JP6048681B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

車両の前部車体構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6048681B2
JP6048681B2 JP2014054581A JP2014054581A JP6048681B2 JP 6048681 B2 JP6048681 B2 JP 6048681B2 JP 2014054581 A JP2014054581 A JP 2014054581A JP 2014054581 A JP2014054581 A JP 2014054581A JP 6048681 B2 JP6048681 B2 JP 6048681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
cowl
reinforcing
body structure
panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014054581A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015174610A (ja
Inventor
興也 中川
興也 中川
長尾 邦昭
邦昭 長尾
元康 麻川
元康 麻川
山本 研一
研一 山本
雄也 氷室
雄也 氷室
吉田 邦彦
邦彦 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014054581A priority Critical patent/JP6048681B2/ja
Publication of JP2015174610A publication Critical patent/JP2015174610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6048681B2 publication Critical patent/JP6048681B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両の前部車体構造に係わり、特に、車幅方向に延び、フロントウインドガラスの下端部を下方から支持すると共に、車両前方に開口する開口部を形成するカウル部材を有する車両の前部車体構造に関する。
従来から、衝突体が車両前部に衝突した時の衝撃を緩和するために、カウルパネルを含むカウルボックス構造を、その上部が開放された開断面構造(所謂オープンカウル構造)とすることが知られている。しかしながら、そのようなオープンカウル構造の場合、ダッシュパネル上側のダッシュアッパパネルと、カウルパネルとにより形成される開口部が揺動変形し、カウルパネルに接合されたフロントウインドガラスのパネル振動が増大し、こもり音となって車室内の乗員に不快感を与えるという問題があった。
このような問題の解決を図った技術が、例えば特許文献1に提案されている。特許文献1には、カウル上部部材とカウル下部部材とをつなぐ補強体により、開口部の揺動変形を抑制すると共に、補強体における第1補強部と第2補強部との重ね合せ部に介設した振動減衰部材により、振動を減衰する技術が提案されている。
特開2013−82245号公報
上述した特許文献1に開示された技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に開示されたような補強体は、未硬化状態の振動減衰部材を第1補強部と第2補強部との間隙(具体的には重ね合せ部)に塗布し、この状態で加熱することで振動減衰部材を硬化(加熱硬化)して製造される。このような補強体を、フレーム部材やパネル部材などを組み付けて車体を組み立てる車体組立工程で、車両に取り付けると便宜である。その理由は、この車体組立工程の後の塗装工程で加熱作業が行われるため、この塗装工程で一緒に未硬化状態の振動減衰部材を加熱硬化させることができるからである。因みに、塗装工程では、電着塗装が施される電着塗装工程の後に、車体の外観品質を向上させるための中塗り・上塗り塗装工程が行われ、最初の電着塗装工程では、車体を電着液に浸漬させて電着液を付着させ後に、加熱乾燥炉において、電着液が乾燥されて電着液が車体に焼き付けられる。また、このような塗装工程の後に、フロントガラスやドアガラスなどの種々の部品を車体に組み付けて車両を組み立てる車両組立工程が行われる。
しかしながら、特許文献1に開示された補強体を車体組立工程で車両に取り付けるのは困難である。これは、補強体における第1補強部及び第2補強部を車両に接合した後に、第1補強部と第2補強部との間隙に振動減衰部材を塗布することが困難であるからである。具体的には、車両に接合された状態にある第1補強部と第2補強部との間隙に振動減衰部材を的確に塗布するのが困難であるからである。
したがって、特許文献1に開示された技術では、第1補強部と第2補強部との間の振動減衰部材を予め硬化させた補強体を別途用意し(つまり塗装工程とは別の工程で振動減衰部材を硬化させた補強体を用意する)、この補強体を典型的には車両組立工程(車体組立工程でもよい)で取り付ける必要がある。したがって、特許文献1に開示された技術では指摘、生産性が低いという問題がある。また、上述したような補強体を別途用意するため、部品点数が多くなるという問題もある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、製造が容易であり、カウル部材が形成する開口部の揺動変形に起因するフロントウインドガラスのパネル振動を低減することができる車両の前部車体構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、車両の前部車体構造であって、車幅方向に延び、フロントウインドガラスの下端部を下方から支持すると共に、車両前方に開口する開口部を形成するカウル部材と、このカウル部材の開口部の上部から下部まで延びるように、その両端がカウル部材の内壁面に連結された補強部材と、を有し、この補強部材は、屈曲部において屈曲しており、この屈曲部に振動減衰部材が配設されていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、補強部材が、カウル部材の開口部の上部から下部まで延びるように、その両端がカウル部材の内壁面に連結されているので、カウル部材の開口部の断面崩れによる揺動変形を抑制することができる。また、補強部材が、屈曲部において屈曲しており、この屈曲部に振動減衰部材が配設されているので、開口部が揺動変形してフロントウインドガラスがパネル振動した場合にも、この振動を減衰させることができる、つまり振動を低減することができる。具体的には、振動時に補強部材の屈曲部の角度が繰り返し変化するが、この際に屈曲部に配設された振動減衰部材に圧縮歪み及び引張歪みが生じ、この歪みエネルギー(振動減衰部材内に蓄えられるエネルギー)が熱エネルギーに変換されることで、振動を減衰することができる。
更に、本発明によれば、補強部材を容易に製造することができる。具体的には、補強部材をカウル部材に取り付けて、その後に補強部材の屈曲部に振動減衰部材を容易且つ正確に塗布することができる。したがって、本発明によれば、車体組立工程で補強部材を取り付け、車体組立工程の後の塗装工程で(具体的には電着塗装工程の加熱乾燥炉で)、未硬化状態の振動減衰部材を加熱硬化させることができる。そのため、本発明によれば、振動減衰部材を予め硬化させた補強部材を別途用意する必要はないので、つまり塗装工程とは別の工程で振動減衰部材を加熱硬化させなくてよいので、生産性を向上させることができる。また、部品点数が多くなることもない。
本発明において、好ましくは、さらに、一端が補強部材の屈曲部近傍に連結され、他端が補強部材とは異なる部材に連結された移動抑制部材を有する。
このように構成された本発明においては、補強部材の屈曲部近傍に移動抑制部材を連結するので、振動による補強部材の屈曲部の位置の移動を抑制することができる。これにより、振動時に屈曲部の角度変化を生じさせやすくし、屈曲部に配設された振動減衰部材の振動減衰機能を効果的に確保することができる。
本発明において、好ましくは、補強部材の屈曲部には、下方に凹んだ凹部が形成されており、この凹部に振動減衰部材が配設されている。
このように構成された本発明においては、補強部材の屈曲部に凹部を形成し、この凹部に振動減衰部材を配設するので、振動時に、補強部材において凹部が形成されていない部位を相対的に移動させないようにし、屈曲部の凹部を相対的に変形しやすくすることができ、振動減衰部材の変形を促進させることができる。そのため、振動減衰部材によって振動を効果的に減衰させることが可能となる。
本発明において、好ましくは、カウル部材は、断面S字形状を有するカウルパネルによって構成されている。
このように構成された本発明においては、断面S字形状を有するカウルパネルによって構成されるカウル部材を用いるので、カウル部材の後方スペースを広く確保することができ、インテリアデザインの自由度を向上させることが可能となる。また、断面S字形状による前方張り出し構造によって、フロントウインドガラスの支持剛性の確保が図れ、加えて、衝突荷重の入力時に、段階的にエネルギーを吸収することができる。
本発明の車両の前部車体構造によれば、製造が容易であり、カウル部材が形成する開口部の揺動変形に起因するフロントウインドガラスのパネル振動を低減することができる。
本発明の第1実施形態による車両の前部車体構造を車室内から見た斜視図である。 図1中のXI−XI線に沿って見た断面図である。 本発明の第1実施形態による補強部材の拡大斜視図である。 本発明の第2実施形態による車両の前部車体構造の断面図である。 本発明の第2実施形態による補強部材の拡大斜視図である。 本発明の第3実施形態による車両の前部車体構造の断面図である。 本発明の実施形態の第1変形例による車両の前部車体構造の断面図である。 本発明の実施形態の第2変形例による車両の前部車体構造の断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の前部車体構造を説明する。
[第1実施形態]
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施形態による車両の前部車体構造について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による車両の前部車体構造を車室内から見た斜視図であり、図2は、図1中のXI−XI線に沿って見た断面図であり、図3は、本発明の第1実施形態による補強部材の拡大斜視図である。なお、図2において、矢印Fは車両の前方向を示し、矢印Uは車両の上方向を示している(他の図でも同様である)。
図1、図2において、左右のヒンジピラー1、1(但し、図面では車両右側のヒンジピラーのみを示す)間にはダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル2が接合固定され、このダッシュロアパネル2でエンジンルーム3とその後方の車室4とを前後方向に仕切っている。
また、上述のヒンジピラー1の上部には、前部が低く、後部が高くなるようにフロントピラー5が接合固定されている。
さらに、上述のダッシュロアパネル2の下部後端部には、フロアパネル6が接合固定されている。このフロアパネル6は、後方に向けて略水平に延び、車室4の底面を構成するパネルであって、このフロアパネル6の車幅方向中央部には、車室4内に突出し、かつ車両の前後方向に延びるトンネル部が一体形成されている。
図1、図2に示すように、上述のダッシュロアパネル2の上端折曲部2aには、ダッシュアッパパネル7が接合固定されている。そして、このダッシュアッパパネル7の上部には、フロントウインドガラス8の傾斜下端部を支持するカウルパネル9の後端部が接合固定されている。
この車両の前部車体構造では、車両の車幅方向に延びる、カウル部材としてのカウルパネル9及びダッシュアッパパネル7により、車両前方に開口する開口部10(以下では適宜「カウル開口部」と呼ぶ。)が形成される。
上述のダッシュアッパパネル7の前端部7aに、その後端部11aが接合されて前方に延びるカウルフロントパネル11を設け、このカウルフロントパネル11の前側縦壁部11bとの間に、車幅方向に延びる閉断面12を形成すべく、当該カウルフロントパネル11の前部上側にカウルクロスメンバ13を取り付けている。
そして、上述のダッシュアッパパネル7と、カウルパネル9と、カウルフロントパネル11と、カウルクロスメンバ13とにより、車幅方向に延びる所謂オープンカウル構造のカウルボックス14が形成される。
ところで、図1に示すように、上述のダッシュロアパネル2から前方に離間した位置にはサスペンションタワー15を配設している。このサスペンションタワー15の上部車幅方向外側には、ヒンジピラー1の上部から前方に延びるエプロンレインフォースメント16が設けられている。
このエプロンレインフォースメント16は、エプロンレインアウタとエプロンレインインナとを備えた車体剛性部材である。また、上述のサスペンションタワー15の下部車幅方向内側には、フロントサイドフレーム17が接続されており、このフロントサイドフレーム17は、上述のエプロンレインフォースメント16と略平行に設けられている。
また、上述のフロントサイドフレーム17はエンジンルーム3の両サイド部において車両の前後方向に延びる車体剛性部材であって、このフロントサイドフレーム17はサスペンションタワー15の下部に接続されると共に、後端部が下方に湾曲してフロアフレーム18の前部に接続されたものである。
図1、図2に示すように、上述のカウル開口部10を形成するダッシュアッパパネル7と、このダッシュアッパパネル7の上部から前方に延設されて、フロントウインドガラス8の下端部を支持するカウルパネル9とは、ダッシュアッパパネル7の後端部7bと、カウルパネル9の後端部9bとが接合固定されており、カウルパネル9とダッシュアッパパネル7とを略上下方向につなぐ補強部材30が設けられている。
図2、図3に示すように、補強部材30は、例えば鉄板で形成されていると共に、上端部に折曲げ片30aが一体形成され、且つ下端部に折曲げ片30bが一体形成されている。補強部材30は、カウル開口部10の上部から下部まで延びるように、上端部にある折曲げ片30aがカウルパネル9の前端部下面に接合固定され、その下端部にある折曲げ片30bがダッシュアッパパネル7の平坦部前面に接合固定されている。
また、補強部材30は、屈曲部30cにおいて屈曲することで、断面くの字状に形成されており、この屈曲部30cに振動減衰部材32が配設されている。具体的には、補強部材30は、車両後方に突出するように屈曲しており、屈曲部30cの車両前方側の箇所、つまり補強部材30における屈曲部30c上方の部分の面と補強部材30における屈曲部30c下方の部分の面とによって挟まれた箇所に、三角柱形状を有する振動減衰部材32が配設されている(図3参照)。より詳しくは、補強部材30における屈曲部30c上方の部分の面と補強部材30における屈曲部30c下方の部分の面とによって形成される角部において、角度が小さいほうの箇所に、これら2つの面に接触するように振動減衰部材32が配設されている。
振動減衰部材32は、ペースト状の未硬化状態のものが補強部材30の屈曲部30cに塗布され、この後に加熱されることで硬化される。例えば、振動減衰部材32としては、損失係数(20℃、30HZ)が0.2以上のアクリル系やシリコーン系の材料が用いられる。
さらに、図1に示すように、上述の補強部材30は、フロントウインドガラス8の車幅方向の長さを略2等分する位置、つまりカウル開口部10の車幅方向中間部(車幅方向中央部)に設けられる。
なお、図1では、カウル開口部10の車幅方向中間部に補強部材30を設けているが、補強部材30を設ける位置はこれに限定はされない。抑制したい振動モードに応じて、補強部材30における車幅方向位置や、補強部材30の数を適宜設定すればよい。1つの例では、カウル開口部10の車幅方向の長さを略3等分する位置に補強部材30を設けてもよい、つまりカウル開口部10における左右2箇所に補強部材30を設けてもよい。他の例では、車幅方向の中央と、車幅方向左右との合計3箇所に補強部材30を設けてもよい。
次に、本発明の第1実施形態による車両の前部車体構造の作用効果について説明する。
第1実施形態によれば、カウル開口部10の上部から下部まで延びるように、その両端がそれぞれカウルパネル9及びダッシュアッパパネル7の内壁面に連結された補強部材30を適用することにより、カウル開口部10の断面崩れによる揺動変形を抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、カウル開口部10が揺動変形してフロントウインドガラス8がパネル振動した場合にも、補強部材30の屈曲部30cに配設した振動減衰部材32により、この振動を減衰させることができる、つまり振動を低減することができる。具体的には、振動時には、補強部材30の屈曲部30cが開閉を繰り返すが、つまり屈曲部30cの角度が繰り返し変化するが、この際に屈曲部30cに設けられた振動減衰部材32に圧縮力及び引張力が付与されて圧縮歪み及び引張歪みが生じ、この歪みエネルギー(振動減衰部材32内に蓄えられるエネルギー)が熱エネルギーに変換されることで、振動を減衰することができるのである。
以上より、第1実施形態によれば、カウル開口部10の揺動変形に起因するフロントウインドガラス8のパネル振動を効果的に抑制することができる。
更に、第1実施形態によれば、補強部材30を容易に製造することができる。具体的には、第1実施形態によれば、補強部材30の折曲げ片30a、30bをそれぞれカウルパネル9、ダッシュアッパパネル7に接合固定し、その後に補強部材30の屈曲部30cに振動減衰部材32を適切に塗布することができる。より具体的には、第1実施形態によれば、特許文献1に開示された技術と異なり、補強体において分離した二部材(第1補強部と第2補強部)の間に振動減衰部材を塗布するのではなく、補強部材30において車両後方側に凹むように形成された屈曲部30cに振動減衰部材32を塗布するので、この塗布作業を容易且つ正確に行うことができる。また、このような屈曲部30cに振動減衰部材32を塗布すると、塗布した振動減衰部材32が垂れ落ちにくいため、振動減衰部材32が垂れ落ちないように保持する必要もない。
したがって、第1実施形態によれば、車体組立工程で補強部材30を取り付け、車体組立工程の後の塗装工程で(具体的には電着塗装工程の加熱乾燥炉で)、未硬化状態の振動減衰部材32を加熱硬化させることができる。そのため、第1実施形態によれば、特許文献1に開示された技術のように、第1補強部と第2補強部との間の振動減衰部材を予め硬化させた補強体を別途用意する必要はないので、つまり塗装工程とは別の工程で振動減衰部材を加熱硬化させなくてよいので、生産性を向上させることができる。また、第1実施形態によれば、特許文献1に開示された技術のように部品点数が多くなることもない。
[第2実施形態]
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態による車両の前部車体構造について説明する。図4は、本発明の第2実施形態による車両の前部車体構造の断面図であり、図5は、本発明の第2実施形態による補強部材の拡大斜視図である。なお、第2実施形態による車両の前部車体構造は、図1に示した第1実施形態による車両の前部車体構造の代わりに適用されるものであり、図4は、図1に対して第2実施形態による車両の前部車体構造を適用した場合の、図1中のXI−XI線に沿って見た断面図に相当する。
以下では、第1実施形態と異なる構成について主に説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を適宜省略する(図4及び図5では、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付している)。つまり、ここで特に説明しない構成については、第1実施形態と同様であるものとする。
図4、図5に示すように、第2実施形態による車両の前部車体構造では、上述した補強部材30に加えて、その一端が補強部材30の屈曲部30cに接合固定され、その他端がカウルパネル9とダッシュアッパパネル7との間に挟み込まれて固定された、移動抑制部材40が更に設けられている。具体的には、移動抑制部材40は、例えば鉄板で形成され、前端部に折曲げ片40aが一体形成されている。この折曲げ片40aは、屈曲部30cの車両後方側における面、つまり屈曲部30cにおいて振動減衰部材32が配設されていない側の面に接合固定されている。また、移動抑制部材40の後端部40bは、ダッシュアッパパネル7の後端部7bとカウルパネル9の後端部9bとの間に挟み込まれて、それぞれに接合固定される。
このような第2実施形態による車両の前部車体構造によっても、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。特に、第2実施形態によれば、補強部材30に取り付けた移動抑制部材40によって、振動による補強部材30の屈曲部30cの位置の移動を抑制することができる。例えば、屈曲部30cの角度がほぼ保持されたまま、屈曲部30cの位置が移動してしまうことを抑制することができる。したがって、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と比較して、振動時に屈曲部30cの角度変化を生じさせやすくすることができ、屈曲部30cに配設された振動減衰部材32の振動減衰機能をより効果的に確保することができる。
なお、図4及び図5に示した例では、補強部材30の屈曲部30cとしての角部に当接するように移動抑制部材40の一端(折曲げ片40a)を連結していたが、振動による屈曲部30cの位置の移動を抑制できれば、屈曲部30cとしての角部からある程度離間した位置に移動抑制部材40の一端を連結してもよい。
また、図4及び図5に示した例では、移動抑制部材40の他端(後端部40b)をカウルパネル9とダッシュアッパパネル7との間に挟みこんでいたが、カウルパネル9又はダッシュアッパパネル7に移動抑制部材40の他端を連結してもよいし、振動による屈曲部30cの位置の移動を抑制できれば、カウルパネル9及びダッシュアッパパネル7以外の部材に移動抑制部材40の他端を連結してもよい。但し、屈曲部30cの移動の抑制を確保する観点から、補強部材30以外の部材に移動抑制部材40の他端を連結することが望ましい。
[第3実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態による車両の前部車体構造について説明する。図6は、本発明の第3実施形態による車両の前部車体構造の断面図である。なお、第3実施形態による車両の前部車体構造は、図1に示した第1実施形態による車両の前部車体構造の代わりに適用されるものであり、図6は、図1に対して第3実施形態による車両の前部車体構造を適用した場合の、図1中のXI−XI線に沿って見た断面図に相当する。
以下では、第1及び第2実施形態と異なる構成について主に説明し、第1及び第2実施形態と同様の構成については説明を適宜省略する(図6では、第1及び第2実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付している)。つまり、ここで特に説明しない構成については、第1及び第2実施形態と同様であるものとする。
図6に示すように、第3実施形態による車両の前部車体構造では、上述した補強部材30の代わりに、屈曲部50cに凹部50dが形成された補強部材50が設けられている。具体的には、補強部材50は、屈曲部50c下方の部位に、下方に且つ車両後方側に凹んだ、断面半円形状を有する凹部50dが形成されており(凹部50dは、半球形状であってもよいし、半円柱形状であってもよい)、この凹部50dに振動減衰部材52が配設されている。また、補強部材50は、前端部に折曲げ片50aが一体形成されていると共に、下端部に折曲げ片50bが一体形成されており、上端部にある折曲げ片50aがカウルパネル9の前端部下面に接合固定され、下端部にある折曲げ片50bがダッシュアッパパネル7の平坦部前面に接合固定されている。
このような第3実施形態による車両の前部車体構造によっても、上述した第1及び第2実施形態と同様の作用効果が得られる。特に、第3実施形態によれば、補強部材50の屈曲部50cに形成した凹部50dにより、振動時に、補強部材50において凹部50dが形成されていない部位を相対的に移動させないようにし、屈曲部50cの凹部50dを相対的に変形しやすくすることができ、振動減衰部材52の変形を促進させることができる。そのため、振動減衰部材52によって振動を効果的に減衰させることが可能となる。
このように振動減衰部材52の変形が促進されるのは、凹部50dを形成した屈曲部50cでは、凹部50dを形成せずにそのまま平坦に形成した屈曲部と比べて、車両後方側に延びる分、長さが長くなるため、振動時における変位量が大きくなると共に、(曲げ)剛性が低くなり、変形しやすくなるからである。
また、第3実施形態による車両の前部車体構造によれば、補強部材50の凹部50dが下方に凹んでいるため、この凹部50dに振動減衰部材52を塗布した場合に、塗布された振動減衰部材52が垂れ落ちにくくなる。
なお、図6では半円柱形状を有する凹部50dの例を示したが、三角柱形状や四角柱形状など、種々の形状を有する凹部を適用してもよい。
[変形例]
以下では、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。なお、ここでは、上述した実施形態と異なる構成について主に説明し、上述した実施形態と同様の構成については説明を適宜省略する。つまり、ここで特に説明しない構成については、上述した実施形態と同様であるものとする。
まず、図7を参照して、本発明の実施形態の第1変形例による車両の前部車体構造について説明する。図7は、本発明の実施形態の第1変形例による車両の前部車体構造の断面図である。なお、第1変形例による車両の前部車体構造は、図1に示した第1実施形態による車両の前部車体構造の代わりに適用されるものであり、図7は、図1に対して第1変形例による車両の前部車体構造を適用した場合の、図1中のXI−XI線に沿って見た断面図に相当する。
図7に示すように、第1変形例による車両の前部車体構造では、上述した補強部材30、50の代わりに、断面Z字状に形成された補強部材60が設けられている。具体的には、補強部材60は、上端部に折曲げ片60aが一体形成されていると共に、下端部に折曲げ片60bが一体形成されており、上端部にある折曲げ片60aがカウルパネル9の平坦部下面に接合固定され、下端部にある折曲げ片60bがダッシュアッパパネル7の平坦部前面に接合固定されている。また、補強部材60は、下端部における折曲げ片60bの折曲げ形成によって形成された角部を屈曲部60cとして、この屈曲部60cに振動減衰部材62が配設されている。
このような第1変形例による車両の前部車体構造によっても、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。特に、第1変形例によれば、下端部の折曲げ片60bをダッシュアッパパネル7の平坦部に接合し、この折曲げ片60bの後端部にある屈曲部60cに振動減衰部材62を配設するため、この屈曲部60cに振動減衰部材62を塗布した場合に、塗布された振動減衰部材52がより垂れ落ちにくくなる。
また、第1変形例によれば、折曲げ片60bをダッシュアッパパネル7に接合固定すると、折曲げ片60bの後端部にある屈曲部60cも固定されるため、第2実施形態に示したような移動抑制部材40を用いることなく、振動による屈曲部60cの移動を抑制することができ、その結果、屈曲部60cに配設された振動減衰部材62の振動減衰機能を効果的に確保することができる。
なお、第1変形例では、カウル開口部10が揺動変形してフロントウインドガラス8がパネル振動した場合、折曲げ片60aと折曲げ片60bとの間にある、カウル開口部10の上部から下部に延びる補強部材60の部位が、車両前方側及び車両後方側に突出するようにたわむ。このような補強部材60の部位の変形に応じて、振動減衰部材62に圧縮歪み及び引張歪みが生じ、この歪みエネルギー(振動減衰部材62内に蓄えられるエネルギー)が熱エネルギーに変換されて、振動が減衰される。
次に、図8を参照して、本発明の実施形態の第2変形例による車両の前部車体構造について説明する。図8は、本発明の実施形態の第2変形例による車両の前部車体構造の断面図である。なお、第2変形例による車両の前部車体構造は、図1に示した第1実施形態による車両の前部車体構造の代わりに適用されるものであり、図8は、図1に対して第2変形例による車両の前部車体構造を適用した場合の、図1中のXI−XI線に沿って見た断面図に相当する。
図8に示すように、第2変形例による車両の前部車体構造では、上述したダッシュアッパパネル7及びカウルパネル9の代わりに、断面S字形状を有するカウルパネル20が設けられている。このカウルパネル20は、フロントウインドガラス8の傾斜下端部を支持し、車両前方に円弧状に膨出する側面視略C字形状の膨出部20aと、この膨出部20aの下部に当該膨出部20aの下部のコーナアール部20rを介して、当該コーナアール部20rから下方に延びる縦壁部20bと、この縦壁部20bの下端から車両前方へ略水平方向に延びる下面部20cとを有しており、全体として側面視略S字形状に構成されている。この車両の前部車体構造では、カウル部材としてのカウルパネル20により、カウル開口部25が形成される。
また、第2変形例による車両の前部車体構造では、第1変形例と同様の、断面Z字状に形成された補強部材70が設けられている。具体的には、補強部材70は、上端部に折曲げ片70aが一体形成されていると共に、下端部に折曲げ片70bが一体形成されており、上端部にある折曲げ片70aがカウルパネル20の膨出部20aにおいて下部に位置する略平坦部下面に接合固定され、下端部にある折曲げ片70bがカウルパネル20の下面部20cの前面に接合固定されている。また、補強部材70は、上端部における折曲げ片70aの折曲げ形成によって形成された角部を屈曲部70cとして、この屈曲部70cに振動減衰部材72が配設されている。
このような第2変形例による車両の前部車体構造によっても、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。特に、第2変形例によれば、膨出部20a、縦壁部20b及び下面部20cを有する所謂S字カウルを、カウルパネル20として採用することで、膨出部20aにより、カウルパネル20の後方スペースを広く確保することができ、これによりインテリアデザインの自由度を向上させつつ、膨出部20aの前方張り出し構造により、フロントウインドガラス8の支持剛性の確保が図れ、また、衝突荷重の入力時には、膨出部20a及び縦壁部20bによって段階的にエネルギーを吸収することができる。
2 ダッシュロアパネル
3 エンジンルーム
4 車室
7 ダッシュアッパパネル
8 フロントウインドガラス
9 カウルパネル
10、25 開口部(カウル開口部)
11 カウルフロントパネル
13 カウルクロスメンバ
14 カウルボックス
20 カウルパネル
30、50、60、70 補強部材
30c、50c、60c、70c 屈曲部
32、52、62、72 振動減衰部材
40 移動抑制部材
50d 凹部

Claims (4)

  1. 車両の前部車体構造であって、
    車幅方向に延び、フロントウインドガラスの下端部を下方から支持すると共に、車両前方に開口する開口部を形成するカウル部材と、
    このカウル部材の開口部の上部から下部まで延びるように、その両端がカウル部材の内壁面に連結された補強部材と、を有し、
    この補強部材は、屈曲部において屈曲しており、この屈曲部に振動減衰部材が配設されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. さらに、一端が上記補強部材の屈曲部近傍に連結され、他端が上記補強部材とは異なる部材に連結された移動抑制部材を有する請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 上記補強部材の屈曲部には、下方に凹んだ凹部が形成されており、この凹部に上記振動減衰部材が配設されている請求項1又は2に記載の車両の前部車体構造。
  4. 上記カウル部材は、断面S字形状を有するカウルパネルによって構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
JP2014054581A 2014-03-18 2014-03-18 車両の前部車体構造 Active JP6048681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014054581A JP6048681B2 (ja) 2014-03-18 2014-03-18 車両の前部車体構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014054581A JP6048681B2 (ja) 2014-03-18 2014-03-18 車両の前部車体構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015174610A JP2015174610A (ja) 2015-10-05
JP6048681B2 true JP6048681B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=54254166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014054581A Active JP6048681B2 (ja) 2014-03-18 2014-03-18 車両の前部車体構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6048681B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021115934A (ja) * 2020-01-24 2021-08-10 マツダ株式会社 車両の車体構造

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61139329U (ja) * 1985-02-19 1986-08-29
JPH0282678U (ja) * 1988-12-15 1990-06-26
JP2005351393A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Hokushin Ind Inc 防振ダンパー
JP5176501B2 (ja) * 2007-11-28 2013-04-03 トヨタ自動車株式会社 車両前部のカウル構造
JP2010221879A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Toyota Motor Corp カウル構造
JP5895831B2 (ja) * 2012-12-21 2016-03-30 マツダ株式会社 車両の前部車体構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015174610A (ja) 2015-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5352682B2 (ja) 車体フロア構造
JP4207006B2 (ja) ウインドシールドガラスの支持構造
JP6913300B2 (ja) 車両後部構造
JP2014151816A (ja) 車両のバックドア補強構造
JP5915562B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP2013184569A (ja) 車体下部構造
JP5895432B2 (ja) 車両のカウル部構造
CN104276214A (zh) 车身前部构造
JP2014240243A (ja) 車両前部構造
JP6544635B2 (ja) 車両側部構造
JP6048681B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP6803290B2 (ja) ラゲージドア構造
JP5942871B2 (ja) 車両の車体構造
JP2019038301A (ja) 車体構造
JP2019098897A (ja) 車両の車体構造
JP6156306B2 (ja) 車両カウル構造
JP4999790B2 (ja) 車両の車体前部における制振装置
CN107444085A (zh) 车门构造
JP5594887B2 (ja) 車両の車体前部構造
JP5618329B2 (ja) 車両の車体上部構造
JP6048184B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP6090627B2 (ja) ルーフフロントクロスメンバ部の構造
JP5736927B2 (ja) 車両骨格構造
JP6280413B2 (ja) 車体構造
JP6318988B2 (ja) 車両上部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6048681

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150