以下、本発明の実施形態にかかる燃焼装置1、気体検出装置9について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
燃焼装置1は、図1に示すように、筺体2の内部に燃焼部4と、燃焼部4に燃焼用の空気を供給する送風機5と、燃焼ガスの熱で湯水を加熱するための熱交換器6とを備えている。
なお、ここでいう燃焼ガスは、詳細には燃焼ガスと空気との混合気体である。以下の説明では、この混合気体を単に燃焼ガスと称す場合もある。
燃焼部4は、ガスや灯油等の燃料を燃焼するバーナ(図示せず)を備えており、燃料を燃焼することで高温の燃焼ガスを発生させるものである。なお、燃焼部4では複数のバーナ(図示せず)が左右方向に並列した状態となっている。
送風機5は、内部に図示しないモータと羽根車を内蔵し、燃焼部4のバーナの燃焼状態に応じて回転数を変化させ、送風量及び送風圧を調整可能となっている。
熱交換器6は、公知の気・液熱交換器であって、燃焼部4より燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されている。この熱交換器6は、主要部分が銅製であり、内部に湯水が流れるフィンアンドチューブ式のものである。
この燃焼装置1を稼働すると、燃焼部4で発生した燃焼ガスが熱交換器6を経て排気集合管7(排気集合室)へと至る。そして、排気集合管7に流れ込んだ燃焼ガスは排気筒8(排気部)から外部へと放出される。その一方で、外部から供給されてきた湯水が熱交換器6に流入して加熱され、加熱された湯水が給湯栓等を介して外部に供給される。
ここで、本実施形態の燃焼装置1では、加熱する湯水の量等に応じて、燃焼部4での燃焼量を切替えることが可能となっている。すなわち、必要に応じて実際に燃焼動作を実施するバーナの数を変更することにより、燃焼量の変更が可能となっている。より具体的には、燃焼部4の右側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合や、燃焼部4の左側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合、燃焼部4の全てのバーナで燃焼動作を実施する場合等がある。
このとき、燃焼部4の右側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合には、燃焼部4の左側よりに位置するバーナでは燃焼動作を実施しない。したがって、送風機5を稼働させると、熱交換器6の内部のうちで右側よりの部分には主に燃焼ガスが流れ、左側よりの部分には主に空気が流れる。つまり、熱交換器6の内部では、右側よりの部分で燃焼ガスの体積濃度が高くなっており、左側よりの部分で燃焼ガスの体積濃度が低くなっている。
対して、燃焼部4の左側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合には、燃焼部4の右側よりに位置するバーナでは燃焼動作を実施しない。このため、熱交換器6の内部では、上記と同様の理由により、右側よりの部分で燃焼ガスの体積濃度が低くなっており、左側よりの部分で燃焼ガスの体積濃度が高くなっている。
つまり、燃焼部4において、左右方向における片側よりの部分に位置するバーナでのみ燃焼動作を実施すると、主に燃焼ガスによって構成される気体(燃焼ガスの体積濃度が高い気体)と、主に空気によって構成される気体(燃焼ガスの体積濃度が低い気体)とがそれぞれ排気集合管7へ流入することとなる。そして、これらの気体は、排気集合管7で合流し、排気筒8へと流れていくこととなる。
このように、燃焼ガスの体積濃度が異なる2つの気体がそれぞれ排気集合管7に流入する場合、排気集合管7の内部で燃焼ガスの濃度分布が不均一となってしまうことが考えられる。そして、排気集合管7の内部で燃焼ガスの濃度分布が不均一となってしまうと、燃焼ガス中の特定の気体(本実施形態では一酸化炭素)の濃度を正確に検出できないおそれがある。
すなわち、排気集合管7の内部で燃焼ガスの濃度分布が不均一である場合、排気集合管7の内部では、場所ごとに燃焼ガスの濃度が異なることとなる。このことにより、排気集合管7の内部のうち、いずれの部分で燃焼ガス中の一酸化炭素の濃度を検出したとしても、排気集合管7の内部を流れる燃焼ガス全体に対する一酸化炭素の濃度を検出することができなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態の燃焼装置1では、排気集合管7の内部に流入した気体を十分に撹拌混合し、十分に撹拌混合した気体に対して一酸化炭素濃度の検出を実施するための気体検出装置9を設けている。そして、このことから、排気集合管7の内部を流れる燃焼ガス全体に対する一酸化炭素の濃度を正確に検出可能となっている。
本発明の特徴的な構成部材である気体検出装置9について詳細に説明する。
気体検出装置9は、図2で示されるように、排気集合管7の内部に形成されるものであり、排気撹拌板15と、迂回流路形成部16(排気整流部)と、検出用流路形成部17(排気捕集部)から形成されている。
排気集合管7は、下方が開放された略直方体状の箱体となっており、略長方形平板状の天板部20と、天板部20の周縁部分のそれぞれから略垂直下方へ垂下される前壁部21、後壁部22、左側壁部23、右側壁部24をそれぞれ備えている。
天板部20には、天板部20を厚さ方向に貫通する排気筒連結孔26(連通孔)が設けられている。また、前壁部21には、前壁部21を厚さ方向に貫通するCOセンサ取付孔(図示せず)が設けられている。
排気筒連結孔26は、天板部20の左右方向の中心近傍であり、前後方向の中心よりもやや後方よりの位置に形成された開口形状が円形の貫通孔である。つまり、排気筒連結孔26は、天板部20の長手方向の中心近傍であり、短手方向の中心よりもやや一方端よりの位置に形成されている。より詳しくは、短手方向の中心よりもやや右側よりの位置に形成されている。
この排気筒連結孔26は、排気筒8を排気集合管7に一体に取り付けた状態(図1参照)では、排気筒8の内孔と連通した状態となる。このとき、排気筒連結孔26の径と、排気筒8の内孔の径とは略同一となっており、排気筒連結孔26と排気筒8の内孔とは上下方向で重なった状態となっている。より具体的には、排気筒連結孔26の縁部分の全体が排気筒8の内孔の縁部分と重なった状態、又は、排気筒連結孔26の縁部分の全体が排気筒8の内孔の縁部分の内側に位置する状態となっている。
排気撹拌板15は、図3で示されるように、金属板の大部分を下方側へと屈曲させて形成される部材であり、略長方形平板状の取付板部28と、取付板部28の前端部から前側下方へ突出する突出板部29とが一体となって形成される金具となっている。
迂回流路形成部16は、図4で示されるように、金属板を適宜折り曲げて形成されており、下板部33と、前壁部34(立壁部)と、側壁部35(立壁部)と、取付板部36と、後板部37(立壁部)とを有している。
下板部33は、平面視が略台形となる平板状の部分であって、前端部分が後端部分に比べて長くなっている。そして、下板部33は、前端から後端に向かうにつれて左右方向の長さが短くなっていくように形成されている。
前壁部34は、下板部33の前端部から上方にわずかに突出する部分であり、直立した略長方形平板状の部分である。
側壁部35は、直立した略長方形平板状の部分であり、下板部33の対となる側方端部のそれぞれから略垂直上方へ突出している。すなわち、側壁部35は、迂回流路形成部16の対となる側方端部にそれぞれ1つずつ設けられている。この2つの側壁部35は、左右方向で対向しており、いずれも後方内側へと延びている。換言すると、2つの側壁部35は、後方へと向かうにつれて互いに近づく方向へと延びている。
また、この側壁部35の突出方向の長さ(上下方向の長さ)は、前壁部34及び後板部37の突出方向の長さよりも十分に長くなっている。
取付板部36は、側壁部35の上端部を内向きに折り曲げて形成される部分であり、2つの側壁部35のそれぞれの上端部分に1つずつ形成されている。この取付板部36は、いずれも側壁部35と略垂直に交わる略長方形平板状の部分であり、後方内側へと延びるものであって、その略全ての部分が下板部33と上下方向で離間対向した状態となっている。
後板部37は、下板部33の後端部から上方にわずかに突出する部分であり、直立した略長方形平板状の部分である。また、この後板部37の突出方向の長さ(上下方向の長さ)は、前壁部34の突出方向の長さと略同等の長さとなっている。
検出用流路形成部17は、図5で示されるように、本体部40と、この本体部40に一体に取り付けられた複数の捕集管部41(排気捕集管)によって形成されている。
本実施形態では、2つの捕集管部41が設けられており、これらは左右方向に間隔を空けて並列している。なお、いずれの捕集管部41も前後方向に沿って延びている。
本体部40は、全体の外形が略直方体状であり、上側部分の形状が上方開放された有底箱状となる部分である。
より具体的に説明すると、図6で示されるように、本体部40の前端近傍であって下端よりの部分には、略直方体状の空間が形成されており、この空間が仕切板部43によって区画されることで撹拌流路形成部45(撹拌混合室)と、センサ配置部46(センサ配置室)とが形成されている。
さらに、撹拌流路形成部45及びセンサ配置部46の上側部分には、これらの上側部分から後方へ向かって延びる略有底箱状の空間が形成されている。そして、この略有底箱状の空間が防水板部48によって区画されることで下流側流路形成部50と、排気筒連結部51(集合部側排出部)が形成されている。なお、この略有底箱状の空間のうち、前端から後端近傍までの大部分が下流側流路形成部50となっており、後端近傍の一部が排気筒連結部51となっている。
本体部40では、これら撹拌流路形成部45と、センサ配置部46と、下流側流路形成部50と、排気筒連結部51とが順に連続し、一連の流路を形成した状態となっている。この本体部40の各部分につき、さらに詳細に説明する。
撹拌流路形成部45は、図7で示されるように、仕切板部43と、底板部55と、側壁部56と、後端側仕切板部57と、前側板部58(図5参照)とによって囲繞されて形成される空間であり、断面形状が略「凹」字状で前後方向に延びる空間となっている。すなわち、図6、図7で示されるように、撹拌流路形成部45は、左右方向両端部にそれぞれ位置する略直方体状の空間である排気導入空間45aと、左右方向中央部であって下方部分に位置する略直方体状の撹拌流路形成空間45b(撹拌混合部)から形成されている。このとき、撹拌流路形成空間45bは、排気導入空間45aよりも高さが低く(上下方向の長さが短く)横長(左右方向の長さが長い)の空間となっている。
仕切板部43は、図7で示されるように、略長方形平板状の金属板を略逆ハット状となるように折り曲げられて形成されており、中央部分が下方に凸となるように屈曲している。すなわち、仕切板部43は、左右方向で所定の間隔を空けて配された2つの上板部43aと、それぞれの上板部43aの内側端部から略垂直下方へと垂下された立板部43bと、2つの立板部43bの下端部間に形成される下板部43cを有している。
下板部43cには、前端部分のうち左右方向の中心近傍となる部分に、前方から後方に向かって延びる切欠溝部60(通気孔部)が形成されている。この切欠溝部60は、平面視が略長方形状であり下板部43cを厚さ方向に貫通する切欠溝となっている。
後端側仕切板部57には、図7で示されるように、後端側仕切板部57を厚さ方向に貫通する開口形状が略円形の排気導入孔61(撹拌室流入口)が形成されている。この排気導入孔61は、左右方向の端部よりの部分にそれぞれ形成されており、いずれも上下方向の中心よりやや上方に位置している。つまり、この2つの排気導入孔61は、それぞれ別の排気導入空間45aと連通した状態となっている。
前側板部58は、図5で示されるように、直立した略長方形平板状の本体部58aと、この本体部58aの上端部分であって左右方向の両端近傍からそれぞれ突出する取付板部58bとを有している。
取付板部58bは、略長方形平板状の部分であって前側板部58と略垂直に交わっている。すなわち、取付板部58bは、後方へ突出する板体である。
ここで、本体部58aの左右方向の中心部分であって、上端部分よりやや下方側に位置する部分には、本体部58aを厚さ方向に貫通する開口形状が略円形のセンサ挿通用孔58cが形成されている。このセンサ挿通用孔58cは、センサ配置部46の下方空間46a(詳しくは後述する)と外部とを連通する孔である。
センサ配置部46は、図7で示されるように、傘体形成部62と、仕切板部43と、後端側仕切板部57と、前側板部58(図5参照)とによって囲繞されて形成される空間である。より具体的には、センサ配置部46は、略直方体状の空間である下方空間46aと、断面略三角形状で前後方向に延びる空間である上方空間46bとが上下方向で連続して形成される空間となっている。そして、下方空間46aの後端部分は端側仕切板部57によって閉塞されており、上方空間46bの後端部分は下流側流路形成部50(図6参照)に開放された状態となっている。ここで、上述したように、仕切板部43の下板部43cには、下板部43cを厚さ方向に貫通する切欠溝部60が形成されている。すなわち、センサ配置部46は、下端側の一部と上方の後端側部分とが開放され、他の部分が閉塞された空間となっている。
傘体形成部62は、平面視が略「凹」字状となる金属板を折り曲げて形成される板体であり、左右方向の中央部分が上方に凸となるように折り曲げられている。すなわち、傘体形成部62は、図6で示されるように、左右方向の両端部分にそれぞれ位置する略長方形平板状の取付板部62aと、2つの取付板部62aのそれぞれの前端側部分の間に形成される突起状部62bによって形成されている。この突起状部62bでは、左右方向の中心部分が上側に凸となるように曲げ形成されており、断面形状が略逆「V」字状で前後方向に延びている。そして、この上側に凸となる部分では、左右方向の中心近傍が最も高くなっており、左右方向の端部に向かうにつれて高さが低くなっている。
下流側流路形成部50は、図5で示されるように、上方側壁形成部65と、上方底板形成部66と、傘体形成部62と、防水板部48と、前側板部58とによって囲繞されて形成される空間であり、上方が開放された略直方体状の空間となっている。
防水板部48は、直立した長方形平板状の部分であり、左右方向に延びている。この防水板部48の左右方向の中心部分の近傍であり、上下方向の中心部分の近傍には、防水板部48を厚さ方向に貫通する排気流通孔69が形成されている。つまり、この排気流通孔69は、下流側流路形成部50及び排気筒連結部51の底面部分よりも上方に離れた位置に設けられている。
排気筒連結部51は、図5で示されるように、上方側壁形成部65と、溝底形成部70(図8参照)と、防水板部48と、上方後壁形成部71とによって囲繞されて形成される空間であり、上方が開放された略直方体状の空間となっている。つまり、この排気筒連結部51は、左右方向に延びる溝状の部分となっている。
ここで、図8で示されるように、排気筒連結部51の左右方向の両端部分には、それぞれ平面視した形状が略長方形状となる排水溝73(排水手段)が設けられている。この排水溝73は、排気筒連結部51と、排気筒連結部51(検出用流路形成部17)の下方側に位置する空間との間に介在し、これらを連通するものである。つまり、排気筒連結部51の左右端それぞれの外側と近接する部分は、後方側から前方側へと切り欠かれたような状態となっている。したがって、排気筒連結部51の底部分である溝底形成部70の左右方向のそれぞれの端部は、排気筒連結部51の左右方向の端部にそれぞれ位置する上方側壁形成部65と離間した状態となっている。
捕集管部41は、図5で示されるように、外形略角筒状で前後方向に延びた筒本体部75と、筒本体部75の後端における周縁部分の一辺からさらに後方へ突出する導入規制片部76(捕集方向規制板)とを有している。
導入規制片部76は、2枚の直立した板体が左右方向で重なって形成されている。そして、背面視したときに四角形状となる筒本体部75の後端周縁部分のうち、左方に位置する辺から後方へと突出している。
なお、検出用流路形成部17には2つの捕集管部41が設けられているが、導入規制片部76は、いずれの捕集管部41においても左側に位置する辺から後方へ突出している。
そして、捕集管部41は、図9で示されるように、いずれも正面視した形状が略「コ」字状となる内側管体形成片79(第1金属片)と外側管体形成片80(第2金属片)から形成されている。
内側管体形成片79は、長方形平板状の天板部79aと、この天板部79aの左右方向両端部からそれぞれ下方へと垂下される左方側壁部79b(長板部)と右方側壁部79cとを有している。
左方側壁部79bと右方側壁部79cは、いずれも直立した長方形平板状であり、天板部79aと略垂直に交わっている。そして、左方側壁部79bと右方側壁部79cとは、左右方向で対向した状態となっている。
ここで、天板部79a、左方側壁部79b、右方側壁部79cはいずれも前後方向に延びており、左方側壁部79bが最も長く、天板部79aと右方側壁部79cとが同一の長さとなっている。そして、天板部79a、左方側壁部79b、右方側壁部79cの前端部分は前後方向における位置が同一となっている。つまり、左方側壁部79bの後端部分は、天板部79aと右方側壁部79cのそれぞれの後端部分より後方に位置している。
外側管体形成片80は、長方形平板状の底板部80aと、この底板部80aの左右方向両端部からそれぞれ上方へと突出する左方側壁部80b(長板部)と右方側壁部80cとを有している。
左方側壁部80bと右方側壁部80cは、いずれも直立した長方形平板状であり、底板部80aと略垂直に交わっている。そして、左方側壁部80bと右方側壁部80cとは、左右方向で対向した状態となっている。
ここで、底板部80a、左方側壁部80b、右方側壁部80cはいずれも前後方向に延びており、左方側壁部80bが最も長く、底板部80aと右方側壁部80cとが同一の長さとなっている。そして、底板部80a、左方側壁部80b、右方側壁部80cのそれぞれ前端部分は前後方向における位置が同一となっている。つまり、左方側壁部80bの後端部分は、底板部80aと右方側壁部80cのそれぞれの後端部分より後方に位置している。
そして、内側管体形成片79の天板部79aは、外側管体形成片80の底板部80aよりも左右方向の長さが短くなっている。そのため、外側管体形成片80の内側に内側管体形成片79を配した状態とし、これらを一体に固定することで捕集管部41(図5等参照)が形成される。
より具体的に説明すると、捕集管部41を形成する場合、外側管体形成片80の左方側壁部80bと、内側管体形成片79の左方側壁部79bとを左右方向で重ね合わせた状態とする。また、外側管体形成片80の右方側壁部80cと、内側管体形成片79の右方側壁部79cとを左右方向で重ね合わせた状態とする。そして、外側管体形成片80と内側管体形成片79のそれぞれの前端部分は、前後方向における位置が同一となる状態にする。これらの状態において、外側管体形成片80と内側管体形成片79とをスポット溶接等の適宜の手段で一体に固定することにより、捕集管部41(図5等参照)が形成されることとなる。
なお、本実施形態の捕集管部41では、導入規制片部76となる部分、すなわち、後方に突出した部分をスポット溶接で固定している。別言すると、内側管体形成片79の左方側壁部79bの後端側部分と、外側管体形成片80の左方側壁部80bの後端側部分とをスポット溶接で固定している。
この捕集管部41は、図10で示されるように、下方側から本体部40に一体に取り付けられている。そして、捕集管部41の内孔部分は、排気導入空間45aの排気導入孔61と連通した状態となっている。すなわち、捕集管部41の前端側に位置する内孔の開口部分は、排気導入孔61と前後方向で重なっており、捕集管部41の内部空間と排気導入空間45aとが連続した状態となっている。
ここで、本実施形態の検出用流路形成部17では、図6で示されるように、撹拌流路形成部45とセンサ配置部46とが仕切板部43に形成された切欠溝部60を介して連続している。
また、図6、図7で示されるように、センサ配置部46の上部後端側部分、すなわち、傘体形成部62の突起状部62bの後端部分が外部に開放されており、センサ配置部46と下流側流路形成部50が連続した状態となっている。
さらにまた、図6で示されるように、下流側流路形成部50と排気筒連結部51とが防水板部48に形成された排気流通孔69を介して連続している。
以上のことから、本実施形態の検出用流路形成部17では、捕集管部41の内部空間、撹拌流路形成部45、センサ配置部46、下流側流路形成部50、排気筒連結部51が順に連続しており、一連の流路を形成した状態となっている。
続いて、気体検出装置9の組み立て構造について説明する。
本実施形態の気体検出装置9は、図2で示されるように、排気集合管7の内側に排気撹拌板15と、迂回流路形成部16と、検出用流路形成部17とを一体に取り付けて形成されている。
排気撹拌板15は、排気集合管7の天板部20と一体に取り付けられた状態となっている。より詳細には、排気撹拌板15の取付板部28の上面と、排気集合管7の天板部20の下面とが面接触した状態となっており、これらがネジ止めや溶接等の適宜な手段で一体に固定されている。
ここで排気撹拌板15は、排気集合管7に複数取り付けられており、これらは、排気集合管7の前端部分からやや後方側であって、排気集合管7の左右方向の両端近傍にそれぞれ取付けられている。すなわち、本実施形態では、2つの排気撹拌板15が排気集合管7に取り付けられている。
2つの排気撹拌板15は、左右方向において大きく間隔を空けて取り付けられた状態となっている。そして、一方の排気撹拌板15の外側端部は、排気集合管7の左側壁部23の内側面とわずかに間隔を空けた状態で互いに密に近接した状態となっている。そして、他方の排気撹拌板15の外側端部は、排気集合管7の右側壁部24の内側面とわずかに間隔を空けた状態で互いに密に近接している。
迂回流路形成部16は、排気集合管7の天板部20と一体に取り付けられた状態となっている。より詳細には、迂回流路形成部16の取付板部36の上面と、排気集合管7の天板部20の下面とが面接触した状態となっており、これらがネジ止めや溶接等の適宜な手段で一体に固定されている。
この迂回流路形成部16は、排気集合管7の左右方向における中心近傍に取り付けられている。そして、迂回流路形成部16の前端部分は、排気集合管7の前端部分よりもやや後方側に位置しており、迂回流路形成部16の後端部分は、排気集合管7の後壁部22の内側面と接触した状態となっている。
検出用流路形成部17は、排気集合管7の前壁部21及び天板部20と一体に固定された状態となっている。より詳細には、検出用流路形成部17の前側板部58の前面と、排気集合管7の前壁部21の内側面(後端面)とが面接触した状態となっており、これらがネジ止めや溶接等の適宜な手段で一体に固定されている。また、前側板部58のうち取付板部58bの上面と、排気集合管7の天板部20の下面とが面接触した状態となっており、これらがネジ止めや溶接等の適宜な手段で一体に固定されている。
この検出用流路形成部17は、排気集合管7の左右方向における中心近傍に取り付けられている。そして、前側板部58のセンサ挿通用孔58c(図5参照)と、排気集合管7の前壁部21に形成されたCOセンサ取付孔(図示せず)とが前後方向で重なった状態となっている。すなわち、排気集合管7の外部と、検出用流路形成部17のセンサ配置部46(図6、図7参照)とが連通された状態となっている。
このことから、本実施形態の気体検出装置9では、排気集合管7の外側からCOセンサ83(気体検出手段)を取り付けることが可能となっている。
すなわち、排気集合管7の前壁部21に形成されたCOセンサ取付孔(図示せず)にCOセンサ83挿入し、COセンサ83の大部分を排気集合管7の内側空間に位置させた状態とする。この状態で、COセンサ83のうちで排気集合管7の外部に露出した部分と、前壁部21とをネジ等で固定する。このことにより、COセンサ83を排気集合管7に一体に取り付けることが可能となっている。
このようなCOセンサ83の取り付け構造によると、排気集合管7、気体検出装置9を分解することなくCOセンサ83の着脱が可能となる。すなわち、COセンサ83を取り外すとき、排気集合管7の外側からネジ等を外すだけで、COセンサ83を排気集合管7から取り外すことが可能となっている。
そして、このようにCOセンサ83を取り付けると、COセンサ83の大部分が検出用流路形成部17のセンサ配置部46(図6、図7参照)に配されることとなり、センサ配置部46を流れる燃焼ガス中の一酸化炭素濃度を検出可能となる。
なお本実施形態では、COセンサ83として、所謂接触式と称されるセンサを使用している。この接触反応式センサとは、一部を一酸化炭素に反応して発熱する物質で形成したセンサである。すなわち、一酸化炭素が接触したとき発熱する部分と、一酸化炭素が接触しても発熱しない部分の温度差によって一酸化炭素を検出している。
また、本実施形態の気体検出装置9では、図11で示されるように、2つの排気撹拌板15におけるそれぞれの前端部分と、迂回流路形成部16の前端部分とは前後方向における位置が略同一となっている。すなわち、2つの排気撹拌板15の間に迂回流路形成部16の前端近傍が位置しており、一方の排気撹拌板15、迂回流路形成部16の前端近傍、他方の排気撹拌板15が左右方向の一方側から他方側へ向かって並列した状態となっている。別言すると、迂回流路形成部16の前端近傍の部分では、この部分の左右方向の両外側にそれぞれ排気撹拌板15が配された状態となっている。
さらに、本実施形態の気体検出装置9では、図2で示されるように、迂回流路形成部16と、排気集合管7の天板部20、後壁部22とによって囲まれた略有底角筒状の排気流路(内部側排気流路であり、以下、第2排気流路87とも称す)が形成されている。この排気流路は、断面略四角形状で前後方向に延びるものであり、後方に向かうにつれて断面積が小さくなっている。すなわち、後方側に向かうにつれて狭まっていく排気流路となっている。そして、この排気流路は、前端部分が排気集合管7の内部空間に開放され、後端部分が後壁部22によって閉塞された状態となっている。
このとき、図2で示されるように、排気集合管7の天板部20に形成された排気筒連結孔26は、下板部33から上方に離間した位置に配されている。すなわち、排気筒連結孔26の下方側には下板部33が位置している。より詳細には、図11で示されるように、排気筒連結孔26を下板部33に投影したとき、その投影形状は下板部33の周縁部分より内側に位置することとなる。別言すると、排気筒連結孔26を上下方向に投影した投影形状と、下板部33を上下方向に投影した投影形状とを重ねたとき、排気筒連結孔26の投影形状は、下板部33の投影形状の内側に位置することとなる。
また、本実施形態の気体検出装置9では、図11で示されるように、検出用流路形成部17の後方部分は、下板部33から上方に離間した位置に配されている。すなわち、排気集合管7と迂回流路形成部16によって囲まれた空間(第2排気流路87)に、検出用流路形成部17の後方部分が配された状態となっている。なお、このとき検出用流路形成部17の左右方向の中心と、迂回流路形成部16の左右方向の中心とは略同一となっている。したがって、検出用流路形成部17は、排気集合管7と迂回流路形成部16によって囲まれた空間(第2排気流路87)の左右方向における中心付近に位置している
そして、検出用流路形成部17の本体部40の後端側の一部と、2つの捕集管部41の後側部分とが排気筒連結孔26の下方に位置している。このため、排気集合管7を平面視すると、本体部40の後端側に位置する排気筒連結部51の一部と、2つの捕集管部41とは排気筒連結孔26を介して外部に露出することとなる。
より具体的には、検出用流路形成部17の本体部40は、排気筒連結部51の一部のみが排気筒連結孔26の下方側に位置しており、他の大部分は天板部20によって上側部分を覆われた状態となっている。つまり、本体部40のうち、下流側流路形成部50は、その全域に亘って天板部20によって覆われており、上部の開放部分が天板部20によって閉塞されている。そして、排気筒連結部51は、一部が天板部20によって覆われており、他の一部が排気筒連結孔26の下方に位置している。すなわち、排気筒連結部51の上部の開放部分のうちの所定の一部分が天板部20によって閉塞された状態となっている。
そして、捕集管部41の一部である筒本体部75の後端部分もまた、排気筒連結孔26の下方に位置している。つまり、捕集管部41の後端側の開放部分は、排気筒連結孔26の下方に位置した状態となっている。
次に、本実施形態の気体検出装置9による一酸化炭素濃度の検出動作について、詳細に説明する。
排気集合管7に下方側から燃焼ガスが流入すると、図12で示されるように、燃焼ガスは、排気集合管7の下端側の開放された部分から迂回流路形成部16の前端までの空間(以下、第1排気流路86とも称す)を経て、迂回流路形成部16と排気集合管7によって囲まれた空間(第2排気流路87)に流入する。そして、第2排気流路87の後端側まで流れた燃焼ガスは、その大半が排気筒連結孔26から排気筒8(図1参照)へと排出され、その一部が捕集管部41の内部へと流入する。
続いて、図13で示されるように、燃焼ガスは、捕集管部41の内部に形成される空間、すなわち、筒本体部75の内部に形成される空間(以下、第3排気流路88とも称す)を前方へ向かって流れることとなる。捕集管部41の前端まで流れた燃焼ガスは、排気導入孔61を介して撹拌流路形成部45へと流入する。
さらに、燃焼ガスは、撹拌流路形成部45から切欠溝部60を介してセンサ配置部46へと流れ込み、センサ配置部46の上側後方から下流側流路形成部50へと流入する。
すなわち、燃焼ガスは、排気導入孔61からセンサ配置部46の上側後方までの間に形成される空間(以下第4排気流路89とも称す)を経て、下流側流路形成部50(以下第5排気流路90とも称す)へ流入する。
そして、燃焼ガスは、下流側流路形成部50(第5排気流路90)を後方へ向かって流れることとなる。下流側流路形成部50(第5排気流路90)の後端まで流れた燃焼ガスは、排気流通孔69を介して排気筒連結部51(以下第6排気流路91とも称す)へと流入する。そして、排気筒連結部51の上方から排気筒8へと流入する。
その一方、COセンサ83の大部分は、上記したように、第4排気流路89の一部を形成するセンサ配置部46に配されている。したがって、第1排気流路86、第2排気流路87、第3排気流路88を順に通過した燃焼ガスは、第4排気流路89を通過するときにCOセンサ83の周囲を流れることとなり、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度の検出が行われる。そして、第4排気流路89を通過した燃焼ガスは、第5排気流路90、第6排気流路91を順に通過し、排気筒8へと流れ込む。
ここで、本実施形態の気体検出装置9は、排気集合管7に流入した燃焼ガスをセンサ配置部46に流入させるまでに十分に撹拌混合させることが可能となっている。このことにつき、以下で具体的に説明する。
排気集合管7の後方下側から流入した燃焼ガスは、図12、図14で示されるように、排気集合管7の天板部20に衝突してその流れ方向を変え、前側へと向かって流れることとなる。ここで、本実施形態の気体検出装置9には、迂回流路形成部16の側方に排気撹拌板15が設けられている。そして、下方や後方から排気撹拌板15に衝突した燃焼ガスは、排気撹拌板15の下面に沿って流れることとなる。
このことから、この排気撹拌板15の下面に沿って流れた燃焼ガスと、排気集合管7の前方下側から流入した燃焼ガスとが衝突し、乱流が形成され、燃焼ガスが撹拌混合されることとなる。つまり、迂回流路形成部16の内部に形成される空間(第2排気流路87)へ流入する燃焼ガスは、撹拌混合された燃焼ガスとなる。別言すると、燃焼ガスを第2排気流路87へ流入させる前に十分に撹拌混合することができる。
なお、排気集合管7に流入した燃焼ガスの流速が低い場合、排気撹拌板15による燃焼ガスの撹拌混合はより顕著に実施されることとなる。別言すると、送風機5の送風量が低い場合において、排気撹拌板15による燃焼ガスの撹拌混合は、特に十分に行われることとなる。
さらにまた、本実施形態の気体検出装置9では、図12、図13で示されるように、捕集管部41の後端近傍に燃焼ガスの流入口となる開口部分が設けられており、この開口部分から内部に流入した燃焼ガスが後方から前方へと流れる構造となっている。
このとき、捕集管部41の内部への流入口となる開口部分は、排気集合管7の後壁部22よりの位置であり、排気筒8の下方側に位置している。すなわち、排気集合管7の左右近傍をそれぞれ後方側へ向かって流れる燃焼ガス(図12参照)と、下方側から排気筒8が位置する上側へ向かって流れる燃焼ガス(図13参照)と、排気集合管7の後壁部22に前方側から衝突した後に折り返して前方側へと流れる燃焼ガス(図13参照)とが衝突し、乱流が形成される位置に捕集管部41の開口部分が位置している。このことから、捕集管部41の内部に形成される空間(第3排気流路88)へ流入する燃焼ガスは、撹拌混合された燃焼ガスとなる。別言すると、燃焼ガスを第3排気流路88へ流入させる前に十分に撹拌混合することができる。
また、2つの捕集管部41のそれぞれから流入した燃焼ガスは(図12参照)、図15で示されるように、異なる部分からそれぞれ撹拌流路形成部45へと流入する。すなわち、2つの捕集管部41のうちの一方から流入した燃焼ガスは、左右方向の片側端部側に位置する排気導入空間45aへ流入する。対して、2つの捕集管部41のうちの他方から流入した燃焼ガスは、左右方向の他方端部側に位置する排気導入空間45aへ流入する。そして、いずれの場合も排気導入空間45aを経て撹拌流路形成空間45bへと流入する。すなわち、撹拌流路形成空間45bには、左右方向の両外側からそれぞれ燃焼ガスが流入することとなる。別言すると、撹拌流路形成空間45bには、対向する両端部のそれぞれから燃焼ガスが流入することとなる。
そして、撹拌流路形成空間45bの両端部のそれぞれから流入した燃焼ガスは、撹拌流路形成空間45bの左右方向における中心部分近傍で衝突する。このことにより、撹拌流路形成空間45bの左右方向における中心部分近傍で乱流が形成されることとなる。
付説すると、撹拌流路形成部45では、前側板部58(図15では図示せず、図5参照)に内側から衝突した燃焼ガスもまた、折り返して後方側へと流れ、撹拌流路形成空間45bの左右方向における中心部分に至る。すなわち、この前方側から流れる燃焼ガスもまた、撹拌流路形成空間45bの両端部のそれぞれから流入した燃焼ガスと衝突する。このこともまた、乱流が形成される要因となる。
ここで、撹拌流路形成空間45bの左右方向における中心部分近傍の上方には、仕切板部43の切欠溝部60が位置している。そのため、撹拌流路形成空間45bの左右方向における中心部分近傍から、センサ配置部46側へと燃焼ガスが流れることとなる。
つまり、本実施形態の気体検出装置9では、センサ配置部46への燃焼ガスの流入口となる切欠溝部60と隣接した位置であり、切欠溝部60の燃焼ガスの流れ方向上流側に隣接する位置で乱流が形成される構造となっている。そして、乱流が形成される部分の上方からセンサ配置部46へと燃焼ガスが流入する構造となっている。別言すると、燃焼ガスは、センサ配置部46に流入する直前に撹拌混合されることとなる。このため、センサ配置部46に流入させる燃焼ガスは、確実に撹拌混合されたものとなる。このことにより、十分に撹拌混合された燃焼ガスに対して一酸化炭素濃度の検出を実施できるので、検出誤差が発生することがない。
なお、本実施形態では、仕切板部43には切欠溝部60が一つのみ設けられており、センサ配置部46においてCOセンサ83が配される位置(図15のαで示される位置)の直下に切欠溝部60が位置している。別言すると、COセンサ83が配される位置(図15のαで示される位置)に最も近接する位置に切欠溝部60が設けられている。またさらに、切欠溝部60の左右方向の長さは、COセンサ83の左右方向の長さより短くなっている。このような構造によると、撹拌混合された気体がより確実にCOセンサ83へと向かって流れるので、好ましい。
ところで、本実施形態の気体検出装置9では、図13で示されるように、第1排気流路86では燃焼ガスが主に前方へ向かって流れ、第2排気流路87では燃焼ガスが後方に向かって流れている。そして、第3排気流路88では、燃焼ガスが前方へ向かって流れている。すなわち、燃焼ガスは、後方から前方、前方から後方、後方から前方といった具合に、前後方向において相反する方向へ交互に流れつつセンサ配置部46へ向かう構造となっている。換言すると、燃焼ガスの流れ方向は、水平方向成分のうちの一方向において一方側から他方側へ向かう方向と、他方側から一方側へ向かう方向とで交互に切り替わる構造となっている。
このように、水平方向で相反する方向へ交互に流れつつセンサ配置部46へ向かう構造によると、排気集合管7を縦方向(上下方向)に大きくすることなく、センサ配置部46に至るまでの排気流路を長くすることができる。ここで、排気流路が長くなると、燃焼ガスが他の気体と共に流れる距離が長くなり、撹拌混合が促進されることとなる。つまり、本実施形態の気体検出装置9では、排気集合管7を大きくすることなく、燃焼ガスの十分な撹拌混合を実施することができる。
さらにまた、本実施形態の気体検出装置9では、迂回流路形成部16と排気集合管7によって形成される第2排気流路87が、燃焼ガスの流れ方向の下流側(後方側)に向かうにつれて断面積(流路面積)が小さくなっている。さらに、捕集管部41によって形成される第3排気流路88の断面積(流路面積)が、第2排気流路87の断面積(流路面積)のうち最も小さい部分よりもさらに小さくなっている。加えて、図10で示されるように、撹拌流路形成部45の燃焼ガスの流入口となる排気導入孔61の開口面積は、第3排気流路88の断面積よりも小さくなっている。
このように、燃焼ガスの流れ方向下流側に向かうにつれて排気流路の流路面積が小さくなる構成によると、センサ配置部46に短時間に多量の燃焼ガスが流入してしまうことがない。このため、センサ配置部46に多量の燃焼ガスが流入することに起因する誤検出を防止することができる。
ここで、図12、図13で示されるように、第1排気流路86、第2排気流路87、第3排気流路88、第4排気流路89、第5排気流路90、第6排気流路91によって形成される一連の流路では、第1排気流路86、第2排気流路87、第3排気流路88、第4排気流路89と下流側に向かうにつれて流路面積が小さくなっている。そして、最も上流側に位置する第1排気流路86に比べて最も下流側に位置する第6排気流路91の流路面積が十分に小さくなっている。
また、この一連の流路では、最も下流側に位置する第6排気流路91が排気筒8の直下にあり、排気筒8と隣接している。
このように、燃焼ガスが流れる流路において、上流側の部分よりも下流側の部分が十分に小さく、下流端の近傍に排気筒8が位置する構造によると、燃焼ガスが滞りなく流れることとなるので好ましい。
さらにまた、燃焼ガスが流れる流路を下流側に向かうにつれて流路径が小さくなる先細り構造とすることにより、流路の内圧を高くすることが可能となる。このことにより、迂回流路形成部16の排気集合管7への取り付け時に形成される微細な隙間や、検出用流路形成部17の組み立て時に形成される微細な隙間からの排気の流入を防止できる。つまり、第2排気流路87や第3排気流路88の内部に意図しない部分から排気が流入してしまうことがない。
加えて、燃焼ガスが流れる流路を先細り構造とすると、燃焼ガスをより十分に撹拌混合できる。
ところで、本実施形態の燃焼装置1では、上記したように、燃焼部4の右側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合と、燃焼部4の左側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合とがあり、これらを切替えつつ運用が可能となっている。そして、本実施形態の燃焼装置1では、右側よりに位置するバーナでのみ燃焼動作を実施する場合が多く、排気集合管7の右側から流入する気体(燃焼ガスを含む気体)が左側から流入する気体に比べて、燃焼ガスの体積濃度が高くなる傾向がある。
そのため、本実施形態の捕集管部41では、図11等で示されるように、筒本体部75の後端部分に後端近傍に燃焼ガスの流入口となる開口部分を形成し、この開口部分の周縁のうちで左方に位置する部分からのみ導入規制片部76を後方へ突出させている。このため、本実施形態では、検出用流路形成部17の左側を流れる気体が捕集管部41の内部に流入し難く、検出用流路形成部17の右側を流れる気体が捕集管部41の内部に流入し易い構造となっている。
詳細に説明すると、この構造では、検出用流路形成部17の左側を流れる気体が筒本体部75の開口部分に流入するためには、導入規制片部76を迂回する必要がある。これに対し、検出用流路形成部17の右側を流れる気体には、筒本体部75の開口部分へと向かう流れを規制するものがない状態となっている。このため、本実施形態では、2つの捕集管部41に検出用流路形成部17の左側を流れる気体のみが流入してしまうことのない構造となっている。
したがって、本実施形態では、燃焼ガスの体積濃度が低い気体が捕集管部41を経てセンサ配置部46へと流入してしまい、この気体中の一酸化炭素濃度を検出してしまうことで発生する検出誤差を防止することができる。
本実施形態の捕集管部41は、上記したように、内側管体形成片79と外側管体形成片80とがスポット溶接等の適宜の手段で一体に固定されて形成されている(図11参照)。すなわち、断面形状が略「コ」字となるように折り曲げた金属板を組み合わせ、捕集管部41を形成している。そのため、高価な角筒状の部材を加工する場合に比べ、安価に捕集管部41を形成することができる。
本実施形態の気体検出装置9では、図6で示されるように、センサ配置部46の上端に傘体形成部62が位置している。そのため、図12で示されるように、COセンサ83の上端に傘体形成部62が位置することとなる。このような構成によると、排気集合管7の天板部20の内側面から結露水等が滴下してしまった場合であっても、COセンサ83にこの結露水等が接触してしまうことがない。そのため、結露水等が接触してしまうことに起因するCOセンサ83の故障、誤検出を防止することができる。
ところで、燃焼装置1の排気筒8は、燃焼による排気(燃焼ガス)を屋外へと排出するため、屋外まで延びた状態となっている(図1等では燃焼装置1側の一部だけを図示し、屋外まで延びる部分については図示を省略する)。このため、寒冷地等で燃焼装置1を使用する場合には、排気筒8が外気によって冷却されてしまうことがある。この場合、燃焼ガス中の水蒸気が低温となって液化し、ドレンが発生してしまうことがある。すなわち、排気筒8の内周面にドレンが付着してしまうことがある。そして、このドレンは、燃焼ガスに晒されることで燃焼ガスから窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を取り込むので、酸性を呈することがある。
本実施形態の気体検出装置9では、排気筒8の内部で発生したドレンが落下しても、熱交換器6やCOセンサ83へのドレンの接触を防止可能な構造となっている。このことにつき、以下で詳細に説明する。
本実施形態の気体検出装置9では、図11、図12で示されるように、排気筒連結孔26の下方に、迂回流路形成部16の下板部33、捕集管部41、排気筒連結部51が位置している。そのため、排気筒8からドレンが落下すると、ドレンは、これら迂回流路形成部16の下板部33、捕集管部41、排気筒連結部51のいずれかに落下する構成となっている。
ここで、捕集管部41に落下したドレンは、迂回流路形成部16の内側空間(第2排気流路87)に流入した燃焼ガスの流れの影響等により、さらに下方側に位置する迂回流路形成部16の下板部33に落下することとなる。
排気筒連結部51に落下したドレンは、排気筒連結部51に溜まっていくこととなる。ここで、図10等で示されるように、排気筒連結部51の前方部分に位置する防水板部48に形成された排気流通孔69は、排気筒連結部51の底面を形成する溝底形成部70よりも上方に離れた位置にある。このため、排気筒連結部51に溜まったドレンが防水板部48よりも前方へと流れない構造となっている。
また、本実施形態では、図11で示されるように、排気筒連結部51の端部に位置する防水板部48が排気筒連結孔26の下方に位置しない状態となっている。そのため、防水板部48に形成される排気流通孔69(図10等参照)もまた、排気筒連結孔26の下方に位置しない状態となっている。別言すると、排気筒連結孔26を下方に投影した投影面の外側に排気流通孔69を位置させている。このことにより、落下したドレンが排気流通孔69に直接入り込むことがない。
これらのことから、防水板部48よりも前方に位置するセンサ配置部46へのドレンの流入を防止できる。そのため、ドレンが接触してしまうことに起因するCOセンサ83(図10では図示せず)の故障、誤検出を防止することができる。
ここで、図8で示されるように、排気筒連結部51の長手方向の両端部分には、排気筒連結部51の内側の空間と、排気筒連結部51の下方側の空間とを連続する排水溝73が設けられている。そのため、排気筒連結部51に所定量以上のドレンが溜まってしまうことはなく、排気筒連結部51に落下したドレンは、この排水溝73を介して下方側に位置する迂回流路形成部16の下板部33に落下することとなる。
つまり、捕集管部41や排気筒連結部51に落下したドレンは、いずれも迂回流路形成部16の下板部33に落下する構造となっている。別言すると、排気筒8から落下したドレンは、迂回流路形成部16の下板部33に落下する構造となっている。ここで、迂回流路形成部16の下板部33には、図4で示されるように、その周縁部分にそれぞれ直立した長方形平板状の立壁部(前壁部34、側壁部35、後板部37)が設けられており、これらが略容器状の形状を成している。別言すると、下板部33の周縁部分に沿って立壁部(前壁部34、側壁部35、後板部37)が形成されており、これらが環状に連続(又は僅かな隙間を許容して連続)した状態となっている。このことにより、ドレンが下板部33からさらに下方へと流れ落ち難い構造となっている。
ここで、上記したように、排気集合管7には下方側から高温の燃焼ガスが流入することとなる(図13、図14等参照)。このため、迂回流路形成部16は、高温の燃焼ガスに晒されることとなる。そして、迂回流路形成部16の下板部33の上側にドレンが溜まった状態で、迂回流路形成部16が高温の燃焼ガスに晒されると、溜まったドレンが乾燥、蒸発することなる。つまり、迂回流路形成部16の下板部33上側に一定量以上のドレンが溜まってしまうことはなく、ドレンが迂回流路形成部16から溢れて下方側へと落下してしまうことのない構造となっている。
つまり、本実施形態の気体検出装置9では、排気筒8で発生したドレンを受け止め、乾燥させることが可能となっており、ドレンが迂回流路形成部16から下側に流れ落ちない構造となっている。そのため、迂回流路形成部16のさらに下方側に位置する熱交換器6へドレンが落下することはなく、酸性のドレンが接触することによる熱交換器6の腐食を防止できる。
また、このように、排気筒8で発生したドレンが排気集合管7より下方に落下しない構造によると、排気筒8の設計自由度を向上させることができる。
例えば、排気筒8を垂直上方に延設した場合、ドレンが付着する排気筒8の内側側面もまた、上方へと延びることとなる。すなわち、排気筒8を鉛直方向上側へ延長すればするほど多くのドレンが発生するおそれがある。しかしながら、本実施形態の燃焼装置1では、排気筒8で発生したドレンを迂回流路形成部16の下板部33で受け止めることができるので、多くのドレンが発生しても熱交換器6が腐食してしまうことはない。そのため、排気筒8を上方に延設することが可能となり、排気筒8の延び方向を適宜変更できるので排気筒8の設計自由度を向上させることができる。
上記した実施形態では、気体検出装置9のセンサ配置部46にCOセンサ83を配し、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度を検出する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。COセンサ83とは異なるセンサを設け、燃焼ガスに含まれる他の気体を検出する構成であってもよい。
上記した実施形態では、排水手段として排水溝73を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、溝底形成部70(図8等参照)に貫通孔を形成し、排水手段としてもよい。より詳しくは、溝底形成部70の短手方向で並列した貫通孔の列を形成し、排水手段としてもよい。