JP2017094659A - 液体供給ユニット - Google Patents

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瞬 大屋
Shun Oya
瞬 大屋
石澤 卓
Taku Ishizawa
卓 石澤
小林 淳
Atsushi Kobayashi
淳 小林
巧 長島
Takumi Nagashima
巧 長島
鳥羽 浩一
Koichi Toba
浩一 鳥羽
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Abstract

【課題】インクに浮遊体を浮遊させることなく、インクの波打ちを抑制可能な液体供給ユニットを提供する。
【解決手段】液体供給ユニット20は、第1壁部と、第1壁部に対向する第2壁部と、第1壁部および第2壁部と交差する第3壁部と、第1壁部、第2壁部および第3壁部と交差し、第3壁部と対向する第4壁部と、第1壁部、第2壁部、第3壁部および第4壁部と交差する第5壁部205と、第1壁部、第2壁部、第3壁部および第4壁部と交差し、第5壁部と対向する第6壁部と、第5壁部と第6壁部との間に位置する可撓性部材291と、第5壁部と可撓性部材との間に位置する板状部材293と、第5壁部と板状部材との間に位置し、第5壁部から第6壁部に向けて板状部材を付勢する付勢部材294と、第5壁部と板状部材との間に位置する波立ち抑制部70と、を備える。
【選択図】図15

Description

本発明は、液体供給ユニットに関する。
印刷装置にインクを供給するためのカートリッジが広く利用されている。カートリッジ内のインクに気泡が混入すると、印刷装置のヘッドからインクが吐出されずに、印刷媒体にドット抜けが生じる場合がある。そこで、特許文献1や特許文献2に記載された技術では、カートリッジ内のインクに浮遊体を浮遊させることによってインクの波立ちを抑制し、気泡が発生することを抑制している。つまり、これらの技術では、インクの液面の動きを抑えることにより、インクの波立ちを抑制している。
特開平11−240170号公報 特開2002−137411号公報
しかし、例えば、インクが収容される液体室の容積が水平方向に変化するカートリッジや、液体室が密閉された状態のカートリッジでは、インクの液面に浮遊体を浮遊させることは困難である。そのため、インクに浮遊体を浮遊させることなく、インクの波打ちを抑制可能な技術が望まれている。このような課題は、印刷装置やカートリッジに限らず、液体を噴射する液体噴射装置や、液体噴射装置に装着される液体供給ユニットにも共通した課題である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体供給ユニットが提供される。この液体供給ユニットは、第1壁部と;前記第1壁部に対向する第2壁部と;前記第1壁部および前記第2壁部と交差する第3壁部と;前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部と交差し、前記第3壁部と対向する第4壁部と;前記第1壁部、前記第2壁部、前記第3壁部および前記第4壁部と交差する第5壁部と;前記第1壁部、前記第2壁部、前記第3壁部および前記第4壁部と交差し、前記第5壁部と対向する第6壁部と;前記第5壁部と前記第6壁部との間に位置する可撓性部材と;前記第5壁部と前記可撓性部材との間に位置する板状部材と;前記第5壁部と前記板状部材との間に位置し、前記第5壁部から前記第6壁部に向けて前記板状部材を付勢する付勢部材と;を備え、前記第5壁部と前記可撓性部材との間に液体が収容され、前記第5壁部と前記板状部材との間に位置する波立ち抑制部を備えることを特徴とする。このような形態の液体供給ユニットであれば、液体に浮遊体を浮遊させることなく、液体の波立ちを抑制することができる。
(2)上記形態の液体供給ユニットにおいて、前記波立ち抑制部は、発泡性樹脂または繊維部材から構成される部材でもよい。このような形態によれば、効果的に液体の波立ちを抑制することができる。
(3)上記形態の液体供給ユニットにおいて、前記波立ち抑制部は、前記第5壁部から前記板状部材に向かって突出する複数のリブを有してもよい。このような形態によっても液体の波立ちを抑制することができる。
(4)上記形態の液体供給ユニットは、さらに、大気弁を有し、前記大気弁は、前記第5壁部と前記可撓性部材との間の空間と、前記第6壁部と前記可撓性部材との間の空間とを連通する連通孔が設けられた弁座と、前記弁座に当接して前記連通孔を閉じる弁部と、前記板状部材と当接することで前記弁部を前記弁座から離間させて前記連通孔を開くレバー部と、を備え、前記波立ち抑制部は、前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向において、前記レバー部と重なる重複領域を有し、前記重複領域の前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向における厚みは、前記波立ち抑制部の前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向における厚みの平均よりも小さくてもよい。このような形態によれば、波立ち抑制部によってレバー部の動作が妨げられることを抑制することができる。
(5)上記形態の液体供給ユニットにおいて、前記付勢部材は、前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向に平面視したとき、前記第5壁部に近い部分の円周の径と、前記第6壁部に近い部分の円周の径とが一様である円筒状のバネであり、前記波立ち抑制部は、前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向において、前記付勢部材と重ならない領域に位置してもよい。このような形態によれば、バネが伸縮した際に、バネが波立ち抑制部に干渉することが抑制される。そのため、波立ち抑制部の面積を広くできるので、効果的に波立ちを抑制することができる。
(6)上記形態の液体供給ユニットにおいて、前記第1壁部に液体供給部が設けられ、前記液体供給部は、前記第1壁部に形成された開口と、前記開口を覆うフィルターと、を含み、前記第2壁部から前記第1壁部に向かう方向に平面視したとき、前記波立ち抑制部は前記開口を覆わないよう配置されてもよい。このような形態によれば、液体供給部における液体の流れが波立ち抑制部によって阻害されることを抑制することができる。
本発明は、上述した液体供給ユニットとしての形態以外にも、種々の形態で実現することが可能である。例えば、液体噴射装置や液体供給システム、カートリッジ、印刷装置等の形態で実現することができる。
液体供給システムの概略構成を示す斜視図である。 ホルダーの第1の斜視図である。 ホルダーの第2の斜視図である。 ホルダーを+Z軸方向側から見た平面図である。 カートリッジの第1の外観斜視図である。 カートリッジの第2の外観斜視図である。 カートリッジの正面図である。 カートリッジの背面図である。 カートリッジの左側面図である。 カートリッジの右側面図である。 カートリッジの平面図である。 カートリッジの底面図である。 カートリッジをホルダーに装着する様子を示す図である。 液体供給部の構造を示す断面図である。 カートリッジの内部構造を説明するための模式図である。 カートリッジの内部構造を説明するための模式図である。 カートリッジの内部構造を説明するための模式図である。 液体収容部内に設けられた波立ち抑制部を示す図である。 カートリッジの分解斜視図である。 第1変形例としての液体供給システムを示す説明図である。
A.実施形態:
図1は、液体供給システム10の概略構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。図1のXYZ軸は他の図のXYZ軸にも対応している。液体供給システム10は、液体供給ユニットとしてのカートリッジ20と、液体噴射装置としてのプリンター50とを備える。液体供給システム10では、プリンター50のホルダー60に、利用者によってカートリッジ20が着脱可能に装着される。
液体供給システム10のカートリッジ20は、内部に印刷材(液体)としてのインクを収容する。カートリッジ20に収容されたインクは、後述する液体供給部及び液体導入部を介してヘッド540に供給される。本実施形態では、プリンター50のホルダー60には、複数のカートリッジ20が着脱可能に装着される。本実施形態では、6色(ブラック、イエロ、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアンおよびライトシアン)のインクに対応して6種類のカートリッジ20が1つずつ、すなわち合計6つのカートリッジ20がホルダー60に装着される。
他の実施形態では、ホルダー60に装着されるカートリッジの数は、6つ以下であってもよいし、6つ以上であってもよい。他の実施形態では、カートリッジ20のインクの種類は、6色以下であっても、6色以上であってもよい。他の実施形態では、1色のインクに対応して2つ以上のカートリッジ20がホルダー60に装着されてもよい。カートリッジ20およびホルダー60の詳細構成については後述する。
プリンター50は、個人向けの小型インクジェットプリンターである。プリンター50は、ホルダー60の他、制御部510と、ホルダー60を有するキャリッジユニット520と、を備える。キャリッジユニット520はヘッド540を備える。プリンター50は、ホルダー60に装着されたカートリッジ20から後述する液体導入部を介してヘッド540にインクを流通させ、紙やラベルなどの印刷媒体に対してヘッド540からインクを吐出(供給)する。これにより、ヘッド540を用いて文字、図形および画像などのデータを印刷媒体に印刷する。
プリンター50の制御部510は、プリンター50の各部を制御する。プリンター50のキャリッジユニット520は、ヘッド540を印刷媒体に対して相対的に移動可能に構成されている。プリンター50のヘッド540は、カートリッジ20に収容されたインクを印刷媒体に吐出するインク吐出機構を備える。制御部510とキャリッジユニット520との間はフレキシブルケーブル517を介して電気的に接続されており、ヘッド540のインク吐出機構は、制御部510からの制御信号に基づいて動作する。
本実施形態では、キャリッジユニット520には、ヘッド540と共にホルダー60が構成されている。このように、ヘッド540を移動させるキャリッジユニット520上のホルダー60にカートリッジ20が装着されるプリンター50のタイプは、「オンキャリッジタイプ」とも呼ばれる。他の実施形態では、キャリッジユニット520とは異なる部位に、不動のホルダー60を構成し、ホルダー60に装着されたカートリッジ20からのインクを、フレキシブルチューブを介してキャリッジユニット520のヘッド540に供給してもよい。このようなプリンターのタイプは、「オフキャリッジタイプ」とも呼ばれる。
本実施形態では、プリンター50は、キャリッジユニット520と印刷媒体とを相対的に移動させて印刷媒体に対する印刷を実現するための主走査送り機構および副走査送り機構を備える。プリンター50の主走査送り機構は、キャリッジモーターおよび駆動ベルトを備え、駆動ベルトを介してキャリッジモーターの動力をキャリッジユニット520に伝達することによって、キャリッジユニット520を主走査方向に往復移動させる。プリンター50の副走査送り機構は、搬送モーターおよびプラテンを備え、搬送モーターの動力をプラテンに伝達することによって、主走査方向に直交する副走査方向に印刷媒体を搬送する。主走査送り機構のキャリッジモーター、および副走査送り機構の搬送モーターは、制御部510からの制御信号に基づいて動作する。
本実施形態では、液体供給システム10の使用状態(「使用姿勢」ともいう。)において、印刷媒体を搬送する副走査方向(前後方向)に沿った軸をY軸とし、キャリッジユニット520を往復移動させる主走査方向(左右方向)に沿った軸をX軸とし、重力方向(上下方向)に沿った軸をZ軸とする。なお、液体供給システム10の使用状態とは、水平な面に設置された液体供給システム10の状態であり、本実施形態では、水平な面はX軸およびY軸に平行な面(XY平面)である。
本実施形態では、副走査方向(前方向)を+Y軸方向、その逆方向(後方向)を−Y軸方向とし、重力方向の下方から上方に向かう方向(上方向)を+Z軸方向、その逆方向(下方向)を−Z軸方向とする。本実施形態では、+Y軸方向側(前側)が液体供給システム10の正面となる。本実施形態では、液体供給システム10の左側面から右側面に向かう方向を+X軸方向(右方向)、その逆方向を−X軸方向(左方向)とする。本実施形態では、ホルダー60に装着された複数のカートリッジ20の配列方向はY軸に沿った方向(前後方向,「単に「Y軸方向」とも呼ぶ。)である。なお、X軸に沿った方向(左右方向)を「X軸方向」とも呼び、Z軸に沿った方向(上下方向)を「Z軸方向」とも呼ぶ。
図2は、ホルダー60の第1の斜視図である。図3は、ホルダー60の第2の斜視図である。図4は、ホルダー60を+Z軸方向側から見た平面図である。
図2〜図4に示すように、ホルダー60は、5つの壁部601,603,604,605,606を有する。これら5つの壁部によって形成された凹部が、カートリッジ収容室602(「カートリッジ装着部602」とも呼ぶ)となる。以下では、壁部601のことを、底壁部601とも呼ぶ。カートリッジ収容室602は、仕切り壁607によって、各カートリッジ20を受け入れ可能な複数のスロット(装着空間)に分割されている。仕切り壁607は、スロットにカートリッジ20を挿入する際のガイドとして機能する。各スロットに、液体導入部640(図3,図4)と、電極部61と、レバー80と、突起610と、装置側規制部620(図3)と、が設けられている。各スロットの一側面(+Z軸方向側面;上面)は開口しており、この開口した一側面(上面)を介して、カートリッジ20がホルダー60に対して着脱される。液体導入部640は、2つの仕切り壁607に挟まれるように設けられている。
突起610は、底壁部601から+Z軸方向に向けて突出した略直方体の部材である。突起610は、カートリッジ20に設けられた位置決め部に挿入される。突起610は、カートリッジ20の位置決め部への挿入を容易とするために、先端部分の+X軸方向側の面と−X軸方向側との面とが、先端ほど近づくように互いに傾斜している。
カートリッジ20は、レバー80と装置側規制部620とによって係止され、後述する液体供給部が液体導入部640に接続されることで、ホルダー60に装着される。このとき、カートリッジ20は、突起610によってカートリッジ収容室602内で位置決めされる。この状態を「カートリッジ20がホルダー60に装着された状態」、または「装着状態」とも呼ぶ。装着状態では、カートリッジ20の後述する回路基板に設けられた端子群と電極部61とが電気的に接続されることで、カートリッジ20とプリンター50との間で各種情報の伝達が行なわれる。
液体導入部640は、装着状態において、カートリッジ20の液体供給部に接続されることによって、カートリッジ20に収容されたインクをヘッド540へと流通させる。液体導入部640は、略筒状であり、+Z軸側に位置する先端部642と、−Z軸側に位置する基端部645とを有する。基端部645は、底壁部601に設けられる。先端部642は、カートリッジ20の液体供給部に接続される。先端部642には、装置側フィルター643が設けられている。カートリッジ20の液体供給部からは、装置側フィルター643を通じて、液体導入部640内にインクが流入する。装置側フィルター643は、例えば、金属メッシュや金属不織布、樹脂フィルターなどの多孔部材によって形成される。液体導入部640の中心軸CはZ軸と平行である。中心軸Cに沿って基端部645から先端部642に向かう方向が、+Z軸方向となる。
図3及び図4に示すように、液体導入部640の周囲には、シール部材648が設けられている。シール部材648は、例えば、弾性ゴムによって形成される。シール部材648は、装着状態においてカートリッジ20の液体供給部の周囲を密閉する。これにより、シール部材648は、液体供給部から周囲にインクが漏出することを防止する。装着状態において、シール部材648は、カートリッジ20に対して、+Z軸方向の成分を含む付勢力を加える。
図5は、カートリッジ20の第1の外観斜視図である。図6は、カートリッジ20の第2の外観斜視図である。図7は、カートリッジ20の正面図である。図8は、カートリッジ20の背面図である。図9は、カートリッジ20の左側面図である。図10は、カートリッジ20の右側面図である。図11は、カートリッジ20の平面図である。図12は、カートリッジ20の底面図である。本実施形態のカートリッジ20は、インクの消費に伴って間欠的に外部の空気を液体収容部200に導入する、いわゆる半密閉タイプのカートリッジである。
カートリッジ20は、内部にインクを収容するための液体収容部200(図5)と、液体収容部200のインクをプリンター50に供給する液体供給部280(図6)と、液体供給部280を囲み、かつホルダー60のシール部材648に当接する外周壁288(図6)と、ホルダー60の電極部61に接触する複数の接触部16(図6)と、ホルダー60の突起610と嵌合する位置決め部30(図6)と、を備える。
図5及び図6に示すように、カートリッジ20は略直方体形状の外殻22を有する。外殻22は、6つの壁部201〜206を有する。6つの壁部は、第1壁部201(底壁201)と、第2壁部202(上壁202)と、第3壁部203(一方の端壁203)と、第4壁部204(他方の端壁204)と、第5壁部205(一方の側壁205)と、第6壁部206(他方の側壁206)とからなる。更に、本実施形態では、外殻22は、第7壁部207(傾斜壁207)を有する。第1壁部201と、第2壁部202と、第3壁部203と、第4壁部204と、第5壁部205と、第6壁部206と、第7壁部207とが、液体供給部280に連通する液体収容部200を囲む。
以下の説明において、2つの壁部が「交わる」あるいは「交差する」とは、2つの壁部が相互に繋がって交わる状態と、一方の壁部を延長した場合に他方の壁部に交わる状態と、それぞれの壁部を延長した場合に交わる状態と、のいずれかの状態であることを意味する。また、2つの壁部が「対向する」とは、2つの壁部の間に他の物が存在しない場合と存在する場合との両方を含む意味である。
各壁部201〜207の外表面は、概ね平面である。概ね平面とは、面全域が完全に平坦である場合と、面の一部に凹凸を有する場合を含む。つまり、面の一部に多少の凹凸があっても、カートリッジ20の外殻22を構成する面や壁が把握できるような場合を含む。第1壁部201〜第7壁部207の平面視における外形は、いずれも長方形である。本実施形態では、第1壁部201〜第7壁部207は、複数の部材を組み立てた組立体の外表面であってもよい。本実施形態では、第1壁部201〜第7壁部207は、板状である。他の実施形態では、第1壁部201〜第7壁部207の一部は、フィルム状(薄膜状)の部材で形成されていてもよい。第1壁部201〜第7壁部207は、例えば、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂で形成されている。
図5及び図6に示すように、第1壁部201及び第2壁部202は、X軸及びY軸に平行な壁部である。第2壁部202は、第1壁部201に対向する。つまり、第1壁部201及び第2壁部202は、Z軸方向において互いに対向する。第1壁部201は−Z軸方向側に位置し、第2壁部202は+Z軸方向側に位置する。第1壁部201および第2壁部202は、第3壁部203、第4壁部204、第5壁部205および第6壁部206と交わる位置関係にある。本実施形態では、カートリッジ20がホルダー60に装着された装着状態で、第1壁部201はカートリッジ20の底面を構成し、第2壁部202はカートリッジ20の上面を構成する。第1壁部201には、液体供給部280と外周壁288と位置決め部30とが設けられている。
第3壁部203及び第4壁部204は、Y軸及びZ軸に平行な壁部である。第3壁部203及び第4壁部204は、X軸方向において互いに対向する。第3壁部203は−X軸方向側に位置し、第4壁部204は+X軸方向側に位置する。第3壁部203は、第1壁部201および第2壁部202と交差する。第4壁部204は、第1壁部201および第2壁部202と交差し第3壁部203と対向する。先に説明したとおり、本実施形態では、キャリッジユニット520はX軸方向に沿って往復移動する。すなわち、キャリッジユニット520の移動方向は、第3壁部203から第4壁部204に向かう方向、または、第4壁部204から第3壁部203に向かう方向である。
第5壁部205及び第6壁部206は、X軸及びZ軸に平行な壁部である。第5壁部205及び第6壁部206は、Y軸方向において互いに対向する。第5壁部205は、第1壁部201、第2壁部202、第3壁部203および第4壁部204と交差する。第6壁部206は、第1壁部201、第2壁部202、第3壁部203および第4壁部204と交差し、第5壁部205と対向する。図5に示すように、第6壁部206にはカートリッジ20の内部に空気を導入するための通気口290が形成されている。本実施形態では、図12に示すように、第3壁部203と第4壁部204との間の距離LXは、第5壁部205と第6壁部206との間の距離LYよりも大きい。
図6に示すように、第1壁部201には、第7壁部207側の端部に、+Z軸方向に向かって窪んだ位置決め部30が備えられている。つまり、位置決め部30は、第1壁部201に配置された液体供給部280と、第7壁部207に配置された基板15との間に配置されている。位置決め部30は、第1壁部201に設けられた凹部である。装着状態において、位置決め部30には、ホルダー60に設けられた突起610が挿入される。これにより、カートリッジ20は、ホルダー60内において位置決めされる。
図6及び図10に示すように、第4壁部204には、第1のカートリッジ側規制部210(一方のリブ210)が形成されている。第1のカートリッジ規制部210は、第4壁部204から突出するように設けられた突起である。第1のカートリッジ側規制部210は、装着状態においてレバー80によって係止される。図5及び図9に示すように、第3壁部203には、第2のカートリッジ側規制部221(他方のリブ221)が形成されている。第2のカートリッジ規制部221は、第3壁部203から突出するように設けられた突起である。装着状態において、第2のカートリッジ側規制部221は、ホルダー60の壁部604(図3)に形成された穴である装置側規制部620に挿入されて係止される。すなわち、装着状態においては、ホルダー60のレバー80と装置側規制部620とによって、カートリッジ20がX軸方向両側において係止されることで、カートリッジ20がホルダー60に対して固定される。
図6に示すように、第7壁部207は、第1壁部201と第4壁部204とを繋ぐ壁部である。第7壁部207は、第5壁部205および第6壁部206と交差し、第1壁部201と第4壁部204との間に位置する。第7壁部207には、基板15が設けられている。基板15は、装着状態において、ホルダー60に設けられた電極部61と接触する複数の接触部16を有する。接触部16とは、より具体的には、基板15の表面に設けられた電極用端子の中の、電極部61と接触する領域である。本実施形態では、複数の接触部16は、−Z軸方向から見た場合に、X軸方向に所定の間隔をあけて第1の列R1と第2の列R2とを形成している。基板15の裏面にはカートリッジ20の各種情報を記憶する記憶装置18(図19)が設けられている。記憶装置18には、例えば、インクの残量状態やインクの色を表す情報が記憶されている。ホルダー60に設けられた電極部61が接触部16に接触すると、プリンター50に備えられた制御部510は、フレキシブルケーブル517を通じて、カートリッジ20に備えられた記憶装置18から各種情報を読み込むことができる。
ホルダー60に設けられた電極部61は、弾性力を有しており、装着状態において、接触部16は電極部61からの反発力を、+Z方向及び−X方向に受けている。位置決め部30、第1のカートリッジ規制部210、および第2のカートリッジ規制部221によって、カートリッジ20の+Z方向や−X方向への移動が規制される一方、接触部16が電極部61からの反発力を+Z方向や−X方向へ受けることによって、接触部16と電極部61とが、接触状態を保持しやすくなっている。
図13は、カートリッジ20をホルダー60に装着する様子を示す図である。カートリッジ20がホルダー60に装着される際には、まず、図13(A)に示すように、装置側規制部620に第2のカートリッジ側規制部221が挿入される。そして、装置側規制部620と第2のカートリッジ側規制部221とが接触する付近を中心としてカートリッジ20が回転させられながら、ホルダー60内に差し込まれる。すると、図13(B)に示すように、カートリッジ20の第4壁部204が少し浮いた状態で、カートリッジ20が停止する。次に、この状態から、カートリッジ20が、ホルダー60の電極部61からの反発力に抗して押し込まれると、突起610が位置決め部30に挿入されるとともに、液体供給部280と液体導入部640とが接触する。最終的に、図13(C)に示すように、第1のカートリッジ側規制部210がレバー80に係止されて、カートリッジ20がホルダー60に固定される。カートリッジ20がホルダー60から取り外される際には、逆に、まず、レバー80の第1のカートリッジ側規制部210への係止が解除される。すると、ホルダー60の電極部61からの反発力によって、カートリッジ20が図13(B)の状態までポップアップされる。その後、カートリッジ20が、装置側規制部620と第2のカートリッジ側規制部221とが接触する付近を中心として回転させられながら持ち上げられ、さらに、カートリッジ20がホルダー60から引き抜かれることで、カートリッジ20がホルダー60から取り外される。
図14は、液体供給部280の構造を示す断面図である。図14では、液体供給部280以外のカートリッジ20の内部構造については省略している。液体供給部280は、開口277と、開口277を第1壁部201の外面側から覆うカートリッジ側フィルター36と、液体供給口281とを含む。本実施形態では、液体供給部280は、更に、フォーム34と板バネ35とを含む。
液体供給部280は、開口277を介して液体収容部200と連通している。開口277は、第1壁部201をZ軸方向に沿って貫通する孔である。開口277の−Z軸方向側には、カートリッジ側フィルター36が配置されている。カートリッジ側フィルター36は、開口277の周囲の第1壁部201に溶着されている。カートリッジ側フィルター36は、例えば、織布や不織布、発泡性樹脂(フォーム)によって形成される。開口277と、カートリッジ側フィルター36との間には、開口277側に金属製の板バネ35が配置され、カートリッジ側フィルター36側にフォーム34が配置されている。
板バネ35は、カートリッジ20をホルダー60に装着する際に、カートリッジ側フィルター36を、フォーム34を介して間接的に装置側フィルター643に押し付けながら接触させる。板バネ35は、開口277からフォーム34へのインクの流通を妨げない形状に形成されている。
フォーム34は、板バネ271と容器側フィルター273との間に配置される多孔部材である。フォーム34は、開口277を通じて液体収容部200内から供給されたインクを、カートリッジ側フィルター36に拡散させて供給する。フォーム34は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により形成されている。
液体供給口281は、液体収容部200内のインクがカートリッジ20の外部に流れ出るときに通過する領域である。具体的には、カートリッジ側フィルター36のうち、フィルター全体の領域ではなく、ホルダー60の液体導入部640に設けられた装置側フィルター643に接触してインクが流れ出る領域ARのことを、本実施形態では、液体供給口281という。
図6および図14に示すように、第1壁部201には、液体供給部280を取り囲む外周壁288が設けられている。外周壁288は−Z軸方向に向けて第1壁部201から突出している。外周壁288の−Z軸方向の端部289は、装着状態において、ホルダー60の底壁部601に設けられたシール部材648に当接する。こうして外周壁288とシール部材648とが当接することによって、外周壁288内の空間が実質的に閉ざされた空間となる。以下では、この空間のことを「閉空間」とも呼ぶ。
第1壁部201の、外周壁288と液体供給部280との間には、連通口32が形成されている。連通口32は、外周壁288内の閉空間と外部とを連通させるための開口である。装着状態において、連通口32が、外周壁288内の閉空間と外部(外気)を連通させることにより、閉空間と外部との圧力差が略一定に維持される。そのため、閉空間内の圧力変動に伴って液体供給部280からインクが漏れることが抑制される。
図15〜図17は、カートリッジ20の内部構造を説明するための模式図である。図15に示すように、カートリッジ20の外殻22は、本体部材21と蓋部材23とを有する。本体部材21は、第1壁部201、第2壁部202、第3壁部203、第4壁部204、第5壁部205および第7壁部207を構成する。蓋部材23は、第6壁部206を構成する。本体部材21の開口を塞ぐように蓋部材23が取り付けられることで、カートリッジ20に内部空間が形成される。本体部材21には、連通口32が設けられている。また、蓋部材23には、通気口290が設けられている。連通口32および通気口290は、いずれも大気に連通する。第5壁部205と第6壁部206(蓋部材23)との間には、可撓性部材としてのシート部材291が位置している。
カートリッジ20は、液体収容部200を備える。液体収容部200は、本体部材21と、シート部材291とによって区画されている。つまり、本体部材21の第5壁部205とシート部材291との間にインクが収容される。液体収容部200は、開口277によって液体供給部280に連通している。また、カートリッジ20は、空気室241を備える。空気室241は、蓋部材23とシート部材291との間に形成された空間である。空気室241は、蓋部材23に設けられた通気口290を通じて外部の大気に連通している。また、空気室241には、連通口32が連通している。
液体収容部200内には、板状部材としての受圧板293が配置されている。受圧板293の一方の面はシート部材291の液体収容部200側の面に接触する。受圧板293と第5壁部205と間には、波立ち抑制部70が設けられている。波立ち抑制部70は、開口277を完全に覆わないように配置されている。波立ち抑制部70の詳細については後述する。液体収容部200内には、受圧板293の他方の面(−Y軸方向側の面)と第5壁部205との間に、付勢部材としてのコイルばね294が配置されている。コイルばね294は、第5壁部205から第6壁部206に向けて受圧板293を付勢する。つまり、コイルばね294は、液体収容部200の容積を拡大する方向に受圧板293介してシート部材291を付勢する。このコイルばね294の付勢力によって、液体収容部200内の圧力は大気圧よりも低い圧力(負圧)に維持される。
本実施形態では、コイルばね294は、第5壁部205から第6壁部206に向かう方向に平面視したとき、第5壁部205に近い部分の円周の径と、第6壁部206に近い部分の円周の径とが一様である円筒状のバネである。ただし、コイルばね294の形状はこのような形状に限られず、第5壁部205に近い部分の円周の径と、第6壁部206に近い部分の円周の径とが、異なる径であってもよい。
液体収容部200内には、通気口290、空気室241および空気導入口47を介して所定のタイミングで大気が導入される。空気導入口47は、第5壁部205とシート部材291との間の空間(液体収容部200)と、第6壁部206とシート部材291との間の空間(空気室241)とを連通する連通孔である。カートリッジ20は、この空気導入口47の開閉を行うための大気弁40を備えている。大気弁40は、弁座46と、弁部材44と、コイルばね42と、を備える。弁部材44は、弁部43とレバー部49とを備える。弁部43が弁座46に当接したり、弁座46から離間したりすることによって、空気導入口47が開閉される。弁部43は、コイルばね42によって弁座46に押し付けられ、弁座46に形成された貫通孔である空気導入口47を塞ぐ。レバー部49は、受圧板293と当接することで弁部43を動かす。レバー部49が弁部43を動かすことによって、弁部43が弁座46から離れて、空気導入口47が開かれる。
以下、カートリッジ20の動作について説明する。カートリッジ20の初期状態(未使用状態)では、液体収容部200にはインクが充填されている。このとき、受圧板293は、図15に示すように、最も蓋部材23に近い位置にある。
図16に示すように、液体収容部200のインクが消費され、受圧板293が第5壁部205側に近づくと、受圧板293がレバー部49を第5壁部205側に押す。これにより、弁部43が空気導入口47から離れる。すなわち、大気弁40が開弁状態となる。そして、外部の空気が通気口290、空気室241および空気導入口47を通じて液体収容部200に流入する。これにより、図17に示すように空気が導入された分だけ液体収容部200の容積が大きくなる。同時に、液体収容部200内の負圧は小さくなり、大気圧に近づく。そして、液体収容部200にある程度の空気が導入されると、受圧板293がレバー部49から離れる。これにより、弁部43が再び空気導入口47を塞ぐ。すなわち、大気弁40が閉弁状態となる。このように、液体収容部200のインクの消費に伴って、液体収容部200内の負圧が大きくなると、一次的に大気弁40が開弁状態になることで液体収容部200内の圧力を適切な圧力範囲に維持することが可能となる。そのため、例えば、液体収容部200内の負圧が大きくなりすぎ、インクが液体供給部280から供給されなくなることを抑制することができる。
図18は、液体収容部200内に設けられた波立ち抑制部70を示す図である。本実施形態では、第5壁部205と受圧板293との間に波立ち抑制部70が位置している。より具体的には、第5壁部205の内面(+Y軸方向側の面)に沿って、所定の厚みを有する略平面状の波立ち抑制部70が設けられている。波立ち抑制部70は、カートリッジ20が移動したり揺すられたりした際に、液体収容部200内のインクに波立ちが生じることを抑制するための部材である。波立ち抑制部70は、第5壁部205から第6壁部206に向かう方向において、第5壁部205の内面に設けられたリブ24や、コイルばね294と重ならない領域に位置している。波立ち抑制部70は、例えば、発泡性樹脂または繊維部材から構成される部材である。このような素材によって構成されていれば、インクが波立ち抑制部70に衝突した際に、波立ち抑制部70に含まれる空隙によって効果的にインクに波立ちが生じることを抑制することができる。波立ち抑制部70は、波立ちを抑制可能でありインクを内部に保持し難いものであれば、種々の材料によって形成可能である。例えば、波立ち抑制部70は、バブルポイント圧の小さいウレタンフォームによって形成可能である。また、波立ち抑制部70は、ポリプロピレンやポリエチレンを含む繊維で構成された不織布や織布でもよい。また、波立ち抑制部70は、SUS等の金属によって構成された織布やメッシュによって構成されてもよい。
波立ち抑制部70は、複数の溶着部71において、第5壁部205に溶着されて固定されている。波立ち抑制部70は、第5壁部205から第6壁部206に向かう方向(+Y軸方向)において、少なくとも一部がレバー部49と重なる重複領域72を有する。重複領域72の第5壁部205から第6壁部206に向かう方向における厚みは、重複領域72以外の領域の厚みよりも薄い。また、重複領域72の第5壁部205から第6壁部206に向かう方向における厚みは、波立ち抑制部70の第5壁部205から第6壁部206に向かう方向における厚みの平均よりも薄い。本実施形態では、波立ち抑制部70の重複領域72にあたる部分を−Y軸方向に潰すことにより、重複領域72の厚みを薄くしている。第2壁部202から第1壁部201に向かう方向(−Z軸方向)に平面視したとき、波立ち抑制部70は、開口277を完全に覆ってしまわないように配置されている。
第5壁部205の内表面(+Y軸方向側の面)には、第5壁部205から受圧板293に向かって突出する複数のリブ24が設けられている。各リブ24は、略直方体状である。Y軸方向に沿った各リブ24の長さは、波立ち抑制部70の厚みよりも長い。これらのリブ24は、受圧板293の−Y軸方向への移動を規制する度当て部として機能する。各リブ24は、レバー部49およびコイルばね294の配置および動作を妨げない位置に配置されている。
カートリッジ20が移動させられたり揺すられたりした場合、液体収容部200内のインクは、リブ24によって、その流れが阻害される。つまり、本実施形態では、上述した波立ち抑制部70と同様に、リブ24が、インクの波立ちを抑制する機能を有する。つまり、波立ち抑制部70は、複数のリブ24を有しているともいえる。
複数のリブ24は、度当て部として機能するリブと、波立ち抑制部として機能するリブとの2種類のリブを含んでもよい。例えば、波立ち抑制部として機能するリブと、度当て部として機能するリブとは、Y軸方向に沿った長さが異なってもよい。また、リブ24の数や形状、配置は特に限定されない。例えば、波立ちが抑制可能な数および形状を実験あるいはシミュレーションに求めることにより、リブ24の数や形状、配置を設定することができる。
本実施形態では、各リブ24は、本体部材21と一体的に形成されている。つまり、各リブ24は、本体部材21を構成する第5壁部205の内面の凹凸として形成されている。もちろん各リブ24は、本体部材21とは異なる部材によって形成されてもよい。例えば、複数のリブを形成した板状の部材を、第5壁部205の内面に隣接するように配置してもよい。
図19は、カートリッジ20の分解斜視図である。カートリッジ20は、本体部材21と、板状の蓋部材23と、可撓性を有するシート部材291と、を備える。本体部材21は、略直方体形状である。本体部材21は、+Y軸方向側に開口222を有する凹形状である。本体部材21の凹形状の底部(第5壁部205の内面)には、図18に示したように波立ち抑制部70が備えられるが、図19では、波立ち抑制部70の図示を省略している。
シート部材291は、本体部材21に接着または溶着されて、本体部材21と共に液体収容部200を区画形成する。すなわち、液体収容部200の外周壁の一部は、シート部材291によって形成される。シート部材291には、空気室241と空気導入口47とを連通させる貫通孔292が形成されている。
蓋部材23は、シート部材291を覆うように本体部材21に取り付けられる。本体部材21と蓋部材23は、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。シート部材291は、ナイロンとポロプロピレンを含む材料等の合成樹脂により形成されている。
受圧板293は、ポリプロピレン等の合成樹脂や、ステンレス等の金属により形成される。受圧板293は、シート部材291に接触して配置されている。コイルばね294は、液体収容部200内に配置される。コイルばね294は、受圧板293と、本体部材21の面のうち受圧板293と対向する面とに当接する。受圧板293は、液体収容部200内のインクの消費に伴って液体収容部200内を移動する。受圧板293の移動方向は、Y軸方向に沿った方向である。
大気弁40は、コイルばね42と、弁部材44と、弁座46とを備える。弁座46は、本体部材21のうち、第2壁部202と第4壁部204とが交わるコーナー部分240に収容され、本体部材21に取り付けられる。弁座46は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により形成される。弁座46は凹部を有し、凹部の開口を形成する端面41にはシート部材291が気密に貼り付けられている。弁座46の凹部は、シート部材291の貫通孔292と連通している。また、弁座46の凹部の底部には弁座46の裏側まで貫通した空気導入口47が形成されている。
弁部材44は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成される。その他、弁部材44は、エラストマー等の弾性部材とポリプロピレン等の合成樹脂を用いて2色成型により形成してもよい。
本体部材21の第2壁部202の外表面には、シール25が貼付される場合がある。シール25には、例えば、カートリッジ20の製造者や型番が表示される。なお、シール25が貼付される位置は任意である。例えば、第2壁部202、第3壁部203、第4壁部204、第5壁部205、第6壁部206のうちの任意の一の壁部に貼付されてもよいし、2以上の壁部に跨がって貼付されてもよい。また、複数の壁部に複数のシールが貼付されてもよい。
以上で説明した本実施形態のカートリッジ20では、液体収容部200の容積が水平方向に変化する構造であり、また、所定のタイミングまではインクが密閉された状態であるため、インクの液面に波立ちを抑制するための浮遊体を浮遊させることは困難である。しかし、本実施形態では、第5壁部205と受圧板293との間に、第5壁部205に沿って波立ち抑制部70を配置するため、インクの液面に波立ちを抑制するための浮遊体を浮遊させることなく、インクの波立ちを効果的に抑制することができる。従って、インクに対する気泡の混入を抑制することができ、印刷媒体にドット抜けが生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、波立ち抑制部70が、第5壁部205から受圧板293に向かって突出する複数のリブ24を有しているため、より効果的に、インクの波立ちを抑制することができる。
また、本実施形態では、波立ち抑制部70の、レバー部49と重複する領域については、厚みが薄くなっているので、波立ち抑制部70によって、レバー部49の動作が妨げられることを抑制することができる。そのため、外部の大気を適切なタイミングで液体収容部200内に導入することができる。
また、本実施形態では、コイルばね294が円筒形状であるため、コイルばね294が伸縮した際に、波立ち抑制部70に干渉すること抑制される。そのため、波立ち抑制部70の面積をより広く確保することができる。従って、より効果的にインクの波立ちを抑制できる。
また、本実施形態では、波立ち抑制部70が液体供給部280の開口277を覆わないように配置されているので、液体供給部280におけるインクの流れが波立ち抑制部70によって阻害されることを抑制することができる。
B.変形例:
<第1変形例>
図20は、第1変形例としての液体供給システム10Bを示す説明図である。液体供給システム10Bは、液体噴射装置としてのプリンター50Bと、液体供給ユニットとしてのヘッドタンク90Bと、カートリッジ20Bと、を備える。本変形例では、プリンター50Bに備えられた不動のホルダー60Bに、カートリッジ20Bが着脱可能に装着される。また、プリンター50Bのキャリッジユニット520Bに、ヘッドタンク90Bが装着されている。カートリッジ20Bとヘッドタンク90Bとは、チューブ71Bによって接続され、カートリッジ20Bからヘッドタンク90Bにチューブ71Bを介してインクが供給される。つまり、本変形例のプリンター50Bは、キャリッジユニット520Bにカートリッジ20Bが搭載されないオフキャリッジタイプのプリンターである。ヘッドタンク90Bが搭載されたキャリッジユニット520Bは、上記実施形態と同様に、主走査方向に往復移動する。なお、カートリッジ20Bは着脱可能でなくてもよく、例えば、ホルダー60Bあるいはプリンター50Bに固定された状態でインクが補充可能であってもよい。また、カートリッジ20Bは、プリンター50Bの外部に配置されてもよい。
カートリッジ20Bは、内部に印刷材(液体)としてのインクを収容する。カートリッジ20Bに収容されたインクは、チューブ71Bおよびヘッドタンク90Bを介して、キャリッジユニット520Bに備えられたヘッド540Bに供給される。カートリッジ20Bの数および色は任意である。キャリッジユニット520Bには、カートリッジ20Bに対応する数のヘッドタンク90Bが備えられている。ヘッドタンク90Bのことを、「サブタンク」と呼ぶこともできる。
ヘッドタンク90Bは、外殻22Bと、可撓性のシート部材291Bとを有している。外殻22Bとシート部材291Bとによってインクが収容される液体収容部200Bが区画されている。液体収容部200Bは、ヘッド540Bに連通している。液体収容部200B内には、カートリッジ20Bからチューブ71Bを介してインクが供給される。また、液体収容部200B内には、コイルばね294Bが配置されている。コイルばね294Bは、液体収容部200Bの容積を拡大するようにシート部材291Bを付勢する。これにより、液体収容部200B内が大気圧よりも低い圧力(負圧)に維持される。
本変形例においても、外殻22とシート部材291Bとの間には、波立ち抑制部70Bが配置されている。そのため、ヘッドタンク90Bが移動させられたり揺すられたりした場合に、液体収容部200B内のインクに波立ちが生じることを抑制できる。
この変形例で示したように、本発明は、カートリッジに限らず、カートリッジとヘッドとの間に接続され、ヘッドにインクを供給する液体供給ユニットにも共通して適用可能である。なお、上述した第1変形例においても、上記実施形態と同様に、液体収容部200B内に、波立ち抑制機能を有するリブを設けてもよい。
<第2変形例>
上記実施形態では、波立ち抑制部70は、第5壁部205の受圧板293に対向する面に設けられている。これに対して、波立ち抑制部70は、受圧板293の第5壁部205に対向する面に設けられてもよい。
<第3変形例>
上記実施形態では、コイルばね294が受圧板293を介してシート部材291を付勢している。これに対して、例えば、受圧板293を省略し、コイルばね294が直接的にシート部材291を付勢する構成でもよい。この場合、シート部材291に波立ち抑制部70が設けられてもよい。
<第4変形例>
上記実施形態では、波立ち抑制部70と複数のリブ24とがそれぞれカートリッジ20に備えられている。これに対して、波立ち抑制部70と複数のリブ24とのいずれか一方を省略してもよい。つまり、波立ち抑制部70のみによって波立ちを抑制してもよいし、リブ24のみによって波立ちを抑制してもよい。リブ24のみによってもインクの波立ちを抑制することが可能である。
<第5変形例>
上記実施形態では、波立ち抑制部70の、第5壁部205から第6壁部206に向かう方向においてレバー部49と重複する領域は、厚みが薄く形成されている。これに対して、第5壁部205から第6壁部206に向かう方向において、レバー部49が存在する領域には、波立ち抑制部70が配置されていなくてもよい。
<第6変形例>
上記実施形態では、波立ち抑制部70は、第5壁部205から第6壁部206に向かう方向において、コイルばね294と重ならない領域に位置している。これに対して、波立ち抑制部70に重なるようにコイルばね294が設けられていてもよい。
<第7変形例>
上記実施形態では、第2壁部202から第1壁部201に向かう方向に平面視したとき、波立ち抑制部70は液体供給部280の開口277を完全に覆わないように配置されている。これに対して、波立ち抑制部70は、開口277を完全に覆うように配置されてもよい。波立ち抑制部70は、内部をインクが流通可能な部材であるため、波立ち抑制部70によって開口277が覆われたとしても、インクを開口277から液体供給口281に流通させることができる。
<第8変形例>
上記実施形態において、第1壁部201〜第7壁部207の各壁部は、カートリッジ20を構成できるものであれば、外方に面する部分の形状や、内方に面する部分の形状は、平坦である必要はなく、凹凸を含む構造であってもよい。例えば、第1のカートリッジ側規制部210は、第4壁部204の凹凸の一部として、第4壁部204に設けられ、あるいは、含まれていてもよい。第2のカートリッジ側規制部221は、第3壁部203の凹凸の一部として、第3壁部203に設けられ、あるいは、含まれていてもよい。また、液体供給部280を取り囲む外周壁288は、第1壁部201の凹凸の一部として、第1壁部201に設けられ、あるいは、含まれていてもよい。
<第9変形例>
上記実施形態では、図14に示すように、液体供給部280は、フォーム34と板バネ35とを備えている。これに対して、液体供給部280の構造は、液体収容部200からプリンター50の液体導入部640にインクを供給可能であれば、どのような構造でも構わない。例えば、フォーム34と板バネ35のいずれか一方を省略してもよい。また、カートリッジ側フィルター36とフォーム34と板バネ35とのすべて、あるいは一部がフォームに置き換えられてもよい。
<第10変形例>
上記実施形態では、カートリッジ20は、キャリッジユニット520の移動方向に垂直な方向に複数並べられてホルダー60に装着される。これに対して、カートリッジ20は、キャリッジユニット520の移動方向に沿って複数並べられてホルダー60に装着されてもよい。
<第11変形例>
上記実施形態では、カートリッジ20は、7つの壁部により構成されている。これに対して、内部にインクを収容する空間が形成されるのであれば、カートリッジ20を構成する壁部の数は7つに限られない。例えば、6つ以下の壁部により構成されてもよいし、8つ以上の壁部により構成されてもよい。また、例えば、球状あるいは曲面状の1つ以上の壁部によって構成されてもよい。その他、曲面状の壁部と板状の壁部とを組み合わせて構成されてもよい。
<第12変形例>
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置及びそれらの液体噴射装置に用いられるカートリッジ(液体供給ユニット)にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置に用いられるカートリッジとして本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が消費できるような材料であればよい。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や変形例の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10,10B…液体供給システム、15…基板、16…接触部、18…記憶装置、20,20B…カートリッジ、21…本体部材、22,22B…外殻、23…蓋部材、24…リブ、25…シール、30…位置決め部、32…連通口、34…フォーム、35…板バネ、36…カートリッジ側フィルター、40…大気弁、41…端面、42…コイルばね、43…弁部、44…弁部材、46…弁座、47…空気導入口、49…レバー部、50,50B…プリンター、60,60B…ホルダー、61…電極部、70,70B…波立ち抑制部、71…溶着部、71B…チューブ、72…重複領域、80…レバー、90B…ヘッドタンク、200,200B…液体収容部、201…第1壁部、202…第2壁部、203…第3壁部、204…第4壁部、205…第5壁部、206…第6壁部、207…第7壁部、210…第1のカートリッジ側規制部、221…第2のカートリッジ側規制部、222…開口、240…コーナー部分、241…空気室、271…板バネ、273…容器側フィルター、277…開口、280…液体供給部、281…液体供給口、288…外周壁、289…端部、290…通気口、291,291B…シート部材、292…貫通孔、293…受圧板、294,294B…コイルばね、510…制御部、517…フレキシブルケーブル、520,520B…キャリッジユニット、540,540B…ヘッド、601…底壁部、602…カートリッジ収容室、603〜606…壁部、607…仕切り壁、610…突起、620…装置側規制部、640…液体導入部、642…先端部、643…装置側フィルター、645…基端部、648…シール部材、R1…第1の列、R2…第2の列

Claims (6)

  1. 第1壁部と、
    前記第1壁部に対向する第2壁部と、
    前記第1壁部および前記第2壁部と交差する第3壁部と、
    前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部と交差し、前記第3壁部と対向する第4壁部と、
    前記第1壁部、前記第2壁部、前記第3壁部および前記第4壁部と交差する第5壁部と、
    前記第1壁部、前記第2壁部、前記第3壁部および前記第4壁部と交差し、前記第5壁部と対向する第6壁部と、
    前記第5壁部と前記第6壁部との間に位置する可撓性部材と、
    前記第5壁部と前記可撓性部材との間に位置する板状部材と、
    前記第5壁部と前記板状部材との間に位置し、前記第5壁部から前記第6壁部に向けて前記板状部材を付勢する付勢部材と、を備え、
    前記第5壁部と前記可撓性部材との間に液体が収容され、
    前記第5壁部と前記板状部材との間に位置する波立ち抑制部を備える、
    液体供給ユニット。
  2. 請求項1に記載の液体供給ユニットにおいて、
    前記波立ち抑制部は、発泡性樹脂または繊維部材から構成される部材である、
    液体供給ユニット。
  3. 請求項1に記載の液体供給ユニットにおいて、
    前記波立ち抑制部は、前記第5壁部から前記板状部材に向かって突出する複数のリブを有する、
    液体供給ユニット。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体供給ユニットにおいて、
    さらに、大気弁を有し、
    前記大気弁は、前記第5壁部と前記可撓性部材との間の空間と、前記第6壁部と前記可撓性部材との間の空間とを連通する連通孔が設けられた弁座と、前記弁座に当接して前記連通孔を閉じる弁部と、前記板状部材と当接することで前記弁部を前記弁座から離間させて前記連通孔を開くレバーと、を備え、
    前記波立ち抑制部は、前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向において、前記レバーと重なる重複領域を有し、前記重複領域の前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向における厚みは、前記波立ち抑制部の前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向における厚みの平均よりも小さい、
    液体供給ユニット。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体供給ユニットにおいて、
    前記付勢部材は、前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向に平面視したとき、前記第5壁部に近い部分の円周の径と、前記第6壁部に近い部分の円周の径とが一様である円筒状のバネであり、
    前記波立ち抑制部は、前記第5壁部から前記第6壁部に向かう方向において、前記付勢部材と重ならない領域に位置する、
    液体供給ユニット。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体供給ユニットにおいて、
    前記第1壁部に液体供給部が設けられ、
    前記液体供給部は、前記第1壁部に形成された開口と、前記開口を前記第1壁部の外面側から覆うフィルターと、を含み、
    前記第2壁部から前記第1壁部に向かう方向に平面視したとき、前記波立ち抑制部は前記開口を覆わないよう配置される、
    液体供給ユニット。
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