以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明及び図面においては、同一の部品又は構成要素には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
[全体構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る照明装置50は、電球型のLEDランプである。照明装置50は、透光性のバルブ60と、発熱電球のフィラメントに代えて、バルブ60の内部に配設された発光装置200と、発光装置200を支持(保持)する金属柱300及び補助金属柱310と、給電用の口金部70とを含む。
バルブ60は例えばプラスチック、ガラス等の透光性を有する材料から構成された電球状の部材である。口金部70は、例えば照明器具のソケット(図示せず。)と接続する部分である。この口金部70がソケットと接続されることにより、口金部70を介して発光装置200に電力が供給される。
照明装置50はさらに、発光装置200からの光を反射する反射基体80を含む。反射基体80は、例えばAl合金等の反射率の高い材料から構成されている。この反射基体80はその反射面82が発光装置200側を向くようにして口金部70の上部側(バルブ60側)に取付けられている。反射基体80はまた、バルブ60の開口部分(図示せず。)を覆うように配置されており、発光装置200から下部方向(下方側:口金部70の方向)に出射された光を反射する。
本照明装置50は、1つの金属柱300と2つの補助金属柱310とを含む。金属柱300及び補助金属柱310は、例えば反射率の高いAl合金から構成されている。金属柱300及び補助金属柱310はまた、発光装置200を支持(保持)する機能に加えて、後述する発光素子100で生じた熱を放熱するためのヒートシンクとしての機能、及び、発光素子100を口金部70と電気的に接続するためのリード端子(リード線(導入線))としての機能を有する。
発光装置200は、金属柱300及び補助金属柱310が反射基体80側の部分に取付けられることによって照明装置50の内部において浮かせたような状態で固定されている。照明装置50の内部には図示しないAC/DCコンバータが搭載されており、AC/DCコンバータによって変換された直流によって発光装置200(発光素子100)が直流駆動される。
《発光装置200の構成》
図2を参照して、本実施の形態に係る発光装置200は、透明基体210と、この透明基体210に搭載される複数の発光素子100と、発光素子100を封止する透明樹脂層である封止樹脂層250とを含む。
透明基体210は、搭載される発光素子100からの光を70%以上透過することが可能な支持基板である。透明基体210は、発光素子100から発生した熱を金属柱300及び補助金属柱310まで伝導することが可能な熱伝導性の高い材料から構成されている。具体的には、透明基体210はサファイアから構成されている。
透明基体210はまた、一方の主面(以下「表面」と記す。)212と、表面212の反対側の面である他方の主面(以下「裏面」と記す。)214とを有する。透明基体210における表面212及び裏面214は、それぞれ、非平滑面とされている。透明基体210の厚みxは、放熱特性等を考慮した場合、200μm以上であるのが好ましい。
図3を参照して、透明基体210は、平面図的に見て、一方向に延びる略矩形状に形成されている。透明基体210の表面212には、電極パッド220〜224が形成されている。電極パッド220は、透明基体210の中央部分に形成されている。電極パッド222及び224は、それぞれ、透明基体210の端部に形成されている。
透明基体210の裏面214にも、同様の電極パッドが形成されている。図4を参照して、透明基体210の裏面214には、電極パッド230〜234が形成されている。電極パッド230は、透明基体210の中央部分に形成されている。電極パッド232及び234は、それぞれ、透明基体210の端部に形成されている。一方の端部に形成された電極パッド222及び電極パッド232は、透明基体210の側面に形成された接続部226によって互いに電気的に接続されている。他方の端部に形成された電極パッド224及び電極パッド234は、透明基体210の側面に形成された接続部228によって互いに電気的に接続されている。
透明基体210の表面212に形成された電極パッド220〜224は、平面図的に見て、それぞれ、透明基体210の裏面214に形成された電極パッド230〜234と同じ位置に同様の形状及び同様の大きさで形成されている。中央部に形成された電極パッドは正又は負の電極パッドであり、端部に形成された電極パッドは負又は正の電極パッドである。すなわち、中央部に形成された電極パッドと端部に形成された電極パッドとは極性が逆になっている。
透明基体210の中央部及び端部には、透明基体210を厚み方向に貫通する貫通孔210a〜210cが形成されている。貫通孔210aは、透明基体210の中央部において、電極パッド220及び電極パッド230を貫通するように形成されている。貫通孔210bは、透明基体210の一方の端部において、電極パッド222及び電極パッド232を貫通するように形成されている。貫通孔210cは、透明基体210の他方の端部において、電極パッド224及び電極パッド234を貫通するように形成されている。透明基体210の中央部に形成された貫通孔210aには、上記した金属柱300を固定するためのネジ320(図2参照)が挿入されて、金属柱300がネジ止め固定される。透明基体210の端部に形成された貫通孔210b及び210cには、それぞれ、上記した補助金属柱310を固定するためのネジ322(図2参照)が挿入されて、補助金属柱310がネジ止め固定される。
金属柱300がネジ止め固定されることにより、電極パッド220及び電極パッド230が金属柱300と電気的に接続される。一方の端部において補助金属柱310がネジ止め固定されることにより、電極パッド222及び電極パッド232が補助金属柱310と電気的に接続される。さらに、他方の端部において補助金属柱310がネジ止め固定されることにより、電極パッド224及び電極パッド234が補助金属柱310と電気的に接続される。これら金属柱300及び補助金属柱310により、発光素子100に外部からの電流印加が可能となり、素子を発光させることができる。
図2及び図3を参照して、発光素子100は発光装置200の光源として機能する。複数の発光素子100は、いずれも、窒化物半導体を用いて形成された発光ダイオード素子(LED)からなる。これら複数の発光素子100は、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bを含む。第1の発光素子100aは、透明基体210の表面212上に搭載されており、第2の発光素子100bは、透明基体210の裏面214上に搭載されている。すなわち、本実施の形態では、透明基体210の両面に、光源としての発光素子100が搭載されている。
さらに、透明基体210の表面212上には複数の第1の発光素子100aが搭載されている。透明基体210の裏面214上には複数の第2の発光素子100bが搭載されている。透明基体210に搭載される第1の発光素子100aの数と第2の発光素子100bの数とは異なる。本実施の形態では、透明基体210の裏面214上に搭載される第2の発光素子100bの数は、透明基体210の表面212上に搭載される第1の発光素子100aの数より少ない。
複数の発光素子100は、ダイボンドペーストからなる接着層240を介して透明基体210上に実装されている。ダイボンドペーストには透光性を有するシリコーン樹脂が使用されている。透明基体210上に実装された発光素子100は、金線等からなるワイヤ242を介して、電極パッドと電気的に接続されている。
複数の第1の発光素子100aはワイヤ242によって直並列に接続されている。複数の第2の発光素子100bもワイヤ242によって直並列に接続されている。直列接続された発光素子100の接続数はいずれも等しくなるように構成されているのが好ましい。
図3を参照して、透明基体210の裏面214上に搭載される第2の発光素子100bは、表面212又は裏面214に直交する方向から見て(平面図的に見て)、透明基体210の表面212上に搭載される第1の発光素子100aが搭載される位置からずれた位置に搭載されている。換言すると、透明基体210を平面図的に見た場合に(第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが同一面上に搭載されていると仮定した場合に)、透明基体210の表面212上に搭載される第1の発光素子100aと透明基体210の裏面214上に搭載される第2の発光素子100bとが全く重なり合っていない状態となっている。そのため、第1の発光素子100aの直下の領域には第2の発光素子100bが搭載されていない(第2の発光素子100bの直上の領域には第1の発光素子100aが搭載されていない。)。発光素子100の詳細については後述する。
再び図2を参照して、封止樹脂層250は、透明基体210の表面212上に形成される第1の封止樹脂層250aと、透明基体210の表面212上に形成される第2の封止樹脂層250bとを含む。封止樹脂層250は、耐熱性及び耐光性に優れた透明樹脂であるシリコーン樹脂からなる。封止樹脂層250には、発光素子100からの光を波長変換する蛍光体が含有されている。すなわち、封止樹脂層250中には複数の蛍光粒子260が分散されている。第1の封止樹脂層250aは、透明基体210の表面212上において、第1の発光素子100a及びワイヤ242を封止する。第2の封止樹脂層250bは、透明基体210の裏面214上において、第2の発光素子100b及びワイヤ242を封止する。さらに、第1の封止樹脂層250aは、透明基体210の表面212の全面を覆うように形成されている。第2の封止樹脂層250bは、透明基体210の裏面214の全面を覆うように形成されている。
蛍光体は、白色LEDでよく用いられているYAG(イットリウム・アルミ・ガーネット)蛍光体等を用いてもよい。さらに蛍光体としては、例えば、Ce:YAG(セリウム賦活イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体(Y3Al5O12:Ce,(Y,Gd)3Al5O12:Ce等)、Eu:BOSE(ユーロピウム賦活バリウム・ストロンチウム・オルソシリケート)蛍光体、Eu:SOSE(ユーロピウム賦活ストロンチウム・バリウム・オルソシリケート)蛍光体、ユーロピウム賦活αサイアロン蛍光体、Ce:TAG(セリウム附活テルビウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体(Tb3Al5O12:Ce等)、アルカリ土類(Eu附活M2Si5N8:Eu,MSi12O2N2:Eu等、Ce附活Ca3SC2Si3O12)、カズン−Eu(Eu附活CaAlSi3N3)、及び、La酸窒化物−Ce Ce附活LaAl(Si6−zAl2)N10−z0、βサイアロン系等を適用できる。(Sr,Ba,Mg)2SiO4:Eu、Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:Ce等からなる緑色蛍光体、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu、CaAlSiN3:Eu等からなる赤色蛍光体、(Si,Al)6(O,N)8:Eu、(Ba,Sr)2SiO4:Eu等からなる黄色蛍光体等を用いてもよい。ナノ蛍光体等も好適に用いることができる。
《発光素子100の構成》
図5を参照して、本実施の形態に係る発光素子100は、自身が発する光に対して透光性を有する成長基板110を備えている。成長基板としては、一般的にサファイア基板やGaN基板(窒化物半導体基板、AlInGaN基板、AlGaN基板、AlN基板等)、SiC基板、石英基板等の透光性を有する基板が好ましい。成長基板110は、主面110aを有する。成長基板110の主面110a上には、半導体多層膜を含む多層構造体150が形成されている。この多層構造体150は、成長基板110側から順に形成された、n型層120、MQW(Multiple Quantum Well)構造を有するMQW発光層130、及び、p型層140を含む。
本実施の形態では、成長基板110にサファイア基板を用いている。この成長基板110の厚みは例えば約120μmである。n型層120は、成長基板110の主面110a上に、バッファ層、下地層、n型窒化物半導体層、低温n型GaN/InGaN多層構造、及び、中間層である超格子層(以上、いずれも図示せず。)が主面110a側からこの順に形成されることによって構成されている。本実施の形態において、超格子層とは、非常に薄い結晶層を交互に積層することにより、その周期構造が基本単位格子よりも長い結晶格子からなる層を意味する。p型層140は、MQW発光層130上に、p型AlGaN層、p型GaN層及び高濃度p型GaN層(以上、いずれも図示せず。)がMQW発光層130側からこの順に形成されることによって構成されている。
バッファ層は、例えばAls0Gat0N(0≦S0≦1、0≦t0≦1、s0+t0≠0)からなる。バッファ層は、AlN層又はGaN層から構成されているとより好ましい。N(窒素)の極一部(例えば0.5%〜2%程度)をO(酸素)に置き換えてもよい。そうすることにより、成長基板110の主面110aの法線方向に伸張するようにバッファ層が形成されるので、結晶粒の揃った柱状結晶の集合体からなるバッファ層が得られる。バッファ層の厚みは、特に限定されないが、3nm以上100nm以下であるのが好ましく、5nm以上50nm以下であればより好ましい。
下地層は、例えばAls1Gat1Inu1N(0≦s1≦1、0≦t1≦1、0≦u1≦1、s1+t1+u1≠0)からなる。下地層は、Als1Gat1N(0≦s1≦1、0≦t1≦1、s1+t1≠1)から構成されているとより好ましく、GaN層から構成されているとさらに好ましい。下地層の厚みは、1μm以上8μm以下であるのが好ましい。
n型窒化物半導体層は、例えばAls2Gat2Inu2N(0≦s2≦1、0≦t2≦1、0≦u2≦1、s1+t1+u1≒1)にn型不純物がドーピングされた層からなる。n型窒化物半導体層は、Als2Ga1−s2N(0≦s2≦1、好ましくは0≦s2≦0.5、より好ましくは0≦s2≦0.1)にn型不純物がドーピングされた層から構成されているとより好ましい。n型不純物にはSiが用いられている。n型ドーピング濃度(キャリア濃度とは異なる)は、特に限定されないが、1×1019cm−3以下であるのが好ましい。
低温n型GaN/InGaN多層構造は、MQW発光層130に対する成長基板110及び下地層からの応力を緩和する機能を有する。この低温n型GaN/InGaN多層構造は、約7nmの厚みを有するn型InGaN層、約30nmの厚みを有するn型GaN層、約7nmの厚みを有するn型InGaN層、及び、約20nmの厚みを有するn型GaN層を交互に積層した多層構造からなる。
超格子層は、ワイドバンドギャップ層とナローバンドギャップ層とが交互に積層された超格子構造を有している。その周期構造は、ワイドバンドギャップ層を構成する半導体材料の基本単位格子及びナローバンドギャップ層を構成する半導体材料の基本単位格子よりも長い。超格子層の一周期の長さ(ワイドバンドギャップ層の厚みとナローバンドギャップ層の厚みとの合計厚み)は、MQW発光層130の一周期の長さよりも短い。超格子層の具体的な厚みは、例えば1nm以上10nm以下である。各ワイドバンドギャップ層は、例えばAlaGabIn(1−a−b)N(0≦a<1、0<b≦1)からなる。各ワイドバンドギャップ層は、GaN層から構成されていると好ましい。各ナローバンドギャップ層は、ワイドバンドギャップ層よりバンドギャップが小さく、かつ、MQW発光層130の各井戸層(図示せず)よりもバンドギャップが大きい半導体材料から構成されているのが好ましい。各ナローバンドギャップ層は、例えばAlaGabIn(1−a−b)N(0≦a<1、0<b≦1)からなる。各ナローバンドギャップ層は、GabIn(1−b)N(0<b≦1)から構成されていると好ましい。なお、ワイドバンドギャップ層及びナローバンドギャップ層の両方がアンドープであると駆動電圧が上昇するため、ワイドバンドギャップ層及びナローバンドギャップ層の少なくとも一方は、n型不純物がドーピングされているのが好ましい。
MQW発光層130は、バリア層及び井戸層(いずれも図示せず。)が交互に積層された多重量子井戸構造を有している。MQW発光層130の一周期(バリア層の厚みと井戸層の厚みとの合計厚み)の長さは、例えば5nm以上100nm以下である。各井戸層の組成は、半導体発光素子に求められる発光波長に合わせて調整される。例えば、各井戸層の組成は、AlcGadIn(1−c−d)N(0≦c<1、0<d≦1)とすることができる。各井戸層の組成は、Alを含まない、IneGa(1−e)N(0<e≦1)であればより好ましい。各井戸層の組成は同じであるのが好ましい。そうすることにより、各井戸層において、電子とホールとの再結合により発光する波長を同じにできる。そのため、半導体発光素子の発光スペクトル幅を狭くできるため好ましい。各井戸層の厚みは、1nm以上7nm以下であるのが好ましい。
バリア層は、井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きい方が好ましい。各バリア層の組成は、AlfGagIn(1−f−g)N(0≦f<1、0<g≦1)とすることができる。各バリア層の組成は、Alを含まないInhGa(1−h)N(0<h≦1)、又は、井戸層との格子定数をほぼ一致させたAlfGagIn(1−f−g)N(0≦f<1、0<g≦1)であればより好ましい。各バリア層の厚みは、小さいほど駆動電圧が低下する一方、極端に小さくすると発光効率が低下する傾向にある。そのため、各バリア層の厚みは、1nm以上10nm以下であるのが好ましく、3nm以上7nm以下であればより好ましい。
井戸層及びバリア層には、n型不純物がドーピングされている。ただし、井戸層及びバリア層には、n型不純物がドーピングされていなくてもよい。
p型層140は、例えばAls4Gat4Inu4N(0≦s4≦1、0≦t4≦1、0≦u4≦1、s4+t4+u4≠0)にp型不純物がドーピングされた層からなる。p型層140は、Als4Ga1−s4N(0<s4≦0.4、好ましくは0.1≦s4≦0.3)にp型不純物がドーピングされた層から構成されていればより好ましい。p型層140におけるキャリア濃度は、1×1017cm−3以上であるのが好ましい。ここで、p型不純物の活性率は0.01程度であることから、p型層140におけるp型ドーピング濃度(キャリア濃度とは異なる)は1×1019cm−3以上であるのが好ましい。ただし、MQW発光層130に近い層(例えばp型AlGaN層)では、p型ドーピング濃度はこれより低くてもよい。p型層140の厚み(3層の合計厚み)は、特に限定されないが、例えば50nm以上1000nm以下とすることができる。p型層140の厚みを小さくすれば、その成長時における加熱時間を短縮できるため、p型不純物のMQW発光層130への拡散を抑制できる。
上記多層構造体150はさらに、n型層120の一部が露出された領域である露出部と、露出部の外側の領域であるメサ部とを含む。
図5及び図6を参照して、露出部の上面上(n型層120上)には、n側電極160が形成されている。このn側電極160は、ワイヤボンド領域であるパッド部160aと、このパッド部160aと一体に形成された電流拡散を目的とする細長い突出部160b(枝電極)とを含む。メサ部の上面上(p型層140上)には、透光性電極170を介してp側電極180が形成されている。透光性電極170は、メサ部上において、比較的広い範囲にわたって広面積に形成されている。p側電極180は、透光性電極170上の一部の領域に形成されている。このp側電極180は、ワイヤボンド領域であるパッド部180aと、このパッド部180aと一体に形成された電流拡散を目的とする細長い突出部180b(枝電極)とを含む。
n側電極160は、n型層120上に、例えばチタン層、アルミニウム層及び金層がこの順に積層された多層構造を有する。n側電極160の厚みは例えば約1μmである。ワイヤボンドを行なう場合の強度を想定すると、n側電極160は1μm程度の厚みを有していればよい。
透光性電極170は、例えばITO(Indium Tin Oxide)から構成されている。その厚みは、例えば20nm以上200nm以下である。p側電極180は、透光性電極170上に、例えばニッケル層、アルミニウム層、チタン層及び金層がこの順に積層された多層構造を有する。p側電極180の厚みは例えば約1μmである。p側電極180においても、ワイヤボンドを行なう場合の強度を想定すると、その厚みは1μm程度であればよい。
発光素子100の上面には、SiO2からなる絶縁性の透明保護膜190が設けられている。この透明保護膜190は、発光素子100の上面のほぼ全体を覆うように形成されている。ただし、透明保護膜190は、p側電極180のパッド部180a及びn側電極160のパッド部160aを露出させるようにパターニングされている。
[発光装置200の光出射パターン]
図7を参照して、本実施の形態に係る発光装置200の光出射パターンについて説明する。本実施の形態に係る発光装置200は、透明基体210の両面に発光素子100が搭載されているため、光の出射パターンは複雑になる。本発光装置200の代表的な光出射パターンとして、以下の光出射パターンが挙げられる。
光出射パターンは、透明基体210の表面212上に搭載された第1の発光素子100aから上方(上部方向)に出射されるパターン(パターンA及びパターンB)、第1の発光素子100aから下方(下部方向)に出射されるパターン(パターンC及びパターンD)、透明基体210の裏面214上に搭載された第2の発光素子100bから上方(上部方向)に出射されるパターン(パターンE及びパターンF)、及び、第2の発光素子100bから下方(下部方向)に出射されるパターン(パターンG及びパターンH)に大きく分類される。
パターンAは、第1の発光素子100aから発光装置200の上部方向に出射された光が、表面212側の第1の封止樹脂層250a中で蛍光体に吸収されずに第1の発光素子100aの発光色のまま外部に出射される光出射パターンである。パターンBは、第1の発光素子100aから発光装置200の上部方向に出射された光が、表面212側の第1の封止樹脂層250a中で蛍光体に吸収されて波長変換され、その波長変換された光が外部に出射される光出射パターンである。パターンCは、第1の発光素子100aから発光装置200の下部方向に出射された光が、透明基体210に入射し、さらに裏面214側の第2の封止樹脂層250bに入射し、第2の封止樹脂層250b中の蛍光体に吸収されずに第1の発光素子100aの発光色のまま外部に出射される光出射パターンである。パターンDは、第1の発光素子100aから発光装置200の下部方向に出射された光が、透明基体210に入射し、さらに裏面214側の第2の封止樹脂層250bに入射し、第2の封止樹脂層250b中の蛍光体に吸収されて波長変換され、その波長変換された光が外部に出射される光出射パターンである。
パターンEは、第2の発光素子100bから発光装置200の上部方向に出射された光が、表面212側の第1の封止樹脂層250a中で蛍光体に吸収されずに第2の発光素子100bの発光色のまま外部に出射される光出射パターンである。パターンFは、第2の発光素子100bから発光装置200の上部方向に出射された光が、表面212側の第1の封止樹脂層250a中で蛍光体に吸収されて波長変換され、その波長変換された光が外部に出射される光出射パターンである。パターンGは、第2の発光素子100bから発光装置200の下部方向に出射された光が、透明基体210に入射し、さらに裏面214側の第2の封止樹脂層250bに入射し、第2の封止樹脂層250b中の蛍光体に吸収されずに第2の発光素子100bの発光色のまま外部に出射される光出射パターンである。パターンHは、第2の発光素子100bから発光装置200の下部方向に出射された光が、透明基体210に入射し、さらに裏面214側の第2の封止樹脂層250bに入射し、第2の封止樹脂層250b中の蛍光体に吸収されて波長変換され、その波長変換された光が外部に出射される光出射パターンである。
このように、透明基体210の両面に発光素子100を搭載することにより、透明基体210の表面212に搭載された第1の発光素子100aから発光装置200の下部方向に出射された光がパターンC及びパターンDのように、発光装置200の下方に取出される。一方、透明基体210の裏面214に搭載された第2の発光素子100bから発光装置200の上部方向に出射された光がパターンG及びパターンE及びパターンFのように、発光装置200の上方に取出される。透明基体210の両面に搭載された発光素子100から出射された光が、透明基体210を通してクロスして出射されるため、効率よく全方位型の光出射パッケージ(発光装置)を実現できる。
従来の発光装置では、光取出し効率を向上させるために、発光素子の搭載面に反射膜を形成している。発光素子搭載面に反射膜を形成した場合、反射膜の反射率は90%程度となるため、反射ロスによる効率低下を起こす。本実施の形態に係る発光装置200では、こうした反射膜を形成することなく、効率よく発光素子100から光取出しを行なうことが可能となるため、反射膜を使用することなく広範囲において光を出射できる。
図8及び図9を参照して、本実施の形態に係る発光装置200とは異なり、透明基体1210の表面1212及び裏面1214の一部が封止樹脂層250で覆われていない発光装置の光出射パターンについて説明する。
図8を参照して、この発光装置は、透明基体1210の一部に封止樹脂層250で覆われていない領域Sを有している。図9を参照して、このような発光装置では、上記したパターンA〜パターンH(図7参照)に加えて、パターンK及びパターンLの光出射パターンを有する。パターンKは、例えば発光素子100から下部方向に出射され、透明基体1210に入射しそのまま透明基体1210から外部に出射される光出射パターンである。パターンLは、例えば発光素子100から上部方向に出射され、透明基体1210に入射し、透明基体1210の表面で反射してそのまま透明基体210から外部に出射される光出射パターンである。
このように、透明基体1210の一部に、蛍光体を含有した封止樹脂層250によって覆われていない領域Sが存在すると、この領域Sから出射パターンK及びLといった経路をたどって発光素子100の発光色のままの光が多く出射されてしまうため色むらが引起こされる。
本実施の形態に係る発光装置200では、蛍光体を含有した封止樹脂層250によって透明基体210の表面212及び裏面214の全面が覆われているため、パターンK及びパターンLのような光出射パターンを有さない。そのため、発光素子100の発光色のままの光が多く出射されてしまうことに起因する色むらの発生を抑制できる。
上述したように、本実施の形態では、発光素子100からの光が透明基体210を透過して発光装置200の上部方向にも、下部方向にも出射される。この際、透明基体210側に出射される発光素子100からの光の分布を見ると、発光素子100直下の光が最も多い。発光層(活性層)から下方に出射された光は、成長基板110(図5参照)の裏面から接着層240(ダイボンドペースト)を通って透明基体210へと入射していく。こうした光の出射パターンは、図7に示すパターンC及びパターンD等に加えて、例えばパターンJを有する場合がある。
図7を参照して、パターンJは、第1の発光素子100aから発光装置200の下部方向に出射された光が、第2の発光素子100bの搭載されている領域から当該第2の発光素子100b中に成長基板を透過して入射し外部に出射される光出射パターンである。
光出射パターンC及びDは、第1の発光素子100aから下方に出射され、第2の発光素子100bが搭載されていない領域から、透明基体210の裏面214に形成された、蛍光体を含有する封止樹脂層250に出射される光となる。この場合、光のロス(吸収等)は非常に少なく、効率よく発光装置200の外部に光が出射される。
一方、光出射パターンJのような、第2の発光素子100b中に成長基板側から入射してしまう光は、第2の発光素子100bの表面に形成されたn及びpの両電極及びITO電極等によって吸収されてしまう可能性がある。光出射パターンJの経路で出射される光の中には、第2の発光素子100bの電極等に吸収されずに取出される光もあるが、光出射パターンC及びD等に比べ、光出射パターンJの光は吸収されてしまう確率が高い。
透明基体210に入射する光の面内分布としては、発光素子100の直下が最も多いので、平面図的に見た場合に、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが同じ位置に搭載されていると、光出射パターンJの光量が増加して光の吸収につながるため好ましくない。
本実施の形態に係る発光装置200では、透明基体210の表面212に搭載されている第1の発光素子100aと透明基体210の裏面214に搭載されている第2の発光素子100bとの搭載位置がずれているため、こうした光の吸収が抑制される。
[発光素子100の配置]
図10及び図11を参照して、発光素子100の配置について説明する。本実施の形態では、透明基体210の裏面214に搭載されている第2の発光素子100bが、透明基体210の表面212に搭載されている第1の発光素子100aの搭載位置からずれた位置に搭載されている。この場合、平面図的に見て、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが全く重ならないように搭載されているのが好ましい。なお、図10及び図11では、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bが透明基体210の面内において同じ方向に配置されているものとして説明する。
図10を参照して、平面図的に見て、第1の発光素子100aと当該第1の発光素子100aに隣接する第2の発光素子100bとを横方向に隔てる距離(チップ間横距離)をd、縦方向に隔てる距離(チップ間縦距離)をtとした場合に、d>0、かつ、t>0であれば、平面図的に見て、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが全く重ならない状態となる。
図11を参照して、d<0及び/又はt<0の場合は、平面図的に見て、第1の発光素子100aが隣接する第2の発光素子100bに対して少なくとも一部が重なった状態となる。重なっている領域の横幅が例えば10μm、縦幅が例えば50μmの場合、d=−100(μm)、t=−50(μm)となる。発光素子100が複数個搭載されている場合に、全ての発光素子100が全く重ならないように配置されているのが好ましいが、金属柱300及び補助金属柱310の位置、パッケージレイアウト等によっては、第1の発光素子100aが隣接する第2の発光素子100bに対して一部重なった状態となっていてもよいし、複数の発光素子100のうちの一部の発光素子において、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが重なり合った状態となっていてもよい。第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとは、平面図的に見て、完全に重なり合わないように搭載されているのが好ましく、全く重ならないように搭載されていればより好ましい。本実施の形態において「完全に重なり合う」とは、平面図的に見た場合に、同じ大きさ及び同じ形状の発光素子が、透明基体210の両面に、同じ向きで同じ位置に搭載されている状態をいう。
第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが重なって搭載された場合、チップ間横距離d<0とチップ間縦距離t<0の場合には、透明基体210の表面212に搭載された第1の発光素子100aから発せられた熱が、重なって搭載された裏面214の第2の発光素子100bに伝わる。逆に、透明基体210の裏面214に搭載された第2の発光素子100bから発せられた熱が、重なって搭載された表面212の第1の発光素子100aに伝わる。そのため、互いに熱の干渉を受けるため好ましくない。発熱による熱を放熱するという観点からは、d>0かつt>0が好ましい。さらに好ましくは、d>50(μm)、t>50(μm)である。
[製造方法]
図1〜図4を参照して、本実施の形態に係る発光装置200の製造方法について説明する。まず、図3に示すような透明基体210を準備する。透明基体210の表面212及び裏面214を非平滑面とする。例えば、透明基体210の表面212及び裏面214を研磨せずに、凹凸を残したままの面とする。その他、意図的にストライプ及びディンプル等の凹凸を設けてもよい。表面212及び裏面214を非平滑面とすることにより、透明基体210の表面212及び裏面214に別途透光性部材を設けなくても発光素子100の下面から透明基体210に導光された光を効率よく外部に取出すことができる。
次に、透明基体210の所定の領域に金属柱300及び補助金属柱310を固定するための貫通孔210a〜210cを形成する。各貫通孔が形成された領域に、電極パッドを形成する。電極パッドは、透明基体210の両面に形成する。なお、貫通孔を形成する工程の前に電極パッドを形成する工程を行ない、電極パッドを形成した後に、電極パッドの形成領域に貫通孔を形成するようにしてもよい。
その後、透明基体210の表面212上に第1の発光素子100aをダイボンドペーストにより実装する。具体的には、第1の発光素子100aをシリコーン樹脂からなるダイボンドペーストを用いて載置し、150℃で2〜3時間加熱することでダイボンドペーストを硬化させて第1の発光素子100aを透明基体210に接着する。同様に、透明基体210の裏面214上に第2の発光素子100bをダイボンドペーストにより実装する。透明基体210の両面に発光素子100を搭載した後、各発光素子100をワイヤ242で結線する。
続いて、蛍光体を含有した透明樹脂を、透明基体210の片面に塗布し、オーブンにて150℃程度の温度で2時間程度加熱して透明樹脂を硬化させる。硬化して透明樹脂の形状が安定した後、残りの一面に蛍光体を含有した透明樹脂を塗布し、同じ条件で硬化させる。これにより、図4に示すように、透明基体210の両面に、蛍光体を含有した封止樹脂層250が形成され、この封止樹脂層250によって第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bが封止される。この際、透明基体210の表面212及び裏面214の全面が封止樹脂層250で覆われるように透明樹脂を塗布する。また、透明基体210の貫通孔210a〜210cは、後の工程で金属柱300及び補助金属柱310を固定するために透明樹脂で埋まらないようにする。このように、透明基体210の両面に封止樹脂層250を形成する場合には、片面ずつ透明樹脂を塗布して硬化させることで、透明樹脂の形状を安定させて両面とも同じような形状の封止樹脂層250を形成できる。
これにより、本実施の形態に係る発光装置200が製造される。こうして製造された発光装置200に金属柱300及び補助金属柱310を固定する。具体的には、図2に示すように、透明基体210の貫通孔210aにネジ320を挿入して金属柱300を透明基体210にネジ止め固定する。さらに、透明基体210の貫通孔210b及び210cにそれぞれネジ322を挿入して補助金属柱310を透明基体210にネジ止め固定する。
図1を参照して、金属柱300及び補助金属柱310が固定された発光装置200を照明装置の本体部分に固定してバルブ60を取付けることにより、電球型のLEDランプに組立てる。これにより、本実施の形態に係る照明装置50が製造される。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る発光装置200及び照明装置50は、以下に述べる効果を奏する。
透明基体210の表面212上に第1の発光素子100aを搭載し、透明基体210の裏面214上に第2の発光素子100bを搭載する。第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bは透光性の接着層240を介して透明基体210に固定されている。第1の発光素子100aから出射された光は、第2の発光素子100bとは反対側(上部方向)に出射されるとともに、第1の発光素子100aの下面から出射された光は、接着層240及び透明基体210を透過して、第2の発光素子100bの側(下部方向)にも出射される。第2の発光素子100bから出射された光は、第1の発光素子100aとは反対側(下部方向)に出射されるとともに、第2の発光素子100bの下面から出射された光は、接着層240及び透明基体210を透過して、第1の発光素子100aの側(上部方向)にも出射される。したがって、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bから出射された光は、発光装置200の上方側及び下方側に出射されるため、広範囲に光が出射される。
本発光装置200では、透明基体210の両面に発光素子100が搭載される。第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bにより、発光装置200の上方側及び下方側に出射される光の光量を容易に制御できる。さらに、第1の発光素子100aが搭載される位置からずれた位置に第2の発光素子100bを配することによって、第1の発光素子100aから透明基体210側に出射された光が第2の発光素子100bで吸収されるのを抑制できる。同様に、第2の発光素子100bから透明基体210側に出射された光が第1の発光素子100aで吸収されるのを抑制できる。したがって、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bからの光を効率よく外部に出射できる。
さらに、透明基体210の両面に発光素子100を搭載することにより、発光素子100からの熱が透明基体210の両面に均一に分散できるため、放熱性を改善して、発光素子100の温度を低下させることができる。
例えば、透明基体の片面にのみ発光素子を搭載する場合、発光素子から発生する熱が透明基体の表面(発光素子搭載面)に集中し、発光素子搭載面の温度が上昇しやすくなり高温になる。発光素子を複数個搭載した場合、各発光素子からの熱により発光素子の温度が上昇しやすくなる。そのため、透明基体の片面にのみ発光素子を搭載した発光装置では、素子の温度上昇に起因して発光強度が低下することがある。
本実施の形態では、透明基体210の両面に発光素子100を搭載するため、片面にのみ発光素子を搭載した発光装置と同じ明るさで発光素子100を光らせた場合、素子からの熱が透明基体210の両面に均一に分散するため、素子温度を低下させることができる。本発光装置200ではさらに、第1の発光素子100aが搭載される位置からずれた位置に第2の発光素子100bが搭載されているため、放熱性をより改善して、発光素子100の温度をより一層低下させることができる。
さらに、透明基体210の厚みxを200μm以上とすることにより、放熱特性を向上させることができるとともに、機械的強度を向上させることができる。透明基体210の厚みxが200μmより小さい場合、表面212に搭載された第1の発光素子100aと裏面214に搭載された第2の発光素子100bとの熱の干渉が強くなる場合がある。また、透明基体210の厚みxが200μmより小さくなると、透明基体の機械的強度が低下して破損しやすくなる。
透明基体210を平面図的に見た場合に、第1の発光素子100aと当該第1の発光素子100aに隣接する第2の発光素子100bとを隔てる距離を0より大きくすることによって、透明基体210を平面図的に見た場合に、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが重ならないように各発光素子100を配置できる。そのため、容易に、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bからの光を効率よく外部に出射できる。加えて、放熱特性をより一層向上できる。
上記隔てる距離を50μmより大きくすることにより、より容易に、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bからの光を効率よく外部に出射できる。加えて、放熱特性をさらに一層向上できる。
蛍光体を含有する封止樹脂層250で第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bを封止することによって、第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bから出射された光を封止樹脂層250に含有された蛍光体で波長変換できる。そのため、発光装置200の出射光の色を容易に制御できる。
透明基体210の表面212及び裏面214の全面を封止樹脂層250で覆うことによって、透明基体210内に入射された後に透明基体210から取出される光を封止樹脂層250に入射させることができる。ここで、透明基体210の主面の一部に封止樹脂層250で覆われていない部分が存在すると、上述したように、封止樹脂層250で覆われていない部分から発光素子100の発光色のままの光が外部に取出される。この場合、発光素子100の発光色のままの光が多く出射されてしまうため色むらを引起こす。本発光装置200では、上記のように、透明基体210の表面212及び裏面214の全面が封止樹脂層250で覆われているため、発光素子100の発光色のままの光が多く出射されてしまうのを抑制できる。その結果、発光装置200の色むらを抑制できる。
さらに、第1の発光素子100aの搭載数と第2の発光素子100bの搭載数とを異ならせることにより、発光装置200の上方側及び下方側に出射される光の光量をより容易に制御できる。
(第2の実施の形態)
図12を参照して、本実施の形態に係る発光装置500は、透明基体210の裏面214に搭載される発光素子の種類が第1の実施の形態とは異なる。なお、図12では補助金属柱が省略されている。
本実施の形態では、透明基体210の表面212には青色光を出射する第1の発光素子100a(100)が搭載されており、透明基体210の裏面214には赤色光を出射する発光素子(LED)510が搭載されている。透明基体210の表面212上には、第1の発光素子100aを封止する第1の封止樹脂層250aが形成されている。透明基体210の裏面214上には、第2の発光素子を封止する第2の封止樹脂層250bが形成されている。第1の封止樹脂層250a及び第2の封止樹脂層250bには、黄色蛍光体であるYAG蛍光体が含有されている。
青色光を出射する第1の発光素子100a(青色LED)とYAG蛍光体との組合せは、赤色が弱いといった不都合があるものの、上記のように構成することによって、そうした不都合を改善できる。
(第3の実施の形態)
図13を参照して、本実施の形態に係る発光装置600は、上記第1の実施の形態に係る発光装置200において、封止樹脂層250を被覆する透明封止樹脂層650をさらに含む。なお、図13では補助金属柱が省略されている。
本実施の形態では、封止樹脂層250が透明封止樹脂層650で被覆されているため、発光素子100を封止する封止樹脂層(透明樹脂層)が2層構造となっている。外側の透明封止樹脂層650は、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びガラス等によって形成されている。この透明封止樹脂層650には蛍光体が含有されていない。
さらに、透明封止樹脂層650の表面は、球状又は凸形状とされている。透明封止樹脂層650の表面をこのような形状とすることにより、発光素子100から発する光、及び封止樹脂層250に含まれる蛍光体から発する光を、球状又は凸形状の透明封止樹脂層650で周囲に無指向に放出できる。
透明封止樹脂層650は光学レンズとして機能させることも可能である。これにより全方向へ均等な光を放出することが可能な発光装置600が得られる。透明封止樹脂層650は、例えばトランスファー成型等により形成できる。透明封止樹脂層650の形成にトランスファー成型等の成型方法を用いることにより、透明封止樹脂層650の表面をあらゆる光学レンズ状の曲面に成型することが可能である。
なお、透明封止樹脂層650の屈折率は、蛍光体を含有する封止樹脂層250と同等かそれより小さい屈折率であるのが光取出しの観点からは好ましい。
(第4の実施の形態)
図14を参照して、本実施の形態に係る照明装置750は、発光装置200Aを交流駆動するためのAC駆動回路760を含む。すなわち、本実施の形態に係る照明装置750は、AC/DCコンバータに代えて、AC駆動回路760を搭載することにより、時間とともに周期的に大きさとその正負が変化する交流で直接、発光装置200A(発光素子100)を駆動する。なお、図14では発光素子100が直列接続された部分の等価回路を示している。
照明装置750に搭載される発光装置200Aは、第1の実施の形態に係る発光装置200とほぼ同じ構成であるが、透明基体の表面に搭載される第1の発光素子100aと透明基体の裏面に搭載される第2の発光素子100bとが極性が逆になるように接続されている。そのため、例えば、透明基体の表面に搭載した第1の発光素子100aは電圧が正のときに発光し、透明基体の裏面に搭載した第2の発光素子100bは電圧が負のときに発光する。第1の発光素子100a及び第2の発光素子100bをこのように駆動することにより、発熱の発生箇所を空間的、時間的に分離できる。すなわち、表面側の第1の発光素子100aが発光しているときは、裏面側の第2の発光素子100bは発光しておらず、放熱している。逆に、裏面側の第2の発光素子100bが発光しているときは、表面側の第1の発光素子100aは発光しておらず、放熱している。このように、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとを交互に発光させることにより、より放熱効果を高めることができる。
(変形例)
上記実施の形態では、電球型のLEDランプに本発明を適用した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。電球型のLEDランプ以外の照明装置に本発明を適用することもできる。
上記実施の形態では、サファイアからなる透明基体を用いた例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。透明基体の構成材料はサファイア以外であってもよい。透明基体の構成材料は、光透過性を有することに加えて、高い熱伝導性を有しているのが好ましい。このような熱伝導性の高い材料としては、例えば、サファイア、GaN、酸化ベリリウム(ベリリア)、ZnO、SiC、Si、ZnS、AlN、SiC、ダイヤモンド及びルビー等の単結晶材料又は多結晶材料等、若しくはそれらの結晶体で形成されたセラミック材料等を用いることができる。
特に透明基体として導電性を有する部材を使用すると、発光素子の搭載面でも導通を得ることができるので、ワイヤボンディングは一方の電極のみで足りる。そのため、ワイヤの数を減らして製造コストの削減及び歩留まりを向上できる。したがって、透明基体に導電性を有する部材を用いることにより、信頼性の向上に寄与できる。特にワイヤは、これを封止する樹脂中で熱膨張係数の違い等によって断線するおそれがあるため、ワイヤの使用本数を減らすことでこのようなリスクを低減できる。
また、発光素子と透明基体との界面における反射を低減するために、これらの間の屈折率を調整することが好ましい。発光素子が成長基板上に素子構造体が支持されている場合、成長基板と透明基体との屈折率差が小さいことが好ましく、または成長基板の屈折率が透明基体の屈折率より大きくなるように両者の材質を決定することにより、光の反射を少なくすることができる。例えば、成長基板としてのサファイア基板上に半導体層を成長させた発光素子を用いる場合、透明基体はサファイアからなる透明基体を使用することが好ましい。サファイアの透明基体よりも屈折率の低い石英の透明基体を用いてもよい。成長基板を有さないGaN系半導体素子であれば、GaNからなる透明基体を用いることが好ましく、GaNより屈折率の低いサファイア及び石英の透明基体を用いることが好ましい。
上記実施の形態では、透明基体の表面上に搭載された第1の発光素子の成長基板側から出射された光は、透明基体を通り、さらに透明基体の裏面上に形成された、蛍光体を含有する第2の封止樹脂層中に入射し、そのまま透過して発光装置の下方に出射されたり、第2の封止樹脂中の蛍光体によって、緑又は赤色の波長に波長変換されたりして、発光装置の下方に出射される。このため、透明基体の屈折率と封止樹脂層の屈折率差が小さいことが好ましい。このため、封止樹脂層を構成する透明樹脂としては、屈折率が1.35〜1.58程度のシリコーン樹脂が、透明基体としては、酸化アルミニウム(例えばサファイア等)の焼結体であるセラミック基体、サファイアの透明基体、石英の透明基体等が好適であると考えられる。屈折率の関係として、成長基板≧透明基体≧透明樹脂(封止樹脂層)の関係性が好ましい。
上記実施の形態では、透明基体の表面及び裏面を非平滑面とした例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。透明基体の表面及び裏面は平滑面としてもよいし、透明基体の表面及び裏面の一方を非平滑面としてもよい。さらに、透明基体の表面及び裏面を曲面にしてもよい。このようにすれば、透明基体の表面及び裏面で全反射される光の成分を低減できるので、透明基体の内部に光が閉じ込められて光取出しが抑制されるのを防ぐことができる。
上記実施の形態では、発光素子を固定するためのダイボンドペーストにシリコーン樹脂を用いた例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。上記実施の形態におけるダイボンドペーストとして、発光素子と透明基体とを固定するとともに、発光素子からの光を透過することが可能な材料であれば、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等の有機材料、無機材料、並びにこれらのハイブリッド材料を用いることができる。具体的には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂及びポリイミド樹脂、熱安定性が高いシリコーン樹脂等からなるダイボンドペーストが挙げられる。ダイボンドペースト(接着層)が、光及び熱等による劣化で着色すると光の取出し効率が低下するため、耐熱性、耐光性及び熱伝導性を備えることが望ましい。さらに、ダイボンドペーストの熱膨張率を調整するため、又は導電性を高めるために、これらの樹脂にフィラーを含有させることもできる。フィラーを入れることで、ダイボンドペースト内の光散乱効果をあげることができるため、光取出しに関して好ましい。
上記実施の形態では、金属柱及び補助金属柱をAl合金から構成した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、熱伝導性と導電性に優れた素材の表面に発光素子からの光を反射することが可能な金属メッキを施した金属柱及び補助金属柱を用いることもできる。金属柱の構成材料(素材)であって、熱伝導性に優れた素材として、例えば銅、鉄・ニッケル・コバルトの合金であるコバール(商標)及び、コバールと銅の合金等が挙げられる。これらの素材は、通常の導電体よりも熱伝導性に優れているため、放熱性を向上して更なる高出力にも対応できる。特に、金属柱及び補助金属柱の素材として、耐食性、耐摩耗性、メッキ性、ろう付け性、耐応力腐食割れ性、導電性、熱伝導性に優れ、プレス、曲げ、絞り等の加工性にも優れたりん青銅を用いることが好ましい。また、上記の素材の表面にメッキを施す前に、予め銅ストライクメッキを施すことが好ましい。このように、素材の酸化物を除去し、活性化とメッキを同時に行なうことにより、素材が密着性のよい銅皮膜で覆われ、この後のメッキの付き回りが改善されると同時に、耐食性も向上することができる。さらに、メッキ浴中への素材金属の溶解も防ぐことができ、浴の汚染を防止することもできる。このように表面処理された素材に、発光素子からの光を反射することが可能なメッキを有していることが好ましい。特にメッキとして、光沢度が90以上である導電性膜が設けられていることが好ましい。上記光沢度は、JIS規格に基づき発光素子からの光を60°で入射したときの鏡面反射率が80%となる、屈折率1.567のガラス面を光沢度0と規定し、日本電色工業株式会社製VSR300A微小面色差計にて測定した値を用いることができる。具体的なメッキ主材料として、Au,Ag,及びAl等が挙げられる。
上記実施の形態では、1つの金属柱と2つの補助金属柱とを用いて発光装置を支持する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、2つの金属柱で発光装置を支持するようにしてもよい。
上記実施の形態では、発光素子を直流駆動又は交流駆動する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、発光素子をパルス駆動してもよい。
上記実施の形態では、第1の発光素子及び第2の発光素子をそれぞれ複数個透明基体上に搭載した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。第1の発光素子及び第2の発光素子の少なくとも一方の搭載数は単数であってもよい。第1の発光素子及び第2の発光素子の搭載数は適宜設定できる。透明基体の表面上に搭載される第1の発光素子の数と、裏面上に搭載される第2の発光素子の数は同じ数であってもよいし、第1の発光素子の方が第2の発光素子より多くてもよい。さらに第2の発光素子の方が第1の発光素子より多くてもよい。
発光素子の形状、層構造、電極構造等により、発光素子から出射される光量及び出射方向が異なるため、それらの違いを考慮して、透明基体の表面に搭載する第1の発光素子の数と、透明基体の裏面に搭載する第2の発光素子の数を変えることができる。異なる数を搭載することで、自由に、発光装置の光量と、その出射方向を制御できる。上記実施の形態では、第1の発光素子の数を第2の発光素子の数より多くした例について示した。そのため、照明装置である電球の上部方向に出射される光を多くできる。逆に、透明基体の裏面上に搭載される第2の発光素子の数を表面上に搭載される第1の発光素子の数より多くすることにより、下部方向に出射される光を多くすることができる。
さらに、透明基体の表面と裏面とに異なる数の発光素子を搭載した場合に、発光素子の上に形成される、第1の封止樹脂層及び第2の封止樹脂層に含まれる蛍光体の量を変えることにより、発光装置の上部方向と下部方向に出射される光の色度をほぼ同じにすることもできる。このように色度を同じにすることで、より均一な発光色を有する広角度放射発光装置を作製できる。さらに、意図的に、第1の封止樹脂層と第2の封止樹脂層とに含まれる蛍光体の量を変えて、発光装置の上部方向と下部方向に出射される光の色度変えてもよい。第1の封止樹脂層と第2の封止樹脂層とに含まれる蛍光体が異なっていてもよい。例えば、上述した蛍光体群から選ばれた異なる蛍光体が含まれ、第1の封止樹脂層には緑色蛍光体、第2の封止樹脂層には赤色蛍光体等の異なる種類の蛍光体を含有させてもよい。
上記実施の形態において、透明基体に搭載される複数の発光素子は、全て同じ種類の発光素子としてもよいし、異なる種類の発光素子を含むようにしてもよい。
上記実施の形態では、透明基体に搭載される複数の発光素子を、透明基体の表面及び裏面においてそれぞれ直並列に接続した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、透明基体の表面に搭載される複数の第1の発光素子を全て直列接続にしてもよいし、全て並列接続にしてもよい。透明基体の裏面に搭載される複数の第2の発光素子についても、全て直列接続にしてもよいし、全て並列接続にしてもよい。なお、1つの駆動回路で第1の発光素子及び第2の発光素子を駆動する場合は、直接接続されている発光素子の接続数は同じになるように構成されているのが好ましい。
上記実施の形態において、透明基体の表面に搭載される第1の発光素子と裏面に搭載される第2の発光素子とを別系統で駆動させるようにしてもよい。すなわち、第1の発光素子と第2の発光素子とを別々の駆動回路で駆動させるようにしてもよい。この場合、透明基体の表面側の発光素子と裏面側の発光素子とで直列接続の接続数を異ならせることができる。第1の発光素子の搭載数と第2の発光素子の搭載数とが異なる場合でも容易に発光装置を作製することが可能となる。一例として、透明基体の表面上に第1の発光素子を18個搭載し、透明基体の裏面上に第2の発光素子を8個搭載した発光装置を作製することができる。
上記実施の形態では、金属柱及び補助金属柱にリード端子(リード線(導入線))としての機能を持たせた例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。金属柱及び補助金属柱にリード端子としての機能を持たさずに、別途リード線(導入線)等を設けるようにしてもよい。このように構成した場合、第1の発光素子と第2の発光素子とを別々の駆動回路で容易に駆動させることができる。さらに、例えば金属柱にはリード端子としての機能を持たさずに、2つの補助金属柱にリード端子(導入線)としての機能を持たせた構成とすることもできる。
上記実施の形態では、平面図的に見て、第1の発光素子と第2の発光素子とが全く重ならないように各発光素子を搭載した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、平面図的に見て、第1の発光素子と第2の発光素子とが一部重なった状態で搭載されていてもよい。
上記実施の形態では、透明基体を、平面図的に見て略矩形状に形成した例について示したが本発明はそのような実施の形態には限定されない。透明基体の形状は矩形状以外の形状であってもよい。例えば、図15に示すように、透明基体を平面図的に見て円形状に形成することもできる。図15を参照して、本発明の変形例に係る発光装置は、円形状の透明基体810を含む。透明基体810の表面上には複数の第1の発光素子100aが搭載されている。透明基体810の裏面上には複数の第2の発光素子100bが搭載されている。第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが同じ向きに搭載されていない場合、すなわち綺麗に並んでいない場合、チップ間距離は発光素子同士(チップ同士)の最も近い距離をZとして規定する。この場合には、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bとが平面図的に見て完全に重なり合うことはないが、チップ間距離ZはZ>0であるのが好ましい。なお、このような円形状の透明基体810を用いる場合、第1の発光素子及び第2の発光素子は図15に示すような円形状(同心円状)に配置してもよい。
上記実施の形態では、透明基体に金属柱及び補助金属柱をネジ止め固体した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。金属柱及び補助金属柱の固定方法として、ネジ止め以外に、例えばリベット、かしめ、溶接、接着、係止、係合及び嵌合等の他の固定方法を用いてもよい。なお、上記実施の形態において、透明基体に形成された貫通孔の内側面上に、表面側の電極パッドと裏面側の電極パッドとを電気的に接続する接続部を形成する構成としてもよい。この場合、貫通孔に金属柱及び補助金属柱を挿入することによって、金属柱及び補助金属柱と電極パッドとを電気的に接続することができる。
上記実施の形態において、発光素子の素子構成は適宜変更することができる。例えば、第1の実施の形態では、発光素子の透明電極にITOからなる透明電極を用いた例について示したが、透明電極はITO以外に例えばIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜を用いることもできる。また、発光素子のn側電極は上記以外に例えばW/Al、Ti/Al、Ti/Al/Ni/Au、W/Al/WPt/Au及びAl/Pt/Au等であってもよい。
上記第2の実施の形態では、透明基体の表面上に青色光を出射する発光素子を搭載し、透明基体の裏面上に赤色光を出射する発光素子を搭載した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、透明基体の表面上に赤色光を出射する発光素子を搭載し、透明基体の裏面上に青色光を出射する発光素子を搭載するようにしてもよい。さらに、透明基体の表面上及び裏面上の少なくとも一方に青色光を出射する発光素子と赤色光を出射する発光素子とを混在させて搭載してもよい。さらに、赤色光を出射する発光素子及び青色光を出射する発光素子以外の発光素子を透明基体上に搭載するようにしてもよい。
上記第3の実施の形態では、透明封止樹脂層を蛍光体が含有しない構成とした例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。透明封止樹脂層に蛍光体を含有させた構成とすることもできる。さらに透明封止樹脂層の一部(例えば透明基体の表面側及び裏面側の一方)に蛍光体を分散させた構成としてもよい。
本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
上記で開示された技術を適宜組合せて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。