JP6065325B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する車両用の無段変速機が、底部に潤滑油を貯留したケーシングの内部に、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する偏心部材と、前記偏心量を変化させる変速アクチュエータと、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、一端側が前記偏心部材に接続され、他端側が前記ワンウェイクラッチのアウター部材の下部に連結ピンを介して接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備える車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換するクランク式の無段変速機において、コネクティングロッドとワンウェイクラッチのアウター部材とを接続する連結ピンを潤滑するために、オイルパイプから連結ピンに向けて潤滑油を噴射するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2012−251611号公報
ところで、かかるクランク式の無段変速機の連結ピンを確実に潤滑するために、連結ピンをワンウェイクラッチのアウター部材の下部に設けてケーシングの内部に貯留した潤滑油に油没させるものが、本出願人により特願2013−020813号で提案されている。
しかしながら、クランク式の無段変速機では、連結ピンだけを油没させても、入力軸の周囲に配置された偏心ディスクの大部分や、出力軸の周囲に配置されたワンウェイクラッチの大部分が油面の上方に露出しているため、ケーシングの底部に貯留した潤滑油を往復運動するコネクティングロッドで掻き上げて飛沫潤滑することが必要になり、その際にコネクティングロッドが受ける抵抗を最小限に抑えてエネルギーロスを低減しながら潤滑効果を高めることが要求される。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速機のケーシングの内部をコネクティングロッドが掻き上げる潤滑油で飛沫潤滑する際に、コネクティングロッドが受ける抵抗を最小限に抑えながら潤滑効果を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する車両用の無段変速機が、底部に潤滑油を貯留したケーシングの内部に、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する偏心部材と、前記偏心量を変化させる変速アクチュエータと、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、一端側が前記偏心部材に接続され、他端側が前記ワンウェイクラッチのアウター部材の下部に連結ピンを介して接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備える車両用動力伝達装置であって、前記コネクティングロッドは、該コネクティングロッドの往復運動に伴って前記潤滑油の油面に第1の移動軌跡で突入して該油面から前記第1の移動軌跡と異なる第2の移動軌跡で離脱する板状部材を備え、前記偏心部材の偏心量が所定の値であるとき、前記板状部材は、前記油面に前記第1の移動軌跡で突入する過程では該板状部材の移動方向に沿うとともに、前記油面から前記第2の移動軌跡で離脱する過程では該板状部材の移動方向に対して倒伏する方向に傾斜することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記板状部材が前記油面から離脱する過程での移動方向が前記油面に対して成す角度は、前記板状部材が前記油面に突入する過程での移動方向が前記油面に対して成す角度よりも大きいことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記板状部材が前記油面に突入する過程における該板状部材の移動軌跡は弧状であり、前記板状部材は前記弧状の移動軌跡に沿うように弧状に湾曲することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記所定の値の偏心量は、車両が平坦路を最高速度で走行するときの偏心量であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態のミッションケース11は本発明のケーシングに対応し、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の偏心部材に対応する。
請求項1の構成によれば、駆動源に接続された入力軸が回転すると偏心部材が偏心回転し、偏心部材に一端側を接続されたコネクティングロッドが往復運動することで、コネクティングロッドの他端側に接続されたワンウェイクラッチを介して出力軸が間欠回転する。変速アクチュエータにより入力軸に対する偏心部材の偏心量を変化させるとコネクティングロッドの往復運動のストロークが変化し、出力軸の間欠回転角が変化して無段変速機の変速比が変更される。
コネクティングロッドは、該コネクティングロッドの往復運動に伴って潤滑油の油面に突入して該油面から離脱する板状部材を備え、偏心部材の偏心量が所定の値であるとき、板状部材は、第1の移動軌跡で油面に突入する過程では該板状部材の移動方向に沿うので、最小の抵抗で板状部材を油面に突入させることができるだけでなく、板状部材は、第2の移動軌跡で油面から離脱する過程では該板状部材の移動方向に対して倒伏する方向に傾斜するので、板状部材の上面で潤滑油を効率的に掻き上げてケーシングの内部に飛散させ、油面の上方に露出する無段変速機の各被潤滑部を飛沫潤滑することが可能となり、エネルギーロスを最小限に抑えながら潤滑効果を高めることができる。
また請求項2の構成によれば、板状部材が油面から離脱する過程での移動方向が油面に対して成す角度は、板状部材が油面に突入する過程での移動方向が油面に対して成す角度よりも大きいので、板状部材が油面から離脱する過程で潤滑油を上向きに掻き上げて一層効率良く飛散させることができる。
また請求項3の構成によれば、板状部材が油面に突入する過程における該板状部材の移動軌跡は弧状であり、板状部材は弧状の移動軌跡に沿うように弧状に湾曲するので、板状部材が油面に突入するときの抵抗を一層効果的に低減することができる。
また請求項4の構成によれば、前記所定の値の偏心量は、車両が平坦路を最高速度で走行するときの偏心量であるので、入力軸の回転数が増加して各被潤滑部が多量の潤滑油を必要とするときに、エネルギーロスを最小限に抑えながら充分な量の潤滑油を飛散させることができる。
車両用動力伝達装置の全体視図。(第1の実施の形態) 車両用動力伝達装置の要部の一部破断斜視図。(第1の実施の形態) 図1の3−3線断面図。(第1の実施の形態) 図3の4部拡大図。(第1の実施の形態) 図3の5−5線断面図(OD状態)。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの形状を示す図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図。(第1の実施の形態) OD変速比およびGN変速比における偏心ディスクの状態を示す図。(第1の実施の形態) コネクティングロッドの形状を示す図。(第1の実施の形態) 板状部材の移動軌跡を示す図。(第1の実施の形態) 突入過程および離脱過程における板状部材の移動軌跡を示す図。(第1の実施の形態) 図11の要部拡大図。(第1の実施の形態) 図9に対応する図。(第2の実施の形態) 突入過程および離脱過程における板状部材の移動軌跡を示す図。(比較例) 図14の要部拡大図。(比較例)
第1の実施の形態
以下、図1〜図12に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1〜図5に示すように、自動車用の無段変速機Tのミッションケース11の一対の側壁11a,11bに入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が6個の伝達ユニット14…、出力軸13およびディファレンシャルギヤDを介して駆動輪に伝達される。中空に形成された入力軸12の内部に、その入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15が7個のニードルベアリング16…を介して相対回転可能に嵌合する。6個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
伝達ユニット14は変速軸15の外周面に設けられたピニオン17を備えており、このピニオン17は入力軸12に形成した開口12aから露出する。ピニオン17を挟むように、入力軸12の外周に軸線L方向に2分割された円板状の偏心カム18がスプライン結合される。偏心カム18の中心O1は入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心している。また6個の伝達ユニット14…の6個の偏心カム18…は、その偏心方向の位相が相互に60°ずつずれている。
偏心カム18の外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成した一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれている。即ち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム18の中心O1間の距離dと、偏心カム18の中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
軸線L方向に2分割された偏心カム18の割り面には、その偏心カム18の中心O1と同軸に一対の三日月状のガイド部18a,18aが設けられており、偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム18のガイド部18a,18aの外周面に摺動可能に当接する。そして変速軸15のピニオン17が、入力軸12の開口12aを通して偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。
入力軸12の一端側はボールベアリング21を介してミッションケース11の一方の側壁11aに直接支持される。また入力軸12の他端側に位置する1個の偏心カム18に一体に設けた筒状部18bが、ボールベアリング22を介してミッションケース11の他端側の側壁11bに支持されており、その偏心カム18の内周にスプライン結合された入力軸12の他端側は、ミッションケース11に間接的に支持される。
入力軸12に対して変速軸15を相対回転させて無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ23は、モータ軸24aが軸線Lと同軸になるようにミッションケース11に支持された電動モータ24と、電動モータ24に接続された遊星歯車機構25とを備える。遊星歯車機構25は、電動モータ24にニードルベアリング26を介して回転自在に支持されたキャリヤ27と、モータ軸24aに固定されたサンギヤ28と、キャリヤ27に回転自在に支持された複数の2連ピニオン29…と、中空の入力軸12の軸端(厳密には、前記1個の偏心カム18の筒状部18bの軸端)にスプライン結合された第1リングギヤ30と、変速軸15にスプライン結合された第2リングギヤ31とを備える。各2連ピニオン29は大径の第1ピニオン29aと小径の第2ピニオン29bとを備えており、第1ピニオン29aはサンギヤ28および第1リングギヤ30に噛合し、第2ピニオン29bは第2リングギヤ31に噛合する。
偏心ディスク19の外周には、ローラベアリング32を介してコネクティングロッド33の一端側の環状部33aが相対回転自在に支持される。
出力軸13はミッションケース11の一対の側壁11a,11bに一対のボールベアリング34,35で支持されており、その外周にはワンウェイクラッチ36が設けられる。ワンウェイクラッチ36は、コネクティングロッド33のロッド部33bの先端に連結ピン37を介して枢支されたリング状のアウター部材38と、アウター部材38の内部に配置されて出力軸13に固定されたインナー部材39と、アウター部材38の内周の円弧面とインナー部材39の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング40…で付勢された複数個のローラ41…とを備える。
図6および図8に示すように、偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれているため、偏心ディスク19の外周と偏心凹部19a,19aの内周との間隔は円周方向に不均一になっており、その間隔が大きい部分に三日月状の肉抜き凹部19c,19cが形成される。
図5および図9に示すように、コネクティングロッド33の連結ピン37に近い端部の軸方向両面には、それぞれ3枚の板状部材33c…が軸方向に突出するように設けられる。平坦路で最大車速が得られる変速比(トップドライブ:TD)でコネクティングロッド33が往復運動する際に、コネクティングロッド33が出力軸13側に移動する過程で板状部材33c…は油面OLを上から下に通過して油中に突入し、コネクティングロッド33が入力軸12側に移動する過程で板状部材33c…は油面OLを下から上に通過して油中から離脱する。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図5および図7(A)〜図7(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド33の環状部33aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド33のロッド部33bが往復運動する。
その結果、図5において、コネクティングロッド33が往復運動する過程で図中右側に押されると、スプリング40…に付勢されたローラ41…がアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材38およびインナー部材39がローラ41…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ36が係合してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド33が往復動する過程で図中左側に引かれると、ローラ41…がスプリング40…を圧縮しながらアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間から押し出され、アウター部材38およびインナー部材39が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ36が係合解除してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。6個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心方向の位相が相互に60°ずつずれているため、6個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド33が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。入力軸12および変速軸15を同一速度で回転させるには、入力軸12と同速度で電動モータ24を回転駆動すれば良い。その理由は、遊星歯車機構25の第1リングギヤ30は入力軸12に接続されて該入力軸12と同一速度で回転するが、それと同一速度で電動モータ24を駆動するとサンギヤ28および第1リングギヤ30が同一速度で回転するため、遊星歯車機構25はロック状態になって全体が一体に回転する。その結果、一体に回転する第1リングギヤ30および第2リングギヤ31に接続された入力軸12および変速軸15は一体化され、相対回転することなく同速度で回転するからである。
入力軸12の回転数に対して電動モータ24の回転数を増速あるいは減速すると、入力軸12に結合された第1リングギヤ30と電動モータ24に接続されたサンギヤ28とが相対回転するため、キャリヤ27が第1リングギヤ30に対して相対回転する。このとき、相互に噛合する第1リングギヤ30および第1ピニオン29aの歯数比と、相互に噛合する第2リングギヤ31および第2ピニオン29bの歯数比とが僅かに異なるため、第1リングギヤ30に接続された入力軸12と第2リングギヤ31に接続された変速軸15とが相対回転する。
このようにして入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、各伝達ユニット14のピニオン17にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム18のガイド部18a,18aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図7(A)は偏心量εが最大で変速比が最小の状態(オーバードライブ:OD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム18の中心O1までの距離dと、偏心カム18の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図7(B)および図7(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図7(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合い、偏心量εがゼロで変速比が最大(無限大)の状態(ギヤドニュートラル:GN)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
次に、コネクティングロッド33に設けた板状部材33c…による飛沫潤滑について説明する。
図10に示すように、変速比がTD状態においてコネクティングロッド33が往復運動すると、その連結ピン37は出力軸13の軸線を中心とする円弧状の軌跡を描いて往復揺動するが、連結ピン37から入力軸12側にずれた位置にある板状部材33c…は、板状部材33c…が油面OLに突入する突入過程と、板状部材33c…が油面OLから離脱する離脱過程とで、異なる軌跡を描くことになる。その理由は、入力軸12が図10において時計方向に回転する場合、図11(A)に示す突入過程ではコネクティングロッド33が比較的に起立した姿勢になり、図11(B)に示す離脱過程ではコネクティングロッド33が比較的に倒伏した姿勢になるからである。
TD変速比での突入過程における板状部材33c…の状態を拡大して示す図12(A)において、矢印A1は板状部材33c…の移動方向を直線で近似したものである。板状部材33c…は、突入過程における板状部材33c…の移動方向である矢印A1と平行になるようにコネクティングロッド33に設けられている。よって、板状部材33c…の進行方向前端a1が油面OLに達してから進行方向後端b1が油面OLに達するまでの間、矢印A1方向に見た板状部材33c…の投影面積は最小になり、板状部材33c…が潤滑油から受ける抵抗は最小になる。
TD変速比での離脱過程における板状部材33c…の状態を拡大して示す図12(B)において、矢印A2は板状部材33c…の移動方向を直線で近似したものである。図10で説明したように、板状部材33c…の移動軌跡が油面OLと成す角度は、突入過程では比較的に小さいα1となり、離脱過程では比較的に大きいα2となる。また離脱過程では、突入過程に比べてコネクティングロッド33が倒伏するため、板状部材33c…が油面OLに対して成す角度は、コネクティングロッド33が起立した姿勢になる突入過程では比較的に大きいβ1となり、コネクティングロッド33が倒伏した姿勢になる離脱過程では比較的に小さいβ2となる。
よって、離脱過程において板状部材33c…の進行方向前端a2が油面OLに達してから進行方向後端b2が油面OLに達するまでの間、板状部材33c…は矢印方向A2に対して角度γ(=α2−β2)だけ倒伏した姿勢に傾斜するため、矢印A2方向に見た板状部材33c…の投影面積は前記最小面積よりも大きい所定面積となり、板状部材33c…の上面で潤滑油を掻き上げることで油面OL上に飛沫を発生させ、油面OLから上方に露出する偏心ディスク19やワンウェイクラッチ36を潤滑することができる。
しかも、突入過程における板状部材33c…の移動方向A1が油面OLに対して成す角度α1に対して、離脱過程における板状部材33c…の移動方向A2が油面OLに対して成す角度α2が大きくなるので、離脱過程において板状部材33c…の上面でオイルを一層効率的に掻き上げることが可能となり、潤滑油の飛沫を一層効率的に発生させることができる。
図10に示す本実施の形態では入力軸12が時計方向に回転しているが、入力軸12が反時計方向に回転する比較例を、図14および図15に基づいて考察する。
入力軸12の回転方向が逆方向になるため、図14(A)および図15(A)に示す比較例の突入過程は実施の形態の離脱過程に対応する。突入過程において、板状部材33c…の進行方向前端a1が油面OLに達してから進行方向後端b1が油面OLに達するまでの間、矢印A1′方向に見たときの投影面積は最小になるように板状部材33c…がコネクティングロッド33に設けられる。
入力軸12の回転方向が逆方向になるため、図14(B)および図15(B)に示す比較例の離脱過程は実施の形態の突入過程に対応する。離脱過程では突入過程に比べてコネクティングロッド33が起立した姿勢になるため、離脱過程で板状部材33c…が油面OLに対して成す角度β2′は、突入過程で板状部材33c…が油面OLに対して成す角度β1′よりも大きくなり、板状部材33c…は離脱過程での移動方向である矢印A2′に対して角度γ′だけ起立してしまう。その結果、離脱過程において板状部材33c…は上面で潤滑油を掻き上げずに下面で潤滑油を押し下げてしまい、潤滑油の飛沫を有効に発生することが困難になる。
しかも、突入過程における板状部材33c…の移動方向A1′が油面OLに対して成す角度α1′に対して、離脱過程における板状部材33c…の移動方向A2′が油面OLに対して成す角度α2′が小さくなるので、離脱過程において板状部材33c…の上面でオイルを効率的に掻き上げることができず、潤滑油の飛沫が発生し難くなる。
よって、入力軸12の回転方向は図10に矢印で示す方向であることが必要である。
第2の実施の形態
次に、図13に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態の板状部材33c…は平坦な形状であるが、第2の実施の形態の板状部材33c…は弧状に湾曲している。コネクティングロッド33の端部の連結ピン37は出力軸13の軸線を中心として円弧状に揺動運動するため、連結ピン37の近傍に位置する板状部材33c…も弧状の経路で往復運動する。本実施の形態では、板状部材33c…の形状を、その突入過程における移動経路に沿うような弧状にすることで、突入過程で板状部材33c…が受ける抵抗を更に低減することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。
また実施の形態ではコネクティングロッド33が6枚の板状部材33c…を備えているが、板状部材33c…の数は任意である。
11 ミッションケース(ケーシング)
12 入力軸
13 出力軸
19 偏心ディスク(偏心部材)
23 変速アクチュエータ
33 コネクティングロッド
33c 板状部材
36 ワンウェイクラッチ
37 連結ピン
38 アウター部材
A1 突入過程での板状部材の移動方向
A2 離脱過程での板状部材の移動方向
E エンジン(駆動源)
OL 油面
T 無段変速機
α1 突入過程で板状部材の移動方向が油面に対して成す角度
α2 離脱過程で板状部材の移動方向が油面に対して成す角度
ε 偏心量

Claims (4)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の回転を変速して出力軸(13)に伝達する車両用の無段変速機(T)が、底部に潤滑油を貯留したケーシング(11)の内部に、前記入力軸(12)の軸線(L)からの偏心量(ε)が可変であって該入力軸(12)と共に回転する偏心部材(19)と、前記偏心量(ε)を変化させる変速アクチュエータ(23)と、前記出力軸(13)に接続されたワンウェイクラッチ(36)と、一端側が前記偏心部材(19)に接続され、他端側が前記ワンウェイクラッチ(36)のアウター部材(38)の下部に連結ピン(37)を介して接続されて往復運動するコネクティングロッド(33)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記コネクティングロッド(33)は、該コネクティングロッド(33)の往復運動に伴って前記潤滑油の油面(OL)に第1の移動軌跡で突入して該油面(OL)から前記第1の移動軌跡と異なる第2の移動軌跡で離脱する板状部材(33c)を備え、前記偏心部材(19)の偏心量(ε)が所定の値であるとき、前記板状部材(33c)は、前記油面(OL)に前記第1の移動軌跡で突入する過程では該板状部材(33c)の移動方向(A1)に沿うとともに、前記油面(OL)から前記第2の移動軌跡で離脱する過程では該板状部材(33c)の移動方向(A2)に対して倒伏する方向に傾斜することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記板状部材(33c)が前記油面(OL)から離脱する過程での移動方向(A2)が前記油面(OL)に対して成す角度(α2)は、前記板状部材(33c)が前記油面(OL)に突入する過程での移動方向(A1)が前記油面(OL)に対して成す角度(α1)よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記板状部材(33c)が前記油面(OL)に突入する過程における該板状部材(33c)の移動軌跡は弧状であり、前記板状部材(33c)は前記弧状の移動軌跡に沿うように弧状に湾曲することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記所定の値の偏心量(ε)は、車両が平坦路を最高速度で走行するときの偏心量(ε)であることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
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