以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図7は、本発明に係る水処理装置の実施形態1を示している。
水処理装置(1a)は、図1に示すように、水(湯水を含む、以下同様とする)を貯留する貯水タンク(2)と、貯水タンク(2)内の水を循環させて撹拌させる水循環回路(1)とを備えている。
貯水タンク(2)には、図1に示すように、水循環回路(1)の両端、第1流路管(6)の一端、及び第2流路管(7)の一端が接続されている。
水循環回路(1)は、図1に示すように、内部に水が流れる水通路として設けられた水配管(3)と、水配管(3)の途中に設けられた2つの開閉バルブ(4a,4b)と、水配管(3)の途中に設けられ、貯水タンク(2)及び開閉バルブ(4a)の間に配置されたポンプ(5a)と、水配管(3)の途中に設けられ、2つの開閉バルブ(4a,4b)の間に順に配置された水処理部(10)及びポンプ(5b)とを備えている。
水配管(3)は、図1に示すように、その一端が貯水タンク(2)の図中左側の側面に接続されていると共に、その他端が貯水タンク(2)の図中右側の側面に接続されている。
開閉バルブ(4a,4b)は、水配管(3)の流路を開閉可能な弁のように構成されている。ここで、開閉バルブ(4a)は、水処理部(10)の水の流入側に設けられ、開閉バルブ(4b)は、ポンプ(5b)の水の流出側に設けられている。また、開閉バルブ(4a,4b)は、弁を開けると水配管(3)の内部を水が流通し、弁を閉じると水配管(3)の内部の水の流通が停止するように構成されている。
水処理部(10)は、図2及び図4に示すように、水配管(3)の流入部(3a)側に設けられた第1絶縁部(40)と、水配管(3)の流出部(3b)側に設けられた第2絶縁部(50)と、第1絶縁部(40)及び第2絶縁部(50)の間に設けられ、水配管(3)から供給される水を収容して処理する処理槽(11)と、処理槽(11)に設けられた第1放電ユニット(30a)及び第2放電ユニット(30b)とを備えている。ここで、水処理部(10)は、図1、図2及び図4に示すように、水配管(3)の流入部(3a)から流入させた水が第1絶縁部(40)を介して処理槽(11)に供給され、その供給された水が処理槽(11)において放電ユニット(30a,30b)で発生させた殺菌因子により浄化され、その浄化された水が第2絶縁部(50)を介して流出部(3b)から水配管(3)に流出するように構成されている。
第1絶縁部(40)は、水処理部(10)と流入部(3a)側の水配管(3)の水とを電気的に絶縁するように構成されている。具体的に、第1絶縁部(40)は、図2及び図3に示すように、水配管(3)の流入部(3a)に接続されたノズルヘッダー(41)と、水処理部(10)の図中上方に後述するレーン(21a,21b,22a,22b)毎に設けられ、ノズルヘッダー(41)に接続されて処理部(10)に水配管(3)の水を供給するノズル(42)と、各ノズル(42)の水の供給先側に設けられ、各ノズル(42)から供給される水を衝突させて水処理部(10)に落下させるリフレクター(43a)とを備えている。
ノズル(42)は、図2及び図3に示すように、後述する距離延長手段(43a)と同様に機能する距離延長手段(43b)により、ノズル先端が図中右斜め上方向を向き、処理部(10)に供給される水の方向が水平面に対して斜め上方になるように構成されている。また、ノズル(42)は、リフレクター(43a)に対して、水を噴射又は噴霧するように構成されている。
リフレクター(43a)は、図3に示すように、ノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの鉛直距離(La)よりもノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの水の移動距離(Lba+Lbb)を長くする距離延長手段(43a)である。また、リフレクター(43a)は、図2及び図3に示すように、三角柱状に形成され、水が衝突する表面(衝突面)が、例えば、テフロン(登録商標)加工により、撥水性を有している。なお、本実施形態では、三角柱状のリフレクター(43a)を例示したが、リフレクター(43a)は、例えば、板状などの他の形状であってもよく、衝突面が凹曲面状や凸曲面状に形成された形状などであってもよい。
上記構成の第1絶縁部(40)では、ノズル(42)から噴射又は噴霧された水がリフレクター(43a)の表面に衝突して、粒状(液滴)又は粒(液滴)がより小さくなることにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、水配管(3)の流入部(3a)から流入する水と、処理槽(11)を流れる水とが電気的に絶縁されることになる。なお、第1絶縁部(40)では、ノズル(42)の先端から処理槽(11)の水面までの鉛直距離が短くても、水配管(3)の流入部(3a)の水と、処理槽(11)の水との間の電気抵抗が数百MΩ以上になる。
処理槽(11)は、図2に示すように、平面視で略長方形状に形成された箱状の水槽である。具体的には、処理槽(11)は、図2に示すように、略長方形の平板状に形成された底部(12)と、略長方形の平板状に形成され、且つ底部(12)の各長辺からそれぞれ図中上方に延びる長壁部(13,13)と、略長方形状の平板状に形成され、且つ底部(12)の各短辺からそれぞれ図中上方に延びる短壁部(14a,14b)と、水の流れ方向に沿って内部を4つのレーン(21a,21b,22a,22b)に仕切るように設けられ、略長方形状の平板状に形成された3つの仕切板(15a,15,15a)と、4つのレーン(21a,21b,22a,22b)に亘って流入部(3a)側に設けられ、略長方形の平板状に形成された流路調整板(18)とを備えている。ここで、処理槽(11)では、図2に示すように、流出部(3b)側の短壁部(14b)が流入部(3a)側の短壁部(14a)よりも低く形成されていることにより、短壁部(14b)の図中上端が流出口部(17)になっている。また、処理槽(11)では、図2に示すように、第1レーン(21a)及び第2レーン(21b)により第1流路(21)が構成され、第3レーン(22a)及び第4レーン(22b)により、第2流路(22)が構成されている。なお、本実施形態では、4つのレーン(21a,21b,22a,22b)を有する処理槽(11)を例示したが、処理槽(11)に形成されるレーンの数は、浄化する水の量に応じて任意に変更することができる。
仕切板(15,15a)は、電気絶縁性を有する材料により形成されている。ここで、第1レーン(21a)及び第2レーン(21b)の間の仕切板(15a)、並びに第3レーン(22a)及び第4レーン(22b)の間の仕切板(15a)には、図5に示すように、厚さ方向に貫通する孔部(16)が形成されている。そして、仕切板(15a)の孔部(16)には、図2及び図5に示すように、孔部(16)を塞ぐように放電部材(34)が設けられている。ここで、放電部材(34)は、例えば、セラミックスなどの電気絶縁材料により形成された板状の絶縁部材である。
流路調整板(18)は、図2及び図3に示すように、その上部がリフレクター(43a)の水の衝突面の背後に配置するように設けられ、その下部が底部(12)の表面から離れるように設けられ、第1絶縁部(40)を介して供給される水配管(3)の水の流れを調整するように構成されている。
第1放電ユニット(30a)は、第1流路(21)に設けられ、第1流路(21)の水を浄化するように構成されている。
第2放電ユニット(30b)は、第2流路(22)に設けられ、第2流路(22)の水を浄化するように構成されている。
第1放電ユニット(30a)及び第2放電ユニット(30b)、すなわち、放電ユニット(30a,30b)は、図2、図5及び図6に示すように、交番波形を発生させる高電圧発生部(33)と、処理槽(11)内の水中に互いに対向するように設けられ、高電圧発生部(33)からの電圧が印加される第1電極(31)及び第2電極(32)と、第1電極(31)及び第2電極(32)の間に設けられ、第1電極(31)及び第2電極(32)の間の電流経路を構成して水中放電を生起させる微小な貫通孔(35)が形成された上記放電部材(34)を有する仕切板(15a)とを備えている。
第1電極(31)は、図5に示すように、第1レーン(21a)及び第3レーン(22a)に設けられ、例えば、高電圧発生部(33)のホット側に接続されている。
第2電極(32)は、図5に示すように、第2レーン(21b)及び第4レーン(22b)に設けられ、例えば、高電圧発生部(33)のニュートラル側に接続されている。
第1電極(31)及び第2電極(32)は、例えば、耐腐食性の高い金属材料により、平板状に形成されている。
高電圧発生部(33)は、例えば、図7に示すように、第1電極(31)及び第2電極(32)に対して、正負の入れ替わる交番波形の電圧を印加するように構成されている。ここで、交番波形(方形波)のデューティー比は、図7に示すように、正極側と負極側との割合が等しくなるように調節されている。なお、本実施形態では、高電圧発生部(33)から印加される電圧波形として、方形波の電圧波形を例示したが、高電圧発生部(33)から印加される電圧波形は、交番型であれば、正弦波などの電圧波形であってもよい。
放電部材(34)に形成された貫通孔(35)は、例えば、電気抵抗が数MΩとなるように設計されている。ここで、貫通孔(35)は、第1電極(31)及び第2電極(32)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部となる。そのため、第1電極(31)及び第2電極(32)の間に電圧が印加されると、図6に示すように、放電部材(34)の貫通孔(35)内では、電流経路の電流密度が上昇することにより、水がジュール熱によって気化して気泡(C)が形成される。そして、気泡(C)内では、気泡(C)と水との界面が電極となって放電が発生することになる。なお、この放電では、第1電極(31)及び第2電極(32)が放電を直接行う電極とならないため、放電によって第1電極(31)及び第2電極(32)が劣化することを抑制することができる。
第2絶縁部(50)は、水処理部(10)と流出部(3b)側の水配管(3)の水とを電気的に絶縁するように構成されている。具体的に、第2絶縁部(50)は、図2に示すように、処理槽(11)の水の流出側に連結するように設けられ、4面の外壁部(51a,51a,51b,51c)からなる箱状の水槽である。ここで、外壁部(51c)の下部には、図2に示すように、水配管(3)の流出部(3b)が接続されている。さらに、第2絶縁部(50)は、図2に示すように、処理槽(11)の出口から水配管(3)の水面までの鉛直距離よりも処理槽(11)の出口から水配管(3)の水面までの水の移動距離を長くする微細化手段(53)として、処理槽(11)の流出口部(17)から図中右斜め下方向に延びて水を落下させる第1スロープ(52a)と、第1スロープ(52a)の図中右斜め下側に設けられ、外壁部(51c)から図中左斜め下方向に延びて第1スロープ(52a)を落下させた水を受けて水の流れを反転させた後に、水を落下させる第2スロープ(52b)とを備えている。ここで、第1スロープ(52a)及び第2スロープ(52b)の各下端は、図2に示すように、曲面状に反り上がっている。また、第1スロープ(52a)及び第2スロープ(52b)の各表面は、例えば、テフロン(登録商標)加工により、撥水性を有している。そのため、第2絶縁部(50)では、処理槽(11)で処理された水が流出口部(17)を超えると、その処理された水が、図2に示すように、第1スロープ(52a)の表面を雫状に落下した後に、その下端で図中右斜め上方向にジャンプすることにより微細化し、その微細した水が、第2スロープ(52b)の図中上部又はその図中上側の外壁部(51c)に到達し、続いて、第2スロープ(52b)の表面を雫状に落下した後に、その下端で図中左斜め上方向にジャンプすることにより微細化して外壁部(51b)の表面に落下することになる。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の流出口部(17)から供給された水が外壁部(51b)の表面又は貯留された水面に落下する際に、第1スロープ(52a)及び第2スロープ(52b)を介して雫状になると共に、その粒が小さくなることにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。なお、第2絶縁部(50)では、流出口部(17)から外壁部(51b)の表面又は貯留された水面までの鉛直距離が短くても、処理槽(11)の水と、水配管(3)の流出部(3b)の水との間の電気抵抗が数百MΩ以上になる。
次に、上記構成の水処理装置(1a)の運転動作について説明する。
水処理装置(1a)では、水処理部(10)において、水配管(3)を流れる水に電気的な
処理がなされる。
水処理部(10)の運転開始前には、水循環回路(1)の開閉バルブ(4a,4b)が開かれ、貯水タンク(2)の水が水配管(3)内を流れる。そして、水配管(3)を流れる水は、ポンプ(5a)を介して流入部(3a)からノズルヘッダー(41)内に流入し、ノズル(42)から各レーン(21a,21b,22a,22b)に供給され、処理槽(11)内に水が貯留される。このとき、供給された水は、粒状(液滴)となっているため、各液滴間に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、水配管(3)の流入部(3a)の水と、処理槽(11)を流れる水とが電気的に絶縁される。
水処理部(10)の運転開始時には、処理槽(11)内が浸水した状態となっている。そして、高電圧発生部(33)から第1電極(31)及び第2電極(32)に対して極性の割合が等しい方形波の電圧が印加されると、放電部材(34)の貫通孔(35)の電流経路の電流密度が上昇する。ここで、貫通孔(35)内の電流経路の電流密度が上昇すると、貫通孔(35)内にジュール熱が発生し、そのジュール熱により、放電部材(34)では、貫通孔(35)の内部及び出入口の近傍において、水の気化が促進されて気体相としての気泡(C)が形成される。この気泡(C)は、図6に示すように、貫通孔(35)の全域を覆う状態となる。この状態では、気泡(C)が第1電極(31)及び第2電極(32)の間で水を介した導電を阻止する抵抗として機能する。これにより、第1電極(31)及び第2電極(32)と水との間に電位差がほぼなくなり、気泡(C)と水との界面が電極となる。そのため、気泡(C)内では、絶縁破壊が起こり、放電が発生する。そして、気泡(C)内で放電が行われると、処理槽(11)の水中では、殺菌因子(水酸ラジカルなどの活性種)が発生する。
その後、処理槽(11)の各レーン(21a,21b,22a,22b)を流れる水は、流出口部(17)から第2絶縁部(50)に供給される。そして、第2絶縁部(50)では、供給された水が外壁部(51b)の表面に落下する際に、雫状になると共に、その粒が小さくなるので、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)で処理された水と水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁される。
以上説明したように、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、水処理部(10)と水配管(3)の水とを電気的に絶縁するために水処理部(10)の流出側に設けられた絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。そのため、水処理部(10)の水中で確実に放電を生起させることができ、投入した電力を効率よく使用することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)の出口から斜め下方向に延びる第1スロープ(52a)と、第1スロープ(52a)を落下させた水を受けて水の流れを反転させる第2スロープ(52b)とを備え、各スロープ(52a,52b)の下端が曲面状に反り上がっているので、処理槽(11)で処理された水が、第1スロープ(52a)の表面を雫状に落下した後に、その下端で斜め上方向にジャンプすることにより微細化し、その微細した水が、第2スロープ(52b)に到達し、続いて、第2スロープ(52b)の表面を雫状に落下した後に、その下端で斜め上方向にジャンプすることにより微細化して、水配管(3)の水面に落下することになる。これにより、処理槽(11)で処理された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在するので、電気抵抗を高くすることができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、スロープ(52a,52b)の表面が撥水性を有しているので、スロープ(52a,52b)の表面に水膜が形成され難くなり、処理槽(11)で処理された水をスロープ(52a,52b)の表面で効果的に粒状にすることができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、水処理部(10)と水配管(3)の水とを電気的に絶縁するために水処理部(10)の流入側に設けられた第1絶縁部(40)の距離延長手段(43a,43b)が、ノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの鉛直距離(La)よりもノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの水の移動距離(Lba+Lbb)を長くするように構成されているので、水配管(3)の水がノズル(10)から鉛直下方向に供給される場合よりも流入側の第1絶縁部(40)における電気絶縁性が向上する。これにより、水処理部(10)と流入側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流入側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。そのため、水処理部(10)の水中で確実に放電を生起させることができ、投入した電力を効率よく使用することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、距離延長手段(43a)がノズル(42)から供給される水を衝突させて水処理部(10)に落下させるリフレクター(43a)であるので、リフレクター(43a)での水の反射によって、ノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの水の移動距離(Lba+Lbb)がノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの鉛直距離(La)よりも長くなるだけでなく、リフレクター(43a)での水の衝突によって、ノズル(42)から供給される水が粒状になって、水の各粒間に空気が介在することにもなり、水処理部(10)と流入側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性を向上させることができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、リフレクター(43a)の水の衝突面が撥水性を有しているので、リフレクター(43a)の表面に水膜が形成され難くなり、ノズル(42)から供給される水をリフレクター(43a)で効果的に粒状にすることができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、水処理部(10)に供給される水の方向が水平面に対して斜め上方になるようにノズル(42)が構成されていると共に、ノズル(42)から供給される水がリフレクター(43a)で反射するように構成されているので、ノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの水の移動距離(Lba+Lbb)がノズル(42)の先端から水処理部(10)の水面までの鉛直距離(La)よりもいっそう長くなるだけでなく、リフレクター(43a)での水の衝突によって、ノズル(42)から供給される水の各粒間に空気が介在することにもなり、水処理部(10)と流入側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性を向上させることができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、絶縁部(40,50)が水処理部(10)の流入側と流出側とに設けられているので、水処理部(10)から水処理部(10)の上流側及び下流側の水に電気が流れることを確実に抑制することができる。これにより、水処理部(10)の水中でより確実に放電を生起させることができるので、投入した電力をより効率よく使用することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、水処理部(10)の放電によって、水中に殺菌因子を生成するので、この殺菌因子によって水を確実に浄化することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、水配管(3)から水処理部(10)に流れる水を噴霧する場合には、水処理部(10)とその水処理部(10)に供給される水との間のインピーダンスを大きくすることができるので、水処理部(10)とその水処理部(10)に供給される水との間を確実に絶縁することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、水処理部(10)から水配管(3)に流れる水を雫状にして落下させ、いわゆる滝状にするので、水処理部(10)とその水処理部(10)から排出される水との間のインピーダンスを大きくすることができ、水処理部(10)とその水処理部(10)から排出される水との間を確実に絶縁することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、複数のレーン(21a,21b,22a,22b)が設けられているので、レーン(21a,21b,22a,22b)の数に応じて水処理装置(1a)で処理する水量を調節することができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、高電圧発生部(33)を交番型としているので、第1電極(31)及び第2電極(32)において印加電圧の極性が所定時間おきに交互に入れ替わる。そのため、貫通孔(35)においては、電流を増加させても、グロー放電を発生させずに、スパーク放電を維持することができる。つまり、放電形態は、直流の場合、電流の増加に伴ってスパーク放電からグロー放電に移行するところ、本実施形態の水処理装置(1a)では、放電形態がグロー放電に移行するまでに第1電極(31)及び第2電極(32)の印加電圧の極性が入れ替わるので、貫通孔(35)内において、グロー放電を発生させずにスパーク放電を発生させ続けることができる。これにより、グロー放電による貫通孔(35)の熱的破壊を抑制でき、貫通孔(35)の孔径が拡大することを抑制することができるので、安定して放電を行うことができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、高電圧発生部(33)で発生させる電圧波形において正極側と負極側の割合を等しくしているので、第1電極(31)及び第2電極(32)において酸化反応と還元反応とを同じ程度に行わせることができる。よって、第1電極(31)及び第2電極(32)の酸化反応による溶出を抑制することができ、また、高電圧発生部(33)で発生させる交番型の電圧波形により、第1電極(31)及び第2電極(32)から金属などが析出することを抑制することができるので、安定して放電を行うことができる。
また、本実施形態の水処理装置(1a)によれば、高電圧発生部(33)で発生させる電圧波形を方形波としているので、例えば、正弦波などと比べて、水の導電率に依存せずに放電を生起させることができ、安定して放電を行うことができる。
《参考形態1》
図8及び図9は、水処理装置の参考形態1を示している。なお、以下の各形態において、図1〜図7と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
上記実施形態1では、微細化手段(53)としてスロープ(52a,52b)が設けられた第2絶縁部(50)を備えた水処理装置(1a)を例示したが、本参考形態1では、微細化手段(53)としてスロープ(52)及び拡散板(54)が設けられた第2絶縁部(50)を備えた水処理装置(1a)を例示する。
参考形態1の水処理装置(1a)を構成する水処理部(10)は、図8に示すように、水配管(3)の流入部(3a)側に設けられた第1絶縁部(40)と、水配管(3)の流出部(3b)側に設けられた第2絶縁部(50)と、第1絶縁部(40)及び第2絶縁部(50)の間に設けられ、水配管(3)から供給される水を収容して処理する処理槽(11)と、処理槽(11)に設けられた第1放電ユニット(30a)及び第2放電ユニット(30b)とを備えている。
第2絶縁部(50)は、水処理部(10)と流出部(3b)側の水配管(3)の水とを電気的に絶縁するように構成されている。具体的に、第2絶縁部(50)は、図8に示すように、処理槽(11)の水の流出側に連結するように設けられ、4面の外壁部(51a,51a,51b,51c)からなる箱状の水槽である。ここで、外壁部(51c)の下部には、図8に示すように、水配管(3)の流出部(3b)が接続されている。さらに、第2絶縁部(50)は、図8に示すように、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化する微細化手段(53)として、処理槽(11)の流出口部(17)から図中右斜め下方向に延びて水を落下させるスロープ(52)と、スロープ(52)の図中右斜め下側の外壁部(51c)の内面に設けられた拡散板(54)とを備えている。ここで、拡散板(54)は、図9に示すように、その表面に、各々、半円弧状の横断面を有する複数の凹条が互いに隣り合うように形成され、スロープ(52)を落下した水が衝突して、水平方向(凹条が延びる方向)に拡散するように構成されている。また、スロープ(52)及び拡散板(54)の各表面は、例えば、テフロン(登録商標)加工により、撥水性を有している。そのため、第2絶縁部(50)では、処理槽(11)で処理された水が流出口部(17)を超えると、その処理された水が、図8に示すように、スロープ(52)の表面を雫状に落下した後に、拡散板(54)の表面で拡散した状態で外壁部(51b)の表面に落下することになる。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の流出口部(17)から供給された水が外壁部(51b)の表面又は貯留された水面に落下する際に、スロープ(52)を介して雫状になると共に、その粒が拡散板(54)の表面で小さくなることにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態1の水処理装置(1a)によれば、上記実施形態1と同様に、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
また、参考形態1の水処理装置(1a)によれば、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)の出口から落下させた水を拡散させて水配管(3)に落下させる拡散板(54)を備えているので、処理槽(11)の出口から落下させた水を拡散板(54)の表面に衝突させて微細化することができる。これにより、雫状の水の粒が小さくなって、各粒間(各液滴間)に空気が介在することになるので、電気抵抗を高くすることができる。
また、参考形態1の水処理装置(1a)によれば、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)の出口から斜め下方向に延びて水を落下させるスロープ(52)を備えているので、処理槽(11)の出口から落下させた水を拡散板(54)の表面に確実に衝突させることができる。
また、参考形態1の水処理装置(1a)によれば、スロープ(52)の表面が撥水性を有しているので、スロープ(52)の表面に水膜が形成され難くなり、処理槽(11)で処理された水をスロープ(52)の表面で効果的に粒状にすることができる。
また、参考形態1の水処理装置(1a)によれば、拡散板(54)の表面が撥水性を有しているので、拡散板(54)の表面に水膜が形成され難くなり、スロープ(52)を落下させた水を拡散板(54)の表面で効果的に粒状にすることができる。
《参考形態2》
図10は、水処理装置の参考形態2を示している。
参考形態2の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図10に示すように、短壁部(14b)の図中上端に設けられた流出口部(17a)と、短壁部(14b)の図中下側に設けられたリフレクター(55)とを備えている。
流出口部(17a)は、図10に示すように、その横断面がU字状に形成されている。
リフレクター(55)は、図10に示すように、平面視で半円状に形成され、その表面が、例えば、テフロン(登録商標)加工により、撥水性を有している。ここで、リフレクター(55)は、図10に示すように、流出口部(17a)から落下した水が表面に衝突して図中上下方向に振動することにより、落下してきた水を弾いて微粒化するように構成されている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の流出口部(17a)から供給された水が斜め下方向に落下する際に、リフレクター(55)の表面でその粒が小さくなることにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態2の水処理装置(1a)によれば、上記実施形態1及び参考形態1と同様に、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
また、参考形態2の水処理装置(1a)によれば、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)の流出口部(17a)から落下させた水を衝突させて水配管(3)に落下させるリフレクター(55)を備えているので、処理槽(11)の流出口部(17a)から落下させた水をリフレクター(55)の表面に衝突させて微細化することができる。これにより、水の粒が小さくなって、各粒間(各液滴間)に空気が介在することになるので、電気抵抗を高くすることができる。
《発明の実施形態2》
図11は、本発明に係る水処理装置の実施形態2を示している。
実施形態2の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図11に示すように、短壁部(14b)の図中上端に設けられた流出口部(17a)と、短壁部(14b)の図中下側に設けられた拡散板(54)と、拡散板(54)の両側方の図中下側に設けられた一対のリフレクター(55)とを備えている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の流出口部(17a)から供給された水が斜め下方向に落下する際に、拡散板(54)及びリフレクター(55)の表面でその粒が小さくなることにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、実施形態2の水処理装置(1a)によれば、上記各形態と同様に、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
また、実施形態2の水処理装置(1a)によれば、流出側の絶縁部(50)の微細化手段(53)が、拡散板(54)で拡散させた水を衝突させて水配管(3)に落下させるリフレクター(55)を備えているので、拡散板(54)の表面で微細化した水をリフレクター(55)の表面でさらに微細化することができる。これにより、水の粒が小さくなって、各粒間(各液滴間)に空気が介在することになるので、電気抵抗を高くすることができる。
《参考形態3》
図12は、水処理装置の参考形態3を示している。
参考形態3の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図12に示すように、短壁部(14b)の図中上端に設けられた突出壁部(14c)と、突出壁部(14c)の図中下側に設けられ、回転軸(S)を中心に回転可能な水車(56)とを備えている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の突出壁部(14c)の出口から供給された水が斜め下方向に落下する際に、水車(56)の羽根に水が衝突することにより、水車(56)が回転すると共に、落下してきた水を水車(56)の羽根で弾いて微細化することにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態3の水処理装置(1a)によれば、上記各形態と同様に、第2絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
また、参考形態3の水処理装置(1a)によれば、流出側の第2絶縁部(50)が落下させた水を羽根に衝突させる水車(56)を備えているので、水の粒が小さくなって、各粒間(各液滴間)に空気が介在することになるので、電気抵抗を高くすることができる。
《参考形態4》
図13〜図15は、本発明に係る水処理装置の参考形態4を示している。
参考形態4の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図13及び図14に示すように、短壁部(14b)の図中上端に設けられた突出壁部(14c)と、突出壁部(14c)の図中下側に設けられ、回転軸(S)を中心に振り子のように回転可能な碇状の振子部材(57)とを備えている。
振子部材(57)は、図13及び図14に示すように、回転軸(S)が中間部に設けられた棒状の吊り部(57a)と、平面視で円弧状に設けられ、吊り部(57a)の図中下端に固定された水溜め部(57b)とを備えている。ここで、振子部材(57)は、図15(a)に示すように、処理槽(11)の突出壁部(14c)の出口から供給された水を水溜め部(57b)の図中左側で受けることにより、反時計回りに回転し、続いて、図15(b)に示すように、吊り部(57a)の図中上部で水を弾くと共に、溜まった水を落下させ、そして、図15(c)に示すように、弾いた水を水溜め部(57b)の図中右側で受けることにより、時計回りに回転し、さらに、図15(d)に示すように、溜まった水を落下させながら、処理槽(11)の突出壁部(14c)の出口から供給された水を水溜め部(57b)の図中左側で受けることにより、反時計回りに回転して、図15(a)の状態に戻るように構成されている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の突出壁部(14c)の出口から供給された水が鉛直下方向に落下する際に、振子部材(57)に水が衝突することにより、振子部材(57)が回転すると共に、落下してきた水を振子部材(57)で弾いて微細化することにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態4の水処理装置(1a)によれば、上記各形態と同様に、第2絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
また、参考形態4の水処理装置(1a)によれば、流出側の第2絶縁部(50)が落下させた水を衝突させる振子部材(57)を備えているので、水の粒が小さくなって、各粒間(各液滴間)に空気が介在することになるので、電気抵抗を高くすることができる。
《参考形態5》
図16〜図18は、本発明に係る水処理装置の参考形態5を示している。
参考形態5の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図16〜図18に示すように、短壁部(14b)の図中上端に設けられた突出壁部(14d)と、突出壁部(14d)の図中右側に設けられ、回転軸(S)を中心に回転可能なゲート部(58a)とを備えている。ここで、ゲート部(58a)は、図16〜図18に示すように、突出壁部(14d)上に所定量の水が溜まると、回転軸(S)を中心に反時計回りに回転することにより開放されて、その先端から斜め下方向に水を排出するように構成されている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の突出壁部(14d)の出口から水が断続的に斜め下方向に滝のように落下することにより、微細化され、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態5の水処理装置(1a)によれば、上記各形態と同様に、第2絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
《参考形態6》
図19〜図21は、水処理装置の参考形態6を示している。
参考形態6の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図19〜図21に示すように、短壁部(14b)の図中上端に設けられた突出壁部(14d)と、突出壁部(14d)の図中右側に設けられ、回転軸(S)を中心に回転可能なゲート部(58b)と、突出壁部(14d)の先端に設けられ、突出壁部(14d)及びゲート部(58b)の間での水漏れを防ぐシール部(19)とを備えている。ここで、ゲート部(58b)は、図19〜図21に示すように、突出壁部(14d)上に所定量の水が溜まると、回転軸(S)を中心に時計回りに回転することにより開放されて、その先端から斜め下方向に水を排出するように構成されている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の突出壁部(14d)の出口から水が断続的に斜め下方向に滝のように落下することにより、微細化され、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態6の水処理装置(1a)によれば、上記各形態と同様に、第2絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
《参考形態7》
図22及び図23は、水処理装置の参考形態7を示している。
参考形態7の水処理装置(1a)の第2絶縁部(50)を構成する微細化手段(53)は、図22及び図23に示すように、短壁部(14b)の図中上端から図22中右斜め下方向に延びて水を落下させるスロープ(52c)と、スロープ(52c)の図中下側に設けられ、回転軸(S)を中心に鹿威しのように回転可能な筒状の水溜部材(59)とを備えている。
スロープ(52c)の表面には、図23に示すように、各々、半円弧状の横断面を有する複数の凹条が形成されている。そして、スロープ(52c)は、図23に示すように、その表面に形成された各凹条の底部に水が流れるように構成されている。
水溜部材(59)は、図22及び図23に示すように、その中間部に回転軸(S)が設けられている。ここで、水溜部材(59)は、図23に示すように、内部に水が溜まって重心が上方に移動することにより、回転軸(S)を中心に時計回りに回転して、内部の水を排出した後に、回転軸(S)を中心に反時計回りに回転して、元の状態に戻るように首振り運動を行い、その首振り運動の際に落下してきた水を弾くように構成されている。
上記構成の第2絶縁部(50)では、処理槽(11)の流出口部(17)から供給された水が落下する際に、スロープ(52)を介して雫状になると共に、その粒が水溜部材(59)の首振り運動で小さくなることにより、各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。これにより、処理槽(11)を流れる水と、水配管(3)の流出部(3b)の水とが電気的に絶縁されることになる。
以上説明したように、参考形態7の水処理装置(1a)によれば、上記各形態と同様に、第2絶縁部(50)の微細化手段(53)が、処理槽(11)で処理されて水配管(3)に流れる水を水配管(3)の水面までに落下させる間に微細化するように構成されているので、微細化された水の各粒間(各液滴間)に空気が介在することになる。これにより、水処理部(10)と流出側の水配管(3)の水との間の電気絶縁性が向上するので、特に水処理部(10)の流出側において、水処理部(10)からの電気が流れないようにすることができる。
また、参考形態7の水処理装置(1a)によれば、流出側の第2絶縁部(50)が水溜部材(59)を備えているので、スロープ(52)を落下させた水が水溜部材(59)で弾かれることになる。これにより、雫状の水の粒が小さくなって、各粒間(各液滴間)に空気が介在することになるので、電気抵抗を高くすることができる。
なお、上記各実施形態では、水処理部(10)が水中で放電を生起するようにしたが、本発明では、水処理部(10)が水中で電気分解を生起するようにしてもよい。
また、上記各実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
また、上記各実施形態では、本質的に好ましい構成を幾つか例示したが、本発明は、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。