JP3037035B2 - 原子発振器用共振器 - Google Patents

原子発振器用共振器

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JP3037035B2 JP5203678A JP20367893A JP3037035B2 JP 3037035 B2 JP3037035 B2 JP 3037035B2 JP 5203678 A JP5203678 A JP 5203678A JP 20367893 A JP20367893 A JP 20367893A JP 3037035 B2 JP3037035 B2 JP 3037035B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励起された原子・分子
にその共鳴周波数にほぼ等しいマイクロ波を作用させ
て、マイクロ波による誘導放出を生じさせる原子発振器
用共振器に関し、特に内部擾乱磁場の影響を軽減して周
波数(時間)安定度の向上を図るとともに、共振器の小
型化を図った原子発振器用共振器に関する。原子発振器
用共振器を利用したものの一つに水素メーザ原子周波数
標準器がある。この水素メーザ原子周波数標準器は、短
中期の周波数(時間)安定度が10- 14オーダと優れて
いることから、二次周波数標準器として、ISDN,放
送,航法,GPS衛星等に応用されている。しかし、こ
れらの技術分野においては、さらに、その周波数安定度
の向上が要望されている。
【0002】
【従来の技術】励起された原子・分子の誘導放出を生じ
させる原子発振器用共振器は、水素メーザ(H2 )やセ
シュウム(Cs )等の原子・分子の固有スペクトル線を
周波数の基準に利用する原子発振器に用いられ、極めて
高精度かつ高安定な周波数源(共振器)となるものであ
る。
【0003】このような原子発振器は、正確さ、安定度
が高いという特徴を生かして、時刻,時間,周波数ばか
りでなく、長さ,温度等種々の物理量の基準として応用
されている。特に、水素原子の誘導放出エネルギーを用
いた原子発振器は、水素メーザ原子周波数標準器とし
て、実用化されている原子周波数標準器の中では一番安
定度の高い周波数標準器として使用されている。
【0004】例えば、水素メーザ原子周波数標準器の電
気的構成は、図4に示すような構成になっている。すな
わち、水素原子流供給系1は、放電励振器2、放電管3
及び準位選別マグネット4で構成されており、放電管3
に導入される水素分子を放電励振器2から加えられる高
周波電力でプラズマ放電して水素原子に解離し、そして
この解離した水素原子を準位選別マグネット4でエネル
ギー準位の高いものと低いものとに選別して、エネルギ
ー準位の高い水素原子のみを水素原子流にして原子発振
器用共振器5へ供給する。
【0005】原子発振器用共振器5は、水素原子流供給
系1から供給されるエネルギー準位の高い水素原子を蓄
積する水素蓄積球7、この水素蓄積球7を取り巻くマイ
クロ波共振器6及びマイクロ波出力手段8から構成され
ており、水素蓄積球7に蓄積された水素原子の誘導放出
エネルギーによって発振した約1420MHz の極めて
安定なマイクロ波を共振させて出力する。マイクロ波出
力手段8から出力されたマイクロ波は、低雑音の増幅器
9で増幅された後に位相比較器10に入力される。周波
数合成逓倍器13は、電圧制御水晶発振器12から出力
される例えば5MHz の信号を合成・逓倍して、入力の
5MHz と位相同期のとれた約1420MHz のマイク
ロ波を発生させ、位相比較器10に出力する。
【0006】位相比較器10は、増幅器9の出力信号と
周波数合成逓倍器13の出力信号とを受けて位相比較を
行う。この位相比較によって、周波数合成逓倍器13か
ら出力されたマイクロ波の位相変動成分(水素原子の誘
導放出エネルギーによるマイクロ波信号との位相差)が
検出される。帰還回路11は、位相比較器10からの位
相比較信号を受けて、マイクロ波の位相変動成分が零に
なるように、変動成分に比例した電圧を電圧制御水晶発
振器12の電圧制御端子に帰還する。
【0007】ここで、マイクロ波による誘導放出現象
を、図5に示す水素原子のエネルギー準位モデルを用い
て説明する。水素分子は、水素圧調節器(図示せず)を
介して一定の圧力で放電管3に導入される。放電管3内
では、放電励振器2からの高周波電力(例えば100M
Hz、数W)を受けてプラズマ放電が起き、水素は分子
から原子に解離される。水素原子は陽子の周囲を1個の
電子が回る最も簡単な構造の原子である。この原子のエ
ネルギーの基底準位は負電荷の電子の自転(スピン)と
正電荷の原子核との磁気的作用により、図5に示すよう
にF=1とF=0の2準位に分かれる。ここで水素原子
に外部から磁界を印加すると、F=1がさらにmF =+
1、mF =0、mF =−1の3準位に分かれる。
【0008】周波数標準として用いられるのは、基底状
態の超微細構造間のエネルギー準位F=1、mF =0か
らF=0,mF =0への遷移である。水素原子が熱平衡
状態にあるときは、F=1準位の原子数とF=O準位の
原子数との差は極めて小さく、水素原子の固有共鳴周波
数に近いマイクロ波を加えても微弱な吸収信号しか得ら
れない。このために、水素メーザ原子周波数標準器では
原子エネルギー準位選別を行ってF=0準位の原子を発
散させ、エネルギー準位の高いF=1、mF =0の原子
のみを得るようにする。この原子が、固有共鳴周波数に
極めて近い周波数に同調をとったマイクロ波共振器6の
共振周波数の刺激を受けてF=0、mF =0のエネルギ
ー準位の低い状態に遷移するとき、約1420MHz の
マイクロ波エネルギーを放出して、自励発振を行う。
【0009】したがって、この時点における電圧制御水
晶発振器12の出力周波数を、水素原子による誘導放出
エネルギー(水素メーザ)によるマイクロ波出力と同じ
周波数安定度の高い標準周波数として利用できる。
【0010】上述したような水素メーザ原子周波数標準
器に利用される原子発振器用共振器5としては、水素原
子の基底状態の超微細構造間のエネルギー遷移F=1,
F=0からF=0,mF =0で決まる高安定な遷移周
波数をそのまま周波数標準とするために、次の点につい
て考慮される必要がある。
【0011】 原子の基底状態の超微細構造間のエネ
ルギー差は、原子核とこれを中心として回っている電子
群の運動状態や相互作用によって決まる。また、各準位
にある原子のエネルギーは量子力学的に求められ、外部
磁場と原子核、電子との相互作用によって定まる。した
がって、外部変動磁場や内部擾乱磁場等の水素蓄積球7
への影響を磁気シールドによって極力抑圧する必要があ
る。
【0012】 水素蓄積球7へ漏洩した磁場(によ
っても漏洩磁場を完全になくすことは困難である)によ
って、複数個の超微細準位間のエネルギー値間で遷移が
同時に起きる。したがって、これらの中から所望のエネ
ルギー遷移のみを抽出するためには、強度が一定でマイ
クロ波磁場に平行な直流微弱磁場(静磁場)を水素蓄積
球7へ加える必要がある。
【0013】 水素蓄積球7は、水素蓄積球内で水素
原子が衝突・拡散し、壁でトラップされるまでの時間を
長くする目的で内面をテフロンコートしてある。これに
よりマイクロ波との相互作用の時間を長くし、スペクト
ル線幅を狭くできる。しかし、原子の固有共鳴周波数は
水素蓄積球内の原子数、温度により10- 11〜10- 10
台のずれを生じる。また、マイクロ波共振器6は、一般
には銅,銅合金,アルミニューム等の金属で造られてお
り、共振器自体の熱膨張によって共振周波数が変化す
る。したがって、水素蓄積球7及びマイクロ波共振器6
の恒温化を図る必要がある。
【0014】上記の〜の内容を考慮した原子発振器
用共振器としては、従来から、図3に示すような構成の
ものがあった。図3は、図4の原子発振器用共振器5の
概略構成を示す断面模式図である。水素蓄積球7は、円
筒状の一端がくびれたガラス容器(フラスコ状の容器)
で、励起されたエネルギー準位の高い水素原子のみが蓄
積されている。水素蓄積球7は、その軸心に沿ってマイ
クロ波共振器6で覆われている。マイクロ波共振器6
は、一端に水素原子の供給孔6aが設けられ、かつ他端
が閉塞された円筒状のケースである。この共振器からの
マイクロ波の出力はマイクロ波出力手段8を介して行わ
れる。
【0015】恒温槽14は、水素蓄積球7とマイクロ波
共振器6の温度を一定に保つための円筒状の容器で、一
端に水素原子の供給孔14aが上記供給孔6aに対応す
るように設けられている。その外周には温度制御ヒータ
15が配設されている。(上述のに対応)恒温槽14
の外側には、水素蓄積球7に強度が一定でマイクロ波磁
場に平行な直流微弱磁場(静磁場)を与えるための円筒
状の静磁場コイル16が上記軸心に沿って配設されてい
る。(上述のに対応)
【0016】そして、最外部には水素蓄積球7への外部
磁場の影響を軽減するために、パーマロイ,鉄等の強磁
性体材料で作られた磁気シールド17が、静磁場コイル
16,恒温槽14等を覆うように配設されている。磁気
シールド17の一端には、水素原子の供給孔17aが、
上記供給孔14aに対応するように設けられている。
(上述のに対応)なお、マイクロ波共振器6及び恒温
槽14の材料としては、温度制御のために熱伝導率がよ
く、かつ、静磁場コイル16からの静磁場を遮断しない
ような、銅,銅合金,アルミニューム等の非磁性体の金
属が用いられている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示すような構成では、原子発振器用共振器5の外部から
の外部磁場の水素蓄積球7への影響は磁気シールド17
で抑圧することができるが、温度制御ヒータ15の制御
電流の変動で発生する内部擾乱磁場の影響は何ら軽減さ
れないという問題があった。すなわち、水素蓄積球7へ
静磁場を与えるための静磁場コイル16が温度制御ヒー
タ15の外側に設けられているために、温度制御ヒータ
15の内側では磁気遮蔽を行うことができなかった。そ
の結果、水素メーザ原子周波数標準器の短中期の周波数
安定度は、10- 14オーダが限界で、それ以上の改善は
できなかった。本発明の目的は、上記課題を解決し、内
部擾乱磁場の影響を軽減し、共振器の小型化を図った原
子発振器用共振器を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では図1に示すごとく、温度制御ヒータで温
度制御される恒温槽(第2のケースに相当する)の内側
に静磁場コイルを配設するとともに、この恒温槽に磁気
シールド機能を兼ねさせることによって、上述の温度制
御ヒータによる内部擾乱磁場の影響ばかりでなく、外部
磁場からの影響をも共通の磁気シールドで同時に軽減す
ることができるという点に着眼した。
【0019】このために、本発明では、励起された状態
にある原子又は分子を蓄積する容器を覆う両端解放の円
筒状の非磁性体材料でなる第1のケースと、第1のケー
スの周囲に配設された静磁場コイルと、第1のケースと
静磁場コイルとを覆い一端が孔を備えかつ他端が閉塞さ
れた円筒状の強磁性体材料でなる第2のケースと、第2
のケースの周囲に配設された温度制御ヒータとを備え、
第1のケースの内面と第2のケースの両端の内面とが協
働してマイクロ波共振器を形成するようにした。
【0020】
【作用】強磁性体材料でなる第2のケースの内側に静磁
場コイルと原子又は分子を蓄積する容器を、また外側に
温度制御ヒータを配置するので、温度制御ヒータによる
内部擾乱磁場の原子又は分子を蓄積する容器への影響が
軽減でき、その結果、原子発振器用共振器の短中期周波
数安定度が10倍(水素メーザ原子周波数標準器の場合
10- 14オーダが10- 15オーダになる)向上する。ま
た、強磁性体材料でなる第2のケースの周囲に温度制御
ヒータを設けることによって、第2のケースに磁気シー
ルド機能と恒温槽機能を兼ねさせることができ、原子発
振器用共振器の小型化が図れる。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す原子発振器用
共振器の概略構成を示す断面模式図である。なお、従来
例と同一の構成部分には同一の符号をつけ、その部分の
詳細説明は省略する。円筒状(フラスコ状)の水素蓄積
球7は、その軸心に沿って第1のケース18で覆われて
いる。第1のケース18は、銅,銅合金,アルミニュー
ム等の非磁性体の金属でなる両端が開放された円筒状の
ケースである。第1のケース18の外周には、水素蓄積
球7に静磁場を与えるための静磁場コイル19が上記軸
心に沿って配設されている。第1のケース18と静磁場
コイル19は、上記軸心に沿って第2のケース20で覆
われている。
【0022】第2のケース20は、一端に水素原子の供
給孔20aが設けられ、かつ他端が閉塞された円筒状
の、パーマロイ等の強磁性体材料でなる金属ケースであ
る。このケースの両端の内面20bは、前述の第1のケ
ース18の内面18aとで協働してマイクロ波共振器を
形成する。なお、この共振器からのマイクロ波の出力は
マイクロ波出力手段8を介して行われる。第2のケース
20の外周には、水素蓄積球7と第1のケース18の温
度を一定に保つための温度制御ヒータ21が配設されて
いる。このために、第2のケース20は恒温槽の機能を
有している。なお、温度制御ヒータ21は、磁場発生を
極力抑えるため予めツイストしたヒータ線をさらにバイ
ファイラ捲きにしている。
【0023】このような構成でなる原子発振器用共振器
においては、第2のケース20とその回りに設けられた
温度制御ヒータ21によって水素蓄積球7等の温度を一
定に保つ恒温槽が形成され、また、パーマロイ等の強磁
性体材料でなる第2のケース20によって温度制御ヒー
タ21で発生する内部擾乱磁場及び外部磁場の影響を軽
減する磁気シールド槽が形成される。なお、磁気遮蔽率
は磁気シールド槽の壁厚に比例するので、第2のケース
20の壁厚を厚くすればその分磁気遮蔽特性がよくなる
ことは言うまでもない。
【0024】ここで、磁気シールド機能と恒温槽機能を
兼ねた第2のケース20について詳述する。すなわち、
第2のケース20は、パーマロイ等の強磁性体材料を用
いて造らなければならないが、その製造にはロストワッ
クス,ダイキャスト等の精密鋳造方式が適している。以
下に、その理由を述べる。
【0025】 磁気遮蔽上最適な任意形状が比較的容
易に得られ、その上、曲げ加工や溶接による製作時の永
久歪(パーマネント・スポット)が生じないために、高
温からの焼鈍も必要なく、加熱・冷却による物理的変形
が皆無となる。その結果、勘合部(例えば、円筒部分と
端部とを別々に造る場合のそれらの接合部)がキッチリ
と収まるため磁路の形成が理想に近くなる。また、一連
の加工作業に伴う磁気シールド槽(第2のケース20)
自体の帯磁も少ないため、より優れた磁気遮蔽特性が期
待できる。
【0026】 滑らかな鋳肌はその外面に装備する加
熱手段(温度制御ヒータ21)との密着性に優れ熱伝導
の点で効率の良い温度制御ができる。ひいては温度制御
ヒータ21用電流の変動を抑えることができ、変動磁場
の発生をさらに抑圧できる。
【0027】なお、上記実施例においては、マイクロ波
共振器の一部を形成する第1のケース18と水素蓄積球
7に静磁場を与えるための静磁場コイル19とを別々の
部材で構成するようにしたが、図2に示すようなフレキ
シブル多層プリント板22を円筒状に形成し、第1のケ
ース18と静磁場コイル19とを一体的に構成してもよ
い。図2の、フレキシブル多層プリント板22と水素蓄
積球7の部分を示す断面模式図を用いて、その具体例を
説明する。
【0028】水素蓄積球7の周りに円筒状に捲いたフレ
キシブル多層プリント板22(以下プリント板22とい
う)の外導体22aは、マイクロ波共振器の円筒壁面を
形成する。より高いQ値を得るためには外導体22aに
銀メッキをし、研磨することで達成される。メッキ厚
は、使用するマイクロ波帯(約1420MHz)の表皮
効果を考慮すると数μm程度でよい。そして、マイクロ
波共振器の両端壁面は、第2のケース20の両端の内面
20b(研磨したもの)で形成される。なお、この場
合、マイクロ波共振器の励振モードとして、共振器の円
筒壁面と両端壁面との間にマイクロ波電流が流れないT
011 モードを使用するので、プリント板22の外導体
22aと第2のケース20の両端の内面20bとの物理
的不連続があっても支障ない。
【0029】プリント板22の内部の絶縁層22bに挟
まれて、予めソレノイドコイル状にエッチングされた内
導体22cは、静磁場コイルとして使用される。所望の
エネルギー遷移を他の不要な遷移と区別するために必要
とされる静磁場は5μT程度であって、これを励磁する
励磁電流は数mA以下であり、これによるプリント板2
2の発熱は問題とならない。プリント板22の外側にも
絶縁層22bを設けてあるので、第2のケース20の円
筒部分の内側に密接させて挿入することで、温度制御ヒ
ータ21、第2のケース20、プリント板22(静磁場
コイル19と第1のケース18を一体にしたもの)の密
着化(一体化)がなされて、良好な熱伝導が確保でき温
度制御特性の改善が図れる。
【0030】以上の実施例においては、水素メーザ原子
周波数標準器を例に説明したが、セシュウム(Cs )原
子,ルビジウム(Rb )原子等の金属原子やアンモニヤ
(NH3 )等のガスの固有共鳴周波数を基準周波数とす
る原子周波数標準器の共振器にも適用できることは言う
までもない。なお、この場合は、水素蓄積球7は金属原
子を封入したガスセルに、水素原子の供給孔20aはガ
スセルに光を入射するための入射孔に、またマイクロ波
出力手段8はマイクロ波共振器にマイクロ波を供給する
ためのマイクロ波供給手段にそれぞれ変わり、また第2
のケース20の水素原子の供給孔20aに対向する内面
には光電変換器が設けられる。
【0031】
【発明の効果】強磁性体材料でなる第2のケースの内側
に静磁場コイルと原子又は分子を蓄積する容器を、また
外側に温度制御ヒータを配置したので、温度制御ヒータ
による内部擾乱磁場の原子又は分子を蓄積する容器への
影響が軽減でき、その結果、原子発振器用共振器の短中
期周波数安定度が10倍(水素メーザ原子周波数標準器
の場合10- 14オーダが10- 15オーダになる)向上し
た。また、強磁性体材料でなる第2のケースの周囲に温
度制御ヒータを設けることによって、第2のケースに磁
気シールド機能と恒温槽機能を兼ねさせることができ、
原子発振器用共振器の小型化が図れ、容積比が従来の約
1/2となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す原子発振器用共振器
の概略構成を示す断面模式図、
【図2】 フレキシブル多層プリント板と水素蓄積球を
示す断面模式図、
【図3】 従来例の原子発振器用共振器の概略構成を示
す断面模式図、
【図4】 水素メーザ原子周波数標準器の電気的構成を
示す図、
【図5】 水素原子のエネルギー準位図。
【符号の説明】
1・・・・水素原子流供給系、2・・・・放電励振器、3・・・・放
電管、4・・・・準位選別マグネット、5・・・・原子発振器用
共振器、6・・・・マイクロ波共振器、6a,14a,17
a,20a・・・・供給孔、7・・・・水素蓄積球、8・・・・マイ
クロ波出力手段、9・・・・増幅器、10・・・・位相比較器、
11・・・・帰還回路、12・・・・電圧制御水晶発振器、13
・・・・周波数合成逓倍器、14・・・・恒温槽、15,21・・
・・温度制御ヒータ、16,19・・・・静磁場コイル、17
・・・・磁気シールド、18・・・・第1のケース、18a,2
0b・・・・内面、20・・・・第2のケース、22・・・・フレキ
シブル多層プリント板、22a・・・・外導体、22b・・・・
絶縁層、22c・・・・内導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−104507(JP,A) 特開 平4−316379(JP,A) 特開 平2−9228(JP,A) 特開 昭63−281522(JP,A) 特開 昭63−59117(JP,A) 特開 昭63−37681(JP,A) 特開 昭60−183782(JP,A) 特開 昭62−281482(JP,A) 実開 昭60−153005(JP,U) 特公 昭44−394(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 1/00 - 1/06 H03L 7/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起された状態にある原子又は分子にマ
    イクロ波を作用させて、マイクロ波による原子又は分子
    の誘導放出を生じさせる原子発振器用共振器において、 励起された状態にある原子又は分子を蓄積する円筒状の
    容器(7)と、 該容器の軸心に沿って該容器を覆う両端解放の円筒状を
    呈し、内面がマイクロ波共振器の一部を構成する非磁性
    体材料でなる第1のケース(18)と、 該第1のケースの周囲に配設されて、前記容器に磁場を
    励磁する静磁場コイル(19)と、 前記容器の軸心に沿って前記第1のケースと該静磁場コ
    イルとを覆い一端が孔を備えかつ他端が閉塞された円筒
    状を呈し、両端の内面が前記第1のケースの内面と協動
    してマイクロ波共振器を形成する強磁性体材料でなる第
    2のケース(20)と、 該第2のケースの周囲に配設されて、前記容器と前記マ
    イクロ波共振器の温度変動を制御するための温度制御ヒ
    ータ(21)とを備えたことを特徴とする原子発振器用
    共振器。
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