JP6063807B2 - 溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも一方が亜鉛系メッキ鋼板である一対の部材同士を溶接する溶接方法に関する。
亜鉛系メッキ鋼板は、高い耐食性を有し、建材及び自動車等の多くの産業分野で使用されている。亜鉛系メッキ鋼板を用いた部品の接合方法としては、従来、亜鉛系メッキ鋼板をプレス等で成形した後に抵抗スポット溶接を行う方法が知られているが、接合強度を高めるために、アーク溶接及びレーザ溶接等の溶融溶接法も採用されている。
亜鉛系メッキ鋼板に対するアーク溶接においては、溶接に伴う入熱により多量の亜鉛メッキが蒸発するため、溶接時の溶滴移行状態が不安定となり、溶融金属内に亜鉛蒸気が混入することによりブローホール及びピット等が発生する。このような溶接部におけるブローホール欠陥は、継手強度を低下させる原因となっている。
かかる問題に対応すべく、互いに重ね合わせた鋼板間に隙間を形成し、その隙間から亜鉛蒸気を逃がす方法が取られている。例えば、下記特許文献1には、被溶接鋼板の一枚の鋼板表面に、多数の凸部を形成し、当該凸部と残存凹部の大きさ及び割合等を規定した構成が開示されている。また、下記特許文献2には、溶接方向に沿って複数の溝部を形成し、これによってメッキ鋼板の重ね合せ部に隙間を確保する構成が開示されている。
特開2009−72799号公報 特開2000−246445号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、凸部と凹部とによって亜鉛蒸気を逃がすギャップが形成されるものの、溶接中は鋼板、特に凸部の熱変形が発生し、鋼板間に一定の隙間(ギャップ)を維持することが難しく、均質な溶接品質を保てないという問題がある。また、上記特許文献2の構成も、上記特許文献1と同様に重ね継ぎ手の溶接方法であって、均質な溶接品質の維持は難しく、更にこの方法を採用できる部分は限られている。
そこで、本発明は、少なくとも一方の部材が亜鉛系メッキ鋼板からなる一対の部材同士の溶接において、均質な溶接品質を保つことができる溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る溶接方法は、少なくとも一方が亜鉛系メッキ鋼板からなる一対の部材同士を溶接する溶接方法であって、一対の部材として、板状で且つ端面に脚部が突設された第1部材と、当該第1部材の端面に溶接される第2部材とを用い、脚部を第2部材に当接させ、脚部に仮溶接を施すことにより第2の部材に対して第1の部材を仮固定し、仮溶接により形成された仮溶接部の少なくとも一部を残すように、第1部材と第2部材との間に形成された隙間部分に本溶接を施すことを特徴とする。
本発明によれば、第1部材に突設された脚部が第2部材に当接されて当該脚部に仮溶接が施されることで、第1部材が第2部材に対して仮固定される。これにより、本溶接の際の第1部材の倒れを抑制できると共に、第1部材と第2部材との間の隙間(ギャップ)を一定に維持することができる。したがって、例えば第1部材を第2部材に対して固定するために特別な治具を用いたり、第1部材又は第2部材の溶接面に隙間を維持するための多数の凹凸形状を形成したりしなくても、部材間の隙間を維持でき、均質な溶接品質で本溶接を施すことができる。
また、上記溶接方法では、第2部材は、有角状に形成された一対の面部である第1面部及び第2面部を有し、第1部材は、一対の面部に対応し、それぞれ脚部が突設された第1端面及び第2端面を有し、第1端面の脚部を第1面部に当接させると共に、第2端面の脚部を第2面部に当接させ、第1端面と第1面部との間及び第2端面と第2面部との間のそれぞれに仮溶接及び本溶接を施してもよい。
この方法によれば、例えば第2端面の脚部よりも先に第1端面の脚部に仮溶接を施す場合、第2端面の脚部が第2部材の第2面部に当接されるため、第1部材の倒れが抑制され、より安定した状態で第1端面の脚部に仮溶接を施すことができる。また、第1端面の脚部に仮溶接を施した後に第2端面の脚部に仮溶接を施す際には、第1端面の脚部の仮溶接により第1部材が第2部材に対して仮固定されているため、より安定した状態で第2端面の脚部に仮溶接を施すことができる。また、脚部が第1部材の互いに異なる端面(第1端面、第2端面)に形成されているため、一方の端面の隙間部分と他方の端面の脚部との間には所定の間隔が生じることとなる。これにより、当該一方の端面の隙間部分を本溶接する際には、他方の端面の脚部への熱の伝達は抑制される。したがって、一方の端面(第1端面又は第2端面)に対する本溶接による他方の端面の脚部に対する影響を抑制でき、他方の端面の脚部の溶融等に起因する第1部材の倒れ、及びそれに起因する一方の端面側の隙間の変動をより確実に抑制することができる。
また、上記溶接方法では、第1端面と第1面部との間に仮溶接及び本溶接を施した後に、第2端面と第2面部との間に仮溶接及び本溶接を施してもよい。通常、第1端面と第1面部との間を溶接する際と、第2端面と第2面部との間を溶接する際とでは、第1部材及び第2部材の配置の変更が必要となる。この方法によれば、第1端面と第1面部との間の溶接(仮溶接及び本溶接)が完了した後に、第2端面と第2面部との間の溶接(仮溶接及び本溶接)を施すことができる。したがって、第1部材及び第2部材の配置の変更が1回で済み、溶接の作業性が向上する。
また、上記溶接方法では、第1端面と第1面部との間及び第2端面と第2面部との間に仮溶接を施した後に、第1端面と第1面部との間及び第2端面と第2面部との間に本溶接を施してもよい。この方法によれば、まず、第1部材の各端面の脚部に仮溶接を施すことにより、第1部材の各端面と第2部材の各面部との間の隙間をより確実に維持できる。これにより、第1部材の各端面と第2部材の各面部とについて均質な溶接品質をより確実に保って本溶接を施すことができる。
また、上記溶接方法では、第1端面と第1面部との間及び第2端面と第2面部との間のそれぞれについて、第1面部と第2面部とが互いに連結する連結部側から、当該連結部から遠ざかる方向に向かって本溶接を施してもよい。溶接初めは溶接状態(アーク)が不安定となり、ブローホールが発生しやすい。そこで、第1端面と第1面部との間及び第2端面と第2面部との間のそれぞれについて、亜鉛蒸気がスムーズに抜けやすい連結部側から本溶接を開始することにより、ブローホールの発生を抑制できると共に、溶接を実施する作業員の作業性が向上する。
また、上記溶接方法では、第1端面の脚部及び第2端面の脚部がそれぞれ、第1面部と第2面部とが連結する連結部から最も離れた位置に突設されていてもよい。これによれば、各端面の脚部が互いに最も離間した位置に設けられるものとなるので、仮溶接時及び仮溶接後の第2部材に対する第1部材の支持安定性が増すと共に、一方の端面(第1端面又は第2端面)に本溶接を施す際に、他方の端面の脚部への熱の伝達を抑制することができる。
また、上記溶接方法では、仮溶接部と間隔が空くように上記隙間部分に本溶接を施してもよい。第1端面又は第2端面において、仮溶接部の周辺は、当該仮溶接部の存在により袋小路となっており、亜鉛蒸気が当該袋小路にこもってブローホールを発生させる虞がある。しかし、この方法によれば、仮溶接部と間隔が空くように本溶接が施されることにより、かかる袋小路でのブローホールの発生を防止し、均質な溶接品質を保つことができる。
本発明によれば、少なくとも一方の部材が亜鉛系メッキ鋼板からなる一対の部材同士の溶接において、均質な溶接品質を保つことができる。
第1実施形態に係る溶接方法により段板部材に板部材を溶接してなる鉄骨階段の構成を示す斜視図である。 図1に示した鉄骨階段の板部材を拡大して示した側面図である。 板部材を段板部材に溶接する際における各部材の配置を示す側面図である。 第1実施形態に係る溶接方法の第1の例を示すフロー図である。 第1実施形態に係る溶接方法の第2の例を示すフロー図である。 第2実施形態に係る溶接方法により段板部材に板部材を溶接してなる鉄骨階段の板部材を拡大して示した側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る溶接方法により段板部材に板部材を溶接してなる鉄骨階段の補強構造を示す斜視図である。図2は、図1に示した鉄骨階段の板部材を拡大して示した側面図である。本実施形態に係る溶接方法として、鉄骨階段1の段板部材(第2部材)2に補強用の板部材(第1部材)20をアーク溶接により溶接する溶接方法について説明する。
まず、図1を用いて、鉄骨階段1の構成について説明する。鉄骨階段1は、段板部材2が階段勾配に対応して傾斜して配設された一対の側桁7,7に取り付けられる構成とされている。鉄骨階段1は、例えば2階建て以上の階層を有する建物の屋外階段として用いられる。
段板部材2は、1枚の亜鉛系メッキ鋼板が略L字状に折り曲げられた部材であり、設置時に水平状となる踏面部(第1面部)3と、設置時に立ち上り壁状となる蹴込部(第2面部)4とを有している。踏面部3及び蹴込部4は、有角状に形成された一対の面部を形成している。踏面部3の長手方向の両側には、結合孔3aが2つずつ設けられている。踏面部3の奥側である後端には、外側に鈍角状に折り曲げられた上連結部5が形成されている。蹴込部4の下端には、内側に鋭角状に折り曲げられた下連結部6が形成されている。上連結部5と下連結部6とは、互いに平行となるように形成されている。上連結部5の長手方向の両側には、結合孔5aが1つずつ設けられている。また、下連結部6の長手方向の両側には、上連結部5の結合孔5aに対応する位置に、結合孔6aが1つずつ設けられている。
側桁7の内側には、段板部材2を支持するための段板受け部材8が取り付けられている。段板受け部材8は、鋼板が直角に折り曲げられた部材であり、側桁7の内側に取り付けられる取付面81と、設置時に水平となるように取付面81の上端において立設された支持面82とを形成している。支持面82には、踏面部3の結合孔3aに対応する位置に2つの結合孔8aが設けられている。支持面82の上には、支持面82と同じ寸法で形成され、支持面82の結合孔8aに対応する位置に2つの結合孔9aが設けられたゴム板等の緩衝材9が載置される。
段板部材2の踏面部3と段板受け部材8の支持面82とが緩衝材9を介して重ね合わされて、結合孔3a,8a,9aにボルト(不図示)が通されることにより、段板部材2は、段板受け部材8を介して側桁7の内側にボルト結合される。また、互いに隣接する段板部材2,2間においては、下側の段板部材2の上連結部5と上側の段板部材2の下連結部6とが重ね合わされて、結合孔5a,6aにボルト(不図示)が通されることにより、互いに隣接する段板部材2,2同士がボルト結合される。
段板部材2の内側には、段板部材2を補強するための段板補強部材10が設けられている。段板補強部材10は、踏面部3と蹴込部4とに接合され、踏面部3と蹴込板4とを橋渡し状に連結している。段板補強部材10は、段板部材2の長手方向の幅とほぼ同じ長さの1枚の鋼板で形成されている。ただし、段板補強部材10の踏面部3と接合される側の両端には、段板受け部材9に干渉しないようにL字状に切り欠かれた切欠き部分が形成されている。
さらに、段板部材2の内側には、段板部材2の長手方向の両端において、段板部材2を補強するための板部材20が、本実施形態に係る溶接方法によって溶接されている。図2において、V1,V2は、本溶接を施す前に板部材20を段板部材2に対して仮固定するための仮溶接が施された溶接箇所(仮溶接部)を示しており、W1,W2は、板部材20を段板部材2に対して十分な接合強度で接合するための本溶接が施された溶接箇所(本溶接部)を示している。
次に、図2〜図5を用いて、踏面部3及び蹴込部4に板部材20を溶接する溶接方法について詳細に説明する。図3は、板部材20を段板部材2に溶接する際における各部材の配置を示す側面図である。図4は、第1実施形態に係る溶接方法の第1の例を示すフロー図である。図5は、第1実施形態に係る溶接方法の第2の例を示すフロー図である。
まず、図3を用いて、本実施形態で用いる板部材20について説明する。板部材20は、厚みが例えば2〜6mm程度の板状に形成された亜鉛系メッキ鋼板である。板部材20は、板部材20の厚み方向に延在する第1端面21、第2端面22、第3端面23、第4端面24、及び第5端面25を有している。また、これらの端面と垂直に接続される板部材20の面の中央部には、円形の開口部26が設けられ、板部材20の軽量化が図られている。
図3に示されるように、第1端面21と第2端面22とは、第3端面23を介して接続されている。第1端面21には、第3端面23と接続される側の端部P1とは逆側の端部に沿って凸形状の脚部21aが突設されている。第2端面22には、第3端面23と接続される側の端部P2とは逆側の端部に沿って凸形状の脚部22aが突設されている。側面視上、第1端面21の延在方向と第2端面22の延在方向とがなす角度は、段板部材2の踏面部3と蹴込部4とがなす角度と等しくされている。脚部21a,22aの幅は、例えば6mmである。
第4端面24と第5端面25とは、互いに略垂直となるように接続されている。第4端面24は、第5端面25と接続される側とは逆側の端部において、第1端面21の脚部21a側の端部と接続されている。第5端面25は、第4端面24と接続される側とは逆側の端部において、第2端面22の脚部22a側の端部と接続されている。
続いて、図2〜図4を用いて、本実施形態に係る溶接方法の第1の例について説明する。
まず、図3に示すように、板部材20の第1端面21の脚部21aを踏面部3に当接させると共に、第2端面22の脚部22aを蹴込部4に当接させる(ステップS11)。これにより、踏面部3と第1端面21との間に隙間S1が形成され、蹴込部4と第2端面22との間に隙間S2が形成される。また、側面視上、第3端面23と踏面部3と蹴込部4との間に三角形状の切欠き部分が形成される。
続いて、第1端面21の脚部21aに仮溶接を施すことにより、踏面部3に対して板部材20を仮固定する(ステップS12)。この仮溶接により、図2に示す仮溶接部V1が形成される。
続いて、第1端面21と第3端面23とを接続する端部P1を開始位置とし、脚部21aに向かって、ステップS12において形成された仮溶接部V1の少なくとも一部を残すように、隙間S1部分を本溶接する(ステップS13)。なお、仮溶接部V1の少なくとも一部を残すとは、仮溶接部V1の少なくとも一部に本溶接を施さない部分を意図的に設けることを意味する。また、隙間S1部分とは、踏面部3及び第1端面21それぞれの隙間S1を介して互いに対向する部分のことである。この本溶接により、図2に示す本溶接部W1が形成される。
続いて、第2端面22の脚部22aに仮溶接を施すことにより、蹴込部4に対して板部材20を仮固定する(ステップS14)。この仮溶接により、図2に示す仮溶接部V2が形成される。
続いて、第2端面22と第3端面23とを接続する端部P2を開始位置とし、脚部22aに向かって、ステップS14において形成された仮溶接部V2の少なくとも一部を残すように、隙間S2部分を本溶接する(ステップS15)。なお、仮溶接部V2の少なくとも一部を残すとは、仮溶接部V2の少なくとも一部に本溶接を施さない部分を意図的に設けることを意味する。また、隙間S2部分とは、蹴込部4及び第2端面22それぞれの隙間S2を介して互いに対向する部分のことである。この本溶接により、図2に示す本溶接部W2が形成される。
続いて、図2、図3、及び図5を用いて、本実施形態に係る溶接方法の第2の例について説明する。第2の例は、第1の例のステップS13及びステップS14の順序を入れ替えたものである。すなわち、第2の例における溶接順序は以下の通りとなる。
まず、図3に示すように、板部材20の第1端面21の脚部21aを踏面部3に当接させると共に、第2端面22の脚部22aを蹴込部4に当接させる(ステップS21)。これにより、踏面部3と第1端面21との間に隙間S1が形成され、蹴込部4と第2端面22との間に隙間S2が形成される。また、側面視上、第3端面23と踏面部3と蹴込部4との間に三角形状の切欠き部分が形成される。
続いて、第1端面21の脚部21aに仮溶接を施すことにより、踏面部3に対して板部材20を仮固定する(ステップS22)。この仮溶接により、図2に示す仮溶接部V1が形成される。
続いて、第2端面22の脚部22aに仮溶接を施すことにより、蹴込部4に対して板部材20を仮固定する(ステップS23)。この仮溶接により、図2に示す仮溶接部V2が形成される。
続いて、第1端面21と第3端面23とを接続する端部P1を開始位置とし、脚部21aに向かって、ステップS12において形成された仮溶接部V1の少なくとも一部を残すように、隙間S1部分を本溶接する(ステップS24)。この本溶接により、図2に示す本溶接部W1が形成される。
続いて、第2端面22と第3端面23とを接続する端部P2を開始位置とし、脚部22aに向かって、ステップS24において形成された仮溶接部V2の少なくとも一部を残すように、隙間S2部分を本溶接する(ステップS25)。この本溶接により、図2に示す本溶接部W2が形成される。
ここで、仮溶接及び本溶接は、例えば隅肉溶接により実施される。より具体的には、板部材20の厚み方向における一方側(例えば段板部材2の内側)から、板部材20と段板部材2とを接合するように隅肉溶接がされる。この場合、本溶接部W1,W2の断面形状は、板部材20の隅肉溶接がされた側において三角形状に盛り上がった形状となる。一方、板部材20の端面(第1端面21又は第2端面22)の隅肉溶接がされた側の逆側において、隙間(隙間S1又はS2)が維持される。
以上説明した本実施形態に係る溶接方法によれば、板部材(第1部材)20に突設された脚部21a,22aが段板部材(第2部材)2に当接されて当該脚部21a,22aに仮溶接が施されることで、板部材20が段板部材2に対して仮固定される。これにより、本溶接の際の板部材20の倒れを抑制できると共に、板部材20と段板部材2との間の隙間(ギャップ)S1,S2を一定に維持することができる。したがって、例えば板部材20を段板部材2に対して固定するために特別な治具を用いたり、板部材20又は段板部材2の溶接面に隙間を維持するための多数の凹凸形状を形成したりしなくても、部材間の隙間を維持でき、均質な溶接品質で本溶接を施すことができる。
また、本実施形態に係る溶接方法では、最初に第1端面21の脚部21aに仮溶接を施す際において、第2端面22の脚部22aが段板部材2の蹴込部(第2面部)4に当接されるため、板部材20の倒れが抑制され、より安定した状態で第1端面21の脚部21aに仮溶接を施すことができる。
また、第1端面21の脚部21aに仮溶接を施した後に第2端面22の脚部22aに仮溶接を施す際には、第1端面21の脚部21aの仮溶接により板部材20が段板部材2に対して仮固定されているため、より安定した状態で第2端面22の脚部22aに仮溶接を施すことができる。
また、脚部21a,22aが板部材20の互いに異なる端面(第1端面21、第2端面22)に形成されているため、隙間S1部分を本溶接する際には第2端面22の脚部22aへの熱の伝達は著しく抑制される。同様に、隙間S2部分を本溶接する際には第1端面21の脚部21aへの熱の伝達は著しく抑制される。これにより、一方の端面(第1端面21又は第2端面22)に対する本溶接による他方の端面の脚部に対する影響を抑制でき、他方の端面の脚部の溶融等に起因する板部材20の倒れ、及びそれに起因する一方の端面側の隙間(隙間S1又は隙間S2)の変動をより確実に抑制することができる。
また、通常、第1端面21と踏面部3との間を溶接する際と、第2端面22と蹴込部4との間を溶接する際とでは、板部材20及び段板部材2の配置の変更が必要となる。例えば、作業員が手作業で溶接を実施する場合等において、第1端面21と踏面部3との間を溶接する際には、踏面部3が地面に対して平行となり、踏面部3が板部材20よりも下方に位置するように配置されるのが通常である。一方、第2端面22と蹴込部4との間を溶接する際には、蹴込部4が地面に対して平行となり、踏面部3が板部材20よりも下方に位置するように配置されるのが通常である。
ここで、本実施形態に係る溶接方法の第1の例によれば、第1端面21と踏面部3との間の溶接(仮溶接及び本溶接)が完了した後に、第2端面22と蹴込部4との間の溶接(仮溶接及び本溶接)を施すことができる。したがって、上述のように作業員が手作業で溶接を実施する場合等において、板部材20及び段板部材2の配置の変更が1回で済み、溶接の作業性が向上する。
また、本実施形態に係る溶接方法の第2の例によれば、まず、板部材20の第1端面21の脚部21a及び第2端面22の脚部22aに仮溶接を施すことにより、板部材20の各端面と段板部材2の各面部との間の隙間S1,S2をより確実に維持できる。これにより、板部材20の各端面と第2部材の各面部とについて均質な溶接品質をより確実に保って本溶接を施すことができる。
また、本実施形態に係る溶接方法では、第1端面21と踏面部3との間及び第2端面22と蹴込部4との間のそれぞれについて、踏面部3と蹴込部4とが互いに連結する連結部P3側から、当該連結部P3から遠ざかる方向に向かって本溶接を施すこととなる。溶接初めは溶接状態(アーク)が不安定となり、ブローホールが発生しやすい。そこで、第1端面21と踏面部3との間及び第2端面22と蹴込部4との間のそれぞれについて、亜鉛蒸気がスムーズに抜けやすい連結部P3側から本溶接を開始することにより、ブローホールの発生を抑制できると共に、溶接を実施する作業員の作業性が向上する。
また、本実施形態に係る溶接方法では、板部材20を段板部材2に溶接するために配置した状態(図3に示される配置状態)において、第1端面21の脚部21a及び第2端面22の脚部22aがそれぞれ、連結部P3から最も離れた位置に突設されていることとなる。これによれば、第1端面21の脚部21a及び第2端面22の脚部22aが互いに最も離間した位置に設けられるものとなるので、仮溶接時及び仮溶接後の段板部材2に対する板部材20の支持安定性が増すと共に、一方の端面(第1端面21又は第2端面22)に本溶接を施す際に、他方の端面の脚部への熱の伝達を抑制することができる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る溶接方法について説明する。第2実施形態に係る溶接方法は、隙間S1,S2部分に対する本溶接(第1実施形態の第1の例におけるステップS13,S15、第1実施形態の第2の例におけるステップS24,S25)が仮溶接部V1,V2と間隔が空くように施される点において、第1実施形態に係る溶接方法と異なる。
より具体的には、隙間S1部分については、端部P1を開始位置として、脚部21aに向かって本溶接を施し、脚部21aの手前の位置で本溶接を停止する。同様に、隙間S2部分については、端部P2を開始位置として、脚部22aに向かって本溶接を施し、脚部21aの手前の位置で本溶接を停止する。このようにして隙間S1に対応する位置に形成された本溶接部W3と、隙間S2に対応する位置に形成された本溶接部W4との例を、図6に示す。本溶接部W3は、端部P1から本溶接を開始して、脚部21aから端部P1側に間隔d1だけ空いた位置で本溶接を停止した結果生じた溶接部を示す。また、本溶接部W4は、端部P2から本溶接を開始して、脚部22aから端部P2側に間隔d2だけ空いた位置で本溶接を停止した結果生じた溶接部を示す。ここで、間隔d1,d2の幅の大きさは任意である。
第1端面21又は第2端面22において、仮溶接部V1,V2の周辺は、当該仮溶接部V1,V2の存在により袋小路となっており、亜鉛蒸気が当該袋小路にこもってブローホールを発生させる虞がある。しかし、第2実施形態に係る溶接方法によれば、仮溶接部V1,V2とそれぞれ間隔d1,d2が空くように本溶接が施されることにより、かかる袋小路でのブローホールの発生を防止し、均質な溶接品質を保つことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、板部材(第1部材)20及び段板部材(第2部材)2が両方とも亜鉛系メッキ鋼板であるものとして説明したが、第1部材及び第2部材のいずれか一方が亜鉛系メッキ鋼板であれば本発明に係る溶接方法を適用することができる。
また、本実施形態では、板部材20の第1端面21及び第2端面22にそれぞれ1つずつ脚部(脚部21a及び脚部22a)が設けられる構成について説明したが、脚部を複数設ける構成としてもよい。例えば、第1部材が、溶接対象となる溶接辺が長い板部材である場合等には、本溶接時における板部材の倒れ等を効果的に抑制するために、所定の間隔で複数の脚部を設け、各脚部に対して仮溶接を実施してもよい。
また、本実施形態では、溶接辺が2つである(板部材20が第1端面21と第2端面22とにおいて段板部材2と溶接される)ものとして説明したが、溶接辺の数は必ずしも2つである必要はなく、例えば1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
1…鉄骨階段、2…段板部材(第2部材)、3…踏面部(第1面部)、4…蹴込部、5…上連結部、6…下連結部、7…側桁、8…段板受け部材、9…緩衝材、10…段板補強部材、20…板部材(第1部材)、21…第1端面、21a,22a…脚部、22…第2端面、d1,d2…間隔、S1,S2…隙間、P1,P2…端部、P3…連結部。

Claims (7)

  1. 少なくとも一方の部材が亜鉛系メッキ鋼板からなる一対の部材同士を溶接する溶接方法であって、
    前記一対の部材として、板状で且つ端面に脚部が突設された第1部材と、当該第1部材の前記端面に溶接される第2部材とを用い、
    前記脚部を前記第2部材に当接させ、
    前記脚部に仮溶接を施すことにより前記第2の部材に対して前記第1の部材を仮固定し、
    前記仮溶接により形成された仮溶接部の少なくとも一部を残すように、前記第1部材と前記第2部材との間に形成された隙間部分に本溶接を施すことを特徴とする溶接方法。
  2. 前記第2部材は、有角状に形成された一対の面部である第1面部及び第2面部を有し、
    前記第1部材は、前記一対の面部に対応し、それぞれ脚部が突設された第1端面及び第2端面を有し、
    前記第1端面の脚部を前記第1面部に当接させると共に、前記第2端面の脚部を前記第2面部に当接させ、
    前記第1端面と前記第1面部との間及び前記第2端面と前記第2面部との間のそれぞれに前記仮溶接及び前記本溶接を施すことを特徴とする請求項1記載の溶接方法。
  3. 前記第1端面と前記第1面部との間に前記仮溶接及び前記本溶接を施した後に、前記第2端面と前記第2面部との間に前記仮溶接及び前記本溶接を施すことを特徴とする請求項2記載の溶接方法。
  4. 前記第1端面と前記第1面部との間及び前記第2端面と前記第2面部との間に前記仮溶接を施した後に、前記第1端面と前記第1面部との間及び前記第2端面と前記第2面部との間に前記本溶接を施すことを特徴とする請求項2記載の溶接方法。
  5. 前記第1端面と前記第1面部との間及び前記第2端面と前記第2面部との間のそれぞれについて、前記第1面部と前記第2面部とが互いに連結する連結部側から、当該連結部から遠ざかる方向に向かって前記本溶接を施すことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の溶接方法。
  6. 前記第1端面の脚部及び前記第2端面の脚部がそれぞれ、前記第1面部と前記第2面部とが連結する連結部から最も離れた位置に突設されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項記載の溶接方法。
  7. 前記仮溶接部と間隔が空くように前記隙間部分に前記本溶接を施すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の溶接方法。
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