まず、本発明の遊技機管理装置であるホールコンピュータ140が適用された本実施例の遊技用システムの構成は、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機であるカードリーダ(CR)式パチンコ機(以下、単にパチンコ機と略記)2と、該パチンコ機2に対して1対1に対応設置されるプリペイドカードであるビジターカードまたはプリペイドカード機能を有する会員カードを、遊技媒体であるパチンコ玉の貸出しや貯玉の再使用(再プレイ)に使用可能とするためのカードユニット3と、各パチンコ機2から出力される当該遊技機の機種名や搭載されている中央演算処理装置(CPU)のチップID(遊技機ID)を含む機種情報や該パチンコ機2における遊技にて発生した遊技情報等の各種情報が入力される台端末5、該台端末5に入力された遊技情報等の各情報を、接続されている各台端末5から更に収集する各遊技島毎に設置された島端末6と、各島端末6にて収集された当該遊技場に設置されている各パチンコ機2に関する情報を受信し、該受信した各パチンコ機2の情報に基づいて各パチンコ機2の機種、チップID(遊技機ID)、遊技状態、賞球数、打込玉数、始動回数、大当り回数、確変回数、遊技結果履歴等の各パチンコ機2に関する情報を管理するホールコンピュータ140とから主に構成されている。
本実施例のパチンコ機2と台端末5とは、図1並びに図4に示すように信号ケーブル9を介して接続されており、各台端末5はさらに通信ケーブル10を介して島端末6と接続されており、これら台端末5と島端末6とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、島端末6からのデータ出力指示に基づいて、台端末5が各パチンコ機2等から出力される後述する各種の信号の入力により収集した各種の情報を島端末6に対して送信するようになっている。
更に、これら各島端末6はハブ7を介して通信ケーブル8にてホールコンピュータ140に接続されていて、島端末6とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、前記島端末6にて各台端末5から収集(受信)された各パチンコ機2の遊技情報を含む台情報データがまとめられて、ホールコンピュータ140の要求に応じて所定時間毎に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各パチンコ機2に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
つまり、本実施例では、台端末5とホールコンピュータ140とは、各島端末6はハブ7を介して双方向のデータ通信が可能とされている。
まず、本実施例に用いたパチンコ機2について説明すると、本実施例に用いたパチンコ機2は、図2に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠22を有し、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23がある。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられているとともに、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と打球を発射する打球操作ハンドル(以下操作ノブ)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27の向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28と、その中央付近には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した場合には、各入賞口に応じた賞球が図示しない玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域27に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流されるようになっている。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば○)となった場合に、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して遊技者にとって有利な状態となる。
また、始動入賞口34にパチンコ玉が入賞すると、特図可変表示部28において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出可変表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、演出可変表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止し、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(たとえば777)とされることで、特定遊技状態(大当り状態)が発生するとともに、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば29秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
そして該第1の状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
特図可変表示部28の表示結果並びに演出可変表示部29の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか或いは次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄および演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
本実施例のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための情報出力基板298が搭載されており、該情報出力基板298と台端末5とが、信号ケーブル9を介して接続されており、情報出力基板298からは、図4に示すように、大当り状態中であることを示す大当り信号1や、大当り状態或いは確率変動状態或いは時短状態のいずれかの状態であることを示す大当り信号2や、時短状態中であることを示す時短信号や、扉開放検出スイッチ25にて検出されるガラス扉枠22が開放中であることと示す扉開放信号とともに、演出可変表示部29における可変表示の表示が確定したことを示すスタート信号(始動信号)並びに後述する賞球信号(中継)を、所定の信号形態にて出力するとともに、遊技制御基板231に実装されている遊技制御マイコン232の内部ROM232’に記憶されているチップIDや機種名やメーカーIDを含む機種情報が、信号ケーブル9を介して台端末5に出力される。
また、信号ケーブル9には、前記した各信号線とは個別とされ、情報出力基板298と台端末5との間においてシリアルデータ通信を行うためのデータ信号線が含まれており、これらデータ信号線を通じて、情報出力基板298から台端末5に対して、所定バイト数のデータとしてメーカーIDと機種名とチップID(遊技機ID)とを含む、本発明における機種特定データ信号となる機種情報データ信号が、図11に示すように、パチンコ機2に電源が投入されてパチンコ機2が起動した時点から所定秒数X(例えば、10秒)が経過した時点において出力される。尚、本実施例のパチンコ機2は、電源投入後、機種情報データ信号の出力を完了してから、大当り信号1、大当り信号2、時短信号等の各信号の出力を開始する。
具体的に、本実施例の機種情報データ信号は、図11に示すように、スタートビット信号と、0ビット目から7ビット目までの8ビットのビットデータ信号と、パリティビット信号と、ストップビット信号と、から成る1バイトのフレーム信号列を所定数有する所定バイト数のシリアルデータ信号とされている。
つまり、本実施例のパチンコ機2は、電源投入から所定時間が経過したときには必ず機種情報データ信号が出力されるので、図11に示すように、各営業日の営業開始前において電源投入がされたときだけではなく、営業開始後において再度の電源投入がされた場合にも、必ず機種情報データ信号が出力されることから、これら機種情報データ信号の出力が有ったことにより、対応するパチンコ機2の電源投入があったことを検知することが可能となるので、これら機種情報データ信号が台端末5に対して電源投入信号として入力される。
尚、これら機種情報データ信号を電源投入信号としてのみ利用する場合は、機種情報データをデータとして利用する必要がないので、機種情報データ信号の一部のみを使用したり、あるいは、機種情報データ信号の全部を利用するがシリアルデータの復元をせずに、該シリアル信号を単なる電源の投入を特定可能な所定信号として使用するようにしても良い。
尚、遊技制御基板231に実装された遊技制御マイコン232の内部ROM232’には、上記したように、各パチンコ機2に1対1にて搭載されることでパチンコ機2並びに遊技制御マイコン232を個々に識別可能なチップIDと、該遊技制御マイコン232において実行可能に記憶されている遊技制御プログラムが対応する機種名(型式名)と、当該パチンコ機2を製造したメーカー(製造者)を特定可能なメーカーID(メーカー識別情報)とが記憶されており、これらチップIDにより、遊技制御マイコン232を個々に識別可能であるとともに当該遊技制御マイコン232が搭載されたパチンコ機2を個々に識別可能となるので、これらチップIDが本発明の遊技機IDに該当する。
また、賞球制御基板237は、信号ケーブル9の一部を通じて台端末5に接続されていて、玉払出装置297から払い出された賞球数が所定球数毎(例えば10個毎)に達する毎に所定時間幅のパルスである賞球信号を該台端末5に出力するとともに、カードユニット3内に設けられている制御ユニットにフラットケーブル(FK)を通じて、インターフェイス基板237’を介して接続されており、台端末貸出完了信号(EXS)や台READY信号(PRDY)がカードユニット3の制御ユニットに出力するようになっているとともに、該制御ユニットより出力されるカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっていて、これらの信号の授受に基づいて、該賞球制御基板237が玉払出装置297からのパチンコ玉の払い出しを実施することで、該カードユニット3のカードリーダライタに受付け中のビジターカードまたは会員カードに記録されているプリペイド残額に応じた度数を使用したパチンコ玉の貸出が、パチンコ機2において実施されるようになっている。
また、これら信号ケーブル9の一部は、パチンコ機2の下方に、該パチンコ機2において遊技に使用されたパチンコ玉(アウト玉)を計数するために設けられているアウト球計数器26(図2参照)にも接続されており、該アウト球計数器26において所定球数(本実施例では10玉)のアウト玉(打込玉)数が計数される毎に所定時間幅のパルスとして出力されるアウト玉計数信号が台端末5に入力されるようになっている。
次に、本実施例に用いた台端末5について以下に説明すると、本実施例の遊技用システムでは、4台のパチンコ機2に対して1台の台端末5が配置され、該4台のパチンコ機2等から出力される各信号を1台の台端末5にて収集し、該収集した4台のパチンコ機2に関する遊技情報(台データ)を含む台情報データを島端末6に送信するようになっている。
また、これら島端末6には、例えば、最大で44台の台端末5が接続可能とされていて、1台の島端末6にて、44(台端末5)×4(各台端末5に接続可能なパチンコ機2の台数)=176台のパチンコ機2の情報を所定期間毎(本実施例では約10秒に1回)に収集して前記ホールコンピュータ140に対して、各ホールコンピュータ140の要求に応じて送信するようになっており、前記ハブ7には最大10台の島端末6が接続可能とされていて、システム全体の総合計として176×10=1760台のパチンコ機2の情報を収集、管理できるようになっている。
本実施例の台端末5の構成は、図5(a)に示すように、第1ポート581から第4ポート584までの4つの入出力ポートを有しており、該4つのポート581〜584にそれぞれパチンコ機2並びにアウト球計数器26が接続される。
これら4つの各ポート581〜584は、台端末5の動作を制御するための制御マイコン(MPU)579に接続されており、該制御マイコン(MPU)579が各ポート581〜584における信号の入力の有無を検知することができるともに、対を成すデータ信号線からデータ用信号の入出力を実施できるようになっている。
また、制御マイコン(MPU)579には、該制御マイコン(MPU)579が実行する各種の制御を行うためのプログラムや当該台端末5のユニットIDや、ホールコンピュータ140から送信される各ポートに接続されているパチンコ機2の台番号等の設定データ等が記憶された不揮発性のEEPROM576と、制御マイコン(MPU)579が実施する各種の制御処理における記憶に使用されるとともに、図6に示す台データテーブルが記憶されるRAM575と、島端末6やホールコンピュータ140とのデータ通信を行うための通信部569が接続されており、該通信部569から図5(b)に示す送信データ列の構成とされた台情報データを、島端末6を介してホールコンピュータ140に送信することで、該台端末5が収集した台情報がホールコンピュータ140にて一元的に管理される。
また、各ポート581〜584には、図5(a)において、ポート581について例示するように、8つの信号入力部581a〜581hが設けられており、信号入力部581a、581b、581c、581d、581e、581fにそれぞれ、パチンコ機2から出力される大当り1信号、大当り2信号、時短信号、扉開放信号、スタート(始動)信号、賞球信号が、信号入力部581gにアウト球計数器26から出力されるアウト球計数信号が、信号入力部581hにパチンコ機2の情報出力基板298から出力される機種情報データ信号(シリアル信号)が入力され、該信号入力部581a、581b、581c、581d、581e、581f、581g、581hにおいて各信号の入力が検出されて信号検出に応じた出力が制御マイコン(MPU)579に出力されるようになっている。
また、RAM575に記憶されている本実施例の台データテーブルは、図6に示す構成とされており、各ポートの番号(1から4)に対応付けて、当該ポートに割り当てられている本発明における配置位置となる台番号と、該ポートに接続されているパチンコ機2から営業前の起動時において取得したチップID(遊技機ID)並びに機種名とメーカーIDと、最新の遊技状態データ(大当り信号1,大当り信号2,時短信号に基づくデータ)、当日の営業開始時からのアウト玉数(打込玉数)、賞球数、始動回数、大当り回数、確変回数、時短回数等の各データが集計記憶されており、これらのデータのうち、アウト玉数や賞球数やスタート回数等の台データと、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、扉開放信号の入力状態(信号入力は1、信号非入力は0)を示す4桁の数字からなる台状態データが、図5(b)に示すフォーマットにてホールコンピュータ140に送信される。
尚、台データテーブルにおける各ポートの台番号は、ホールコンピュータ140から送信される設定データに基づいて記憶される。
チップID(遊技機ID)並びに機種名とメーカーIDは、制御マイコン(MPU)579が、各パチンコ機2の営業開始前の起動により出力された機種情報データ信号に基づいて記憶される。
ここで、本実施例に用いたホールコンピュータ140の構成について図7に基づいて説明すると、該ホールコンピュータ140は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、受信した台情報データに含まれる各パチンコ機2から収集した台情報に基づいて、遊技機の移動の有無判定等の各種判定処理や、遊技情報テーブルの記憶データを更新する処理や、記憶されている各種のデータを表示する表示処理や、新規導入するパチンコ機2のチップID(遊技機ID)を登録する登録処理や、後述する機種情報受信処理(図15参照)等を実施するCPU142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC144、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置145、後述する電源再投入予告受付け画面における台番号等の入力の受付け等を行うためのキーボードやマウス等の入力装置146、遊技情報テーブルのデータ等を表示出力するとともに、図16に示すエラー表示を行うための表示装置147や、遊技情報テーブルのデータ等を印刷出力するためのプリンタ148、各島端末6や台端末5とのデータ通信を行う通信部149、が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置145には、CPU142が実行する処理プログラムに加えて、図8に示す遊技機テーブルや、図9(a)に示す電源再投入予告受付けテーブルや、図9(b)に示す電源再投入遊技機登録テーブルや、図10に示す遊技情報テーブルや、図示しない新規導入台テーブルが記憶されている。
本実施例の新規導入台テーブルには、図示しない新規導入台(新台)登録画面において入力された、該遊技場に新たに導入予定のパチンコ機2のチップID(遊技機ID)が事前登録されている。
本実施例の遊技機テーブルには、図8に示すように、遊技場内の配置位置である台番号毎に、当該台番号が割り当てられたパチンコ機2が接続される台端末5のユニットIDとポート番号、当該台番号が割り当てられたパチンコ機2が設置される島番号、該パチンコ機2に搭載されている遊技制御マイコン232のチップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDが記憶されている。
これら遊技機テーブルのデータは、後述するように、遊技場の開店処理において更新される。
本実施例の電源再投入予告受付けテーブルには、図9(a)に示すように、ホールコンピュータ140のオペレータが、遊技場内の係員から無線通話装置(インカム)等を介して電源再投入の予告通知を受けたパチンコ機2の台番号を、後述する電源再投入予告受付け画面において入力することに応じて、該台番号と、受付け時刻と、当該予告受付けの「有効」、「無効」の種別とが登録されている。
尚、電源再投入予告受付けテーブルの「有効」、「無効」の種別データは、台番号と、受付け時刻の登録とともに「有効」が登録されるが、CPU142が図示しない電源再投入予告受付けテーブル更新処理を実施することで、該受付け時刻から所定の有効期間が経過した時点において「無効」に更新される。
本実施例の電源再投入遊技機登録テーブルには、図9(b)に示すように、後述する機種情報受信処理において営業中の電源再投入の発生が判定されたパチンコ機2の台番号と該発生の判定時刻と判定の種別(不正か非不正)が登録される。
また、本実施例の遊技情報テーブルには、図10に示すように、パチンコ機2の各機種毎に、各パチンコ機2のチップID(遊技機ID)に対応付けて、日付と、当該日付(営業日)における該パチンコ機2の台番号と、当該日付(営業日)における総打込玉数、総賞球数、差玉数(総打込玉数−総賞球数)、総スタート回数、総大当り回数、総確変回数、総時短回数等から成る遊技情報(台データ)が記憶されており、各パチンコ機2の遊技情報が営業日毎の履歴として蓄積記憶されている。
これら総打込玉数、総賞球数、差玉数(総打込玉数−総賞球数)、総スタート回数、総大当り回数、総確変回数、総時短回数等から成る遊技情報(台データ)は、営業中において各台端末5から送信される前述した台情報データの受信に応じて該台情報データに含まれるデータ(数値)に更新される。
また、本実施例のホールコンピュータ140においては、所定の操作を実施することで、図13に示す電源再投入予告受付け画面を表示して電源再投入の予告を受付ける電源再投入予告受付け処理が実施されるようになっており、該電源再投入予告受付け画面において、電源再投入の予告通知があったパチンコ機2の台番号を登録できるようになっている。
この本実施例の電源再投入予告受付け画面には、図13に示すように、「島単位」の項目と、「台単位」の項目とが設けられており、電源の再投入を行うパチンコ機2の指定受付けを、1台単位だけではなく、島単位でも可能とされている。つまり、営業中において1の遊技島に設置されている全てのパチンコ機2への電力供給を一時的に遮断して、再度、電力供給を再開する場合には、「島単位」に対応するチェックボックスをチェックするとともに、該「島単位」に対応する入力部に、当該島番号を入力し、電源再投入予告受付け画面の下方に設けられている「登録」の入力操作部を選択入力すれば良い。一方、営業中において1のパチンコ機2への電力供給を一時的に遮断して、再度、電力供給を再開する場合には、「台単位」に対応するチェックボックスをチェックするとともに、該「台単位」に対応する入力部に、当該台番号を入力し、電源再投入予告受付け画面の下方に設けられている「登録」の入力操作部を選択入力すれば良い。
このようにして「登録」の入力操作部が選択入力された場合には、入力された台番号または、島番号から特定される遊技島に設置されている各パチンコ機2の台番号が、電源再投入予告受付けテーブルに、その時点の時刻に対応付けて登録される。尚、「キャンセル」の入力操作部を選択入力した場合には、電源再投入予告受付け画面の表示が終了する。
ここで、本実施例の遊技用システムにおける営業開始前の動作について、図12を用いて説明する。
営業開始前においてホールコンピュータ140は、記憶装置145に記憶している各種データを、日付が変更したことに伴って変更するとともに、遊技機テーブルの複製データを作成して記憶装置145の所定領域に記憶する。
そして、遊技場内の全てのパチンコ機2が起動された後において遊技場の係員が所定操作を実施することにより遊技機確認処理を開始し、該遊技機確認処理において、台番号が001番のパチンコ機2が接続されている台端末5から順次、送信要求を送信して、各台端末5に接続されているパチンコ機2から取得して台データテーブルに記憶されているチップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDと台番号とを送信させる。
この送信要求の受信に応じて台端末5は、台データテーブルに記憶されている、各ポートに接続されているパチンコ機2から取得したチップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDと、該パチンコ機2が接続されているポートに割り当てられている台番号とを、各ポート毎にホールコンピュータ140に対して送信する。
尚、接続されているパチンコ機2からチップID(遊技機ID)または機種名またはメーカーIDが取得できなかった場合には、チップID(遊技機ID)または機種名またはメーカーIDに代えて取得NGを示す所定データを送信する。
このようにして送信要求の送信に応じて台端末5からデータを受信した場合にホールコンピュータ140は、受信したデータに取得NGを示すデータが含まれているか否かを判定する。
取得NGを示すデータが含まれている場合には、チップID(遊技機ID)または機種名またはメーカーIDのいずれかが取得できなかったものと判断して、受信した台番号を取得異常台として登録するとともに、該台番号と取得異常台が存在することとを示す所定のエラー画面を表示装置147に表示する取得異常処理を実施する。
尚、本実施例では、メーカーIDのみを取得できなかった場合でも取得異常と判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、メーカーIDのみを取得できなかった場合、つまり、チップID(遊技機ID)と機種名とを取得出来ている場合には、取得正常と判断して後述する各種の判定処理を実施するようにしても良い。
一方、取得NGを示すデータが含まれていない場合、つまり、チップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDとを受信した場合には、受信したチップID(遊技機ID)と機種名とが遊技機テーブルにおいて該チップID(遊技機ID)に対応して記憶されている機種名と一致するか否か、つまり、受信したチップID(遊技機ID)と機種名との対応関係が、遊技機テーブルが記憶している該チップID(遊技機ID)と機種名との対応関係と一致するか否かを判定する機種名判定処理を実施する。
尚、これら機種名判定処理においては、チップID(遊技機ID)をキーデータとして、遊技機テーブルにおいて該チップID(遊技機ID)に対応して記憶されている機種名と、受信した機種名とが一致するかを判定するのではなく、機種名をキーデータとして、遊技機テーブルにおいて該機種名に対応して記憶されているチップID(遊技機ID)と、受信したチップID(遊技機ID)とが一致するかを判定するようにしても良い。
尚、本実施例では、機種名のみを判定の対象としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら判定の対象を、機種名とメーカーID若しくはメーカーIDのみとしても良い。
該機種名判定処理において不一致である場合には、接続されているパチンコ機2が不正に改造されているもの、例えば、遊技制御マイコン232が不正なものに交換されたものである可能性があるので、受信した台番号を機種名不一致台として登録するとともに、該台番号と機種名不一致台が存在することとを示す所定のエラー画面を表示装置147に表示する機種名異常処理を実施し、一致である場合には、さらに、受信したデータ中から配置位置となる台番号を抽出して、受信したチップID(遊技機ID)から特定されるパチンコ機2がいずれの設置位置に設置されているかを特定する台番号特定処理を実施する。
そして受信したチップID(遊技機ID)と該台番号特定処理にて特定した台番号とが複製した遊技機テーブルにおける該チップID(遊技機ID)に対応して記憶されている台番号と一致するか、つまり、受信にて取得したチップID(遊技機ID)と台番号特定処理にて特定された台番号との対応関係が、遊技機テーブルが記憶している該チップID(遊技機ID)と台番号との対応関係と一致するか否かを判定する遊技機ID判定処理を実施する。
尚、これら遊技機ID判定処理においては、チップID(遊技機ID)をキーデータとして、遊技機テーブルにおいて該チップID(遊技機ID)に対応して記憶されている台番号と、台番号特定処理にて特定した台番号とが一致するかを判定するのではなく、台番号特定処理にて特定した台番号をキーデータとして、遊技機テーブルにおいて該台番号に対応して記憶されているチップID(遊技機ID)と、受信したチップID(遊技機ID)とが一致するかを判定するようにしても良い。
また、これらチップID(遊技機ID)と台番号との対応関係が一致するか否かの判定を、例えば、受信にて取得したチップID(遊技機ID)と台番号特定処理にて特定された台番号との合算値を算出するとともに、遊技機テーブルにおいて受信にて取得したチップID(遊技機ID)または台番号特定処理にて特定された台番号のいずれかに対応して記憶されている台番号またはチップID(遊技機ID)を抽出して該抽出に用いたチップID(遊技機ID)または台番号との合算値を算出して、これら各合算値を比較することで対応関係が一致するか否かを判定するようにしても良い。
尚、このように、受信したチップID(遊技機ID)と台番号を、複製した遊技機テーブルにおける該チップID(遊技機ID)に対応して記憶されている台番号と比較するのは、遊技機テーブルにおけるデータは、設置位置移動があった場合には後述するように更新されていくので、これら更新される遊技機テーブルを比較の対象としてしまうと、更新の順序によっては、既に遊技場内に設置されているパチンコ機2であって設置位置移動されたものであるにもかかわらずに、既に遊技場内に設置されていない(非導入の)パチンコ機2であって設置位置移動でなないと判定されてしまう可能性があるので、これら誤判定の問題が生じないように、更新前の遊技機テーブルを複製しておき、該複製した遊技機テーブルと照合することで、設置位置移動であるかを正確に判断できるようにしている。
また、本実施例では遊技機テーブルを全て複製するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、設置位置移動と判定されて台番号に対応するチップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDが更新される場合に、更新前のデータ(台番号、チップID(遊技機ID)、機種名、メーカーID)を更新前データとして別途記憶することで、更新されたデータのみを別途記憶し、これら更新前データと遊技機テーブルとを照合対象データとすることで、遊技機確認処理に必要とされる記憶容量を低減できるようにしても良い。
上記した遊技機ID判定処理において一致である場合には、該遊技機ID判定処理の判定対象としたチップID(遊技機ID)が、複製ではない遊技機テーブルに異なる台番号に対応付けて複数記憶されているか否か、つまり、同一のチップID(遊技機ID)が重複して遊技機テーブルに記憶されているか否かを判定する重複判定処理を実施し、重複がない場合には、該チップID(遊技機ID)に対応する遊技情報テーブルのデータとして、その当日の日付と台番号とを追加登録し、各遊技情報に初期値データをセットするとともに、次の台端末に対して取得要求を送信する処理に移行する一方、重複がある場合には、これらチップID(遊技機ID)が重複しているいずれかのパチンコ機2が不正に改造されているもの、例えば、遊技制御マイコン232が正規のチップID(遊技機ID)を複製した不正な遊技制御マイコン232に交換されたものである可能性があるので、これら重複しているチップID(遊技機ID)に対応して遊技機テーブルに記憶されている各台番号を重複異常台として登録するとともに、該台番号と重複異常台が存在することとを示す所定のエラー画面を表示装置147に表示する重複異常処理を実施する。
尚、本実施例では、遊技機テーブルにおいて各台番号に対応付けてチップID(遊技機ID)を記憶する構成としているために、判定対象としたチップID(遊技機ID)が遊技機テーブルに異なる台番号に対応付けて複数記憶されているか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本実施例の遊技機テーブルとは逆に、各チップID(遊技機ID)対応付けて台番号を記憶する構成とする場合であれば、前記重複判定処理として、異なるチップID(遊技機ID)に対応付けて同一の台番号を記憶しているか否かを判定する台番号重複判定処理を実施し、重複がある場合には、これら重複している台番号を重複異常台として登録するとともに、該台番号と台番号重複異常台が存在することとを示す所定のエラー画面を表示装置147に表示する台番号重複異常処理を実施するようにすればよい。尚、遊技機テーブルの構成によっては、これら台番号重複判定処理を前記重複判定処理とともに実施するようにしても良い。
一方、遊技機ID判定処理において不一致である場合には、さらに、受信したチップID(遊技機ID)が複製した遊技機テーブルに存在するか否か、つまり、受信にて取得した該チップID(遊技機ID)が、台番号特定処理にて特定された台番号以外の他の台番号と対応付けて遊技機テーブルが記憶しているチップID(遊技機ID)に含まれるか否かを判定する移動判定処理を実施する。
該移動判定処理において複製した遊技機テーブルに存在すると判定された場合には、設置位置移動と断定して、複製ではない遊技機テーブルにおける受信した台番号に対応する遊技機IDと機種名とメーカーIDとして、該台番号とともに受信したチップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDとを更新記憶するとともに、該チップID(遊技機ID)に対応する遊技情報テーブルのデータとして、その当日の日付と、台番号とを追加登録し、更に各遊技情報に初期値データをセットする移動処理を実施する一方、移動判定処理において複製した遊技機テーブルに存在しないと判定された場合には、さらに、受信したチップID(遊技機ID)が、図示しない新規導入台テーブルに存在するか否か(記憶されているか否か)を判定する新規導入台判定処理を実施する。
つまり、上記した移動処理を実施することで、図10におけるチップID(遊技機ID)「AA*******3」のパチンコ機に例示するように、設置位置移動後の台番号「101」と日付と当該日の遊技情報が、移動前の台番号「003」と日付と当該日の遊技情報とともに、同一のチップID(遊技機ID)「AA*******3」に対応付けて記憶されることで、移動前の台番号「003」に対応する遊技情報が、移動後の台番号「101」に関連付けて管理されることで、移動後の台番号「101」の過去の遊技情報として引き継がれることになり、これら同一のチップID(遊技機ID)「AA*******3」の遊技情報を集計することで、移動後の台番号「101」のパチンコ機2について、設置位置移動前の遊技情報を含む台データを集計できるようになる。
該新規導入台判定処理において存在しないと判定された場合には、設置位置移動ではない理由、例えば、遊技制御マイコン232が不正な遊技制御マイコン232に交換されたことにより、台番号とチップID(遊技機ID)との不一致が発生した可能性があるので、該台番号を不正可能性台としてとして登録するとともに、該台番号と不正可能性台が存在することとを示す所定のエラー画面を表示装置147に表示する識別情報異常処理を実施する。
一方、該新規導入台判定処理において存在すると判定された場合には、新台入替があったものと断定し、複製ではない遊技機テーブルにおける受信した台番号に対応する遊技機IDと機種名とメーカーIDして、該台番号とともに受信したチップID(遊技機ID)と機種名とメーカーIDとを更新記憶するとともに、遊技情報テーブルのデータとして、チップID(遊技機ID)と、該チップID(遊技機ID)に対応するデータとして、その当日の日付と、台番号とを追加登録し、更に各遊技情報に初期値データをセットする導入処理を実施する。
この導入処理を実施することで、該パチンコ機2が導入された日付からの台番号と遊技情報とが継続して遊技情報テーブルに管理されるようになる。
そして、全ての台番号について上記した処理を実施した場合には、複製した遊技機テーブルを消去するとともに、更新後の遊技機テーブルのデータを当該遊技場の遊技場ID(遊技場識別情報)とともに更新データとして、所定の第三者機関である管理組合に設置された図示しない管理サーバに送信した後、遊技機確認処理を終了する。尚、管理サーバにおいては、各遊技場の遊技場ID(遊技場識別情報)に対応して管理されているデータが、更新データに基づいて更新されることで、各遊技場に設置されているパチンコ機2のチップID(遊技機ID)が第三者である当該管理組合により管理される。
ここで、本実施例の台端末5の制御マイコン(MPU)579が営業中において実施する機種情報出力管理処理について、図14を用いて説明すると、台端末5の制御マイコン(MPU)579は、予めホールコンピュータ140から送信されて設定されている営業開始時刻となった時点から営業終了時刻までの間において図14に示す機種情報出力管理処理を実施する。
この機種情報出力管理処理において制御マイコン(MPU)579は、図14に示すように、ポート581〜584のいずれかにおいて、機種情報データの入力が有るか否かを監視する(ステップSd1)。
機種情報データの入力が有った場合には、入力された機種情報データをメーカーID、機種名、チップID(遊技機ID)から成る機種情報に変換し、該変換した機種情報を該機種情報データの入力が有ったポートに割り当てられている台番号と当該台端末5のユニットIDと、その時点において台データテーブルに該台番号に対応付けて記憶されている遊技状態データとを付与してホールコンピュータ140に送信する(Sd2)。尚、入力された機種情報データからメーカーID、機種名、チップID(遊技機ID)を全て変換することが出来なかった場合にも、変換できた部分のデータを含む機種情報がホールコンピュータ140に送信される。
つまり、各パチンコ機2から機種情報データの少なくとも一部が出力された場合には、台番号とユニットIDとが付与された機種情報がホールコンピュータ140に送信される。
このように、台端末5から送信された機種情報を受信したホールコンピュータ140においては、該受信に応じて図15に示す機種情報受信処理が実施される。
この機種情報受信処理においてホールコンピュータ140のCPU142は、まず、機種情報とともに受信した台番号のパチンコ機2における電源再投入の発生と判定する(ステップS1)。
次いで、電源再投入予告受付けテーブルに種別が「有効」な当該台番号の登録が存在するか否かを判定する(ステップS2)。
該判定において当該台番号の登録が存在する場合には、「非不正」の電源再投入と判定し(ステップS20)、該判定結果と、その時点の時刻と、該台番号とを電源再投入遊技機登録テーブルに登録して当該処理を終了する。
一方、ステップS2でNo、つまり、電源再投入予告受付けテーブルに種別が「有効」な当該台番号の登録が存在しない場合には、ステップS3に進み、電源再投入遊技機登録テーブルを参照して、判定時刻が当該時点の時刻から所定期間(例えば5秒)以内であって、種別が「不正」である電源再投入遊技機の数を集計することで、所定期間以内に発生した「不正」の電源再投入台の台数を特定し、該特定した台数が所定数(例えば、5台)以上であるか否かを判定する(ステップS4)。
特定した台数が所定数以上である場合には、ステップS20に進んで、「非不正」の電源再投入と判定し(ステップS20)、該判定結果と、その時点の時刻と、該台番号とを電源再投入遊技機登録テーブルに登録して当該処理を終了する一方、特定した台数が所定数以上でない場合には、ステップS5に進んで、更に、所定期間(例えば5秒)以内であって、同一遊技島に設置されている種別が「不正」である電源再投入遊技機が存在するか否かを判定する。
該判定において同一遊技島に設置されている種別が「不正」である電源再投入遊技機が存在する場合には、ステップS20に進んで、「非不正」の電源再投入と判定し(ステップS20)、該判定結果と、その時点の時刻と、該台番号とを電源再投入遊技機登録テーブルに登録して当該処理を終了する一方、同一遊技島に設置されている種別が「不正」である電源再投入遊技機が存在しない場合には、ステップS6に進んで「不正」の電源再投入と判定する。
次いで、該電源再投入の前後の遊技機における遊技状態を特定する。具体的には、電源再投入前の遊技状態は、受信した機種情報に付与されている遊技状態データから特定する。また、電源再投入後の遊技状態は、該機種情報の送信元の台端末5に対して、当該台番号を含み、図5(b)に示す台情報データの送信を要求する台情報データ送信要求を送信して、台情報データを取得し、該取得した台情報データに含まれる台状態データにより特定する。
そして、特定した電源再投入前の遊技状態と電源再投入後の遊技状態が変化しているか否かを判定し(ステップS8)、遊技状態が変化している場合には、ステップS9に進んで、図16に示すように、台番号を含むとともに、遊技状態に変化があった旨のメッセージを含む電源再投入エラー報知表示を表示装置147に表示して、遊技状態の変化のあった不正が実施された可能性の高い電源再投入が発生したこと、及びその台番号とを報知する。
尚、本実施例では、遊技状態の変化の態様にかかわらず、遊技状態が変化している場合には全て図16に示す電源再投入エラー報知表示を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技状態の変化が、例えば、通常状態から大当り状態や確変状態や時短状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に変化した場合にのみ表示して、大当り状態や確変状態や時短状態等の遊技者にとって有利な遊技状態から通常状態等の遊技者にとって不利な遊技状態に変化した場合には、図16に示す電源再投入エラー報知表示を実施しないようにしても良い。
一方、特定した電源再投入前の遊技状態と電源再投入後の遊技状態が変化していない場合には、ステップS11に進んで、台番号を含むとともに、遊技状態が変化していない旨のメッセージを含む図示しない電源再投入エラー報知表示を表示装置147に表示して、遊技状態の変化がなかったが、電源再投入の予告等がされていないことで不正と判断された電源再投入が発生したこと、及びその台番号とを報知する。
そして、ステップS20に進み、ステップS6の判定結果である「不正」と、その時点の時刻と、該台番号とを電源再投入遊技機登録テーブルに登録して当該処理を終了する。
以上、本実施例によれば、機種を特定可能な機種特定データ信号である機種情報データ信号が出力されるパチンコ機2における営業中の電源の投入(再投入)を、該機種特定データ信号の少なくとも一部を利用することにより、従来のように電源投入信号を入力するための専用の入力手段を、本発明の遊技機管理装置を構成する台端末5に設けなくても判定することができる。
また、本実施例によれば、各パチンコ機2で発生した電源の投入(再投入)が、「非不正」の電源投入(再投入)または「不正」の電源投入(再投入)のいずれであるのかを的確かつ迅速に把握することができる。
また、本実施例によれば、電源の投入(再投入)の発生の前後で遊技状態の変化があったか否かが報知されるので、不正の実施や異常の可能性が高い遊技状態が変化した電源の投入(再投入)の発生を的確に把握することができる。
また、本実施例によれば、電源の投入(再投入)が前もって予告されている場合には、「非不正」の電源の投入(再投入)と判断されてエラー報知が実施されず、電源の投入(再投入)が前もって予告されていないことを条件に、「不正」の電源の投入(再投入)と判断されて図16に示すエラー報知が実施されるので、前もって予告されていない不正の可能性が高い電源の投入(再投入)の発生を的確に把握することができる。
また、本実施例によれば、予告受付手段となる電源再投入予告受付け処理において電源投入(再投入)の予告を受付けたときに、該電源投入(再投入)の予告を受付けた時点から所定期間が経過したときに該予告が無効とされるので、受付けた電源投入(再投入)の予告の有効性が継続されてしまうことにより、エラーの報知が的確に実施されなくなってしまうことを防止することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機としてパチンコ機を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技機としては、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了するスロットマシンであっても良い。
また、前記実施例では、台端末5と島端末6を介して、各パチンコ機2から取得したチップID(遊技機ID)、機種名、メーカーIDを台番号とともに収集するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ機2に1対1に対応して設置されるカードユニット3や呼び出しランプ等をホールコンピュータ140にデータ通信可能に接続し、該カードユニット3や呼び出しランプ等を介して、チップID(遊技機ID)、機種名、メーカーID並びに台番号をホールコンピュータ140が収集するようにしても良い。
また、前記実施例では、「非不正」と判定された電源再投入については、ホールコンピュータ140において、「非不正」の電源再投入の判定時において該発生の報知を実施していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら「非不正」の電源再投入についても、該「非不正」の電源再投入の発生を判定したパチンコ機2の台番号とともに、「非不正」の電源再投入が発生した旨を報知するようにしても良い。
また、前記実施例では、図16に示す遊技状態の変化があった電源再投入のエラー報知において、電源再投入の前後の具体的な遊技状態を表示していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技状態が変化したメッセージに代えて、電源再投入の前後の具体的な遊技状態を表示して遊技状態が、どの遊技状態からどの遊技状態に変化したかを、オペレータが特定可能に表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、電源再投入の前後の遊技状態が変化したか否かの判定を、ホールコンピュータ140において実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、台端末5において、機種情報データ信号の入力前の遊技状態データを記憶しておき、機種情報データ信号の入力後に出力される遊技状態データと比較して、遊技状態が変化したか否かを台端末5側において判定することで、停電等において、複数のパチンコ機2が同時に電断した後、電源の再投入が一斉に実施された場合に、これら遊技状態の変化の有無判断が、ホールコンピュータ140において集中して、不具合が発生することを防止できるようにしても良い。