JP7457355B2 - 減音作用を有するマウスピース - Google Patents
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Description
このような管楽器の音量を小さくする消音構造としては、例えば、管楽器のネック内に、その内径を絞る短円筒状の弱音具(制音材)を配置する構造(特許文献1)や、管楽器共鳴管にバイパス管を設けて楽器外部に引き出す構造(特許文献2)、マウスピースやネックにバイパス菅を設ける構造(特許文献3)が提案されている。
一方、マウスピースのバッフル形状については、音色の向上等の観点においては種々の検討がされているものの、減音効果を得る目的での検討はされていない。
上り坂面によってティップオープニングが狭められているため、演奏者により管楽器の管内に吹き込まれる息量が制限される。これにより減音効果が得られる。
ティップレールに極めて近接した位置に上り坂面が存在するため、演奏者により管楽器の管内に吹き込まれる息量を制限する作用に優れ、より優れた減音効果を得ることができる。
かかる形態の本発明によれば、減音効果を得つつも音色に悪影響を与えない。
かかる形態の本発明によれば、盛り上がり部によって管内に吹き込まれる息量を制限することで減音効果を得つつも、管内に流入する息については、その流れを阻害しないため、音色に悪影響を与えない。
かかる形態の本発明によれば、減音効果を得つつも音色に悪影響を与えない。
上り坂面の長さをこのように設定することにより、より優れた減音効果を得ることができる。
上り坂面の長さよりも下り坂面の長さを長くする、すなわち、下り坂面を上り坂面よりも緩やかな傾斜にすることにより、減音効果を得つつも、良好な音色を実現することができる。
なお、本発明は以下に説明する実施形態に限定されないことは言うまでもない。
なお、本明細書において、マウスピースの上端側とは、マウスピースの先端側(吹き口側)のことをいう。また、マウスピースの下端側とは、上端側と反対側のことをいう。
本実施例において、上り坂面21はサイドレール13と同じ高さを有する。
なお、マウスピース1と盛り上がり部2を別体として構成する場合、図5におけるサイドレール境界131は実線として表れる。
説明の便宜上、ティップレール境界141を図5に示しているが、本実施例においては、マウスピース1と盛り上がり部2は一体形成されているため、ティップレール境界141は目視できるわけではない。
なお、マウスピース1と盛り上がり部2を別体として構成する場合、図5におけるティップレール境界141は実線として表れる。
図6~図8及び図9~図11に、ティップの開き(Lt)が本実施例と等しいストレート型のマウスピースとステップ型のマウスピースをそれぞれ示す。
本実施例のマウスピース1は、先端側に盛り上がり部2を備える。これにより、ティップの開き(Lt)が等しいにも関わらず、従来のストレート型のマウスピース(図6)及びステップ型のマウスピース(図9)と比べてティップオープニングLOが狭まっている(図1)。
ティップオープニングLOが盛り上がり部2により狭まっていることにより、演奏者が吹き込む息が管内に流入する量が制限され、減音効果が奏されるのである。
本実施例においては、バッフル12(ティップレール14)も正面視において外側に湾曲している。そして、バッフル12(ティップレール14)と山稜部23の湾曲線は、互いに略平行曲線の関係にある。
山稜部23をマウスピース1の正面視において外側に湾曲させることにより、管内に流入する息は乱れることなくスムーズに流れる。つまり、盛り上がり部2によって吹き込まれる息量を制限することで減音効果を得つつも、管内に流入する息の流れが乱れないため、良好な音色を得ることができる。
本実施例においては、ティップレール14も上端側に向かって湾曲している。そして、ティップレール14と山稜部23の湾曲線は、互いに略平行曲線の関係にある。
山稜部23をマウスピース1の上端側に向かって湾曲させることにより、管内に流入する息は乱れることなくスムーズに流れる。つまり、盛り上がり部2によって吹き込まれる息量を制限することで減音効果を得つつも、管内に流入する息の流れが乱れないため、良好な音色を得ることができる。
なお、「ティップレールの幅長L1」、「上り坂面21の長さL2」、「下り坂面の長さL3」とは、図2及び図5のように、ウインドウが構成する面に直交する方向から平面視したとき、マウスピースの上端側及び下端側に延びる方向の長さである。図5にL1~L3を図示している。
本発明は、かかる形態に限られず、上り坂面の長さL2は、ティップレール幅長L1の好ましくは0.5倍以上、より好ましくは0.8倍以上、さらに好ましくは1倍以上とすることが、減音効果の向上の観点から好ましい。
本発明はかかる形態に限定されず、下り坂面22の長さL3は、上り坂面21の長さL2の好ましくは1倍以上、より好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上とすることが、減音効果を得つつも良好な音色を得る観点で好ましい。
11 チャンバー
12 バッフル
13 サイドレール
131 サイドレール境界
14 ティップレール
141 ティップレール境界
2 盛り上がり部
21 上り坂面
22 下り坂面
23 山稜部
3 リード
4 ステップ
41 ステップの上り坂面
42 ステップの下り坂面
43 ステップの山稜部
Lt ティップの開き
LO ティップオープニング
L1 ティップレールの幅長
L2 上り坂面の長さ
L3 下り坂面の長さ
Claims (7)
- バッフル内面に、マウスピースの上端側から下端側に向かってチャンバー内の空間が狭まる方向に傾斜する上り坂面を備え、前記上り坂面の幅方向の両端はサイドレールと一体となっていることを特徴とする、シングルリードの管楽器のマウスピース。
- 前記上り坂面の下端はティップレールと一体となっていることを特徴とする、請求項1に記載のマウスピース。
- マウスピースの上端側のバッフル内面に、前記上り坂面と、マウスピースの上端側から下端側に向かってチャンバー内の空間が広がる方向に傾斜する下り坂面と、を有する、断面側面視略三角形の盛り上がり部を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のマウスピース。
- 前記盛り上がり部における幅方向に延びる山稜部は、マウスピースの正面視において外側に湾曲していることを特徴とする、請求項3に記載のマウスピース。
- 前記盛り上がり部における幅方向に延びる山稜部は、マウスピース上端側に向かって湾曲していることを特徴とする、請求項3又は4に記載のマウスピース。
- 上り坂面の長さL2は、ティップレール幅長L1と同一又はそれ以上であることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のマウスピース。
- 下り坂面の長さL3は、上り坂面の長さL2と同一又はそれ以上であることを特徴とする、請求項3~5の何れか一項に記載のマウスピース。
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