JP6060654B2 - 熱間鍛造用鋼の製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ベイナイト単相組織とすることにより高い強度およびじん性を確保した、熱間鍛造用非調質鋼が開示されている。
C:0.10〜0.25質量%、Mn:1.50〜1.80質量%、Cr:0.4〜0.6質量%、V:0.05〜0.15質量%、Si:0.20〜0.30質量%、Mo:0.05〜0.10質量%、Al:0.02〜0.05質量%、Ti:0.005〜0.015質量%、Nb:0.015〜0.025質量%、N:0.010〜0.013質量%およびS:0.006〜0.015質量%を含み、残部が不可避的不純物及びFeの成分組成であるベイナイト系非調質鋼を鋳造し、該鋳片を、750℃以上800℃以下で2h以上保持した後、少なくとも750〜300℃の温度域を4.0℃/h以下の平均速度にて冷却する熱処理を施し、その後熱間圧延を行うことを特徴とする熱間鍛造用鋼の製造方法。
従って、この鋳造組織を有する鋳片に適切な熱処理を施して、熱間圧延前に微細な組織としておく必要がある。以下に、この適切な熱処理について具体的に説明する。
まず、鋳片を750℃以上で2h以上保持するのは、鋳造後の搬送中に鋳片の表面温度と中心温度とに差が生じることから、一旦750℃以上で保持することによって、この差を低減させるためである。
上記の熱処理を経た鋳片は、再加熱して熱間圧延に供される。
すなわち、C:0.10〜0.25質量%、Mn:1.50〜1.80質量%、Cr:0.4〜0.6質量%およびV:0.05〜0.15質量%を含み、残部が不可避的不純物およびFeの成分組成である。以下に、各成分量の限定理由を示す。
Cは、強度確保のため0.10質量%以上とすることが好ましい。一方C含有量が0.25質量%を超えると、靭性および被削性が低下するため、0.25質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.16〜0.19質量%の範囲である。
Mnは、熱間鍛造時の冷却過程において、鋼組織をベイナイトとするために有用な元素であり、1.50質量%以上で添加されていることが好ましい。一方、1.8質量%超のMn添加は被削性を低下させるため、1.8質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.65〜1.75質量%である。
Crは、Mnと同様に熱間鍛造時の冷却過程において、鋼組織をベイナイトとするために有用な元素であり、0.4質量%以上で添加されていることが好ましい。一方、0.6質量%超のCr添加は、低温靭性が劣化するため、Cr添加量の上限は0.6質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.45〜0.55質量%である。
Vは、結晶粒微細化に効果があり、また、Mn,Crと同様に鋼組織をベイナイトとするために有用な元素であり、0.05質量%以上添加されていることが好ましい。しかし、0.15質量%超のV添加は、鋼材の変形抵抗が増大して鍛造性を阻害するため、0.15質量%を上限として添加されていることが好ましい。より好ましくは、0.10〜0.12質量%である。
Si:0.20〜0.30質量%
Siは、脱酸剤としての作用があり、また、必要な強度確保の観点から0.20質量%以上で含有させることが好ましい。しかし、0.30質量%を超えると被削性が低下するため、0.30質量%以下とすることが好ましい。
Moは、強度向上に効果がある元素であり、0.05質量%以上で含有させることが好ましい。しかし、過剰に添加するとコスト上昇を招くので、0.10質量%以下とすることが好ましい。
Alは、脱酸剤としての作用があり、またAlNとして析出して結晶粒微細化にも効果がある。これらの効果を発現させるためには、0.02質量%以上添加することが好ましい。なお、過剰の添加は鋼の清浄性を低下させるため、0.05質量%以下とすることが好ましい。
Nb:0.015〜0.025質量%
Ti,Nbは、炭化物、窒化物として析出し、結晶粒を微細化させる作用を有するので、この作用を発現させるためにTiは0.005質量%以上、Nbは0.015質量%以上で添加することが好ましい。しかし、Tiは0.015質量%、Nbは0.025質量%で結晶粒微細化の効果は飽和するので、Tiは0.015質量%以下、Nbは0.025質量%以下とすることが好ましい。
Nは、AlNとして析出して結晶粒微細化に効果を及ぼす。この効果を発現させるため0.010質量%以上含有させることが好ましい。しかし、0.013質量%を超えてNを含有させても、この効果は飽和するので、0.013質量%以下とすることが好ましい。
Sは、被削性を向上させる元素であり、この効果を得るには0.006質量%以上含有させることが好ましい。しかし、0.015質量%超で含有させると靭性が低下するので、0.015質量%以下とすることが好ましい。
次いで、鋳片に熱間圧延を施すに先立ち、表1に示す条件に従う熱処理(均熱および均熱後冷却)を施し、表1に示す条件で熱間圧延を行ってサイズ170mmφの熱間鍛造用非調質鋼を得た。
Claims (1)
- C:0.10〜0.25質量%、Mn:1.50〜1.80質量%、Cr:0.4〜0.6質量%、V:0.05〜0.15質量%、Si:0.20〜0.30質量%、Mo:0.05〜0.10質量%、Al:0.02〜0.05質量%、Ti:0.005〜0.015質量%、Nb:0.015〜0.025質量%、N:0.010〜0.013質量%およびS:0.006〜0.015質量%を含み、残部が不可避的不純物及びFeの成分組成であるベイナイト系非調質鋼を鋳造し、該鋳片を、750℃以上800℃以下で2h以上保持した後、少なくとも750〜300℃の温度域を4.0℃/h以下の平均速度にて冷却する熱処理を施し、その後熱間圧延を行うことを特徴とする熱間鍛造用鋼の製造方法。
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