JP6065858B2 - 樹脂組成物、メソゲン基含有硬化物及びその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、メソゲン基含有硬化物及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、付加硬化型のメソゲン・ケイ素化合物共重合体を含む樹脂組成物、該組成物の硬化物及びその製造方法に関するものである。
近年、電子デバイスの発展が著しいが、性能の向上や小型化に伴って単位面積あたりの発熱量が増大している。熱はデバイスに悪影響を与えるため、熱を外部に効率よく放出することが重要な課題となっている。これらの課題に対し、電子デバイスの部材にはその絶縁性能の高さや成型の容易さ、耐熱性等の観点から、熱硬化性樹脂が広く利用されている。しかし、一般的な熱硬化性樹脂の熱伝導率は低く、放熱という観点でみれば、大きな欠点を抱えている。その課題の解決法として、樹脂中への高熱伝導性の無機化合物粒子の充填が広く行われており、その結果、樹脂単体と比べて、より効率的に熱伝導を行えるようになる。しかし、一定量の樹脂に対して、無機化合物粒子の充填量には限界があるため、この方法では熱伝導性の向上に限界があった。更に無機化合物が高価という欠点もあった。
このような背景から樹脂自体の熱伝導性向上が望まれていた。熱伝導性を向上させるには、樹脂中にメソゲン基と呼ばれる樹脂同士が重なり合いやすい部位を持たせることで達成できる。しかしながら、メソゲン基を多く含有する樹脂は、熱硬化以前の状態でも高い融点や軟化点を持ち、樹脂の溶媒への溶解性が著しく悪化するといった、取り扱い上の欠点がある。そのため、メソゲン基を単純に増加させるだけでは、利用価値のある高熱伝導性樹脂を開発することはできなかった。
特許文献1(特開2011−84714号公報)には、メソゲン基とスペーサーとを共重合させた熱可塑性樹脂が開示されている。該高分子化合物はメソゲンのスタッキングにより、熱伝導性に優れることが記載されている。しかしながら、メソゲン基を持つ樹脂はメソゲン基のスタッキングにより、固くて脆くなり、更に溶媒に難溶化することが知られており、上記の樹脂も例外ではない。
また、特許文献2(特開2011−231161号公報)には、特許文献1の樹脂に架橋部位を導入した熱硬化性樹脂が開示されているが、溶媒に難溶であるという点では改善されていない。このような樹脂は脆いために利用箇所が限定されたり、溶媒に溶けづらくなるために押出成型のような無溶媒での使用に限られてきたりするのが問題となっている。
特開2011−84714号公報 特開2011−231161号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、放熱材料、半導体装置や電子部品のための樹脂材料として好適に使用することができる新規付加硬化型樹脂組成物、該組成物の硬化物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記平均組成式(1)で表される不飽和炭化水素基含有メソゲン・ケイ素化合物共重合体を主剤として用いることで、溶媒に可溶又は分散可能であり、広い範囲の成型方法を選択でき、取り扱いの容易な樹脂組成物が得られ、該樹脂組成物の硬化物は、熱伝導性がよく、放熱材料や、半導体装置又は電子部品のための樹脂材料として好適に使用することができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す樹脂組成物、該組成物の硬化物及びその製造方法を提供する。
〔1〕
(A)下記平均組成式(1)で表される不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上含有するメソゲン・ケイ素化合物共重合体、
(B)1分子内に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒
を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
Figure 0006065858
〔式中、R1、R5はそれぞれ同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜20の2価炭化水素基である。また、R2は下記式
Figure 0006065858
で示される構造から選ばれる2価の基である。pは0又は1である。R3及びR4はそれぞれ炭素原子数2〜10の不飽和基を含む1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。また、q、rはそれぞれ0、1又は2であり、q、rは同時に0ではない。l、m、nはそれぞれ1未満の正数であり、oは0又は0.5以下の正数である。更にl、m、n、oはl+m+n+o=1を満たす。Z、Xはそれぞれ下記一般式(2)
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基であり、aは0〜60の整数であり、bは0〜60の整数である。R6及びR7はそれぞれ炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。但し、R6、R7は同時にメチル基ではない。)
で示されるケイ素原子を含む2価の有機基である。〕
〔2〕
(B)1分子内に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記一般式(3)、(4)
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基であり、R8〜R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよい脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の1価の炭化水素基である。Aは水素原子又はメチル基である。c、d、eはそれぞれ0〜60の整数である。但し、Aが1つメチル基の場合、cは1以上60以下の整数であり、Aが2つメチル基の場合、cは2以上60以下の整数である。f、hはそれぞれ0〜10の整数であり、gは2〜10の整数である。)
で示される1種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンである〔1〕の樹脂組成物。
〔3〕
更に、(D)反応制御剤を含有する〔1〕又は〔2〕記載の樹脂組成物。
〔4〕
更に、(E)酸化防止剤を含有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔5〕
更に、(F)無機充填剤を含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔6〕
更に、(G)有機溶剤を含有する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させて得られるメソゲン基含有硬化物。
〔8〕
(A)成分を含む溶液又は分散液に、(B)、(C)成分及びその他の成分を添加して加熱硬化させることを特徴とする〔7〕記載のメソゲン基含有硬化物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は、メソゲン・ケイ素化合物共重合体を用いることで、溶媒に可溶又は分散可能であることから広い範囲の成型方法を選択できるため取り扱いが容易であり、更に熱伝導性に優れるため、放熱材料、半導体装置や電子部品のための樹脂材料として好適に使用し得る。
以下、本発明の樹脂組成物について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、
(A)平均組成式(1)で表される不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上含有するメソゲン・ケイ素化合物共重合体、
(B)1分子内に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒
を含有してなることを特徴とする。
[(A)成分]
本発明の(A)成分は、下記平均組成式(1)で表される不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上含有するメソゲン・ケイ素化合物共重合体である。
Figure 0006065858
〔式中、R1、R5はそれぞれ同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜20の2価炭化水素基である。また、R2は下記式
Figure 0006065858
で示される構造から選ばれる2価の基である。pは0又は1である。R3及びR4はそれぞれ炭素原子数2〜10の不飽和基を含む1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。また、q、rはそれぞれ0、1又は2である。但し、q、rは同時に0ではない。l、m、nはそれぞれ1未満の正数であり、oは0又は0.5以下の正数である。更にl、m、n、oはl+m+n+o=1を満たす。Z、Xはそれぞれ下記一般式(2)
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基であり、aは0〜60の整数であり、bは0〜60の整数である。R6及びR7はそれぞれ炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。但し、R6、R7は同時にメチル基ではない。)
で示されるケイ素原子を含む2価の有機基である。〕
上記式(1)中、R1、R5はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、直鎖状、分岐状又は環状の、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基や、これらの2種又はそれ以上が結合した基等の炭素原子数1〜20の2価炭化水素基であり、原料入手の面から炭素原子数2〜10の2価炭化水素基が好ましい。R1、R5として、具体的には、
−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、
−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、−(CH215−、
−(CH220−、−CH(CH3)−、−C(CH3)(CH3)−、
−CH2−CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH=CH−、
−C≡C−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、
−CH2−CH(CH3)−CH(CH3)−、−CH2−CH(CH2CH2CH3)−、
−CH2−C(CH2CH2CH3)(CH2CH2CH3)−、
−CH2−C(CH2CH(CH3)CH3)(CH2CH2CH3)−、
−CH2−C(CH2CH(CH3)CH3)(CH2C(CH3)(CH3)CH3)−、
Figure 0006065858
(式中、波線は結合手を示す。)
等が例示できる。
また、R2は下記式
Figure 0006065858
で示される構造から選ばれる2価の基である。
pは0又は1である。
3及びR4はそれぞれ炭素原子数2〜10、好ましくは炭素原子数3〜6の不飽和基を含む1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。R3及びR4の具体例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基などの1価脂肪族不飽和基が挙げられる。これらの中でもアリル基、2−プロピニル基が熱硬化性を付与する官能基の導入の点から好ましい。
また、q、rはそれぞれ0、1又は2であり、好ましくは0又は1である。但し、q、rは同時に0ではない。
lは1未満の正数、好ましくは0.1〜0.7の正数、更に好ましくは0.2〜0.5の正数であり、mは1未満の正数、好ましくは0.1〜0.7の正数、更に好ましくは0.2〜0.5の正数であり、nは1未満の正数、好ましくは0.5以下の正数、更に好ましくは0.05〜0.4の正数であり、oは0又は0.5以下の正数、好ましくは0.05〜0.2の正数である。但し、l、m、n、oはl+m+n+o=1を満たす。
Z、Xはそれぞれ下記一般式(2)で示されるケイ素原子を含む2価の有機基である。
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基であり、aは0〜60の整数であり、bは0〜60の整数である。R6及びR7はそれぞれ炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。但し、R6、R7は同時にメチル基ではない。)
上記式(2)中、R6、R7はそれぞれ炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基である。1価炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられ、これらの中でもメチル基、デシル基、フェニル基が耐熱性の観点から好ましい。但し、R6、R7は同時にメチル基ではない。
aは0〜60の整数、好ましくは1〜10の整数であり、bは0〜60の整数、好ましくは0〜10の整数である。
式(2)で示される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基である。)
本発明のメソゲン・ケイ素化合物共重合体は、ケイ素原子に結合した不飽和炭化水素基を1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜20個、より好ましくは5〜10個有するものである。不飽和炭化水素基が少なすぎると硬化不良が起こる場合があり、多すぎると架橋過多により物性が悪化する場合がある。
本発明のメソゲン・ケイ素化合物共重合体は、テトラヒドロフランを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が450〜500,000、好ましくは3,000〜50,000である共重合体である。重量平均分子量が小さすぎると樹脂が脆く、取り扱い性に難が出ることがあり、大きすぎると溶媒への溶解性が悪化する。
上記式(1)で表される繰返し単位を含有するメソゲン・ケイ素化合物共重合体において、各単位はランダムに結合していても、ブロック重合体として結合していてもよいが、ランダム構造であることが好ましい。
このようなメソゲン・ケイ素化合物共重合体としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基である。)
次に、本発明のメソゲン・ケイ素化合物共重合体の製造方法を示すが、この限りではない。
本発明のメソゲン・ケイ素化合物共重合体は、下記一般式(5)、下記一般式(6)、下記一般式(7)、下記一般式(8)で表される化合物から選択される化合物を用いて、以下に示す方法により、製造することができる。なお、前記式(1)において、oが0のときは下記式(8)で表わされる化合物を用いることなく製造される。
下記一般式(5)及び下記一般式(6)で表される化合物を無水酢酸等の低級脂肪酸の無水物と反応させ、アセチル化した後に、それらと下記一般式(7)及び下記一般式(8)で表される化合物とを脱酸(酢酸)重縮合反応させることで、本発明のメソゲン・ケイ素化合物共重合体を製造することができる。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、R2、R3、R4、p、q、rは上記と同じである。)
このような式(6)で表される化合物の例として、以下のものが挙げられる。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、R1、Zは上記と同じである。)
Figure 0006065858
(式中、R5、Xは上記と同じである。)
但し、式(8)で表される化合物は、式(7)で表される化合物とは異なる化合物である。
このような式(7)、(8)で表される化合物の例として、以下のものが挙げられる。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基である。)
本発明のメソゲン・ケイ素化合物共重合体の製造方法としては、式(5)、(6)で表される化合物を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草酸等の低級脂肪酸の無水物を用いてそれぞれ個別に、又は一括して酢酸エステルとした後、別の反応槽又は同一の反応槽で、式(7)、(8)で表される化合物と脱酸(酢酸)重縮合反応させる方法が挙げられる。なお、上述したように、式(8)で表される化合物は用いても用いなくてもよい。
式(6)で表される化合物を使用する場合の導入量は、式(5)及び式(6)で表される化合物の合計添加量の内、5〜50mol%であることが好ましく、より好ましくは10〜30mol%である。式(6)で表される化合物の導入量が少ない場合は官能基導入量が減少し、官能基導入による物性の変化が表れにくいおそれがあり、式(6)で表される化合物の導入量が多い場合は熱伝導率が低下することがある。
式(7)、(8)で表される化合物の導入量は、式(5)及び式(6)で表される化合物と等モルとなるように添加すればよく、式(5)及び式(6)で表される化合物と式(7)及び式(8)で表される化合物とのモル比[式(5)+式(6)]/[式(7)+式(8)]は、0.90〜1.10であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.05である。式(5)+式(6)で表される化合物と式(7)+式(8)で表される化合物の導入量のモル比が異なりすぎると、高分子量の樹脂が得られない可能性がある。
なお、上記式(7)及び式(8)で表される化合物は、式(5)及び式(6)で表される化合物と低級脂肪酸の無水物とを反応させる前に添加していてもよい。
低級脂肪酸の無水物の使用量は、上記式(5)及び式(6)で表される化合物中のフェノール性水酸基の合計に対し、1.01〜1.50倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.02〜1.20倍当量である。
上記式(5)及び式(6)で表される化合物と低級脂肪酸の無水物との反応は、通常100〜180℃、更には130〜150℃の温度で、0.5〜2時間、特に1〜1.5時間行われることが好ましい。反応温度が高すぎると低級脂肪酸の無水物が揮発してしまう場合があり、低すぎると反応の進行が極度に遅くなる場合がある。
また、反応は無溶媒条件もしくは溶媒存在下で行うのが好ましく、使用溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、クロロホルム、四塩化炭素、エチルシクロヘキサン、イソドデカン、イソノナン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、酢酸エチル、アセトン等が例示できる。また、反応温度を上げるために無溶媒条件で行うのが特に好ましい。
上記製造方法において、脱酸(酢酸)重縮合反応には、触媒を用いてもよく、触媒としては、例えば、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、シュウ酸第一スズ、酢酸第一スズ、アルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物等のスズ化合物、二酸化チタン、チタンアルコキシド類、アルコオキシチタンケイ酸塩のようなチタン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄のような有機酸の金属塩、BF3、AlCl3のようなルイス酸類、アミン類、アミド類、塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。触媒量は適宜調整すればよいが、通常、用いる総樹脂に対し0.1〜10mol%、好ましくは0.5〜5mol%用いられる。
重縮合反応は、通常50〜350℃、好ましくは240〜350℃の温度で、窒素等の不活性ガスの存在下、常圧又は減圧下に、通常0.5〜24時間、好ましくは1〜5時間行われる。減圧下での到達真空度は1kPa以下が好ましく、0.6kPa以下がより好ましく、0.3kPa以下が特に好ましい。
[(B)成分]
(B)成分は架橋剤であり、1分子内に2個以上、好ましくは3〜10個のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、直鎖状、分岐状又は環状のいずれのものも使用でき、例えば、下記に示すものなどが例示される。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基である。)
前記(B)成分としては、下記一般式(3)、(4)で示される1種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基であり、R8〜R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよい脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の1価の炭化水素基である。Aは水素原子又はメチル基である。c、d、eはそれぞれ0〜60の整数である。但し、Aが1つメチル基の場合、cは1以上60以下の整数であり、Aが2つメチル基の場合、cは2以上60以下の整数である。f、hはそれぞれ0〜10の整数であり、gは2〜10の整数である。)
上記式(3)、(4)中、R8〜R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよい脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12、好ましくは炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの中でも、原料入手の点からメチル基、フェニル基が好ましい。
上記式(3)において、Aは水素原子又はメチル基である。
また、cは0〜60の整数、好ましくは2〜10の整数であり、dは0〜60の整数、好ましくは1〜30の整数であり、eは0〜60の整数、好ましくは1〜30の整数であり、また、c+d+eは2〜130、特に2〜70、とりわけ4〜20であることが好ましい。但し、Aがメチル基の場合、cは0ではなく、Aの一方がメチル基、もう一方が水素原子の場合、cは1以上であり、Aがいずれもメチル基の場合、cは2以上である。
上記式(4)において、fは0〜10の整数、好ましくは1〜3の整数であり、gは2〜10の整数、好ましくは2〜5の整数であり、hは0〜10の整数、好ましくは1〜3の整数であり、また、f+g+hは3〜10、特に3〜6であることが好ましい。
これら式(3)、(4)で示される化合物としては、下記に示すものなどが例示される。
Figure 0006065858
Figure 0006065858
Figure 0006065858
(式中、Meはメチル基である。)
前記(B)成分の使用量は、(A)成分中の不飽和基に対する(B)成分中のSiH基のモル比(SiH基/不飽和基)が0.1〜10、特に0.5〜5の範囲となるように配合することが好ましい。このSiH基と不飽和基とのモル比が0.1以上であれば、架橋密度が低くなることもなく、組成物が硬化しないといった問題も起こらない。10以下であれば、架橋密度が高くなりすぎることもなく、残存SiH基に起因した発泡も抑制できるため好ましい。
[(C)成分]
(C)成分は白金族金属系触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、白金オレフィン化合物錯体、白金ビニル基含有シロキサン錯体、白金担持カーボンなどが挙げられる。
前記(C)成分の添加量は有効量であり、通常、前記(A)、(B)成分の合計に対し、白金分(質量換算)として1〜5,000ppmであることが好ましく、5〜2,000ppmであることがより好ましい。1ppm以上であれば樹脂組成物の硬化性が低下することもなく、架橋密度が低くなることもない。5,000ppm以下であれば、保存安定性が良好となる。
[(D)成分]
本発明の樹脂組成物には、(D)反応制御剤を配合することができる。(D)成分は、樹脂組成物を調合ないし基材に塗工する際に、加熱硬化前に組成液が増粘やゲル化を起こさないようにするために必要に応じて任意に添加するものである。
具体例としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンなどが挙げられ、好ましいのは1−エチニルシクロヘキサノール、及び3−メチル−1−ブチン−3−オールである。
(D)成分を使用する場合の配合量は、通常前記(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して0より大8.0質量部以下の範囲であればよく、好ましくは0.01〜8.0質量部、特に0.05〜2.0質量部であるのが好ましい。8.0質量部以下であれば、樹脂組成物の硬化性が低下することもなく、添加することで反応制御の効果が十分発揮される。
[(E)成分]
更に本発明の樹脂組成物には、熱安定性を向上させるため、(E)酸化防止剤を配合してもよい。酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、有機リン化合物及び有機硫黄化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物;
本発明で用いられるヒンダードフェノール系化合物は、特に限定されるものではないが、以下に挙げるヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(商品名:Sumilizer BHT)、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン(商品名:Nocrac NS−7)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール(商品名:Nocrac M−17)、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン(商品名:Nocrac DAH)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名:Nocrac NS−6)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル(商品名:IRGANOX 1222)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名:Nocrac 300)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名:Nocrac NS−5)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(アデカスタブ AO−40)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名:Sumilizer GM)、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート(商品名:Sumilizer GS)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチル−シクロヘキシル)フェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(商品名:シーノックス226M)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L)、2,2’−エチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1076)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(商品名:アデカスタブ AO−30)、テトラキス[メチレン−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン(商品名:アデカスタブ AO−60)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:IRGANOX 1098)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA−80)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(商品名:IRGANOX 3114)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム/ポリエチレンワックス混合物(50:50)(商品名:IRGANOX 1425WL)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1135)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(商品名:Sumilizer WX−R)、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン(商品名:Sumilizer GP)等。
ヒンダードアミン系化合物;
本発明で用いられるヒンダードアミン系化合物は、特に限定されるものではないが、以下に挙げるヒンダードアミン系化合物が好ましい。
p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(商品名:IRGANOX 5057)、フェニル−α−ナフチルアミン(Nocrac PA)、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)(商品名:Nocrac 224,224−S)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(商品名:Nocrac AW)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(商品名:Nocrac DP)、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン(商品名:Nocrac White)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(商品名:Nocrac 810NA)、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン(商品名:Nonflex TP)、4,4’(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名:Nocrac CD)、p,p−トルエンスルフォニルアミノジフェニルアミン(商品名:Nocrac TD)、N−フェニル−N’−(3−メタクロリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン(商品名:Nocrac G1)、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(商品名:Ozonon 35)、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン(商品名:Sumilizer BPA)、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(商品名:Antigene 6C)、アルキル化ジフェニルアミン(商品名:Sumilizer 9A)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(商品名:Tinuvin 622LD)、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]](商品名:CHIMASSORB 944)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物(商品名:CHIMASSORB 119FL)、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名:TINUVIN 123)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名:TINUVIN 770)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(商品名:TINUVIN 144)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名:TINUVIN 765)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(商品名:LA−57)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(商品名:LA−52)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物(商品名:LA−62)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物(商品名:LA−67)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(商品名:LA−63P)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(商品名:LA−68LD)、(2,2,6,6−テトラメチレン−4−ピペリジル)−2−プロピレンカルボキシレート(商品名:アデカスタブ LA−82)、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−プロピレンカルボキシレート(商品名:アデカスタブ LA−87)等。
有機リン化合物;
本発明で用いられる有機リン化合物は、特に限定されるものではないが、以下に挙げる有機リン化合物が好ましい。
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(商品名:SANKO−HCA)、トリエチルホスファイト(商品名:JP302)、トリ−n−ブチルホスファイト(商品名:304)、トリフェニルホスファイト(商品名:アデカスタブ TPP)、ジフェニルモノオクチルホスファイト(商品名:アデカスタブ C)、トリ(p−クレジル)ホスファイト(商品名:Chelex−PC)、ジフェニルモノデシルホスファイト(商品名:アデカスタブ 135A)、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト(商品名:JPM313)、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト(商品名:JP308)、フェニルジデシルホスファイト(アデカスタブ 517)、トリデシルホスファイト(商品名:アデカスタブ 3010)、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト(商品名:JPP100)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:アデカスタブ PEP−24G)、トリス(トリデシル)ホスファイト(商品名:JP333E)、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:アデカスタブ PEP−4C)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:アデカスタブ PEP−36)、ビス[2,4−ジ(1−フェニルイソプロピル)フェニル]ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:アデカスタブ PEP−45)、トリラウリルトリチオホスファイト(商品名:JPS312)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS 168)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト(商品名:アデカスタブ 1178)、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:アデカスタブ PEP−8)、トリス(モノ,ジノニルフェニル)ホスファイト(商品名:アデカスタブ 329K)、トリオレイルホスファイト(商品名:Chelex−OL)、トリステアリルホスファイト(商品名:JP318E)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト(商品名:JPH1200)、テトラ(C12−C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト(商品名:アデカスタブ 1500)、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト(商品名:アデカスタブ 260)、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン−トリホスファイト(商品名:アデカスタブ 522A)、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー(HBP)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルオキシ)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフィン(商品名:P−EPQ)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニルオキシ)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフィン(商品名:GSY−101P)、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン(商品名:IRGAFOS 12)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(商品名:アデカスタブ HP−10)等。
有機硫黄化合物;
本発明で用いられる有機硫黄化合物は、特に限定されるものではないが、以下に挙げる有機硫黄化合物が好ましい。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(商品名:Sumilizer TPL−R)、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート(商品名:Sumilizer TPM)、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート(商品名:Sumilizer TPS)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(商品名:Sumilizer TP−D)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート(商品名:Sumilizer TL)、2−メルカプトベンズイミダゾール(商品名:Sumilizer MB)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート(商品名:アデカスタブ AO−503A)、1,3,5−トリス−β−ステアリルチオプロピオニルオキシエチルイソシアヌレート、3,3’−チオビスプロピオン酸ジドデシルエステル(商品名:IRGANOX PS 800FL)、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクデシルエステル(商品名:IRGANOX PS 802FL)等。
上記の酸化防止剤の中でも、(A)成分と(B)成分、及び有機溶剤との相溶性を考慮すると、特に好ましくは、テトラキス[メチレン−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール等である。
なお、(E)成分は1種類に限定されるものではなく、複数種類を併用してもよい。
(E)成分の添加量としては、(A)成分100質量部に対して、0〜5質量部、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.2〜3質量部である。(E)成分を配合する場合、少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎると相溶性が得られない可能性がある。
[(F)成分]
更に本発明の樹脂組成物には、熱伝導率や強度を向上させるため、(F)無機充填剤を配合してもよい。
(F)成分としては公知の無機充填剤を広く使用できる。具体的には、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、導電性金属粉、導電性金属繊維、フェライト類等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化銅、亜酸化銅などを挙げることができる。金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などを挙げることができる。金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどを挙げることができる。導電性金属粉としては、各種金属を微粒子化した導電性金属粉、導電性金属繊維としては、各種金属を繊維状に加工した導電性金属繊維、フェライト類としては、軟磁性フェライト等の各種フェライト類を挙げることができる。その他、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シリカ、石英粉末、結晶シリカ、カオリン、タルク、三酸化アンチモン、微粉末マイカ、二硫化モリブデン、ロックウール、セラミック繊維、アスベストなどの無機質繊維、及びガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスクロス、溶融シリカ等ガラス製充填剤などが挙げられる。これらは単独あるいは複数種類を組み合わせて用いることができる。
無機充填剤の形状については、種々の形状のものを適応可能である。具体的には、例えば、粒子状、微粒子状、ナノ粒子、凝集粒子状、大粒子と微小粒子とが複合化した複合粒子状、チューブ状、ナノチューブ状、ワイヤ状、ロッド状、針状、板状、不定形、ラグビーボール状、六面体状、液体等種々の形状が挙げられる。またこれら無機充填剤は天然物や合成物によらず使用できる。これらは単独あるいは複数種類を組み合わせて用いることができる。
無機充填剤の平均粒径は、0.1〜500μmが好ましく、0.5〜300μmがより好ましく、1〜100μmが特に好ましい。なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
これら無機充填剤は、表面処理剤で表面処理がされていてもよい。表面処理剤は制限されず、公知のものが使用できる。具体的には、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
無機充填剤を充填する場合、その使用量は、樹脂組成物((A)、(B)及び(F)成分の合計)中5〜90体積%であることが好ましく、20〜70体積%であることがより好ましく、25〜60体積%であることが特に好ましい。これらの範囲より充填量が少ないと、無機充填剤の添加による効果が小さく、これより多いと樹脂の強度が低下してしまう。
[(G)成分]
また、本発明の樹脂組成物には、(G)有機溶剤を使用することができる。該(G)成分としては、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を溶解又は分散する有機溶剤が好ましい。
メソゲン基含有樹脂中に無機充填剤を充填する手段として、樹脂を加熱溶融し、その状態で無機充填剤を加える方法が一般的である。しかし、本発明では、溶媒に可溶又は分散可能であるメソゲン・ケイ素化合物共重合体を用いるため、メソゲン・ケイ素化合物共重合体を溶媒に溶解又は分散させた樹脂組成物を得ることが可能である。
このような(G)有機溶剤としては、ケトン、エステル、炭化水素、ハロゲン化アルキル、エーテル等が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜10の有機溶剤がよい。
(G)有機溶剤の具体例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、酢酸エチル、アセトン等が例示できる。
なお、(G)成分は1種類に限定されるものではなく、複数種類を併用してもよい。
(G)成分の添加量としては、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して10〜1,000質量部、好ましくは20〜200質量部である。これより少ないと樹脂組成物の各成分の溶解が困難になる場合があり、これより多いと溶剤の除去に時間がかかり、生産性が悪化する場合がある。
本発明の樹脂組成物には、メソゲン・ケイ素化合物共重合体を溶媒に溶解又は分散させた上で調合することができるという特徴が失われない程度に他のポリマーを配合しても構わない。例えば、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を併用する場合、その使用量は、(A)成分100質量部に対し、0〜10,000質量部の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、上述した成分以外の添加物として、更に目的に応じて他のいかなる成分、例えば、補強剤、増粘剤、離型剤、難燃剤、安定剤、耐炎剤、顔料、着色料、その他の助剤等を本発明の効果を失わない範囲で添加することができる。これらの添加剤の使用量は、(A)成分100質量部に対し、合計で0〜40質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては特に限定されるものではないが、(A)成分を溶媒として上記(G)有機溶剤に溶解又は分散させた上で、上記の各添加剤((B)、(C)及びその他の成分)を加え、均一になるまで撹拌した後に溶媒を除去するのが好ましい。その際、常温〜80℃に加熱しても構わない。
また、溶媒除去前の粘度(23℃)範囲としては、100〜100,000mPa・sが好ましく、加工や成型のしやすさを考慮すると500〜50,000mPa・sが更に好ましい。溶媒の除去は、気泡が発生しないよう使用した溶媒の沸点以下の温度で1時間以上、特に1.5〜12時間かけて行うことが好ましい。その際、減圧はしてもしなくてもよい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定できる。
本発明の樹脂組成物の硬化については、100〜250℃で0.5〜5時間、好ましくは120〜200℃で0.5〜3時間加熱し、硬化させることができる。
硬化物の成型法としては、公知の方法を用いることができるが、好ましくは溶媒除去前の溶液/分散液を任意の型枠に入れ、溶媒を除去し、加熱硬化することでシート状の熱硬化物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、回路基板材料、抵抗・インダクタ・コンデンサ等の封止材料又は電子部品用ケース、IC・電力用トランジスタ素子用封止材料、放熱フィンやヒートシンク・ヒートパイプ等の冷却部品のOA・通信機器などに極めて有効である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量単位である。また、下記例中、Meはメチル基を示し、アルケニル基量は分子量とポリマーの組成比から算出した値であり、粘度は23℃においてBN型回転粘度計により測定した値である。
[メソゲン・ケイ素化合物共重合体の合成]
合成例において使用した化合物を以下に示す。
Figure 0006065858
[合成例1]
撹拌機、温度計、窒素置換装置、ディーン・スターク装置及び還流冷却器を具備した500mLフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物50.00g(0.269モル)、上記式(S−2)で示される化合物93.44g(0.336モル)、上記式(S−3)で示される化合物20.69g(0.067モル)、及び無水酢酸71.96g(0.705モル)を加えた後、窒素ガス雰囲気で150℃に加温し、1時間撹拌を行った。その後、240℃まで加温し、更に2時間撹拌を行って、理論酢酸生成量の9割程度の酢酸を留出させた後、240℃のまま減圧し、溶融重合を1.5時間行った。その結果、得られた樹脂を樹脂(1)とした。この樹脂をGPCカラム TSKgel Super HZM−H(東ソー社製)を用い、流量0.6ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、樹脂(1)の重量平均分子量は4,000であった。このものを1H−核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR分析)、赤外吸収スペクトル分析(IR分析)を行った結果、下記平均構造式で示される化合物であることがわかった。(アルケニル基量=0.087mol/100g)
Figure 0006065858
[合成例2]
撹拌機、温度計、窒素置換装置、ディーン・スターク装置及び還流冷却器を具備した500mLフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物50.00g(0.269モル)、上記式(S−2)で示される化合物93.44g(0.336モル)、上記式(S−4)で示される化合物17.84g(0.067モル)、及び無水酢酸71.96g(0.705モル)を加えた後、窒素ガス雰囲気で150℃に加温し、1時間撹拌を行った。その後、240℃まで加温し、更に2時間撹拌を行って、理論酢酸生成量の9割程度の酢酸を留出させた後、240℃のまま減圧し、溶融重合を1.5時間行った。その結果、得られた樹脂を樹脂(2)とした。この樹脂をGPCカラム TSKgel Super HZM−H(東ソー社製)を用い、流量0.6ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、樹脂(2)の重量平均分子量は5,500であった。このものを1H−核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR分析)、赤外吸収スペクトル分析(IR分析)を行った結果、下記平均構造式で示される化合物であることがわかった。(アルケニル基量=0.088mol/100g)
Figure 0006065858
[合成例3]
撹拌機、温度計、窒素置換装置、ディーン・スターク装置及び還流冷却器を具備した500mLフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物50.00g(0.269モル)、上記式(S−6)で示される化合物270.67g(0.336モル)、上記式(S−5)で示される化合物28.81g(0.067モル)、及び無水酢酸71.96g(0.705モル)を加えた後、窒素ガス雰囲気で150℃に加温し、1時間撹拌を行った。その後、240℃まで加温し、更に2時間撹拌を行って、理論酢酸生成量の9割程度の酢酸を留出させた後、240℃のまま減圧し、溶融重合を1.5時間行った。その結果、得られた樹脂を樹脂(3)とした。この樹脂をGPCカラム TSKgel Super HZM−H(東ソー社製)を用い、流量0.6ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、樹脂(3)の重量平均分子量は12,000であった。このものを1H−核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR分析)、赤外吸収スペクトル分析(IR分析)を行った結果、下記平均構造式で示される化合物であることがわかった。(アルケニル基量=0.039mol/100g)
Figure 0006065858
[合成例4]
撹拌機、温度計、窒素置換装置、ディーン・スターク装置及び還流冷却器を具備した500mLフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物50.00g(0.269モル)、上記式(S−2)で示される化合物46.72g(0.168モル)、上記式(S−6)で示される化合物135.34g(0.168モル)、上記式(S−4)で示される化合物17.84g(0.067モル)、及び無水酢酸71.96g(0.705モル)を加えた後、窒素ガス雰囲気で150℃に加温し、1時間撹拌を行った。その後、240℃まで加温し、更に2時間撹拌を行って、理論酢酸生成量の9割程度の酢酸を留出させた後、240℃のまま減圧し、溶融重合を1.5時間行った。その結果、得られた樹脂を樹脂(4)とした。この樹脂をGPCカラム TSKgel Super HZM−H(東ソー社製)を用い、流量0.6ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、樹脂(4)の重量平均分子量は21,000であった。このものを1H−核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR分析)、赤外吸収スペクトル分析(IR分析)を行った結果、下記平均構造式で示される化合物であることがわかった。(アルケニル基量=0.056mol/100g)
Figure 0006065858
[樹脂組成物及びその硬化物の調製]
(A)成分として上記にて合成した樹脂(1)、(2)、(3)、(4)を、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、(G)成分として下記に示す化合物を用いた。
(B)成分としては、以下に示す(B−I)、(B−II)を使用した。
Figure 0006065858
また、(C)成分として0.5%カールステッド触媒(白金オレフィン化合物錯体)、(D)成分としてエチニルシクロヘキサノール、(E)成分としてアデカスタブ AO−60(テトラキス[メチレン−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン、ADEKA製)、(G)成分としてトルエンを使用した。(F)成分としてDAW−45(アルミナ、平均粒径45μm)(電気化学工業製)、R972(疎水性シリカ、平均粒径16μm)(日本アエロジル製)、UHP−2(平均粒径10μm)(六方晶窒化ホウ素、昭和電工製)を用いた。
更に、(A)成分の比較として下記に示すビフェニル基を持たない樹脂(5)を用いた(アルケニル基量=0.39mol/100g)。
Figure 0006065858
[実施例1〜5]
表1に記載した組成に従い、各成分を配合した。具体的に、(A)成分を(G)成分に溶解させ、これに(B)、(D)、(E)成分を混入させ、練太郎ミキサーにて2,000rpm、20分撹拌を行った。次に(C)成分を添加し、練太郎ミキサーにて2,000rpm、5分撹拌を行った。そこに(F)成分を添加し、練太郎ミキサーにて2,000rpm、10分撹拌した。得られた混合物を金型に入れ、110℃で2時間加熱し、溶媒であるトルエンを揮発させたのち、そのまま180℃に上げて混合物を1時間加熱硬化させることにより、シート状の硬化物を得た。なお、溶媒揮発前の混合物の粘度は、実施例1で1,500mPa・s、実施例2で1,200mPa・s、実施例3で1,900mPa・s、実施例4で2,800mPa・s、実施例5で1,800mPa・sであった。
[実施例6]
表1に記載した組成に従い、各成分を配合した。具体的に、(A)成分を(G)成分に溶解させ、これに(B)、(D)成分を練太郎ミキサーにて2,000rpm、20分撹拌を行った。次に(C)成分を添加し、練太郎ミキサーにて2,000rpm、5分撹拌を行った。得られた混合物の粘度は700mPa・sであった。得られた混合物を金型に入れ、110℃で2時間加熱し、溶媒であるトルエンを揮発させたのち、そのまま180℃に上げて混合物を1時間加熱硬化させることにより、シート状の硬化物を得た。
[比較例1]
表1に記載した組成に従い、各成分を配合した。具体的に、(A)、(B)、(D)、(E)及び(G)成分を練太郎ミキサーにて2,000rpm、20分撹拌を行った。次に(C)成分を添加し、練太郎ミキサーにて2,000rpm、5分撹拌を行った。得られた混合物の粘度は450mPa・sであった。得られた混合物を金型に入れ、110℃で2時間加熱し、溶媒であるトルエンを揮発させたのち、そのまま180℃に上げて混合物を1時間加熱硬化させることにより、シート状の硬化物を得た。
[比較例2]
表1に記載した組成に従い、各成分を配合した。具体的に、(A)、(B)、(D)、(E)及び(G)成分を練太郎ミキサーにて2,000rpm、20分撹拌を行った。次に(C)成分を添加し、練太郎ミキサーにて2,000rpm、5分撹拌を行った。そこに(F)成分を添加し、練太郎ミキサーにて2,000rpm、10分撹拌した。得られた混合物の粘度は600mPa・sであった。得られた混合物を金型に入れ、110℃で2時間加熱し、溶媒であるトルエンを揮発させたのち、そのまま180℃に上げて混合物を1時間加熱硬化させることにより、シート状の硬化物を得た。
[熱伝導性評価]
実施例1〜6及び比較例1,2で製造した硬化物を京都電子工業製ホットディスク法熱伝導率測定装置で4φのセンサーにて熱伝導率を測定した結果、熱伝導率は表1のとおりとなった。
Figure 0006065858
以上より、本発明の樹脂組成物は、溶媒に可溶又は分散可能であるため、熱伝導性フィラーの充填や成型に射出成型機のような大掛かりな機材を必要としない。また、溶媒揮発前の状態も常温で流体であり、取り扱いが容易である。それでいて、メソゲン基の導入による樹脂組成物の硬化物の高熱伝導性は損なわれておらず、本発明の樹脂組成物の硬化物は電気電子用放熱材料として好適であるといえる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1. (A)下記平均組成式(1)で表される不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上含有するメソゲン・ケイ素化合物共重合体、
    (B)1分子内に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)白金族金属系触媒
    を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 0006065858
    〔式中、R1、R5はそれぞれ同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜20の2価炭化水素基である。また、R2は下記式
    Figure 0006065858
    で示される構造から選ばれる2価の基である。pは0又は1である。R3及びR4はそれぞれ炭素原子数2〜10の不飽和基を含む1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。また、q、rはそれぞれ0、1又は2であり、q、rは同時に0ではない。l、m、nはそれぞれ1未満の正数であり、oは0又は0.5以下の正数である。更にl、m、n、oはl+m+n+o=1を満たす。Z、Xはそれぞれ下記一般式(2)
    Figure 0006065858
    (式中、Meはメチル基であり、aは0〜60の整数であり、bは0〜60の整数である。R6及びR7はそれぞれ炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、相互に異なっていても同一でもよい。但し、R6、R7は同時にメチル基ではない。)
    で示されるケイ素原子を含む2価の有機基である。〕
  2. (B)1分子内に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記一般式(3)、(4)
    Figure 0006065858
    (式中、Meはメチル基であり、R8〜R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよい脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の1価の炭化水素基である。Aは水素原子又はメチル基である。c、d、eはそれぞれ0〜60の整数である。但し、Aが1つメチル基の場合、cは1以上60以下の整数であり、Aが2つメチル基の場合、cは2以上60以下の整数である。f、hはそれぞれ0〜10の整数であり、gは2〜10の整数である。)
    で示される1種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1の樹脂組成物。
  3. 更に、(D)反応制御剤を含有する請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 更に、(E)酸化防止剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 更に、(F)無機充填剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. 更に、(G)有機溶剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂組成物を硬化させて得られるメソゲン基含有硬化物。
  8. (A)成分を含む溶液又は分散液に、(B)、(C)成分及びその他の成分を添加して加熱硬化させることを特徴とする請求項7記載のメソゲン基含有硬化物の製造方法。
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