JP6064492B2 - 有機感光体および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軽印刷分野などに用いられる、極めて高画質なハーフトーン画像を形成することができる有機感光体および当該有機感光体を備えた画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真法による画像形成装置について、その性能の向上に伴って比較的高画質の画像が得られるようになったことから、比較的少部数のプリントを得る軽印刷分野などにおいて電子写真法による画像形成装置が広く用いられるようになってきた。
その結果として、電子写真法による画像形成装置においては、さらに高いレベルの画質が要求されている。また、従来の電子写真法による画像形成装置においては稀な用途、例えばコート紙へのプリント、高カバレッジ画像のプリント、極めて高精細な画像や微妙なトーン(色調)を有する画像のプリントや、同一画像の大量連続プリントなどに電子写真法による画像形成装置が利用されている。これらに伴い、従来は殆どあるいは全く指摘されなかった不具合が生じている。
その不具合の一つとして、高画質の画像形成装置によって中間色の均一性を向上させたハーフトーン画像をコート紙などに出力するといった組み合わせにおいて近年頻発している、画像における斜めスジ状濃度ムラの発生がある。
この斜めスジ状濃度ムラは、いわゆるスクリーン干渉スジと呼ばれるものであって、電子写真法による画像形成装置において用いられる有機感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)の円筒状基体の表面には、その外径などの寸法精度を所望のレベルにする、表面の酸化膜を除きフレッシュにするなどの目的で、その外周面に中心軸方向に沿って周期的に切削凹凸が形成されているところ、当該感光体の円筒状基体の表面に形成された切削凹凸の周期と、スクリーン処理に用いるスクリーンパターン(露光パターン)の周期(ピッチ)との間の干渉に起因して生じるものと推測される。
スクリーン干渉スジの発生を抑制する技術として、従来、感光体を構成する円筒状基体の表面の切削凹凸の形状に工夫をする技術がある(例えば、特許文献1〜3)。すなわち、円筒状基体の表面の切削形状はバイト切削加工によって形成されることが多いが、露光パターンの周期の整数倍ではない周期など、比較的害の少ない周期の切削凹凸を、定速切削によって形成したり、さらに陽極酸化処理やブラスト処理といったコストがかかり弊害が生じやすい追加工を実施して切削凹凸形状の消去を図ることが行われてきた。
このような切削凹凸を形成した円筒状基体の感光体を用いた画像形成装置においては、オフィスなどにおいて普通紙に出力される一般のハーフトーン画像については、十分な画像品質レベルを有するものとして満足されていた。
しかしながら、上述のような軽印刷分野などにおいて用いられる高画質の画像形成装置によって中間色の均一性を向上させたハーフトーン画像をコート紙などに出力したものについては、濃度ムラの視認性が格段に向上されてしまうため、上記の技術ではスクリーン干渉スジの発生の抑制の効果が充分ではない。
高画質のハーフトーン画像をコート紙などに出力してもスクリーン干渉スジの発生が抑制される技術として、本発明者らは、特許文献4に開示されるように、円筒状基体の中心軸方向の切削凹凸の周期幅の最大値と最小値との差ΔLを10μm以上に規定する技術を提案した。なお、特許文献1〜3に開示された円筒状基体の中心軸方向の切削凹凸の周期幅の最大値と最小値との差ΔLは、具体的には、最大でも4μm程度である。
一方、上述の高いレベルの画質を実現するための別のアプローチとして、高感度の電荷発生物質ではあるが環境変動、特に湿度変動によって感度特性が変化することが懸念されるY型チタニルフタロシアニンの代わりに、感度の湿度依存性が小さい電荷発生物質を用いる試みがなされている。
このようなY型チタニルフタロシアニンと同程度の高感度を有しながら感度の湿度依存性が小さい電荷発生物質として、例えば特許文献5には、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンが開示されている。また、その中で特に優れた性質を有するものとして、特許文献6、7には、立体規則性を有する2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンが開示されており、さらにその中でも、高感度を示すものとして2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンと未付加のチタニルフタロシアニンとの混晶が報告されている(特許文献8参照)。
しかしながら、上記のチタニルフタロシアニン化合物を用いた場合には、いずれも感度の湿度依存性は小さく抑制することができるものの、従来用いてきた電荷発生物質に比べて感度の電荷発生層の膜厚依存性が大きく、電荷発生層の膜厚の偏差が大きい場合、例えば円筒状基体の表面の凹凸が粗いものであると、それがいわゆる切削スジとして画像に現われてしまい、逆に粗さが抑えられすぎたものであると木目調の干渉縞が画像に現われてしまう、という問題がある。これらの切削スジや木目調の干渉縞は、ハーフトーン画像において顕著に現われる。
特開2003−91085号公報 特許第3894023号公報 特開2001−289630号公報 特許第4935944号公報 特開平5−273775号公報 特開平7−173405号公報 特開平8−82942号公報 特開平9−230615号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、感度の湿度依存性が小さく抑制されて帯状の画像欠陥の発生が抑制されながら、切削スジ、スクリーン干渉スジおよび木目調の干渉縞の発生が抑制された高画質のハーフトーン画像を得ることができる有機感光体および当該有機感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明の有機感光体は、円筒状基体上に感光層が積層された電子写真法による画像形成用の有機感光体であって、
前記円筒状基体が、その外周面に中心軸方向に沿って周期的に切削凹凸が形成されたものであって、下記式(1)の条件を満たすと共に短波長カットオフ値を80μmとして測定したときの表面粗さRa(S80)が0.02μm以上0.07μm以下である切削加工形状を有し、
前記感光層が2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する電荷発生物質を有するものであることを特徴とする。
式(1):ΔL≧10μm
〔式(1)中、ΔLは、円筒状基体の外周面の画像形成領域内における、中心軸方向の切削凹凸の周期幅の最大値と最小値との差である。〕

本発明の有機感光体においては、前記円筒状基体と前記感光層との間に中間層が積層されており、
前記中間層に、第一の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第一の酸化チタン粒子、および、当該第一の反応性有機ケイ素化合物と異なる第二の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第二の酸化チタン粒子が含有されることが好ましい。
本発明の有機感光体においては、前記感光層上に保護層が積層されており、
当該保護層が、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂中に、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなるものであることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、有機感光体に静電潜像を形成する手段、当該静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する手段、形成されたトナー像を画像支持体に転写する手段、転写されたトナー像を画像支持体上に定着する手段を有し、
前記有機感光体が、上記の有機感光体であることを特徴とする。
本発明の有機感光体によれば、円筒状基体が切削凹凸の周期性の低減されたものであることによって露光パターンの周期と有機感光体の円筒状基体の表面に形成された切削凹凸の周期との間の干渉が低減されて得られた高画質のハーフトーン画像におけるスクリーン干渉スジの発生が抑制されると共に、円筒状基体が特定の切削加工形状を有することにより、切削スジおよび木目調の干渉縞の発生が抑制され、しかも、感度の湿度依存性が小さく抑制されて帯状の画像欠陥の発生が抑制された高画質のハーフトーン画像を得ることができる。
本発明の有機感光体の構成の一例を示す部分断面図である。 図1の有機感光体の断面における部分拡大図である。 本発明に係るΔLの測定方法を説明する図である。 本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔感光体〕
本発明の感光体は、円筒状基体上に感光層が積層された電子写真法による画像形成用の有機感光体であって、円筒状基体が、その外周面に中心軸方向に沿って周期的に切削凹凸が形成されたものであって、上記式(1)の条件を満たすと共に表面粗さRa(S80)が0.02μm以上0.07μm以下である切削加工形状(以下、「特定の切削加工形状」ともいう。)を有し、感光層が2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する電荷発生物質を有するものである。
本発明の感光体は、例えば図1に示されるように、特定の切削加工形状を有する円筒状基体1a上に、中間層1b、電荷発生層1c、電荷輸送層1dおよび保護層1eがこの順に積層されて感光体1が形成されてなり、電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dから有機感光体の構成に必要不可欠な有機感光層1αが構成されている。
(円筒状基体)
本発明の感光体を構成する円筒状基体は、導電性を有し、その表面に特定の切削加工形状が形成された円筒状のものである。
円筒状基体は、回転することによりエンドレスに画像を形成することができるものであり、真直度0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にあるものを用いることが好ましい。この真直度および振れの範囲を超えるものを用いた場合には、良好な画像形成を行うことが困難になる。
円筒状基体としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラム状に成形したもの、アルミニウム、酸化錫、酸化インジウムなどをプラスチックドラムに蒸着したものなどが挙げられる。
円筒状基体は、常温における比抵抗が103 Ω・cm以下であることが好ましい。
<ΔL>
特定の切削加工形状に係る上記式(1)の条件において、ΔLは、切削凹凸の周期の変動の幅を示し、具体的には、円筒状基体の外周面の画像形成領域内における、軸方向の切削凹凸の周期幅(図2においてWで示す。)の最大値と最小値との差であり、10μm以上とされる。
スクリーン干渉スジは、円筒状基体の切削凹凸自体に起因するものではなく、当該切削凹凸を反映して感光体1の感度が周期を有することに起因して生じる。
すなわち、図2に示すように、当該円筒状基体1aの表面の切削凹凸の形状が中間層1bを介して電荷発生層(CGL)1cの膜厚に反映され、具体的には円筒状基体1aの切削凹凸の深さの大小に対応して膜厚が厚い部分βや膜厚の薄い部分αなどが生じ、その結果、感光体1が、電荷発生層1cの膜厚が規則的な周期に従って変動するものとなる。
そして、感光体1の感度は、電荷発生層1cの膜厚に従って変動するので、当該感光体1の感度の周期と、レーザー光やLED光源などによる露光が行われるときの当該露光に係るスクリーンパターンの周期とが干渉して静電潜像に周期性を有する電位ムラが生じ、当該静電潜像が現像、転写および定着されて得られた画像において、当該画像が高画質なものとされる場合に、周期的な濃度ムラ、すなわちスクリーン干渉スジとして可視化される。
本発明においては、ΔLが10μm以上であることによって、円筒状基体の表面に切削により生じる切削凹凸の周期幅をある程度以上変動させられ、これによって、スクリーン干渉スジの発生が確実に抑制される。
ΔLが10μm未満である場合は、円筒状基体が切削凹凸の周期性の十分に低減されたものとならず、露光パターンの周期と感光体の円筒状基体の表面に形成された切削凹凸の周期との間に干渉が生じて高画質なハーフトーン画像を形成した場合に当該画像にスクリーン干渉スジが発生することがある。
ΔLの上限値は、現時点では切削加工形状を形成するための加工機の性能によって限定されているが、発明の効果による限界は存在しないと思われる。ただし、加工機の特性によっては、加工機の速度プログラムをΔLを大きくするための設定にすることにより、速度変動が急激に起こって加工面に段差が発生し、これに起因して画像にスジが生じることがある。そのため、ΔLは、好ましくは300μm≧ΔL≧10μmであり、より好ましくは150μm≧ΔL≧10μmである。
<表面粗さRa(S80)>
特定の切削加工形状に係る表面粗さRa(S80)は、0.02μm以上0.07μm以下である。
円筒状基体の表面粗さRa(S80)が上記の範囲にあることによって、電荷発生物質として2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを用いていても、切削スジおよび木目調の干渉縞の発生が抑制された高画質のハーフトーン画像を得ることができる。円筒状基体の表面粗さRa(S80)が過大である場合は、ハーフトーン画像に切削スジが発生してしまう。一方、円筒状基体の表面粗さRa(S80)が過小である場合は、当該円筒状基体の表面が滑らか過ぎてハーフトーン画像に木目調の干渉縞が生じてしまう。
本発明において、表面粗さRa(S80)は、ISO4287に準じてRa値を測定するときに、短波長カットオフ値λsを80μmとして測定した算術平均粗さである。
(円筒状基体の作製方法)
円筒状基体は、例えば円筒管よりなる素管の表面にバイト切削加工によって特定の切削加工形状を形成させることにより、作製することができる。
具体的には、素管の表面をバイト切削加工によって整形するときに、素管を円筒軸を中心として回転させると共に切削バイトを非定速的に移動させながら当接させることにより、特定のΔLを有するよう調整することができ、また、当該バイト切削加工の際のダイヤモンド焼結バイトなどの切削バイトの素管に対する当接角度や用いる切削バイトの種類や切削バイトの刃先の研磨条件などを変更することにより、特定の表面粗さRa(S80)を有するよう調整することができる。
このように、特定の切削加工形状におけるΔLの値と表面粗さRa(S80)の値とは、当該特定の切削加工形状を形成させるためのバイト切削加工において、別個に制御することができる。
円筒状基体のバイト切削加工は、円筒状基体の外径などの寸法精度を所望のレベルにする、円筒状基体の表面の酸化膜を除きフレッシュにする、円筒状基体の表面を所望の形状にするなどの目的で行われる。
なお、従来のバイト切削加工で仕上げられた円筒状基体は、その中心軸方向に沿って極めて規則的に切削凹凸が形成された形状を有するものとなり、円筒状基体上に形成された感光層の膜厚分布は、当該形状を反映した周期性を有し、その反映は間に中間層を介するなど、層を重ねても容易には消失しない。
以下、本発明に係る特定の切削加工形状における所期のΔLを得るためのバイト切削加工について、さらに説明する。
図1に示されるように、円筒状基体上に中間層(UCL)が設けられ、当該中間層上に電荷発生層が形成される場合には、当該電荷発生層の下地となる形状は中間層の表面形状になるが、当該中間層の表面形状は、円筒状基体の表面の形状と中間層の組成によって主に決定される。
切削凹凸の周期の不規則性の指標であるΔLを10μm以上とするためには、素管の表面をバイト切削加工によって整形するときに、素管の表面に対する切削バイトの移動速度を加工途中で頻繁に変える指示を加えればよい。
例えば、切削バイトの移動速度Xn (mm/回転)とその指示位置Yn (mm)とを指示するCNC旋盤を用いる場合には、(X1 、Y1 )、(X2 、Y2 )、…(Xn 、Yn )のようにnブロックのプログラムを行うことになる。例えば第mブロックにおいて、(Ym+1 −Ym )/Xm が特定数とならない場合に、そのブロック終点で切り替えを可能とするために切削バイトの移動速度の減速が生じ、次の第m+1ブロックでは指示速度Xm+1 までの増速が行われる。この場合、例えばXm とXm+1 が同じ速度の指示であっても、(Ym+1 −Ym )/Xm が特定数とならない場合には、減速、増速が起こるため、これを用いて切削バイトの移動速度を変化させることが可能である。また、同じプログラムでも主軸回転数(素管の回転数)を変えるとΔLは変わることがある。この原因は、切削バイトの移動を観測した結果に基づいて行われるプログラムの速度切り換え判断がデジタル回路によって間欠的に行われ、その間隔が加工速度に対して充分短くはないためと考えられる。特定数が必ずしも自然数ではないのも同様の理由によると考えられる。
言い換えると、特定数は旋盤の設計および設定と主軸回転数に依存する。
また、CNC旋盤ではなくアナログ旋盤を用いる場合には、切削バイトの移動速度を制御しているモーター電圧を、例えば複数の抵抗をスイッチングする回路を通して出力させることにより切削バイトの移動速度を変化させることが可能である。また例えば、指定した波形の電圧を出力することができる電源を用いて切削バイトの移動を行わせることによってもその移動速度を変化させることが可能である。
切削凹凸の周期性をより低減させるために、切削バイトの移動速度を変える指示間隔は一定にしないことが望ましい。これは例えば、上記のCNC旋盤を用いる場合はYn −Yn-1 を一定にしないことで、また上記のアナログ旋盤を用いる場合はスイッチングするタイマーを複数用いること、或いは出力波形を異なる波形の重畳などで複雑化することが可能な電源を用いることなどで達成することができる。
また、ΔLを10μm以上とすることは、バイト切削加工時の素管の回転数(主軸回転数)を適宜変動させることにより実現することも可能である。これは例えば、上記のアナログ旋盤の場合と同様な手段で達成することができる。
ΔLは切削バイトの移動速度の指示値差よりも大きくなる傾向があるが、それは上記CNC旋盤の場合は上記の減速が入るためであり、上記アナログ旋盤の場合は電圧を変化させる時のオーバーシュートのためと考えられる。
また、素管の回転数(主軸回転数)が大きいほどΔLが大きくなる傾向があるが、それは回転体の振れやワウの影響であると考えられる。
以上のように、素管の表面をバイト切削加工によって整形するときに素管の表面に対して切削バイトを変速的に移動させながら当接させることにより、ΔLを10μm以上にすることができる。
(ΔLの測定方法)
本発明における円筒状基体の外周面の画像形成領域内における、切削凹凸の周期幅の最大値と最小値との差ΔLは、例えば図3に例示するように、当該外周面の画像形成領域の断面曲線から読み取られたものである。具体的には、図3(a)の断面曲線から、繰り返し形状および周期に目ぼしをつけ、図3(b)の断面曲線に示すように適切な倍率に上げてその周期幅を読み取ったものである。なお、図3(b)の断面曲線は、横倍率を図3(a)の断面曲線の4倍にしたものである。
切削凹凸の周期幅の最大値および最小値を読み取るために測定される切削凹凸の周期数は、5周期以上であればよい。
断面曲線の測定箇所は、円筒状基体の外周面の画像形成領域内の任意の箇所でよく、1箇所であっても複数箇所であってもよい。測定箇所が1箇所である場合は、当該測定箇所から連続した、あるいは断続した5周期以上の切削凹凸の周期幅から最大値および最小値を読み取ればよく、測定箇所が複数箇所である場合は、当該複数の測定箇所から任意に5周期以上の切削凹凸の周期幅を選択し、これらから最大値および最小値を読み取ればよい。
断面曲線の測定箇所としては、例えば円筒状基体の中心軸方向の中央付近が選定されることが好ましい。
断面曲線の測定長さは、切削凹凸の周期幅を読み取ることができれば任意の長さでよいが、測定箇所が1箇所である場合は、切削凹凸の周期幅が少なくとも5周期以上読み取れる長さであることが好ましく、10周期以上読み取れる長さであることが特に好ましい。
断面曲線の測定長さは、具体的には例えば4mmとされる。
円筒状基体の外周面の画像形成領域の断面曲線は、触針式の表面粗さ測定器「サーフコム1400D」((株)東京精密製)を用いて下記の測定条件において得られたものである。
−測定条件−
・測定モード:粗さ測定(JIS’01規格)
・測定長:4.0mm
・長波長カットオフλc:0.8mm(ガウシアン)
・測定速度:0.3mm/sec
(中間層)
中間層は、円筒状基体と有機感光層との間にバリアー機能と接着機能とを付与するものである。種々の故障防止などの観点から、このような中間層を設けることが好ましい。
中間層としては、特に、第一の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第一の酸化チタン粒子、および、当該第一の反応性有機ケイ素化合物と異なる第二の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第二の酸化チタン粒子、並びに、バインダー樹脂を含むものを設けることが好ましい。
このような互いに異なる反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子が含有された中間層が設けられた感光体によれば、中間層において、円筒状基体から感光層への正孔の注入や感光層から円筒状基体への不整電子の注入が抑制されながら、電子輸送性を確保することができ、その結果、形成される画像における黒ポチおよびカブリなどの画像欠陥の発生が抑制されると共に、感光体の電気的安定性を長期間にわたって維持することができて、高画質の画像においてもページ内またはページ間における濃度ムラを抑制することができる。
このような感光体が画像欠陥の発生の抑制および電気的安定性を両立して得られる理由としては、詳細は不明であるが、以下のように推測される。
すなわち、中間層に互いに異なる反応性有機ケイ素化合物によってそれぞれ表面処理された、第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子を含有させることにより、バインダー樹脂中における第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子の配向性、すなわち相互の位置関係を制御できるものと推測される。具体的には、後述する中間層の形成工程において、第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子を混合して中間層となるべき塗布膜を形成すると、当該塗布膜においては第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子は均一に分散していると考えられるが、塗布膜の乾燥中にこれらが互いに移動し、得られた中間層においてはそれぞれが偏在するようになると推測される。互いに異なる反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子は、中間層中において互いに異なる機能を担う部分があると推測され、これらが偏在していることにより、電荷発生層からの正孔(キャリア)の注入を効果的に抑制することができて黒ポチやカブリなどの画像欠陥の発生を抑制し、かつ、中間層全体の電子輸送性が維持されてページ内またはページ間における濃度ムラを抑制することができるものと推測される。
(酸化チタン粒子)
第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子は、それぞれ、少なくとも互いに置換基が異なる、第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理されたものであればよい。第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物としては、特に制限はないが、下記一般式(1)で表されるシラン化合物、または、シラザン化合物、もしくはポリシロキサン化合物を用いることが好ましい。
一般式(1):R−Si−(X)3
〔上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、または、炭素数6〜13の置換もしくは非置換のアリール基を表し、Xは、炭素数1〜4のアルコキシ基、または、ハロゲン原子を表す。〕
Rが置換基を有する場合の当該置換基としては、ビニル基、メタクリロキシ基およびアクリロキシ基が挙げられる。
第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物は、より具体的には、例えば、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、メトキシメチルジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、ジメトキシエチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシランn−ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、などのアルコキシシラン;ヘキサメチルジシラザン、およびメチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられる。これらは、第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物として、それぞれ一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物のうち、メチルハイドロジェンポリシロキサンは、メチルハイドロジェンシロキサン単位(−(HSi(CH3 )O)−の構造単位)を含むポリシロキサンであり、これ以外の他のシロキサン単位との共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位およびジエチルシロキサン単位等が挙げられ、2種以上が含まれていてもよい。メチルハイドロジェンシロキサン単位を含むメチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、表面処理効果が高く、その結果、黒ポチなどの画像欠陥の発生の抑制に高い効果が得られることから、分子量が1,000〜20,000のものを用いることが好ましい。
第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物としては、特に、n−ヘキシルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いることが好ましい。また、第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物の組み合わせとしては、シラン化合物同士の組み合わせ、シラン化合物およびシロキサン化合物の組み合わせがより好ましい。具体的には、n−ヘキシルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとの組み合わせ、n−ヘキシルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびp−スチリルトリメトキシシランの一種とメチルハイドロジェンポリシロキサンとの組み合わせが好ましい。
第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子は、さらに他の表面処理が施されたものであってもよい。他の表面処理としては、無機酸化物の表面処理剤による無機処理、および反応性有機ケイ素化合物以外の有機化合物の表面処理剤による有機処理がある。
表面処理剤となる無機酸化物としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニアおよびこれらの水和物などが挙げられる。これらは、単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうち、特にアルミナ、シリカの単独使用およびアルミナとシリカとの併用が好ましい。
他の有機化合物による表面処理としては、有機チタン化合物による表面処理が挙げられる。有機チタン化合物としては、アルコキシチタン(すなわち、チタンアルコキシド)、チタンポリマー、チタンアシレート、チタンキレート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネートおよびビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどを使用することができる。
本発明においては、特に、第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子の一方として、無機処理をした酸化チタン粒子に、さらに第一の反応性有機ケイ素化合物または第二の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理したものを用いることが好ましい。酸化チタン粒子を表面処理することにより、酸化チタン粒子の表面にある活性水酸基が被覆され不要な活性を抑えることができるが、表面の活性水酸基は、特に無機処理に加えて有機処理することにより、より確実に被覆することができ、これを大きく減らすことができるためである。とりわけ、シリカおよび/またはアルミナ処理した後にポリシロキサン化合物による表面処理を施す組み合わせが好ましく、このような表面処理を施した酸化チタン粒子と、上記のシラン化合物による表面処理のみを施した酸化チタン粒子とを組み合わせて用いることがより好ましい。
中間層に含まれる酸化チタン粒子が表面処理されているかどうかは、製造工程の確認、または中間層に含まれる酸化チタン粒子の表面の無機分析を、透過型、エネルギー分散型X線分析法(TEM−EDX)や、波長分散型蛍光X線分析(WDX)によって行うことにより、確認することができる。
第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子の配合比には特に制限はないが、好ましくは第一の酸化チタン粒子:第二の酸化チタン粒子(体積比)が20:80〜80:20であり、より好ましくは30:70〜70:30である。第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子の配合比が上記の範囲であれば、画像欠陥の発生の抑制および電気的安定性を維持する効果をより確実に得ることができる。
第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子は、いずれも、数平均一次粒子径が5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは10〜50nmである。酸化チタン粒子の数平均一次粒子径が上記の範囲内であると、好適な電子輸送性が得られ、また、分散性が損なわれることがないため、黒ポチやカブリなどの画像欠陥の発生を十分に抑制でき、かつ、濃度ムラの発生を十分に抑制できる。第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子を構成する酸化チタン粒子としては、同一のものを使用してもよく、形状や粒子径や結晶系等が異なるものを使用しても差支えない。
酸化チタン粒子の数平均一次粒子径は、以下のように測定されるものである。すなわち、酸化チタン粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)画像を倍率100,000倍で観察し、100個の粒子を一次粒子としてランダムに選択する。これらの一次粒子のフェレ方向平均径を画像解析により測定し、それらの平均値を「数平均一次粒子径」として求めるものとする。
第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物による酸化チタン粒子の表面処理は、公知の方法により行うことができ、特に限定されず、湿式または乾式の表面処理を採用することができる。乾式の表面処理は、酸化チタン粒子を撹拌などによりクラウド状に分散させたものに、アルコールなどで溶解した反応性有機ケイ素化合物溶液を噴霧する、或いは気化した反応性有機ケイ素化合物溶液を接触させて付着させることにより、行うことができる。また、湿式の表面処理は、例えば、反応性有機ケイ素化合物を有機溶媒に溶解または分散させた溶液に、酸化チタン粒子を添加して混合・撹拌する、または、酸化チタン粒子を溶液中に分散させ、その中に反応性有機ケイ素化合物を滴下して付着させ、ビーズミルなどによって湿式解砕処理を行うことによって行うことができる。その後、得られた分散液から溶媒を減圧留去などによって除去し、得られた酸化チタン粒子をアニール処理(焼き付け)する。これらのうち、表面処理の均一性が優れていることから、湿式の表面処理を行うことが好ましい。
反応性有機ケイ素化合物溶液を調製するための溶媒としては、有機溶媒を用いることが好ましく、有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
上記の混合・撹拌は、酸化チタン粒子が十分に分散されるまで適宜行えばよい。上記の解砕処理の際の温度は、15〜100℃程度であることが好ましく、20〜50℃がより好ましい。解砕処理時間は、0.5〜10時間であることが好ましく、1〜5時間がより好ましい。また、焼き付け温度は、例えば100〜220℃、好ましくは110〜150℃とすることができる。焼き付け時間は0.5〜10時間が好ましく、より好ましくは1〜5時間である。しかしながら、これらの条件は一例であり、処理装置によって変動する場合があるため、必ずしも上記の範囲で実施しなくともよい。
湿式の表面処理においては、第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物の使用量は、その種類によって異なるため一概に規定することはできず、適宜選択して表面処理することが好ましい。しかしながら、好ましくは、未処理の酸化チタン粒子100質量部に対して、反応性有機ケイ素化合物0.1〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部を使用することができる。溶媒の添加量は、未処理の酸化チタン粒子100質量部に対して100〜600質量部、より好ましくは200〜500質量部であることが好ましい。
反応性有機ケイ素化合物の使用量が上記の下限値以上であれば、未処理の酸化チタン粒子に対して十分な表面処理を行えるため、中間層の正孔ブロッキング性を維持することができ、電気的安定性を維持できると共に、黒ポチやカブリなどの画像欠陥の発生を十分に抑制することができる。一方、使用量が上記の上限値以下であれば、反応性有機ケイ素化合物同士が反応することにより、ケイ素化合物のみからなる粒子が生じたり、酸化チタン粒子の表面に均一な被膜が付着されず、リークが発生しやすくなることを防止できる。
また、第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子の一方は、反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理の前に、無機処理が施されていることが好ましい。無機処理をするには、以下のような方法を用いることができる。すなわち、酸化チタン粒子を水などの溶媒に分散させ、撹拌および懸濁させる。分散液の濃度は、粒子表面全体が表面処理できれば特に制限はないが、酸化チタン粒子の濃度を0.1〜20質量%とすることが好ましい。この懸濁液に、水酸化ナトリウム等を添加してpHを好ましくは8.0以上とする。次いで、シリカ処理の場合はケイ酸塩溶液等、アルミナ処理の場合はアルミン酸溶液等の前駆体溶液を分散液に添加し、好ましくは60〜100℃に昇温する。無機表面処理剤の添加量としては、酸化チタン粒子に対して無機酸化物が1〜20質量%が好ましい。その後、pHが酸性となるように酸を0.5〜5時間かけて滴下して中和し、得られた表面処理済み酸化チタン粒子を濾過し、洗浄し、乾燥して完成させることができる。しかしながら、上記の処理方法は一例であり、必ずしもこれらの条件を使用しなくてもよい。
無機酸化物による表面処理を施した酸化チタン粒子は、シリカ、アルミナ処理を施した酸化チタン粒子などの市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、「T−805」(日本アエロジル社製)、「STT−30A」、「STT−65S−S」(以上、チタン工業社製)、「TAF−500T」、「TAF−1500T」(以上、富士チタン工業社製)、「MT−100S」、「MT−100T」、「MT−100SA」、「MT−500SA」(以上、テイカ社製)、「IT−S」(石原産業社製)などが挙げられる。
以上の中間層には、上記の第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子以外の、その他の金属酸化物粒子が含まれていてもよい。他の金属酸化物粒子としては特に制限はなく、第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子とは異なる表面処理をした酸化チタン粒子がさらに含まれていてもよい。このような他の金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ(酸化ケイ素)、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどの金属酸化物粒子、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウムなどの微粒子を用いることができる。これら金属酸化物粒子は単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(バインダー樹脂)
中間層を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体およびゼラチンなどが挙げられる。中でも、後述する電荷発生層を形成するための電荷発生層形成用塗布液を中間層上に塗布する際に、当該中間層が溶解されることを抑制する観点などから、ポリアミド樹脂を用いることが好ましい。また、上記の表面処理された第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子はアルコール系溶媒に分散させることが好適であるため、メトキシメチロール化ポリアミド樹脂などのアルコール可溶性ポリアミド樹脂を用いることがより好ましい。
(中間層の形成)
以上のような中間層は、例えば、バインダー樹脂を溶媒中に溶解または分散させ、次いで、この分散液に上記の第一の反応性有機ケイ素化合物および第二の反応性有機ケイ素化合物によってそれぞれ表面処理した第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子を添加し、均一になるまで分散させて中間層形成用塗布液を調製し、この中間層形成用塗布液を円筒状基体の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液におけるバインダー樹脂の濃度は、中間層の膜厚や塗布方式に合わせて適宜選択することができる。好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して、溶媒が100〜3000質量部であり、より好ましくは溶媒が500〜2000質量部である。第一の酸化チタン粒子および第二の酸化チタン粒子の濃度は、バインダー樹脂100質量部に対して、合計で200〜600質量部が好ましく、より好ましくは200〜500質量部である。上述の効果をより確実に得るためには、中間層の成分を体積比によって制御することも好適である。すなわち、酸化チタン粒子の合計:バインダー樹脂(体積比)が5:10〜11:10であることが好ましい。
溶媒としては、酸化チタン粒子の分散性が良好であり、かつ、バインダー樹脂を溶解するものを用いることが好ましい。具体的には、例えばバインダー樹脂としてポリアミド樹脂を用いる場合には、ポリアミド樹脂について良好な溶解性と塗布性能を発現することができることから、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数2〜4のアルコール類を用いることが好ましい。また、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、溶媒に対して以下のような助溶剤を併用することができる。助溶媒としては、例えばメタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
酸化チタン粒子などの粒子の分散手段としては、超音波分散機、ビーズミル、ボールミル、サンドグラインダーおよびホモミキサーなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、中間層形成用塗布液は、塗布前に異物や凝集物を濾過することによって画像欠陥の発生を防ぐことができる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法などが挙げられる。
中間層形成用塗布液の塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥を行うことが好ましい。乾燥条件は、例えば100〜150℃で10〜60分間熱乾燥することができる。
中間層の膜厚は、0.5〜15μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましい。中間層の膜厚が0.5μm以上であることにより、円筒状基体の表面全体を確実に被覆することができ、円筒状基体からの正孔の注入を十分にブロックすることができて黒ポチやカブリなど画像欠陥の発生を十分に抑制することができる。一方、中間層の膜厚が15μm以下であることにより、電気的抵抗が小さく、十分な電子輸送性が得られることにより、電気的安定性を維持できてページ内またはページ間の濃度ムラの発生を十分に抑制することができる。
(電荷発生層)
本発明の感光体を構成する電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)が含有されたものであり、必要に応じて分散媒としてバインダー樹脂や、その他の添加物が含有されたものとすることもできる。
本発明の感光体を構成する電荷発生層には、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンおよび未付加のチタニルフタロシアニンを含む顔料(以下、「特定のチタニルフタロシアニン混合顔料」ともいう。)を電荷発生物質として少なくとも有するものである。
本発明において、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンとは、未付加のチタニルフタロシアニンに2,3−ブタンジオールを付加させた化合物をいう。
また、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンおよび未付加のチタニルフタロシアニンを含む顔料とは、少なくとも未付加のチタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンとが1つの顔料粒子中に混合状態あるいは混晶状態で含有された顔料を意味する。
電荷発生物質として特定のチタニルフタロシアニン混合顔料を用いることにより、感光体について感度の湿度依存性が小さく抑制されて、形成される画像において帯状の画像欠陥の発生が抑制される。
2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンは、原料となる(2R,3R)−2,3−ブタンジオールまたは(2S,3S)−2,3−ブタンジオール(以下、「原料ブタンジオール化合物」ともいう。)の付加比の違いによって、それぞれ特有の結晶型を有し、本発明における2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンとしては、どのような結晶型のものを用いてもよいが、特に、良好な感度および繰り返し電位安定性が得られる点から、後記に詳述する8.3°型のものを用いることが好ましい。
具体的には、未付加のチタニルフタロシアニンに対して原料ブタンジオール化合物を過剰量反応させた場合には、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ:9.5°(±0.2°)に特徴的なピークを有する結晶型(以下、「9.5°型」という。)のものが得られる。当該9.5°型の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルには、9.5°以外にも16.4°、19.1°、24.7°、26.5°にピークが見られる。なお、X線回折スペクトルにおける特徴的なピークとは、バックグランドのバラツキを超えて明確に異なるピークをいう。
9.5°型の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンは、IRスペクトルにおいて970cm-1付近のTi=Oの吸収がなく、630cm-1付近にO−Ti−Oの吸収が現れること、熱分析(TG)において390〜410℃に約11%の質量減少があること(熱分解によるブチレンオキシドの脱離のためと考えられる)、およびマススペクトルの結果から、未付加のチタニルフタロシアニンと原料ブタンジオール化合物とが、1/1で脱水縮合した構造を有するものと推測される。
また、未付加のチタニルフタロシアニン1モルに対して原料ブタンジオール化合物を1モル以下の量反応させた場合には、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ:8.3°(±0.2°)に特徴的なピークを有する結晶型(以下、「8.3°型」という。)のものが得られる。当該8.3°型の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルには、8.3°以外にも24.7°、25.1°、26.5°にピークが見られる。
8.3°型の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンは、IRスペクトルにおいて970cm-1付近にTi=Oの吸収が現われると共に630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れること、熱分析において390〜410℃における質量減少が11%未満であること、およびマススペクトルの結果から、ブタンジオール/チタニルフタロシアニン=1/1付加体とチタニルフタロシアニンとが、ある割合で混晶を形成しているものと推測される。原料ブタンジオール化合物の付加比は、熱分析における390〜410℃における質量減少から、40〜70モル%と推測される。
未付加のチタニルフタロシアニン1モルに対する原料ブタンジオール化合物の使用量は、0.2〜2.0モルとされることが好ましい。原料ブタンジオール化合物の使用量が1.0モル以上であることによって上記の9.5°型の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンが得られ、1.0モル未満であることによって上記の未付加のチタニルフタロシアニンとの混晶である8.3°型の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンが得られる。
2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを形成するための未付加のチタニルフタロシアニンと原料ブタンジオール化合物との反応は、未付加のチタニルフタロシアニンと原料ブタンジオール化合物とを、各種の溶媒中において室温あるいは加熱下で反応させることによって合成することができる。
原料である未付加のチタニルフタロシアニンは、フタロニトリルおよび四塩化チタンから得る合成法、ジイミノイソインドリンおよびアルコキシチタンから得る合成法、フタロニトリル、尿素およびアルコキシチタンから得る合成法など通常知られているいずれの合成法を用いて合成することもできるが、特に、塩素含有量の少ない高純度なチタニルフタロシアニンが得られることから、ジイミノイソインドリンおよびアルコキシチタンから得る合成法を用いることが好ましい。
また、未付加のチタニルフタロシアニンとしては、上記の合成法によって得られた粗チタニルフタロシアニンをアシッドペースト処理などの方法によって無定形化したものを用いることが好ましい。
未付加のチタニルフタロシアニンと原料ブタンジオール化合物との付加反応には、通常原料の5〜30質量倍の溶媒が使用される。
溶媒としては、特に限定されず、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、クロロナフタレン、キノリンなどの芳香族溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;その他ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒などを挙げることができる。
未付加のチタニルフタロシアニンと原料ブタンジオール化合物との反応を下記反応式(1)に示す。この反応は、広範囲な温度条件下で行うことができ、反応温度は例えば25〜300℃の範囲が好ましく、BET比表面積が20m2 /g以上のものを合成する観点から、30〜100℃の範囲であることがより好ましい。
Figure 0006064492
原料ブタンジオール化合物としては、光学異性を示す(2R,3R)−2,3−ブタンジオールまたは(2S,3S)−2,3−ブタンジオールを用いることが好ましいが、光学異性を示さないラセミ体を用いることもできる。
特定のチタニルフタロシアニン混合顔料は、BET比表面積が20m2 /g以上、好ましくは25〜35m2 /gであることが好ましい。
BET比表面積が上記の範囲にある特定のチタニルフタロシアニン混合顔料を用い、さらに当該特定のチタニルフタロシアニン混合顔料の分散性を維持するよう後述する電荷発生層形成用塗布液の調製時に低いシェアで当該特定のチタニルフタロシアニン混合顔料を分散させることによって、良好な感度および繰り返し電位安定性が得られる感光体を作製することができる。
BET比表面積は、流動式比表面積自動測定装置「マイクロメトリックス・フローソープ型」(島津製作所社製)を用いて測定されるものである。
電荷発生物質としては、上記の特定のチタニルフタロシアニン混合顔料以外にも、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
電荷発生層がバインダー樹脂を含有するものとして構成される場合において、バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えばホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂などが、得られる感光体における繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができるという理由から、好ましく挙げられる。
バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が20〜600質量部とされることが好ましく、さらに好ましくは50〜500質量部である。バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合が上記の範囲にあることにより、後述する電荷発生層形成用塗布液に高い分散安定性が得られ、かつ、形成された感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる。
本発明の有機感光体においては、特定のチタニルフタロシアニン混合顔料が、感光層の反射スペクトルから換算した780nmにおける吸光度(Abs780)と700nmにおける吸光度(Abs700)との比(以下、「吸光度比(Abs780/Abs700)」ともいう。)が、0.80〜1.1となる状態で含有されて存在していることが好ましい。
当該吸光度比(Abs780/Abs700)は、特定のチタニルフタロシアニン混合顔料の電荷発生層における分散性と結晶性との両立の度合いを示す指標であり、当該吸光度比(Abs780/Abs700)が上記の範囲にあることにより、感度が高く、かつ、繰り返し電位安定性が高い感光体を得ることができる。
吸光度比(Abs780/Abs700)が0.80未満である場合は、顔料の結晶が破砕されたことを示し、結晶の欠陥箇所における2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンの分解が起こりやすくなり、その結果、感度が低くなったり繰り返し電位安定性が得られないおそれがある。また、吸光度比(Abs780/Abs700)が1.1を超える場合は、分散不良で二次凝集した顔料粒子や粗大粒子が存在することを示し、得られる画像の画像濃度が低いものとなるなどの画像欠陥を生じることとなる。
吸光度比(Abs780/Abs700)は、具体的には、円筒状基体上に感光層を形成した感光体試料について、当該感光体試料および円筒状基体のみの反射スペクトルを測定し、得られた反射スペクトルを下記数式(1)によって吸収スペクトル(Absλ)に換算した後、干渉縞による凹凸を除去するために、換算データを765〜795nm、685〜715nmの範囲でそれぞれ二次の多項式で近似し、780nmにおける吸光度(Abs780)と700nmにおける吸光度(Abs700)との比(Abs780/Abs700)を算出したものである。
数式(1):Absλ=−log(Rλ)
〔数式(1)において、Rλは、波長λの感光層の反射強度を示し、波長λにおける感光体試料の反射強度を、円筒状基体のみの反射強度で割った相対反射率である。〕
反射スペクトルは、光学式膜厚測定装置「Solid Lambda Thickness」(スペクトラコープ社製)を用いて測定した。
(電荷発生層の形成方法)
本発明の感光体を構成する電荷発生層は、電荷発生物質を溶媒中に添加、分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この電荷発生層形成用塗布液を中間層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。電荷発生層がバインダー樹脂を含有するものとして構成される場合においては、電荷発生層形成用塗布液を溶媒中に当該バインダー樹脂が溶解されたものとして構成すればよい。
電荷発生層形成用塗布液に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、例えばメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブタノールなどのアルコール系溶媒、その酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族溶媒、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン系溶媒などを挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生層形成用塗布液にバインダー樹脂を含有させる場合は、バインダー樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルおよびこれらのコポリマーなどを用いることができる。バインダー樹脂と顔料との比率は特に制限はないが、通常バインダー樹脂/顔料が質量比率で1/10から10/1である。バインダー樹脂が過少である場合は電荷発生層形成用塗布液が不安定なものとになり、バインダー樹脂が過多である場合は、電気抵抗値が過度に高くなって得られる感光体が長期間にわたって繰り返し使用した場合に残留電位が上昇してしまうなどの欠点が起きやすい。
特定のチタニルフタロシアニン混合顔料を含む電荷発生物質の分散手段としては、得られる感光体における吸光度比(Abs780/Abs700)を上記の範囲とするために、特定のチタニルフタロシアニン混合顔料の結晶に掛かるストレスを小さくすることができる、すなわち分散時のシェアが低いものとなる方法を用いることが好ましく、具体的には、超音波分散法や比重の小さいメディア(ガラス(比重2.5)ビーズなど)を用いたメディア分散法を用いることが好ましい。
メディア分散法は、容器内にメディアとしてビーズが充填され、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクが高速回転されることにより、凝集粒子を砕いて粉砕・分散する方法である。
吸光度比(Abs780/Abs700)は、分散時のシェアを調整することにより制御することができる。具体的には分散方法や分散時に用いるメディアの径や量、分散時間などにより制御することができる。
上記のようなシェアの低い分散方法を採用することによって、二次凝集した粒子や粗大粒子などが十分に解砕された状態が得られながら、電荷発生物質を構成する特定のチタニルフタロシアニン混合顔料の結晶構造が変化してその特性が損なわれることが回避され、従って、形成される感光体に良好な感度および繰り返し電位安定性が得られる電荷発生層形成用塗布液を調製することができる。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、中間層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性および混合割合などにより異なるが好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.15〜1.5μmである。
(電荷輸送層)
感光体を構成する電荷輸送層は、バインダー樹脂中に電荷輸送物質(CTM)が含有されたものである。
電荷輸送物質としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などの電荷(正孔)を輸送する物質が挙げられる。
電荷輸送層を形成するためのバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、具体的には、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアリレート樹脂などが挙げられる。これらの中でも、吸水率が低く、電荷輸送物質を高い分散性で分散させることができることから、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
電荷輸送層には、必要に応じて例えば酸化防止剤などのその他の成分が含有されていてもよい。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜200質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送物質の混合割合が過少である場合は、十分な電荷輸送性が得られず、電荷発生層において発生した電荷を感光体の表面まで十分に輸送できないおそれがある。一方、電荷輸送物質の混合割合が過多である場合は、機械的強度の減少や、繰り返し使用に伴う残留電位の増加が顕著となりやすい。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性および混合割合などにより異なるが、例えば10〜40μmとすることが好ましい。
以上のような電荷輸送層は、例えば、電荷輸送物質(CTM)を、公知の溶媒で溶解したバインダー樹脂中に添加して電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層の形成において用いられる溶媒としては、電荷発生層の形成に用いられる溶媒と同じものを挙げることができる。
また、電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としても、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
(保護層)
本発明の感光体には、必要に応じてその最表面、すなわち電荷輸送層上に保護層が設けられていることが好ましく、保護層としては、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂中に、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなるものであることが好ましい。当該保護層中には、必要に応じて酸化防止剤や滑剤などのその他の成分が含有されていてもよい。
感光層の膜厚と帯電性とはおおよそ比例する関係にあり、例えば多数枚を出力することによって感光体の軸方向の膜厚ムラが生じると、感光体の軸方向の色ムラが生じることがあるが、保護層が上記のように硬化樹脂中に表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなるものであることによって、このような感光体の軸方向の色ムラの低減させることができる。
(重合性化合物)
保護層を構成する硬化樹脂は、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性化合物を重合し、硬化することにより得られるものである。重合性化合物としては、重合性官能基を2個以上有するものを用いることが好ましく、重合性官能基を1個有するものを併用することもできる。具体的には、重合性化合物としては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。
重合性化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、アクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。
本発明においては、重合性化合物は単独で用いても、混合して用いてもよい。また、これらの重合性化合物は、モノマーを用いてもよいが、オリゴマー化して用いてもよい。
以下、重合性化合物の具体例を示す。
Figure 0006064492
Figure 0006064492
ただし、上記の例示化合物M1〜M14を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
(金属酸化物微粒子)
保護層には、反応性有機基を有する表面処理剤(以下、「反応性有機基含有表面処理剤」ともいう。)によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されている。この金属酸化物微粒子は、原料となる金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)が反応性有機基含有表面処理剤によって表面処理されることにより、未処理金属酸化物微粒子表面に反応性有機基が導入されたものである。
未処理金属酸化物微粒子としては、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化ジルコニウム、酸化錫、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどを用いることができるが、なかでも、硬度、導電性、光透過性の観点から、酸化錫が好ましい。
金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmであることが好ましく、より好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜40nmである。
本発明において、金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」((株)ニレコ製)を使用して数平均一次粒径を算出した。
反応性有機基含有表面処理剤としては、金属酸化物微粒子の表面に存在するヒドロキシ基などと反応するものが好ましく、このような反応性有機基含有表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
また、反応性有機基含有表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護層を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
反応性有機基含有表面処理剤の具体例としては、下記例示化合物(S−1)〜(S−36)に示すアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
また、反応性有機基含有表面処理剤としては、上記S−1からS−36に示すもの以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。
反応性有機基含有表面処理剤は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
反応性有機基含有表面処理剤の処理量は、未処理金属酸化物微粒子100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
反応性有機基含有表面処理剤の未処理金属酸化物微粒子に対する処理方法としては、例えば、未処理金属酸化物微粒子と反応性有機基含有表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、未処理金属酸化物微粒子の再凝集を防止すると同時に未処理金属酸化物微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
表面処理装置としては、例えば湿式メディア分散型装置が挙げられる。この湿式メディア分散型装置は、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、未処理金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、未処理金属酸化物微粒子に表面処理を行う際に未処理金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば限定されず、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
保護層中の金属酸化物微粒子の含有割合は、硬化樹脂100質量部に対して20〜170質量部であることが好ましく、より好ましくは25〜130質量部である。保護層中の硬化樹脂は、後述する保護層形成用塗布液中に含まれる重合性化合物がすべて硬化反応することによって構成されるとみなしてよい。
(非反応性電荷輸送物質)
保護層には、非反応性電荷輸送物質が含有される。
本発明において、非反応性電荷輸送物質とは、保護層を形成する際に、重合性化合物や金属酸化物微粒子の反応性有機基と反応しないものをいう。
この非反応性電荷輸送物質は、保護層中の電荷キャリアを輸送する電荷輸送性を有するものであり、紫外光領域での吸収を実質的に示さず、かつ、分子量も450以下(好ましくは、320以上420以下)のものが多く、保護層の硬化樹脂の空隙に入り込むことが可能である。このため、保護層の耐摩耗性を低下させることなく、電荷輸送層からのスムーズな電荷キャリアの注入を可能とし、保護層表面に電荷を輸送することができる。
非反応性電荷輸送物質としては、例えば、下記一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 0006064492
〔一般式(1)中、R1 およびR2 は、各々、水素原子またはメチル基を示し、R3 は炭素数1〜5のアルキル基を示す。〕
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基などが挙げられる。これらのうち、溶解性の観点から、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基が好ましい。
以下、上記一般式(1)で表わされる化合物の具体例を示す。
Figure 0006064492
Figure 0006064492
Figure 0006064492
一般式(1)で表わされる化合物は、公知の合成方法、例えば、特開2006−143720号公報など開示されている方法で合成することができる。
保護層中の非反応性電荷輸送物質の含有割合は、硬化樹脂100質量部に対して2〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量部であり、更に好ましくは10〜35質量部である。また、硬化樹脂に対する非反応性電荷輸送物質の含有割合は、後述する保護層形成用塗布液中での重合性化合物の含有割合に対する割合と同様とみなしてよい。
本発明に係る保護層には、硬化樹脂、金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質の他に他の成分が含有されていてもよく、例えば各種の酸化防止剤を含有させることができ、各種の滑剤粒子を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
(保護層の形成)
保護層は、溶媒中に、重合性化合物、非反応性電荷輸送物質、金属酸化物微粒子および重合開始剤を混合した保護層形成用の塗布液(以下、「保護層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を電荷輸送層上に塗布して、塗膜を形成し、塗膜を乾燥して、硬化処理を行うことによって形成することができる。
以上のような保護層は、塗布、乾燥、硬化の過程で、金属酸化物微粒子の反応性有機基間の反応、当該反応性有機基と重合性化合物との反応、重合性化合物間の反応などが進行することにより、架橋型硬化樹脂として形成される。
保護層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物、金属酸化物微粒子、および非反応性電荷輸送物質を溶解または分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜は、乾燥しないで硬化処理を行ってもよいが、自然乾燥または熱乾燥を行った後、硬化処理を行うことが好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分間〜200分間であり、特に好ましくは5分間〜100分間である。
重合性化合物を反応させる方法としては、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光重合開始剤および熱重合開始剤を併用することもできる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(「イルガキュアー819」:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有する光重合促進剤を単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、またはホスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−アミノアルキルフェノン構造、または、アシルホスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
重合開始剤は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の添加割合は、重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。
本発明の有機感光体においては、硬化処理として塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより、硬化樹脂を生成する。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、LEDなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
保護層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、および活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
以上の工程により、架橋型硬化樹脂による保護層を有する有機感光体が得られる。
保護層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
以上のような感光体によれば、円筒状基体が切削凹凸の周期性の低減されたものであることによって露光パターンの周期と有機感光体の円筒状基体の表面に形成された切削凹凸の周期との間の干渉が低減されて得られた高画質のハーフトーン画像におけるスクリーン干渉スジの発生が抑制されると共に、円筒状基体が特定の切削加工形状を有することにより、切削スジおよび木目調の干渉縞の発生が抑制され、黒ポチおよびカブリなどの画像欠陥の発生が抑制されると共に、感光体の電気的安定性を長期間にわたって維持することができて、高画質の画像においてもページ内またはページ間における濃度ムラが抑制され、しかも、感度の湿度依存性が小さく抑制されて帯状の画像欠陥の発生が抑制された高画質のハーフトーン画像を得ることができる。
〔画像形成装置〕
本発明の画像形成装置は、上記の感光体を備え、当該感光体に静電潜像を形成する手段、当該静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する手段、形成されたトナー像を画像支持体に転写する手段、転写されたトナー像を画像支持体上に定着する手段を有するものである。
図4は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型のカラー画像形成装置と称せられるもので、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンまたは黒のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkと、これらの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkにおいて形成された各色のトナー像を画像支持体P上に転写する中間転写ユニット7と、画像支持体Pに対してトナー像を定着させる定着手段24とを備える画像形成装置本体Aを有し、当該画像形成装置本体Aの上部に、原稿を光学的に走査して画像情報をデジタルデータ(原稿画像データ)として読み取るための原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
画像形成ユニット10Yについて、以下に詳細に説明する。
画像形成ユニット10M、10C、10Bkは、各々、イエロートナーに代えて、マゼンタトナー、シアントナー、黒トナーによってトナー像を形成するものであり、基本的には画像形成ユニット10Yと同様の構成を有するものである。
画像形成ユニット10Yは、像形成体であるドラム状の感光体1Yの周囲に、当該感光体1Yの表面に一様な電位を与える帯電手段2Y、一様に帯電された感光体1Y上に露光用画像データ信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する露光手段3Y、カラートナーを感光体1Y上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段4Y、一次転写後に感光体1Y上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段6Yが配置されてなり、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。
帯電手段2Yとしては、コロナ放電型の帯電器が用いられている。
露光手段3Yとしては、露光光源として発光ダイオードを用いた、例えば感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光ダイオードからなる発光素子が配列されたLED部と結像素子とから構成される光照射装置、あるいは、露光光源として半導体レーザーを用いた、レーザー光学系のレーザ照射装置などよりなり、図4の画像形成装置においては、レーザー照射装置が用いられている。
露光手段3Yにおいては、発振波長が350〜850nmの半導体レーザーまたは発光ダイオードを、露光光源として用いた装置からなることが望ましい。このような露光光源を、書き込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込んで用い、感光体1Y上にデジタル露光を行うことにより、600dpiから2400dpi、あるいはそれ以上の高解像度の電子写真画像を得ることができる。
露光手段3Yにおける露光方法としては、半導体レーザーを用いた走査光学系であってもよく、LEDによる固体型であってもよい。光強度分布についても、ガウス分布およびローレンツ分布などがあるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を露光ドット径とすればよい。
この例の画像形成装置においては、画像形成ユニット10Yにおける感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yが一体化されたプロセスカートリッジとして設けられている。
以上のような画像形成装置は、一の画像形成ユニットにおける感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素とをプロセスカートリッジとして一体に結合させて構成し、このプロセスカートリッジが画像形成装置本体に対して着脱自在とされるよう構成されていてもよい。また、一の画像形成ユニットにおける帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段または図示しない分離手段、およびクリーニング手段の少なくとも1つを感光体と共に一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、レールなどの案内手段を用いて画像形成装置本体に対して着脱自在とされるよう構成してもよい。
中間転写ユニット7は、複数の支持ローラ71〜74により張架され、循環移動可能に支持された無端ベルト状の中間転写体70と、それぞれ画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkによって形成されたトナー像を中間転写体70に転写するための一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkと、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkによって中間転写体70上に転写されたトナー像を画像支持体P上に転写する二次転写ローラ5bと、中間転写体70上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段6bとを有する。
中間転写ユニット7における一次転写ローラ5Bkは、画像形成処理中の常時、感光体1Bkに当接されており、他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cは、カラー画像を形成する場合にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接される。
また、二次転写ローラ5bは、ここを画像支持体Pが通過して二次転写が行われるときにのみ、中間転写体70に当接される。
この画像形成装置においては、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkにおけるプロセスカートリッジのそれぞれと、中間転写ユニット7の二次転写ローラ5b以外のものが筐体8に収納されており、当該筐体8が、画像形成装置本体Aから支持レール82L、82Rを介して引き出し可能に構成されている。
この画像形成装置においては、全ての画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの感光体1Y、1M、1C、1Bkのうち、全ての感光体1Y、1M、1C、1Bkが上記の特定の切削加工形状を有する感光体からなるものであることが好ましいが、感光体1Y、1M、1C、1Bkのうち少なくとも1つが上記の特定の切削加工形状を有する感光体から構成されていれば、スクリーン干渉スジの発生が抑制されると共に、感度の湿度依存性が小さく抑制されながら切削スジおよび木目調の干渉縞の発生が抑制された高画質なハーフトーン画像を形成することができる効果を得ることができる。
本発明の画像形成装置は、電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンターおよび液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応するが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用することができる。
以上のような画像形成装置においては、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面が帯電手段2Y、2M、2C、2Bkより帯電され、露光手段3Y、3M、3C、3Bkが原稿画像読み取り装置SCによって得られた原稿画像データに各種の画像処理などが施されて得られた各色の露光用画像データ信号に従って動作され、具体的には当該露光用画像データ信号に対応して変調されたレーザー光が露光光源から出力され、このレーザー光によって当該感光体1Y、1M、1C、1Bkが走査露光されることにより、原稿画像読み取り装置SCにより読み取られた原稿に対応したイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色に対応した静電潜像が各感光体1Y、1M、1C、1Bk上にそれぞれ形成される。
次いで、感光体1Y、1M、1C、1Bk上に形成された静電潜像が、現像手段4Y、4M、4C、4Bkにおいて各色のトナーによって現像されることにより各色のトナー像が形成され、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより各色のトナー像が中間転写体70上に逐次転写されて重ね合わされて合成され、カラートナー像が形成される。
さらに、カラートナー像の形成に同期して、給紙カセット20内に収容された普通紙や透明シートなどの画像支持体Pが、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22Dおよびレジストローラ23を経て、二次転写ローラ5bに搬送され、当該画像支持体P上に、二次転写ローラ5bによって中間転写体70上に転写されたカラートナー像が一括して転写される。
画像支持体P上に転写されたカラートナー像は、定着手段24において例えば加熱および加圧により定着されて可視画像が形成され、その後、可視画像が形成された画像支持体Pが、排紙ローラ25によって機外に排出されて排紙トレイ26上に載置される。
各色のトナー像を中間転写体70に転写させた後の感光体1Y、1M、1C、1Bkは、それぞれクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkにより当該感光体1Y、1M、1C、1Bkに残留したトナーを除去した後に、次の各色のトナー像の形成に供される。
一方、二次転写ローラ5bにより画像支持体P上にカラートナー像を転写し、画像支持体Pが曲率分離された後の中間転写体70は、クリーニング手段6bにより当該中間転写体70上に残留したトナーを除去した後に、次のトナー像の中間転写に供される。
〔トナーおよび現像剤〕
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、粉砕トナーであっても重合トナーであってもよいが、本発明の画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合法で作製された重合トナーを用いることが好ましい。
重合トナーとは、トナーを形成するバインダー樹脂の生成とトナー粒子形状の形成が、バインダー樹脂を得るための原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理とにより並行して行われて得られるトナーを意味する。
より具体的には、懸濁重合、乳化重合などの重合反応により樹脂微粒子を得る工程と、必要によりその後に行われる樹脂微粒子同士を融着させる工程を経て形成されるトナーを意味する。
トナーの体積平均粒径、すなわち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係るトナーは、それのみで一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子がさらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂あるいはフッ素含有重合体樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以上の画像形成装置によれば、円筒状基体が切削凹凸の周期性の低減されたものであることによって露光パターンの周期と有機感光体の円筒状基体の表面に形成された切削凹凸の周期との間の干渉が低減されて得られた高画質のハーフトーン画像におけるスクリーン干渉スジの発生が抑制されると共に、円筒状基体が特定の切削加工形状を有することにより、切削スジおよび木目調の干渉縞の発生が抑制され、黒ポチおよびカブリなどの画像欠陥の発生が抑制されると共に、感光体の電気的安定性を長期間にわたって維持することができて、高画質の画像においてもページ内またはページ間における濃度ムラが抑制され、しかも、感度の湿度依存性が小さく抑制されて帯状の画像欠陥の発生が抑制された高画質のハーフトーン画像を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、感光体の具体的な層構成は、上記の構成に限定されるものではない。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、ΔLは、円筒状基体の外周面の中央付近における断面曲線を、「サーフコム1400D」((株)東京精密製)を用い、JIS’01規格において、測定長4.0mm、長波長カットオフλc0.8mm(ガウシアン)、測定速度0.3mm/secの測定条件で行った粗さ測定によって得、この断面曲線を用いて上述の通りに測定した。
またRa(S80)は、円筒状基体の外周面の中央付近を、「サーフコム1400D」((株)東京精密製)を用い、JIS’01規格において、測定長4.0mm、長波長カットオフλc0.8mm(ガウシアン)、短波長カットオフλs80μm、測定速度0.3mm/secの測定条件で行った粗さ測定によって得た算術平均粗さRaである。
〔表面処理済み金属酸化物粒子1の作製〕
数平均一次粒子径が35nmのシリカおよびアルミナ処理済みのルチル型酸化チタン粒子「MT−500SA」(テイカ社製)500質量部と、メチルハイドロジェンポリシロキサン「KF−99」(信越化学工業社製)25質量部と、トルエン1500質量部とを撹拌混合した後、セラミックビーズミルによりミル滞留時間25分間で解砕処理を行い、得られたスラリーを撹拌しながら減圧下で徐々に昇温することにより溶媒を留去し、引き続き120℃で2時間保持してMHPSの焼き付けを行った。その後、粉砕と分級を行うことにより、表面処理済み金属酸化物粒子〔1〕を得た。
〔表面処理済み金属酸化物粒子2の作製〕
数平均一次粒子径が15nmのルチル型酸化チタン粒子「MT−150A」(テイカ社製)500質量部と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン粒子「KBM−503」(信越化学工業社製)60質量部と、トルエン2000質量部とを撹拌混合した後、セラミックビーズミルによりミル滞留時間40分間で解砕処理を行い、得られたスラリーを撹拌しながら減圧下で徐々に昇温することにより溶媒を留去し、引き続き120℃で2時間保持してKBM−503の焼き付けを行った。その後に粉砕と分級を行うことにより、表面処理済み金属酸化物粒子〔2〕を得た。
〔実施例1:感光体の製造例1〕
(1)円筒状基体の作製
長さ362mmのアルミニウム合金製の素管を、NC旋盤に装着し、適宜のダイヤモンド焼結バイトを用いて、外径59.95mm、表面粗さRa(S80)が0.07μmになるように、当該ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度を0°〜3°の間で変更しながら、下記条件でバイト切削加工を行うことにより、円筒状基体〔1〕を作製した。
バイト切削加工は、旋盤の主軸回転数を3000rpmに設定し、バイト移動速度(バイト送り速度)は400μm/回転で一定にし、素管端部をスタートとして、加工距離が1.09mm、1.74mm、1.26mm、1.90mm、1.42mm、2.07mm、1.58mm、2.22mm、を繰り返すように設定したプログラムによって行った。
円筒状基体〔1〕の外周面におけるΔLを測定したところ、10μmであった。
なお、ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度とは、素管が水平面内にその軸が伸びるよう設置された状態において、切削バイトが当該水平面内において素管の軸方向に垂直な方向に伸びた状態でその先端が当該素管に当接する場合を0°として、素管の回転方向に切削バイトを立てた角度をいう。
(2)中間層の形成
下記式(N−1)で表されるバインダー樹脂(ポリアミド樹脂)100質量部を、エタノールとn−プロピルアルコールとテトラヒドロフランとの混合溶媒(体積比=60:20:20)1700質量部に加えて撹拌混合して溶解させた。この溶液に、上記の表面処理済み金属酸化物粒子〔1〕120質量部および表面処理済み金属酸化物粒子〔2〕160質量部を添加し、セラミックビーズミルにより、ミル滞留時間3時間で分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、濾過することにより、中間層形成用塗布液を得た。濾過フィルタは、公称濾過精度が10μmのポリプロピレン製フィルタ(ロキテクノ社製)を用いて行った。このようにして得られた中間層形成用塗布液を、上記の円筒状基体〔1〕を洗浄した後の外周面に浸漬塗布法によって塗布し、120℃で乾燥することにより、円筒状基体〔1〕上に乾燥膜厚1.5μmの中間層〔1〕を形成した。
Figure 0006064492
(3)電荷発生層の形成
(a)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン29.2gをオルトジクロロベンゼン(ODB)200mlに分散させ、チタニウムテトラ−n−ブトキシド20.4gを加えて窒素雰囲気下において150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムによる洗浄、2%塩酸水溶液による洗浄、水洗、メタノールによる洗浄を順に行い、乾燥することにより、26.2g(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、この粗チタニルフタロシアニンを濃硫酸250ml中に添加し、5℃以下で1時間撹拌して溶解させ、これを20℃の水5Lに注ぎ、析出した結晶を濾過し、充分に水洗することによりウェットペースト品225gを得、これを冷凍庫にて凍結させ、解凍した後、濾過、乾燥することにより、無定形チタニルフタロシアニン〔1〕24.8g(収率86%)を得た。
(b)電荷発生物質の生成
無定形チタニルフタロシアニン〔1〕10.0gおよび(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94g(無定形チタニルフタロシアニンに対する当量比=0.6)を、オルトジクロロベンゼン(ODB)200ml中に混合し、反応温度60〜70℃で6時間加熱撹拌した。一夜放置後、当該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールにより洗浄することにより、電荷発生物質〔CG−1〕10.3gを得た。
この電荷発生物質〔CG−1〕のX線回折スペクトルを測定したところ、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークが見られた。また、マススペクトル、IRスペクトル、熱分析(TGA)を測定した。これらの結果から、当該電荷発生物質〔CG−1〕が、チタニルフタロシアニンおよび(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、未付加のチタニルフタロシアニンの混晶と推定した。
(c)製膜
次いで、下記成分を混合し、循環式超音波ホモジナイザー「RUS−600TCVP」(株式会社日本精機製作所製、19.5kHz,600W)にて循環流量40L/H、滞留時間0.5時間にわたって分散することにより、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質〔CG−1〕 24質量部
・ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12質量部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=4/1(V/V) 400質量部
この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法によって中間層〔1〕上に塗布した後、24℃で乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(4)電荷輸送層の形成
次いで、下記成分を混合し、溶解させることにより、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法によって電荷発生層〔1〕上に塗布し、120℃で70分間乾燥することにより、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
・下記式(CTM−1)で表わされる電荷輸送物質 225質量部
・ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製) 300質量部
・酸化防止剤「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 6質量部
・テトラヒドロフラン/トルエン混合液(体積比;3/1) 2000質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学工業(株)製) 1質量部
Figure 0006064492
(5)保護層の形成
数平均一次粒子径20nm、体積抵抗率3.0×105 Ω・cmの酸化錫(CIKナノテック社製)100質量部、表面処理剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業社製)7質量部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部を撹拌混合した後、セラミックビーズミルによりミル滞留時間30分間で解砕処理を行った。得られたスラリーを撹拌しながら減圧下で徐々に昇温することにより溶媒を留去し、引き続き120℃で2時間保持して上記「KBM−503」の焼き付けを行い、その後、粉砕および分級を行うことにより、表面処理済み酸化錫〔A〕を得た。
続いて、
・表面処理済み酸化錫〔A〕 50質量部
・重合性化合物「SR−350」(サートマー社製) 100質量部
・2−ブタノール 320質量部
・テトラヒドロフラン 80質量部
を混合し、循環式超音波ホモジナイザー「RUS−600TCVP」(株式会社日本精機製作所製、19.5kHz,600W)にて循環流量40L/Hで滞留時間1.0時間で分散し、
・上記式(CTM−8)で表わされる電荷輸送物質 15質量部
・重合開始剤「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製) 10質量部
を加えて溶解させて、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この保護層形成用塗布液〔1〕を円形スライドホッパー塗布機を用いて電荷輸送層上に塗布し、その後メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射し、さらに120℃で1時間乾燥させて乾燥膜厚3.0μmの保護層〔1〕を形成し、これにより、感光体〔1〕を作製した。
〔実施例2:感光体の製造例2〕
感光体の製造例1において、円筒状基体〔1〕の代わりに下記の円筒状基体〔2〕を用いたことの他は同様にして、感光体〔2〕を作製した。
長さ362mmのアルミニウム合金製の素管を、NC旋盤に装着し、適宜のダイヤモンド焼結バイトを用いて、外径59.95mm、表面粗さRa(S80)が0.04μmになるように、当該ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度を0°〜3°の間で変更しながら、下記条件でバイト切削加工を行うことにより、円筒状基体〔2〕を作製した。
バイト切削加工は、旋盤の主軸回転数を3000rpmに設定し、バイト移動速度(バイト送り速度)は400μm/回転で一定にし、素管端部をスタートとして、加工距離が1.07mm、1.72mm、1.24mm、1.88mm、1.40mm、2.05mm、1.56mm、2.20mm、を繰り返すように設定したプログラムによって行った。
円筒状基体〔2〕の外周面におけるΔLを測定したところ、20μmであった。
〔実施例3:感光体の製造例3〕
感光体の製造例2において、中間層〔1〕の代わりに下記の中間層〔2〕を形成したことの他は同様にして、感光体〔3〕を作製した。
上記式(N−1)で表されるバインダー樹脂(ポリアミド樹脂)100質量部を、エタノールとn−プロピルアルコールとテトラヒドロフランとの混合溶媒(体積比=60:20:20)1700質量部に加えて撹拌混合して溶解させた。この溶液に、上記の表面処理済み金属酸化物粒子〔1〕350質量部を添加し、セラミックビーズミルにより、ミル滞留時間3時間で分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、濾過することにより、中間層形成用塗布液を得た。濾過フィルタは、公称濾過精度が10μmのポリプロピレン製フィルタ(ロキテクノ社製)を用いて行った。このようにして得られた中間層形成用塗布液を、上記の円筒状基体〔1〕を洗浄した後の外周面に浸漬塗布法によって塗布し、120℃で乾燥することにより、円筒状基体〔1〕上に乾燥膜厚1.5μmの中間層〔2〕を形成した。
〔実施例4:感光体の製造例4〕
感光体の製造例2において、電荷輸送層の膜厚を28μmとし、保護層を設けなかったことの他は同様にして、感光体〔3〕を作製した。
〔実施例5:感光体の製造例5〕
感光体の製造例1において、円筒状基体〔1〕の代わりに下記の円筒状基体〔3〕を用いたことの他は同様にして、感光体〔5〕を作製した。
長さ362mmのアルミニウム合金製の素管を、NC旋盤に装着し、適宜のダイヤモンド焼結バイトを用いて、外径59.95mm、表面粗さRa(S80)が0.02μmになるように、当該ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度を0°〜3°の間で変更しながら、下記条件でバイト切削加工を行うことにより、円筒状基体〔3〕を作製した。
バイト切削加工は、旋盤の主軸回転数を3000rpmに設定し、バイト移動速度(バイト送り速度)は400μm/回転で一定にし、素管端部をスタートとして、加工距離が1.05mm、1.70mm、1.22mm、1.86mm、1.38mm、2.03mm、1.54mm、2.18mm、を繰り返すように設定したプログラムによって行った。
円筒状基体〔3〕の外周面におけるΔLを測定したところ、30μmであった。
〔比較例1:感光体の製造例6〕
感光体の製造例1において、円筒状基体〔1〕の代わりに下記の円筒状基体〔4〕を用いたことの他は同様にして、感光体〔6〕を作製した。
長さ362mmのアルミニウム合金製の素管を、NC旋盤に装着し、適宜のダイヤモンド焼結バイトを用いて、外径59.95mm、表面粗さRa(S80)が0.03μmになるように、当該ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度を0°〜3°の間で変更しながら、下記条件でバイト切削加工を行うことにより、円筒状基体〔4〕を作製した。
バイト切削加工は、旋盤の主軸回転数を3000rpmに設定し、バイト移動速度(バイト送り速度)は400μm/回転で一定に設定して行った。
円筒状基体〔4〕の外周面におけるΔLを測定したところ、7μmであった。
〔比較例2:感光体の製造例7〕
感光体の製造例1において、円筒状基体〔1〕の代わりに下記の円筒状基体〔5〕を用いたことの他は同様にして、感光体〔7〕を作製した。
長さ362mmのアルミニウム合金製の素管を、NC旋盤に装着し、適宜のダイヤモンド焼結バイトを用いて、外径59.95mm、表面粗さRa(S80)が0.01μmになるように、当該ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度を0°〜3°の間で変更しながら、下記条件でバイト切削加工を行うことにより、円筒状基体〔5〕を作製した。
バイト切削加工は、旋盤の主軸回転数を3000rpmに設定し、バイト移動速度(バイト送り速度)は400μm/回転で一定にし、素管端部をスタートとして、加工距離が1.07mm、1.72mm、1.24mm、1.88mm、1.40mm、2.05mm、1.56mm、2.20mm、を繰り返すように設定したプログラムによって行った。
円筒状基体〔5〕の外周面におけるΔLを測定したところ、20μmであった。
〔比較例3:感光体の製造例8〕
感光体の製造例1において、円筒状基体〔1〕の代わりに下記の円筒状基体〔6〕を用いたことの他は同様にして、感光体〔8〕を作製した。
長さ362mmのアルミニウム合金製の素管を、NC旋盤に装着し、適宜のダイヤモンド焼結バイトを用いて、外径59.95mm、表面粗さRa(S80)が0.08μmになるように、当該ダイヤモンド焼結バイトの素管に対する当接角度を0°〜3°の間で変更しながら、下記条件でバイト切削加工を行うことにより、円筒状基体〔6〕を作製した。
バイト切削加工は、旋盤の主軸回転数を3000rpmに設定し、バイト移動速度(バイト送り速度)は400μm/回転で一定にし、素管端部をスタートとして、加工距離が1.07mm、1.72mm、1.24mm、1.88mm、1.40mm、2.05mm、1.56mm、2.20mm、を繰り返すように設定したプログラムによって行った。
円筒状基体〔6〕の外周面におけるΔLを測定したところ、20μmであった。
〔比較例4:感光体の製造例9〕
感光体の製造例1において、電荷発生層〔1〕の代わりに下記の電荷発生層〔2〕を形成したことの他は同様にして、感光体〔9〕を作製した。
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて15時間にわたって分散することにより、電荷発生層形成用塗布液〔2〕を調製した。
・電荷発生物質〔CG−X〕(Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Ka特性X線によるX線回折のスペクトルでブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料))
20質量部
・ポリビニルブチラール樹脂「BM−1」(積水化学社製) 10質量部
・メチルエチルケトン 700質量部
・シクロヘキサノン 300質量部
この電荷発生層形成用塗布液〔2〕を浸漬塗布法によって中間層〔1〕上に塗布した後、24℃で乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層〔2〕を形成した。
〔画質の評価(1)〕
上記の感光体〔1〕〜〔9〕のいずれかを組み込んだ各色の画像形成ユニット(各色に係る画像形成ユニットに搭載する感光体は同一種類の感光体とする。)を、高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下で一晩放置した後、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)環境下に予め設置しておいた市販のフルカラー複合機「bizhub PRO C65hc」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に組み込み、画像形成ユニットを高温高湿環境から常温常湿環境に移してから30〜60分間後に、「PODグロスコート(A3サイズ、100g/m2 )」(王子製紙社製)に各色ごとに全面ハーフトーン画像を出力してテスト画像を得た。
得られたテスト画像を目視で観察し、温度メモリ(感光体の軸方向に延びる黒帯)、切削スジ(基体の切削方向に沿った切削ピッチ幅で繰り返されるスジ)、スクリーン干渉スジ(基体の切削方向からやや傾いた、切削ピッチ幅より広い周期で繰り返されるスジ)および木目調干渉縞について、以下の評価基準に従って画質評価を行った。結果を表1に示す。
〔画質の評価(2)〕
上記の感光体〔1〕〜〔9〕のいずれかを組み込んだ各色の画像形成ユニットを、市販のフルカラー複合機「bizhub PRO C65hc」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に組み込み、「Jペーパー(A4サイズ、64g/m2 )」(コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)にドラム周方向の平均印字率が各色とも5%であるチャートを30万枚出力し、次いで、低温低湿(温度10℃、湿度20%RH)環境下で一晩放置した後、平均印字率25%の全面ハーフトーン画像を連続100枚出力した。この全面ハーフトーン画像は、「PODグロスコート(A3サイズ、100g/m2 )」(王子製紙社製)上にブラック(Bk)で出力した。
この全面ハーフトーン画像100枚のうち1枚目を目視で観察し、感光体軸方向ムラ(濃淡の境界が不明確であり、感光体の周方向ではおおよそ均一な場合が多いムラ)について、以下の評価基準に従って画質評価を行った。
また、この全面ハーフトーン画像100枚のうち1枚目と100枚目とを目視で観察し、ページ間色ムラ(二枚を見比べた場合の全体的な濃度差)について、以下の評価基準に従って画質評価を行った。
結果を表1に示す。
−評価基準−
○:均一である(温度メモリ、切削スジ、スクリーン干渉スジ、木目調干渉縞、感光体軸方向ムラ、ページ間色ムラが観察されない)。
△:わずかな不均一が見られるが、実用上問題ないレベルである。
×:実用上問題となるレベルの不均一が見られる。
Figure 0006064492
1、1Y、1M、1C、1Bk 感光体
1a 円筒状基体
1b 中間層
1c 電荷発生層
1d 電荷輸送層
1e 保護層
1α 有機感光層
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
6b クリーニング手段
7 中間転写ユニット
8 筐体
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A、22B、22C、22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 中間転写体
71〜74 支持ローラ
82L、82R 支持レール
A 画像形成装置本体
P 画像支持体
SC 原稿画像読み取り装置



Claims (4)

  1. 円筒状基体上に感光層が積層された電子写真法による画像形成用の有機感光体であって、
    前記円筒状基体が、その外周面に中心軸方向に沿って周期的に切削凹凸が形成されたものであって、下記式(1)の条件を満たすと共に短波長カットオフ値を80μmとして測定したときの表面粗さRa(S80)が0.02μm以上0.07μm以下である切削加工形状を有し、
    前記感光層が2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する電荷発生物質を有するものであることを特徴とする有機感光体。
    式(1):ΔL≧10μm
    〔式(1)中、ΔLは、円筒状基体の外周面の画像形成領域内における、中心軸方向の切削凹凸の周期幅の最大値と最小値との差である。〕
  2. 前記円筒状基体と前記感光層との間に中間層が積層されており、
    前記中間層に、第一の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第一の酸化チタン粒子、および、当該第一の反応性有機ケイ素化合物と異なる第二の反応性有機ケイ素化合物によって表面処理された第二の酸化チタン粒子が含有されることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記感光層上に保護層が積層されており、
    当該保護層が、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂中に、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機感光体。
  4. 有機感光体に静電潜像を形成する手段、当該静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する手段、形成されたトナー像を画像支持体に転写する手段、転写されたトナー像を画像支持体上に定着する手段を有し、
    前記有機感光体が、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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