むサーモグラフィモジュール５は、舗装道路３より上の高度ｈに位置付けられ、かつ、サーモグラフィモジュール５の後ろの距離ｂで、すなわち、サーモグラフィモジュール５からの距離ａで高さｈに対応して、敷設された舗装道路３の範囲の温度を検出するように構成される。温度検出は、好ましくは、敷設された舗装道路３の幅に沿って舗装機１の走行方向を横断する（横切る）方向に線単位で実施可能である。

図２Ｂは、本発明のある実施形態によるシステム１００のサーモグラフィモジュール５によって、偏差範囲６の温度の検出を文書化するために、敷設された舗装道路の区間１２について画像７を作ることを示す。上記で述べられるように、システム１００の評価ユニット１４０ａはまた、舗装機１から、ひいては、敷設プロセスからでさえも遠隔に配置可能である。ある実施形態によると、評価ユニット１４０ａは、アプリケーションソフトウェア、例えば、モバイル端末、例えば、スマートフォン用のアプリケーションである。

舗装機１の後ろで、ある実施形態によるとスクリード２の後ろで、検出される温度値の線は、別の可能性としてスクリード２内の温度検出が行われることによって、線単位で確認されている温度値情報を組み合わせることによって集められ得ることで、２次元温度プロファイル、または温度マッピング１０を得るようにする。図３Ａにおいて（および、さらには図３Ｂにおいても）、舗装機１の走行方向は右から左である。

図３Ａに示される温度プロファイル１０の範囲は、１１の温度の横断測定点の数、または、横断方向において組み合わされたサブ範囲に対応することで、測定点を形成する。走行方向における測定点に対応する、もしくは、かかる測定点を形成するために組み合わされる線１１によって、または、走行方向における３つのサブ範囲、または３つの測定点にするように走査した横断温度値の空間分解能を呈する線１１ａによって、ここで線単位の走査を行うことができる。

例示として示される温度プロファイル１０において、敷設された舗装道路の複数の範囲は、偏差範囲６として確定されている。走行方向において分解された線１１ａ内で確認された偏差範囲６はすでに、外れている温度測定値を有する２次元範囲６に対応しているのに対し、示される他の偏差範囲６は、１次元性のものであり、対応する横断方向に検出された温度値の区間に対応する。ある実施形態によると、また、偏差範囲６内の個々の温度測定値または小さい温度測定範囲が偏差基準を満たしていないような偏差範囲６が確定され得るが、測定値は、それにもかかわらず、適切に定義された上位の組み合わせ基準に基づいて、コヒーレントな偏差範囲６に属するとして分類される。

図３Ｂは、一方で、検出された不備および確定された偏差範囲６、６ａ、６ｂの原因を示し、他方で、生成された各画像７がどのようにして偏差範囲６に割り当てられるのかを示す。温度値がいかなる異常も示さない範囲では、手動で生成される場合がある画像７ｂは結果として何の異物も示さないことになる。それとは対照的に、偏差範囲６の画像７は、不備１３ａに関して、敷設された舗装道路におけるむらを示し、そのむらは、外れている温度値に基づいて認識されている。舗装された層のこの不備１３ａに関しては、後ほどチェックが実施可能であり、必要な場合、その後の改良が実施可能である。よって、不備は、割り当てられた舗装された層の不備１３ａの画像７によって文書化される。

敷設された舗装道路３の区間１２の画像７は、より大きな偏差範囲６の確定につながる、検出される温度値における偏差の原因を文書化する。この原因とは、異物１３ｂが横切ったこと、および、対応する異物の温度の検出であり、これらは、示されるように、舗装トレーラの何か他の車両１３ｂである場合がある。しかしながら、例えば、７０℃より低い温度のような、より高い温度またはより低い温度の方へ、敷設される舗装道路３の温度のむらや偏差ではない。

図３Ｂに示される温度プロファイル１０の区間の左上の範囲においても、偏差が認識されており、それに応じて、偏差範囲６ａおよび６ｂが確定されている。これらの原因は、敷設された舗装道路上に存在する舗装トレーラ要員の人１３ｃの温度の検出にある。線検出間の時間間隔を知って、かつ、場合により舗装機１の走行速度および／または他のパラメータを考慮して、例えば、異物と考えられるものの寸法を画定するために、偏差範囲６ａおよび６ｂは、温度検出の連続した線に配置され、さらには、空間的に近接して検出されたという事実によって、単一の異物に属するとして識別され、その結果、単一の画像７ａによって文書化されたに過ぎない。しかしながら、単一の測定点に対応する偏差範囲点６は、例えば、十分な空間的重複が確認されなかったため、同じ異物、つまり、人１３ｃについての新しい画像７によって文書化された。このことについての例示の原因は、偏差範囲６ａおよび６ｂの範囲における敷設された舗装道路に対して行動した後、人がアスファルト舗装道路を急速に離れたかもしれない場合があり、かつ、それゆえに、線単位で検出された偏差範囲間のより長い空間的距離によって、結合画像７ａに対する割り当ては生じなかった場合がある。

図４は、舗装機１によって敷設された舗装道路３の温度を文書化するための、本発明による方法２００のステップを概略的に示す。ステップ２１０では、敷設された舗装道路の温度値が連続的に検出される。個々の２次元範囲について線単位でまたは繰り返して検出が実施されてよい。ある範囲について検出された温度値が１つまたは複数の偏差基準を満たす場合、当該範囲は、ステップ２２０では、敷設された舗装道路の偏差範囲として確定される。敷設中に、範囲についての温度値の対応する検出に時間的に近接して（直後に）、この確定が実行される。ステップ２３０では、偏差範囲に割り当てられる画像７は、偏差範囲についての温度値の検出を文書化（記録）するために生成される。上記で説明したように、偏差範囲の確定を受けて規則的な時間間隔で、および／または、手動でトリガすることによって、偏差範囲の確定前または確定後にこの生成が行われる可能性がある。それに応じて、一連のステップ２１０、２２０、および、２３０は、非限定的と考慮されるべきであり、また、ステップ２１０における連続的な検出は、ステップ２２０および２３０における確定および生成後、続くか再び開始するように理解されるものとする。

図５は、コンピュータ可読記憶媒体のコンピュータ実行可能命令が実行される時に実施される制御方法３００のステップを示す。舗装機１内でもしくは舗装機１上で、または、舗装機１から遠隔の場所で、システム１００の制御装置によって、コンピュータ支援の実行が実施可能である。実行の目的のために、上述した実施形態の評価ユニット１４０または１４０ａが設けられ得る、または、評価ユニット１４０、１４０ａと操作的に連通している制御装置もしくは制御コンピュータユニットが設けられ得る。制御方法３００のステップ３１０において、温度測定装置は、敷設プロセス中、舗装機１によって敷設された舗装道路３の温度を連続的に検出するように命令される。ステップ３２０では、検出された温度値は、敷設プロセス中に、温度値の検出に時間的に近接して評価される。ステップ３３０によると、敷設された舗装道路３の範囲は、当該範囲に対して検出された温度値に基づいて、１つまたは複数の偏差基準が満たされる場合、偏差範囲６として確定される。制御方法のステップ３４０によると、画像記録ユニットは、偏差範囲に対して、当該偏差範囲６の温度値の検出を文書化するために割り当てられた画像７を生成するように命令される。当該生成は、偏差範囲６の確定を受けて、および／または、手動でトリガした結果として、例えば、定期的な時間間隔で、偏差範囲６の確定前に行われ得る。

方法２００および方法３００は、ｌ本発明によるシステム１００および舗装機１の上記で特定された実施形態によると、有利な方法でさらに展開可能である。これは例えば、偏差基準の定義、横断温度値の線単位の検出、１つまたは複数の偏差範囲６、６ａおよび６ｂそれぞれへの１つまたは複数の画像７、７ａの割り当て、補助情報としての偏差範囲６への地理位置の割り当て、ならびに、画像７、７ａのデータから成る補助情報、および／または、偏差範囲についての地理位置情報データの記憶に該当する。

取り外し可能媒体もしくは携帯記憶媒体などの交換可能な媒体に対する記憶が実行可能であり、または、データは、サーバへの無線通信によって、当該サーバ上での記憶のために、または、クラウドメモリにおける記憶のために送信可能である。必要な記憶容量を有利に限定するために、データはまた、バッファまたは揮発性メモリにおいてバッファリング可能であり、舗装機もしくは制御ユニットの操作者によって送られる確認信号、および／もしくはシステム１００の制御のユニット評価ユニット１４０、１４０ａといったさらなる特徴がある場合、画像７のみが、不揮発性メモリにおいて永続的に記憶される場合がある。この目的を達成するために、舗装機１上に、または、舗装機から遠隔の場所にスクリーンが設けられ得る。当該スクリーンは、システム１００の評価ユニット１４０、１４０ａおよび／または制御ユニットと通信し、かつ、それらからの画像情報を受信する。スクリーンによって、その時点で生成される画像は、次いで拒絶または記憶について決定することができる操作者に対して提示可能である。

１ 舗装機
３ 敷設された舗装道路
６ 偏差範囲
１００ システム
１２０ 温度測定装置
１３０ 画像記録ユニット
１４０ 評価ユニット

Claims (15)

1. 舗装機（１）によって敷設された舗装道路（３）の温度を連続的に検出する温度測定装置（１２０）を含むシステム（１００）であって、
   前記システム（１００）は、画像記録ユニット（１３０）、および、評価ユニット（１４０）を有し、
   前記評価ユニット（１４０）は、敷設される前記舗装道路（３）の領域を、前記領域について検出された温度が偏差基準を満たすか否かに応じて、偏差領域（６）として確定し、
   前記偏差領域（６）の確定は、敷設中に、前記領域についての前記温度の検出の直後に実行され、
   前記システム（１００）は、前記画像記録ユニット（１３０）を用いて、前記偏差領域（６）に割り当てられる画像（７）を生成する、
   ことを特徴とするシステム（１００）。
2. 請求項１に記載のシステムであって、
   前記システム（１００）は、前記画像（７）が前記偏差領域（６）の温度が検出されたことを記録するのに用いられるように、前記温度の検出の直後に前記画像（７）を生成する、
   ことを特徴とするシステム。
3. 請求項１または２に記載のシステムであって、
   前記偏差基準は、不正確な測定が行われた場合に前記偏差領域の確定が行われるように構成され、該不正確な測定は、前記敷設された舗装道路（３）以外の物体（１３ｂ、１３ｃ）の温度の検出、及び、前記舗装機（１）およびまたは前記温度測定装置（１２０）の誤動作及び不正確な配向の少なくとも一方を含む、
   ことを特徴とするシステム。
4. 請求項１から３のいずれか一項に記載のシステムであって、
   前記偏差基準は、前記温度についての、相対的または絶対的な下限値、上限値、および、不均一性に応じた基準である、
   ことを特徴とするシステム。
5. 請求項１から４のいずれか一項に記載のシステムであって、
   前記検出される温度は、前記舗装機（１）のスクリード（２）による先行圧縮中または先行圧縮後に前記温度測定装置（１２０）により検出される敷設プロセス温度である、
   ことを特徴とするシステム。
6. 請求項１から５のいずれか一項に記載のシステムであって、
   前記評価ユニット（１４０）は、前記画像（７）を補助情報として前記偏差領域（６）に割り当て、前記補助情報を、前記検出される温度に基づいて形成される２次元プロファイル（１０）と共に記録する、
   ことを特徴とするシステム。
7. 請求項１から６のいずれか一項に記載のシステムであって、
   前記システム（１００）は、さらに、前記敷設される舗装道路の領域の位置情報を検出するユニット（１５０、１５０ａ）を含み、
   前記評価ユニット（１４０）は、偏差領域（６）にて検出される位置情報を補助情報として前記偏差領域（６）に割り当てる、
   ことを特徴とするシステム。
8. 請求項１から７のいずれか一項に記載のシステムであって、
   前記評価ユニット（１４０）は、補助情報として、同じ画像（７ａ）を、前記偏差領域である第１の偏差範囲（６ａ）及び第２の偏差範囲（６ｂ）に割り当てる、
   ことを特徴とするシステム。
9. 請求項８に記載のシステムであって、
   前記偏差領域は、前記第１の偏差範囲（６ａ）であり、
   前記評価ユニット（１４０）は、前記第１および第２の偏差範囲（６ａ、６ｂ）と不正確な測定の原因に応じた所定のパラメータとの時間的空間的関係に基づいて、割り当てを実行する、
   ことを特徴とするシステム。
10. 請求項１から９のいずれか一項に記載のシステムであって、
    前記温度測定装置（１２０）は、熱スキャナ、枢動自在の高温計、高温計アレイ、およびまたは、赤外線カメラを有し、
    前記画像記録ユニット（１３０）は、赤外線カメラ、およびまたは、光学カメラを有する、
    ことを特徴とするシステム。
11. 請求項１から１０のいずれか一項に記載のシステムであって、
    前記システム（１００）は、線単位で前記検出された温度を記憶し、
    前記線（１１）のそれぞれは、前記舗装機（１）の走行方向を横切る前記舗装道路（３）の温度プロファイルを示し、
    前記画像記録ユニット（１３０）は、前記敷設された舗装道路（３）の１区間（１２）の全体的な画像を１画像（７）として生成する、
    ことを特徴とするシステム。
12. 請求項１から１１のいずれか一項に記載のシステムであって、
    前記温度測定装置（１２０）および前記画像記録ユニット（１３０）は、サーモグラフィモジュール（５）において一体化して設けられ、
    当該サーモグラフィモジュール（５）は、スクリード（２）より上の舗装機（１）上に装着するためのユニット（５ａ）をさらに含む、
    ことを特徴とするシステム。
13. 請求項１から１２のいずれか一項に記載の前記システム（１００）の前記温度測定装置（１２０）および前記画像記録ユニット（１３０）を含む舗装機（１）であって、
    前記舗装機（１）は、前記舗装機（１）から隔れた場所に配置された請求項１から１２のいずれか一項に記載の前記システムが備える前記評価ユニット（１４０）をさらに有し、
    前記評価ユニット（１４０）は、前記温度測定装置（１２０）および前記画像記録ユニット（１３０）と無線通信される、
    ことを特徴とする舗装機（１）。
14. 舗装機（１）によって敷設された舗装道路（３）の温度の検出を記録するための方
    法（２００）であって、
    前記敷設された舗装道路（３）の温度を連続的または離散的に検出するステップ（２１０）と、
    前記敷設された舗装道路の領域を、前記領域について検出された温度が偏差基準を満たす場合に、偏差領域（６）として確定する確定ステップ（２２０）であって、前記確定は、敷設中に、前記領域における前記温度の検出に時間的に近接して行われる、確定ステップ（２２０）と、
    前記偏差領域についての前記温度の検出を記録するために、前記偏差領域（６）に割り当てる画像（７）を生成するステップ（２３０）と、
    を含む方法（２００）。
15. 制御方法（３００）を実行する、コンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、
    敷設プロセス中、舗装機によって敷設される舗装道路層の温度を連続的または離散的に検出するように、温度測定装置に命令するステップ（３１０）と、
    前記敷設プロセス中に、前記温度の検出に時間的に近接して、検出された温度を評価するステップ（３２０）と、
    敷設された前記舗装道路の範囲を、前記範囲に対して検出された温度値に基づいて、１つまたは複数の偏差基準が満たされる場合、偏差範囲として確定するステップ（３３０）と、
    偏差範囲に対して、前記偏差範囲の前記温度値の検出を文書化するために割り当てられた画像を生成するように画像記録ユニットに命令するステップ（３４０）と、
    を含む、コンピュータ可読記憶媒体。

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