JP2014019118A - カートリッジ - Google Patents

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忠弘 水谷
Izumi Nozawa
泉 野澤
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淳 小林
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Abstract

【課題】カートリッジの主液体部へのインクの逆流を抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】カートリッジは、印刷装置に着脱自在に装着され、内部に収容された液体を液体供給口から印刷装置に供給する。このカートリッジは、主液体室と、主液体室の下流側に設けられ、カートリッジ内の液体を検知するための検知室と、検知室と液体供給口との間の流路に設けられた液体緩衝部と、検知室と液体緩衝部との間を連通させる連通路と、を備える。連通路は、少なくとも一部の流路断面が角を持たない形状である。
【選択図】図13

Description

本発明は、カートリッジに関する。
従来、プリンターにインクを供給する技術として、インクを収容するインクカートリッジ(単に「カートリッジ」ともいう。)を利用する技術が知られている。特許文献1の図7に記載されたカートリッジは、インクが収容される主収容部と副収容部とを備えている。主収容部及び副収容部の一側面は、可撓性のフィルムによって封止されている。副収容部は、主収容部側が開口する第1副室と、プリンターにインクを供給するためのインク供給孔と連通する第2副室と、第1副室と第2副室との間を連通させる連通路とを備えている。第1副室には、カートリッジ内のインクを光学的に検知するためのプリズムが配置されている。
特開2011−206936号公報
特許文献1に記載のカートリッジにおいて、第1副室と第2副室との間を連通する連通路は、その一側面をフィルムによって区画することで形成することができる。しかし、連通路の一側面をフィルムによって区画すると、そのフィルムと連通路との接合部分に、流路に沿って角が生じてしまう。連通路に角が生じると、例えば、主収容部内及び第1副室のインクが消費され、第2副室にインクが残留している状況において、カートリッジをプリンターから取り外し、装着時の姿勢とは異なる姿勢、たとえば上下逆さに置いたり、90度回転させたような姿勢で置いたりしてしまうと、第2副室から第1副室や主収容部にインクが逆流してしまうことがある。これは、連通路内に角が存在すると、角の部分に毛管力が発生し、連通路内をインクが逆向きに伝うことがあるからである。
このように、第2副室から第1副室や主収容部にインクが逆流してしまうと、例えば、第1副室内のプリズムによって一旦、インクエンド(インク無し)またはインクニアエンド(インクが残り少ない)と判定されたカートリッジが、一転してインク有りと判定されてしまうという課題が生じ得る。また、第2副室から第1副室や主収容部にインクが逆流してしまうと、第2副室からインク供給孔にインクを即座に供給することができないという課題も生じ得る。これらの課題は、インクを収容するカートリッジに限らず、他の液体を収容するカートリッジにも共通して存在する。また、従来のカートリッジにおいては、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の第1の形態によれば、印刷装置に着脱自在に装着され、内部に収容された液体を液体供給口から前記印刷装置に供給するカートリッジが提供される。このカートリッジは、主液体室と;前記主液体室の下流側に設けられ、前記カートリッジ内の液体を検知するための検知室と;前記検知室と前記液体供給口との間の流路に設けられた液体緩衝部と;前記検知室と前記液体緩衝部との間を連通させる連通路と、を備え;前記連通路は、少なくとも一部の流路断面が角を持たない形状である。このような形態のカートリッジであれば、検知室と液体緩衝部とを連通させる連通路の少なくとも一部の流路断面が角を持たない形状であるため、連通路に毛管力が発生することを抑制することができる。そのため、主液体室内のインクが消費され、液体緩衝部にインクが残留している場合などに、液体緩衝部から検知室や主液体室に液体が逆流してしまうことを抑制することができる。この結果、例えば、検知室内の状態に基づいて、一旦、液体なしと判定されたカートリッジが一転して液体有りと判定されてしまう事態を抑制することができる。また、液体緩衝部から検知室や主液体室に液体が逆流してしまうことを抑制することができるので、液体緩衝部から液体供給部に液体を即座に供給することが可能になる。
(2)上記形態のカートリッジにおいて、前記連通路は、前記検知室に連通するように前記カートリッジの壁の内面側に空けられた第1の孔と;前記液体緩衝部に連通するように前記壁の内面側に空けられた第2の孔と;前記壁の外面側に形成され、前記第1の孔および前記第2の孔に繋がる空間と;前記空間を前記壁の外面側から覆う蓋部と、を有してもよい。この形態のカートリッジであれば、カートリッジの壁に第1の孔と第2の孔と空間とを形成し、蓋部で空間を覆うだけで連通路を形成することができるので、カートリッジの製造効率を向上させることができる。また、広い空間に対して第1の孔と第2の孔とが接続されているため、液体のメニスカスが発生可能な場所が多くなる。よって、液体緩衝部から検知室や主液体室に液体が逆流することを一層、抑制することができる。
(3)上記形態のカートリッジにおいて、前記連通路の流路断面の最大径は、前記連通路に加わる最大水頭圧に対して前記液体のメニスカスが耐え得るように設定されていてもよい。この形態のカートリッジであれば、液体緩衝部から検知室や主液体室に液体が逆流することを一層、抑制することができる。
(4)上記形態のカートリッジにおいて、前記角を持たない形状とは、円形としてもよい。この形態のカートリッジであれば、容易に連通路を形成することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、液体室と、検知室と、緩衝部と、連通路と、のうちの一つ以上の要素を備えた物として実現可能である。すなわち、この物は、液体室を有していても良く、有していなくても良い。また、この物は、検知室を有していても良く、有していなくても良い。また、この物は、緩衝部を有していても良く、有していなくても良い。また、この物は、連通路を有していても良く、有していなくても良い。液体室は、主液体室として構成されてもよい。検知室は、主液体室の下流側に設けられ、カートリッジ内の液体を検知するための室として構成されてもよい。緩衝部は、検知室と液体供給口との間の流路に設けられた液体緩衝部として構成されてもよい。連通路は、検知室と液体緩衝部との間を連通させる連通路として構成されてもよい。また、連通路は、少なくとも一部の流路断面が角を持たない形状であってもよい。こうした物は、例えばカートリッジとして実現できるが、カートリッジ以外の他の物としても実現可能である。このような形態によれば、その物の小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述したカートリッジの技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの物に適用することが可能である。
本発明は、カートリッジ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、カートリッジの製造方法やカートリッジが装着される印刷装置、カートリッジと印刷装置とを備える液体噴射システム等の形態で実現することができる。
液体噴射システムの構成を示す斜視図である。 カートリッジが装着されたホルダーを示す斜視図である。 カートリッジの第1の外観斜視図である。 カートリッジの第2の外観斜視図である。 カートリッジの左側面図である。 カートリッジの右側面図である。 カートリッジの正面図である。 カートリッジの背面図である。 カートリッジの平面図である。 カートリッジの底面図である。 カートリッジの分解斜視図である。 本体部材の左側面図である。 図12に示した本体部材の部分拡大図である。 カートリッジの動作を説明するための第1の図である。 カートリッジの動作を説明するための第2の図である。 カートリッジの動作を説明するための第3の図である。 カートリッジを90°回転させた様子を示す図である。 連通路の変形例を示す図である。 カートリッジの変形例を示す斜視図である。 図19に示したカートリッジの底面図である。
図1は、液体噴射システム10の構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。図1のXYZ軸は他の図のXYZ軸にも対応している。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸を付している。液体噴射システム10は、カートリッジ20と、印刷装置としてのプリンター50とを備える。液体噴射システム10では、プリンター50のホルダー60に、利用者によってカートリッジ20が着脱可能に装着される。
カートリッジ20は、内部にインクを収容する。カートリッジ20に収容されたインクは、後述する液体供給部及び液体供給管を介してヘッド54に供給される。本実施形態では、プリンター50のホルダー60には、複数のカートリッジ20が着脱可能に装着される。本実施形態では、6色(ブラック、イエロ、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアンおよびライトシアン)のインクに対応して6種類のカートリッジ20が1つずつ、すなわち合計6つのカートリッジ20がホルダー60に装着される。なお、ホルダー60に装着されるカートリッジ20の数は、6つに限定されるものではない。
プリンター50は、個人向けの小型インクジェットプリンターである。プリンター50は、ホルダー60の他、制御部51と、ホルダー60を有するキャリッジ52と、を備える。キャリッジ52はヘッド54を備える。プリンター50は、ホルダー60に装着されたカートリッジ20から後述する液体供給管を介してヘッド54にインクを流通させる。ヘッド54は、圧電素子等の吐出機構を備え、紙やラベルなどの印刷媒体90に対してインクを吐出(供給)する。これにより、印刷媒体90に文字、図形および画像などのデータが印刷される。
制御部51は、プリンター50の各部を制御する。プリンター50のキャリッジ52は、ヘッド54を印刷媒体90に対して相対的に移動可能に構成されている。制御部51とキャリッジ52との間はフレキシブルケーブル53を介して電気的に接続されており、ヘッド54の吐出機構は、制御部51からの制御信号に基づいて動作する。
本実施形態では、キャリッジ52には、ヘッド54と共にホルダー60が構成されている。このように、ヘッド54を移動させるキャリッジ52上のホルダー60にカートリッジ20が装着されるプリンター50のタイプは、「オンキャリッジタイプ」とも呼ばれる。他の実施形態では、キャリッジ52とは異なる部位に、不動のホルダー60を構成し、ホルダー60に装着されたカートリッジ20からインクをチューブを介してヘッド54に供給しても良い。このようなプリンターのタイプは、「オフキャリッジタイプ」とも呼ばれる。
本実施形態では、プリンター50は、キャリッジ52と印刷媒体90とを相対的に移動させて印刷媒体90に対する印刷を実現するための主走査送り機構および副走査送り機構を備える。プリンター50の主走査送り機構は、キャリッジモーター55および駆動ベルト58を備える。駆動ベルト58を介してキャリッジモーター55の動力をキャリッジ52に伝達することによって、キャリッジ52を主走査方向に往復移動させる。プリンター50の副走査送り機構は、搬送モーター56およびプラテン59を備える。搬送モーター56の動力がプラテン59に伝達されることによって、主走査方向に直交する副走査方向に印刷媒体90を搬送する。
プリンター50の印刷領域外の位置には、カートリッジ20内のインクの残量を光学的に検出するためのセンサー57が設けられている。センサー57には、発光部および受光部が設けられている。制御部51は、キャリッジ52の移動に伴ってカートリッジ20がセンサー57の上方を通過する際にセンサー57の発光部を用いて光を発し、その光をセンサー57の受光部が受けるか否かによってカートリッジ20内のインク残量状態を検出する。
本実施形態では、液体噴射システム10の使用状態(「使用姿勢」ともいう。)において、印刷媒体90を搬送する副走査方向(前後方向)に沿った軸をX軸とし、キャリッジ52を往復移動させる主走査方向(左右方向)に沿った軸をY軸とし、重力方向(上下方向)に沿った軸をZ軸とする。なお、液体噴射システム10の使用状態とは、水平な面に設置された液体噴射システム10の状態であり、本実施形態では、水平な面はX軸およびY軸に平行な面(XY平面)である。
本実施形態では、副走査方向(前方向)を+X軸正方向、その逆方向(後方向)を−X軸方向とし、重力方向の下方から上方に向かう方向(上方向)を+Z軸方向、その逆方向(下方向)を−Z軸方向とする。本実施形態では、液体噴射システム10の右側面から左側面に向かう方向を+Y軸方向(左方向)、その逆方向を−Y軸方向(右方向)とする。本実施形態では、ホルダー60に装着された複数のカートリッジ20の配列方向はY軸に沿った方向(左右方向,「単に「Y軸方向」とも呼ぶ。)である。なお、X軸に沿った方向(前後方向)を「X軸方向」とも呼び、Z軸に沿った方向(上下方向)を「Z軸方向」とも呼ぶ。
図2は、カートリッジ20が装着されたホルダー60を示す斜視図である。ホルダー60は、5つの壁部601,603,604,605,606を有する。壁部601の周縁部から+Z軸方向に4つの壁部603,604,605,606が延びることで、凹部が形成される。この凹部が、カートリッジ20を収容するカートリッジ収容室602(「カートリッジ装着部602」とも呼ぶ)となる。また、カートリッジ収容室602は、仕切り壁607によって、各カートリッジ20を受け入れ可能な複数のスロット(装着空間)に分割されている。このような仕切り壁607は、スロットにカートリッジ20を挿入する際のガイドとして機能するが、省略することも可能である。また、センサー57を利用して光学的にインク残量状態を検出するために、壁部601には光が通過可能なように貫通孔636が形成されている。
ホルダー60はスロット毎に、液体供給管640と、レバー64と、接点機構62と、を備える。各スロットの一側面(+Z軸方向側面;上面)は開口しており、この開口した一側面(上面)を介して、カートリッジ20がホルダー60に着脱される。
液体供給管640は、カートリッジ20のインクをヘッド54に流通させるための流路を形成する。液体供給管640は、カートリッジ20がプリンター50に装着された状態(装着状態)において、カートリッジ20の液体供給部に接続される。液体供給管640の周囲には、弾性部材648が設けられている。弾性部材648は、装着状態においてカートリッジ20の液体供給部の周囲を密閉する。これにより、カートリッジ20の液体供給部から周囲にインクが漏れ出すことを防止する。
レバー80は、カートリッジ20の着脱の際に利用される。また、レバー80は、カートリッジ20がホルダー60に装着された状態(装着状態)において、カートリッジ20を係止する。
接点機構62は、装着状態においてカートリッジ20の後述する回路基板と電気的に接続される。また、接点機構62は、制御部51と電気的に接続されている。これにより、カートリッジ20とプリンター50との間で各種情報(カートリッジ20のインク色やインク残量状態)の伝達が行なわれる。
図3は、カートリッジ20の第1の外観斜視図である。図4は、カートリッジ20の第2の外観斜視図である。図5は、カートリッジ20の左側面図である。図6は、カートリッジ20の右側面図である。図7は、カートリッジ20の正面図である。図8は、カートリッジ20の背面図である。図9は、カートリッジ20の平面図である。図10は、カートリッジ20の底面図である。本実施形態のカートリッジ20は、インクの消費に伴って間欠的に外部の空気を液体収容部200に導入する、いわゆる半密閉タイプのカートリッジ20である。なお、カートリッジ20の内部構成については後述する。
図3に示すように、カートリッジ20は、内部にインクを収容するための液体収容部200と、液体収容部200のインクを外部のプリンター50に流通させるための液体供給部280と、を備える。
図3〜図10に示すように、カートリッジ20は略直方体形状の外観を有する。カートリッジ20は、6つの壁201〜206を備える。6つの壁201〜206は、カートリッジ20の外殻を構成する。6つの壁は、第1壁(底壁)201と、第2壁(上壁)202と、第3壁(前壁)203と、第4壁(背壁)204と、第5壁(左側壁)205と、第6壁(右側壁)206とからなる。各壁201〜206の外面は、概ね平面である。概ね平面とは、面全域が完全に平坦である場合と、面の一部に凹凸を有する場合を含む。つまり、面の一部に多少の凹凸があっても、カートリッジ20の外殻を構成する面や壁が把握できるような場合を含む。第1壁〜第6壁201〜206の平面視における外形は、いずれも略長方形である。
第1壁201と第2壁202は互いに対向する。第3壁203と第4壁204とは互いに対向する。第5壁205と第6壁206とは互いに対向する。ここで、第1壁201と第2壁202とが対向する方向がZ軸方向(第1の方向に沿った方向)である。第3壁203と第4壁204とが対向する方向がX軸方向である。第5壁205と第6壁206とが対向する方向がY軸方向である。本実施形態において、カートリッジ20の装着状態では、第1壁201がカートリッジ20の底を構成する。ここで、図10に示すように、第1壁201のうち第2壁202側の端部(辺)を第1端部201tとも呼ぶ。また、第1壁201のうち第3壁203側の端部(辺)を第2端部201sとも呼ぶ。また、カートリッジ20の装着状態では、−Z軸方向(第1の方向)が鉛直下方向となる。
第3壁203は、第1壁201および第2壁202と交わる。第4壁204は、第1壁201および第2壁202と交わる。第5壁205は、第1壁〜第4壁204と交わる。第6壁206は、第1壁〜第4壁204と交わる。ここで、2つの壁または面が「交わる」とは、2つの壁または面が相互に交差し実際に交わる状態と、一方の壁または面を延長させた部分が他方の壁または面に交わる状態と、相互の延長させた部分が交わる状態と、のいずれかの状態であることを意味する。
図3や図4に示すように、液体供給部280は、第1壁201から突出して設けられている。詳細には、液体供給部280は、第1壁201から−Z軸方向(第1の方向)に沿って延びる。液体供給部280は、プリンター50に接続される。図4に示すように、液体供給部280は、一端部37bが液体連通口277を有することで液体収容部200と連通し、他端部37aが開口を形成する。ここで、一端部37bに対して他端部37aは−Z軸方向側(第1の方向側)に位置する。また、液体供給部280は、第1の方向に沿った方向(Z軸方向)にインクを流通させる流路を有する。上記の、液体供給部280を別の視点で以下に述べる。すなわち、液体供給部280は、カートリッジ20を構成する部材(第1壁)から外方に突出する。また、液体供給部280の一端である他端部37aに開口288を有する。液体供給部280の突出方向は、−Z軸方向である。開口288を通ってプリンター50の液体供給管640が液体供給部280内に挿入される。図3に示すように、第5壁205にはカートリッジ20の内部に空気を導入するための大気導入口290が形成されている。
図4及び図10に示すように、液体供給部280内には、プリンター50の液体供給管640に向かってインクが流通する液体流出部31と、液体供給部280内と外部とを連通させるための開口としての連通口32が形成されている。すなわち、連通口32は、液体供給部280の外部と内部とを繋ぐための開口である。液体流出部31はインクを保持可能に構成されている。装着状態では、液体供給管640(図2)が液体供給口としての開口288から液体供給部280内に挿入されて、液体供給部280から液体供給管640へのインクの流通が可能となる。ここで、カートリッジ20がプリンター50の使用に供される前の未使用状態では、液体収容部200内から液体流出部31までの流路はインクで満たされている。また、カートリッジ20は、液体供給部280内と外部とを連通させる外部連通路を有する。この外部連通路の一端は連通口32であり、他端は第5壁205に形成された大気導入口290(図3)である。なお、この外部連通路の詳細は後述する。液体流出部31は、装着状態において、ヘッド54にインクを流通させる液体供給管640と接触する。
図4及び図10に示すように、第1壁201には、プリズムユニット270が第1壁201の一部を形成するように配置されている。プリズムユニット270は、検知部275を構成する2つの反射面271を備えている。図6に示すように、2つの反射面271は、液体収容部200内に位置する。図6では、1つの反射面271のみを点線で示している。図10に示すように、検知部275は、第1面201のうち第2端部201sよりも第1端部201tに近い側に配置されている。一方で、液体供給部280は、第1壁201のうち第1端部201tよりも第2端部201sに近い側に配置されている。詳細には、検知部275と液体供給部280とをできるだけ遠ざけるために、検知部275は第1端部201tに近接し、液体供給部280は第2端部201sに近接している。
図4に示すように、第3壁203には、突起状の第1のカートリッジ側規制部210が形成されている。第1のカートリッジ側規制部210は、装着状態においてレバー64に係止される。図3に示すように、第4壁204には、突起状の第2のカートリッジ側規制部220が形成されている。装着状態において、第2のカートリッジ側規制部220は、壁部604(図2)に形成された貫通孔(図示せず)に挿入され係止される。
図4に示すように、第1壁201と第3壁203とを繋ぐ接続壁208には、回路基板15が設けられている。回路基板15の表面には、装着状態において、接点機構62と接触する複数の端子が形成されている。また、回路基板15の裏面にはカートリッジ20の各種情報(インク残量状態、インク色等)を記憶する記憶装置が設けられている。接続壁208は、第3壁および第4壁に対して傾斜し第5壁及び第6壁に対して垂直な傾斜壁と、第1壁201、第5壁205および第6壁206に垂直な垂直壁と、を有している。回路基板15は、このうち傾斜壁に設けられている。
図11は、カートリッジ20の分解斜視図である。図12は、本体部材22の左側面図である。なお、図12には、検知部275の2つの反射面のうち1つの反射面271を点線で図示している。また、図12には、液体収容部200のインクが液体供給部280を通って外部へ流通する様子を矢印で示している。図11に示すようにカートリッジ20は、本体部材22と、蓋部材24とを備える。本体部材22と蓋部材24とは、カートリッジ20の外殻を形成する。また、カートリッジ20は、弁機構40と、付勢部材としてのコイルばね294と、受圧板293と、シート部材(フィルム部材)291と、を備える。
本体部材22と蓋部材24とは、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。また、シート部材291は、合成樹脂(例えば、ナイロンとポロプロピレンを含む材料)により形成され、可撓性を有する。すなわち、シート部材291は、外力により変形可能に構成される。
シート部材291には、通気口292が形成されている。これにより、カートリッジ20は、大気導入口290、通気口292、貫通孔47(後述)を通って空気を液体収容部200に取り込むことができる。
本体部材22は、液体収容部200と液体供給部280とを形成するための部材である。本体部材22は、凹状形状であり一側面が開口している。本体部材22の一側面の開口を覆うようにシート部材291が本体部材22に貼り付けられる。詳細には、図12に示すように、本体部材22の開口を形成する端面22tや、液体収容部200内のリブの端面22pにシート部材291が気密に貼り付けられる。これにより、インクを収容するための液体収容部200が形成される。すなわち、液体収容部200は、内部空間を区画する壁部の一部が変形可能なシート部材291で形成されている。これにより、液体収容部200は容積を変化できる。なお、図12では、理解の容易のために、シート部材291が貼り付けられる部分をクロスハッチングで示し、液体収容部200が形成される部分をシングルハッチングで示している。
また、図11に示すように、本体部材22の+Y軸方向側の端面のうち、シート部材291が貼り付けられる領域よりも外側の領域には熱溶着等により蓋部材24が取り付けられる。そして、図12に示すように、本体部材22のうち、液体収容部200が形成される領域よりも外側には、液体供給部280内と外部とを連通させる外部連通路の一部である連通室242が形成されている。
シート部材291と蓋部材24との間には空間が形成される。この空間は、液体供給部280内と外部とを連通させる外部連通路の一部を形成する。
受圧板293は、ポリプロピレン等の合成樹脂やステンレスなどの金属により形成されている。受圧板293は、シート部材291に接触して配置されている。コイルばね294は、液体収容部200内に配置される。詳細には、受圧板293と、本体部材22の面のうち受圧板293と対向する面(対向面)に当接する。コイルばね294は、液体収容部200の容積を拡大する方向に受圧板293を付勢する。コイルばね294は、Y軸方向に沿って伸縮(移動)する。
弁機構40は、液体収容部200のインクの消費に伴って間欠的に液体収容部200に空気を導入するための機構である。図11に示すように、弁機構40は、バネ部材42と、レバーバルブ44と、カバーバルブ46とを備える。カバーバルブ46は、本体部材22のうち、第2壁202と第4壁204とが交わるコーナー部分209(図12)に収容され、本体部材22に取り付けられる。カバーバルブ46は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により形成される。カバーバルブ46は凹状形状であり、開口を形成する端面41にはシート部材291が気密に貼り付けられている。カバーバルブ46の凹部は、通気口292と連通している。また、カバーバルブ46の凹部の底部にはカバーバルブ46の裏側まで貫通した貫通孔47が形成されている。
レバーバルブ44は、バネ部材42によってカバーバルブ46に押し付けられ、貫通孔47を塞いでいる。レバーバルブ44は、受圧板293が変位することで当接する部分を有する。レバーバルブ44は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成しても良い。また、レバーバルブ44は、エラストマー等の弾性部材とポリプロピレン等の合成樹脂を用いて2色成型により形成しても良い。
液体供給部280は、液体収容部200と連通している。図11に示すように、液体供給部280は、内部に供給用部材30を備える。供給用部材30は、フォーム(多孔質部材)34とシート部材(フィルター部材)36とを備える。液体供給部280の一端部37bから他端部37aに向かう順に、フォーム34とシート部材36が配置されている。フォーム34やシート部材36は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により形成されている。シート部材36は、装着状態では液体供給管640(図2)に接触し、インクをプリンター50側へ流通させる。すなわち、シート部材36は、液体流出部31を形成する。
図13は、図12に示した本体部材22の部分拡大図である。図13(A)には、図12の一部の部位を拡大した図を示している。図13(B)には、図13(A)に示した部位に対応する第1壁201の部位を示している。図13(A)に示すように、カートリッジ20内の液体収容部200は、主液体室231と副液体室232とを備えている。
液体供給口280側をインクの流れの下流側とした場合、副液体室232は、主液体室231の下流側に設けられ、主液体室231と液体供給口280との間の流路を構成する。本実施形態では、副液体室231は、カートリッジ20がプリンター50に装着された状態(装着状態)において、主液体室231よりも下側(−Z軸方向側)に位置している。主液体室231と副液体室232とは、−X軸方向の端部から+X軸方向側に延びる仕切りリブ25によって概ね区画されている。主収容室231と副収容室232とは、ともに、+Y軸方向側の面がシート部材291によって封止されている。
図11及び図12に示したように、主液体室231は、カートリッジ20の内壁と、リブ25とシート部材291とによって囲まれた空間である。ただし、図13に示したように、主液体室231と副液体室232との間の連通部26の部分は開いており、連通部26を介して主液体室231から副液体室232に液体が流通する。図11及び図12から理解できるように、主液体室231には、コイルばね294と、受圧板293と、レバーバルブ44の一部が設けられる。主液体室231は、シート部材291の可撓性を利用して、内部の液体の消費に伴って容積が変化するように構成されている。一方、副収容室232は、シート部材291が撓みにくい状態で封止されており、インクの消費に伴う容積変化がほとんど生じないように構成されている。
図12に示したように、副液体室232は、流路上流側(主液体室231側)に設けられた検知室233と、流路下流側(液体供給口280側)に設けられた液体緩衝部234とを有している。また、図13に示したように、副液体室232は、検知室233と液体緩衝部234とを接続する連通路235を有している。
検出室233は、主液体室231の下流側に設けられている。検知室233と主液体室231との間には、連通部26が設けられている。検出室233の連通部26以外の部分は、リブ25、リブ27、カートリッジ20の内壁、及びシート部材291によって構成される壁で囲まれている。検知室233内には、検知部275(図4参照)を構成する2つの反射面271が配置されている。
図12に示すように、液体緩衝部234は、検出室233の下流側、すなわち、検出室233と液体供給部280との間の流路に設けられている。液体緩衝部234は、液体供給部280に連通している。液体緩衝部234は、リブ25、リブ27、カートリッジ20の内壁、及びシート部材291によって構成される壁で囲まれている。液体緩衝部234と検知室233は、接続リブ27によって隔てられている。接続リブ27は、仕切りリブ25と第1壁201とをZ軸方向に沿って繋ぐリブである。
連通路235は、検知室233と液体緩衝部234との間を連通させる流路である。連通路235は、第1の孔236と第2の孔237と空間238とを含む。第1の孔236は、第1壁201の内面側に設けられている。第1の孔236は、検知室233から第1壁201の外面側に向けてZ軸方向に沿って空けられた孔である。第1の孔236の上流端は、検知室233と連通している。第1の孔236の下流端は、空間238と連通している。第1の孔236は、検知室233において、プリズムユニット270の反射面271よりも−X軸方向側(液体緩衝部234側)に位置し、接続リブ27の近傍に設けられている。第2の孔237は、第1壁201の内面側に設けられている。第2の孔237は、液体緩衝部234から第1壁201に向けてZ軸方向に沿って空けられた孔である。第2の孔237の上流端は、空間238と連通している。第2の孔237の下流端は、液体緩衝部234と連通している。第2の孔237は、液体緩衝部234において、液体供給部280よりも+X軸方向側(検知室233側)に位置し、接続リブ27の近傍に設けられている。空間238は、第1壁201の外面、すなわち−Z軸方向側の面、に形成された直方体状の窪みを、フィルム状の蓋部239で覆って封止することで形成されている。第1の孔236および第2の孔237は、この空間238に+Z軸方向側から繋がっている。
カートリッジ20がプリンター50に装着された状態(装着状態)では、主液体室231に収容されたインクは、副液体室232の検知室233を経由して、連通路235に流入する。連通路235に流入したインクは、第1の孔236、空間238、第2の孔237を、この順に通って、液体緩衝部234に流入する。液体緩衝部234に流入したインクは、液体供給部280から、プリンター50に供給される。主液体室231及び検知室233内にインクが残っているときには、検出室233内に設けられた2つの反射面271の周囲がインクで満たされている。この場合に、プリンター50のセンサー57の発光部から光が照射されると、ほとんどの光は2つの反射面271のうち、一方の反射面271を透過して、受光部には到達しない。一方、主液体室231および検知室233内のインクが消費されてしまうと、反射面271の周囲にはほとんどインクが存在しなくなる。そのため、プリンター50のセンサー57の発光部から光が照射されると、ほとんどの光が2つの反射面271のうち、一方の反射面271によって反射され、さらに、もう一方の反射面271によって反射されることで、照射された光の大部分がセンサー57の受光部に到達する。こうして、受光部に一定レベル以上の光が到達した場合に、プリンター50の制御部51は、インクエンド(インク無し)またはインクニアエンド(インクが残り少ない)と判断する。なお、本実施形態のプリンター50は、主液体室231および検知室233内のインクが消費されているが、液体緩衝部234内にはインクが残っている状態を、検知部275を用いて検出することで、インクニアエンドの判断を行う。インクニアエンドと判定した後、プリンター50側でインクの消費量を計算して、一定量のインクが消費されたと判断した場合に、プリンター50は、インクエンドと判断する。
図13(B)に示すように、本実施形態では、第1の孔236の流路断面と第2の孔237の流路断面は、いずれも角を持たない円形である。第1の孔236の直径および第2の孔237の直径は、いずれも、空間238のY軸方向およびX軸方向に沿った長さよりも小さい。第1の孔236および第2の孔237の流路断面は、インクのメニスカスが発生する程度に狭い。また、空間238の流路断面は、インクのメニスカスが発生しない程度に広い。なお、他の実施形態では、第1の孔236の流路断面と第2の孔237の流路断面のいずれか一方が、角を持たない円形であっても良い。また、角を持たない形状であれば、第1の孔236の流路断面と第2の孔237の流路断面は、円に限らず、楕円や曲線のみによって形成された形状であっても良い。
第1の孔236の最大直径は、第1の孔236に液体緩衝部234側から加わるインクの最大水頭圧に対して、第1の孔236に形成されるインクのメニスカスが耐え得る直径に設定されている。また、第2の孔237の最大直径は、第2の孔に液体緩衝部234側から加わるインクの最大水頭圧に対して、第2の孔237に形成されるインクのメニスカスが耐え得る直径に設定されている。最大水頭圧は、本実施形態の場合は、図17に示したように、カートリッジ20の第3壁203を鉛直下方に向け、第4壁204を鉛直上方に向けたときに、第1の孔236や第2の孔237に加わる圧力である。本実施形態の場合は、第4壁204を鉛直上方に向けたときに、水頭差HD(液体緩衝室204内のインク柱の高さ)が最大になるため、第1の孔236や第2の孔237に加わる圧力も最大になる。メニスカスが耐え得る圧力のことを、バブルポイント圧力ともいう。第1の孔236および第2の孔237の最大直径D[m]は、インクの表面張力をγ[N/m]、第1の孔236または第2の孔237とインクとの接触角をθ[rad]、バブルポイント圧力(インクの最大水頭圧)をP[Pa]とすると、周知のように、以下の式(1)で求めることが可能である。また、このような式にかかわらず、第1の孔236および第2の孔237の最大直径D[m]は、水頭差HDと直径との関係を実測して決定することも可能である。
D=(4γcosθ)/P ・・・(1)
図14は、カートリッジ20の動作を説明するための第1の図である。図15は、カートリッジ20の動作を説明するための第2の図である。図16は、カートリッジ20の動作を説明するための第3の図である。なお、図14〜図16は、カートリッジ20の内部の状態を理解しやすいように説明するための模式図である。
カートリッジ20の動作説明の前に、液体供給部280内と外部とを連通させる外部連通路310について説明する。外部連通路310は、一端部が連通口32であり、他端部が大気導入口290である。外部連通路310は、連通口32から大気導入口290に向かう流体の流れ方向において、途中に一端側流路33、連通室242、空気室222と、を順に備える。一端側流路33は、液体供給部280内に形成された流路である。空気室222は、蓋部材24とシート部材291との間の空間である。このように、カートリッジ20は、外部連通路310を備えることで液体供給部280内(詳細には、液体供給部280のうち開口288を含む空気が存在する部分)の圧力が外部の圧力と極端に異なることを抑制できる。
次に、カートリッジ20の動作について説明する。図14に示すように、レバーバルブ44は、貫通孔47を塞ぐための弁部43と、弁部43の開閉を行うためのレバー部49とを備える。カートリッジ20の未使用状態(新品の状態)では、液体収容部200(主液体室231および副液体室232)はインクで満たされている。この状態では、レバーバルブ44の弁部43がバネ部材42に付勢されて貫通孔47を塞いでいる。また、コイルばね294は、液体収容部200の容積を拡大する方向(+Y軸方向)に受圧板293を付勢する。これにより、液体収容部200内の圧力は大気圧よりも低い圧力(負圧)に維持される。
図15に示すように、主液体室231のインクが消費され、受圧板293が第6壁206側に近づくと、受圧板293がレバー部49を第6壁206側に押す。これにより、弁部43が貫通孔47から離れ、外部の空気と液体収容部200とが一時的に連通する。すなわち、レバーバルブ44が開弁状態となる。そして、外部の空気が大気導入口290、空気室222、通気口292、貫通孔47を通って液体収容部200に流入する。これにより、図16に示すように空気が導入された分だけ主液体室231の容積が大きくなる。同時に、液体収容部200内の負圧は少し小さくなる(大気圧に近づく)。そして、図16に示すように、液体収容部200にある程度の空気が導入されると、受圧板293がレバー部49から離れる。これにより、弁部43が再び貫通孔47を塞ぐ。すなわち、レバーバルブ44が閉弁状態となる。このように、液体収容部200のインクの消費に伴って、液体収容部200内の負圧が大きくなると一次的にレバーバルブ44が開弁状態になることで液体収容部200内の圧力を適切な圧力範囲に維持することが可能となる。
以上で説明した本実施形態のカートリッジ20は、液体収容部200内に主液体室231と副液体室232とが形成されている。副液体室232は、検知室233と液体緩衝部234とを備えており、検知室233と液体緩衝部234との間は、連通路235によって連通されている。本実施形態では、この連通路235の一部(第1の孔236や第2の孔237)の流路断面が、角を持たない形状であるため、連通路235内に毛管力が発生することを抑制することができる。この結果、例えば、主液体室231及び検知室234内のインクが消費された状態において、カートリッジ20を印刷装置10から取り外し、装着時の姿勢とは異なる姿勢、たとえば上下逆さに置いたり、図17に示すように、第4壁204を上側にして置いたりしたような場合であっても、インクが連通路235を伝って液体緩衝部234から検知室233や主液体室231に逆流してしまうことを抑制することができる。このように、本実施形態では、液体緩衝部234から検知室233や主液体室231へのインクの逆流を抑制することができるので、例えば、検知室233内のプリズムによって一旦、インクエンドあるいはニアエンドと判定されたカートリッジ20が、一転してインク有りと判定されてしまう不具合を防止することができる。また、液体緩衝部234から液体供給部280にインクを即座に供給することができないという不具合を防止することができる。
また、本実施形態では、検知室233と液体緩衝部234とを連通させる連通路235が、第1壁201に空けられた第1の孔236および第2の孔237と、第1壁201の外面側に形成され、第1の孔236および第2の孔237に繋がる空間238と、空間238の外面側を覆う蓋部239と、によって形成されている。このように、本実施形態では、カートリッジ20の第1壁201に形成された空間238を通じて、第1の孔236および第2の孔237を空け、空間238に蓋部239を貼り付けるだけで、検知室233と液体緩衝部234とを連通させることができる。そのため、効率的に連通路235を形成することができる。この結果、カートリッジ20の製造効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、インクのメニスカスが発生する程度に狭い(流路断面が小さい)第1の孔236および第2の孔237が、インクのメニスカスが発生しない程度に広い(流路断面が大きい)空間238と接続されているため、インクのメニスカスが発生可能な場所が多くなる。具体的には、第1の孔236の2つの開口部と第2の孔237の2つの開口部とをあわせて、メニスカスが発生可能な場所が4箇所となる。よって、液体緩衝部234から検知室233や主液体室231に液体が逆流することを一層、抑制できる。
また、本実施形態では、連通路235の最大径が、連通路235に加わる最大水頭圧に対してインクのメニスカスが耐え得るように設定されている。そのため、カートリッジ20を上下逆さにした場合に限らず、カートリッジ20をどのような姿勢にしたとしても、液体緩衝部234から主液体室231にインクが逆流することを、一層、抑制することができる。
上述した実施形態は、以下のように様々な変形が可能である。
・変形例1:
図18(A)及び図18(B)は、副液体室232の検知室233と液体緩衝部234とを連通させる連通路の変形例を示す図である。上記実施形態では、検知室233と液体緩衝部234とを連通させる連通路235を、図13に示したように、第1の孔236と第2の孔237と空間238と蓋部239とで形成している。また、第1の孔236と第2の孔237が、インクのメニスカスが発生する程度に狭いのに対し、空間238はインクのメニスカスが発生しない程度に広く構成されている。これに対して、図18(A)の変形例の連通路235aは、先の実施形態と同様、第1の孔236aと第2の孔237aと空間238と蓋部239とで形成されているが、流路断面の大きさは連通路235a全体を通してほぼ等しくなっている。本変形例では、第1の孔236aと第2の孔237aの流路断面が、角を持たない円形である。また、図18(B)の変形例の連通路235bは、検知室233と液体緩衝部234とを隔てる接続リブ27に設けられた貫通孔によって形成されている。図18(B)の変形例では、連通路235bのすべての流路断面が、角を持たない円形である。以上のような連通路235aおよび連通路235bの態様であっても、上記実施形態と同様に、液体緩衝部234から主液体室231にインクが逆流することを抑制することができる。
なお、連通路は、上記実施形態や変形例に記載した形態に限らず、種々の形態を採ることが可能である。例えば、上記実施形態に記載した第1の孔236と第2の孔237とを、チューブで接続するようにしてもよい。この場合、空間238や蓋部239は省略してもよい。また、第1の孔236や第2の孔237を、第1壁201ではなく、第6壁206に形成してもよい。
・変形例2:
図19は、カートリッジの変形例を示す斜視図である。図20は、図19に示したカートリッジの底面図である。図19,20に示したカートリッジ20aについて、上記実施形態におけるカートリッジ20の各部に対応する部分には、カートリッジ20と同じ符号を付している。図19,20に示したカートリッジ20aは、Y軸方向の幅が、上記実施形態のカートリッジ20の約2倍に形成されている。このカートリッジ20aの第1面201には、液体供給部280が幅方向(Y軸方向)に沿って2つ設けられている。また、カートリッジ20aの第4面204には、第2のカートリッジ側規制部220がY軸方向に沿って2つ設けられている。このカートリッジ20aは、ホルダー60内の2つのスロットに跨って装着される。カートリッジ20a内の主液体室の容積は、上記実施形態のカートリッジ20よりも大きい。カートリッジ20a内の副液体室の構造は、上記実施形態と同様である。そのため、連通路235の少なくとも一部の流路(第1の孔236や第2の孔237)の流路断面が、角を持たない形状に形成されている。なお、副液体室のうち、液体緩衝部は、液体供給部280毎に分割されていてもよいし、1つの液体緩衝部に対して2つの液体供給部280が連通していても良い。以上の点を除き、図19,20に示したカートリッジ20aは、変形例も含め、上記実施形態におけるカートリッジ20(図3)と同様である。よって、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。なお、液体供給部280は、幅方向(Y軸方向)に沿って3つ以上設けられていてもよい。
・変形例3:
上記実施形態および変形例では、検知部275を2つの反射面271によって構成し、光学的な方法でインクエンドまたはインクニアエンドを検知している。これに対して、機械的、電気的、磁気的、熱的、音響的または化学的な方法でインクエンドまたはインクニアエンドを検知するようにしても良い。すなわち、検知部275は、光学的な構造物には限られないし、センサー57も、光学的なセンサーには限られない。
・変形例4:
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置及びその液体収容容器にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体収容容器に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレー等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーや、面発光ディスプレー(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…液体噴射システム
15…回路基板
20,20a…カートリッジ
22…本体部材
22p…端面
22t…端面
24…蓋部材
25…リブ
26…連通部
27…接続リブ
30…供給用部材
31…液体流出部
32…連通口
33…一端側流路
34…フォーム
36…シート部材
37a…他端部
37b…一端部
40…弁機構
41…端面
42…バネ部材
43…弁部
44…レバーバルブ
46…カバーバルブ
47…貫通孔
49…レバー部
50…プリンター
51…制御部
52…キャリッジ
53…フレキシブルケーブル
54…ヘッド
55…キャリッジモーター
56…搬送モーター
57…センサー
58…駆動ベルト
59…プラテン
60…ホルダー
62…接点機構
64…レバー
80…レバー
90…印刷媒体
200…液体収容部
201…第1壁
202…第2壁
203…第3壁
204…第4壁
205…第5壁
206…第6壁
208…接続面
210…第1のカートリッジ側規制部
220…第2のカートリッジ側規制部
222…空気室
231…主液体室
232…副液体室
233…検知室
234…液体緩衝部
235,235a,235b…連通路
236,236a…第1の孔
237,237a…第2の孔
238,238a…空間
239…蓋部
242…連通室
270…プリズムユニット
271…反射面
275…検知部
277…液体連通口
280…液体供給部
280i…液体送出口
282…液体流路
284…発泡体樹脂
288…開口
290…大気導入口
291…シート部材
292…通気口
293…受圧板
294…コイルばね
310…外部連通路
601,603,604…壁部
602…カートリッジ収容室(カートリッジ装着部)
607…仕切り壁
636…貫通孔
640…液体供給管
648…弾性部材

Claims (4)

  1. 印刷装置に着脱自在に装着され、内部に収容された液体を液体供給口から前記印刷装置に供給するカートリッジであって、
    主液体室と、
    前記主液体室の下流側に設けられ、前記カートリッジ内の液体を検知するための検知室と、
    前記検知室と前記液体供給口との間の流路に設けられた液体緩衝部と、
    前記検知室と前記液体緩衝部との間を連通させる連通路と、を備え、
    前記連通路は、少なくとも一部の流路断面が角を持たない形状である、
    カートリッジ。
  2. 請求項1に記載のカートリッジであって、
    前記連通路は、
    前記検知室に連通するように前記カートリッジの壁の内面側に空けられた第1の孔と、
    前記液体緩衝部に連通するように前記壁の内面側に空けられた第2の孔と、
    前記壁の外面側に形成され、前記第1の孔および前記第2の孔に繋がる空間と、
    前記空間を前記壁の外面側から覆う蓋部と、を有する、カートリッジ。
  3. 請求項1または2に記載のカートリッジであって、
    前記連通路の流路断面の最大径は、前記連通路に加わる最大水頭圧に対して前記液体のメニスカスが耐え得るように設定されている、カートリッジ。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載のカートリッジであって、
    前記角を持たない形状とは、円形である、カートリッジ。
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