A.実施形態:
A−1.液体噴射システム1の説明:
図1は、本発明の実施形態としての液体噴射システム1の概略構成図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X軸方向,+Y軸方向,+Z軸方向とする。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ−X軸方向,−Y軸方向,−Z軸方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX軸方向,Y軸方向,Z軸方向とよぶ。これ以降に示す図及び説明についても同様である。他の図に描かれたXYZ軸は、図1のXYZ軸に方向が対応している。液体噴射システム1(プリンター20)の使用状態では、+Z軸方向が鉛直上方向となり、−Z軸方向が鉛直下方向となる。ここで、「液体噴射システム1(プリンター20)の使用状態」とは、X軸方向とY軸方向とによって規定される水平な設置面に液体噴射システム1が設置された状態をさす。
液体噴射システム1は、液体噴射装置としてのプリンター20と、4つのカートリッジ4C,4M、4Y、4Kとを備える。プリンター20は、液体としてのインクを記録ヘッド(液体噴射部)225から吐出(噴射)するインクジェットプリンターである。ここで、4つのカートリッジ4C,4M、4Y、4Kを区別することなく用いる場合には符号「4」を用いる。また、カートリッジ4は「アダプター4」とも呼ぶことができる。
プリンター20は、略矩形箱状の本体ケース212と、本体ケース212内に配置された制御部230と、を備える。制御部230は、プリンター20の各種動作(例えば、印刷動作)の制御を行ったり、カートリッジ4との間で各種信号をやり取りしたりする。
本体ケース212内には、プラテン213が本体ケース212の長手方向(X軸方向)に沿うように配設されている。プラテン213は、噴射対象物としての記録用紙Pを支持する支持台である。プラテン213上には、図示しない紙送り機構により記録用紙Pが主走査方向(X軸方向)と直交する副走査方向に沿って給送されるようになっている。
プリンター20は、さらに、ガイド軸214と、キャリッジ215と、駆動プーリ216と、従動プーリ217と、キャリッジモーター218とを備える。
ガイド軸214は、プラテン213よりも+Z軸方向側に位置する。ガイド軸214は、主走査方向に沿って棒状の部材である。ガイド軸214にはキャリッジ215がガイド軸214に沿って移動自在に支持されている。
駆動プーリ216及び従動プーリ217は、ガイド軸214よりも−Y軸方向側に位置であってガイド軸214の両端部と対応する位置に回転自在に配置されている。駆動プーリ216にはキャリッジモーター218が連結されるとともに、一対のプーリ216,217間にはキャリッジ215を支持した無端状のタイミングベルト219が掛装されている。したがって、キャリッジ215は、キャリッジモーター218の駆動により、ガイド軸214に沿って主走査方向に往復移動可能となっている。なお、本実施形態では、記録ヘッド225は主走査方向に往復移動可能なように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、記録ヘッド225は、X方向に沿って延び、位置が固定されたラインヘッドであっても良い。
プリンター20は、さらに、カートリッジを着脱自在に装着するためのカートリッジ装着部(ホルダー)6を備える。カートリッジ装着部6は、本体ケース212の内側に配置されている。本体ケース212の一部分は開閉可能に構成されている。この開閉可能な一部分を開くことによってカートリッジ装着部6に対するカートリッジ4の着脱操作が可能となる。なお、本実施形態では、カートリッジ装着部6は、本体ケース212の内側に配置されているがこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジ装着部6は、本体ケース212の外側に配置されていても良い。
カートリッジ装着部6は、4つのカートリッジ4C,4M,4K,4Yを着脱可能に装着する。カートリッジ4Kは、ブラックのインクを収容する。カートリッジ4Cは、シアンのインクを収容する。カートリッジ4Mは、マゼンタのインクを収容する。カートリッジ4Yは、イエローのインクを収容する。各インクは、水などの分散媒と、顔料粒子と、を含む顔料インクである。4つのカートリッジ4C,4M,4Y,4Kに対応して、プリンター20は4つの液体流通路223を備える。液体流通路223は、チューブである。液体流通路223は、カートリッジ4と記録ヘッド225とを連通させる。
カートリッジ4は、カートリッジ装着部6に装着された場合、それぞれ対応する各液体流通路223の上流端に接続されるようになっている。各液体流通路223の下流端は、キャリッジ215上に搭載されたバルブユニット224の上流側とそれぞれ接続される。バルブユニット224の下流側は、キャリッジ215の下面側(−Z軸方向側)に設けられた液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド225に接続されている。すなわち、カートリッジ4に収容されたインクは、液体流通路223を通って記録ヘッド225に供給される。
カートリッジ装着部6とプラテン213との間には、記録ヘッド225の退避位置となるホームポジションHPが設けられている。そして、印刷の開始前などには、このホームポジションHPにおいて、記録ヘッド225に対するクリーニング等、各種メンテナンス処理が実行される。
プリンター20は、さらに、カートリッジ4に加圧流体を供給するための加圧機構280を備える。加圧機構280は、本体ケース212の内側に配置されている。加圧機構280は、加圧流体としての加圧空気の供給源である加圧ポンプ226と、加圧空気をカートリッジ4に流通させるための複数の流体流通路227と、を備える。
加圧ポンプ226は、流体流通路227の上流端に接続されている。流体流通路227は、チューブである。流体流通路227は、加圧ポンプ226の下流側に配設された分配器228を境に分岐されている。分岐された流体流通路227の下流端は、それぞれ対応するカートリッジ4に接続されている。
カートリッジ4C,4M,4Yに対応する流体流通路227C,227M,227Yは1つずつ設けられている。一方で、カートリッジ4Kに対応する流体流通路227Kは、バルブVよりも下流側(カートリッジ4K側)で3つに分岐されている。3つに分岐した流路を、第1流体流通路227K1、第2流体流通路227K2、第3流体流通路K3とも呼ぶ。制御部230は、加圧ポンプ226やバルブVなどの加圧機構280の動作を制御することで、加圧流体を流体流通路227を介してカートリッジ4に供給する。
流体流通路227K1,227C,227M、227Yは、カートリッジ4に収容されたインクを記録ヘッド225に供給するための加圧空気を流通させる。流体流通路227K1,227C,227M、227Yは、カートリッジ4の後述する加圧室に加圧空気を流通させる。これにより、カートリッジ4の液体収容部が押圧される。液体収容部が押圧されることで、液体流通路223を通ってインクが記録ヘッド225に供給される。
第2流体流通路227K2と第3流体流通路227K3とは、カートリッジ4Kの液体収容部を撹拌するための加圧空気を流通させる。詳細には、第2流体流通路227K2と第3流体流通路227K3は、カートリッジ4Kの後述する撹拌用部材に加圧空気を流通させる。
なお、本実施形態では、カートリッジ4Kに対応する流体流通路227K1〜227K3は3つ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、流体流通路227Kは2つ以下であっても良いし、4つ以上であっても良い。また、本実施形態では、カートリッジ4C,4M,4Yに対応する流体流通路227C,227M,227Yは、1つずつ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、カートリッジ4Kと同様に3つ設けられていても良いし、それ以外の数だけ設けても良い。また、本実施形態では、各流体流通路227K1,227K2,227K3,227C,227M,227Yは、共通の加圧ポンプ226から加圧空気が送り込まれていたが、これに限定されるものではない。例えば、加圧ポンプ226は、各流体流通路227K1,227K2,227K3,227C,227M,227Yに対応して複数設けられていても良い。
A−2.カートリッジ装着部の詳細構成:
図2は、カートリッジ装着部6の第1の外観斜視図である。図3は、カートリッジ装着部6の第2の外観斜視図である。図3は、カートリッジ装着部6の内部の構成が視認できるように、一部の構成の図示は省略している。カートリッジ4のカートリッジ装着部6への装着方向は−Y軸方向である。カートリッジ4のカートリッジ装着部6からの取り外し(抜き取り)方向は+Y軸方向である。
図2に示すように、カートリッジ装着部6は、以下に述べる6つの壁部によってカートリッジ4を収容するカートリッジ収容室61を形成する。カートリッジ収容室61は、略直方体形状である。なお、カートリッジ収容室61のうち、4つのカートリッジ4C,4M,4Y,4Kのうちの1つを収容する部分をそれぞれ、スロットとも呼ぶ。具体的には、図3に示すように、カートリッジ4Kを収容する部分をスロット61Kと呼び、カートリッジ4Cを収容する部分をスロット61Cと呼び、カートリッジ4Mを収容する部分をスロット61Mと呼び、カートリッジ4Yを収容する部分をスロット61Yと呼ぶ。
カートリッジ装着部6は、装置側前壁部62と、第1の装置側側壁部63と、第2の装置側側壁部64とを備える。また、カートリッジ装着部6は、第3の装置側側壁部65と、第4の装置側側壁部66と、開口壁部61Aと、を備える。これらの6つの壁部62,63,64,65,66,61Aによってカートリッジ収容室61が区画形成されている。6つの壁部62,63,64,65,66,61Aの外形はそれぞれ、略長方形状である。
図2及び図3に示すように、装置側前壁部62は、カートリッジ収容室61に対して−Y軸方向側に位置する。装置側前壁部62は、プリンター20の使用状態において、垂直な壁部である。
図3に示すように、カートリッジ装着部6は、装置側端子部69と、液体供給機構640と、液体供給用加圧部67と、第1の装置側位置決め部82と、第2の装置側位置決め部84と、装置側固定構造75と、を有する。各部69,64,67,82,84,75は、装置側前壁部62に設けれている。各部69,64,67,82,84,75は、各カートリッジ4C,4M,4Y,4Kに対応してスロット61C,61M,61Y,61K毎に設けられている。また、カートリッジ装着部6は、カートリッジ4Kに対応して第1の撹拌用加圧部70と第2の撹拌用加圧部72とを備える。第1の撹拌用加圧部70と第2の撹拌用加圧部72とは、装置側前壁部62に設けれている。
装置側端子部69は、液体供給機構640よりも鉛直上側(+Z軸方向側)に配置されている。装置側端子部69は、装置側端子692を有する。本実施形態では装置側端子692は、複数(本実施形態では9つ)設けられている。装置側端子692は、弾性変形可能な部材によって形成されている。本実施形態では、装置側端子692は板バネによって形成されている。本実施形態の装置側端子692は、Y軸方向とZ軸方向とによって規定される面に沿って弾性変形できるように構成されている。装置側端子692は、カートリッジ4の後述するカートリッジ側端子と接触することによって、カートリッジ側端子と電気的に接続する。装置側端子部69は図示しない配線によってプリンター20の制御部230と電気的に接続されている。これによって、カートリッジ4がカートリッジ装着部6に装着された装着状態において、カートリッジ4と制御部230との間で各種信号(インク残量に関する情報)の授受が可能となる。
液体供給機構640は、カバー部材650と、液体供給部(液体受入管)643とを備える。液体供給部643は、カートリッジ4内のインクをプリンター20側に流通させるために利用される。液体供給部643は、Y軸方向に沿って延びる中心軸CTを有する管状である。液体供給部643は、カートリッジ4に接続される。
カバー部材650は、中心軸CTを中心とした液体供給部643の周囲を取り囲む。カバー部材650は、カートリッジ4の着脱時に外部にインクが飛び散る可能性を低減するための部材である。カバー部材650は、液体供給機構640が備える図示しない付勢部材(本実施形態では、コイルばね)によって+Y軸方向側に付勢されている。カバー部材650は、Y軸方向に沿って移動可能に構成されている。カートリッジ4が装着される時には、カートリッジ4が当接されることで付勢部材の付勢力に抗してカバー部材650が−Y軸方向に移動する。これによって、液体供給部643の+Y軸方向側端部がカバー部材650よりも+Y軸方向側に突出して、カートリッジ4に接続される。
液体供給用加圧部67は、カートリッジ4のインクを記録ヘッド225に供給するための加圧空気が流通する筒状の部材である。液体供給用加圧部67は、対応する流体流通路227K1,227C,227M、227Y(図1)の一端部(下流端部)に接続されている。液体供給用加圧部67は、カートリッジ4の装着状態において、カートリッジ4に接続される。
第1の装置側位置決め部82は、装置側前壁部62から+Y軸方向側へ突出する部材である。第1の装置側位置決め部82は、円柱状の部材(棒状部材)である。第1の装置側位置決め部82は、鉛直方向について装置側端子部69と液体供給機構640との間に位置する。第1の装置側位置決め部82の先端部(+Y軸方向側端部)は、装置側端子692、液体供給部643、液体供給用加圧部67、第1の撹拌用加圧部70、第2の撹拌用加圧部72よりも+Y軸方向側に位置する。
第2の装置側位置決め部84は、第1の装置側位置決め部82と同じ形状である。つまり、第2の装置側位置決め部84は、装置側前壁部62から+Y軸方向側へ突出する部材である。第2の装置側位置決め部84は、円柱状の部材(棒状部材)である。第2の装置側位置決め部82は、液体供給機構640及び液体供給用加圧部67よりも鉛直下方向側に位置する。また、第2の装置側位置決め部84は、第1の装置側位置決め部82よりも鉛直下方向側に位置する。第2の装置側位置決め部84の先端部(+Y軸方向側端部)は、装置側端子692及び液体供給部643よりも+Y軸方向側に位置する。
第1と第2の装置側位置決め部82,84は、カートリッジ4が装着される際のカートリッジ4の位置決めを行う。詳細には、第1と第2の装置側位置決め部82,84は、カートリッジ4の装着方向(−Y軸方向)と交差する方向における、カートリッジ4の位置決めを行う。
装置側固定構造75は、装着状態において、カートリッジ4をカートリッジ装着部6に固定する。装置側固定構造75は、装着状態においてカートリッジ4と係合する。この係合によって、装置側固定構造75はカートリッジ4をカートリッジ装着部6に固定する。ここで、装着状態において、カートリッジ4は、カバー部材650によって+Y軸方向側への押圧力を受けている。カバー部材650から受ける押圧力によってカートリッジ4が+Y軸方向へ移動することを、装置側固定構造75はカートリッジ4と係合することで規制する。つまり、装置側固定構造75は、装着状態におけるカートリッジ4の+Y軸方向への動きを規制する。装置側固定構造75は、装置側前壁部62よりも+Y軸方向側に位置する部分を有する。装置側固定構造75の少なくとも一部と、第2の装置側位置決め部84の少なくともに一部とは、同じ高さに位置している。装置側固定構造75の詳細構成については後述する。
第1の撹拌用加圧部70は、カートリッジ4Kの液体収容部を撹拌するための加圧空気が流通する筒状の部材である。第1の撹拌用加圧部70は、第2流体流通路227K2(図1)の一端部(下流端部)に接続されている。第1の撹拌用加圧部70は、カートリッジ4Kの装着状態において、カートリッジ4に接続される。
第2の撹拌用加圧部72は、カートリッジ4Kの液体収容部を撹拌するための加圧空気が流通する筒状の部材である。第2の撹拌用加圧部72は、第3流体流通路227K3(図1)の一端部(下流端部)に接続されている。第2の撹拌用加圧部72は、カートリッジ4Kの装着状態において、カートリッジ4に接続される。
図4は、装置側固定構造75を説明するための第1の図である。図5は、装置側固定構造75を説明するための第2の図である。図6は、装置側固定構造75及びその周辺の断面図である。図5では、説明に必要な主な構成を図示している。
図4に示すように、装置側固定構造75は、レバー本体747と、軸孔736と、係止ピン(被係止部材)737とを備える。レバー本体747は、弾性を有する板状部材である。詳細には、レバー本体747は、係止ピン737が設けられた先端部(+Y軸方向側端部)が、基端部(−Y軸方向側端部)を支点としてZ軸方向成分を含む方向に弾性変形可能なように構成されている。
軸孔736は、レバー本体747の基端部(−Y軸方向側端部)に設けられている。係止ピン737は、レバー本体747の先端部(+Y軸方向側端部)の上側面(カートリッジ4と対向する面)に設けられている。係止ピン737は、レバー本体747から+Z軸方向側に突出する略円柱状の部材である。
図5及び図6に示すように、装置側前壁部62の一部である壁体674の底面683と第2の装置側側壁部64との間には隙間が設けられている。装置側固定構造75は、この隙間を利用して配置されている。
壁体674の底面683には突部672が設けられている。装置側固定構造75の軸孔736は突部672に挿入される。装置側固定構造75は、突部672を中心に回動可能な状態で軸支される。つまり、突部672は、装置側固定構造75の回動軸として機能する。突部672の周囲は、+Z軸方向側が開口する凹部667と、この凹部667に収容されたコイルバネ760によって支えられている。バネ760は、装置側固定構造75を第2の装置側側壁部64に対して回動可能な状態で支持する機能と、装置側固定構造75を上方に付勢することによって装置側固定構造75の動きを安定させる機能とを備えている。
装置側固定構造75は、さらに、バネ744と、係止部746とを備える(図4)。バネ744は、レバー本体747に回転方向(−R方向)の付勢力を付与する。バネ744は、引張りコイルバネである。係止部746は、レバー本体747の軸孔736の位置から係止ピン737へ向かう方向とは異なる方向へ偏倚した位置に配置されている。バネ744の一端は、係止部746に係止される。バネ744の他端は、壁体674の下面に設けられた係止部674b(図5)に係止される。装置側固定構造75にバネ744の付勢力に抗する力が付与されると、装置側固定構造75は図4及び図5に示す矢印+R方向に回動する。矢印Rの方向は、X軸方向とY軸方向に平行な面に沿った方向である。
A−3.カートリッジ4Kの概略構成:
図7は、カートリッジ4Kの外観斜視図である。図8は、カートリッジ4Kの分解斜視図である。図9は、カートリッジ4Kから第2のケース7を取り外した図である。図7〜図9には、カートリッジ4Kの装着状態におけるX軸、Y軸、Z軸を付している。また、これ以降の図においても、必要に応じてカートリッジ4Kの装着状態におけるX軸、Y軸、Z軸を付している。
カートリッジ4Kは、図7に示すように、外形が略直方体形状である。カートリッジ4Kは、Y軸方向、Z軸方向、X軸方向の順で寸法が小さくなる。カートリッジ4Kは、外殻を構成するケース8を備える。ケース8は、ポリプロピレンやポリスチレン等の合成樹脂を成形することで形成された筐体である。
カートリッジ4は、前面(前壁)42と、後面(後壁)47と、第1側面(第1側壁)43と、第2側面(第2側壁)44と、第3側面(第3側壁)45と、第4側面(第4側壁)46とを備える。また、カートリッジ4は、さらに、前面42よりも+Y軸方向側に位置する第2面(第2壁,第2前壁)41を有する。第2面41と前面42とは、装着方向(−Y軸方向)を向く面で壁である。
ここで、第1側面43を上面43とも呼び、第2側面44を底面44とも呼び、第3側面45を右側面45とも呼び、第4側面46を左側面46とも呼ぶ。前面42と後面47は、Y軸方向において対向しており、前面42が−Y軸方向(装着方向)側に、後面47が+Y軸方向側に位置する。第1側面43と第2側面44は、前面42及び後面47と交差し、Z軸方向において対向している。第1側面43が+Z軸方向側に、第2側面44が−Z軸方向側に位置する。第3側面45と第4側面46は、前面42、後面47、第1側面43、及び第2側面44と交差し、X軸方向において対向している。第3側面45が+X軸方向側に、第4側面46が−X軸方向側に位置する。本明細書では、2つの面(要素)が「交差する」とは、2つの面(要素)が相互に実際に交差する状態と、一方の面(要素)の延長部分が他方の面(要素)に交差する状態と、相互の延長部分が交差する状態と、のいずれかの状態であることを意味する。
X軸方向をカートリッジ4Kの幅方向とも呼び、Y軸方向をカートリッジ4Kの長さ方向とも呼び、Z軸方向をカートリッジ4Kの高さ方向とも呼ぶ。
前面42は、第2面41から−Y軸方向側に突出する突出部48に形成されているともいえる。前面42の形状は、Z軸方向の寸法がX軸方向の寸法よりも大きい略長方形である。前面42は、装着状態において装置側前壁部62(図3)と向かい合う。
カートリッジ4Kは、図8に示すように、第1のケース5と、第2のケース7と、液体収容体410と、シート部材(フィルム部材)430と、第1の撹拌用部材402と、第2の撹拌用部材404と、を備える。第1と第2のケース5,7は、合成樹脂を成形することで形成される。ケース8は、第1のケース5と第2のケース7とによって形成されている。
第1のケース5は、+X方向側が開口する凹形状である。第1のケース5は、主に、前面42、第1側面43、第2側面44、第4側面46、後面47、第2面41、突出部48を形成する。
シート部材430は、薄膜状の部材である。シート部材430は、第1のケースの開口を封止するように、開口を規定する端面59に気密に接合されている(図9)。理解の容易のために、図9において、端面59にはシングルハッチングを付している。端面59にシート部材430が気密に接合されることによって、後述する撹拌部403,407,液体収容部412を収容する内部室440が区画形成される。この内部室440には、第1流体流通路227K1を流通する加圧空気が供給される。加圧空気が内部室440に供給されることで、液体収容部412を押圧して液体収容部412に収容されたインクを加圧する。装着状態において、液体収容部412に収容されたインクが加圧されることで、液体収容部412のインクがプリンター20側へと供給される。つまり、内部室440は、液体収容部412のインクをプリンター20に供給するために、液体収容部412内のインクを加圧するための加圧室としても機能する。
第2のケース7は、シート部材430を覆うように第1のケース5に取り付けられる。第2のケース7は、主に、右側面45を形成する。第1のケース5と第2のケース7とによって、第1の撹拌用部材402、第2の撹拌用部材404、液体収容体410、シート部材430が保護されて、損傷することが抑制される。
液体収容体410は、液体収容部412と、液体導出部(液体流通口)414とを備える(図8)。液体収容部412は、液体としてのインクを収容する。液体収容部412は、可撓性を有する袋体である。充填されたインクの消費に伴って、液体収容部412の容積は小さくなる。なお、液体収容部412は、全体が可撓性を有する部材でなくても良く、少なくとも一部が可撓性を有する部材で形成されていても良い。
液体導出部414は、液体供給源としての液体収容部412に収容されたインクをプリンター20(外部)へ向けて流通させる。カートリッジ4Kの装着状態において、液体導出部414の内部に、管状の液体供給部643(図3)が挿入されることによって、液体導出部414と液体供給部643とは接続される。装着過程において、液体導出部414と液体供給部643との接続は、後述する位置決め係合開始時点よりも後に開始される。液体収容部412のインクは、液体導出部414および液体供給部643を流れてプリンター20の記録ヘッド225に供給される。液体導出部414は、所定方向(Y軸方向)に延びる中心軸CLを有する。中心軸CLは装着方向(−Y軸方向)に平行に延びる。液体導出部414は、内部にインクが流通可能な筒状部材である。液体導出部414は、液体収容部412の+Y軸方向側の端部に接続されている。液体導出部414内には、弁機構が配置されている。この弁機構は、液体供給部643が液体導出部414に接続されることによって開弁する。
第1の撹拌用部材402は、第1の撹拌部403と、第1の流体流通部406とを有する。第1の撹拌部403は、可撓性を有する袋体である。第1の流体流通部406は、一端部が第1の撹拌部403に接続され、他端部406Aが後述する第1の撹拌用流体受部に接続されている。第1の流体流通部406は、第1の撹拌用加圧部70(図3)から供給される加圧空気を第1の撹拌部403に流通させる。
第1の撹拌部403は、液体収容部412を押圧することによって液体収容部412内のインクを撹拌する。インクが撹拌されることによって、液体収容部412内の−Z軸方向部分に沈降した顔料粒子が流動する。顔料粒子が流動することによって、液体収容部412内のインク中の顔料粒子の濃度分布のばらつきを低減できる。第1の撹拌部403は、液体収容部412の主面(本実施形態では、−X軸方向側の面)と向かい合って配置されている。加圧空気が供給された第1の撹拌部403は、容積が増大して外形が膨らむ。加圧空気の供給が停止されることで、第1の撹拌部403は容積が減少して外形が縮む。つまり、第1の撹拌部403の外形は、加圧空気の供給と停止とが繰り返されることによって、伸縮が繰り返される。第1の撹拌部403の外形が膨らむことで、液体収容部412が第1の撹拌部403によって押圧される。
第2の撹拌用部材404は、第2の撹拌部407が第1の撹拌部403よりも+Y軸方向側に配置されている。第2の撹拌用部材404は、第2の撹拌部407と、第2の流体流通部408とを有する。第2の撹拌部407は、第1の撹拌部403と同じ構成である。第2の流体流通部408は、一端部が第2の撹拌部407に接続され、他端部408Aが後述する第2の撹拌用流体受部に接続されている。第2の流体流通部408は、第2の撹拌用加圧部72(図3)から供給される加圧空気を第2の撹拌部407に流通させる。第2の撹拌部407は、第1の撹拌部403と同様、液体収容部412を押圧することによって液体収容部412内のインクを撹拌する。第2の撹拌部407の外形は、第1の撹拌部403と同様に、加圧空気の供給と停止とが繰り返されることによって、伸縮が繰り返される。第2の撹拌部407の外形が膨らむことで、液体収容部412が第2の撹拌部407によって押圧される。
第1の撹拌部403と第2の撹拌部407とは交互に加圧空気が供給される。すなわち、第1の撹拌部403に加圧空気が供給されているときは、第2の撹拌部407への加圧空気の供給は停止されている。また、第2の撹拌部407に加圧空気が供給されているときは、第1の撹拌部403への加圧空気の供給は停止されている。
上記実施形態では、液体収容部412のインクを撹拌するための第1と第2の撹拌用部材402,404を有していたが、撹拌用部材の個数はこれに限定されるものではない。例えば、第1の撹拌用部材402だけであっても良いし、撹拌用部材は3つ以上であっても良い。
図10は、カートリッジ4Kの前面42側の第1の外観斜視図である。図11は、カートリッジ4Kの正面図である。図12は、カートリッジ4Kの前面42側の第2の外観斜視図である。図13は、カートリッジ4Kの前面42側の第3の外観斜視図である。図14は、カートリッジ4Kの前面42側の底面図である。
カートリッジ4Kは、図10に示すように、第1の位置決め部(第1のカートリッジ側位置決め部)422と、第2の位置決め部(第2のカートリッジ側位置決め部)424と、固定構造(カートリッジ側固定構造)49と、を有する。第1の位置決め部422と、第2の位置決め部424とは前面42に設けられている。
第1の位置決め部422は、第1の装置側位置決め部82(図3)と係合するための部分である。第1の位置決め部422は、前面42に形成された貫通孔である。カートリッジ4Kをカートリッジ装着部6に装着する過程(装着過程)において、貫通孔である第1の位置決め部422には棒状の第1の装置側位置決め部82が挿入されることで両部422,82は係合する。
第2の位置決め部424は、第2の装置側位置決め部84(図3)と係合するための部分である。第2の位置決め部422は、前面42に形成された貫通孔である。第2の位置決め部422は、カートリッジ4Kの装着状態において、第1の位置決め部422よりも鉛直下方向側に配置されている。第1の位置決め部422と第2の位置決め部424とは、装着状態において、Z軸方向に沿って間隔を開けて配置されている。装着過程において、貫通孔である第2の位置決め部424には棒状の第2の装置側位置決め部84が挿入されることで両部424,84は係合する。
第1と第2の装置側位置決め部82,84と第1と第2の位置決め部422,424との位置決め機能をさらに説明する。
カートリッジ4Kの装着過程において、第1と第2の装置側位置決め部82,84の先端(+Y軸方向側端部)が、対応する第1と第2の位置決め部422,424に挿入される(位置決め係合開始時点)。さらにカートリッジ4Kを装着方向(−Y軸方向)へ押し進めることによって、カートリッジ4Kは、第1と第2の装置側位置決め部82,84によって装着方向と交差する方向(前面42に沿う方向)のカートリッジ4Kの動きが規制される。すなわち、カートリッジ4Kは、第1と第2の装置側位置決め部82,84を基準に装着方向へ移動する。
図11に示すように、第1の位置決め部422は丸孔であり、第2の位置決め部424はZ軸方向に細長い長孔である。第1の位置決め部422は、液体導出部414の中心軸CL方向(カートリッジ4Kの装着方向)に垂直な断面形状が円形形状である。中心軸CL方向に垂直な断面形状において、第1の位置決め部422と第1の装置側位置決め部84とは、ほぼ対応する外形である。
第2の位置決め部424は、液体導出部414の中心軸CL方向(カートリッジ4Kの装着方向)に垂直な断面形状がZ軸方向に細長い長孔形状ある。具体的には、第2の位置決め部424は、−Y軸方向側から見た場合に、Z軸方向に対向する一対の円弧状の第1部424A及び第2部424Bと、X軸方向に対向する直線状の第3部424C及び第4部424Dと、を有する。第1部424Aと第2部424BとはX軸方向と平行な線において対称である。第3部424Cと第4部424DとはZ軸方向と平行な線において対称である。各部424A〜424Dによって長孔形状が形成されている。
このように、第2の位置決め部424を長孔に形成しておくことで、位置決め精度を保つ一方で寸法公差等の許容が容易になる。詳細には、中心軸CL方向(カートリッジ4Kの装着方向)に垂直な断面において、第2の位置決め部424の外形は、第2の装置側位置決め部84の外形よりもやや大きく形成されている。これにより、第2の位置決め部424に第2の装置側位置決め部84が挿入された場合に、第2の位置決め部424の内周面と、第2の装置側位置決め部84との外周面との間には若干の隙間が生じる。本実施形態では、各部424A〜424Dと第2の装置側位置決め部84との間に若干の隙間が生じる。この隙間は、寸法公差等によって第2の位置決め部424と第2の装置側位置決め部84との位置ズレが生じた場合でも第2の位置決め部424と第2の装置側位置決め部84とが係合可能な程度に設定される。
つまり、装着過程において、カートリッジ4Kの位置決めの精度は、第1の位置決め部422によって担保し、寸法公差等による第2の位置決め部424と第2の装置側位置決め部84との相対的な位置ズレについては、第2の位置決め部424によって吸収される。一方で、位置決め係合開始時点以降において、カートリッジ4Kの第2の位置決め部424側が、第1の位置決め部422を中心としてX軸方向成分を含む方向にガタつく場合がある。
固定構造49は、装置側固定構造75と係合するための部分である(図12)。固定構造49は、第2側面44に形成された溝(固定溝)である。固定構造49は、カートリッジ4Kの装着状態において、鉛直下方向側(−Z軸方向側)が溝の底面と対向する開口を形成する。固定構造49は、装置側固定構造75と係合することで、カートリッジ装着部6(例えば、図3に示すカバー部材650)から加えられる取り外し方向(+Y軸方向)の外力に抗して、カートリッジ4の取り外し方向への動きを規制する。固定溝としての固定構造49は装着状態において、鉛直上方向側に位置する面が固定溝49の底面499を形成する。
図14に示すように、固定構造49は、受入部101と、案内部106と、接続部108と、係合部112と、出口部116と、を備える。カートリッジ4をカートリッジ装着部6に装着する際には、係止ピン737は、受入部101,案内部106,接続部108,係合部112の順に移動する。装着状態では、係止ピン737は、係合部112の所定の係合位置Stで係合部112と係合する。カートリッジ4をカートリッジ装着部6から取り外す際には、係止ピン737は、係合部112,出口部116,受入部101の順に移動する。このように、装置側固定構造75(詳細には、係止ピン737)が挿入される挿入経路49Aと、装置側固定構造75(詳細には、係止ピン737)が抜取られる抜取経路49Bとは、異なる経路である。つまり、装置側固定構造75が、固定構造49と係合するまでに案内される経路49Aと、装置側固定構造75と固定構造49との係合が解除された後に、装置側固定構造75が固定構造49から抜き取られるまでに装置側固定構造75が案内される経路49Bとは異なる。挿入経路49Aは、装置側固定構造75(詳細には、係止ピン737)が開口105から係合位置Stにまで至る経路である。抜取経路49Bは、装置側固定構造75(詳細には、係止ピン737)が係合位置Stから開口105にまで至る経路である。
受入部101は、前面42から後面47に向かって延び、装置側固定構造75の係止ピン737を受け入れる。受入部101は、前面42に開口105を形成している。開口105を介して係止ピン737を受入部101内に受け入れる。受入部101は、固定構造49の他の溝部分よりも深い。つまり、カートリッジ4Kの装着状態において、受入部101は固定構造49の他の溝部分よりも、鉛直方向において位置する範囲が大きい。よって、係止ピン737が他の部分106,108,112,116に位置する間は、レバー本体747の係止ピン737側が押し下げられる。これにより、レバー本体747の弾性力によって、係止ピン737を介してカートリッジ4が押し上げる方向(+Z軸方向)に外力を受ける。
案内部106は、装置側固定構造75の係止ピン737を、係合位置St(係合部112が形成された位置)に導くための部分である。案内部106は、受入部101に接続されている。案内部106は、カートリッジ4がカートリッジ装着部6に装着される際のカートリッジ4の装着方向(−Y軸方向)に対して傾斜する方向に延びる。具体的には、案内部106は、装着方向に対してカートリッジ4の幅方向に傾斜している。案内部106は、受入部101から離れるに従って溝が浅くなる傾斜部106aを有する。案内部106と受入部101との境界には段差はない。
接続部108は、案内部106と係合部112とを接続する。接続部108は、溝を区画形成する+Y軸方向側の壁から−Y軸方向側へ突出する突起壁115を有する。係合部112は、突起壁115と対向する。係合部112は、係合壁114を有する。係合壁114は、固定構造49の溝を区画形成する複数の壁部の1つである壁部133によって形成されている。出口部116は、係合部112と受入部101とを接続する。出口部116は、受入部101に近づくに従って溝が深くなる傾斜部116aを有する。出口部116と受入部101との境界には段差120が形成されている。
次に、図14を用いてカートリッジ4の着脱操作時における固定構造49内での係止ピン737の動きについて説明する。カートリッジ4Kの装着過程において、位置決め係合開始時点とほぼ同時に、係止ピン737は開口105を通過する。そして、係止ピン737は受入部101から案内部106に移動する。案内部106を係止ピン737が移動する際には、バネ744(図4)の付勢力に抗してレバー本体747が+R方向(図4)に回動する。カバー部材650の付勢部材の付勢力に抗してカートリッジ4を装着方向に押し進めることで、係止ピン737が接続部108に到達する。接続部108に到達した係止ピン737は、装置側固定構造75のバネ744の付勢力によって+X軸方向成分を含む方向(図5の矢印−R方向)に移動する。これにより、係止ピン737が突起壁115に衝突して止まる。このとき、クリック音が生じる。このクリック音により利用者は、カートリッジ4が装着方向に十分に進んだことを確認することができる。
利用者による装着方向へのカートリッジ4の押圧が解除されると、カートリッジ4は、液体供給機構640の付勢部材の付勢力によって、取り外し方向(+Y軸方向)に僅かに押し返される。これにより、突起壁115による係合が解除されて係止ピン737が係合部112に到達する。そして、最終的には、係合部112の係合壁114に係止ピン737が衝突することによって、係止ピン737の動きが規制される。係合壁114に係止ピン737が衝突する際には、クリック音が生じる。このクリック音により利用者は、カートリッジ4が係合位置Stに到達し、カートリッジ装着部6の装着が完了したことを確認できる。また、装着状態においては、カートリッジ4Kは、液体供給機構640によって取り外し方向(+Y軸方向)への外力が加えられている。しかしながら、係止ピン737が係合壁114に当接することで、カートリッジ4の取り外し方向への動きが規制される。
カートリッジ4をカートリッジ装着部6から取り外す際には、以下の手順となる。まず、利用者によって装着状態におけるカートリッジ4が装着方向へ押し込まれる。これにより、係止ピン737が係合壁114から離れて固定構造49と装置側固定構造75との係合が解除される。すると、液体供給機構640が有する付勢部材の付勢力によって、カートリッジ4が取り外し方向(+Y軸方向)に移動する。これにより、係止ピン737が出口部116を通って受入部101に到達する。
カートリッジ4K(図10)は、さらに、回路基板50と、流通口配置孔445と、液体導出用流体受部957と、第1の撹拌用流体受部958と、第2の撹拌用流体受部959と、を有する。ここで、第2面41のうち、第1側面43に接続された面を第2上面41Aとも呼び、第2側面44に接続された面を第2下面41Bとも呼ぶ。
回路基板50は、前面42と第2上面41Aとを繋ぐ面である端子配置部80に配置されている。端子配置部80は、装着方向(−Y軸方向)に対して傾斜する傾斜面(傾斜壁)484と、傾斜面484と第2上面41Aとを繋ぐ接続面(接続壁)482とを有する。傾斜面484は、+Z軸方向成分と−Y軸方向成分とを含む方向を向くように傾斜している。接続面482は、装着状態において、水平な面である。回路基板50は、傾斜面484に配置されている。回路基板50は、第1の位置決め部422よりも鉛直上方向側に配置されている。回路基板50の表面50faには、装置側端子部69の装置側端子692(図3)と接触するカートリッジ側端子52が配置されている。カートリッジ側端子52は、複数の装置側端子692に対応して複数(本実施形態では9つ)設けられている。装着過程において、装置側端子692とカートリッジ側端子52との接触は、位置決め係合開始時点よりも後に開始される。
回路基板50の裏面には記憶装置が設けられている。記憶装置は、カートリッジ4Kのインクに関する情報(例えば、インク残量や収容するインク色)等を格納する。カートリッジ側端子52が、印刷装置20の装置側端子692と接触することで、例えば、データ信号の授受が記憶装置と印刷装置20の制御部230との間で行われる。
流通口配置孔445は、前面42に形成されている。詳細には、カートリッジ4Kの装着状態において、流通口配置孔445は鉛直方向について第1の位置決め部422と第2の位置決め部424との間に位置する。流通口配置孔445は、液体導出部414を受け入れている。流通口配置孔445には、少なくとも液体導出部414の一端(先端)である開口部が配置されている。
液体導出用流体受部957と、第1の撹拌用流体受部958と、第2の撹拌用流体受部959とは、前面42に設けられた凹部90内に配置されている。凹部90の底面は、第2下面41Bである。凹部90の第2下面41Bと対向する側は開口している。液体導出用流体受部957と、第1の撹拌用流体受部958と、第2の撹拌用流体受部959とは、カートリッジ4Kの装着状態における鉛直方向について、流通口配置孔445と第2の位置決め部424との間に位置する。
液体導出用流体受部957は、筒状部材である。液体導出用流体受部957の基端側部分(+Y軸方向側部分)は、内部室440(図8)で開口している。液体導出用流体受部957の先端側部分(−Y軸方向側部分)は、装着状態において、液体供給用加圧部67(図3)内に挿入されることによって液体供給用加圧部67に接続される。液体導出用流体受部957は、液体供給用加圧部67を介してプリンター20から供給される加圧流体(加圧空気)を受ける。供給された加圧流体は、液体導出用流体受部957を通って内部室440を加圧する。
第1の撹拌用流体受部958は、筒状部材である。第1の撹拌用流体受部958の基端側部分(+Y軸方向側部分)は、第1の流体流通部406の他端部406A(図8)に接続されている。第1の撹拌用流体受部958の先端側部分(−Y軸方向側部分)は、カートリッジ4Kの装着状態において、第1の撹拌用加圧部70内に挿入されることによって第1の撹拌用加圧部70に接続される。第1の撹拌用流体受部958は、第2流体流通路227K2(図1)と第1の撹拌用加圧部70を介して加圧流体(加圧空気)を受ける。第1の撹拌用流体受部958、第1の流体流通部406(図8)を介して第1の撹拌部403に加圧空気が導入される。
第2の撹拌用流体受部959は、筒状部材である。第2の撹拌用流体受部959の基端側部分(+Y軸方向側部分)は、第2の流体流通部408の他端部408A(図8)に接続されている。第2の撹拌用流体受部959の先端側部分(−Y軸方向側部分)は、カートリッジ4Kの装着状態において、第2の撹拌用加圧部72内に挿入されることによって第2の撹拌用加圧部72に接続される。第2の撹拌用流体受部959は、第3流体流通路227K3(図1)と第2の撹拌用加圧部72を介して加圧流体(加圧空気)を受ける。第2の撹拌用流体受部959、第2の流体流通部408(図8)を介して第2の撹拌部407に加圧空気が導入される。
ここで、液体導出用流体受部957と、第1の撹拌用流体受部958と、第2の撹拌用流体受部959との少なくとも1つが課題を解決するための手段に記載の「流体受部」に相当する。
A−4.各部の位置関係について:
図15は、第2の位置決め部424と固定構造49との位置関係を説明するための図である。カートリッジ4Kの装着状態において、鉛直方向(Z軸方向)における第2の位置決め部424が位置する範囲を範囲424Raとし、鉛直方向における第3部424C及び第4部424Dが位置する範囲を範囲424Rbとする。また、カートリッジ4Kの装着状態において、鉛直方向(Z軸方向)における固定構造49が位置する範囲を範囲49Rとする。
カートリッジ4Kは、範囲424Raの少なくとも一部と範囲49Rの少なくとも一部とが鉛直方向において重なる関係を有する。つまり、カートリッジ4Kの装着状態において、固定構造49の少なくとも一部と、第2の位置決め部424の少なくとも一部とは同じ高さ位置に配置されている。また、本実施形態では、カートリッジ4Kは、範囲424Rbの少なくとも一部と範囲49Rの少なくとも一部とが鉛直方向において重なる関係を有する。つまり、カートリッジ4Kの装着状態において、第3部424Cと第4部424Dの少なくとも一部と、固定構造49の少なくとも一部とは同じ高さ位置に配置されている。
また、固定構造49は、第2の位置決め部424に隣接している。本実施形態では、カートリッジ4Kを装着方向(−Y軸方向)側から見たときに、固定構造49と第2の位置決め部424とはX軸方向に隣接している。カートリッジ4Kの幅を幅4Waとし、X軸方向における第2の位置決め部424と固定構造49との距離を距離4Wbとする。幅4Wbは、幅4Waよりも十分に小さいことが好ましい。この詳細は後述する。
図16は、図11のF11−F11部分断面図である。図16には、第1の位置決め部422と第2の位置決め部424とを破線で図示している。また、+X軸方向側に位置する液体導出用流体受部957(図11)は、図16の断面図において、第1の撹拌用流体受部958の+X軸方向側に位置する。
第1の位置決め部422と第2の位置決め部424と固定構造49と液体導出部414と液体導出用流体受部957とは、所定平面PLを通る位置に配置されている。所定平面PLは、中心軸CLと交差する平面である。本実施形態では、所定平面PLは、中心軸CLに直交する平面である。また、第1の撹拌用流体受部958と第2の撹拌用流体受部959も、所定平面PLを通る位置に配置されている。
A−5.カートリッジ4C,4M,4Yの構成について:
カートリッジ4C,4M,4Yは、第1と第2の撹拌用流体受部958,959(図10)と、第1と第2の撹拌用部材402,404(図8)とを有さない点、及び、液体収容部412に収容されるインク量が少ない点においてカートリッジ4Kと異なる。その他の構成についてはカートリッジ4C,4M,4Yとカートリッジ4Kとは同一の構成である。よって、カートリッジ4C,4M,4Yの詳細構成については説明を省略する。
A−6.効果:
図15に示すように、第2の装置側位置決め部84と第2の位置決め部424との間には隙間が生じ得る。この隙間などによって、位置決め係合開始時点からカートリッジ4Kの装着が完了するまでの間において、第1の位置決め部422を中心として装着方向と交差する交差方向にカートリッジ4Kがガタつく場合がある。本実施形態では、カートリッジ4Kのうち第2の位置決め部424側は、X軸方向成分及びZ軸方向成分を含む方向R424にガタつく場合がある。本実施形態によれば、固定構造49の少なくとも一部と、第2の位置決め部424の少なくとも一部とは同じ高さ位置に配置されている(図15)。これにより、装着方向と交差する交差方向におけるカートリッジ装着部6に対する固定構造49の位置ズレを抑制できる。よって、装置側固定構造75と固定構造49との係合を円滑に行うことができる。例えば、装着過程において、カートリッジ4Kが方向R424にガタつくことによって、装置側固定構造75の係止ピン737が固定構造49の溝を形成する壁に衝突する可能性を低減できる。
ここで、カートリッジ4Kのカートリッジ装着部6への着脱過程において、第3部424C及び第4部424DはX軸方向において第2の装置側位置決め部84を挟む。すなわち、第3部424C及び第4部424Dは、第2の装置側位置決め部84と協働して着脱過程におけるカートリッジ4Kの方向R424へのガタつきを規制する部分である。本実施形態によれば、固定構造49の少なくとも一部と、第3部424C及び第4部424Dの少なくとも一部とが、鉛直方向において同じ高さ位置に配置されている(図15)。これにより、装着方向と交差する交差方向におけるカートリッジ装着部6に対する固定構造49の位置ズレをより抑制できる。
また、図15において、範囲424Raと範囲424Rbとが鉛直方向において重なる範囲(重複範囲)は、範囲424Raの1/4以上であることが好ましく、範囲424Raの1/3以上であることがより好ましく、範囲424Raの1/2以上であることがより一層好ましい。こうすることで、装着方向と交差する交差方向における固定構造49の位置ズレをより一層抑制できる。
また、本実施形態では、固定構造49は、カートリッジ4Kの装着状態において、鉛直下方向側が開口する溝構造である(図13)。これにより、装置側固定構造75をカートリッジ4Kよりも鉛直下方向側に形成できることから、X軸方向(カートリッジ4の幅方向)に沿って複数のカートリッジ4Kを装着可能なカートリッジ装着部6におけるX軸方向の大型化を抑制できる。
また、本実施形態では、固定構造49が形成された第2側面(底面)44は、第3側面45や第4側面46よりも表面が小さい。これにより、第2側面44は第3側面45や第4面46よりも剛性が高くなるため、外力によって変形しにくい。外力によって変形しにくい第2側面44に固定構造49が形成されることによって、装置側固定構造75と固定構造49との係合をより円滑に行うことができる。
また、上記実施形態によれば、固定構造49は溝構造を有し、挿入経路49Aと抜取経路49Bとが異なる経路である(図12,図14)。上記実施形態では、装着方向と交差する交差方向におけるカートリッジ4Kの位置ズレを抑制できるため、装置側固定構造が挿入経路49Aと抜取経路49Bとを滑らかに移動することができる。これにより、カートリッジ4Kのカートリッジ装着部6の着脱動作を円滑に行うことができる。
また、上記実施形態によれば、固定構造49と第2の位置決め部424とは隣接している(図15)。これにより、第2の位置決め部424に対する固定構造49の配置位置の精度を向上できる。一般に、ケース8は、温度や湿度などの環境変化によって膨張や収縮などの変形が生じ得る。ここで、固定構造49は、第2の位置決め部424と隣接しているため、ケース8の変形に起因する第2の位置決め部424に対する固定構造49の位置ズレを抑制できる。これにより、カートリッジ4Kのカートリッジ装着部6への着脱動作をより円滑に行うことができる。ここで、カートリッジ4Kにおいて、距離4Wbは、幅4Waの1/10以下であることが好ましく、幅4Waの1/15以下であることがさらに好ましい。こうすることで、ケース8の変形に起因する第2の位置決め部424に対する固定構造49の位置ズレをさらに抑制できる。
また、上記実施形態によれば、第1の位置決め部422と、第2の位置決め部424と、固定構造49と、液体導出部414と、流体受部957,958,959とは、所定平面PLを通る位置に配置されている(図16)。これにより、固定構造49、液体導出部414、及び、流体受部957,958,959のそれぞれにおいて、カートリッジ装着部6に対する位置がズレる可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、鉛直方向について、第1の位置決め部422は、回路基板50と液体導出部414との間に位置する(図10)。これにより、回路基板50のカートリッジ側端子52と装置側端子692との位置ズレを抑制できる。本実施形態では、回路基板50は、前面42と第2上面41Aとを繋ぐ端子配置部80に形成されている。これにより、前面42に回路基板50が配置される場合に比べ、回路基板50のカートリッジ側端子52と第1の位置決め部422との位置を近づけることができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B−1.第1変形例:
上記実施形態では、カートリッジ4は、プリンター20に供給される液体供給源としての液体収容体410を有していたが(図8)、これに限定されるものではなく省略しても良い。図17は、第1変形例としてのカートリッジ4aを説明するための図である。カートリッジ4aは、液体供給装置1000の一構成要素である。液体供給装置1000は、カートリッジ4aと、液体供給ユニット900とを有する。液体供給ユニット900は、カートリッジ4aの外側に配置された液体供給源としてのタンク910と、流通口配置孔445内に配置される液体導出部414と、タンク910と液体導出部414との連通させる接続部材(チューブ)912と、を有する。なお、液体導出部414は、カートリッジ4aの構成要素として捉えても良い。液体供給ユニット900が備えるポンプ(図示せず)によってタンク910のインクが液体導出部414に向かって供給される。
カートリッジ4aは、図7に示すカートリッジ4Kのうち、+Y軸方向側部分を省略した外観を呈する。つまり、カートリッジ4aの後面47は開口している。また、カートリッジ4aは、内側にシート部材430や液体収容部412や第1の撹拌用部材404や第2の撹拌用部材404(図8)は収容されていない。また、カートリッジ4aは、液体導出用流体受部957,第1の撹拌用流体受部958,第2の撹拌用流体受部959を有さなくても良いし、有していても良い。
このようにしても、上記実施形態と同様の構成を有する点において同様の効果を奏する。例えば、カートリッジ4aにおいて、固定構造49の少なくとも一部と、第2の位置決め部424の少なくとも一部とは同じ高さ位置に配置されている。これにより、装着方向と交差する交差方向におけるカートリッジ装着部6に対する固定構造49の位置ズレを抑制できる。
B−2.第2変形例:
上記実施形態及び第1変形例では、カートリッジ4,4aは、回路基板50を有していたが省略してしても良い。
上記実施形態おいて、カートリッジ4Kは、液体収容部412を撹拌するための要素958(図10),959(図10),402(図8),404(図8)を有していたが省略して良い。また、カートリッジ4C,4M,4Yは、液体収容部412を撹拌するための要素958(図10),959(図10),402(図8),404(図8)を有していても良い。また、カートリッジ4は、加圧流体によってインクをプリンター20へと供給する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、液体導出用流体受部957や密閉空間である加圧室としての内部室440を省略し、プリンター20の液体流通路223の途中に設けられた吸引機構(例えば、ポンプ)などによって、インクがプリンター20の記録ヘッド225へと供給されても良い。
B−3.第3変形例:
上記実施形態において、カートリッジ4の構成を鉛直方向において逆にしても良い。すなわち、第2側面44が上面を構成し、第1側面43が底面を構成して良い。この場合、カートリッジ装着部6側の対応する要素も上下逆の配置となる。本変形例は以下の態様として実施できる。形態中の括弧書きに記載する数字は、上記実施形態で用いた符号を記載している。
[態様1]
カートリッジ(4)を装着するためのカートリッジ装着部(6)であって、カートリッジ(4)の位置決めを行うための第1の装置側位置決め部(82)と、前記第1の装置側位置決め部(82)よりも鉛直上方向側(+Z軸方向側)に位置し、前記カートリッジ(4)の位置決め部を行うための第2の装置側位置決め部(84)と、前記カートリッジ(4)を前記カートリッジ装着部(6)に固定するための装置側固定構造(75)と、前記カートリッジ装着部(6)に装着可能なカートリッジ(4)であって、
前記第1の装置側位置決め部(82)と係合するための第1の位置決め部(422)と、
前記第2の装置側位置決め部(84)と係合するための第2の位置決め部(424)と、
前記装置側固定構造(75)と係合するための固定構造(49)であって、前記カートリッジ装着部(6)に前記カートリッジ(4)が装着された前記カートリッジ(4)の装着状態において、鉛直上方向側が開口する固定構造(49)と、備え、
前記装着状態において、前記固定構造(49)の少なくとも一部と前記第2の位置決め部(424)の少なくとも一部とは同じ高さ位置に配置されている。
この態様1によれば、固定構造の少なくとも一部と、第2の位置決め部の少なくとも一部とは同じ高さ位置に配置されているため、装着方向と交差する交差方向における固定構造の位置ズレを抑制できる。
また、上記態様1について、さらに、上記形態(2)〜(5)の少なくとも一部を組み入れても良い。
B−4.第4変形例:
上記実施形態及び変形例では、カートリッジ4,4aは、プリンター20にインクを供給するために用いられていたが、他の液体を噴射する液体噴射装置に本発明を適用しても良い。液体噴射装置を以下に列挙する。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射記録装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を消費する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射記録装置又は液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体消費記録装置又は液体噴射装置(液体消費装置)が液体を噴射できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、紫外線を照射して硬化可能なUVインクをこの液体収容部に収容してプリンターに接続した場合は、設置面から液体収容袋が浮くため、設置面の熱が液体収容部に伝って硬化する可能性が低減する。
B−5.第5変形例:
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や変形例の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。