JP3135624U - フルート属の頭部管に装着する部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吹き口内部と反射部材(反射面側)の間に生じる負圧を効率良く解除して、従来発音が困難であった音の発音を容易にし、高音域から低音域までムラなく発音できるようにすることによってダイナミックレンジを広げ、表現性に富んだ音色を発音し得るフルートの閉塞部材(コルク栓を含む)を提供する。また、より豊かな音量を得るためのフルートの閉塞部材(コルク栓を含む)を提供する。
【解決手段】 フルートの頭部管に装着する閉塞部材に、胴部管側から頭部管先端側まで貫通した孔を設け、且つ、該閉塞部材を、発生した振動・音を反射する反射部材、頭部管内に生じる負圧の解除を補助する負圧解除補助部材、及び空気漏れ防止部材から構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 フルートの頭部管に装着する閉塞部材に、胴部管側から頭部管先端側まで貫通した孔を設け、且つ、該閉塞部材を、発生した振動・音を反射する反射部材、頭部管内に生じる負圧の解除を補助する負圧解除補助部材、及び空気漏れ防止部材から構成する。
【選択図】 図1
Description
本考案はフルート属の頭部管に装着する部材に係り、より具体的には閉塞部材(後記のとおり一般にコルク栓と呼ばれることが多い)に関する。
フルート属(以下単に「フルート」という)は、頭部管、胴部管、足部管から構成される。フルートの発音原理は、頭部管の吹き口から息を吹き込むことにより、カルマン渦と呼ばれる渦が発生し、管内外の空気圧の不均一差が生じ、管内側と管外側に吹き口部前壁を境にして空気の振動が発生しこれが伝達し発音する、というものである。
この振動をフルートの管内部に伝達すると共に、管内で発生した定常波を再び吹き口に戻すため、頭部管の先端部に所定の部材を装着する。この部材(以下「閉塞部材」という)は通常コルクが用いられることから、一般にコルク栓と呼ばれる。従来の一般的な閉塞部材を図14及び15に示す。図15に示されるとおり、通常、閉塞部材は、コルクネジ17、コルク止めネジ18、コルク19などから構成されると共に、頭部管管体に装着した状態において胴部管方向に位置する側に、いわゆる反射板20(反射部材)が設けられる。
フルートは、この反射部材により、発生した振動ないし音を胴部管側方向へ反射・伝達して発音させる。このことから、従来、閉塞部材は、反射部材の反射面において穴や隙間を避けることはもとより、反射面(円形)の直径を管の内径とほぼ同じにし、コルク等を用いるなど、頭部管先端方向へ通じるあらゆる空間を可及的に排し、密閉・閉塞しながら、振動・音を反射するように構成されている。該空間を可能な限り閉塞し、頭部管先端方向へ空気を流出させないようにすることこそ胴部管方向への振動・音の反射に資する、と考えられてきたためである。
ところで、発音は振動の伝達如何によって変化する。例えば、振動がゆっくりであれば低音、急速であれば高音になる。フルートの演奏には、高音域から低音域までムラなく発音できることが良いフルートの条件の一つであるため、振動の伝達を左右する閉塞部材及びそこに設置される反射部材は、フルートの演奏における発音(音質、音量など)を大きく左右する。
そのため、高音域から低音域まで発音し易くする等のための閉塞部材に関する研究が盛んに行なわれているのであるが、上記のとおりフルートにおいては頭部管先端方向へ空気を流出させないことが振動・音をより反射させると考えられてきたことから、この点の研究についても、「反射部材が頭部管先端方向へ通じる空間を完全に排し、密閉・閉塞すること」を当然の前提としつつ、そのうえで、振動・音をいかに反射させるかの改良が行なわれてきた。
例えば、実用新案登録第3023298号は、反射部材の外周縁の部分と胴体部との境部に、角を除いたコーナー部を設けることを開示しているが、頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
実用新案登録第3047388号は、反射部材の中央又は略中央に、突出した湾曲面から成る山形部を設けることを開示しているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
特開平10−124042号は、コルク栓(反射部材)に水晶板を使用することを提案しているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
特開2003−5742号は反射面を回転放物面とすることを提案しているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
特開2007−47716号は、反射部材を窪みつき反射筒とすることが提案されているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
これらの考案・発明は、いずれも「反射部材が頭部管先端方向へ通じる空間を完全に排し密閉・閉塞すること」を当然の前提としながら、振動・音の反射を改良すること目指すものである。
例えば、実用新案登録第3023298号は、反射部材の外周縁の部分と胴体部との境部に、角を除いたコーナー部を設けることを開示しているが、頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
実用新案登録第3047388号は、反射部材の中央又は略中央に、突出した湾曲面から成る山形部を設けることを開示しているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
特開平10−124042号は、コルク栓(反射部材)に水晶板を使用することを提案しているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
特開2003−5742号は反射面を回転放物面とすることを提案しているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
特開2007−47716号は、反射部材を窪みつき反射筒とすることが提案されているが、上記同様に頭部管先端方向へ密閉された状態は保たれている。
これらの考案・発明は、いずれも「反射部材が頭部管先端方向へ通じる空間を完全に排し密閉・閉塞すること」を当然の前提としながら、振動・音の反射を改良すること目指すものである。
一方、フルートの音は他の楽器に比べて小さいため、大きな音が出せるようにするための構造の研究も行なわれている。これについても上記同様、「反射部材により頭部管先端方向への空間を完全に排し密閉・閉塞」させたうえで、「如何に振動・音を反射させて音量を増大させるか」といった観点からの改良が試みられてきた。
例えば、特開2000−29458号は、反射部材として、密閉された共鳴筒を設けることを開示している。
例えば、特開2000−29458号は、反射部材として、密閉された共鳴筒を設けることを開示している。
しかしながら、高音域から低音域までムラなく発音できるようにするとの課題は依然未解決のままであり、高音・低音のいずれにも発音が困難な音が残るという問題を生じていた。
また、従来の反射部材によっては、いかに大量の息を吹き込もうとも音量を増大させることには限界があった。
本考案者は、研究・開発の過程において、これまで振動の反射の効率を上げるのに必須と考えられてきた「反射部材により頭部管先端方向へ通じる空間を完全に排し密閉・閉塞すること」が、むしろこれら問題の解決を阻害している可能性を仮定し、従来と発想を転換して研究・開発を進めた結果、頭部管内、特に吹き口内部と反射部材(反射面側)の間に負圧が発生する点に着目するに及び、該負圧を解除することによって上記課題を解決するに至った。
すなわち、本考案の主たる目的は、吹き口内部と反射部材(反射面側)の間に生じる負圧(以下単に「負圧」という場合はこれを指す)を効率良く解除して吹き口から吹き込まれる息の流れを均一にすることにより、従来発音が困難であった音の発音を容易にし、高音から低音域までムラなく発音できるようにすることによってダイナミックレンジを広げ、表現性に富んだ音色を発音し得るフルートの閉塞部材を提供することである。
本考案の更なる目的は、負圧を効率良く解除することによって、従来の反射部材の反射機能を高め、より豊かな音量を得るためのフルートの閉塞部材を提供することである。
本考案は以上諸点に鑑みてなされものであって、本考案の第一の側面によれば、フルートの頭部管に設置する閉塞部材は、発生した振動・音を反射する反射部材、頭部管内に生じる負圧の解除を補助する負圧解除補助部材、及び空気漏れ防止部材から構成され、胴部管側から頭部管先端側へ貫通した孔を設けるように構成される。
本考案の第二の側面によれば、フルートの頭部管に設置する上記閉塞部材は、貫通した孔が一つであり、該孔の中心が反射部材の反射面のほぼ中心に位置するように構成される。
本考案の第三の側面によれば、前記反射部材における前記貫通した孔の直径が1mm以上2mm以下の範囲に含まれるように構成される。
本考案の第四の側面によれば、前記負圧解除補助部材が、頭部管先端側方向へ広がったメガホン形状により構成される。
本考案の第五の側面によれば、前記貫通した孔において、反射部材における反射面付近の形状が、胴部管方向へ広がった漏斗状により構成される。
本考案の第六の側面によれば、前記閉塞部材の貫通した孔の開閉を行なう孔開閉調整手段が設けられるように構成される。
本考案の第七の側面によれば、前記孔開閉調整手段が、前記負圧解除補助部材の一部に取り付けられたネジ孔を有するネジ支板、及び調整ネジから成り、前記ネジ孔に前記調整ネジをねじ込み、該調整ネジ先端部を前記反射部材の孔に差し込むことによって前記閉塞部材の孔の開閉を行なうように構成される。
本考案によれば、フルートの頭部管に装着する閉塞部材に、胴部管側から頭部管先端側へ貫通した孔を設け、且つ、該閉塞部材を、発生した振動・音を反射する反射部材、頭部管内に生じる負圧の解除を補助する負圧解除補助部材(好ましくは後記メガホン状の「ラッパ管」)、及び空気漏れ防止部材から構成することによって、吹き口内部と反射部材(反射面側)の間に生じる負圧を効率的に解除して吹き口から吹き込まれる息の流れを均一にし、高音域及び低音域の発音を容易にすることができる。これにより、高音域から低音域までムラなく発音できるものとなり、表現性に富んだ音色を発音することができる。さらに、そのような音を、容易により大きく発音することが可能となる。
以下、この考案にかかるフルートの閉塞部材を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図4は、本考案にかかる閉塞部材の好適な一実施例(本実施例1)を示す。図1は部材を組み立てて完成させた状態を示し、図2は部材を分解した状態を示す。図3及び図4は、それら各状態の断面を表す断面図である。
本考案にかかる閉塞部材22は、頭部管に装着した状態において、振動・音を反射する反射部材3を胴部管側13に有し、これと反対側(頭部管先端側12)に、頭部管内に生じる負圧の解除を補助するための負圧解除補助部材1を有する。また、空気漏れ防止部材2を有する。該閉塞部材22は、胴部管側13から頭部管先端側12まで貫通した孔を有し、したがって、上記反射部材3に孔が設けられることとなる。
反射部材3(反射板)の反射面10の全体形状は、図1(c)等に示されるとおり円形であり、その直径は頭部管の内径とほぼ同じ(通常、例えば17mm程度)とする。そして、空気漏れ防止部材2(本実施例ではコルク)を設けることにより、反射面と管の間の隙間を可及的に閉塞する。これらの点は従来の反射板20(図15参照)と異ならない。
本考案における反射部材が従来のものと異なる点は、胴部管側13から負圧解除補助部材側(頭部管先端側12)へ貫通した孔を設けた点である(図1及び図3参照)。
この孔は、負圧を解除して振動・音を反射する効果を高めるため、図1(c)に示されるように、反射部材3を側面から見たときに円形の中心付近に一箇所設けるのが好ましい。
この反射部材の孔の直径は、1mm以上2mm以下が好ましい。該直径が1mm未満の場合、負圧を充分に解除できず、特に低音の発音についての改善効果が少なかった。また、該直径が2mmを超える場合、振動・音の反射効果が少なくなった。なお、後記実施例2に記載のとおり、本考案にかかる閉塞部材に孔開閉調整手段を設ける場合は、孔の直径の上限について、このような制限は不要となる。
また、負圧解除の効果を高めるため、当該孔の反射面付近の形状6を、図3及び図4に示されるように、胴部管側13へ広がった形状の漏斗状とするのが好ましい。
負圧解除補助部材1の形状は、負圧を効率的に解除するのに適した形状とする。さらに、音を頭部管先端側12方向へ放出するのにも適した形状であるのが好ましい。この形状は、例えば円筒形などでも不可能ではないが、本実施例においては、好適な一例として、負圧解除補助部材1の形状を、頭部管先端側12方向へ広がった形状のメガホン状の管(以下「ラッパ管」と称する)としている。
なお、本考案は、孔の反射面付近の形状6を上記のように胴部管側13へ広がった形状の漏斗状とし、且つ、負圧解除補助部材1の形状を頭部管先端側12方向へ広がった形状のメガホン状のラッパ管とした場合が最も効果が得られる。
本実施例1においては、空気漏れ防止部材2として、コルクを用いている(この場合、閉塞部材22全体がいわゆるコルク栓と呼ばれるものとなる)。空気漏れ防止部材2としては例えばゴム等を使用しても良いが、反射板の周囲から空気漏れを防ぐと共に、閉塞部材22の頭部管内部の位置決めに便宜であることから、一般的にコルクを用いたコルク栓が用いられている。
本考案に係る閉塞部材22を組み立てる際、反射部材3と負圧解除補助部材1(本実施例においてはラッパ管)は、空気漏れ防止部材2(本実施例においてはコルク)を介して結合することも可能である。図3及び図4にはその一例が示されており、反射部材3に、反射面と反対側に、突出部9を設ける例が示されている。
反射部材3の上記突出部9には、負圧解除補助部材1へ空気を流出させるための孔が貫通している。負圧解除効果及び音放出効果を高めるため、該突出部9の負圧解除補助部材側先端部における孔の形状5は、負圧解除補助部材1と結合するのに適した形状とするのが好ましい。本実施例においては、その形状について、ラッパ管(負圧解除補助部材1)のメガホン形状に適合するように、胴部管側13を頂点として頭部管先端側12方向へ広がる漏斗状(ないしメガホン状)とした例が示されている。
反射部材3と負圧解除補助部材1の結合手段としては、例えば、図4に示すように反射部材の該突出部9に雄ネジを設け(雄ネジ部7)、負圧解除補助部材1に雌ネジを設けて(雌ネジ部8)、該雄ネジを該雌ネジに締め付けて結合させる。
反射部材3と負圧解除補助部材1を結合させた状態において、反射部材の突出部先端の孔5の内壁面と負圧解除補助部材1の内壁面が面一に揃うように、すなわち、図3に示すように両内壁面が段差なく連続するように調整する。
本考案に係る閉塞部材22は、従来のものと同様、フルートの頭部管に、反射面10を吹き口中心から頭部管先端側12方向に向けて略17mm左の位置に挿入し固定することによって使用する。
本考案にかかる閉塞部材22の使用態様としては、頭部管から完全に露出させて使用する露出型と、頭部管に内蔵させる内蔵型が考えられる。露出型を図5に、内蔵型を図6に示す。
露出型は、本考案の効果をより効率的に発揮できる。内蔵型は、当該閉塞部材22の外観が頭部管内に隠れるので、従来のフルートと変わらない外見を保つことができ、外見上違和感なく使用することができる。
以下に本考案の作用を本実施例1に沿って説明する。
頭部管の吹き口11から息を吹き込むと、頭部管先端側12方向から、空気が、負圧解除補助部材1(本実施例ではラッパ管)を通じ、さらに反射部材3に設けられた孔を通って胴部管側13方向へ流入する。
頭部管先端側12方向から胴部管側13方向へ向けて空気が流入する孔が反射面10(好ましくは反射部材3の反射面10のほぼ中央に一箇所)に設けられている反面、それ以外には反射面10の円周周辺を含め隙間が存しない。そのため、吹き口11から息を吹き込むことで反射面10の胴部管側13に気流の循環・対流が生じ、頭部管先端側12からの空気の流入を促進する。
頭部管先端側12方向から胴部管側13方向へ向けて空気が流入する孔が反射面10(好ましくは反射部材3の反射面10のほぼ中央に一箇所)に設けられている反面、それ以外には反射面10の円周周辺を含め隙間が存しない。そのため、吹き口11から息を吹き込むことで反射面10の胴部管側13に気流の循環・対流が生じ、頭部管先端側12からの空気の流入を促進する。
さらに、負圧解除補助部材1が上記した気流の循環・対流に重要な役割を果たす。すなわち、負圧解除補助部材1を通じて胴部管側13方向へ空気が流入するため、上記気流の循環・対流が促進される。この負圧解除補助部材1の形状がメガホン状のラッパ管である場合、上記気流の循環・対流が顕著となり、加えて、反射部材3の反射面10付近に設けられた孔が胴部管側13方向へ広がる漏斗状である場合、上記気流の循環・対流が極めて効率良く促進される。
以上により、従来、頭部管内、特に吹き口11と反射部材3(反射面10側)の間に発生していた負圧が、効率的に解除される。
なお、反射面10に所定の孔を設けるのではなく、例えば単に反射面10の円周周辺に隙間があるに過ぎないような場合は、空気が漏れるだけで気流の循環・対流は生じず、反射に不利となる。
なお、反射面10に所定の孔を設けるのではなく、例えば単に反射面10の円周周辺に隙間があるに過ぎないような場合は、空気が漏れるだけで気流の循環・対流は生じず、反射に不利となる。
このように頭部管内の負圧が効率良く解除されている状態であるので、本考案によれば、演奏者は、高音域ないし低音域の発音を容易に行うことができる。すなわち、従来は吹き込む息に強弱をつけたとしても、負圧の影響により必ずしも意図したとおりの発音が得られなかったが、本考案によれば、負圧が効率的に解除されているので、演奏者の吹き込む息の強弱に応じて(つまり演奏者の意図するとおりに)自由に発音させることが可能となる。したがって、高音域から低音域までムラなく発音できるようになり、ダイナミックレンジが広がり、表現性に富んだ音色を発音し得ることとなる。
発生した振動・音は、反射部材3の反射面10で反射して胴部管側13方向へ放出されるが、上記のとおり反射面10の胴部管側13に気流の流入が促進されているため、振動・音が反射・伝達され易くなり、胴部管側13に放出される音量が増加する。
さらに、音は、負圧解除補助部材1を通じて頭部管先端側12方向へも放出される。負圧解除補助部材1がメガホン状のラッパ管である場合、頭部管先端側12方向から放出される音はより拡大され易くなる。
このように、本考案による場合、胴部管側13方向へ放出される音が従来よりも増すほか、従来胴部管側13方向(一方向)からのみ放出されていた音が、胴部管側13方向へ放出されると共に頭部管先端側12方向からも放出されるため、より一層豊かな音量を得ることが可能となる。
さらに、音は、負圧解除補助部材1を通じて頭部管先端側12方向へも放出される。負圧解除補助部材1がメガホン状のラッパ管である場合、頭部管先端側12方向から放出される音はより拡大され易くなる。
このように、本考案による場合、胴部管側13方向へ放出される音が従来よりも増すほか、従来胴部管側13方向(一方向)からのみ放出されていた音が、胴部管側13方向へ放出されると共に頭部管先端側12方向からも放出されるため、より一層豊かな音量を得ることが可能となる。
本考案に係る閉塞部材は、従来の閉塞部材として用いるようにすることもできる。この場合、閉塞部材に貫通している孔を塞ぐための孔開閉調整手段を設けるのが便宜である。
図7乃至図13が、その好適な一例として、ネジ孔16を有するネジ支板15と調整ネジ14から成る孔開閉調整手段を示す。
図7の左側面図、図9、図10などに示されるとおり、負圧解除補助部材1(本実施例ではラッパ管)の音放出側先端付近に、ネジ支板15を設ける。ネジ支板15にはネジ孔16が設けられており、該ネジ孔16から調整ネジ14をねじ込む。調整ネジ14を指先で回転させることで、調整ネジ14の先端部が反射部材3の孔(実施例では、符号5が示す反射部材の突出部の孔)を開閉する。
ネジ支板15は調整ネジ14を支えることができればよく、負圧解除補助部材内の気流の循環・対流及び音放出を妨げないように、できるだけ小さいサイズとすることが好ましい。図7の左側面図においては、負圧解除補助部材1の放出面を広く取るための一例として、縦長のネジ支板が示されている。
調整ネジ14の先端は、反射部材3の孔に適合する形状とするのが好ましい。本実施例では、図10に示されるとおり、反射部材の突出部の漏斗状5に適合するように、調整ネジ14の先端を円錐状としている。
反射部材3の孔を塞がない位置に調整ネジ14を設定すれば、上記実施例1で説明した場合と同様の効果を得ることができる。
他方、調整ネジ14によって反射部材3の孔を完全に塞ぐことで、従来の密閉型の閉塞部材と同様に機能させることが可能である。
さらに、演奏者の好みに応じ、孔の大きさを微妙に調節すること(音色が異なり得る)も可能となる。なお、孔開閉調整手段を設けると、このように孔の大きさを自由に調整できるので、反射部材3に設ける孔の直径について、上記実施例1における上限(2mm以下)が妥当しない。すなわち、孔開閉調整手段を設ける場合、反射部材3の孔の直径は2mmを超えるものであってもよい。
他方、調整ネジ14によって反射部材3の孔を完全に塞ぐことで、従来の密閉型の閉塞部材と同様に機能させることが可能である。
さらに、演奏者の好みに応じ、孔の大きさを微妙に調節すること(音色が異なり得る)も可能となる。なお、孔開閉調整手段を設けると、このように孔の大きさを自由に調整できるので、反射部材3に設ける孔の直径について、上記実施例1における上限(2mm以下)が妥当しない。すなわち、孔開閉調整手段を設ける場合、反射部材3の孔の直径は2mmを超えるものであってもよい。
孔開閉調整手段は、様々なバリエーションが考えられる。例えば、ネジ方式でなく、プッシュ方式にしてワンタッチ操作が可能となるようにしてもよい。
本考案に係る閉塞部材22をこのような構造とすることにより、上記実施例1で説明したような本考案の効果を得ることが可能であるのみならず、吹奏感としての抵抗感が必要な場合や従来の密閉型の閉塞部材に適した演奏を行なう場合に、従来の閉塞部材と取り替えることなく、同様の機能・効果を得ることができる。また、音色の微妙な調整・調節を行なうことも可能である。
また、孔開閉調整手段を設けた閉塞部材についても、上記実施例1で説明した場合と同様に、内蔵型(図12参照)、及び露出型(図13参照)のいずれによっても使用することができる。
なお、本明細書記載の実施例は本考案の好適な一例に過ぎず、本考案がこれらのみに限定されないことは当業者であれば明らかであろう。
本考案によれば、フルートの演奏において、従来発音が困難であった音の発音を容易にし、高音域から低音域までムラなく発音できるものとなり、表現性に富んだ音色を発音することができる。さらに、そのような音を、より大きく発音することが可能となる。そのため、フルートの初心者のみならず、上級者ひいてはプロの演奏家にとっても、フルートをより演奏し易いものとすることができる。このように本考案はフルートの改良に大きく資するため、産業上の利用可能性は極めて高い。
1 負圧解除補助部材(ラッパ管)
2 空気漏れ防止部材(コルク)
3 反射部材
4 空気漏れ防止部材(コルク)の孔
5 突出部先端の孔の形状(漏斗状)
6 反射面付近の孔の形状(漏斗状)
7 雄ネジ部
8 雌ネジ部
9 反射部材の突出部
10 反射面
11 吹き口
12 頭部管先端側
13 胴部管側
14 孔開閉調整手段(調整ネジ)
15 孔開閉調整手段(ネジ支板)
16 ネジ孔
17 コルクネジ
18 コルク止めネジ
19 コルク
20 反射板
21 頭部管管体
22 閉塞部材
2 空気漏れ防止部材(コルク)
3 反射部材
4 空気漏れ防止部材(コルク)の孔
5 突出部先端の孔の形状(漏斗状)
6 反射面付近の孔の形状(漏斗状)
7 雄ネジ部
8 雌ネジ部
9 反射部材の突出部
10 反射面
11 吹き口
12 頭部管先端側
13 胴部管側
14 孔開閉調整手段(調整ネジ)
15 孔開閉調整手段(ネジ支板)
16 ネジ孔
17 コルクネジ
18 コルク止めネジ
19 コルク
20 反射板
21 頭部管管体
22 閉塞部材
Claims (7)
- フルート属の頭部管に装着する閉塞部材であって、
発生した振動ないし音を反射する反射部材、
頭部管内に生じる負圧の解除を補助する負圧解除補助部材、及び
空気漏れ防止部材、を有し、
胴部管側から頭部管先端側へ貫通した孔を有する閉塞部材。 - 前記貫通した孔が一つであり、該孔の中心が反射部材の反射面のほぼ中心に位置する請求項1に記載のフルート属の頭部管に装着する閉塞部材。
- 前記反射部材における前記貫通した孔の直径が1mm以上2mm以下の範囲内である請求項1又は2に記載のフルート属の頭部管に装着する閉塞部材。
- 前記負圧解除補助部材が、頭部管先端側方向へ広がったメガホン形状である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフルート属の頭部管に装着する閉塞部材。
- 前記貫通した孔において、前記反射部材における反射面付近の形状が、胴部管側方向へ広がった漏斗状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフルート属の頭部管に装着する閉塞部材。
- 前記閉塞部材の貫通した孔の開閉を行なう孔開閉調整手段を設けた請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフルート属の頭部管に装着する閉塞部材。
- 前記孔開閉調整手段が、
ネジ孔を有し、前記負圧解除補助部材の一部に取り付けられたネジ支板、及び、
調整ネジ
から成り、前記ネジ孔に前記調整ネジをねじ込み、該調整ネジの先端部を前記反射部材の孔に差し込むことによって前記閉塞部材の孔の開閉を行なう請求項6に記載のフルート属の頭部管に装着する閉塞部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005384U JP3135624U (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | フルート属の頭部管に装着する部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005384U JP3135624U (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | フルート属の頭部管に装着する部材 |
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JP2018531432A (ja) * | 2015-10-19 | 2018-10-25 | ラカト、ゾルタンLAKAT, Zoltan | 改善されたフルートヘッドジョイント |
WO2019123882A1 (ja) * | 2017-12-21 | 2019-06-27 | ヤマハ株式会社 | エアリード楽器用の整流部材、エアリード楽器の栓、およびエアリード楽器 |
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2007
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018531432A (ja) * | 2015-10-19 | 2018-10-25 | ラカト、ゾルタンLAKAT, Zoltan | 改善されたフルートヘッドジョイント |
EP3365889B1 (en) * | 2015-10-19 | 2023-09-06 | Lakat, Zoltán | Improved flute headjoint |
WO2019123882A1 (ja) * | 2017-12-21 | 2019-06-27 | ヤマハ株式会社 | エアリード楽器用の整流部材、エアリード楽器の栓、およびエアリード楽器 |
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