JP6062796B2 - 圧力制御装置 - Google Patents
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本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体抵抗による回転体の回転エネルギの損失を低減可能な圧力制御装置を提供することにある。
回転体は、ハウジングの内部に設けられる。積層体は、保持部材、および、複数の弾性板を有し、ハウジングと回転体の周壁との間に設けられる。保持部材は、ハウジングに固定される。弾性板は、回転体の回転方向に積層されて保持部材に保持される。
弾性板の回転体側の端部である先端部、および、弾性板の先端部と対向する回転体の周壁の少なくとも一方に形成される切欠部は、回転体が回転している状態にて、積層体の軸方向の一側から他側へ流体が流通可能な連通路を構成する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による圧力制御装置を図1〜図7に示す。本実施形態の図面は、いずれも模式的なものであって、説明のため、適宜縮尺等を変更して記載している。第2実施形態についても同様である。
図1に示すように、本実施形態の圧力制御装置1は、ハウジング10、回転体30、および、積層体40等を備える。圧力制御装置1は、例えば回転電機やフライホイール等に適用される。
筒部11は、回転体30の形状に応じて形成される。本実施形態では、第1軸受保持部15側に形成される小径筒部12、および、第2軸受保持部16側に形成される大径筒部13を有する。小径筒部12の軸方向長さおよび径方向長さは、大径筒部13よりも小さく形成される。
小径筒部12の第1軸受保持部15側の壁部121には、空気等の流体が流出可能な流出口122が形成される。
第1軸部31は、小径部34の大径部35と反対側に設けられる。第2軸部32は、大径部35の小径部34と反対側に設けられる。第1軸部31は第1軸受21に回転可能に支持され、第2軸部32は第2軸受22に回転可能に支持される。これにより、回転体30は、ハウジング10に回転可能に支持される。
図2に示すように、積層体40は、保持部材41、および、弾性板51を有する。
保持部材41は、略環状に形成され、ハウジング10の小径筒部12の径方向内側に固定される。また、保持部材41の内周面には、径方向内側に開口する凹状の弾性板収容部42が形成される。本実施形態では、凹状に形成される弾性板収容部42の底面である弾性板固定部43に弾性板51が固定される。
本実施形態では、弾性板51の幅Wは、回転体30の回転時に積層体40の軸方向の一側と他側、すなわち弾性板51の幅方向の一側と他側とで差圧を形成可能な程度の長さに形成される。
また、複数の弾性板51は、回転体30の回転時に積層体40の軸方向の一側と他側とで差圧を形成可能な程度の微小な隙間をもって積層される。
切欠部56を図3〜図6に基づいて説明する。なお、図3(a)は図1のIII−III線断面に対応する図であって、弾性板51を説明するため、保持部材41およびハウジング10を省略して記載している。また、図3(b)は、図3(a)のB−B線断面の矢印方向から積層体40を見た図で、積層体40の内周面が平面状となるように広げた状態を示している。また、図4は、図3(b)の一部を拡大して模式的に示した図である。また、図5は、図4に示した弾性板51のそれぞれの平面図であり、図6は1つの切欠部56に対応する箇所を拡大して示した拡大図である。なお、図3(b)および図4において、連通路59をわかりやすくするため、切欠部56により構成される連通路59を梨地にて示している。後述の図8も同様である。
また、図4および図6に示すように、切欠部56の側面561は、スパイラル溝である連通路59に沿うように傾斜して形成される。
図7(a)に示すように、回転体30の停止時において、弾性板51の先端部55は、回転体30の小径部34の周壁345に当接するか、ごくわずかな隙間が形成される。
また、図7(b)に示すように、回転体30の回転中において、弾性板51は、回転体30の回転による動圧を受けて撓んで先端部55が浮上し、弾性板51の先端部55と回転体30の周壁345との間には、例えば数μmの隙間Dが形成される。弾性板51の先端部55は、回転体30の動圧を受けて回転体30の径方向への移動に追従するため、弾性板51の先端部55と回転体30との間に形成される隙間Dは、全周に亘り略均等となる。
回転体30は、ハウジング10の内部に設けられる。
積層体40は、保持部材41および弾性板51を有し、ハウジング10と回転体30の周壁345との間に設けられる。保持部材41は、ハウジング10に固定される。複数の弾性板51は、回転体30の回転方向に積層されて保持部材41に保持される。
連通路59が積層体40の軸方向の一側から他側に亘って連続する溝として構成されるので、連通路59の長手方向における圧損が低減され、減圧機能が向上する。特に、連通路59をスパイラル溝とすることにより、圧損がより低減され、減圧機能が向上する。
(3)切欠部56の側面561は、連通路59に沿って形成される。これにより、連通路59の長手方向における圧損がより低減され、減圧機能がより向上する。
本発明の第2実施形態を図8に示す。図8は、第1実施形態の図4に対応する図である。本実施形態では、弾性板61の先端部65に形成される切欠部66の形状が異なっているので、この点を中心に説明する。
切欠部66は、厚み方向の一側から見たとき、積層体40の軸方向、すなわち弾性板61の幅方向において、隣り合う弾性板61の切欠部66と一部が重複し、かつ、ずれて形成される。これにより、切欠部66は、弾性板61が積層された状態にて、積層体40の軸方向の一側と他側とを連通する連通路69を構成する。このように構成しても、連通路69は、積層体40の軸線に対して傾斜した状態にて軸方向の一側と他側とを連通するスパイラル溝となっている。
本実施形態では、切欠部66の側面661は、幅広面に対して略垂直に形成される。換言すると、本実施形態の切欠部66の側面661は、スパイラル溝に沿った方向ではない。
このように構成して、上記実施形態と同様の効果を奏し、特に(1)、(2)、(4)と同様の効果を奏する。
(ア)上記実施形態では、切欠部は、連通路が積層体の軸方向の一側から他側に亘って連続するスパイラル溝となるように、隣り合う弾性板の切欠部と積層体の軸方向にずれて形成された。他の実施形態では、回転体が回転している状態にて積層体の軸方向の一側から他側に流体が流通可能であれば、切欠部の個数や形状はどのようでもよい。
(ウ)上記実施形態では、ハウジングに流出口を設ける。他の実施形態では、例えば軸受の隙間等から流体をハウジング外部に流出可能であれば、流出口を設けなくてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・ハウジング
30・・・回転体
40・・・積層体
41・・・保持部材
51、61・・・弾性板
56、66・・・切欠部
59、69・・・連通路
345・・・周壁
Claims (6)
- ハウジング(10)と、
前記ハウジングの内部に設けられる回転体(30)と、
前記ハウジングに固定される保持部材(41)、および、前記回転体の回転方向に積層されて前記保持部材に保持される複数の弾性板(51、61)を有し、前記ハウジングと前記回転体の周壁(345)との間に設けられる積層体(40)と、
を備え、
前記弾性板の前記回転体側の端部である先端部、および、前記弾性板の前記先端部と対向する前記回転体の前記周壁の少なくとも一方に形成される切欠部は、前記回転体が回転している状態にて前記積層体の軸方向の一側から他側へ流体が流通可能な連通路(59、69)を構成することを特徴とする圧力制御装置。 - 前記切欠部は、前記弾性板の前記先端部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧力制御装置。
- 前記切欠部は、隣り合う前記弾性板の前記切欠部と前記積層体の軸方向にずれて形成され、前記積層体の軸方向の一側から他側に亘って連続する溝を前記連通路として構成することを特徴とする請求項2に記載の圧力制御装置。
- 前記切欠部の側面(561)は、前記連通路に沿って形成されることを特徴とする請求項3に記載の圧力制御装置。
- 前記弾性板の軸方向の長さは、前記保持部材にて前記弾性板を固定する弾性板固定部(43)と前記回転体の前記周壁との距離よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力制御装置。
- 前記連通路は、スパイラル溝であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧力制御装置。
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