JP6064631B2 - 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 - Google Patents
体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6064631B2 JP6064631B2 JP2013019429A JP2013019429A JP6064631B2 JP 6064631 B2 JP6064631 B2 JP 6064631B2 JP 2013019429 A JP2013019429 A JP 2013019429A JP 2013019429 A JP2013019429 A JP 2013019429A JP 6064631 B2 JP6064631 B2 JP 6064631B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hologram recording
- volume
- hologram
- volume hologram
- cyanine dye
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Holo Graphy (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Optical Head (AREA)
Description
しかしながら、特許文献2の透明ホログラム用感光性記録材料は、ホログラム記録露光時に酸を発生させ、当該酸の作用により発生させたスルホン酸誘導体を用いて増感色素を退色若しくは消色されているものであるため、ホログラム記録中にも増感色素が退色し易く、反応系の感度が下がり、重合が加速されない結果、回折効率が低下するという問題があった。
本発明は、係る知見に基づいて完成したものである。
前記ホログラム記録層に、少なくとも、ホログラム記録波長光を照射することにより、体積型ホログラムを記録するホログラム記録工程と、
前記ホログラム記録工程後に、前記ホログラム記録層を加熱することにより、前記シアニン系色素の電子共役系の一部を切断する消色工程とを有する、
シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物と、少なくともラジカル重合性化合物を含む光重合性化合物の重合物とを含み、ホログラムが記録されたホログラム層を、基材上に備えたことを特徴とする。
以下、本実施形態に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び、体積型ホログラム記録体の製造方法について、順に説明する。
なお、本実施形態において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
本実施形態に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物は、ホログラム記録波長に吸収を持ち、励起して光重合開始剤にエネルギーを渡し得る増感色素であるシアニン系色素と、光重合開始剤と、光重合性化合物と、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤とを含有することを特徴とする。
従来の体積型ホログラム記録用感光性組成物を用いると、ホログラム記録後に、ホログラム層中に増感色素が残留するため、ホログラムの再生時等に照射される光を吸収し、ホログラム層中の成分が副反応を起こしたり、発熱することがあった。その熱の影響でホログラム記録体が変質したり、記録したホログラム縞が歪んで再生波長での回折効率が低下するという問題が発生した。このような劣化の問題は、高出力レーザーが用いられる用途において大きな問題となってきた。
増感色素を退色させる方法として、特許文献2の技術では、上述のようにホログラム記録中にも増感色素が退色し易く、反応系の感度が下がり、重合が加速されないという問題があった。
このような問題を解決する方法として、消色しやすいシアニン系色素を用いることを検討した。シアニン系色素は、残存光重合開始剤や不純物等でも消色反応を開始し得るので、塩基を用いなくても消色し得るが、所望の透過率に至るまで消色するにはホログラム記録後に例えば3〜4日等の長時間の光照射が必要である。それ故、シアニン系色素を消色させるために照射される長時間の光照射により、ホログラム中の色素以外の材料も劣化するという問題があった。
これらの問題に対して、本実施形態の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、増感色素として塩基により消色しやすいシアニン系色素を用い、更に、ホログラム記録波長光に対して不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤とを組み合わせている。このような体積型ホログラム記録用感光性組成物を用いることにより、ホログラム記録時にはシアニン系色素が増感色素として作用する一方、塩基の発生は抑制されているため、ホログラム記録感度を低下することなくホログラムを記録することができる。更にホログラム記録後に、加熱することによって、塩基発生剤から塩基が発生するため、短時間の加熱でシアニン系色素を消色することができる。また系中を塩基性にすることにより消色した色素の色戻り(逆反応)を阻止できる。このため、ホログラム層中の色素以外の材料の劣化を抑制しながら、ホログラム記録体の透過率を上げることができる。得られたホログラム記録体は、高出力レーザー等の照射光を吸収し難くなるため、発熱によるホログラム記録体中の各成分や部材の劣化を抑制することができる。
以下、このような体積型ホログラム記録用感光性組成物の各成分について、順に説明する。
本実施形態において用いられるシアニン系色素は、ホログラム記録波長に吸収を持ち、励起して後述する光重合開始剤にエネルギーを渡し得る増感色素として作用するシアニン系色素である。
本実施形態においてシアニン系色素とは、2つ以上の窒素原子がポリメチン鎖によって繋がれている構造を有する色素をいう。シアニン系色素は、ポリメチン鎖を有することから骨格に共役電子系を有する。典型的なシアニン系色素としては、例えば、2個の含窒素複素環を奇数個のメチン基(−CH=)で結合し、一方の窒素原子は3級アミン、他方のアミンは4級アンモニウム構造を有し、下記化学式(1)で表わされる共役電子系を有する基本骨格をもつ色素が挙げられる。
また、化学式(1)におけるnは、用途に応じて適宜選択すればよい。nが大きいほど、シアニン系色素の吸収極大波長が長波長側に移動する。中でもnが0〜3であることが好ましい。
本実施形態において光重合開始剤は、後述する光重合性化合物の種類に応じて、従来公知のラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、体積型ホログラムを記録する際に、露光によって活性ラジカルを生成し、該活性ラジカルがラジカル重合性化合物を重合させることができるものであれば特に限定されるものではない。
光ラジカル重合開始剤としては、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等が挙げられ、更に具体的には、1,3−ジ(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、BASF製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、BASF製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、BASF製)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)(商品名イルガキュア784、BASF製)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤が組み合わせて用いられる場合、本実施形態に用いられる光カチオン重合開始剤としては、ラジカル重合性化合物を重合させる露光に対しては低感光性で、当該露光と異なる波長の光を照射する後露光に感光してブレンステッド酸あるいはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物を重合させるような開始剤であれば特に限定されるものではない。光ラジカル重合開始剤としても、光カチオン重合開始剤としても機能するものも好適に用いられる。なかでも好適な光カチオン重合開始剤としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、鉄アレン錯体類等が挙げられる。
光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種が好適に用いられ、対応する光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤の少なくとも1種が組み合わせて用いられる。ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を組み合わせて用いる場合、ホログラム記録層に体積型ホログラムを記録する方法としては、上記ラジカル重合開始剤系が感光するレーザー光又はコヒーレンス性に優れた光の照射によって、ラジカル重合性化合物を重合させた後、カチオン重合開始剤系が感光する上記レーザー光とは別の波長の光を照射する方法が用いられる。
上記ラジカル重合性化合物としては、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好適に用いられる。また、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を組み合わせて用いる場合には、ラジカル重合性化合物の平均屈折率は、後述のカチオン重合性化合物の平均屈折率より大きいことが好ましく、0.02以上大きいことがより好ましい。
ラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、アクリルアミド、2−ブロモスチレン、2−フェノキシエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、N−ビニルカルバゾール、2−(9−カルバゾリル)エチルアクリレート、トリフェニルメチルチオアクリレート、S−(1−ナフチルメチル)チオアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ジフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジフェン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、2,3−ナフタリンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート及び上記におけるアクリレートをメタクリレートに変えた化合物、更には特開平2−247205号公報や特開平2−261808号公報に記載されているような分子内に少なくともS原子を2個以上含む、エチレン性不飽和二重結合含有化合物が挙げられ、これらの1種以上を使用してよい。
上記カチオン重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を組み合わせて用いる場合には、ラジカル重合性化合物の重合が比較的低粘度の組成物中で行われることが好ましいという点から、室温で液状のものが好適に用いられる。このようなカチオン重合性化合物の具体例としては、例えば、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4'−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、及び、下記式(2)、下記式(3)で表される化合物等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、塩基発生剤として、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤が用いられる。
当該塩基発生剤は、ホログラム記録波長光照射に対して不活性であるため、ホログラム記録時においては実質的に塩基を発生せず、前記シアニン系色素を消色しない。一方、当該塩基発生剤は、ホログラム記録後に加熱することにより、塩基を発生するため、短時間でシアニン系色素の消色を実現する。その結果、得られる体積型ホログラム記録体は、高透過率で、且つ色素以外の材料の劣化が抑制されたホログラム層を備えたものとなる。
なお、塩基発生剤から塩基を発生させるための熱は、常温(25℃)よりも高温で熱が加えられれば良く、通常40℃以上であり、好ましくは60℃以上である。中でも、100〜180℃であることが好ましい。
そのため、本実施形態において用いられる塩基発生剤は、ホログラム記録波長光照射に不活性であり、塩基性度の高い塩基が発生するものであることが好ましい。なお、本実施形態において、ホログラム記録波長光照射に不活性とは、ホログラム記録波長の光を照射しても実質的に塩基を発生しないことをいい、ホログラム記録波長の光を照射しても塩基を発生しないか、発生しても、シアニン系色素を消色しない程度にしか塩基を発生しないことをいう。不活性とは、ホログラム記録波長の光を1000mJ/cm2照射した場合に、塩基発生剤から塩基が発生する割合が1モル%以下を目安とすることができる。
例えば、塩化モノアルキルトリメチルアンモニウム、塩化モノアルキルベンジルジメチルアンモニウム、ジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェート、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジアンモニウムなどのアンモニウム塩;モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、芳香族アミン類、アルカノールアミン類などのアミン類;同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物、窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられ、好ましく用いられる。
特に、特開2011−084562号公報で示されるヒドロキシ桂皮酸アミド誘導体のような分子内環化反応を起こし塩基を発生させる化合物は、脱炭酸等のアウトガスを発生させないので耐久性が向上すると予想されさらに有用である。当該ヒドロキシ桂皮酸アミド誘導体の具体例としては、(E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル)ピペリジン、(E)−1−[3−(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)−2−プロペノイル)ピペリジン等が挙げられる。
このような場合には、より塩基性度の高い塩基を発生するため、より短時間の加熱処理でシアニン系色素を消色可能になり、ホログラム層を構成する各成分の劣化をより抑制することが可能になる。
なお、pKbは、例えば25℃でアセトニトリル中での値とすることができる。
なお、本実施形態に用いられる塩基発生剤のモル吸光係数は、当該波長領域に吸収をもたない溶媒(例えば、アセトニトリル)に、塩基発生剤を1×10−4mol/L以下の濃度(通常、1×10−4mol/L〜1×10−5mol/L程度。適度な吸収強度となるように、適宜、調節してもよい。)で溶解し、紫外可視分光光度計(例えば、UV−2550(株)島津製作所製))により吸光度を測定することにより明らかにすることができる。
また、本実施形態に用いられる塩基発生剤は、熱で分解する必要がある点から、例えば、分子内にシアノ基、アシル基などの電子求引性基と、アミノ基、アルコキシ基、水酸基などの電子供与性基とを有しているような分極構造を有していることが好ましい。
また、本実施形態に用いられる塩基発生剤は、金属イオンを含むと増感色素が反応してブリーチングしにくくなる点から、金属を含まないことが好ましい。
本実施形態の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて更に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、バインダー樹脂、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色剤、微粒子、熱可塑性樹脂、界面活性剤等が挙げられる。
バインダー樹脂は、ホログラム形成前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場合や、光ラジカル重合及び光カチオン重合を組み合わせて用いる場合にレーザー光あるいはコヒーレンス性の優れた光の照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、安定に存在させるために使用される。本実施形態に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、またはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、アクリル酸、アクリル酸エステル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体、またはそれらの混合物や、ポリイソプロピレン、ポリブタジエン、ポリクロロピレン、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物などを挙げることができる。中でも、加熱時にモノマー移動が容易に移動でき、記録された体積型ホログラムを安定化しやすい点から、バインダー樹脂のガラス転移温度が比較的低いことが好ましい。
本実施形態の体積型ホログラム記録用感光性組成物中の各成分の含有割合は適宜調整されれば良い。例えば、以下の含有割合が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本実施形態の体積型ホログラム記録用感光性組成物中のシアニン系色素の含有割合は、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して、0.005〜2重量部が好ましく、0.02〜1重量部がより好ましい。
光重合開始剤の含有量は、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。
光重合性化合物の含有量は、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して、10〜98重量部が挙げられ、10〜80重量部が好ましく、20〜70重量部がより好ましい。
塩基発生剤の含有量は、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して、0.005〜5重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。
必要に応じて用いられるバインダー樹脂の含有量は、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して、10〜80重量部が好ましく、20〜70重量部がより好ましい。
なお、固形分とは、溶媒以外の全ての成分をいう。
本実施形態に係る体積型ホログラム記録体は、シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物と、光重合性化合物の重合物とを含み、ホログラムが記録されたホログラム層を、基材上に備えたことを特徴とする。
体積型ホログラム記録体20は、通常、ホログラムを記録するためのホログラム記録層を基材上に備えた体積型ホログラム記録用感光性基板に、ホログラムを記録することにより得られる。
なお、体積型ホログラム記録体のホログラム層において、シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物が含まれることは、例えば、IR、NMR、MS等の分析を行うことにより確認できる。共役電子系の一部が切断されたことは、例えばIR測定により、シアニン系色素由来のメチン鎖のピークが、シアニン系色素由来の他の構造部分のピークと比較して割合が減少又は消失していることにより確認できる。また反応結果物のモル吸光定数測定により直接的にシアニン色素の失活を確認することもできる。
また、当該ホログラム層は、シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物を必須成分とするが、シアニン系色素の電子共役系の一部が切断された反応結果物であって、塩基発生剤の分解物が結合していない反応結果物が含まれていても良いものである。
本実施形態に係る体積型ホログラム記録体において、基材は、用途に応じて従来公知の基材を適宜選択して用いることができる。
体積型ホログラム記録体を光学素子用途に用いる場合には、上記基材としては、通常、透明樹脂基材又はガラス基材を用いる。
透明基材はガラス基材であっても良く、ロール状薄型を用いても良い。
本実施形態に係る体積型ホログラム記録体の製造方法は、シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物と、光重合性化合物の重合物とを含み、ホログラムが記録されたホログラム層を、基材上に備えた、体積型ホログラム記録体の製造方法であって、
ホログラム記録波長に吸収を持ち、励起して光重合開始剤にエネルギーを渡し得る増感色素であるシアニン系色素と、光重合開始剤と、光重合性化合物と、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤とを含有する、ホログラムを記録するためのホログラム記録層を基材上に備えた、体積型ホログラム記録用感光性基板を準備する工程と、
前記ホログラム記録層に、少なくとも、ホログラム記録波長光を照射することにより、体積型ホログラムを記録するホログラム記録工程と、
前記ホログラム記録工程後に、前記ホログラム記録層を加熱することにより、前記シアニン系色素の電子共役系の一部を切断する消色工程とを有することを特徴とする。
以下、本実施形態に係る体積型ホログラム記録体の製造方法の各工程について順に説明する。
まず、基材上にホログラム記録層を備えたホログラム記録用感光性基板を準備する。ホログラム記録層は、例えば、前記本実施形態に係る体積型ホログラム記録用感光性樹脂組成物を溶媒に溶解乃至分散して塗布液として、基材上に塗工し、溶媒を乾燥除去することにより、形成することができる
前記ホログラム記録層に、ホログラム記録波長光を照射することにより、体積型ホログラムを記録する。ホログラム記録波長光の照射方法は、従来公知の方法の中から適宜選択して用いることができる。例えば、ホログラム記録層はレーザー光やコヒーレンス性の優れた光、例えば波長300〜1200nmの光による通常のホログラフィー露光装置によって前記光重合性化合物を重合させてその内部に干渉縞が記録される。
ホログラムの記録に用いられる記録波長光の光源としては、コヒーレンス性に優れる可視光レーザー光を用いることが好ましく、例えばアルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、YAGレーザー(532nm)等を使用することができる。
また、干渉露光による屈折率変調量を促進し、重合反応を完結させるために、干渉露光後に紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
前記ホログラム記録層を熱や赤外線で処理することで回折効率、回折光のピーク波長、半値巾などを変化させることも出来る。
なお、ホログラム記録工程において加熱処理を用いる場合には、当該加熱処理においては前記塩基発生剤が塩基を発生しないように、加熱温度及び塩基発生剤を適宜選択する。
当該加熱処理に必要な温度は、通常40〜150℃であり、好ましくは60〜100℃である。後述の消色工程の加熱温度より低温で加熱し、塩基発生剤が塩基を発生しない温度に設定する。
前記ホログラム記録工程後に、前記ホログラム記録層を加熱することにより、塩基発生剤から塩基を発生させて、当該塩基存在下で前記シアニン系色素の電子共役系の一部を切断して、当該シアニン系色素を消色する。
加熱温度は、前記塩基発生剤が塩基を発生し得る温度であればよく、適宜調整されるものであるが、具体的には60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。加熱時間は、特に限定されないが、5分〜3時間であることが好ましく、10分〜1時間であることがより好ましい。
当該ホログラム層は、シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物を必須成分とするが、シアニン系色素の電子共役系の一部が切断された反応結果物であって、塩基発生剤の分解物が結合していない反応結果物が含まれていても良い。通常、塩基発生剤は相対的に少量添加して消色反応を行うため、シアニン系色素の電子共役系の一部が切断された反応結果物であって、塩基発生剤の分解物が結合していない反応結果物が含まれる。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
下記組成の体積型ホログラム記録用感光性組成物1を作製した。なお、下記熱塩基発生剤Aは可視光に対して不活性であり、熱により塩基を発生する。
<体積型ホログラム記録用感光性組成物1の組成>
・ポリ酢酸ビニル(ポリスチレン換算重量平均分子量10万):100重量部
・ジフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガス製、BPEFA):80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、EX212):70重量部
・ジアリールヨードニウム塩(ローディア製、PI2074):5重量部
・下記化学式(5)で表わされるシアニン色素(A−1):0.5重量部
・塩基発生剤A(N−(4−ジエチルアミノベンジリデンアミノ)グアニジン酢酸塩、和光純薬製):0.05重量部
・メチルエチルケトン(MEK):50重量部
・1−ブタノール:50重量部
(1)で得られた体積型ホログラム記録用感光性組成物1を、38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製ルミラーT−60)上にアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工及び乾燥してホログラム記録層とし、実施例1の体積型ホログラム記録用感光性基板1を得た。
(2)で得られた実施例1の体積型ホログラム記録用感光性基板のホログラム記録層側をミラーにラミネートし、体積型ホログラム記録用感光性基板のPET側から600nmのレーザー光を60mJ/cm2入射して、干渉露光を行い、体積型ホログラムを記録した。その際、光線の入射角は、ホログラム記録用感光性基板の基板面の法線方向から45度の角度とした。
次いで、紫外線全面照射を行って、ホログラム記録層を固定し、干渉縞が記録されたホログラム記録層を有する体積型ホログラム記録体を得た。
得られた体積型ホログラム記録体を120℃で1時間、オーブンで加熱して、実施例1の体積型ホログラム記録体を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物において、シアニン色素(A−1)を用いる代わりに、下記化学式(6)で表わされるシアニン色素(A−2)を用いた以外は、実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性組成物2を作製した。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物1の代わりに、(1)で得られた体積型ホログラム記録用感光性組成物2を用い、600nmのレーザー光の代わりに、532nmのレーザー光を用いてホログラム記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性基板2の製造を行った。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性基板1の代わりに、(2)で得られた体積型ホログラム記録用感光性基板2を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例1と同様にして、体積型ホログラム記録体2を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物において、シアニン色素(A−1)を用いる代わりに、下記化学式(7)で表わされるシアニン色素(A−3)を用いた以外は、実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性組成物3を作製した。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物1の代わりに、(1)で得られた体積型ホログラム記録用感光性組成物3を用い、600nmのレーザー光の代わりに、460nmのレーザー光を用いてホログラム記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性基板3の製造を行った。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性基板1の代わりに、(2)で得られた体積型ホログラム記録用感光性基板3を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例1と同様にして、体積型ホログラム記録体3を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物において、塩基発生剤Aを用いる代わりに、下記化学式(8)で表わされる塩基発生剤B((E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル)ピペリジン、和光純薬製)を用いた以外は、実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性組成物4を作製した。なお、下記熱塩基発生剤Bは可視光に対して不活性であり、熱により塩基を発生する。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物1の代わりに、(1)で得られた体積型ホログラム記録用感光性組成物4を用いた以外は、実施例1と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性基板4の製造を行った。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性基板1の代わりに、(2)で得られた体積型ホログラム記録用感光性基板4を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例1と同様にして、体積型ホログラム記録体4を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例2の体積型ホログラム記録用感光性組成物において、塩基発生剤Aの代わりに前記塩基発生剤Bを用いた以外は、実施例2の体積型ホログラム記録用感光性組成物と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性組成物5を作製した。
実施例2の体積型ホログラム記録用感光性組成物2の代わりに、(1)で得られた体積型ホログラム記録用感光性組成物5を用いた以外は、実施例2と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性基板5の製造を行った。
実施例2の体積型ホログラム記録用感光性基板2の代わりに、(2)で得られた体積型ホログラム記録用感光性基板5を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例2と同様にして、体積型ホログラム記録体5を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例3の体積型ホログラム記録用感光性組成物において、塩基発生剤Aの代わりに前記塩基発生剤Bを用いた以外は、実施例3の体積型ホログラム記録用感光性組成物と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性組成物6を作製した。
実施例3の体積型ホログラム記録用感光性組成物3の代わりに、(1)で得られた体積型ホログラム記録用感光性組成物6を用いた以外は、実施例3と同様にして、体積型ホログラム記録用感光性基板6の製造を行った。
実施例3の体積型ホログラム記録用感光性基板3の代わりに、(2)で得られた体積型ホログラム記録用感光性基板6を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例3と同様にして、体積型ホログラム記録体6を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例1の(1)において、熱塩基発生剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、比較体積型ホログラム記録用感光性組成物1を得た。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性組成物1の代わりに、(1)で得られた比較体積型ホログラム記録用感光性組成物1を用いて、ホログラム記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較体積型ホログラム記録用感光性基板1の製造を行った。
実施例1の体積型ホログラム記録用感光性基板1の代わりに、(2)で得られた比較体積型ホログラム記録用感光性基板1を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例1と同様にして、比較体積型ホログラム記録体1を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例2の(1)において、熱塩基発生剤を用いなかった以外は、実施例2と同様にして、比較体積型ホログラム記録用感光性組成物2を得た。
実施例2の体積型ホログラム記録用感光性組成物2の代わりに、(1)で得られた比較体積型ホログラム記録用感光性組成物2を用いて、ホログラム記録層を形成した以外は、実施例2と同様にして、比較体積型ホログラム記録用感光性基板2の製造を行った。
実施例2の体積型ホログラム記録用感光性基板2の代わりに、(2)で得られた比較体積型ホログラム記録用感光性基板2を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例2と同様にして、比較体積型ホログラム記録体2を得た。
(1)体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造
実施例3の(1)において、熱塩基発生剤を用いなかった以外は、実施例3と同様にして、比較体積型ホログラム記録用感光性組成物3を得た。
実施例3の体積型ホログラム記録用感光性組成物3の代わりに、(1)で得られた比較体積型ホログラム記録用感光性組成物3を用いて、ホログラム記録層を形成した以外は、実施例3と同様にして、比較体積型ホログラム記録用感光性基板3の製造を行った。
実施例3の体積型ホログラム記録用感光性基板3の代わりに、(2)で得られた比較体積型ホログラム記録用感光性基板3を用いて、体積型ホログラムを記録した以外は、実施例1と同様にして、比較体積型ホログラム記録体3を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた体積型ホログラム記録体の両面に、それぞれ接着剤(アロニックスLCR0628A(東亞合成製))を用いてガラスを接着し、またその周囲もUV硬化剤(アロニックスLCR0628A(東亞合成製))で封止し、素子を作製した。得られた素子について、分光光度計(島津製作所製UVPC−3100)を用いて、透過率測定を行い、分光透過率曲線を得た。得られた分光透過率曲線から、用いたシアニン系色素のピーク波長における透過率を求め、透過率の評価に用いた。また、得られた分光透過率曲線から下記の方法により屈折率変調量(Δn)を算出した。結果を表1〜3に示す。
上記により得られた分光透過率曲線において、ピーク透過率Tp及びベース透過率Tbを求め、下記式(1)により、回折効率ηを得た。
回折効率η = (Tb−Tp)/Tb (%) 式(1)
次いで、式(1)で得られた回折効率ηの値を用いて、Kogelnik理論式(下記式(2))によりΔnを算出した。
η = tanh2(π(Δn)d/λcosθ0) 式(2)
(式(2)中、dはホログラム記録層の膜厚(μm)、λは記録レーザー波長(nm)、θ0は記録レーザー光のホログラム記録層への入射角度である。)
実施例2及び5、並びに比較例2で得られた体積型ホログラム記録体の素子に、高出力(2W/mm2)のレーザーを照射しながらサーモグラフィー(NEC AVIO 赤外線テクノロジー社製、サーモギアG100)で素子の温度を観察した。もっとも高温となった部分の温度を表4に示す。
実施例1及び4と比較例1を比較すると、屈折率変調量(Δn)はほぼ同等であった。これは、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤の有無が、ホログラム記録時の感度に影響しないことを示している。一方、波長620nmの光の透過率は実施例1及び4のほうが高かった。これは、ホログラム記録層を加熱したことにより発生した塩基によりシアニン色素が消色したものと推測される。実施例2及び5と比較例2との比較や、実施例3及び6と比較例3との比較においてもシアニン色素と、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤との組み合わせにより、Δnを低下させることなく、ホログラム記録体中のシアニン色素残留量を低下させることが可能であることが明らかとなった。
シアニン色素の残留量が少ない実施例2及び5のホログラム記録体は、比較例2と比較して、レーザー照射時においても温度上昇が抑制されることが明らかにされた。実施例2及び5のホログラム記録体は、光を吸収しにくく、耐光性に優れていることが明らかとなった。
2 ホログラム記録層
3 ホログラムが記録されたホログラム層
10 体積型ホログラム記録用感光性基板
20 体積型ホログラム記録体
Claims (5)
- ホログラム記録波長に吸収を持ち、励起して光重合開始剤にエネルギーを渡し得る増感色素であるシアニン系色素と、光重合開始剤と、少なくともラジカル重合性化合物を含む光重合性化合物と、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤とを含有する、体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記シアニン系色素の含有割合が、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して0.005〜2重量部であり、前記塩基発生剤の含有割合が、体積型ホログラム記録用感光性組成物中の固形分100重量部に対して0.005〜5重量部である、請求項1に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物と、少なくともラジカル重合性化合物を含む光重合性化合物の重合物とを含み、ホログラムが記録されたホログラム層を、基材上に備えた、体積型ホログラム記録体。
- ホログラム記録波長に吸収を持ち、励起して光重合開始剤にエネルギーを渡し得る増感色素であるシアニン系色素と、光重合開始剤と、少なくともラジカル重合性化合物を含む光重合性化合物と、ホログラム記録波長光照射に不活性であり熱により塩基を発生する塩基発生剤とを含有する、ホログラムを記録するためのホログラム記録層を基材上に備えた、体積型ホログラム記録用感光性基板を準備する工程と、
前記ホログラム記録層に、少なくとも、ホログラム記録波長光を照射することにより、体積型ホログラムを記録するホログラム記録工程と、
前記ホログラム記録工程後に、前記ホログラム記録層を加熱することにより、前記シアニン系色素の電子共役系の一部を切断する消色工程とを有する、
シアニン系色素の共役電子系の一部が切断され、塩基発生剤の分解物が結合している反応結果物と、少なくともラジカル重合性化合物を含む光重合性化合物の重合物とを含み、ホログラムが記録されたホログラム層を、基材上に備えた、体積型ホログラム記録体の製造方法。 - 前記体積型ホログラム記録用感光性基板において、前記シアニン系色素の含有割合が、前記ホログラム記録層の固形分100重量部に対して0.005〜2重量部であり、前記塩基発生剤の含有割合が、前記ホログラム記録層の固形分100重量部に対して0.005〜5重量部である、請求項4に記載の体積型ホログラム記録体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013019429A JP6064631B2 (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013019429A JP6064631B2 (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014149495A JP2014149495A (ja) | 2014-08-21 |
JP6064631B2 true JP6064631B2 (ja) | 2017-01-25 |
Family
ID=51572496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013019429A Active JP6064631B2 (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6064631B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4365494B2 (ja) * | 1999-10-27 | 2009-11-18 | 日本ペイント株式会社 | 体積ホログラム記録用感光組成物およびこれから得られるホログラム |
JP2005017354A (ja) * | 2003-06-23 | 2005-01-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | ホログラム記録材料用組成物、ホログラム記録材料及びホログラム記録方法。 |
JP4411153B2 (ja) * | 2003-07-18 | 2010-02-10 | 富士フイルム株式会社 | 2光子吸収色素消色材料、3次元的屈折率変調材料、3次元吸収率変調材料及び3次元光記録材料 |
JP2005099416A (ja) * | 2003-09-25 | 2005-04-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | ホログラム記録方法及びホログラム記録材料 |
JP2006227403A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Fuji Photo Film Co Ltd | ホログラム記録材料、ホログラム記録方法、ホログラム記録再生方法、光記録媒体、光記録媒体への記録再生方法、3次元ディスプレイホログラム、3次元ディスプレイホログラムの製造方法、ホログラフィック光学素子及びホログラフィック光学素子の製造方法 |
JP2006235386A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Fuji Photo Film Co Ltd | ホログラム記録材料およびこれを用いた光記録媒体 |
-
2013
- 2013-02-04 JP JP2013019429A patent/JP6064631B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014149495A (ja) | 2014-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6064607B2 (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 | |
JP2873126B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物 | |
JP4155771B2 (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物及びそれを用いた体積型ホログラム記録用感光性媒体 | |
Guo et al. | A review of the optimisation of photopolymer materials for holographic data storage | |
JP5942736B2 (ja) | ホログラム記録材料およびホログラム記録媒体 | |
JP3075090B2 (ja) | ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法 | |
JP5803401B2 (ja) | ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 | |
JP2009048066A (ja) | ホログラフィック記録媒体およびホログラフィック記録装置 | |
JP4365494B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光組成物およびこれから得られるホログラム | |
JP2005309359A (ja) | ホログラム記録材料、ホログラム記録方法、光記録媒体、3次元ディスプレイホログラムおよびホログラフィック光学素子。 | |
JPH08305262A (ja) | 透明ホログラム用感光性記録材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法 | |
Blaya et al. | Pyrromethene-HEMA-based photopolymerizable holographic recording material | |
JPH08101501A (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 | |
JP6064631B2 (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 | |
JP3532621B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 | |
JP4177867B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 | |
JP3180566B2 (ja) | ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法 | |
JP2005275389A (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物およびそれを用いる体積ホログラム記録媒体の製造方法 | |
JP2014010278A (ja) | ホログラム記録用感光性基板、及びホログラム記録体 | |
WO2020050321A1 (ja) | トリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む体積ホログラム記録材料用組成物 | |
JP2010134259A (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物 | |
JP4615754B2 (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体 | |
JP2000310932A (ja) | ホログラム記録材料およびホログラム記録媒体 | |
JP3877189B2 (ja) | 乾式ホログラム及び乾式ホログラム形成方法 | |
JPH06175565A (ja) | ホログラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160826 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160830 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6064631 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |