JP6060560B2 - ガスセルユニット、原子発振器および電子機器 - Google Patents

ガスセルユニット、原子発振器および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、ガスセルユニット、原子発振器および電子機器に関するものである。
ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような原子発振器は、一般に、アルカリ金属を緩衝ガスとともに封入したガスセルと、ガスセル内のアルカリ金属を励起する励起光を出射する発光素子と、ガスセルを透過した励起光を検出する受光素子とを備える。
従来、このような原子発振器では、例えば、特許文献1に記載されているように、ガスセルの周囲にコイルを配置し、このコイルにより定常磁場を発生させることにより、ガスセル内のアルカリ金属原子の縮退した複数のエネルギー準位を分裂(ゼーマン分裂)させることが行われる。ここで、分裂した複数のエネルギー準位のうち磁場の強度変化の影響を最も受けにくい磁気量子数が0のエネルギー準位のみが選択されるよう制御し、磁場の強度変化の影響を極力軽減している。一方、ガスセル内において気化したアルカリ金属原子は空間的な広がりを持って分布している。この空間的な広がりを持ったアルカリ金属原子に対しては磁場強度の分布が均一な磁場を与えることが望ましい。その理由は、磁場強度が不均一な領域が存在すると、その領域に存在するアルカリ金属原子が磁場強度の変化の影響を受け、原子発振器の出力信号の周波数精度に影響するからである。このように、磁場強度の分布の不均一性は原子発振器の周波数精度に影響する。
そこで、磁場強度の分布を均一にするために、定常磁場を発生するコイルは、安定した発振特性をもたらすために、ガスセルを収納する高透磁率のパッケージの内壁面に可能な限り密着した状態で配置することが必要となる。その理由は、コイルとパッケージの内壁面との隙間が大きくなるとコイルの端部付近における磁場の強度が均一とならず、アルカリ金属原子全体に均一な磁界を与えることができないからである。
しかし、従来の原子発振器では、コイルをパッケージの内周面に十分に密着させることができないという問題があった。
具体的に説明すると、例えば、従来では、以下のような2つの方法によりコイルをパッケージ内に収納していた。
第1の方法では、パッケージの内径よりもコイルの厚さ分だけ小さい外径の中空の心材を用意し、かかる心材の外周にコイルを設置した後、心材およびコイルをパッケージ内に挿入する。かかる方法では、心材の寸法精度のバラツキによって、コイルをパッケージの内周面に密着させることができない。また、心材を必要とするため、コイルの内側に配置する部材の設計自由度が低下してしまう。
第2の方法では、パッケージの内径に合わせた外径のコイルを接着剤で固めて形成し、そのコイルをパッケージ内に挿入する。かかる方法では、コイルの寸法精度のバラツキによって、コイルをパッケージの内周面に密着させることができない。また、コイルを接着剤で固めるという手間がかかる。
米国特許第6320472号明細書
本発明の目的は、ガスセルを収納するパッケージの内周面にコイルを確実に密着させることができるガスセルユニットおよび原子発振器を提供すること、また、かかる原子発振器を備え、信頼性に優れた電子機器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明のガスセルユニットは、ガス状の金属原子が封入されるガスセルと、前記ガスセルを囲んで設けられており、フレキシブル配線基板の配線パターンで構成されているコイルと、 前記ガスセルおよび前記コイルを収納するパッケージと、を備え、前記フレキシブル配線基板は、前記パッケージ内で筒状に丸められており、前記フレキシブル基板の弾性力により前記パッケージの内壁面に押し付けられており、前記パッケージ内に収納され、前記ガスセルが設置される基板をさらに備え、前記基板は、リジット基板であり、前記フレキシブル配線基板と一体で形成されていることを特徴とする。
このように構成されたガスセルユニットによれば、ガスセルユニットの製造時にコイル
をパッケージ内に設置する際、筒状に丸められたフレキシブル配線基板の復元力または弾
性力により、コイルをパッケージの内壁面に密着させることができる。そのため、比較的
簡単かつ確実に、コイルをパッケージの内壁面に密着させることができる。また、コイル
の内側にコイルを支持する部材を設ける必要がないので、コイルの内側に配置する部材の
設計自由度を高めることができる。
更にコイルを形成するためのフレキシブル配線基板と、ガスセルを設置するための基板とを同時に形成することができる。また、ガスセルユニットを組み立てる際に、これらの基板を接続する手間を省くことができる。また、これらの接続信頼性を向上させることができる。
[適用例2]
本発明のガスセルユニットでは、前記パッケージの内壁面は、円筒状をなすことが好ましい。
これにより、簡単かつ確実に、コイルをパッケージの内壁面に広範囲に密着させることができる。
[適用例3]
本発明のガスセルユニットでは、前記パッケージは、磁性材料で構成されていることが好ましい。
これにより、コイルで発生した磁界を効率的にガスセルに導くことができる。
[適用例4]
本発明のガスセルユニットでは、前記磁性材料は、軟磁性材料であることが好ましい。
これにより、コイルで発生した磁界をより効率的にガスセルに導くことができる。
[適用例
本発明の原子発振器は、本発明のガスセルユニットと、
前記ガスセル内の前記ガス状の金属原子を励起する励起光を出射する発光素子と、
前記パッケージ内に収納され、前記ガスセルを透過した前記励起光を検出する受光素子
と、を備えることを特徴とする。
これにより、優れた発振特性を有する原子発振器を提供することができる。
[適用例
本発明の原子発振器では、前記発光素子は、前記パッケージ外に配置され、
前記パッケージは、前記発光素子からの前記励起光を透過する窓部を有することが好ま
しい。
これにより、ガスセルと発光素子との間の熱干渉を防止することができる。その結果、
原子発振器の発振特性を高めることができる。
[適用例
本発明の電子機器は、本発明の原子発振器を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器を示す斜視図である。 図1に示す原子発振器の概略構成を示す模式図である。 図1に示す原子発振器に備えられたガスセル内のアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 図1に示す原子発振器に備えられた発光素子および受光素子について、発光素子からの2つの光の周波数差と、受光素子での検出強度との関係を示すグラフである。 図1に示す原子発振器の縦断面図である。 図1に示す原子発振器のガスセルユニットの縦断面図である。 図1に示す原子発振器のガスセルユニットの横断面図である。 図6および図7に示すコイル(フレキシブル配線基板)を展開した状態を示す図である。 図8に示すコイル(フレキシブル配線基板)を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るガスセルユニットを示す横断面図である。 本発明の第3実施形態に係るガスセルユニットを示す縦断面図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の電子機器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の原子発振器を用いたクロック伝送システムの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の原子発振器および電子機器を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器を示す斜視図、図2は、図1に示す原子発振器の概略構成を示す模式図、図3は、図1に示す原子発振器に備えられたガスセル内のアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図4は、図1に示す原子発振器に備えられた発光素子および受光素子について、発光素子からの2つの光の周波数差と、受光素子での検出強度との関係を示すグラフ、図5は、図1に示す原子発振器の縦断面図、図6は、図1に示す原子発振器のガスセルユニットの縦断面図、図7は、図1に示す原子発振器のガスセルユニットの横断面図、図8は、図6および図7に示すコイル(フレキシブル配線基板)を展開した状態を示す図、図9は、図8に示すコイル(フレキシブル配線基板)を説明するための図である。
なお、図1、5、6では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示された各矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」とする。また、以下では、説明の便宜上、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」といい、また、+Z方向側(図5の上側)を「上」、−Z方向側(図5の下側)を「下」という。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。
この原子発振器1は、図1に示すように、第1ユニット2と、第2ユニット3(ガスセルユニット)と、光学部品41、42、43と、これらを保持する保持部材5とを備える。
ここで、図1、2に示すように、第1ユニット2は、発光素子21と、発光素子21を収納する第1パッケージ22とを備える。
また、第2ユニット3は、ガスセル31と、受光素子32と、ヒーター33と、温度センサー34と、コイル35と、これらを収納する第2パッケージ36とを備える。
そして、このような第1ユニット2および第2ユニット3は、制御部6により駆動制御される。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
原子発振器1では、ガスセル31内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。
アルカリ金属は、図3に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
発光素子21は、ガスセル31に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射する。
例えば、発光素子21が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、受光素子32の検出強度は、図4に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、原子発振器1の各部を順次詳細に説明する。
(第1ユニット)
前述したように、第1ユニット2は、発光素子21と、発光素子21を収納する第1パッケージ22とを備える。
[発光素子]
発光素子21は、ガスセル31中のアルカリ金属原子を励起する励起光を出射する機能を有する。
より具体的には、発光素子21は、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射するものである。
共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル31中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。
また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル31中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
この発光素子21としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
また、このような発光素子21は、図示しない温度調節素子(発熱抵抗体、ペルチェ素子等)により、後述するガスセル31とは異なる温度、例えば、30℃程度に温度調節される。
[第1パッケージ]
第1パッケージ22は、前述した発光素子21を収納する。
この第1パッケージ22は、図5に示すように、基体221(第1基体)と、蓋体222(第1蓋体)とを備える。
基体221は、発光素子21を直接的または間接的に支持する。本実施形態では、基体221は、板状をなし、平面視で円形をなしている。
そして、この基体221の一方の面(実装面)には、発光素子21(実装部品)が設置(実装)される。また、基体221の他方の面には、図5に示すように、複数のリード223が突出している。この複数のリード223は、図示しない配線を介して発光素子21に電気的に接続されている。
このような基体221には、基体221上の発光素子21を覆う蓋体222が接合されている。
蓋体222は、一端部が開口した有底筒状をなしている。本実施形態では、蓋体222の筒状部は、円筒状をなす。
この蓋体222の一端部の開口は、前述した基体221により塞がれている。
そして、蓋体222の他端部、すなわち蓋体222の開口とは反対側の底部には、窓部23が設けられている。
この窓部23は、ガスセル31と発光素子21との間の光軸a上に設けられている。
そして、窓部23は、前述した励起光に対して透過性を有する。
本実施形態では、窓部23は、レンズで構成されている。これにより、励起光LLを無駄なくガスセル31へ照射することができる。
また、窓部23は、励起光LLを平行光とする機能を有する。これにより、励起光LLがガスセル31の内壁で反射するのを簡単かつ確実に防止することができる。そのため、ガスセル31内での励起光の共鳴を好適に生じさせ、その結果、原子発振器1の発振特性を高めることができる。
なお、窓部23は、励起光に対する透過性を有するものであれば、レンズに限定されず、例えば、レンズ以外の光学部品であってもよいし、単なる光透過性の板状部材であってもよい。また、前述したような機能を有するレンズは、後述する光学部品41、42、43と同様、第1パッケージ22および第2パッケージ36との間に設けられていてもよい。
このような蓋体222の窓部23以外の部分の構成材料としては、特に限定されず、例えば、セラミックス、金属、樹脂等を用いることができる。
ここで、蓋体222の窓部23以外の部分が励起光に対して透過性を有する材料で構成されている場合、蓋体222の窓部23以外の部分と窓部23と一体的に形成することができる。また、蓋体222の窓部23以外の部分が励起光に対して透過性を有しない材料で構成されている場合、蓋体222の窓部23以外の部分と窓部23とを別体で形成し、これらを公知の接合方法により接合すればよい。
また、基体221と蓋体222とは気密的に接合されているのが好ましい。すなわち、第1パッケージ22内が気密空間であることが好ましい。これにより、第1パッケージ22内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器1の特性を向上させることができる。
また、基体221と蓋体222との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。
なお、基体221と蓋体222との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
また、第1パッケージ22内には、前述した発光素子21以外の部品が収納されていてもよい。
例えば、第1パッケージ22内には、発光素子21の温度を調節する温度調節素子や温度センサー等が収納されていてもよい。かかる温度調節素子としては、例えば、発熱抵抗体(ヒーター)、ペルチェ素子等が挙げられる。
このような基体221および蓋体222を有して構成された第1パッケージ22によれば、発光素子21から第1パッケージ22外への励起光の出射を許容しつつ、発光素子21を第1パッケージ22内に収納することができる。
また、発光素子21が後述する第2パッケージ36外に配置されるため、ガスセル31と発光素子21との間の熱干渉を防止することができる。その結果、原子発振器1の発振特性を高めることができる。
また、第1パッケージ22は、基体221が第2パッケージ36とは反対側に配置されるように、後述する保持部材5に保持されている。
(第2ユニット)
前述したように、第2ユニット3は、ガスセル31と、受光素子32と、ヒーター33と、温度センサー34と、コイル35と、これらを収納する第2パッケージ36とを備える。なお、図6では、温度センサー34の図示を省略している。
[ガスセル]
ガスセル31内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。
図6に示すように、ガスセル31は、柱状の貫通孔を有する本体部311と、その貫通孔の両開口を封鎖する1対の窓部312、313とを有する。これにより、前述したようなアルカリ金属が封入される内部空間Sが形成される。
ここで、ガスセル31の各窓部312、313は、前述した発光素子21からの励起光に対する透過性を有している。そして、一方の窓部313は、ガスセル31内へ入射する励起光が透過するものであり、他方の窓部312は、ガスセル31内から出射した励起光が透過するものである。
したがって、ガスセル31の窓部312、313を構成する材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。
また、ガスセル31の本体部311を構成する材料は、特に限定されず、金属材料、樹脂材料等であってもよく、窓部312、313と同様にガラス材料、水晶等であってもよい。
そして、各窓部312、313は、本体部311に対して気密的に接合されている。これにより、ガスセル31の内部空間Sを気密空間とすることができる。
ガスセル31の本体部311と窓部312、313との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法等を用いることができる。
また、このようなガスセル31は、ヒーター33により、前述した発光素子21とは異なる温度、例えば、70℃程度に温度調節される。
[受光素子]
受光素子32は、ガスセル31内を透過した励起光LL(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
この受光素子32としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
[ヒーター]
ヒーター33は、前述したガスセル31(より具体的にはガスセル31中のアルカリ金属)を加熱する機能を有する。これにより、ガスセル31中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。
このヒーター33は、通電により発熱するものであり、図6に示すように、ガスセル31の外表面上に設けられた発熱抵抗体331、332で構成されている。このような発熱抵抗体331、332は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、ゾル・ゲル法等を用いて形成される。
ここで、発熱抵抗体331は、ガスセル31の窓部312上に設けられ、発熱抵抗体332は、ガスセル31の窓部313上に設けられている。すなわち、発熱抵抗体331、332は、ガスセル31の励起光の入射部または出射部に設けられている。
かかる発熱抵抗体331、332は、励起光に対する透過性を有する材料、具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物等の透明電極材料で構成される。
なお、ヒーター33は、ガスセル31を加熱することができるものであれば、特に限定されず、ガスセル31に対して非接触であってもよい。また、ヒーター33に代えて、または、ヒーター33と併用して、ペルチェ素子を用いて、ガスセル31を加熱してもよい。
このようなヒーター33は、後述する制御部6の温度制御部62に電気的に接続され、通電される。
[温度センサー]
温度センサー34は、ヒーター33またはガスセル31の温度を検出するものである。そして、この温度センサー34の検出結果に基づいて、前述したヒーター33の発熱量が制御される。これにより、ガスセル31内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
なお、温度センサー34の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター33上であってもよいし、ガスセル31の外表面上であってもよい。
温度センサー34としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
このような温度センサー34は、図示しない配線を介して、後述する制御部6の温度制御部62に電気的に接続されている。
[コイル]
コイル35は、通電により、磁場を発生させる機能を有する。これにより、ガスセル31中のアルカリ金属に磁場を印加することにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1の発振周波数の精度を高めることができる。
なお、コイル35が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。
このコイル35は、ガスセル31を囲んで設けられている。
また、コイル35は、筒状に丸められたフレキシブル配線基板の配線パターンで構成されている。
そして、かかるフレキシブル配線基板は、後述する第2パッケージ36内で筒状に丸められて弾性変形した状態で、その復元力または弾性力により第2パッケージ36の内壁面に密着している。
これにより、第2ユニット3の製造時にコイル35を第2パッケージ36内に設置する際、筒状に丸められたフレキシブル配線基板の復元力または弾性力により、コイル35を第2パッケージ36の内壁面に密着させる(押し付ける)ことができる。そのため、比較的簡単かつ確実に、コイル35を第2パッケージ36の内壁面に密着させることができる。また、コイル35の内側にコイル35を支持する部材を設ける必要がないので、コイル35の内側に配置する部材(例えばガスセル31)の設計自由度を高めることができる。
コイル35の形成方法を具体的に説明すると、まず、図8に示すようなフレキシブル配線基板7を用意する。
このフレキシブル配線基板7は、絶縁体層351と、絶縁体層351上に形成された複数の配線352(配線パターン)とを有する。
絶縁体層351は、長方形または帯状をなしている。すなわち、コイル35を形成するためのフレキシブル配線基板7は、元の形状に展開したとき、平面視形状が長方形をなす。
複数の配線352は、それぞれ、絶縁体層351の長手方向(すなわち、元の形状に展開したフレキシブル配線基板7の長手方向)に沿って延びている。また、複数の配線352は、互いに平行となるように配置されている。これにより、フレキシブル配線基板7を丸めるだけで簡単に、コイル35を形成することができる。
本実施形態では、各配線352は、絶縁体層351の長辺(長手方向に延びる辺)に対して若干傾斜する方向に延在している。これにより、フレキシブル配線基板7を筒状に丸めることにより、複数の配線352の一端部と他端部とが1つずつずれた状態で接続され、コイル35を形成することができる。
また、フレキシブル配線基板7は、ガスセル31、受光素子32およびヒーター33が設置される基板38に接続する接続部381を有する。
この基板38は、フレキシブル配線基板7とともに第2パッケージ36内に収納される。
また、基板38は、リジット基板であり、フレキシブル配線基板7と一体で形成されている。すなわち、フレキシブル配線基板7および基板38は、フレキシブル配線基板7をフレキシブル部とし、基板38をリジット部とするリジットフレキシブル配線基板で構成されている。
これにより、コイル35を形成するためのフレキシブル配線基板7と、ガスセル31を設置するための基板38とを同時に形成することができる。また、第2ユニット3を組み立てる際に、これらの基板を接続する手間を省くことができる。また、これらの接続信頼性を向上させることができる。
次に、絶縁体層351の長手方向での両端部を重ね合せることにより、図9に示すように、フレキシブル配線基板7を丸めて筒状とする。
その後、筒状のフレキシブル配線基板7を後述する第2パッケージ36内に挿入し、フレキシブル配線基板7が元の形状に戻ろうとする復元力により、フレキシブル配線基板7を第2パッケージ36の内壁面に密着させる。
このとき、必要に応じて、治具、エアーの吹付等を用いて、第2パッケージ36の内壁面に対するフレキシブル配線基板7の密着度を高めてもよい。
そして、第2パッケージ36の内壁面に対してフレキシブル配線基板7が密着した状態で、絶縁体層351の長手方向での一端部と他端部とを互いに固定するとともに、複数の配線352の一端部と他端部とを1つずつずれた状態で電気的に接続する。これにより、コイル35が形成される。
かかる絶縁体層351の固定および配線352の接続は、特に限定されないが、例えば、半田、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電ペースト(ACP)等を用いて行うことができる。
このようなフレキシブル配線基板7(フレキシブル部)の絶縁体層351の構成材料としては、絶縁性が高く、フレキシブル配線基板7に可撓性を付与できる材料であれば、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、芳香族ポリアミド等の樹脂材料を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、絶縁体層351の平均厚さは、特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。これにより、フレキシブル配線基板7は、必要な絶縁性および可撓性を確保しつつ、後述する第2パッケージ36内に設置した際に第2パッケージ36の内壁面への密着性が良好となる弾性を有するものとなる。
また、フレキシブル配線基板7の各配線352(配線パターン)の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金等の各種金属および各種合金が挙げられる。中でも、電気伝導率に優れ、かつ、安価であることから、銅および銅系合金を用いることが好ましい。
また、基板38(リジット部)は、前述したフレキシブル配線基板7と一体で構成された第1の層と、この第1の層に積層された第2の層を有する。
第1の層は、前述したフレキシブル配線基板7と同一材料で構成される。
第2の層は、特に限定されないが、主として、繊維状のコア材(繊維基材)と、樹脂材料と、無機充填材とを含んで構成されているのが好ましい。これにより、基板38の剛性を優れたものとするとともに、基板38の熱膨張係数を小さくすることができる。
基板38の第2の層に含まれるコア材としては、例えば、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維で構成されたガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等が挙げられる。これらの中でも、基板38の剛性を優れたものとするとともに熱膨張係数を小さくする観点から、ガラス繊維基材が好ましい。
基板38に含まれる樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。これにより、基板38の耐熱性を向上することができる。
かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、シアネート樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
なお、基板38の第2の層には、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の熱可塑性樹脂が含まれていてもよい。
また、基板38の第2の層に含まれる無機充填材としては、例えば、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらの中でも、熱膨張率が低いことから、シリカが好ましく、溶融シリカ(特に球状溶融シリカ)が好ましい。
このようなコイル35は、図示しない配線を介して、後述する制御部6の磁場制御部63に電気的に接続されている。これにより、コイル35に通電を行うことができる。
[第2パッケージ]
第2パッケージ36は、前述したガスセル31、受光素子32、ヒーター33、温度センサー34およびコイル35を収納する。
この第2パッケージ36は、前述した第1ユニット2の第1パッケージ22と同様に、構成されている。
具体的には、第2パッケージ36は、図6に示すように、基体361(第2基体)と、蓋体362(第2蓋体)とを備える。
基体361は、ガスセル31、受光素子32、ヒーター33、温度センサー34およびコイル35を直接的または間接的に支持する。本実施形態では、基体361は、板状をなし、平面視で円形をなしている。
そして、この基体361の一方の面(実装面)には、ガスセル31、受光素子32およびヒーター33(複数の実装部品)が設置(実装)される。本実施形態では、前述した基板38を介して、ガスセル31、受光素子32およびヒーター33が基体361に実装されている。
また、基体361の他方の面には、図5に示すように、複数のリード363が突出している。この複数のリード363は、図示しない配線を介して受光素子32、ヒーター33、温度センサー34およびコイル35に電気的に接続されている。
このような基体361には、基体361上のガスセル31、受光素子32、ヒーター33、温度センサー34およびコイル35を覆う蓋体362が接合されている。
蓋体362は、一端部が開口した有底筒状をなしている。
本実施形態では、蓋体362の筒状部は、円筒状をなす。すなわち、第2パッケージ36の内壁面は、円筒状をなす。これにより、簡単かつ確実に、コイル35を第2パッケージ36の内壁面に広範囲に密着させることができる。
この蓋体362の一端部の開口は、前述した基体361により塞がれている。
そして、蓋体362の他端部、すなわち蓋体362の開口とは反対側の底部には、窓部37が設けられている。
この窓部37は、ガスセル31と発光素子21との間の光軸a上に設けられている。
そして、窓部37は、前述した励起光に対して透過性を有する。
本実施形態では、窓部37は、光透過性を有する板状部材で構成されている。
なお、窓部37は、励起光に対する透過性を有するものであれば、光透過性を有する板状部材に限定されず、例えば、レンズ、偏光板、λ/4波長板等の光学部品であってもよい。
このような蓋体362の窓部37以外の部分の構成材料としては、特に限定されず、例えば、セラミックス、金属、樹脂等を用いることができる。
中でも、蓋体362の窓部37以外の部分の構成材料(第2パッケージ36の構成材料)としては、磁性材料を用いるのが好ましく、軟磁性材料を用いるのがより好ましい。これにより、コイル35で発生した磁界を効率的にガスセル31に導くことができる。
ここで、蓋体362の窓部37以外の部分が励起光に対して透過性を有する材料で構成されている場合、蓋体362の窓部37以外の部分と窓部37と一体的に形成することができる。また、蓋体362の窓部37以外の部分が励起光に対して透過性を有しない材料で構成されている場合、蓋体362の窓部37以外の部分と窓部37とを別体で形成し、これらを公知の接合方法により接合すればよい。
また、基体361と蓋体362とは気密的に接合されているのが好ましい。すなわち、第2パッケージ36内が気密空間であることが好ましい。これにより、第2パッケージ36内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器1の特性を向上させることができる。
また、基体361と蓋体362との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。
なお、基体361と蓋体362との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
また、第2パッケージ36内には、少なくともガスセル31および受光素子32が収納されていればよく、また、前述したガスセル31、受光素子32、ヒーター33、温度センサー34およびコイル35以外の部品が収納されていてもよい。
このような基体361および蓋体362を有して構成された第2パッケージ36によれば、発光素子21からの励起光の第2パッケージ36内への入射を許容しつつ、ガスセル31および受光素子32を第2パッケージ36内に収納することができる。したがって、前述したような第1パッケージ22と組み合わせて第2パッケージ36を用いることにより、発光素子21からガスセル31を介して受光素子32への励起光の光路を確保しつつ、発光素子21およびガスセル31を互いに非接触の別々のパッケージに収納することができる。
また、第2パッケージ36は、基体361が第1パッケージ22とは反対側に配置されるように、後述する保持部材5に保持されている。
(光学部品)
前述したような第1パッケージ22と第2パッケージ36との間には、複数の光学部品41、42、43が配置されている。この複数の光学部品41、42、43は、それぞれ、前述した第1パッケージ22内の発光素子21と、前述した第2パッケージ36内のガスセル31との間の光軸a上に設けられている。
また、本実施形態では、第1パッケージ22側から第2パッケージ36側へ、光学部品41、光学部品42、光学部品43の順に配置されている。
光学部品41は、λ/4波長板である。これにより、例えば、発光素子21からの励起光が直線偏光である場合、その励起光を円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
前述したようにコイル35の磁場によりガスセル31内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、前述したようにコイル35の磁場によりガスセル31内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
本実施形態では、光学部品41は、円板状をなしている。そのため、後述するような形状の溝511に係合した状態で光軸aに平行な軸線周りに光学部品41を回転させることができる。なお、光学部品41の平面視形状は、これに限定されず、例えば、後述する保持部材5の凹部51の横断面形状によっては、四角形、五角形等の多角形をなしていてもよい。
このような光学部品41に対して第2ユニット3側には、光学部品42、43が配置されている。
光学部品42、43は、それぞれ、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル31に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができる。そのため、発光素子21の出力が大きい場合でも、ガスセル31に入射する励起光を所望の光量とすることができる。本実施形態では、前述した光学部品41により円偏光に変換された励起光の強度を光学部品42、43により調整する。
本実施形態では、光学部品42、43は、それぞれ、板状をなしている。また、光学部品42、43の平面視形状は、それぞれ、四角形をなしている。
なお、光学部品42、43の平面視形状は、これに限定されず、例えば、円形をなしていてもよい。光学部品42、43の平面視形状が円形である場合、後述するような形状の溝512、513に係合した状態で光軸aに平行な軸線周りに光学部品42、43を回転させることができる。
また、光学部品42および光学部品43は、互いに減光率が等しくてもよいし異なっていてもよい。
また、光学部品42、43は、それぞれ、上側と下側とで連続的または段階的に減光率の異なる部分を有していてもよい。この場合、光学部品42、43を保持部材5に対して上下方向での位置を調整することにより、励起光の減光率を調整することができる。
また、光学部品42、43が溝512、513に係合した状態で光軸aに平行な軸線周りに回転可能である場合、光学部品42、43は、それぞれ、周方向で連続的または断続的に減光率が異なる部分を有していてもよい。この場合、光学部品42、43を回転させることにより、励起光の減光率を調整することができる。
なお、この光学部品42、43のうちのいずれか一方の光学部品を省略してもよい。また、発光素子21の出力が適度である場合、光学部品42、43の双方を省略することができる。
(保持部材)
保持部材5は、前述した第1パッケージ22、第2パッケージ36および複数の光学部品41、42、43を保持する機能を有する。
この保持部材5は、第1パッケージ22および第2パッケージ36を互いに非接触でこれらを保持する。
これにより、発光素子21とガスセル31との間の熱干渉を防止または抑制し、発光素子21とガスセル31とを独立して高精度に温度制御することができる。
具体的に説明すると、図5に示すように、保持部材5は、上側に開口する凹部51を有する。
そして、この凹部51には、第1パッケージ22、第2パッケージ36および複数の光学部品41、42、43が設置されている。本実施形態では、第1パッケージ22、第2パッケージ36および複数の光学部品41、42、43の下部がそれぞれ凹部51内に位置している。
また、この凹部51は、第1パッケージ22および第2パッケージ36の位置および姿勢を規制する形状をなす。これにより、第1パッケージ22および第2パッケージ36を保持部材5の凹部51に設置することにより、発光素子21および受光素子32を含む光学系の位置決めを行うことができる。そのため、保持部材5に対する第1パッケージ22および第2パッケージ36の設置を容易なものとすることができる。
ここで、凹部51は、X軸方向に延在し、その一端部側(図5中の左側)には、第1パッケージ22が配置され、他端部側(図5中の右側)には、第2パッケージ36が配置されている。
また、第1パッケージ22および第2パッケージ36は、筒状をなす蓋体222および蓋体362の軸線がそれぞれ凹部51の延在方向(X軸方向)に平行となるように配置されている。これにより、第1パッケージ22および第2パッケージ36は、蓋体222および蓋体362の軸線が互いに一致または平行となるように配置されている。
本実施形態では、凹部51の横断面が矩形をなしている。
また、保持部材5の一端部側(図5中の左側)には、第1パッケージ22の基体221を支持する支持部52(第1支持部)が設けられ、保持部材5の他端部(図5中の右側)には、第2パッケージ36の基体361を支持する支持部53(第2支持部)が設けられている。
このように、支持部52が基体221を支持するとともに、支持部53が基体361を支持することにより、第1パッケージ22と保持部材5との接触部と、第2パッケージ36と保持部材5との接触部との距離を大きくすることができる。そのため、第1パッケージ22と第2パッケージ36との間の保持部材5を介した熱伝導をより効果的に抑えることができる。
また、蓋体222および蓋体362は、それぞれ、保持部材5に対して非接触である。これにより、第1パッケージ22と第2パッケージ36との間の保持部材5を介した熱伝導をより効果的に抑えることができる。特に、凹部51の横断面が矩形をなすのに対し、蓋体222、362の筒状部がそれぞれ円筒状をなしているため、蓋体222、362の側面と保持部材5との間に比較的大きな隙間を形成することができる。その結果、蓋体222、362から保持部材5への熱の伝導を極めて小さく抑えることができる。また、仮に蓋体222、362の側面と保持部材5とが接触していたとしても、その接触面積を小さくすることができる。
ここで、支持部52は、Y軸およびZ軸に平行な設置面を有する。この設置面には、前述した第1パッケージ22の基体221の蓋体222とは反対側の面が接触または近接する。これにより、保持部材5に対する第1パッケージ22の位置および姿勢を規制することができる。なお、基体221は、例えば、支持部52に接着剤を用いて固定することができる。
また、支持部52には、前述した第1パッケージ22の複数のリード223が挿通される複数の貫通孔521が形成されている。すなわち、支持部52は、第1パッケージ22が装着されるソケットのような形態をなす。これによっても、保持部材5に対する第1パッケージ22の位置および姿勢を規制することができる。なお、複数のリード223は、例えば、半田により支持部52に固定することができる。
複数のリード223は、複数の貫通孔521に挿通されることにより、保持部材5の外表面の下面または側面に設けられた複数の端子(図示せず)に複数の配線(図示せず)を介して電気的に接続される。
同様に、支持部53は、Y軸およびZ軸に平行な設置面を有する。この設置面には、前述した第2パッケージ36の基体361の蓋体362とは反対側の面が接触または近接する。これにより、保持部材5に対する第2パッケージ36の位置および姿勢を規制することができる。なお、基体361は、例えば、支持部53に接着剤を用いて固定することができる。
また、支持部53には、前述した第2パッケージ36の複数のリード363が挿通される複数の貫通孔531が形成されている。すなわち、支持部53は、第2パッケージ36が装着されるソケットのような形態をなす。これによっても、保持部材5に対する第2パッケージ36の位置および姿勢を規制することができる。なお、複数のリード363は、例えば、半田により支持部53に固定することができる。
また、複数のリード363は、複数の貫通孔531に挿通されることにより、保持部材5の外表面の下面または側面に設けられた複数の端子(図示せず)に複数の配線(図示せず)を介して電気的に接続される。
以上のように、保持部材5は、第1パッケージ22および第2パッケージ36を保持する。
また、前述したように、保持部材5は、光学部品41、42、43をそれぞれ保持する。これにより、原子発振器1の製造時に保持部材5に各部品を取り付ける際、第1パッケージ22および第2パッケージ36を保持部材5に保持させた状態で、光学部品41、42、43をその位置または姿勢を調整しながら保持部材5に設置することができる。
具体的に説明すると、保持部材5の凹部51の壁面には、光学部品41を保持する溝511と、光学部品42を保持する溝512と、光学部品43を保持する溝513とが形成されている。
本実施形態では、溝511、512、513は、光学部品41、42、43の板面が互いに平行となるように形成されている。また、溝511、512、513は、光学部品41、42、43の板面がそれぞれ光軸aに対して垂直となるように形成されている。なお、溝511、512、513は、光学部品41、42、43の板面が互いに非平行となるように形成されていてもよし、光学部品41、42、43の板面がそれぞれ光軸aに対して傾斜するように形成されていてもよい。
溝511は、第1パッケージ22と第2パッケージ36とを結ぶ線分に沿った軸線(例えば、光軸a)周りに光学部品41を回転可能に保持し得る。これにより、光学部品41を保持部材5の溝511に係合させて光軸aに平行な方向での位置決めをした状態で、光学部品41の光軸a周りの姿勢を調整することができる。
ここで、前述したように光学部品41がλ/4波長板であるため、保持部材5に対する第1パッケージ22の姿勢によらず、光学部品41を回転により姿勢を調整することにより、発光素子21からの励起光を直線偏光から円偏光へ変換することができる。
また、光学部品41が円板状をなすため、横断面が矩形をなす凹部51の壁面に対し3か所で接触する。これにより、保持部材5に対する光学部品41の位置決めを行うことができる。
光学部品41、42、43を保持部材5に設置するに際しては、例えば、まず、保持部材5に第1ユニット2および第2ユニット3を設置・固定する。その後、光学部品41、42、43をそれぞれ対応する溝511、512、513に係合させた状態で、EIT信号等を確認しながら、各光学部品41、42、43の位置および姿勢のうちの少なくとも一方を変化させる。そして、所望のEIT信号を確認したとき、その状態で、各光学部品41、42、43を保持部材5に対して固定する。かかる固定は、特に限定されないが、例えば、光硬化性接着剤を用いるのが好適である。光硬化性接着剤は、硬化前であれば各溝511、512、513に供給しても各光学部品41、42、43の位置または姿勢を変化させることができ、そして、所望時に短時間で硬化させて固定を行える。
また、保持部材5は、樹脂材料、セラミックス材料等の非金属で構成されているのが好ましい。
これにより、第1パッケージ22と第2パッケージ36との間の保持部材5を介した熱伝導を抑えることができる。その結果、発光素子21とガスセル31との間の熱干渉を効果的に防止または抑制することができる。
保持部材5を構成する樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
また、保持部材5を構成するセラミックス材料としては、特に限定されないが、例えば、各種ガラス、また、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、イットリア、リン酸カルシウム等の酸化物セラミックス、さらに、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン、窒化ボロン等の窒化物セラミックス、また、グラファイト、タングステンカーバイト等の炭化物系セラミックス、その他、例えばチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、PZT、PLZT、PLLZT等の強誘電体材料などが挙げられる。
また、保持部材5の熱電導率は、0.1W・m−1・K−1以上40W・m−1・K−1以下であることが好ましく、0.1W・m−1・K−1以上0.5W・m−1・K−1以下であることがより好ましい。これにより、第1パッケージ22と第2パッケージ36との間の保持部材5を介した熱伝導をより効果的に抑えることができる。すなわち、保持部材5の断熱性を高め、第1パッケージ22と第2パッケージ36とを熱的に分離する効果を顕著なものとすることができる。
これに対し、かかる熱伝導率が低すぎる場合、保持部材5の形状、大きさ等によっては、保持部材5に必要な剛性を確保できる材料の選定が難しく、一方、かかる熱伝導率が高すぎる場合、第1パッケージ22と保持部材5との接触部と、第2パッケージ36と保持部材5との接触部との距離によっては、第1パッケージ22と第2パッケージ36との間の保持部材5を介した熱伝導を抑えることが難しい。
[制御部]
図2に示す制御部6は、ヒーター33、コイル35および発光素子21をそれぞれ制御する機能を有する。
このような制御部6は、発光素子21の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御部61と、ガスセル31中のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部62と、ガスセル31に印加する磁場を制御する磁場制御部63とを有する。
励起光制御部61は、前述した受光素子32の検出結果に基づいて、発光素子21から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御部61は、前述した受光素子32によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、発光素子21から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。また、励起光制御部61は、発光素子21から出射される共鳴光1、2の中心周波数を制御する。
また、温度制御部62は、温度センサー34の検出結果に基づいて、ヒーター33への通電を制御する。これにより、ガスセル31を所望の温度範囲内に維持することができる。ここで、温度センサー34は、ガスセル31の温度を検知する温度検知手段を構成する。
また、磁場制御部63は、コイル35が発生する磁場が一定となるように、コイル35への通電を制御する。
このような制御部6は、例えば、保持部材5が設置される基板上に実装されたICチップに設けられている。
以上説明したような本実施形態の原子発振器1によれば、第2ユニット3の製造時にコイル35を第2パッケージ36内に設置する際、筒状に丸められたフレキシブル配線基板7の復元力または弾性力により、コイル35を第2パッケージ36の内壁面に密着させることができる。そのため、比較的簡単かつ確実に、コイル35を第2パッケージ36の内壁面に密着させることができる。また、コイル35の内側にコイル35を支持する部材を設ける必要がないので、コイル35の内側に配置する部材の設計自由度を高めることができる。
また、このような第2ユニット3を備えることにより、優れた発振特性を発揮することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係るガスセルユニットを示す横断面図である。
本実施形態にかかるガスセルユニットは、ガスセルおよびコイルを収納するパッケージの形状が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる原子発振器と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態のガスセルユニットに関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図10に示す第2ユニット3A(ガスセルユニット)は、ガスセル31およびコイル35Aを収納する第2パッケージ36Aを備える。
第2パッケージ36は、四角筒状をなす筒状部を有する蓋体362Aを備える。
そして、コイル35Aは、前述した第1実施形態のコイル35と同様、フレキシブル配線基板の配線パターンで構成され、かかるフレキシブル配線基板を筒状に丸めた状態で、その復元力または弾性力により、蓋体362Aの内周面に密着している。
以上説明したような第2実施形態に係る第2ユニット3A(ガスセルユニット)によっても、コイル35Aの内側にコイル35Aを支持する部材を設けなくても、ガスセル31を収納する第2パッケージ36Aの内周面にコイル35Aを簡単かつ確実に密着させることができる
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るガスセルユニットを示す縦断面図である。
本実施形態にかかるガスセルユニット(原子発振器)は、ガスセルおよびコイル等を発光素子等とともにパッケージ内に収納した以外は、前述した第1実施形態にかかるガスセルユニット(原子発振器)と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態のガスセルユニットに関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図11に示す原子発振器1B(ガスセルユニット)は、パッケージ22Bを有する。
このパッケージ22Bは、発光素子21、ペルチェ素子24、ガスセル31、受光素子32、ヒーター33およびコイル35Bを収納する。
パッケージ22Bは、基体221と、蓋体222Bとを備える。
ここで、ガスセル31、受光素子32およびヒーター33は、発光素子21との間に隙間を形成するための支持部材8を介して、基体221に支持されている。
また、コイル35Bは、前述した第1実施形態のコイル35と同様、フレキシブル配線基板の配線パターンで構成され、かかるフレキシブル配線基板を筒状に丸めた状態で、その復元力または弾性力により、蓋体222Bの内周面に密着している。
以上説明したような第3実施形態に係る原子発振器1B(ガスセルユニット)によっても、コイル35Bの内側にコイル35Bを支持する部材を設けなくても、ガスセル31を収納するパッケージ22Bの内周面にコイル35Bを簡単かつ確実に密着させることができる
(電子機器)
以上説明したような原子発振器は、各種電子機器に組み込むことができる。このような電子機器は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の電子機器について説明する。
図12は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図12に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
図13は、本発明の原子発振器を用いたクロック伝送システムの一例を示す概略構成図である。
図13に示すクロック伝送システム500は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
このクロック伝送システム500は、A局(上位(N系))のクロック供給装置(CSM:Clock Supply Module)501およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置502と、B局(上位(E系))のクロック供給装置503およびSDH装置504と、C局(下位)のクロック供給装置505およびSDH装置506、507とを備える。
クロック供給装置501は、原子発振器1を有し、N系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置501内の原子発振器1は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508、509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置502は、クロック供給装置501からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置505に伝送する。
クロック供給装置503は、原子発振器1を有し、E系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置503内の原子発振器1は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508、509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置504は、クロック供給装置503からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置505に伝送する。
クロック供給装置505は、クロック供給装置501、503からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置505は、通常、クロック供給装置501からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置505は、クロック供給装置503からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。
SDH装置506は、クロック供給装置505からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置507は、クロック供給装置505からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
以上、本発明のガスセルユニット、原子発振器および電子機器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明のガスセルユニット、原子発振器および電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明のガスセルユニットおよび原子発振器は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、コイルがソレノイド型を構成するようにガスセルの外周に沿って巻回して設けられている場合を例に説明したが、コイルの形態は、これに限定されず、例えば、筒状に丸められたフレキシブル配線基板の配線パターンが、ヘルムホルツ型を構成するようにガスセルを介して対向する1対のコイルを構成していてもよい。
1‥‥原子発振器 1B‥‥原子発振器 2‥‥第1ユニット 2B‥‥パッケージ 3‥‥第2ユニット 3A‥‥第2ユニット 7‥‥フレキシブル配線基板 8‥‥支持部材 21‥‥発光素子 22‥‥第1パッケージ 22B‥‥パッケージ 23‥‥窓部 24‥‥ペルチェ素子 31‥‥ガスセル 32‥‥受光素子 33‥‥ヒーター 34‥‥温度センサー 35‥‥コイル 35A‥‥コイル 35B‥‥コイル 36‥‥第2パッケージ 36A‥‥第2パッケージ 37‥‥窓部 38‥‥基板 41‥‥光学部品 42‥‥光学部品 43‥‥光学部品 5‥‥保持部材 51‥‥凹部 52‥‥支持部 53‥‥支持部 6‥‥制御部 61‥‥励起光制御部 62‥‥温度制御部 63‥‥磁場制御部 100‥‥測位システム 200‥‥衛星 221‥‥基体 222‥‥蓋体 222B‥‥蓋体 223‥‥リード 300‥‥基地局装置 301‥‥アンテナ 302‥‥受信装置 303‥‥アンテナ 304‥‥送信装置 311‥‥本体部 312‥‥窓部 313‥‥窓部 331‥‥発熱抵抗体 332‥‥発熱抵抗体 351‥‥絶縁体層 352‥‥配線 361‥‥基体 362‥‥蓋体 362A‥‥蓋体 363‥‥リード 381‥‥接続部 400‥‥受信装置 401‥‥アンテナ 402‥‥衛星受信部 403‥‥アンテナ 404‥‥基地局受信部 500‥‥クロック伝送システム 501‥‥クロック供給装置 502‥‥SDH装置 503‥‥クロック供給装置 504‥‥SDH装置 505‥‥クロック供給装置 506‥‥SDH装置 507‥‥SDH装置 508‥‥マスタークロック 509‥‥マスタークロック 511‥‥溝 512‥‥溝 513‥‥溝 521‥‥貫通孔 531‥‥貫通孔 a‥‥光軸 LL‥‥励起光 S‥‥内部空間 ω0‥‥周波数 ω1‥‥周波数 ω2‥‥周波数

Claims (7)

  1. ガス状の金属原子が封入されるガスセルと、
    前記ガスセルを囲んで設けられており、フレキシブル配線基板の配線パターンで構成さ
    れているコイルと、
    前記ガスセルおよび前記コイルを収納するパッケージと、を備え、
    前記フレキシブル配線基板は、前記パッケージ内で筒状に丸められており、前記フレキ
    シブル基板の弾性力により前記パッケージの内壁面に押し付けられており、
    前記パッケージ内に収納され、前記ガスセルが設置される基板をさらに備え、
    前記基板は、リジット基板であり、前記フレキシブル配線基板と一体で形成されている
    ことを特徴とするガスセルユニット。
  2. 前記パッケージの内壁面は、円筒状をなす請求項1に記載のガスセルユニット。
  3. 前記パッケージは、磁性材料で構成されている請求項1または2に記載のガスセルユニ
    ット。
  4. 前記磁性材料は、軟磁性材料である請求項3に記載のガスセルユニット。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載のガスセルユニットと、
    前記ガスセル内の前記ガス状の金属原子を励起する励起光を出射する発光素子と、
    前記パッケージ内に収納され、前記ガスセルを透過した前記励起光を検出する受光素子
    と、を備えることを特徴とする原子発振器。
  6. 前記発光素子は、前記パッケージ外に配置され、
    前記パッケージは、前記発光素子からの前記励起光を透過する窓部を有する請求項
    記載の原子発振器。
  7. 請求項またはに記載の原子発振器を備えることを特徴とする電子機器。
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