JP6058853B1 - アミノ酸誘導体からなるマイコスポリン様アミノ酸類の抽出と化学修飾表面改質活性炭充填剤による分離精製及びその製造の自動化。 - Google Patents

アミノ酸誘導体からなるマイコスポリン様アミノ酸類の抽出と化学修飾表面改質活性炭充填剤による分離精製及びその製造の自動化。 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線防御作用を有すると共に、繊維芽細胞増殖促進、真皮層修復剤などを淡水性藍藻類から抽出、分離精製し提供することにある。【解決手段】藍藻類からマイコスポリン様アミノ酸を主成分とする真皮層修復剤、化粧料、介護用品、植物の成長阻害剤を自動化された製造装置により安全で安定的に、分野別ごとに調製し原料原末として提供する。

Description

本発明はアミノ酸誘導体からなるマイコスポリン様アミノ酸様態を高効率で抽出及び製造され繊維芽細胞増殖剤、組織損傷機能剤、創傷治癒剤、機能性健康食品、医薬品、化粧料に使用する。本原材料は藍藻類を原料として抽出・製造される原末に関する。
マイコスポリン様アミノ酸は魚貝類、海藻類、イシクラゲ植物類、淡水性生物、菌類による培養などが知られている。これらの代謝産物であるマイコスポリン骨格はアミノアルコール又はアミノ酸結合した構造の部分構造を示すアミノ酸の総称である。
マイコスポリン様アミノ酸は紫外線波長の280nm〜400nmに強い吸収帯領域を有する事が知られていて、天然物由来の紫外線防御作用成分として用途開拓。本発明者らはその機能性を淡水生藍藻類のAphanizomenon flos−aquaeを原素材として探索研究し、数種のマイコスポリン様アミノ酸を同定し、繊維芽細胞増殖促進作用の実施試験を行った結果繊維芽細胞増殖能があることが判明した。この事からヒト皮膚の繊維芽細胞増殖促進剤、真皮層修復剤、創傷治癒剤、紫外線防御剤(化粧品)、機能性食品、床擦れ軟膏(介護用品)、皮膚軟膏を実用化する事を見出した。
然しながら、従来からマイコスポリン様アミノ酸を得る素材料として魚貝類(多くはホタテガイ)、紅藻類あるいは微細藻類の培養から、又は藍藻類などをマイコスポリン様アミノ酸の原素材として利用されているが、それら素材にはマイコスポリン様アミノ酸として、1.0〜2.0%しか含有していない。抽出方法も然る事ながら、粗分離及び分離精製法は培養液からで、抽出では公知の溶媒抽出法を繰り返し行なう濃縮で抽出工程では煩雑であり、分離精製においても常套手段である公知のイオン交換、吸着、逆相を順次繰り返し使用で文献1は分離分析手法の延長線上である。
文献2、文献3に於いても文献1同様公知の常套手段で製造工程の煩雑性は同等と言える。文献4では抽出については常套手段の濃縮の繰り返しで、精製には活性炭を使用しているが、個々のマイコスポリン様アミノ酸に対しては吸着活性能が強すぎるため更に分画に高速液体クロマトグラフィーによる精製がなされ長時間工程、低効率から脱皮されていない。又マイコスポリン様アミノ酸の回収率も非常に悪い。
文献5では請求項に工程が記載されているが従来の精製法の組み合わせで、最終的には更にクロマトグラフィーが使用されている。文献7、9は公知の常套手段が基本となっており、そのスケール・アップのため、分離精製は従来の抽出手法、従来の分離剤による常套手段で画分、溶出精製されており、抽出工程の煩雑、大容量処理(キログラム〜トン/ベースの生産)、長時間工程、低効率、低回収率と言う欠点があった。これらの事から企業レベル規模にするには所々問題があった。
本発明は淡水性藍藻類のAphanizomenon flos−aquae原素材を利用して前記した諸問題解決できる事を見出した。本発明は藍藻類を原素材としたがこれに限定されない。
特開平06−062878号公報 特開平10−077472号公報 特開平10−045615号公報 特開2007−016004公報 特開2008−247901公報 特開2009−120562公報 特開2012−097116公報 特開2013−142058公報 特開2014−227339公報
マイコスポリン様アミノ酸の抽出工程短縮、高回収率を目的、目標として、新規に分離精製充填剤「請求項2(化学修飾表面改質活性炭充填剤)」を創製し、自動化する事で安定したマイコスポリン様アミノ酸を製造し、原末として提供することにある。
本発明は上記を解決し達成するに当たり鋭意研究した結果、淡水性藍藻類のAphanizomenon flos−aquaeから抽出と濃縮を多段階の2工程で、粗濃縮マイコスポリン様アミノ酸誘導体を含有する精製原溶液を得る工程とマイコスポリン様アミノ酸分離精製用化学修飾表面改質活性炭充填剤の開発でマイコスポリン様アミノ酸を分離精製、高回収率を得る事を特徴とする。詳しくは実施例で説明する。
本発明は従来の液々抽出、液々濃縮また分離精製では、GPC、イオンクロマトグラフィー、活性炭吸着、逆相・順相高速クロマトグラフィーの常套分離手段で成されており、低効率、低回収率、自動化で問題があった。本発明は本問題を技術的及び製造コストを解決し、商業ベースで、マイコスポリン様アミノ酸を提供する事ができる。
多段階抽出と粗濃縮液のブロックダイアグラム 分離精製、製造の自動化ブロックダイアグラム MAAsのマススペクトルグラフ 動物実験での繊維芽細胞増殖促進の写真
本発明に係るマイコスポリン様アミノ酸素材は淡水性藍藻Aphanizomenon flos−aquae類を始めとするあらゆる藍藻類からでも本発明の多段階抽出、濃縮、分離精製(化学修飾表面改質活性炭充填剤)の製法によって原末化できる。
提供できる原末形態は真皮層修復剤、介護用品、機能性食品、創傷治癒剤、医薬品皮膚軟膏、繊維芽細胞増殖試験研究用試薬、請求項5、など応用製品分野ごとに原末は調製され提供する事も出来る。
本発明を確立するに当たり淡水性藍藻Aphanizomenon flos−aquaeを素材として先ず、マイコスポリン様アミノ酸分離精製用化学修飾表面改質活性炭の合成反応により本分離精製充填剤を製造し、評価分析及び実証実験によってマイコスポリン様アミノ酸の同定ができ、マイコスポリン様アミノ酸の効果を繊維芽細胞増殖促進作用で評価する事が出来、製造装置の自動化を完成させ原末を提供、供給を確立した。
以下、実施例を持って本発明をさらに詳細に説明する。
多段階抽出と粗濃縮溶液。
淡水性藍藻Aphanizomenon flos−aquae素材を図−1のST−1に50kgを採取し、10倍量のエタノール水溶液(エタノール:濃度20‐85%)を添加投入する。この時のエタノール濃度は藍藻類素材によって決める本素材では70%濃度とし、撹拌分散させる。この溶液を図−1の反応タンクRT−2に送液し、RT−2温度を30〜40度に設定し、1.0〜1.5時間で撹拌抽出する。この時の設定温度と抽出時間は素材の形態により、適示設定する。
本発明では1段階ではRT−2温度40℃エタノール60%水溶液で抽出し、後溶液を図−1のFL−1で濾過し、Ds−4で減圧蒸留されエタノールは除去される。濃縮液はSsT−2に貯留され、2段階で図−1:SsT−3の濾過済み貯留液を再度RT−2に再送液し、2段階ではRT−2溶液量に対しエタノールが全溶液量の70%に成るように添加し、温度85℃で40分間撹拌抽出され、図−1のFL−2で濾過されDs−4で減圧蒸留(エタノールを除去)され溶液は粗濃縮溶液としてFD−5に貯留される。この操作は全て自動で行われる。
分離精製用化学修飾表面改質活性炭充填剤。
活性炭はそのコストの安さから汎用的に使用されるが、吸着能は、主として表面積や細孔分布に依存するため使用する活性炭の細孔構造を考慮する必要があるが天然物からの低分子量で且つ微量物質に対しては活性炭の吸着能、極性が強すぎるか又その逆的な場合が多いため、目的物質を溶出分離させるためには溶出溶媒の極性を適示交換しながら、分離精製する非常な煩雑とその後溶媒除去より煩雑を極める。
この事から本発明はこれらを解決すべく、活性炭の表面化学構造を変化させ、目的物質に対する親和性を変化させる必要があるその為本発明は活性炭の表面改質に化学修飾することで活性炭を順相系に改質した。
活性炭の表面改質するシリル化反応で反応は200mlのフラスコに活性炭、トリフェニルクロロシラン、ベンゼンを添加、30℃で26時間反応させた。未反応のトリフェニルクロロシランはベンセン洗浄除去の後105℃で乾燥し、再度イオン交換水の煮沸洗浄で繰り返し洗浄し後、105℃で乾燥し改質活性炭充填が得られた。反応式は下記の方法である。
トリフェニルシリル基導入量を算出するため、改質前後の活性炭の修飾表面酸性官能基量をBoehmの方法により評価し、マイコスポリン様アミノ酸分離精製用、新規化学修飾表面改質活性炭充填剤を得た。
実施例2で得られた化学修飾表面改質活性炭充填剤を充填したカラム(10cmx120cm)注入し、移動相溶媒:水で単独アミノ酸、有機酸などの水可溶性夾雑物を溶出させ、エタノール70%の移動相で展開し、分離精製されたマイコスポリン様アミノ酸を紫外線吸光度波長330nmの検出器で測定しながら分離分取する事で得られた。得られたマイコスポリン様アミノ酸を分析用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の逆相系カラムで分析分取し、LC/MS(TOF−MS)で測定し、マイコスポリン様アミノ酸3種類を同定した、図−3にTOF−MSのグラフである。得られた3種類のマイコスポリン様アミノ酸(MAAs)は乾燥重量当たり下記の表に示した。MAAsは約1.7%<含有していると確認された。
ヒト繊維芽細胞の増殖促進作用。
実施例3で得られたマイコスポリン様アミノ酸を用いて、繊維芽細胞増殖作用を検討した。
実験方法。
▲1▼培養条件
10%FBS添加DMEM培地を用いて、正常ヒト繊維芽細胞をCOインキュベーター(5%CO,37℃)内で培養した。10%FBS添加DMEM培地は、DMEM培地445mlにFBS50mlとPenicillin−streptomycin solution 5mlを加えて調製した。
▲2▼細胞賦活試験
増殖培地で5x10個/mlに調製した繊維芽細胞を、1ウエル(96well plate)あたり100μl播種した(5×10個/100μl/ウエル)。播種後約24時間培養し、マイコスポリン様アミノ酸が0.025mg/ml含まれる増殖培地100μlに交換して、さらに24時間培養した培養後の細胞を光学顕微鏡で観察した。
実験結果。
MAAsには皮膚の保護、治癒作用、老化予防などの効果のあることが判明した。
(図−4)写真
マイコスポリン様アミノ酸の分離精製自動化。
実施例で示し、得られた図−1:FD−5(貯留)粗濃度溶液を図−2に自動化ブロックダイアグラムを示し、この自動化システムコントローラ制御図−2に呈示する。粗濃縮溶液(FD−5)は図−2のPC−1(化学修飾表面改質活性炭充填カラム)へ、システムコントローラ制御(STC−C)により送液され水移動相(SLV−1)溶媒で前記した紫外線検出器モニター(UV−D)それを制御する(STC−C)双方向制御により夾雑物質類をシェイビングされシェイビングボトル(SVB)に自動破棄され、次にUVD、STC−C制御でエタノール70/水30(%/%)移動相(SLV−2)でマイコスポリン様アミノ酸は分離精製されフラクションボトル(FB−1〜FB−4)に自動的に分別され得られる。
産業上の利用分野
以上詳細に記したとおり、真皮層修復剤、繊維芽細胞増殖、介護用品、化粧料、香粧品、医薬品、植物育種、研究試薬などの分野へと目的分野市場へとその分野に応じた原末に調製し、原料原末として供給でき産業上の利用として安心、安定した供給を包括できる。
1.ST−1:ストックタンク 2.RT−2:抽出タンク
3.V−1:3方向バルブ 4.V−2:3方向バルブ
5.V−3〜V−6:3方向バルブ 6.V−7:ON/OFFバルブ
7.V−8〜V−9:3方向バルブ 8.FL−1〜FL−2:濾過装置
9.Ds−4:減圧蒸留装置 10.P−1:ポンプ
11.SsT−3:サブタンク 12.FD−5:貯留タンク
13.V−10〜V−12:3方向バルブ
14.P−2:ポンプ 15.PC−1:化学修飾表面改質
活性炭充填カラム
16.VU−D:紫外線検出器 17.TLV−13:ターレットバルブ
18.STC−C:システムコントローラー 19.SVB:シェビングタンク
制御システム装置
20.FB−1〜FB−4:フラクションボトル

Claims (4)

  1. 藍藻類由来マイコスポリン様アミノ酸含有液をトリフェニルシリル化活性炭で処理することを特徴とする藍藻類由来マイコスポリン様アミノ酸の精製方法。
  2. トリフェニルシリル化活性炭による処理が、トリフェニルシリル化活性炭充填カラム処理である請求項1記載の精製方法。
  3. 藍藻類由来マイコスポリン様アミノ酸含有液が、藍藻類由来マイコスポリン様アミノ酸含有粗濃縮溶液である請求項1又は2記載の精製方法。
  4. トリフェニルシリル化活性炭を含有する藍藻類由来マイコスポリン様アミノ酸精製用充填剤。
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