JP6054197B2 - コネクタモジュールの補強装置 - Google Patents
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Description
一方で、各種電子機器やコネクタモジュール間での互換性を持たせるために、電子機器の筐体とコネクタモジュールのハウジングとの間、また筐体の開口部とオス側コネクタとの間等には、クリアランスが設けられている。このクリアランスの存在により、コネクタモジュールに外力が作用した場合に、メス側コネクタに対してコネクタモジュールががたつき、オス側コネクタが抜けたり、メス側コネクタとオス側コネクタの電気的接続が損なわれ、信号通信障害が生じたりする恐れがある。
また、特許文献2に記載の構成では、電子機器の筐体側及びオス側コネクタのハウジング側の双方に専用の設計が必要になるため、汎用性が低く、また製造コストが高いという問題がある。
すなわち、本発明のコネクタモジュールの補強装置は、電子機器における筐体の開口部を通して外部に向けて露出する電子機器側コネクタに挿抜可能に接続されるコネクタモジュールの補強装置であって、前記コネクタモジュールのうち、前記筐体に対して外側に位置する外側部分に装着され、前記筐体の外面に突き当たる突当部を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、コネクタモジュールの外側部分に、こじり方向(電子機器側コネクタへの挿抜方向に直交する方向)への外力等が加わった場合、突当部が筐体の外面に突き当たることで、コネクタモジュールのこじり方向へのがたつきを抑制できる。
また、コネクタモジュールの外側部分および補強装置に対して、こじり方向に作用した外力は、補強装置の突当部を介して筐体の外面に分散される。これにより、電子機器側コネクタとコネクタモジュールとの嵌合部や、各コネクタの回路基板(例えば、電子機器側コネクタの回路基板)に応力が作用するのを防ぎ、これら嵌合部や回路基板等の破損、電気接触不良による信号通信障害を防ぐことができる。
しかも、単にコネクタモジュールに装着するのみで、コネクタモジュールや筐体側に専用の設計が必要ないので、製造コストを抑えた上で、高い汎用性を有する。
この構成によれば、突当部から突設された張出部を備えているため、補強装置と筐体との接触面積を向上させ、コネクタモジュールのがたつきを確実に抑制できる。
この構成によれば、スリーブ内での外側部分の位置を固定できるため、外側部分または補強装置に、こじり方向への外力等が加わった場合、スリーブと外側部分との位置ずれを抑制できる。そのため、コネクタモジュールのこじり方向へのがたつきを長期に亘って確実に抑制できる。
この構成によれば、ねじ部材の締め付けを調整することで、ねじ部材の先端とスリーブの内面のうち、ねじ部材と対向する部分との間の距離を可変できる。そのため、スリーブ内に挿入できる大きさのハウジングであれば、外形の異なる種々の外側部分をスリーブ内に固定することができ、汎用性をさらに高めることができる。
この構成によれば、コネクタモジュールに補強装置を装着する際、スリーブ内にコネクタモジュールの外側部分を挿入すると、少なくとも第1挟持部材が外側部分によって第2挟持部材に対して離間する方向に押圧されることで弾性変形する。これにより、第1挟持部材の付勢力によって第1挟持部材及び第2挟持部材間に外側部分が挟持された状態で、補強装置を外側部分に装着することができる。これにより、外形の異なる種々の外側部分をスリーブ内に固定することができ、汎用性をさらに高めることができる。
さらに、外側部分をスリーブ内に挿入するだけで補強装置をコネクタモジュールに装着することができるので、補強装置の装着作業を容易に行うことが可能となる。
この構成によれば、第2ねじ部材を締め付けることで、第2ねじ部材の頭部と他方の挟持部材との距離が接近する。このように、第2ねじ部材の締め付けを調整することで、挟持部材間の距離を調整することができるので、外形の異なる種々の外側部分をスリーブ内に固定することができ、汎用性をさらに高めることができる。
この構成によれば、外側部分のうち電子機器側コネクタ側に位置する端部が収容部内に収容されることで、コネクタモジュールのがたつきを確実に抑制できる。
この構成によれば、筐体に対するコネクタモジュールの位置ずれを拘束することが可能となり、さらにがたつきを抑えることができる。
(第1実施形態)
図1、図2は本発明の第1実施形態の構成を示す図であり、電子機器の筐体10内に設けられたメス側コネクタ(電子機器側コネクタ)20に対し、筐体10の開口部12を通して外方からオス側コネクタ30が嵌合している状態を示す図である。
これらの図1、図2に示すように、メス側コネクタ20は、筐体10内に設けられた回路基板21と、回路基板21上に実装されたメス側コネクタハウジング22と、を備えている。
ガイド筒部22bは、その開口端縁が筐体10の内面に近接または当接しており、筐体10の内側から開口部12を取り囲むように配置されている。これにより、受容凹部23が開口部12を通して外部に向けて露出している。なお、図示の例において、開口部12は、ガイド筒部22bよりも大きくなっている。
舌部30bは、例えば樹脂材料等からなり、図示しない接続端子がモールドされている。接続端子は、その一端部がハウジング32内で後述する回路基板に電気的に接続され、他端部が舌部30bの表面に露出している。そして、舌部30bは、受容凹部23内でメス側コネクタ20の舌部22cと厚さ方向で重なり合っており、互いの接触端子同士が電気的に接続されている。
アウターカバー40は、両端が開口した矩形筒状のスリーブ41と、スリーブ41の一端部から外側に向けて張り出す張出部42と、が一体に形成されたものである。
そして、これらねじ孔43には、それぞれねじ部材(固定手段)44がスリーブ41の外側から螺着されている。これらねじ部材44は、その軸部44aがねじ孔43を通してスリーブ41内を進退可能とされている。そして、ねじ部材44における軸部44aの先端部と、ハウジング32の内面と、の間でハウジング32が短辺方向S2に挟持されている。
次に、上述したアウターカバー40の使用方法について説明する。
まず、USBデバイス31のハウジング32をアウターカバー40のスリーブ41内に挿入する。このとき、スリーブ41の一端部をハウジング32に対してオス側コネクタ30側に突出させた状態とする。この状態で、アウターカバー40側のねじ部材44を締め付け、軸部44aの先端部をハウジング32の外面に突き当てる。これにより、スリーブ41内でのスリーブ41に対するUSBデバイス31の位置を固定する。
これにより、USBデバイス31へのアウターカバー40の装着が完了する。
この構成によれば、USBデバイス31のハウジング32またはアウターカバー40に、こじり方向(挿抜方向Lに直交する長辺方向S1および短辺方向S2)への外力等が加わった場合、突当部41aおよび張出部42が筐体10の外面に突き当たることで、USBデバイス31のこじり方向へのがたつきを抑制できる。
また、USBデバイス31のハウジング32またはアウターカバー40に対して、こじり方向に作用した外力は、アウターカバー40の突当部41aおよび張出部42を介して筐体10の外面に分散される。これにより、メス側コネクタ20とオス側コネクタ30との嵌合部や、各コネクタ20,30の回路基板(例えば、メス側コネクタ20の回路基板21)に応力が作用するのを防ぎ、これら嵌合部や回路基板等の破損、電気接触不良による信号通信障害を防ぐことができる。
さらに、オス側コネクタ30は、単に挿抜方向Lに移動させることで、挿抜を容易に行うことができる。
この構成によれば、スリーブ41内でのハウジング32の位置を固定できるため、ハウジング32またはアウターカバー40に、こじり方向への外力等が加わった場合、スリーブ41とハウジング32との位置ずれを抑制できる。そのため、USBデバイス31のこじり方向へのがたつきを長期に亘って確実に抑制できる。
さらに、ねじ部材44の締め付けを調整することで、ねじ部材44の先端部とスリーブ41の内面のうち、ねじ部材44と対向する部分との間の距離を可変できる。そのため、スリーブ41内に挿入できる大きさのハウジング32であれば、外形の異なる種々のハウジング32をスリーブ41内に固定することができ、汎用性をさらに高めることができる。
図3は、第1実施形態に係るコネクタの接続構造の変形例を示す斜視外観図である。上述した第1実施形態では、アウターカバー40を一体に形成した場合について説明したが、これに限らず、分割構成しても構わない。
図3に示すように、アウターカバー40’のスリーブ41’は、短辺方向S2に沿う一方側に開放された断面C字状の第1カバー部材46と、第1カバー部材46を閉塞するように組み付けられた断面C字状の第2カバー部材47と、を備えている。
これにより、外形の異なる種々のハウジング32をスリーブ41’内に固定することができ、汎用性をさらに高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2実施形態においては、上述した第1実施形態と共通する構成、例えばメス側コネクタ20やUSBデバイス31の構成については、図中に同符号を付してその説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施形態に係るコネクタの接続構造を示す側断面図、図5は、図4の斜視断面図である。
図4、図5に示すように、本実施形態のアウターカバー(補強装置)50は、上述した第1実施形態と同様に両端が開口した矩形筒状のスリーブ55と、スリーブ55の一端側の端部(突当部55a)から外側に向けて張り出す張出部56と、を備えている。
また、各板ばね部材51a,51bのうち、他方の板ばね部材51b(他方の挟持部材)の他端部には、上述したねじ部材54が螺着される雌ねじ部48が形成されている。そして、これら板ばね部材51a,51b及びねじ部材54によって本実施形態の固定手段が構成されている。
これにより、板ばね部材51a,51bの付勢力によってハウジング32が短辺方向S2に挟持された状態で、アウターカバー50をUSBデバイス31に装着することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、以下に説明する第3実施形態においては、上述した第2実施形態と共通する構成ついては、図中に同符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第3実施形態に係るコネクタの接続構造を示す側断面図、図7は、図6の斜視断面図である。
図6、図7に示すように、本実施形態のアウターカバー(補強装置)50’では、スリーブ55’における他端側の端部に、それぞれ短辺方向S2の内側に向けて突出する一対の台座部53が形成されている。そして、各台座部53のうち、一方の台座部53には、スリーブ55を短辺方向S2に沿って貫通する貫通孔57が形成され、他方の台座部53には、スリーブ55内に向けて開口するねじ孔58が形成されている。そして、ねじ孔58には、貫通孔57を通してねじ部材54’が螺着されている。
これにより、板ばね部材51’の付勢力によってハウジング32が短辺方向S2に挟持された状態で、アウターカバー50をUSBデバイス31に装着することができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、以下に説明する第4実施形態においては、上述した各実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の第4実施形態に係るコネクタの接続構造を示す側断面図であり、図9は、図8の斜視外観図である。
図8、図9に示すように、本実施形態において、USBデバイス31におけるオス側コネクタ30のうち、筐体10に対して外側に位置する外側部分には、フランジプレート(補強装置)60が装着されている。
次に、フランジプレート60が装着されたUSBデバイス31を電子機器に接続する。これにより、USBデバイス31のハウジング32と筐体10との間にフランジプレート60が挟持された状態で、電子機器のメス側コネクタ20と、USBデバイス31のオス側コネクタ30とが嵌合する。
次に、第4実施形態の変形例について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係るコネクタの接続構造の変形例を示す側断面図、図11は、図10の斜視外観図である。
図10、図11に示すフランジプレート(補強装置)60’は、上述した挿入孔60aを有するプレート本体61と、プレート本体61に連設されたハウジング収容部62と、を有している。
その後、フランジプレート60’が装着されたUSBデバイス31を電子機器に接続する。これにより、USBデバイス31のハウジング32と筐体10との間にフランジプレート60’が挟持された状態で、電子機器のメス側コネクタ20と、USBデバイス31のオス側コネクタ30とが嵌合する。
図12、図13に示すフランジプレート(補強装置)60’’は、オス側コネクタ30のガイド筒部30aに対して短辺方向S2の両側に一対のプレート部材63を備えている。
プレート部材63は、USBデバイス31のハウジング32と筐体10との間に配置されるプレート本体64と、プレート本体64から突設された凸部65と、を備えている。そして、プレート本体64において、筐体10の外面と対向する面が、本実施形態の突当部を構成している。
なお、この凸部65は、図8〜図11に示したフランジプレート60、60’にも同様に形成することができる。また、上述した変形例では、短辺方向S2の両側に凸部65を形成した場合について説明したが、長辺方向S1の両側や、長辺方向S1および短辺方向S2の全周に亘って凸部65を設けても構わない。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、以下に説明する第5実施形態においては、上述した第1〜第4実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図14は、本発明の第5実施形態に係るコネクタの接続構造を示す側断面図、図15は、図14の斜視外観図である。
図14、図15は、本実施形態において、電子機器の筐体10内に設けられたメス側コネクタ(電子機器側コネクタ)70に対し、筐体10の外方からSIM(Subscriber Identity Module)モジュール(コネクタモジュール)80が嵌合している状態を示す図である。
また、ハウジング82は、オス側コネクタ81がメス側コネクタ70に嵌合された状態において、筐体10の外側に突出した状態で保持されている。また、この場合、ハウジング82と筐体10との間には、オス側コネクタ30の挿抜方向Lに沿うクリアランスCが設けられている。
その後、SIMモジュール80の基板81aをメス側コネクタ70のガイド筒部72aに、開口部12を通して挿入する。これにより、各コネクタ70,81の接触端子同士が電気的に接続された状態で、各コネクタ70,81が嵌合する。
図16は、本発明の第4実施形態に係るコネクタの接続構造の変形例を示す側断面図である。
図16に示すSIMモジュール80には、図12に示したのと同様のフランジプレート60’’が装着されている。
すなわち、オス側コネクタ81の基板81aに対して短辺方向S2の両側に一対のプレート部材63が装着されている。そして、ハウジング82と筐体10との間にプレート本体64が配置され、開口部12内に凸部65が配置されるようになっている。
上述した実施形態では、USBデバイス31やSIMモジュール80等、スティック状あるいはカード状のコネクタモジュールに本発明の補強装置を装着した場合について説明したが、これに限られない。例えば、電子機器と周辺機器を接続するための接続コードの先端に設けられたUSBコネクタやHDMI(High−Definition Multimedia Interface)コネクタ等のコネクタモジュールに対して、本発明の補強装置を装着する構成としても構わない。
さらに、上述した実施形態で説明したUSBデバイス31やSIMモジュール80以外の記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)カード等)に、本発明の補強装置を装着する構成としても構わない。
さらに、上述した第1実施形態では、アウターカバー40のスリーブ41に張出部42を形成し、スリーブ41の突当部41aおよび張出部42を筐体10の外面に近接または当接させる構成について説明したが、これに限らず、張出部42を形成せずに、単にスリーブ41の突当部41aを筐体10に近接または当接させる構成であっても構わない。
さらに、上述した第1,2実施形態では、固定手段としてねじ部材44,45や板ばね部材51a,51b,51’を用いてハウジング32をスリーブ内に固定する構成としたが、これに限らず、嵌め込み構造とする等、適宜他の手法で固定するようにしてもよい。
Claims (6)
- 電子機器における筐体の開口部を通して外部に向けて露出する電子機器側コネクタに挿抜可能に接続されるコネクタモジュールの補強装置であって、
前記コネクタモジュールのうち、前記筐体に対して外側に位置する外側部分に装着され、前記筐体の外面に突き当たる突当部と、
前記外側部分を挿入可能な筒状のスリーブと、
前記スリーブ内での前記外側部分の位置を固定する固定手段と
を備え、
前記固定手段は、前記スリーブの内外を貫通するように前記スリーブに螺着された第1ねじ部材を備え、
前記第1ねじ部材の先端と前記スリーブの内面との間で前記外側部分を挟持する
ことを特徴とするコネクタモジュールの補強装置。 - 電子機器における筐体の開口部を通して外部に向けて露出する電子機器側コネクタに挿抜可能に接続されるコネクタモジュールの補強装置であって、
前記コネクタモジュールのうち、前記筐体に対して外側に位置する外側部分に装着され、前記筐体の外面に突き当たる突当部と、
前記外側部分を挿入可能な筒状のスリーブと、
前記スリーブ内での前記外側部分の位置を固定する固定手段と
を備え、
前記固定手段は、前記スリーブ内において前記外側部分を挟持する第1挟持部材及び第2挟持部材を備え、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材のうち、少なくとも前記第1挟持部材は、前記第2挟持部材に向けて付勢されている
ことを特徴とするコネクタモジュールの補強装置。 - 前記固定手段は、前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材のうち、一方の前記挟持部材に形成された貫通孔を通して、他方の前記挟持部材の雌ねじ部に螺着される第2ねじ部材を備えている
ことを特徴とする請求項2記載のコネクタモジュールの補強装置。 - 前記突当部には、前記筐体の前記外面に沿う面内に向けて張出部が突設されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタモジュールの補強装置。 - 前記コネクタモジュールは、前記突当部を貫通して前記電子機器側コネクタに挿入されるものであり、
前記突当部には、前記コネクタモジュールが貫通された際に、前記外側部分のうち前記電子機器側コネクタ側に位置する端部を覆うよう収納する収容部が連設されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタモジュールの補強装置。 - 前記突当部は、前記開口部内に配置される凸部を備えている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタモジュールの補強装置。
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