JP6047826B2 - パチンコ機 - Google Patents

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本発明は、遊技領域へ遊技球を打ち込んで流下させて遊技するパチンコ機に関するものである。
従来一般的なパチンコ機では、遊技盤の前面に金属製の薄板部材からなるレール部材を所定の取付角度で起立させた姿勢で円弧状に配設し、該レール部材によって囲まれた領域を、遊技球の流下する遊技領域としている。また、レール部材の配設に係る構成としては、レール部材にピンを取り付ける一方、遊技盤前面にピンを差し込み可能なピン孔を穿設し、上記ピンをピン孔へ圧入してレール部材を配設するという構成を採用したものがある。そして、そのような構成におけるピン部材としては、たとえば特許文献1に記載されているように、レール部材に開設されているピン取付用孔へ挿通させた状態において略中央で二つ折りにされた金属片からなるものを用いることがある。
特開2005−124810号公報
しかしながら、上記二つ折りにされたピン部材を採用したものにおいては、ピン部材をピン孔へ圧入する際、ピン部材の先端部のうちの一方の先端部が他方の先端部よりも差し込み方向でずれてしまう状態が起こりやすい。すなわち、ピン部材に差し込み方向で歪みが生じやすく、ひいてはレール部材の取付角度が所定の取付角度とならない事態が起こりやすいという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、二つ折りにされたピン部材を採用してレール部材を配設しているものの、精度の良い取付角度でレール部材を取り付けることができるパチンコ機を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、帯状に成形されたレール部材の長手方向で一方側の端縁に、前記レール部材の前記端縁を挟み込むように二つ折りにされたピン部材取り付けられている一方、遊技盤を前後方向で貫通するようにピン孔穿設されており、前記ピン部材を前記遊技盤の前面側から前記ピン孔へ差し込むことによって、前記遊技盤の前面に対して所定の取付角度で起立した姿勢で前記レール部材を配設可能となっており、前記レール部材として外レールと内レールとが配設されて、前記外レールと前記内レールとによって囲まれた領域が、遊技球が流下可能な遊技領域とされているとともに、前記外レールと前記内レールとの間が、前記遊技領域へ遊技球を打ち込むための発射通路とされたパチンコ機であって、少なくとも前記外レールに取り付けられる前記ピン部材の先端部と基端部との間に、前記先端部よりも幅広な保持部形成されている一方、前記遊技盤に薄肉部形成され、前記薄肉部に、前記外レールの前記ピン部材が差し込まれる前記ピン孔穿設されており、前記薄肉部において、前記ピン部材の前記先端部を前記遊技盤から後方へ突出させ、且つ、前記保持部を前記ピン孔内に位置させた状態で、前外レールが配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技盤に薄肉部を形成するとともに、薄肉部にピン孔を穿設しており、ピン部材の先端部を遊技盤から後方へ突出させた状態でレール部材を配設している。したがって、ピン部材をピン孔へ差し込む際、二つ折りにされたピン部材の先端部のうちの一方の先端部が他方の先端部よりも差し込み方向でずれそうになるものの、ピン孔の穿設箇所が薄肉となっているため、ずれないまま若しくは従来よりもずれが小さい状態において、先端部が遊技盤よりも後方へ突出する。そのため、差し込み時におけるピン部材の歪みを従来よりも抑制することができ、ひいてはレール部材を精度の良い取付角度で配設することができる。
また、ピン部材の先端部と基端部との間に、先端部よりも幅広な保持部を形成し、保持部をピン孔内に位置させた状態でレール部材を配設している。したがって、ピン部材の先端部が遊技盤から後方へ突出することで、レール部材の配設時におけるピン部材と遊技盤との接触面積は少なくなっているものの、保持部によってピン部材の差し込み状態を強固に保持することができ、レール部材を確実に固定することができる。
さらに、外レールを配設するためのピン孔を薄肉部に穿設しているため、より取付角度の精度を求められる外レールを精度良く配設することができるし、外レールの取付箇所にのみ薄肉部を設ける等の加工を施せばよく、製造コストの低減等をも図ることができる。
パチンコ機を前面側から示した説明図である。 遊技盤を前面側から示した説明図である。 パチンコ機を後面側から示した説明図である。 遊技盤と外レール及び内レールとを示した斜視説明図である。 遊技盤の後面側を示した斜視説明図である。 レールピンをピン孔に差し込んだ状態の断面を示した説明図である。
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16の左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄を表示するための図柄表示部6が設けられている。さらに、図柄表示部6を囲むように種々の電動役物を備えたセンター部材26が遊技盤2に設置されており、該センター部材26の左方には、遊技球が通過可能なゲート部材60が設けられている。加えて、遊技領域16におけるセンター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19と、一対の翼片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17と、開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18とが設置されている。
さらに、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、保留情報の数を表示する4つのLEDからなる保留表示部20と、特別図柄を表示するための7セグメント表示器からなる特別図柄表示部61とが設けられている。なお、保留表示部20や特別図柄表示部61は、前扉4を閉塞したとしても、前扉4の前方にいる遊技者から視認可能な位置に設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂「大当たり抽選」等)を実行するためのメイン制御装置(図示せず)、図柄表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置(図示せず)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置(図示せず)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置(図示せず)、及び表示制御装置や音制御装置等の動作を統合的に制御するサブ制御装置(図示せず)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
以上のようなパチンコ機1では、遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動して遊技球が発射通路13内を特に外レール23に沿って打ち出され、最終的に遊技領域16内へ打ち込まれる。そして、遊技領域16内を流下する遊技球が図柄始動口19やチューリップ式電動役物17へ入賞すると、メイン制御装置にて「大当たり抽選」を行う。該「大当たり抽選」は、乱数から1つの数値を取得する態様で行われ、取得した数値に応じて、「大当たり」であるか「外れ」であるかを決定するとともに、装飾図柄及び特別図柄の変動時間を決定する。そして、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」である場合には、決定した変動時間だけ装飾図柄及び特別図柄を夫々の表示部にて変動表示させた後、図柄表示部6に所定の「大当たり装飾図柄」(たとえば、「7、7、7」等)を、特別図柄表示部61に所定の「大当たり特別図柄」(たとえば、「1」等)を夫々確定表示させる。さらに確定表示後、大入賞装置18の扉部材を所定回数にわたって断続的に開成させるといった所謂「大当たり状態」を生起させる。一方、「大当たり抽選」の結果、「外れ」である場合には、決定した変動時間だけ装飾図柄及び特別図柄を変動表示させた後、図柄表示部6に「外れ装飾図柄」(たとえば、「1、2、1」等)を、特別図柄表示部61に「外れ特別図柄」(たとえば、「0」等)を夫々確定表示させる。また、図柄の変動表示中(たとえば図柄表示部6におけるリーチ演出中等)において、サブ制御装置による制御のもと、センター部材26に備えられた各種電動役物を種々の態様で動作させ、遊技者に「大当たり状態」生起の期待感を抱かせる。
(レール部材の配設に係る構造の説明)
ここで、本発明の要部となる外レール23の配設に係る構造について、図4〜図6にもとづき詳細に説明する。図4は、遊技盤2と外レール23及び内レール24とを示した斜視説明図である。図5は、遊技盤2の後面側を示した斜視説明図である。図6は、レールピン40をピン孔41に差し込んだ状態の断面を示した説明図である。なお、図4では、遊技盤2を模式的に記載しており、遊技釘等は勿論、遊技盤2の中央に開設される図柄表示部6を露出するための開口等についても記載を省略している。
外レール23は、帯状の金属薄板からなり、長手方向で一方側の端縁を遊技盤2の前面に当接させ、遊技盤2の前面に対して所定の取付角度で起立した姿勢で略円弧を描くように配設されるものである。そして、該外レール23の遊技盤2前面に当接する側の端縁に沿って、外レール23を遊技盤2の前面に固定するための複数のレールピン40、40・・が取り付けられている。各レールピン40は、外レール23の端縁を挟み込むように二つ折りにされた金属片であって、先端部40cと基端部40aとの間となる中間部には、先端部よりも幅広な保持部40bが形成されている。また、各レールピン40の長さは、遊技盤2の厚みと略同じとなる長さ、すなわち外レール23を立設した際、各レールピン40の先端部40cが遊技盤2の後面と略面一となるような長さとなっている。なお、レールピン40の外レール23への取り付けに係る構成は、上記特許文献1に開示の構成と同様である。
一方、遊技盤2の前面で、外レール23を配設する位置には、レールピン40、40・・と同じ間隔で、レールピン40、40・・を差し込むためのピン孔41、41・・が穿設されている。各ピン孔41は、遊技盤2の前面に対して垂直に、且つ、遊技盤2の前面から後面にわたって貫通するように設けられている。また、レールピン40が差し込まれる前の各ピン孔41の孔径は、各レールピン40の先端部40cの幅及び厚みよりも小さい径とされている。さらに、遊技盤2の後面で、ピン孔41、41・・が穿設されている位置には略円形の凹部42、42・・が形成されており(すなわち、各ピン孔41の後端は凹部42内に開口している)、周囲よりも薄肉とされている。各凹部42は、ピン孔41は勿論、レールピン40の先端部40cよりも広い面積にわたって前方へ凹むように形成されている。また、各凹部42の前後方向での凹み量は、当該凹部42位置での遊技盤2の厚みが各レールピン40の基端部40aから保持部40bまでの長さよりも厚く、かつ、基端部40aから先端部40cまでの長さよりは薄くなるような量となっている。
上述したような構成を有する遊技盤2に対して、外レール23を配設するにあたっては、外レール23に取り付けられているレールピン40、40・・を対応するピン孔41、41・・へ、外レール23のレールピン40、40・・取付側の端縁が遊技盤2の前面に当接するまで、遊技盤2の前面側から圧入すればよい。すると、図6に示すように、先端部40cがピン孔41から後方へ突出して凹部42内に位置するとともに、保持部40bがピン孔41の内部(遊技盤2の内部)に位置する状態となり、外レール23が遊技盤2の前面に所定の取付角度で起立した姿勢で配設されることになる。この圧入時、レールピン40の先端部40cのうちの一方の先端部が他方の先端部よりも差し込み方向でずれそうになるものの、ピン孔41の穿設箇所が薄肉となっているため、ずれないまま若しくは従来よりもずれが小さい状態において、先端部40cが凹部42内へ突出する。したがって、圧入時におけるレールピン40の歪みを従来よりも抑制することができ、ひいては外レール23の取付角度が所定の取付角度から大きくずれたりしない。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、遊技盤2の後面に凹部42を形成して、当該凹部42位置での遊技盤2の厚みをレールピン40の長さよりも薄くなるようにするとともに、レールピン40を差し込むためのピン孔41を、その後端が凹部42内に開口するように設けており、外レール23を遊技盤2に配設するにあたって、遊技盤2の前面側からレールピン40をピン孔41へ圧入した際、レールピン40の先端部40cが遊技盤2の後面から突出して凹部42内へ位置するように構成している。したがって、圧入に伴いレールピン40の先端部40cのうちの一方の先端部が他方の先端部よりも差し込み方向でずれそうになるものの、ピン孔41の穿設箇所が薄肉となっているため、ずれないまま若しくは従来よりもずれが小さい状態において、先端部40cが凹部42内へ突出する。そのため、圧入時におけるレールピン40の歪みを従来よりも抑制することができ、ひいては外レール23を精度の良い取付角度で配設することができる。
また、レールピン40の中間部に先端部40cよりも幅広な保持部40bを設けており、外レール23を配設した際、保持部40bについてはピン孔41の内部に留まらせるようにしている。したがって、レールピン40の先端部40cが遊技盤2後面から突出することで、外レール23配設時におけるレールピン40と遊技盤2との接触面積は少なくなっているものの、保持部40bによってレールピン40の差し込み状態を強固に保持することができ(すなわち、ピン孔41からの脱落を確実に防止することができ)、外レール23を確実に固定することができる。
さらに、発射装置10から打ち出された遊技球は発射通路13内を外レール23に沿って遊技領域16へと到達することになるため、外レール23と内レール24とでは特に外レール23に取付角度の精度を求められる。そして、パチンコ機1では、外レール23を配設するためのピン孔41を凹部42内に穿設しているため、少なくとも外レール23を精度良く配設することができるし、外レール23の配設箇所にのみ凹部42を設ける等の加工を施せばよく、製造コストの低減等をも図ることができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明のパチンコ機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、パチンコ機全体の構成は勿論、レールピンやピン孔、凹部といったレール部材の設置に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、上記実施形態では、遊技盤2の後面に凹部42を形成して薄肉部を設けているが、前面に凹部を形成してもよいし、また両面ともに凹部を形成してもよい。さらには、レール部材に沿って溝状に薄肉部を形成してもよく、薄肉部をどのように形成するかは適宜変更可能である。なお、薄肉とは、少なくとも遊技領域16における厚みと比べると薄肉であるということを意味する。
また、上記実施形態では、外レール23を配設するためのピン孔41、41・・のみ凹部42内に開口するように穿設しているが、内レール24を配設するピン孔についても同様に凹部内に開口させても何ら問題はない。
1・・パチンコ機、2・・遊技盤、13・・発射通路、16・・遊技領域、23・・外レール(レール部材)、24・・内レール(レール部材)、40・・レールピン(ピン部材)、40a・・基端部、40b・・保持部、40c・・先端部、41・・ピン孔、42・・凹部(薄肉部)。

Claims (1)

  1. 帯状に成形されたレール部材の長手方向で一方側の端縁に、前記レール部材の前記端縁を挟み込むように二つ折りにされたピン部材取り付けられている一方、遊技盤を前後方向で貫通するようにピン孔穿設されており、前記ピン部材を前記遊技盤の前面側から前記ピン孔へ差し込むことによって、前記遊技盤の前面に対して所定の取付角度で起立した姿勢で前記レール部材を配設可能となっており、
    前記レール部材として外レールと内レールとが配設されて、前記外レールと前記内レールとによって囲まれた領域が、遊技球が流下可能な遊技領域とされているとともに、前記外レールと前記内レールとの間が、前記遊技領域へ遊技球を打ち込むための発射通路とされたパチンコ機であって、
    少なくとも前記外レールに取り付けられる前記ピン部材の先端部と基端部との間に、前記先端部よりも幅広な保持部形成されている一方、
    前記遊技盤に薄肉部形成され、前記薄肉部に、前記外レールの前記ピン部材が差し込まれる前記ピン孔穿設されており、
    前記薄肉部において、前記ピン部材の前記先端部を前記遊技盤から後方へ突出させ、且つ、前記保持部を前記ピン孔内に位置させた状態で、前外レールが配設されていることを特徴とするパチンコ機。
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