JP2019098897A - 車両の車体構造 - Google Patents
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Description
<車体の構造>
図1及び図2に、開示技術に係る車両の車体構造を適用した自動車(車両)の車体1を示す。図1は、車体1を左側方から見た図であり、図2は、車体1を下方から見た図である。
上記車体構成部材の互いの接合部分を接合部20とする。接合部20には、以下のとおり、パネル接合部20a、第1接合部20b、及び第2接合部20cが含まれる。
図3に、フロアパネル6とフロントパネル10とのパネル接合部20aを示す。車幅方向に延びるフロアパネル6の前端部(パネル部材の端部)は、車幅方向に延びるフロントパネル10の後端部(追加のパネル部材の端部)と、所定幅で上下に重なり合った状態で継ぎ合わされている。その車幅方向に延びるように帯状に継ぎ合わされた部分を接合することにより、パネル接合部20aが構成されている。言い換えると、パネル接合部20aは、フロアパネル6の前端部及びフロントパネル10の後端部に沿って延びるように形成されている。
図4に、クロスメンバ5とフロアパネル6との第1接合部20bを示す。クロスメンバ5は、断面ハット状の長尺部材であるクロスメンバ本体51がフロアパネル6の上面(一面)に第1接合部20bを介して接合されることにより形成されている。クロスメンバ本体51は、帯板状の主壁部51aと、互いに対向した状態で主壁部51aの両側縁にその全長にわたって連なる一対の側壁部51b,51bと、各側壁部51bの突端からその全長にわたって互いに逆向きに張り出す一対のフランジ部51c,51cとを有している。
図5に、フロアパネル6とフレーム7の第2接合部20cを示す。フレーム7は、クロスメンバ5と同様に、断面ハット状の長尺部材であるフレーム本体71をフロアパネル6の下面(他面)に接合して形成されている。フレーム本体71は、帯板状のフレーム主壁部71aと、互いに対向した状態でフレーム主壁部71aの両側縁にその全長にわたって連なる一対のフレーム側壁部71b,71bと、各フレーム側壁部71bの突端からその全長にわたって互いに逆向きに張り出す一対のフレームフランジ部71c,71cとを有している。
接合部20は、車体強度を確保する必要性から、高い剛性が求められるため、例えば貯蔵弾性率が1500MPaを超えるような高剛性の物性を有する接着剤を用いることが一般的となっている。一方、一般に剛性が高いほど振動は伝わり易くなるため、自動車の走行時等に発生する振動の伝達を抑制して快適な乗り心地を実現する観点から、車体1、特に、乗員が収容される車室2を構成する部分の接合部20は、高い剛性を確保しつつ、振動を減衰できる減衰性を有する接着剤を用いることが望ましい。
図3〜図5に示すように、接合部20の縁部から接着剤の一部がはみ出すように構成してもよい。そうすれば、接着剤を接合部20に塗布する際に、塗布量や塗布位置に多少のばらつきが発生しても、接合部20の縁部に沿って接着部を安定して設けることができるので、口開きを、より高精度に抑制することができる。
図2に示すように、フレーム7はフロアパネル6の下側からフロントパネル10及びリアパネル11の下側にまで前後方向に延びているところ、例えば図2中符号A1で示すように、パネル接合部20aと第2接合部20cとが重なる部分が形成されている。
以下、本発明に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示すように、フレーム7はフロアパネル6の下側からフロントパネル10及びリアパネル11の下側にまで前後方向に延びているところ、例えば図2中符号A2で示すように、第1接合部20bにおいても第2接合部20cと重なる部分が形成され得る。
実施形態3の構成において、第1接着剤21の単位面積当たりの接着剤量について、さらに交差部分Q1の接着剤量を第1隣接部分R1の接着剤量と比べて少なくする構成としてもよい。
上記実施形態では、第1接合部20b、第2接合部20c及びパネル接合部20aにおける車体構成部材は、接着剤により互いに接合されている構成であったが、これらを含む接合部20は、接着剤による接合と、スポット溶接及び/又は機械的接合手段との併用構造としてもよい。
なお、開示する技術は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
2 車室
3 サイドシル
4 トンネルレイン
5 クロスメンバ(第1剛性部材)
6 フロアパネル(パネル部材)
7 フレーム(第2剛性部材)
10 フロントパネル
11 リアパネル
20a パネル接合部
20b 第1接合部
20c 第2接合部
21 第1接着剤
22 第2接着剤
23 パネル接着剤
27 スポット接合部
51 クロスメンバ本体
51b 側壁部
51c フランジ部
71 フレーム本体
71a フレーム主壁部
71b フレーム側壁部
71c フレームフランジ部
K パネル積層部分
K1 パネル交差部分
M1 第1パネル隣接部分(パネル隣接部分)
M2 第2パネル隣接部分(パネル隣接部分)
Q 積層部分
Q1 交差部分
R1 第1隣接部分(隣接部分)
R2 第2隣接部分(隣接部分)
Claims (19)
- 車体を構成するパネル部材と、
前記パネル部材の一面にパネル接合部を介して接合された追加のパネル部材と、
前記パネル部材の他面に第2接合部を介して接合された第2剛性部材とを備え、
前記パネル接合部は、前記パネル部材と前記追加のパネル部材との双方に接着することで両者を接合させる減衰性のパネル接着剤を備えており、
前記第2接合部は、前記第2剛性部材と前記パネル部材との双方に接着することで両者を接合させる減衰性の第2接着剤を備えており、
前記パネル接合部は、前記第2接合部と重なり合うパネル交差部分と、該パネル交差部分に隣接し且つ該第2接合部と重なり合わないパネル隣接部分とを備え、
前記パネル隣接部分は、前記パネル部材の前記他面側に第2剛性部材が配置されていない第1パネル隣接部分と、該第2剛性部材が配置されている第2パネル隣接部分を備えており、
前記第2パネル隣接部分における前記パネル接着剤の単位面積当たりの接着剤量は、前記第1パネル隣接部分における該パネル接着剤の単位面積当たりの接着剤量よりも少ない
ことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1に記載の車両の車体構造において、
前記パネル接着剤及び前記第2接着剤は、20℃の温度で、加振力の周波数が60Hzである条件下において、貯蔵弾性率が100MPaから800MPaの範囲内、かつ、損失係数が0.2以上の特性を有していることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項2に記載の車両の車体構造において、
前記パネル接着剤及び前記第2接着剤は、20℃の温度で、加振力の周波数が60Hzである条件下において、貯蔵弾性率が500MPaより大きく600MPa以下の範囲内、かつ、損失係数が0.3以上の特性を有していることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両の車体構造において、
前記パネル部材と前記追加のパネル部材とは、各々の端部において互いに接合されており、
前記パネル接合部は、前記パネル部材の前記端部及び前記追加のパネル部材の前記端部に沿って延びるように形成されており、
前記パネル接着剤は、前記第2パネル隣接部分以外の部分では、前記パネル接合部の延出方向に沿って連続的に配置されていることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両の車体構造において、
前記パネル交差部分における前記パネル接着剤の単位面積当たりの接着剤量は、前記第1パネル隣接部分における該パネル接着剤の単位面積当たりの接着剤量よりも少ない
ことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項5に記載の車両の車体構造において、
前記パネル接着剤は、前記パネル交差部分及び前記第2パネル隣接部分以外の部分では、前記パネル接合部の延出方向に沿って連続的に配置されている
ことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両の車体構造において、
前記第2剛性部材は、長尺部材であり、
前記第2接合部は、前記第2剛性部材の長手方向に延びるように形成されており、
前記第2接着剤は、前記第2接合部の延出方向に沿って連続的に配置されていることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載の車両の車体構造において、
前記第2接合部は、所定の間隔を隔てて対向するように配置された一対の対向接合部を含み、
前記一対の対向接合部の間に閉断面構造が形成されていることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項8に記載の車両の車体構造であって、
前記閉断面構造の内側に臨む前記対向接合部の縁部に沿って前記第2接着剤が設けられていることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項8又は請求項9に記載の車両の車体構造において、
前記第2剛性部材は断面ハット状の長尺部材であり、
前記第2剛性部材は前記第2剛性部材の幅方向の両端に長手方向に延びるように互いに略並行に設けられた一対のフランジ部を備えており、
前記一対の対向接合部は、前記一対のフランジ部が前記パネル部材に接合されてなり、
前記一対の対向接合部の間に前記第2剛性部材と前記パネル部材とにより構成された閉断面構造が形成されていることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載の車両の車体構造において、
前記パネル部材は、前記車体の車室を構成するフロアパネルであり、
前記追加のパネル部材は、前記車体のフロントパネル及び/又はリアパネルであり、
前記第2剛性部材は前記車体のフレームであることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項11に記載の車両の車体構造において、
前記パネル接合部は、車幅方向に延びるように形成されており、
前記フレームは、前記フロアパネルと接合されて車両前後方向に延びるとともに、前記パネル接合部よりも前側又は後側は前記フロントパネル及び/又は前記リアパネルと接合されている
ことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項12のいずれか一つに記載の車両の車体構造において、
前記パネル接合部及び/又は前記第2接合部は、スポット溶接及び/又は機械的接合手段との併用構造であることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項13に記載の車両の車体構造において、
前記パネル接合部は、車幅方向に延びるように形成されており、
前記第2剛性部材は、長尺部材であり、
前記パネル接合部及び/又は前記第2接合部は、前記パネル接着剤及び/又は前記第2接着剤による接合に加え、前記パネル接合部及び/又は前記第2剛性部材の延出方向に間隔を隔てて配置され、前記追加のパネル部材及び/又は前記第2剛性部材と前記パネル部材との双方が互いに部分的に溶接されることによって構成されている複数のスポット接合部を備えたことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項14に記載の車両の車体構造において、
前記スポット接合部の間隔が、10mm〜100mmの範囲内に設定されていることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項15のいずれか一つに記載の車両の車体構造において、
前記パネル接合部における前記パネル部材及び前記追加のパネル部材の少なくとも一方、及び/又は、前記第2接合部における前記パネル部材及び前記第2剛性部材の少なくとも一方は、2mmより薄い厚さを有していることを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項1〜請求項16のいずれか一つに記載された車両の車体構造であって、
前記パネル部材の前記一面であり且つ前記パネル接合部が形成されていない位置に第1接合部を介して接合された第1剛性部材をさらに備え、
前記第1接合部は、前記第1剛性部材と前記パネル部材との双方に接着することで両者を接合させる減衰性の第1接着剤を備えており、
前記第1接合部は、前記第2接合部と重なり合う交差部分と、該交差部分に隣接し且つ該第2接合部と重なり合わない隣接部分とを備え、
前記隣接部分は、前記パネル部材の前記他面側に第2剛性部材が配置されていない第1隣接部分と、該前記第2剛性部材が配置されている第2隣接部分を備えており、
前記第2隣接部分における前記第1接着剤の単位面積当たりの接着剤量は、前記第1隣接部分における該第1接着剤の単位面積当たりの接着剤量よりも少ない
ことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項17に記載の車両の車体構造において、
前記交差部分における前記第1接着剤の単位面積当たりの接着剤量は、前記第1隣接部分における該第1接着剤の単位面積当たりの接着剤量よりも少ない
ことを特徴とする、車両の車体構造。 - 請求項17又は請求項18に記載された車両の車体構造であって、
前記パネル部材は、前記車体の車室を構成するフロアパネルであり、
前記第1剛性部材は、前記フロアパネルの上面に車幅方向に延びるように接合され、該フロアパネルを補強するためのクロスメンバであり、
前記第2剛性部材は、前記フロアパネルの下面に車両前後方向に延びるように接合されたフレームである
ことを特徴とする、車両の車体構造。
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