JP6056279B2 - カートリッジの製造方法、注入キット、および、注入装置 - Google Patents

カートリッジの製造方法、注入キット、および、注入装置 Download PDF

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Description

本発明は、カートリッジの製造方法、注入キット、注入装置および、カートリッジの技術に関する。
従来、印刷装置の一例であるプリンターにインクを供給する技術として、インクを収容するインクカートリッジ(単に「カートリッジ」ともいう。)を利用する技術が知られている(例えば、特許文献1)。カートリッジは、インクを収容するための印刷材収容室にインクを注入することで製造される。また、特許文献1では、資源の有効利用を図るために、使用済のカートリッジに再度インクを注入することで、カートリッジを再利用する技術が開示されている。
特開2010−5957号公報
インクを収容するカートリッジは、様々なタイプのカートリッジが開発されている。例えば、カートリッジには、印刷材収容室と、2つの印刷材供給部とを備えるタイプがある。このタイプのカートリッジは、印刷材供給部が1つしかないタイプのカートリッジとセットで使われることが多い。たとえば、印刷材供給部が1つしかない小容量のカートリッジと、2つの印刷材供給部を備えた大容量のカートリッジとを装着するように構成された印刷装置が一般的に知られている。この場合、大容量のカートリッジは、小容量のカートリッジに比べて収容室内部の容積が大きかったり、収容室内部の構成が複雑であったりすることがある。よって、インクの注入を効率良く行なえない虞があった。例えば、インクを注入する際に、印刷材収容室内の各領域に効率良くインクを収容できない虞があった。また、例えば、所望とする部分からインクを注入できない場合があった。
上記のように、カートリッジにおける上記の要望は、インクを収容するカートリッジに限らず、他の印刷材や、液体以外の印刷材を収容するカートリッジにも共通して存在する。また、このようなカートリッジにおいては、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入キットであって、
外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐための開口閉塞ユニットと、を備える、注入キット。
この形態によれば、カートリッジに印刷材を容易に収容させることができる。また、注入キットが開口閉塞ユニットを備えることで、第1の開口端と第2の開口端とを容易に封止することができる。
[形態2]印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入キットであって、
外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
前記第1の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第1の内部路と、前記第2の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第2の内部路とを塞ぐための内部路閉塞ユニットと、を備える、注入キット。
この形態によれば、カートリッジに印刷材を容易に収容させることができる。また、注入キットが内部路閉塞ユニットを備えることで第1の内部路と第2の内部路に液体が流入することを抑制できる。
[形態3]印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入装置であって、
外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐための開口閉塞ユニットと、を備える、注入装置。
この形態によれば、カートリッジに印刷材を容易に収容させることができる。また、注入装置が開口閉塞ユニットを備えることで、第1の開口端と第2の開口端とを容易に封止することができる。
[形態4]印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入装置であって、
外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
前記第1の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第1の内部路と、前記第2の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第2の内部路とを塞ぐための内部路閉塞ユニットと、を備える、注入装置。
この形態によれば、カートリッジに印刷材を容易に収容させることができる。また、注入装置が内部路閉塞ユニットを備えることで第1の内部路と第2の内部路に液体が流入することを抑制できる。
(1)本発明の一形態によれば、印刷装置に供給する印刷材を収容するカートリッジの製造方法であって、(a)カートリッジを準備する工程であって、前記印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を前記印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に流通させる第3の流通口と、を有し、前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、前記カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備えるカートリッジを準備する工程と、(b)前記第2のフィルム部材の少なくとも一部を露出させる工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記第2のフィルム部材に穴を開けて前記サブ収容室から前記印刷材を注入して、前記印刷材収容室に前記印刷材を収容させる工程と、(d)前記(c)の後に、前記穴を塞ぐ工程と、を備える、カートリッジの製造方法が提供される。
ここで、第1のフィルム部材は、サブ収容室の一側面に加え、メイン収容室の一側面も形成している。よって、サブ収容室から印刷材を注入するために第1のフィルム部材に穴を開ける場合、誤って第1のフィルム部材のうちメイン収容室の一側面を形成する部分に穴を開けてしまう虞がある。しかしながら、本発明の一形態の製造方法によれば、第2のフィルム部材に穴を開けてサブ収容室から印刷材を注入することで、印刷材を注入する際に第2のフィルム部材とは反対側に位置する第1のフィルム部材に誤って穴を開けることを防止できる。これにより、第2のフィルム部材に確実に穴を開けることができるため、誤ってメイン収容室を形成する面に穴を開けることを防止できる。
(2)上記形態のカートリッジの製造方法であって、前記工程(a)において準備する前記カートリッジは、前記第1の流通口から前記第3のサブ収容室までの流路長が、前記第1の流通口から前記第2のサブ収容室までの流路長よりも長く、前記工程(c)において前記印刷材を注入する部分は、前記第3のサブ収容室内に位置しても良い。
この形態の製造方法によれば、第1の流通口までの流路長が長い第3のサブ収容室から印刷材を注入することから、流路長が長く印刷材が収容されにくい第3のサブ収容室に効率良く印刷材を充填できる。
(3)上記形態のカートリッジの製造方法であって、前記工程(c)において前記印刷材を注入する部分は、前記第1のサブ収容室内に位置しても良い。
この形態の製造方法によれば、第1のサブ収容室から印刷材を注入することで、第1のサブ収容室から印刷材が分岐して第2と第3のサブ収容室の双方にほぼ同時に印刷材を充填できる。
(4)上記形態のカートリッジの製造方法であって、前記工程(b)は、前記第2のフィルム部材のうち露出した部分に弾性部材を接着する工程を含み、前記工程(c)における前記第2のフィルム部材の前記穴は、前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入器具を用いて、前記弾性部材と前記露出した部分を刺し通すことで形成され、前記工程(d)は、前記弾性部材及び前記露出した部分から前記注入器具を引き抜く工程であっても良い。
この形態の製造方法によれば、注入器具を引き抜いた後に弾性部材の穴が閉塞する。これにより、注入器具の引き抜き動作によって、第2のフィルム部材に形成された穴を塞ぐことができる。よって、注入器具を引き抜いた後に、別途に第2のフィルム部材に形成された穴を塞ぐための工程を設けるよりも、製造方法の工程を簡略化できる。ここで、弾性部材には、例えば、ゴム等で形成された弾性を有する中実部材を用いることができる。
(5)上記形態のカートリッジの製造方法であって、さらに、(e)前記工程(c)において前記印刷材を注入する前に、前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐ工程を備えても良い。
この形態の製造方法によれば、印刷材を注入する際に第1と第2の開口端を介して外部に印刷材が外部に漏れ出すことを抑制できる。
(6)上記形態のカートリッジの製造方法であって、前記工程(a)において準備する前記カートリッジは、さらに、前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させる第1の連通路と、前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させる第2の連通路と、を備え、前記第1の連通路の一端側は、前記第1の印刷材供給部内に設けられている第1の内部路であり、前記第2の連通路の一端側は、前記第2の印刷材供給部内に設けられている第2の内部路であり、さらに、(f)前記工程(c)において前記印刷材を注入する前に、前記第1と第2の内部路を塞ぐ工程を有しても良い。
この形態の製造方法によれば、印刷材を注入する際に、第1と第2の内部路を介して外部に印刷材が外部に漏れ出すことを抑制できる。
(7)上記形態のカートリッジの製造方法であって、さらに、(g)前記工程(c)の後に、前記第1と第2の印刷材供給部を介して前記印刷材収容室に収容された前記印刷材を外部へと吸引する工程を有しても良い。
この形態の製造方法によれば、前記印刷材供給部の内部にも印刷材を収容できる。
また、他の一形態によれば、上記形態のカートリッジの製造方法に用いられる注入キットまたは注入装置を提供しても良い。この注入キットまたは注入装置は、外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットを備える。
また、上記形態の注入キットまたは注入装置は、第2のフィルム部材に接着するための弾性部材を有しても良い。
また、上記形態の注入キットまたは注入装置は、前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐための開口閉塞ユニットを有しても良い。
また、上記形態の注入キットまたは注入装置は、前記第1の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第1の内部路と、前記第2の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第2の内部路とを塞ぐための内部路閉塞ユニットを有しても良い。
また、上記形態の注入キットまたは注入装置は、前記第1と第2の印刷材供給部からそれぞれ前記印刷材を外部へと吸引するための吸引ユニットを有しても良い。
上記形態の注入キットまたは注入装置によれば、カートリッジに印刷材を容易に収容させることができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、工程(a)〜(d)のうちの一つ以上の要素を備えた方法として実現可能である。すなわち、この製造方法は、工程(a)を有していても良く、有していなくても良い。また、この製造方法は、工程(b)を有していても良く、有していなくても良い。この製造方法は、工程(c)を有していても良く、有していなくても良い。この製造方法は、工程(d)を有していても良く、有していなくても良い。こうした製造方法は、例えばカートリッジの製造方法として実現できるが、カートリッジの製造方法以外の他の方法としても実現可能である。このような形態によれば、その物の小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述したカートリッジの製造方法の技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの方法に適用することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、カートリッジの製造方法、注入キット、注入装置、カートリッジの他に、例えば、印刷材の注入方法、注入キットまたは注入装置の製造方法、カートリッジと印刷装置とを備える印刷材システム、カートリッジと印刷装置に液体(印刷材)を流通させる流通管とを備える印刷材供給ユニット等の態様で実現することができる。
印刷材供給システム10の構成を示す斜視図である。 カートリッジが装着されたホルダーを示す斜視図である。 カートリッジが装着されたホルダーを示す斜視図である。 カートリッジが装着されたホルダーを示す上面図である。 図4の矢視F5−F5で切断して示す断面図である。 カートリッジが装着されたホルダーを示す上面図である。 カートリッジの構成を示す斜視図である。 カートリッジの構成を示す斜視図である。 カートリッジの構成を示す底面図である。 カートリッジの構成を示す上面図である。 カートリッジの構成を示す正面図である。 カートリッジの構成を示す背面図である。 カートリッジの構成を示す左側面図である。 カートリッジの構成を示す右側面図である。 カートリッジの構成を示す分解斜視図である。 カートリッジの構成を示す分解斜視図である。 カートリッジの本体部材の構成を示す左側面図である。 カートリッジの本体部材の構成を示す右側面図である。 図17のF17−F17断面図である。 カートリッジの内圧を調整する様子を模式的に示す説明図である。 カートリッジの内圧を調整する様子を模式的に示す説明図である。 カートリッジの内圧を調整する様子を模式的に示す説明図である。 注入キット(注入装置)を説明するための第1の図である。 注入キット(注入装置)を説明するための第2の図である。 注入キット(注入装置)を説明するための第3の図である。 インク注入フローを説明するための図である。 インクをサブ収容室内に注入する様子を示している。 第2実施形態のインク注入フローを説明するための図である。 インクをサブ収容室内に注入する様子を示している。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A,B.各種実施形態:
C.変形例:
A.第1実施形態:
A−1.印刷材供給システムの全体構成:
図1は、印刷材供給システム10の構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。図1のXYZ軸は、他の図のXYZ軸に対応している。本実施形態では、Z軸方向が鉛直方向である。
印刷材供給システム10は、カートリッジ20と、プリンター(印刷装置)50とを備える。印刷材供給システム10では、プリンター50のホルダー(カートリッジ装着部)60にカートリッジ20が装着され、カートリッジ20は、プリンター50にインク(印刷材)を供給し、プリンター50は、そのインクを用いて印刷を実行する。
印刷材供給システム10のカートリッジ20は、インクを収容する機能を有する装置であり、インクカートリッジとも呼ばれる。カートリッジ20は、ユーザーがプリンター50のホルダー60に対して着脱することが可能に構成されている。カートリッジ20のインクは、カートリッジ20に設けられた後述する印刷材供給部から、ホルダー60に設けられた後述する印刷材供給管を経て、プリンター50のヘッド540に供給される。カートリッジ20およびホルダー60の詳細構成については後述する。
本実施形態では、プリンター50のホルダー60は、3つのカートリッジ20を装着可能に構成されている。ホルダー60に装着されるカートリッジ20の数は、3つに限るものではなく、任意の個数に変更可能であり、3つより少なくてもよいし、3つより多くてもよい。
本実施形態では、カートリッジ20のインクは、黒色(ブラック)のインクである。他の実施形態では、カートリッジ20のインクは、ブラックの他、黄色(イエロー)、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアンおよびライトシアン等の各色のインクや、こられの色に特殊光沢色(金属光沢、パールホワイト等)を加えたインクであってもよい。他の実施形態では、ホルダー60に装着される複数のカートリッジ20の各インクは、それぞれ異なる種類であってもよい。
印刷材供給システム10のプリンター50は、インクを用いて印刷する装置の1つであるインクジェットプリンターである。プリンター50は、カートリッジ20を保持するホルダー60の他、制御部510と、キャリッジ520と、ヘッド540とを備える。プリンター50は、ホルダー60に装着されたカートリッジ20からヘッド540にインクを供給する構成をする。紙やラベルなどの印刷媒体90に対してヘッド540がインクを吐出することによって、文字、図形および画像などの情報が印刷媒体90に印刷される。
プリンター50の制御部510は、プリンター50の各部を制御する。プリンター50のキャリッジ520は、ヘッド540を印刷媒体90に対して相対的に移動可能に構成されている。プリンター50のヘッド540は、ホルダー60に装着されたカートリッジ20からインクの供給を受け、そのインクを印刷媒体90に吐出する。制御部510とキャリッジ520との間はフレキシブルケーブル517を介して電気的に接続されており、ヘッド540は、制御部510からの制御信号に基づいてインクの吐出を実行する。
本実施形態では、ホルダー600は、キャリッジ520に設けられ、キャリッジ520上にカートリッジ20が装着される。このようなプリンターは、オンキャリッジタイプとも呼ばれる。他の実施形態では、ホルダー600は、キャリッジ520とは異なる部位に設けられ、カートリッジ20からフレキシブルチューブを介してキャリッジ520上のヘッド540にインクを供給するとしてもよい。このようなプリンターは、オフキャリッジタイプとも呼ばれる。
本実施形態では、プリンター50は、キャリッジ520と印刷媒体90とを相対的に移動させて印刷媒体90に対する印刷を実現するために、主走査送り機構および副走査送り機構を備える。プリンター50の主走査送り機構は、キャリッジモーター522および駆動ベルト524を備え、駆動ベルト524を介してキャリッジモーター522の動力をキャリッジ520に伝達することによって、キャリッジ520を主走査方向に往復移動させる。プリンター50の副走査送り機構は、搬送モーター532およびプラテン534を備え、搬送モーター532の動力をプラテン534に伝達することによって、主走査方向に直交する副走査方向に印刷媒体90を搬送する。主走査送り機構のキャリッジモーター522、および副走査送り機構の搬送モーター532は、制御部510からの制御信号に基づいて動作する。
本実施形態では、印刷材供給システム10の使用状態において、印刷媒体90を搬送する副走査方向に沿った軸をX軸とし、キャリッジ520を往復移動させる主走査方向に沿った軸をY軸とし、重力方向に沿った軸をZ軸とする。これらX軸、Y軸およびZ軸は相互に直交する。なお、印刷材供給システム10の使用状態とは、水平な面に設置された印刷材供給システム10の状態であり、本実施形態では、水平な面はX軸およびY軸に平行な面である。
本実施形態では、副走査方向に向かって+X軸方向、その逆を−X軸方向とし、重力方向の下方から上方に向かって+Z軸方向、その逆を−Z軸方向とする。本実施形態では、+X軸方向側が印刷材供給システム10の正面となる。本実施形態では、印刷材供給システム10の右側面から左側面に向かって+Y軸方向、その逆を−Y軸方向とする。本実施形態では、ホルダー60に装着された複数のカートリッジ20の配列方向は、Y軸に沿った方向である。
プリンター50の印刷領域外の位置には、カートリッジ20内のインクの残量状態を光学的に検出するための検出部57が設けられている。検出部57の内部には、発光部および受光部が設けられている。制御部51は、キャリッジ52の移動に伴ってカートリッジ20が検出部57の上方を通過する際に検出部57の発光部を用いて光を発し、その光を検出部57の受光部が受けるか否かによってカートリッジ20内のインク有無を検出する。なお、「インク無し」とは、インクが残り少ない状態を含む。
A−2.カートリッジをホルダーに装着した構成:
図2および図3は、カートリッジ20が装着されたホルダー60を示す斜視図である。図4は、カートリッジ20が装着されたホルダー60を示す上面図である。図5は、カートリッジ20が装着されたホルダー60を図4の矢視F5−F5で切断して示す断面図である。図6は、他のカートリッジ20Sが装着されたホルダー60を示す上面図である。図2〜図5には、1つのカートリッジ20がホルダー60における設計された装着位置に正しく装着された状態を図示した。図6には、1つのカートリッジ20Sがホルダー60における設計された装着位置に正しく装着された状態を図示した。
プリンター50のホルダー60は、壁部601と、壁部603と、壁部604と、壁部605と、壁部606を有し、これら5つの壁部は、カートリッジ20を受け入れる空間であるカートリッジ装着空間608を形成する。壁部601は、カートリッジ装着空間608の−Z軸方向側を画定する。壁部603は、カートリッジ装着空間608の+X軸方向側を画定する。壁部604は、カートリッジ装着空間608の−X軸方向側を画定する。壁部605は、カートリッジ装着空間608の+Y軸方向側を画定する。壁部606は、カートリッジ装着空間608の−Y軸方向側を画定する。
プリンター50は、ホルダー60のカートリッジ装着空間608に、複数のインク供給管(印刷材供給管)640を備える。複数のインク供給管640は、壁部601から+Z軸方向に向けて突設されている。
複数のインク供給管640のうち相互に隣り合う2つのインク供給管640の間には、仕切板607が突設されている。本実施形態では、相互に隣り合う2つのインク供給管640の間の他、複数のインク供給管640の並びの両端(すなわち、+Y軸方向側および−Y軸方向側)にも、それぞれ仕切板607が設けられている。本実施形態では、仕切板607は、Z軸およびX軸を通るZX平面に平行な板状の部材である。本実施形態では、仕切板607は、壁部601から+Z軸方向に突出している。本実施形態では、仕切板607は、インク供給管640の先端部642よりも+Z軸方向側に突出している。本実施形態では、仕切板607のX軸に沿った長さは、インク供給管640のX軸に沿った長さよりも大きい。
図4および図6に示すように、カートリッジ装着空間608は、仕切板607によって、インク供給管640毎に複数のスロットSLに分割される。図4に示すように、本実施形態では、相互に隣り合う2つのスロットSLに、1つのカートリッジ20を装着することが可能である。図6に示すように、本実施形態では、ホルダー60は、カートリッジ20の他、カートリッジ20のY軸方向の幅を約半分にしたカートリッジ20Sを装着可能に構成されており、1つのカートリッジ20Sを各スロットSLに装着することも可能である。図2〜図5に示すように、プリンター50は、ホルダー60の各スロットSLに、インク供給管640の他、端子台70と、レバー80と、端子台側係止部810と、供給管側係止部620と、係合部662,664,665,666,668とを備える。
図4および図5に示すように、カートリッジ20は、ホルダー60における相互に隣り合う2つのスロットSLに合わせて、回路基板40と、基板側係止部210と、供給部側係止部220,230と、2つのインク供給部(印刷材供給部)280と、インク収容部(印刷材収容室)300とを備える。図5には、インク収容部300を模式的に図示した。インク収容部300の詳細については後述する。
本実施形態では、カートリッジ20における2つのインク供給部280の各々には、共通のインク収容部300に連通するインク流路282が形成されており、インク流路282を通じてインク収容部300からカートリッジ20の外部へとインクを供給することが可能である。本実施形態では、各インク供給部280におけるインク流路282の出口側には、インク流路282からの不用意なインクの漏出を防止する漏出防止部材284が設けられている。なお、図5に示す漏出防止部材284は簡略化している。
プリンター50のインク供給管640は、カートリッジ20のインク供給部280に接続することによって、カートリッジ20のインク収容部300からのインクをヘッド540へと供給可能に構成されている。インク供給管640は、カートリッジ側に接続される先端部642を有する。インク供給管640の基端部645は、ホルダー60の底面である壁部601に設けられている。本実施形態では、図5に示すように、インク供給管640の中心軸CはZ軸と平行であり、中心軸Cに沿ってインク供給管640の基端部645から先端部642に向かう方向は+Z軸方向となる。
本実施形態では、インク供給管640の先端部642には、カートリッジ20からのインクを濾過する多孔体フィルター644が設けられている。多孔体フィルター644としては、例えば、ステンレスメッシュ、ステンレス不織布などを用いることができる。他の実施形態では、インク供給管640の先端部642から多孔体フィルターを省略してもよい。
本実施形態では、図2〜図5に示すように、インク供給管640の周囲には、カートリッジ20のインク供給部280を密閉することによってインク供給部280から周囲へのインクの漏出を防止する弾性部材648が設けられている。ホルダー60に装着された状態のカートリッジ20には、弾性部材648からインク供給部280に対して、+Z軸方向の成分を含む付勢力Ps(図5)が付与される。
図5に示すように、プリンター50の端子台70は、インク供給管640よりも+X軸方向側に設けられている。端子台70には、カートリッジ20の回路基板40に設けられたカートリッジ側端子430と電気的に接続可能な装置側端子730が設けられている。ホルダー60に装着された状態のカートリッジ20には、端子台70から回路基板40に対して、+Z軸方向の成分を含む付勢力Ptが付与される。
プリンター50の端子台側係止部810は、ホルダー60の壁部603にレバー80の一部として設けられ、第1係止位置810Lで基板側係止部210を係止する。第1係止位置810Lは、回路基板40と端子台70とが接触する位置よりも+Z軸方向側かつ+X軸方向側に位置する。端子台側係止部810は、基板側係止部210を係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への移動を制限する。
プリンター50の供給管側係止部620は、ホルダー60の壁部604に設けられ、供給部側係止部220,230を第2係止位置620Lで係止可能に構成されている。第2係止位置620Lは、インク供給管640よりも+Z軸方向側かつ−X軸方向側に位置する。供給管側係止部620は、供給部側係止部220,230を係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への移動を制限する。
ホルダー60対するカートリッジ20の着脱時には、供給部側係止部220と供給管側係止部620の付近を回転支点として、Z軸およびX軸に平行な平面に沿ってカートリッジ20を回転させながら、カートリッジ20の着脱が行われる。
プリンター50のレバー80は、端子台側係止部810が基板側係止部210を係止する第1係止位置810Lよりも+Z軸方向側かつ+X軸方向側に回動中心800cを有する。そのため、カートリッジ20が+Z軸方向に移動しようとするとき、レバー80には、図5に示す方向に回転モーメントMが発生する。その結果、端子台側係止部810による基板側係止部210の係止が不用意に解除されることを防止できる。
レバー80は、端子台側係止部810が第1係止位置810Lから+X軸方向に移動するように回動することによって、端子台側係止部810による基板側係止部210の係止および係止解除を可能に構成されている。本実施形態では、レバー80には、ユーザーによる−X軸方向側に向かう操作力Prを受け付け可能に構成された操作部830が、回動中心800cよりも+Z軸方向側かつ+X軸方向側に形成されている。ユーザーによる操作力Prが操作部830に付与されると、端子台側係止部810が第1係止位置810Lから+X軸方向に移動するようにレバー80が回動することによって、端子台側係止部810による基板側係止部210の係止が解除される。これによって、ホルダー60からカートリッジ20を取り外すことが可能になる。
図5に示すように、カートリッジ20がホルダー60に装着された状態では、第1係止位置810Lが第2係止位置620Lよりも距離Dzを置いて−Z軸方向側に位置する。そのため、ホルダー60からカートリッジ20に対する付勢力Ps,Ptは、第2係止位置620Lをカートリッジ20の回転支点とするモーメントの釣り合いの関係上、基板側係止部210と端子台側係止部810との係止を強くする方向(+X軸成分および+Z軸成分を含む方向)に作用する。これによって、設計された装着位置にカートリッジ20を安定して保持することができる。
プリンター50の係合部662,664,665,666,668は、カートリッジ20の各部に係合する。これによって、ホルダー60に対する回路基板40のY軸方向の位置ズレを防止することができ、装置側端子730に対してカートリッジ側端子430を正しい位置で接触させることができる。
A−3.カートリッジの詳細構成:
図7および図8は、カートリッジ20の構成を示す斜視図である。図9は、カートリッジ20の構成を示す底面図である。図10は、カートリッジ20の構成を示す上面図である。図11は、カートリッジ20の構成を示す正面図である。図12は、カートリッジ20の構成を示す背面図である。図13は、カートリッジ20の構成を示す左側面図である。図14は、カートリッジ20の構成を示す右側面図である。図15および図16は、カートリッジ20の構成を示す分解斜視図である。
カートリッジ20の説明では、ホルダー60に装着された装着状態にあるカートリッジ20に対するX軸、Y軸およびZ軸をカートリッジ上の軸とする。本実施形態では、カートリッジ20がホルダー60に装着された装着状態で、+X軸方向側がカートリッジ20の正面となる。本実施形態では、カートリッジ20をホルダー60に装着する際の装着方向SDは、−Z軸方向である。
本実施形態の説明では、カートリッジ20における2つのインク供給部280の各々を総称する場合には符号「280」を使用し、+Y軸方向側のインク供給部を示す場合には符号「280a」を使用し、−Y軸方向側のインク供給部を示す場合には符号「280b」を使用する。また、2つのインク供給部280はそれぞれの同一の要素を有している。よって、2つのインク供給部280のそれぞれの各要素について総称する場合は同一の符号を使用し、+Y軸方向側のインク供給部280aが有する要素を示す場合には、符号の末尾に「a」を使用し、−Y軸方向側のインク供給部280bが有する要素を示す場合には、符号の末尾に「b」を使用する。
図9および図13に示す中心軸Caは、カートリッジ20がホルダー60に装着された装着状態で、インク供給部280aに接続されるインク供給管640の中心軸Cに対応し、本実施形態では、インク供給部280aの中心軸でもある。図9〜図12に示す平面CXaは、中心軸Caを通り、かつ、Z軸およびX軸に平行な平面である。すなわち、平面CXaは、インク供給部280aのY軸に沿った長さの中央を通りY軸に直交する平面でもある。
図9および図14に示す中心軸Cbは、インク供給部280bに接続されるインク供給管640の中心軸Cに対応し、本実施形態では、インク供給部280bの中心軸でもある。図9〜図12に示す平面CXbは、中心軸Cbを通り、かつ、Z軸およびX軸に平行な平面である。すなわち、平面CXbは、インク供給部280bのY軸に沿った長さの中央を通りY軸に直交する平面でもある。本実施形態の説明では、平面CXaおよび平面CXbの各々を総称する場合には符号「CX」を使用する。
図7〜図14に示すように、カートリッジ20は、直方体を基調とした外殻200を備える。カートリッジ20は、外殻200を構成する6つの壁部として、第1面201と、第2面202と、第3面203と、第4面204と、第5面205と、第6面206とを有する。本実施形態では、カートリッジ20は、これら6つの第1面201〜第6面206の他、第7面207と、第8面208とを有する。図15に示すように、これら第1面201〜第8面208の内側にはインク収容部(印刷材収容室)300が形成されている。
第1面201〜第8面208は、概形として平面を形成しており、面の全域が完全に平坦である必要はなく、面の一部に凹凸を有していてもよい。本実施形態では、第1面201〜第8面208は、複数の部材を組み立てた組立体の外表面である。
本実施形態では、カートリッジ20の長さ(X軸方向の長さ)、幅(Y軸方向の長さ)、高さ(Z軸方向の長さ)は、大きいものから並べると、長さ、高さ、幅の順となる。カートリッジ20の長さ、幅、高さの大小関係は任意に変更可能であり、例えば、高さ、長さ、幅の順であってもよいし、高さ、長さ、幅がそれぞれ等しくてもよい。
カートリッジ20の第1面201および第2面202は、X軸およびY軸に平行な面であり、Z軸方向において相互に対向する位置関係にある。第1面201が−Z軸方向側、第2面202が+Z軸方向側に位置する。第1面201および第2面202は、第3面203、第4面204、第5面205および第6面206と交わる位置関係にある。なお、本明細書では、2つの面が「交わる」とは、2つの面が相互に繋がって交わる状態と、一方の面の延長面が他方の面に交わる状態と、相互の延長面が交わる状態と、のいずれかの状態であることを意図する。本実施形態では、カートリッジ20がホルダー60に装着された装着状態で、第1面201はカートリッジ20の底面を構成し、第2面202はカートリッジ20の上面を構成する。
図7および図9に示すように、第1面201には、2つのインク供給部280が設けられている。2つのインク供給部280の各々は、第1面201から−Z軸方向に突出している。図7に示すように、2つのインク供給部280はそれぞれ、一端部(−Z軸方向側の一端部)に開口端288を有する。開口端288は、開口286と、開口286を区画形成する区画端部287とを有する。開口286は、X軸およびY軸に平行な面に形成されている。本実施形態の説明では、インク供給部280の開口端を総称する場合には符号「288」を使用し、インク供給部280aの開口端を示す場合には符号「288a」を使用し、インク供給部280bの開口端を示す場合には符号「288b」を使用する。
本実施形態では、カートリッジ20の工場出荷時に、インク供給部280の開口端288は、キャップまたはフィルムなどの封止部材(図示しない)で封止される。その後、ホルダー60に対するカートリッジ20の装着時には、開口端288を封止する封止部材(図示しない)は、カートリッジ20から取り外される。
本実施形態では、図9に示すように、インク供給部280の内側には、開口端288から+Z軸方向側の内側に漏出防止部材284が設けられている。本実施形態では、図15に示すように、漏出防止部材284は、合成樹脂製(例えば、ポリエチレンテレフタレート)の多孔質部材284fおよび多孔状のシート部材284sを含む。本実施形態の説明では、インク供給部280の漏出防止部材を総称する場合には符号「284」を使用し、インク供給部280aの漏出防止部材を示す場合には符号「284a」を使用し、インク供給部280bの漏出防止部材を示す場合には符号「284b」を使用する。シート部材284sは、インク供給部280の開口端288に向かって流れる流路を、流体を流通可能に区画する。インク収容部300から開口端288に至るインクの流れ方向を基準として、インク供給部280のうちシート部材284sを含む上流側部分はインクで満たされている。シート部材284sは、インクのメニスカスを形成できる。シート部材284sは、インクを外部へと流通させるインク出口(印刷材出口)として機能する。よって、シート部材284sを印刷材出口284sとも呼ぶ。
図7に示すように、インク供給部280の内部には、外部と、インク供給部280の内部(詳細には、インク供給部280のうちシート部材284sよりも下流側部分)とを連通させるための開放路の一端側が位置する。この開放路の一端側に位置する内部路33は、一端には連通口32が形成されている。
本実施形態では、カートリッジ20のインク供給部280は、ホルダー60におけるインク供給管640の中心軸Cを中心として−Z軸方向に突出しているが、他の実施形態では、インク供給部280の中心は、インク供給管640の中心軸Cから外れていてもよい。本実施形態では、−Z軸方向から+Z軸方向に向って見たインク供給部280の開口端288は、X軸およびY軸にそれぞれ平行な軸に対して線対称の外郭を有するが、他の実施形態では、非対称の外郭であってもよい。図9に示すように、本実施形態では、Z軸方向から見た開口端288の形状は、長方形の角を丸めた形状であるが、他の実施形態において、正円、楕円、長円、正方形、長方形などの形状であってもよい。
図7、図9、図13および図14に示すように、第1面201における2つのインク供給部280の間には、ホルダー60における仕切板607に対応する位置に、溝部240が設けられている。図13および図14に破線で示すように、溝部240は、第1面201よりも+Z軸方向側へと凹設され、インク供給部280がインク供給管640に接続した状態で仕切板607の挿入を受け入れ可能に構成されている。溝部240のX軸に沿った長さは、仕切板607のX軸に沿った長さよりも大きい。溝部240のY軸に沿った長さは、仕切板607のY軸に沿った長さよりも大きい。
図7および図9に示すように、第1面201には、平面CXaを横切る位置に、光学的な検出要素270が設けられている。検出要素270は、インク収容部300におけるインクをカートリッジ20の外部から光学的に検知可能に構成された構造である。図15に示すように、本実施形態では、検出要素270は、インク収容部300に収容されているインクと接触可能に配置されたプリズム275を含む。
カートリッジ20の第3面203および第4面204は、Y軸およびZ軸に平行な面であり、X軸方向おいて相互に対向する位置関係にある。第3面203が+X軸方向側、第4面204が−X軸方向側に位置する。第3面203および第4面204は、第1面201、第2面202、第5面205および第6面206と交わる位置関係にある。本実施形態では、カートリッジ20がホルダー60に装着された装着状態で、第3面203はカートリッジ20の正面を構成し、第4面204はカートリッジ20の背面を構成する。
図7および図11に示すように、第3面203には、平面CXaを横切る位置に、基板側係止部210が設けられている。基板側係止部210は、インク供給部280および回路基板40よりも+Z軸方向側かつ+X軸方向側に設けられている。基板側係止部210は、+Z軸方向を向いた係止面211を有し、レバー80の回動により第1係止位置810Lに位置決めされた端子台側係止部810が係止面211を係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への移動を制限可能に構成されている。
本実施形態では、基板側係止部210は、+Z軸方向を向いた係止面211に加え、+X軸方向を向いた係止面212を有し、レバー80の回動により第1係止位置810Lに位置決めされた端子台側係止部810が係止面211および係止面212に係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向および+X軸方向への移動を制限可能に構成されている。これによって、設計された装着位置にカートリッジ20をより安定した状態で保持することができる。
本実施形態では、基板側係止部210は、第3面203から+X軸方向に突出した凸部である。これによって、基板側係止部210を第3面203に容易に形成することができる。また、カートリッジ20の装着時にユーザーが基板側係止部210を容易に確認することができる。
本実施形態では、基板側係止部210は、第3面203における+Z軸方向側の端203pzよりも、第3面203における−Z軸方向側の端203mz寄りに設けられている。本実施形態では、基板側係止部210の−Z軸方向側は、第3面203における−Z軸方向側の端203mzに隣接することによって、第8面に設けられた回路基板40に対しても隣接した位置関係にある。他の実施形態では、基板側係止部210は、第3面203における−Z軸方向側の端203mzから離れていてもよいし、第3面203における−Z軸方向側の端203pz寄りであってもよい。
図7および図11に示すように、本実施形態では、基板側係止部210は、部位215と、部位217と、部位219とを有する。部位215は、部位217の−Z軸方向側に繋がり、第3面203から部位217へと、+Z軸方向に向かうに連れて+X軸方向へと隆起した形状をなす。部位217は、平面CXaに交差し、第3面203から+X軸方向に隆起した凸状をなす。部位219は、部位217の+Z軸方向側に繋がり、第3面203から+X軸方向に隆起した凸状をなす。本実施形態では、基板側係止部210は、二つの辺がそれぞれY軸およびZ軸に平行なL字状に第3面203から突出したL字状凸部をなし、部位217は、L字状凸部のY軸に平行な部位を構成し、部位217は、L字状凸部のZ軸に平行な部位を構成する。
本実施形態では、基板側係止部210の係止面211は、部位217における+Z軸方向を向いた平面として形成されている。すなわち、係止面211は、X軸およびY軸に平行な平面である。本実施形態では、基板側係止部210の係止面212は、部位217における+X軸方向を向いた平面として形成されている。すなわち、係止面212は、Y軸およびZ軸に平行な平面である。
本実施形態では、基板側係止部210は、係止面211が形成された部位217の−Z軸方向側に隣接して部位215を有することから、カートリッジ20をホルダー60に装着する際に、ホルダー60における端子台側係止部810を、基板側係止部210の係止面211へと円滑に誘導することができる。
本実施形態では、基板側係止部210は、係止面211が形成された部位217の+Z軸方向側に隣接して部位219を有することから、カートリッジ20をホルダー60に装着する際に、レバー80が係止面211の+Z軸方向側に乗り上がってしまうことを防止することができる。
本実施形態では、第3面203には、突出部260が形成されている。突出部260は、第2面202を+X軸方向に延長した形状をなし、第3面203から+X軸方向に突出している。カートリッジ20に突出部260が形成されているため、カートリッジ20をホルダー60から取り外す際には、ユーザーは、−X軸方向側に向けてレバー80の操作部830を押した指を、そのまま突出部260に引っ掛けることによって、供給部側係止部220を回転支点とした+Z軸方向へのカートリッジ20の持ち上げを容易に行うことが可能である。他の実施形態では、第3面203から突出部260を省略してもよい。
図8、図9および図12に示すように、第4面204には、平面CXaを横切る位置に、供給部側係止部220が設けられている。供給部側係止部220は、インク供給部280および回路基板40よりも+Z軸方向側かつ−X軸方向側に設けられている。供給部側係止部220は、+Z軸方向を向いた係止面222を有し、ホルダー60における供給管側係止部620が係止面222を係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への移動を制限可能に構成されている。
図8、図9および図12に示すように、第4面204には、平面CXbを横切る位置に、供給部側係止部230が設けられている。供給部側係止部230は、インク供給部280および回路基板40よりも+Z軸方向側かつ−X軸方向側に設けられている。供給部側係止部230は、+Z軸方向を向いた係止面232を有し、ホルダー60における供給管側係止部620が係止面222を係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への移動を制限可能に構成されている。
本実施形態では、供給部側係止部220,230は、ホルダー60に対するカートリッジ20の着脱時に供給管側係止部620と係合することによって、ホルダー60に対するカートリッジ20の回転支点としても機能するように構成されている。これによって、ホルダー60に対するカートリッジ20の脱着を容易に行うことができる。
本実施形態では、供給部側係止部220,230は、第4面204から−X軸方向に突出した凸部である。これによって、供給部側係止部220,230を第4面204に容易に形成することができる。また、カートリッジ20の装着時にユーザーが供給部側係止部220,230を容易に確認することができる。
本実施形態では、供給部側係止部220の係止面222は、第4面204から−X軸方向に突出した凸部を構成する+Z軸方向を向いた平面として形成され、供給部側係止部230の係止面232は、第4面204から−X軸方向に突出した凸部を構成する+Z軸方向を向いた平面として形成されている。すなわち、係止面222,232は、X軸およびY軸に平行な平面である。
本実施形態では、供給部側係止部220は、係止面222の−X軸方向側に隣接する傾斜面227を有し、供給部側係止部230は、係止面232の−X軸方向側に隣接する傾斜面237を有する。これらの傾斜面227,237は、+Z軸方向および−X軸方向を向いて傾斜している。これによって、カートリッジ20をホルダー60に装着する際に、係止面222,232を、ホルダー60における供給管側係止部620へと円滑に誘導することができる。他の実施形態では、傾斜面227,237を省略してもよい。
カートリッジ20の第5面205および第6面206は、Z軸およびX軸に平行な面であり、Y軸方向において相互に対向する位置関係にある。第5面205が+Y軸方向側、第6面206が−Y軸方向側に位置する。第5面205および第6面206は、第1面201、第2面202、第3面203および第4面204と交わる位置関係にある。本実施形態では、カートリッジ20がホルダー60に装着された装着状態で、第5面205はカートリッジ20の左側面を構成し、第6面206はカートリッジ20の右側面を構成する。
図8および図13に示すように、第5面205には、大気導入口209が設けられている。大気導入口209は、外殻200の内部の空間へと連通する。本実施形態では、インク収容部300におけるインクの消費状態に応じて、所定のタイミングで、大気導入口209から導入された大気が、インク収容部300へと導入される。他の実施形態では、インク収容部300におけるインクの減少に伴い、随時、大気導入口209から導入された大気がインク収容部300へ導入されるようにしても良い。さらに他の実施形態では、インク収容部300を、大気が導入されない密閉空間としてもよい。また、本実施形態では、大気導入口209は、外部と、インク供給部280(詳細には、印刷材供給部280のうちシート部材284sよりも下流側部分)の内部とを連通させるための開放路の一端を構成する。開放路の他の一端は、インク供給部280内に設けられた連通口32である(図7)。
図7に示すように、カートリッジ20の第7面207は、第8面208と共に、第1面201と第3面203との間を繋ぐ角部(コーナー部)として構成されている。第7面207は、+Y軸方向寄りに設けられた第7面207aと、−Y軸方向寄りに設けられた第7面207bとを含む。本実施形態の説明では、これらの第7面207a,207bを総称する場合には符号「207」を使用する。
第7面207は、第1面201から+Z軸方向側に延びるように形成された面であり、+Z軸方向側で第8面208と繋がり、−Z軸方向側で第1面201と繋がる。本実施形態では、第7面207は、Y軸およびZ軸に平行な面であり、第4面204に対向する位置関係にある。
図7に示すように、カートリッジ20の第8面208は、第8面208と共に、第1面201と第3面203との間を繋ぐ角部(コーナー部)として構成されている。第8面208は、+Y軸方向寄りに設けられた第8面208aと、−Y軸方向寄りに設けられた第8面208bとを含む。本実施形態の説明では、これらの第8面208a,208bを総称する場合には符号「208」を使用する。
第8面208は、第7面207よりも+Z軸方向側に形成された面であり、+Z軸方向側で第3面203と繋がり、−Z軸方向側で第7面207と繋がる。本実施形態では、図7、図13および図14に示すように、第8面208は、−Z軸方向および+X軸方向を向いて傾斜している。すなわち、第8面は、第1面201および第3面203に対して傾斜して第1面201と第3面203との間を繋ぐ傾斜面である。
図9に示すように、第8面208aには、平面CXaを横切る位置に、回路基板40が設けられている。図7および図13に示すように、回路基板40は、カートリッジ側斜面408を有する。カートリッジ側斜面408は、第8面208に設置された状態で、第1面201および第3面203に対して、−Z軸方向および+X軸方向を向いて傾斜する。カートリッジ側斜面408には、カートリッジ側端子430が設けられており、カートリッジ20がホルダー60に装着された状態で、カートリッジ20における回路基板40のカートリッジ側端子430は、ホルダー60における端子台70の装置側端子730と接触する。
図13に示すように、カートリッジ側斜面408がX軸およびY軸に平行な平面(例えば、インク供給部280の開口端288が位置する平面)に対して傾斜する角度φは、25°〜40°が好ましい。カートリッジ側斜面408の角度を25°以上とすることでワイピング量を十分に確保することができる。ワイピングとは、カートリッジ20をホルダー60に装着する際に、カートリッジ側斜面408のカートリッジ側端子430を、端子台70の装置側端子730によって擦ることである。ワイピング量とは、カートリッジ側端子430を装置側端子730が擦ることができる長さである。ワイピングによって、カートリッジ側端子430上に付着したゴミや埃を除去し、カートリッジ側端子430と装置側端子730との接続不良を低減することが可能となる。カートリッジ側斜面408の角度を40°以下とすることで、端子台70の装置側端子730から回路基板40に対する付勢力Ptに含まれる+Z軸方向の成分を十分に確保することができる。
図7、図9および図11に示すように、本実施形態では、カートリッジ20の第7面には、基板側係合部252,254が設けられている。カートリッジ20の基板側係合部252は、第7面207の+Y軸方向寄りに+X軸方向に向けて突設され、カートリッジ20の基板側係合部254は、第7面207の−Y軸方向寄りに+X軸方向に向けて突設されている。基板側係合部252,254は、回路基板40よりも−Z軸方向側においてY軸に平行な軸上で相互に対峙しており、図4に示したホルダー60における係合部665を基板側係合部252と基板側係合部254との間に挟んだ状態で、係合部665と係合可能に構成されている。これによって、ホルダー60に対する回路基板40のX軸方向およびY軸方向の位置ズレを防止することができ、装置側端子730に対してカートリッジ側端子430を正しい位置で接触させることができる。本実施形態では、ホルダー60に対するカートリッジ20の誤装着を防止するために、基板側係合部252のY軸に沿った長さは、基板側係合部254のY軸に沿った長さと異なる。
図7、図9および図12に示すように、本実施形態では、カートリッジ20の第1面には、供給部側係合部256,258が設けられている。供給部側係合部256は、インク供給部280の−X軸方向側の+Y軸方向寄りに隣接して、第1面から−Z軸方向に向けて突設され、供給部側係合部258は、インク供給部280の−X軸方向側の−Y軸方向寄りに隣接して、第1面から−Z軸方向に向けて突設されている。供給部側係合部256,258は、ホルダー60における係合部(図示しない)と係合可能に構成されている。これによって、ホルダー60に対するインク供給部280のX軸方向およびY軸方向の位置ズレを防止することができ、インク供給管640に対してインク供給部280を正しい位置で接続させることができる。本実施形態では、ホルダー60に対するカートリッジ20の誤装着を防止するために、供給部側係合部256のY軸に沿った長さは、供給部側係合部258のY軸に沿った長さと異なる。本実施形態の説明では、供給部側係合部を総称する場合には符号「256,258」を使用し、インク供給部280aに隣接する供給部側係合部を示す場合には符号「256a,258a」を使用し、インク供給部280bに隣接する供給部側係合部を示す場合には符号「256b,258b」を使用する。
図7および図11に示すように、本実施形態では、カートリッジ20における回路基板40の+Y軸方向側の近傍には、+Y軸方向を向いたZ軸およびY軸に平行な平面を有する基板側面係合部262が設けられ、回路基板40の−Y軸方向側の近傍には、−Y軸方向を向いたZ軸およびY軸に平行な平面を有する基板側面係合部264が設けられている。基板側面係合部262,264は、図4に示したホルダー60における係合部662,664と係合可能に構成されている。これによって、ホルダー60に対する回路基板40のX軸方向およびY軸方向の位置ズレを防止することができ、装置側端子730に対してカートリッジ側端子430を正しい位置で接触させることができる。
図7および図11に示すように、本実施形態では、基板側面係合部262の+Y軸方向側には、更に、+Y軸方向を向いたZ軸およびY軸に平行な平面を有する基板側面係合部266が設けられ、基板側面係合部264の−Y軸方向側には、更に、−Y軸方向を向いたZ軸およびY軸に平行な平面を有する基板側面係合部268が設けられている。基板側面係合部266,268は、図4に示したホルダー60における係合部666,668と係合可能に構成されている。これによって、ホルダー60に対する回路基板40のX軸方向およびY軸方向の位置ズレを防止することができ、装置側端子730に対してカートリッジ側端子430を正しい位置で接触させることができる。
図15および図16に示すように、カートリッジ20は、外殻200を構成する部材として、本体部材301と、左側面部材305と、右側面部材306とを備える。カートリッジ20は、インク収容部300を画定する部材として、本体部材301の他、更に、フィルム部材335,361,386を備える。カートリッジ20は、インク収容部300の内圧を調整する部材として、更に、弁部材322,324と、板部材325と、弾性部材326,328とを備える。
図15および図16に示すように、カートリッジ20は、本体部材301をY軸方向に貫通する内部接続室352を有する。内部接続室352は、開放路の一部を構成し、2つの内部路33a、33b(図7)に連通している。内部接続室352は、フィルム部材335と左側面部材305との間に形成されるインクが収容されていない空気室に連通している。この空気室は大気導入口209に連通している。
図17は、カートリッジ20の本体部材301の構成を示す左側面図である。図18は、カートリッジ20の本体部材301の構成を示す右側面図である。図19は、図17の矢視F17−F17に対応する位置で切断したカートリッジ20を示す断面図である。図17〜図19に示すように、カートリッジ20は、インク収容部300を構成する部位として、主インク室340と、副インク室380とを備える。主インク室340と副インク室380とは、接続路360によって接続され、接続路360にも微量のインクが収容される。
カートリッジ20の本体部材301は、本実施形態では、図15〜図19に示すように、第1面201、第2面202、第3面203、第4面204、基板側係止部210、供給部側係止部220,230、突出部260およびインク供給部280などの構造を一体成形した部材である。本体部材301は、これらの構造の他、弁収容部332と、中間壁336と、周縁凸部335ad,386adとを有する。本実施形態では、本体部材301は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM))で形成されている。
本体部材301の弁収容部332は、図17に示すように、主インク室340に設けられ、弁部材322,324および弾性部材326を収容する。本実施形態では、弁収容部332は、主インク室340における+Z軸方向側かつ−X軸方向側に設けられている。
本体部材301の中間壁336は、図15に示すように、Z軸およびX軸に沿ってインク収容部300の−Y軸方向側を画定する壁部である。本実施形態では、中間壁336は、その一部が−Y軸方向に向けて突出した突出部336pを有する。本実施形態では、中間壁336は、弾性部材328を保持する保持部338を有する。図16に示すように、本実施形態では、中間壁336の−Y軸方向側には、本体部材301を補強する補強板337が形成されている。
本体部材301の周縁凸部335adは、図15に示すように、本体部材301においてインク収容部300が+Y軸方向に向けて開口する部位の周縁に設けられ、+Y軸方向に凸状をなす。図17には、クロスハッチングを施して周縁凸部335adを図示した。周縁凸部335adには、フィルム部材335が密閉状態に接合される。
本体部材301の周縁凸部386adは、図16に示すように、本体部材301においてインク収容部300が−Y軸方向に向けて開口する部位の周縁に設けられ、−Y軸方向に凸状をなす。図18には、クロスハッチングを施して周縁凸部386adを図示した。周縁凸部386adには、フィルム部材386が密閉状態に接合される。
カートリッジ20の左側面部材305は、本実施形態では、図15に示すように、第5面205および大気導入口209などの構造が一体成形された部材である。左側面部材305は、フィルム部材335を覆うように本体部材301に取り付けられている。本実施形態では、左側面部材305は、本体部材301と同様に、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリアセタール)で形成されている。本実施形態では、左側面部材305は、本体部材301の+Y軸方向側に熱溶着によって取り付けられる。
カートリッジ20の右側面部材306は、本実施形態では、図16に示すように、第6面206などの構造が一体成形された部材である。右側面部材306は、フィルム部材386を覆うように本体部材301に取り付けられている。本実施形態では、右側面部材306は、本体部材301と同様に、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリアセタール)で形成されている。本実施形態では、右側面部材306は、本体部材301の−Y軸方向側に熱溶着によって取り付けられる。
カートリッジ20のフィルム部材335は、インク不透過性、気密性および可撓性を有する薄膜である。フィルム部材335は、図15および図17に示すように、本体部材301の周縁凸部335adに対して密閉状態に接合され、主インク室340および副インク室380の各インク収容室における+Y軸方向側を画定する。本実施形態では、フィルム部材335は、合成樹脂(例えば、ナイロンおよびポリプロピレンの複合材料)で形成されている。
カートリッジ20の弁部材322は、貫通孔322Hを有する弁体である。弁部材322は、+Y軸方向側がフィルム部材335に接合された状態で、本体部材301の弁収容部332に取り付けられる。弁部材322の貫通孔322Hは、フィルム部材335の貫通孔335Hを通じて大気導入口209に連通する。本実施形態では、弁部材322は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)で形成されている。
カートリッジ20の弁部材324は、弾性部材326によって弁部材322に押し付けられ、弁部材322の貫通孔322Hを閉鎖する。弁部材324は、主インク室340における板部材325の位置に応じて、弁部材322の貫通孔322Hを開放する。本実施形態では、弁部材324は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)で形成されている。本実施形態では、弾性部材326は、金属製のコイルバネである。
図15に示すように、カートリッジ20の板部材325は、主インク室340の内側において、主インク室340の容積を拡大する方向に弾性部材328によって付勢された状態で、フィルム部材335に当接する板状の部材である。板部材325は、主インク室340の内圧に応じて、フィルム部材335と共に変位し、本実施形態では、Y軸に沿って変位する。本実施形態では、板部材325は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)や金属(例えば、ステンレス)で形成されている。
カートリッジ20の弾性部材328は、主インク室340の内側で板部材325をフィルム部材335に押し付ける。すなわち、弾性部材328は、主インク室340の容積を拡大する方向に板部材325を付勢する。このように、弾性部材328は、板部材325と協働して、主インク室340に負圧を発生させる負圧発生部材を構成する。弾性部材328は、主インク室340の内圧に応じて伸縮し、本実施形態では、Y軸に沿って伸縮する。本実施形態では、弾性部材328は、板部材325に連結された状態で、本体部材301の保持部338に取り付けられる。
本実施形態では、弾性部材328は、金属製のコイルバネである。図15には、コイルバネである弾性部材328を模式的に図示した。弾性部材328は、金属製のコイルバネに限るものではなく、主インク室340に負圧を発生させることが可能な部材であればよく、例えば、金属製の他の形式のバネ、合成樹脂製のバネ、ゴム部材、流体バネ、連続多孔質部材(例えば、ポリウレタンフォーム)等でもよい。
カートリッジ20のフィルム部材361は、インク不透過性および気密性を有する薄膜である。フィルム部材361は、図9および図17に示すように、本体部材301の−Z軸方向側に対して密閉状態に接合され、接続路360における−Z軸方向側を画定する。本実施形態では、フィルム部材361は、合成樹脂(例えば、ナイロンおよびポリプロピレンの複合材料)で形成されている。
カートリッジ20のフィルム部材386は、インク不透過性および気密性を有する薄膜である。フィルム部材386は、図16および図18に示すように、本体部材301の周縁凸部386adに対して密閉状態に接合され、副インク室380における−Y軸方向側を画定する。本実施形態では、フィルム部材386は、合成樹脂(例えば、ナイロンおよびポリプロピレンの複合材料)で形成されている。
カートリッジ20における主インク室340は、図17および図19に示すように、インクを収容可能な空間を形成する。本実施形態では、主インク室340は、本体部材301およびフィルム部材335によって構成される。主インク室340は、第1の領域341と、第2の領域342と、検知領域346と、連通路348とを有する。
主インク室340における第1の領域341は、第5面205と第6面206との間の+Y軸方向寄りに、+X軸方向側から−X軸方向側にわたって形成される。第1の領域341には、前述したように、負圧発生部材として、板部材325および弾性部材328が配置されている。
主インク室340における第2の領域342は、図16および図17に示すように、保持部338よりも第4面204寄りに、突出部336pによって形成される。図17に示すように、第2の領域342は、第1の領域341に隣接し、第1の領域341の一部を−Y軸方向に拡張した形状を有する。
図15および図17に示すように、フィルム部材335は、第1の領域341および第2の領域342における第5面205側を画定する第1の画定面であり、第1の領域341および第2の領域342にわたって第5面205に沿った形状をなす。中間壁336は、第1の領域341および第2の領域342における第6面206側を画定する第2の画定面であり、第2の領域342に対応する部位が第6面206に向けて突出した形状をなす。
主インク室340における検知領域346は、主インク室340におけるインクを検知可能に構成されている。図17に示すように、本実施形態では、検知領域346には、検出要素270のプリズム275が配置されており、前述したように、検出要素270を用いて主インク室340におけるインクを検知することが可能である。検知領域346は、保持部338よりも第3面203寄りに形成されている。検知領域346は、第1の領域341の−Z軸方向側に隣接し、第1の領域341の一部を−Z軸方向に拡張した形状を有する。プリズム275は、略直角に交わる2つの表面を有する。プリズムは、2つの表面に接触する流体の屈折率に応じて光の反射状態が異なる。プリズム275を用いてプリンター50の制御部510は、カートリッジのインク有無を判断する。
この判断は、図1に示したプリンター50の検出部57と、図17に示したカートリッジ20のプリズム275との間の光のやりとりに基づいて、次のように行われる。まず、検出部57の発光部から、プリズム275の2つの表面のうち、一方の表面に向けて光を射出する。このとき、プリズム275の周囲がインクで満たされている場合は、検出部57の発光部から射出した光のほとんどが、当該一方の表面を透過して、検出部57の受光部へは到達しない。一方、プリズム275の周囲にインクが存在しない場合は、発光部から射出した光の大部分が、プリズム275の一方の表面で反射する。この反射光は、プリズム275のもう一方の表面で検出部57に向かって反射して、検出部57の受光部へ到達する。このように、検出部57の受光部が、一定レベル以上の光を検知しない場合は、プリンター50の制御部510において「インク有り」と判定し、検知した場合は「インク無し」と判定する。なお、「インク無し」とは、インクが残り少ない状態を含む。
図17に示すように、主インク室340における連通路348は、検知領域346と接続路360との間を連通する。本実施形態では、連通路348は、検知領域346の−X軸方向側に隣接する。本実施形態では、連通路348は、検知領域346から−X軸方向に進んだ後、検知領域346よりも+Z軸方向に一段高くなって−Y軸方向に進み、貫通孔364を通じて−Z軸方向側の接続路360に連通する。
カートリッジ20における接続路360は、図9、図17および図19に示すように、微量のインクを収容可能な空間を形成し、主インク室340と副インク室380との間を連通する。本実施形態では、接続路360は、本体部材301およびフィルム部材361によって構成される。接続路360は、主インク室340および副インク室380よりも−Z軸方向側に設けられている。接続路360は、貫通孔364を通じて+Z軸方向側の主インク室340に連通し、貫通孔368を通じて+Z軸方向側の副インク室380に連通する。これによって、接続路360は、副インク室380から主インク室340における検知領域346へのインクの逆流を防止する逆流防止部として機能する。
カートリッジ20における副インク室380は、図17〜図19に示すように、インクを収容可能な空間を形成する。図19に示すように、副インク室380は、複数のインク流路282の各々へと分岐して主インク室340と複数のインク流路282との間を連通し、複数のインク流路282の各々へとインクを流通可能に構成された分岐連通部として機能する。本実施形態の説明では、複数のインク流路282の各々を総称する場合には、符号「282」を使用する。複数のインク流路282のうちインク供給部280aに連通するインク流路を示す場合には、符号「282a」を使用し、複数のインク流路282のうちインク供給部280bに連通するインク流路を示す場合には、符号「282b」を使用する。
本実施形態では、副インク室380は、本体部材301、フィルム部材335およびフィルム部材386によって構成される。図17に示すように、副インク室380は、主インク室340における第1の領域341よりも−Z軸方向側かつ検知領域346よりも−X軸方向側であって、接続路360よりも+Z軸方向側に設けられている。
図19に示すように、副インク室380は、領域382と、領域383aと、領域383bと、領域384aと、領域384bとを有する。領域382には、貫通孔368が設けられている。領域384aには、インク流路282aが設けられ、領域384bには、インク流路282bが設けられている。領域383aは、領域382および領域384aよりも狭い流路を形成し、領域382と領域384aとの間を連通する。領域383bは、領域382および領域384bよりも狭い流路を形成し、領域382と領域384bとの間を連通する。
本実施形態では、副インク室380における領域384aの−X軸方向側は、本体部材301の隔壁部388aによって画定され、副インク室380における領域384bの−X軸方向側は、本体部材301の隔壁部388bによって画定されている。
例えば、図17および図18に示すように、本実施形態のカートリッジ20は、副インク室380における領域384a,384bの−X軸方向側は、本体部材301の隔壁部388a,388bによって画定されている。これに対し、隔壁部388a,388bを取り除いて副インク室380の容量を拡大した別のカートリッジをラインナップに加える場合を想定する。この場合、隔壁部388a,388bが無いカートリッジと、本実施形態のカートリッジ20とで、共通の基本金型を準備しておき、隔壁部388a,388bの無いカートリッジを製造する際には、基本金型の隔壁部388a,388bに対応する箇所に入れ子を追加することで、対応することができる。
主インク室340におけるインクは、図17および図19に矢印で示すように、検知領域346から連通路348を経て貫通孔364を通過し、接続路360へと流通する。接続路360におけるインクは、図17に矢印で示すように、貫通孔368を通過し、副インク室380へと流通する。副インク室380におけるインクは、図17〜図19に矢印で示すように、領域382から領域384aおよび領域384bへと分流する。領域384aにおけるインクは、インク流路282aを通過し、インク供給部280aからカートリッジ20の外部へと供給され、領域384bにおけるインクは、インク流路282bを通過し、インク供給部280bからカートリッジ20の外部へと供給される。
図20、図21および図22は、カートリッジ20の内圧を調整する様子を模式的に示す説明図である。図20に示すように、主インク室340がインクで十分に満たされた状態では、弁部材324の弁部324Vは、弾性部材326によって弁部材322に付勢され、弁部材322の貫通孔322Hを閉塞する。この状態で、弾性部材328は、主インク室340の容積を拡大する方向(+Y軸方向)に板部材325を付勢する。これによって、主インク室340の内圧は、大気圧よりも低い圧力(負圧)に維持される。
図21に示すように、主インク室340におけるインクが消費され、主インク室340の内圧が、図20の状態よりも低い圧力になると、板部材325は、フィルム部材335と共に−Y軸方向に変位し、弁部材324の梃子部324Lを−Y軸方向に押圧する。これに応じて、弁部材324の弁部324Vは、弁部材322の貫通孔322Hを開放し、主インク室340は、大気導入口209を通じて空気で満たされた空気室310と一時的に連通する。これによって、主インク室340に空気が流入し、図22に示すように、主インク室340の容積は、図21の状態よりも大きくなり、主インク室340の内圧は、図21の状態よりも大気圧に近付く。図22に示すように、主インク室340にある程度の空気が流入すると、板部材325は、弁部材324の梃子部324Lから離間し、弁部材324の弁部324Vは、再び、弁部材322の貫通孔322Hを閉塞する。このように、カートリッジ20の内圧は、適切な圧力範囲に維持される。
上記図20〜図22に模式的に示すように、カートリッジ20は、インク供給部280の内部と外部とを連通させる連通路330を備える。連通路は、連通口32を一端部に有する内部路33と、内部接続室352と、フィルム部材335と左側面部材305との間に位置する空気室310と、大気導入口209とを備える。ここで、図7に示すように、インク供給部280aの内部と外部とを連通させる連通路330を第1の連通路330aとも呼び、インク供給部280bの内部と外部とを連通させる連通路330を第2の連通路330bとも呼ぶ。また、インク供給部280aの内部に設けられた内部路33を第1の内部路33aとも呼び、インク供給部280bの内部に設けられた内部路33を第2の内部路33bとも呼ぶ。ここで、第1の連通路330aと第2の連通路330bとは、内部接続室352,空気室310,大気導入口209とを共用している。内部路33は、連通路330の一端側に位置する流路である。
上記のカートリッジ20のインク収容部300について更に以下に述べる。インク収容部300は、主インク室340と、主インク室340に収容されるインクを分岐させて、インク供給部280a、280bにインクを流通させるための副インク室380とを備える。また、図19に示すように、インク収容部300は、第1〜第3の流通口368t,282ta,282tbを備える。第1の流通口368tは、主インク室340に収容されるインクを副インク室380に流通させる。第1の流通口368tは、領域382に設けられている。第1の流通口368tは、貫通孔368の一端部である。第2の流通口282taは、副インク室380に収容されるインクをインク供給部280aに流通させる。第2の流通口282taは、領域384aに設けられている。第2の流通口282taは、インク流路282aの一端部である。第3の流通口282tbは、副インク室380に収容されるインクをインク供給部280bに流通させる。第3の流通口282tbは、領域384bに設けられている。第3の流通口282tbは、インク流路282bの一端部である。また、図19に示すように、第1の流通口368tから領域384bまでの流路長Lt2は、第1の流通口368tから領域384aまでの流路長Lt1よりも長い。ここで、流路長Lt1,Lt2は、各要素間の最短距離である。
また、図15および図19に示すように、フィルム部材335は、カートリッジ20の+Y軸方向側に配置されている。フィルム部材335は、主インク室340、領域382および領域384aの+Y軸方向側の側面を形成する。
また、図16および図19に示すように、フィルム部材386は、カートリッジ20の−Y軸方向側に配置されている。フィルム部材386は、領域382および領域384bの−Y軸方向側側面を形成する。
また、図15に示すように、フィルム部材335を覆うように左側面部材305が設けられている。また、図16に示すようにフィルム部材386を覆うように右側面部材306が設けられている。
ここで、インク収容部300を印刷材収容室300とも呼び、印刷材供給部280aを第1の印刷材供給部280aとも呼び、印刷材供給部280bを第2の印刷材供給部280bとも呼ぶ。また、主インク室340をメイン収容室340とも呼び、副インク室380をサブ収容室380とも呼ぶ。また、開口端288aを第1の開口端288aとも呼び、開口端288bを第2の開口端288bとも呼ぶ。また、領域382を第1のサブ収容室382とも呼び、領域384aを第2のサブ収容室384aも呼び、領域384bを第3のサブ収容室384bとも呼ぶ。また、フィルム部材335を第1のフィルム部材335とも呼び、フィルム部材386を第2のフィルム部材386とも呼ぶ。また、左側面部材305を第1の蓋部材305とも呼び、右側面部材306を第2の蓋部材306とも呼ぶ。第2の蓋部材306が特許請求の範囲に記載の「蓋部材」に相当する。
A−4.注入キット(注入装置):
図23は、注入キット(注入装置)900を説明するための第1の図である。注入キット(注入装置)900は、注入ユニット901を備える。注入ユニット901は、カートリッジ20にインクを注入するための器具である。注入ユニット901は、注入針902と、印刷材貯留部904と、加圧部905とを備える。印刷材貯留部904と注入針902とは連通している。注入針902は、先端部902aに開口が形成されている。先端部902aの開口を介して印刷材貯留部904に貯留されたインクをインク収容部300に注入できる。加圧部905は、印刷材貯留部904内に押し込まれることで印刷材貯留部904内を加圧する。これにより、印刷材貯留部904のインクが注入針902に押し出される。なお、加圧部905は注入ユニット901から取り外し可能である。よって、注入ユニット901は、インクを印刷材貯留部904に補充できる。
図24は、注入キット(注入装置)を説明するための第2の図である。図25は、注入キット(注入装置)を説明するための第3の図である。図25は、図24に示す器具の使用状態を示している。図24に示すように、注入キット(注入装置)900は、さらに、吸引ユニット71と、開口閉塞ユニット74と、内部路閉塞ユニット722とを備える。吸引ユニット71は、インク供給部280からインク収容部300内の流体を外部に吸引するための器具である。開口閉塞ユニット74は、インク供給部280の開口端288を塞ぐための器具である。内部路閉塞ユニット722は、内部路33を塞ぐための器具である。吸引ユニット71は、先端部724が開口した筐体704と、吸引部726とを備える。図25に示すように、先端部724の開口をシート部材284sに押し当てて吸引部726を引いて、インク供給部280を介してインク収容部300内を外部へと吸引する。
図24に示すように、開口閉塞ユニット74は、シール部材720と収容部材728とを備える。図25に示すように、シール部材720は、開口286を覆うように区画端部287に隙間なく密着する。これにより、開口端288を介して外部にインクが漏れ出すことを抑制できる。シール部材720は、例えば、ゴム等の弾性部材によって形成されている。収容部材728は、シール部材720を収容するための部材である。収容部材728は、凹形状である。収容部材728は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成される。シール部材720及び収容部材728の外形形状は、開口端288の外形形状に対応している。本実施形態では、シール部材720及び収容部材728の外形形状は、略楕円形状である。また、開口閉塞ユニット74の略中央には吸引ユニット71が貫通して配置されている。
内部路閉塞ユニット722は、内部路33を塞ぐためのユニットである。内部路閉塞ユニット722は、例えば、内部路33に嵌め込まれる部材である、内部路閉塞ユニット722は、例えば、ゴム等の弾性部材によって形成されている。図25に示すように、内部路閉塞ユニット722が内部路33に嵌め込まれることで、内部路33にインクが流入することを抑制できる。インク注入の際には、内部路閉塞ユニット722は、開口閉塞ユニット74と一体となるように、封止ユニット736に線状の接続部材723によって接続されている。なお、接続部材723は省略しても良く、内部路閉塞ユニット722は、注入キット(注入装置)900の他の要素と接続されていなくても良い。内部路閉塞ユニット722は、インクを透過しないフィルム部材であっても良い。
上記の注入キット(注入装置)900は、カートリッジ20の仕様に応じて複数組み合わせて用いても良い。例えば、本実施形態では、1つの注入ユニット901と、2つの開口閉塞ユニット74と、2つの吸引ユニット71と、2つの内部路閉塞ユニット722とを用いる。
A−5.インク注入方法:
図26は、インク注入フローを説明するための図である。図27は、インクをサブ収容室380内に注入する様子を示している。図27では、インクが注入される様子を矢印で示している。インク注入フローは、例えば、カートリッジ20に収容されているインクが消費され、インク無しとなった後に再びカートリッジ20にインクを収容する際に実行できる。また、インク注入フローは、例えば、カートリッジ20の初期製造時に、カートリッジ20にインクを収容する際にも実行できる。また、本実施形態では、注入キット(注入装置)900を用いてカートリッジ20のインク注入フローを実行する。なお、カートリッジ20へのインク注入フローを実行する際には、注入キット(注入装置)900を用いる必要はなく、任意の器具を採用できる。また、以下に述べるインク注入フローは、カートリッジ20を任意の状態(姿勢)にして実行できる。以下に述べる説明では、カートリッジ20は装着状態にしてインク注入フローが実行されているものとする。
まず、インクを注入するための対象であるカートリッジ20を準備する(ステップS5)。そして、カートリッジ20にインクを注入する前に、第1と第2の内部路33a,33b(図7)を塞ぐ(ステップS10,図25)。また、カートリッジ20にインクを注入する前に、第1と第2の開口端288a,288b(図7)を塞ぐ(ステップS20,図25)。ステップS10及びステップS20は、具体的には、図25に示すように開口閉塞ユニット74および内部路閉塞ユニット722を用いて行なわれる。
また、カートリッジ20にインクを注入する前に、第2のフィルム部材386のうち、サブ収容室380を形成する部分を露出させる(ステップS30)。ステップS30は、第2の蓋部材306を本体部材301から取り外すことで行なっても良いし、第2のフィルム部材386が露出するように第2の蓋部材306の一部を切り取っても良い。
上記のステップS10〜ステップS30は、インクを注入する前に行なえば良く、ステップS10〜ステップS30の順番は問わない。
ステップS30の後に、第2のフィルム部材386に穴を開けて、穴を開けた部分を介してインクをサブ収容室380から注入することによって、印刷材収容室300に所定量のインクを収容させる(ステップS40,S50)。具体的には、図27に示すように、注入ユニット901の注入針902を第2のフィルム部材386に突き刺して、印刷材貯留部904のインクをサブ収容室380に注入する。ここで、インク注入フローの終了時点で、所定量(第1の所定量)のインクがカートリッジ20に収容されていることが好ましい。所定量とは、装着状態において、少なくともプリズム275の表面がインクで浸かるインク量である。ステップS50において印刷材収容室300に所定量のインクを収容させることが好ましい。こうすることで、インクを注入した後に、再びプリズム275を利用したインク有無の検出を行うことができる。
ステップS50の後に、2つのインク供給部280a,280bを介してインク収容部300に収容されたインクを外部へと吸引する(ステップS60)。具体的には、吸引ユニット71によって印刷材出口284sを介して所定量(第2の所定量)のインクを外部に向けて吸引する。ステップS60は、インクを確実に吸引できるように、装着状態(インク供給部280が印刷材収容室300よりも重力方向下側に位置する状態)で行なうことが好ましい。ステップS60では、インク供給部280のうち、印刷材出口284s(図20)を含む上流側部分がインクで満たされるまでインクを外部に向けて吸引する。
また、ステップS60の後に、注入ユニット901を第2のフィルム部材386から引き抜いて、第2のフィルム部材386に形成された穴を塞ぐ(ステップS70)。ステップS70は、例えば、フィルム部材を穴の上から第2のフィルム部材386に貼り付けることで行なう。また、ステップS30において第2の蓋部材306(図16)を取り外した場合は、ステップS70の後に、第2の蓋部材306を本体部材301に取り付ける。
ここで、ステップS60とステップS70は、ステップS50の後であれば順番は問わない。
A−6.効果:
上記のように、第1実施形態では、第2のフィルム部材386に穴を開けてサブ収容室380からインクを注入している(図26のステップS40,50,図27)。これにより、印刷材収容室300の構成要素であるサブ収容室380に直接にインクを注入できるため、効率良く印刷材収容室300にインクを注入できる。ここで、図15及び図17に示すように、第1のフィルム部材335は、サブ収容室380の一側面に加え、メイン収容室340の一側面も形成している。よって、第1のフィルム部材335のうちサブ収容室380が位置する部分に注入ユニット901を突き刺してインク注入する方法では、誤ってメイン収容室340に注入ユニット901を突き刺す場合が生じる。本実施形態では、第2のフィルム部材386に注入ユニット901を突き刺してインク注入を行っていることから(ステップS40、S50)、誤ってメイン収容室340に穴を開けることを防止できる。図15に示すように、メイン収容室340内には、弾性部材328や板部材325等の負圧発生部材が配置されている。よって、メイン収容室340にインクを注入するための器具(例えば、注入ユニット901)を挿入すると、メイン収容室340内に配置されている部材(例えば、負圧発生部材)を損傷させる虞が生じる。本実施形態のインク注入方法は、確実に所望とする部分(本実施形態では、サブ収容室380)にインクを注入できる。また、本実施形態では、本体部材301に穴を開けるのではなく、第2のフィルム部材386に穴を開けてインクを注入することから、本体部材301のクズの発生を抑えることができる。
また、図17に示すように、メイン収容室340内にはプリズム275が配置されている。外部からインク収容部300内にインクを注入する際には、気泡がインク中に混入する場合がある。この場合、気泡がプリズム275に付着するとインク有無の誤検出の原因となりえる。本実施形態では、プリズム275が配置されていないサブ収容室380からインクを注入することで(ステップS50,60)、インク注入の際に生じた気泡がプリズム275に到達して付着する可能性を低減できる。
また、ステップS50において、インクを注入する部分は、第3のサブ収容室384b内に位置しても良い。すなわち、注入針902の先端部902aを第3のサブ収容室384b内に配置してインク注入を行う。ここで、図19に示すように、第1の流通口368tから第3のサブ収容室384bまでの流路長Lt2は、第1の流通口368tから第2のサブ収容室384aまでの流路長Lt1よりも長い。よって、第2のサブ収容室384a等の他の部分からインク注入を行うと、第3のサブ収容室384bにはインクが到達しにくい。このため、第3のサブ収容室384bにインクを収容させるまで時間がかかる場合がある。本実施形態では、第3のサブ収容室384bからインクを注入することで、インクが収容されにくい第3のサブ収容室384bに効率良くインクを注入できる。また、サブ収容室380のうちで、プリズム275までの流路長さが最も長いのは、第3のサブ収容室384bである。よって、第3のサブ収容室384bからインクを注入することによって、インク注入の際に気泡が発生した場合でも、発生した気泡がプリズム275に到達して付着する可能性を低減できる。
また、ステップS50において、インクを注入する部分は、第1のサブ収容室382内に位置しても良い。すなわち、注入針902の先端部902aを第1のサブ収容室382内に配置してインク注入を行う。第1のサブ収容室382からインクを注入することで、第1のサブ収容室382からインクが分岐して第2と第3のサブ収容室384a,384bの双方に対してほぼ同時にインクを充填できる。
また、第1実施形態では、インクを注入する際に第1と第2の開口端288a、288bを塞いでいる(図26のステップS20,図25)。これにより、インク注入の際に、第1と第2の開口端288a,288bを介してインクが漏れ出すことを抑制できる。また、第1実施形態では、インクを注入する際に第1と第2の内部路33a,33bを塞いでいる(図25のステップS10,図25)。これにより、インク供給部280の印刷材出口284sから漏れ出したインクが第1と第2の内部路33a,33bに流入することを抑制できる。これにより、第1と第2の連通路330a,330bが有する大気導入口209からインクが外部に漏れ出すことを抑制できる。
また、第1実施形態では、ステップS50の後に、第1と第2のインク供給部280a,280bからそれぞれインクを外部へと吸引している(図26のステップS60,図25)。これにより、第1と第2のインク供給部280a、280bの内部(詳細には、印刷材出口284sを含む上流側部分)にもインクを収容できる。よって、カートリッジ20からプリンター50のヘッド540に空気が流入する可能性を低減でき、いわゆるヘッド540の空打ちによるプリンター50の不具合の発生(例えば、ヘッド540の損傷や、印画品質の低下)を抑制できる。
また、第1実施形態では、注入キット(注入装置)900によって、インク注入の際の各工程を容易に実現できる。例えば、注入キット(注入装置)900は注入ユニット901を備えることで、第2のフィルム部材386に穴を開けてインクをサブ収容室380に容易に注入できる(図23、図27)。また、例えば、注入キット(注入装置)900は、内部路閉塞ユニット722を備えることで、容易に内部路33を塞ぐことができる(図24,図25)。また、例えば、注入キット(注入装置)900は、開口閉塞ユニット74を備えることで、開口端288を容易に封止することができる(図24,図25)。また、注入キット(注入装置)900は、吸引ユニット71を備えることで、インク供給部280を介してインクを容易に外部へと吸引できる(図24,図25)。
また、ステップS5からステップS70までの工程を行うことで、インク収容部300にインクが収容されたカートリッジ20を製造できる。この製造後のカートリッジ20には、ステップS40,50の工程を行うことによって、第2のフィルム部材386にインク注入痕が形成される。
B.第2実施形態:
B−1.注入方法:
図28は、第2実施形態のインク注入フローを説明するための図である。図29は、インクをサブ収容室380内に注入する様子を示している。図29では、インクが注入される様子を矢印で示している。第1実施形態のインク注入フローと同様の工程については同様の符号を付して説明を省略する。第1実施形態のインク注入フローと第2実施形態のインク注入フローの異なる点は、ステップS30aとステップS40aとステップS70aである。また、第2実施形態のインク注入フローは、第1実施形態で説明した注入キット(注入装置)900を用いて行なうことができる。
ステップS30aでは、第2のフィルム部材386を露出させた後に、露出した部分に弾性部材910(図29)を接着する。弾性部材910は、ゴム等で形成された弾性を有する中実部材を用いる。ステップS40aでは、図29に示すように、弾性部材910と、第2のフィルム部材386のうち弾性部材910が接着された部分とを注入針902で刺し通すことによって両部材910,386に穴が形成される。ステップS70aでは、注入針902を弾性部材910と第2のフィルム部材386から引き抜くことで、第2のフィルム部材386に形成された穴を弾性部材910によって塞ぐ。すなわち、弾性部材910の穴が弾性によって閉じることで、弾性部材910によって第2のフィルム部材386の穴が塞がれる。なお、弾性部材910を注入キット(注入装置)900の1つの構成要素として加えても良い。また、ステップS30aにおいて第2の蓋部材306(図16)を取り外した場合は、ステップS70aの後に第2の蓋部材306を本体部材301に取り付ける。
ステップS5からステップS70aまでの工程を行うことで、インク収容部300にインクが収容されたカートリッジ20を製造できる。この製造後のカートリッジ20には、ステップS30aの工程を行うことによって、第2のフィルム部材386に弾性部材910が取り付けられている。
B−2.効果:
上記の第2実施形態では、注入ユニット901を引き抜くことで弾性部材910の穴が閉塞する(図28のステップS70a)。弾性部材910の穴が閉塞することで、第2のフィルム部材386に形成された穴を塞ぐことができる。よって、注入ユニット901の引き抜き動作によって第2のフィルム部材386に形成された穴を塞ぐことができ、第1実施形態のインク注入フローよりも製造工程を簡略化できる。また、注入ユニット901を引き抜くタイミングとほぼ同じタイミングで第2のフィルム部材386の穴が塞がれるため、第2のフィルム部材386の穴を介してインクが外部に漏れ出す可能性を低減できる。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の特徴を備える構成は、第1実施形態と同様の効果を奏する。例えば、第2のフィルム部材386に穴を開けてインク注入を行うことで(ステップS30a)、誤って第1のフィルム部材335に穴を開けることを防止できる。
C.変形例:
なお、上記実施形態における構成要素の中の、特許請求の範囲の独立項に記載した要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明の上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C−1.第1変形例:
以下の態様によっても本発明は実現できる。なお、参考までに各要素には実施形態に対応する符号を付している。
・態様1
印刷装置(50)に供給する印刷材を収容するカートリッジ(20)の製造方法であって、
(a)カートリッジ(20)を準備する工程であって、本体部材(301)と、前記本体部材(301)に貼り付けられる第1と第2のフィルム部材(335,386)であって、前記本体部材(301)を挟んで配置された第1と第2のフィルム部材(335、386)と、第2のフィルム部材(386)を覆うように前記本体部材(301)に取り付けられた蓋部材(306)と、前記本体部材(301)と前記第1のフィルム部材(335)によって画定され、前記印刷材を収容するためのメイン収容室(340)と、前記本体部材(301)と前記第1のフィルム部材(335)と前記第2のフィルム部材(386)とによって画定され、前記印刷材を収容するためのサブ収容室(380)と、前記サブ収容室(380)と連通し、前記印刷材を前記印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部(280a,280b)と、を備え、前記メイン収容室(340)と前記サブ収容室(380)とは連通する、カートリッジ(20)を準備する工程と、
(b)前記第2のフィルム部材(386)の少なくとも一部を露出させる工程と、
(c)前記工程(b)の後に、前記第2のフィルム部材(386)に穴を開けて前記サブ収容室(380)から前記印刷材を注入して、前記メイン収容室(340)および前記サブ収容室(380)に前記印刷材を収容させる工程と、
(d)前記(c)の後に、前記穴を塞ぐ工程と、を備える、カートリッジの製造方法。
上記態様1によれば、印刷材を注入する際に第2のフィルム部材とは反対側に位置する第1のフィルム部材に誤って穴を開けることを防止できる。これにより、第2のフィルム部材に確実に穴を開けることができるため、誤ってメイン収容室を形成する第1のフィルム部材に穴を開けることを防止できる。
また、上記態様1に上記形態(2)〜(7)の少なくともいずれか1つを従属させても良い。
C−2.第2変形例:
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置及びそれらの液体噴射装置に用いられるカートリッジ(液体収容容器)にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置に用いられるカートリッジとして本発明は適用できる。また、上記実施形態の注入キット(注入装置)900やインク注入方法は、以下の各種液体噴射装置に用いられるカートリッジに適用できる。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が消費できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
10…印刷材供給システム
20,20S…カートリッジ
32…連通口
33…内部路
33a…第1の内部路
33b…第2の内部路
40…回路基板
50…プリンター
51…制御部
52…キャリッジ
57…検出部
60…ホルダー
70…端子台
71…吸引ユニット
74…開口閉塞ユニット
80…レバー
90…印刷媒体
200…外殻
201…第1面
202…第2面
203…第3面
204…第4面
205…第5面
206…第6面
207,207a,207b…第7面
208,208a,208b…第8面
209…大気導入口
210…基板側係止部
211…係止面
212…係止面
220…供給部側係止部
222…係止面
227…傾斜面
230…供給部側係止部
232…係止面
237…傾斜面
240…溝部
252,252…基板側係合部
256,258…供給部側係合部
260…突出部
262,264,266,268…基板側面係合部
270…検出要素
275…プリズム
280…印刷材供給部(インク供給部)
280a…第1の印刷材供給部
280b…第2の印刷材供給部
282,282a,282b…インク流路
282ta…第2の流通口
282tb…第3の流通口
284…漏出防止部材
284f…多孔質部材
284s…シート部材(印刷材出口)
286…開口
287…区画端部
288…開口端
288a…第1の開口端
288b…第2の開口端
300…印刷材収容室(インク収容部)
301…本体部材
305…第1の蓋部材(左側面部材)
306…第2の蓋部材(右側面部材)
310…空気室
322…弁部材
322H…貫通孔
324…弁部材
324L…梃子部
324V…弁部
325…板部材
326…弾性部材
328…弾性部材
330…連通路
330a…第1の連通路
330b…第2の連通路
332…弁収容部
335…第1のフィルム部材
335H…貫通孔
335ad…周縁凸部
336…中間壁
336p…突出部
337…補強板
338…保持部
340…主インク室(メイン収容室)
341…第1の領域
342…第2の領域
346…検知領域
348…連通路
352…内部接続室
360…接続路
361…フィルム部材
364…貫通孔
368…貫通孔
368t…第1の流通口
380…サブ収容室(副インク室)
382…第1のサブ収容室(領域)
383a…領域
383b…領域
384a…第2のサブ収容室(領域)
384b…第3のサブ収容室(領域)
386…フィルム部材(第2のフィルム部材)
386ad…周縁凸部
388a…隔壁部
388b…隔壁部
408…カートリッジ側斜面
430…カートリッジ側端子
510…制御部
517…フレキシブルケーブル
520…キャリッジ
522…キャリッジモーター
524…駆動ベルト
532…搬送モーター
534…プラテン
540…ヘッド
600…ホルダー
601…壁部
603…壁部
604…壁部
605…壁部
606…壁部
607…仕切板
608…カートリッジ装着空間
620…供給管側係止部
620L…第2係止位置
640…インク供給管
642…先端部
644…多孔体フィルター
645…基端部
648…弾性部材
662…係合部
665…係合部
666…係合部
704…筐体
720…シール部材
722…内部路閉塞ユニット
723…接続部材
724…先端部
726…吸引部
728…収容部材
730…装置側端子
736…封止ユニット
800c…回動中心
810…端子台側係止部
810L…第1係止位置
830…操作部
900…注入キット(注入装置)
901…注入ユニット
902…注入針
902a…先端部
904…印刷材貯留部
905…加圧部
910…弾性部材
C…中心軸
M…回転モーメント
F19−F19…矢視
SD…装着方向
SL…スロット
EL…有機
Ca…中心軸
Cb…中心軸
Pr…操作力
Ps…付勢力
Pt…付勢力
Dz…距離
Lt1…流路長
Lt2…流路長
CXa…平面
CXb…平面

Claims (15)

  1. 印刷装置に供給する印刷材を収容するカートリッジの製造方法であって、
    (a)カートリッジを準備する工程であって、前記印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を前記印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
    前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に流通させる第3の流通口と、を有し、
    前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
    前記カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
    前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
    前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備えるカートリッジを準備する工程と、
    (b)前記第2のフィルム部材の少なくとも一部を露出させる工程と、
    (c)前記工程(b)の後に、前記第2のフィルム部材に穴を開けて前記サブ収容室から前記印刷材を注入して、前記印刷材収容室に前記印刷材を収容させる工程と、
    (d)前記(c)の後に、前記穴を塞ぐ工程と、を備える、カートリッジの製造方法。
  2. 請求項1に記載のカートリッジの製造方法であって、
    前記工程(a)において準備する前記カートリッジは、
    前記第1の流通口から前記第3のサブ収容室までの流路長が、前記第1の流通口から前記第2のサブ収容室までの流路長よりも長く、
    前記工程(c)において前記印刷材を注入する部分は、前記第3のサブ収容室内に位置する、カートリッジの製造方法。
  3. 請求項1に記載のカートリッジの製造方法であって、
    前記工程(c)において前記印刷材を注入する部分は、前記第1のサブ収容室内に位置する、カートリッジの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のカートリッジの製造方法であって、
    前記工程(b)は、
    前記第2のフィルム部材のうち露出した部分に弾性部材を接着する工程を含み、
    前記工程(c)における前記第2のフィルム部材の前記穴は、前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入器具を用いて、前記弾性部材と前記露出した部分を刺し通すことで形成され、
    前記工程(d)は、前記弾性部材及び前記露出した部分から前記注入器具を引き抜く工程である、カートリッジの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のカートリッジの製造方法であって、さらに、
    (e)前記工程(c)において前記印刷材を注入する前に、前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐ工程を備える、カートリッジの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のカートリッジの製造方法であって、
    前記工程(a)において準備する前記カートリッジは、さらに、
    前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させる第1の連通路と、
    前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させる第2の連通路と、を備え、
    前記第1の連通路の一端側は、前記第1の印刷材供給部内に設けられている第1の内部路であり、
    前記第2の連通路の一端側は、前記第2の印刷材供給部内に設けられている第2の内部路であり、さらに、
    (f)前記工程(c)において前記印刷材を注入する前に、前記第1と第2の内部路を塞ぐ工程を有する、カートリッジの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のカートリッジの製造方法であって、さらに、
    (g)前記工程(c)の後に、前記第1と第2の印刷材供給部を介して前記印刷材収容室に収容された前記印刷材を外部へと吸引する工程を有する、カートリッジの製造方法。
  8. 印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
    前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
    前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
    カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
    前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
    前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入キットであって、
    外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
    前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐための開口閉塞ユニットと、を備える、注入キット。
  9. 印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
    前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
    前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
    カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
    前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
    前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入キットであって、
    外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
    前記第1の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第1の内部路と、前記第2の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第2の内部路とを塞ぐための内部路閉塞ユニットと、を備える、注入キット。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の注入キットであって、さらに、
    前記第2のフィルム部材に接着するための弾性部材を有する、注入キット。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載の注入キットであって、さらに、
    前記第1と第2の印刷材供給部からそれぞれ前記印刷材を外部へと吸引するための吸引ユニットを有する、注入キット。
  12. 印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
    前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
    前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
    カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
    前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
    前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入装置であって、
    外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
    前記第1の印刷材供給部の一端部に位置する第1の開口端と、前記第2の印刷材供給部の一端部に位置する第2の開口端とを塞ぐための開口閉塞ユニットと、を備える、注入装置。
  13. 印刷材を収容するための印刷材収容室と、前記印刷材収容室に収容される前記印刷材を印刷装置に供給するための第1と第2の印刷材供給部と、を備え、
    前記印刷材収容室は、メイン収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を分岐させて、前記第1と第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させるためのサブ収容室と、前記メイン収容室に収容される前記印刷材を前記サブ収容室に流通させる第1の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第1の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第2の流通口と、前記サブ収容室に収容される前記印刷材を前記第2の印刷材供給部に前記印刷材を流通させる第3の流通口と、を有し、
    前記サブ収容室は、前記第1の流通口が設けられた第1のサブ収容室と、前記第2の流通口が設けられた第2のサブ収容室と、前記第3の流通口が設けられた第3のサブ収容室と、を有し、さらに、
    カートリッジの+Y軸方向側に配置された第1のフィルム部材であって、前記メイン収容室、前記第1のサブ収容室、および、前記第2のサブ収容室のそれぞれの+Y軸方向側の側面を形成する第1のフィルム部材と、
    前記カートリッジの−Y軸方向側に配置された第2のフィルム部材であって、前記第1のサブ収容室、および、前記第3のサブ収容室のそれぞれの−Y軸方向側の側面を形成する第2のフィルム部材と、
    前記第2のフィルム部材を覆うように設けられた蓋部材と、を備える前記カートリッジの前記印刷材収容室に前記印刷材を注入するための注入装置であって、
    外部から前記印刷材収容室に前記印刷材を注入できる注入ユニットと、
    前記第1の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第1の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第1の内部路と、前記第2の印刷材供給部の内部に設けられ、前記第2の印刷材供給部の内部と外部とを連通させるための第2の内部路とを塞ぐための内部路閉塞ユニットと、を備える、注入装置。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の注入装置であって、さらに、
    前記第2のフィルム部材に接着するための弾性部材を有する、注入装置。
  15. 請求項12から請求項14までのいずれか一項に記載の注入装置であって、さらに、
    前記第1と第2の印刷材供給部からそれぞれ前記印刷材を外部へと吸引するための吸引ユニットを有する、注入装置。
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