JP6060550B2 - 管楽器用消音器 - Google Patents
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Description
このような管楽器の音量を小さくする消音構造としては、例えば、管楽器のネック内に、その内径を絞る短円筒状の弱音具(制音材)を配置する構造(特許文献1)や、管楽器共鳴管にバイパス管を設けて楽器外部に引き出す構造(特許文献2)が提案されている。
更に、特許文献2記載の構造は、楽器からバイパスさせたマフラー構造で消音効果を狙っているが、楽器の抵抗感が減ってしまい、同様に吹奏感を悪くするという不都合がある。
前記管楽器の内外を連通させるバイパス管を、前記制音材に併設するとともに、前記バイパス管をテーパ状に設ける、という構成を採っている。
また、制音材とバイパス管をマウスピースに設けたり、ネックに設けたりすれば、楽器全体から見たときに上流側での空気流調整となり、効果的な制音すなわち弱音化を実現することができる。このように、制音材とバイパス管をマウスピースに設けたり、ネックに設けたりすれば、楽器本体にこれらを設けるのに比べて、マウスピースやネックの交換だけで弱音化を実現できるというメリットもある。
また、前記制音材を複数直列配置することで、弱音化の程度を調整することもできる。
図1において、サクソフォンのネック10の端部外周側にコルク11を介してマウスピース12が着脱自在に装着されている。このマウスピース12には、消音器を構成する制音材13及びバイパス管14が設けられている。ここで、マウスピース12は、図1中左側下部の空気吹込み口15と、右端の開口16、これら空気吹込み口15と、開口16との間に設けられた通路17とを備え、空気吹込み口15には、1枚のリード18が装着されている。
本実施形態において、バイパス管を追加することによって、管内部の音圧がバイパス管により下げられるので、従来製品の制音材単体の場合よりも高い弱音効果を得ることができる。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施例に対し、当業者が様々な変更を加えることができるものである。
バイパス管を逆テーパ状とすることで、図1のようなストレート状の長いバイパス管の基本共鳴周波数を、短いバイパス管で実現できるので、このような変形例によっても、前記実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。この場合、バイパス管がコンパクトになるというメリットがある。
図1、2の構成は、制音材13及びバイパス管14がマウスピース12に設けられた構成であるが、吹奏者によっては、自身の手持ちのマウスピースを使いたい場合がある。そこで、図3に示される構成とすれば、そのような要請に応えることができる。
このような構成では、図1、2と同様に吹奏感を良好に保った状態で、音量を下げる性能を維持し、且つ、吹奏者の好みのマウスピースに交換して吹奏することもできる。なお、この構成においても、バイパス管14をテーパ状にすることもできる。
このような配置とした場合には、制音材13の間にマフラーのような部屋ができることとなり、更に音量を下げることができる、という効果が付加される。
制音材13及びバイパス管14は、マウスピース12の空気吹込み口15から遠い位置に配置されると、ピッチが悪くなる傾向があるが、この変形例によれば、そのような不都合を解消することができる。
バイパス管14は、この例ではマウスピース12の上部に設置しているが、演奏時の邪魔にならないように、マウスピース12の周方向に適当にずらした位置、例えば右横側などに設置してもよい。
このような構成によっても期待する制音効果を得ることができる。
隙間Sの各部の断面積や隙間Sの空間の全長を、既述のバイパス管のそれと同様に設定すれば音響特性を同様とすることができるので、このような構成によっても期待する制音効果を得ることができる。
このような構成によれば、吹奏者が所有するマウスピース12を利用することが可能となる他、バイパス管がネックやマウスピースから突出する形状を避けることができる。
また、管楽器はサクソフォンに限定されるものではなく、クラリネット等の木管楽器に適用することができる。
Claims (6)
- 管楽器の内部に配置されて管内の空気通路を狭くする制音材を含む管楽器用消音器において、
前記管楽器の内外を連通させるバイパス管を、前記制音材に併設するとともに、前記バイパス管をテーパ状に設けたことを特徴とする管楽器用消音器。 - 前記制音材及びバイパス管はマウスピースに設けられていることを特徴とする請求項1記載の管楽器用消音器。
- 前記制音材及びバイパス管は、管楽器のネックに設けられていることを特徴とする請求項1記載の管楽器用消音器。
- 前記制音材はマウスピースに設けられる一方、前記バイパス管は管楽器のネックに設けられていることを特徴とする請求項1記載の管楽器用消音器。
- 前記制音材は複数直列配置されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の管楽器用消音器。
- 前記バイパス管の呼気導入口が前記制音材の呼気導入口と同じ位置か、それよりもマウスピースの空気吹込み口側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の管楽器用消音器。
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